JP4330379B2 - 自動車用エアーバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両の衝突時に、助手席や運転席等の車内にいる乗員を正面衝突や側面衝突の衝撃から保護して、乗員の安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置に係り、特に、破断開放部の補強部材の取付構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に適用される助手席用,運転席用及び左右側柱用等のエアーバッグ装置は、基本的に、エアーバッグと、このエアーバッグを折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケースと、エアーバッグを膨張展開するインフレータを備え、このエアーバッグ装置は車両内装パネルの内側に配設される構成になっている。
そして、自動車の内装パネルは、一般的にポリプロピレン樹脂等のプラスチック樹脂材により一体成形されたパネルコアーの表面を覆うポリプロピレン樹脂等のプラスチック樹脂製のインストルメントパネルから構成される。
【0003】
従来の自動車用エアーバッグ装置は、図1及び図2に示すような破断開放部の脆弱部となる破断溝を見えにくくしたシームレスタイプの助手席用エアーバッグ装置が提供されている。
即ち、図1及び図2において、内装パネル10には、図示しないレーザ発生手段からパルス状に発生するレーザを、内装パネル10の裏面側からその裏面に固着する一対の金属製の板材料を折曲成形した補強板材11,11の外形縁部に沿って相対移動しながら照射することにより、内装パネル10の裏面に対して直角方向に形成された長尺方向の前,後ヒンジ溝10aと中央破断溝10b及び短尺方向の破断用溝10cを設けることで、エアーバッグ12を収容するエアーバッグケース13の開口部13aの大きさに対応するエアーバッグ膨張展開用の破断開放部14が形成されている。
また、前記破断開放部14は、長尺方向に形成した中央破断用溝10b,短尺の左右破断溝10c、10cによって、前,後破断開放部15a,15bとなりエアーバッグ膨張展開時に、それぞれ前記前,後ヒンジ溝10a,10aを介して観音開き状態に破断開口される構成になっている。
【0004】
前記内装パネル10の破断開放部14は、エアーバッグ膨張展開時にエアーバッグ12の展開圧力により開放される際、前記前,後ヒンジ溝10aが前記内装パネル10より切り離されてしまう場合がある。そのため、前記内装パネル10の前記破断開放部14の裏面には、前記一対の補強板材11,11の一端水平部11a,11aが溶着等の手段によりカシメ固着され、その各他端となる鉛直部11b,11bが、ヒンジ部11c,11cを介して折り曲げられて垂下され、この各鉛直部11b,11bを、前記エアーバッグケース13の開口部13aの外周寸法より僅かに大きな内周寸法を有するようにして前記内装パネル10の裏面に一体成形された枠状の補強取付部16の前,後壁とともに、前記ケース13の前,後壁面13b,13bに取り付けられたフック部17に係止する構成とすることで、エアーバッグ膨張展開時に観音開きされた内装パネル10の破断開放部14が飛散しないようにしたものである。
なお、前記前,後破断開放部15a,15bの開放を阻害しないようにするため、前記一対の補強板材11,11の各他端の鉛直部11b,11bのフック係止用穴11d,11dは大きめに設定されており、前記前,後破断開放部15a,15bの開放と共に、前記各鉛直部11b,11bの上方への移動を可能にし、エアーバッグ膨張展開時の膨張圧力を吸収できるようにしている。
【0005】
上記のように構成された自動車用エアーバッグ装置においては、車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力をセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かをCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号によりインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグに供給することにより、エアーバッグを急速に膨張展開させる。
【0006】
すなわち、エアーバッグが膨張展開することにより、その圧力で、内装パネル10の破断開放部14が内側から押圧されると、破断開放部14の破断用溝10b,10cが破断され、前,後ヒンジ溝10aを介して観音開き状態に展開される。そして、観音開き状態に展開された前,後破断開放部15a,15bは各補強板材11,11のそれぞれのヒンジ部11c,11cを介して展開される。
これと同時に、エアーバッグ12は、開かれた破断開放部14から内装パネル10の外方へ膨張展開され、この膨張展開されたエアーバッグ12の緩衝作用で、助手席の乗員の頭部或いは胸部等を支えることにより、乗員を車両衝突時の衝撃力から保護するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の自動車用エアーバッグ装置においては、内装パネル10の破断開放部14が設けられている開口周縁の下方裏面には水平断面矩形状の補強取付部16が一体形成され、前,後側壁と左,右側壁とによってほぼ矩形筒状に形成されている。
【0008】
しかるに、図3の一点鎖線で示すように、エアーバッグ膨張展開時にはエアーバッグ12の急激な膨張圧力が、前記矩形筒状の前,後側壁16aに対し矢印F1方向に、また前記左,右側壁16bに対しては矢印F2方向に夫々作用する。
したがって、前記矩形筒状の補強取付部16の各角隅部16cは、矢印F3方向の内向きに変形反力が働く。この状態で破断開放部14が開放されるため、図4に示すように、前記各角隅部16cに対応する破断開放部16のコーナー破断部にササクレ現象Sが生じる不具合がある。
【0009】
また、エアーバッグ装置の作動時のエアーバッグ膨張初期に、補強取付部16の内側が外方に押されることで変形し、内装パネル10の破断開口部縁のコーナーに割れが発生したり、開口周縁が変形して内装パネル10の外観が損なわれるという問題もある。
【0010】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、破断開放部およびその開口周辺領域に与える展開圧力を吸収して、破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面とすることができ、併せて、内装パネルの開口周縁の拡がりを少なくして割れを防止する自動車用エアーバッグ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、自動車の室内に設けられた内装パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断用溝を形成することにより構成される破断開放部と、前記内装パネルの裏面に固着され前記エアーバッグケース連結される補強枠体を備えた自動車用エアーバッグ装置において、前記補強枠体は、前記エアーバッグケースの開口に対応して前,後側壁と左,右側壁とにより矩形筒状に形成された枠本体と、前記枠本体の上端に一体に設けられ前記内装パネルの裏面に接合することで前記破断開放部を補強する破断補強部と、前記枠本体の上端に一体に設けられ前記内装パネルの裏面に接合することで前記破断開放部の周辺領域を補強する縁補強部とを有し、前記矩形筒状の枠本体の各角隅部に、前記エアーバッグの膨張展開時に発生するエアーバッグの膨張圧力による前記各角隅部の変形を少なくする変形防止手段設けられ前記縁補強部は、前記枠本体の上端から外方に向けて斜め上方へ延在して設けられた傾斜部を介して前記枠本体に外方向へ水平に延在して設けられ、前記前,後側壁の上端とこれに対向する前記破断補強部との間は、前記前,後側壁の全長に亘り延在し、かつ前記上端から前記枠本体の内方に向け延在して波状に屈曲する伸び代を有するヒンジ伸び代部を介して連結されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記枠本体は係止部を有し、前記エアーバッグケースは該エアーバッグケースに設けられたフック部を介して前記係止部に連結されることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記変形防止手段は、前,後側壁と左,右側壁との交差する補強枠体の各角隅部に、各側壁が外方に突出する湾曲部で構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記変形防止手段は、前記内装パネルの裏面と接合する前記補強枠体の各角隅部の接合部分を所望長さ切除した切欠部で構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1に記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記枠本体、前記破断補強部、前記縁補強部、前記傾斜部及び前記ヒンジ部を含む前記補強枠体オレフィン系エラストマーなどよりなる低弾性の熱可塑性樹脂材によって一体成形により形成したことを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれか1に記載の自動車用エアーバッグ装置において、 前記内装パネル裏面に対する前記破断補強部及び前記縁補強部のそれぞれの対面にはそれぞれ所定間隔をもって突設した筋条の突起部を形成し、これらの突起部を介して前記破断補強部及び縁補強部が前記内装パネル裏面に振動溶着によって接合されていることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1〜4のいずれか1に記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記破断補強部及び前記縁補強部の前記内装パネルの裏面に対する面には、所定間隔で形成した断裂筋状の振動溶着用の突起部を形成し、これらの突起部を介して前記破断補強部及び縁補強部が前記内装パネル裏面に振動溶着によって接合されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図5は本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の要部縦断面図、図6は図5における補強枠体の全体斜視図、図7は図6の底面側から見た補強枠体の動作説明図である。
【0019】
図5において、40はポリプロピレン樹脂(PP)などの熱可塑性樹脂を主原料として一体成形された樹脂製のインストルメントパネルカバー(以下内装パネルという)であり、この内装パネル40は、図示省略の車体に固定された樹脂製のインストルメントパネルコアー(図示省略)の表面を覆うように構成され、タッピングネジ等の適宜の手段により、インストルメントパネルコアーに固定されている。
【0020】
前記内装パネル40の左側部分の助手席(右ハンドル車対応)と対向する内側箇所には、図5に示すように、自動車用エアーバッグ装置41が収容される収容部42が形成されている。なお、左ハンドル車対応の場合は前記構成と反対の右側部分に設けられる。
【0021】
前記自動車用エアーバッグ装置41は、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグ43と、このエアーバッグ43を折り畳んだ状態で収容する、上部が開放された矩形状の開口44aを有するエアーバッグケース44と、前記内装パネル40と同系の熱可塑性樹脂材料を使用して形成された補強枠体45を構成する枠本体46と、該枠本体46の上部に分岐して形成された一対の破断開放部用の破断補強部47a,47bと、破断開放部の開口周縁用の縁補強部48とからなる。
【0022】
前記枠本体46はエアーバッグケース44の開口44aに対応して前,後側壁46a,46bと左,右側壁46c,46dとによって矩形筒状に形成されると共に、前記枠本体46の矩形状の側壁上部には、枠本体46の側壁上部から外方に向けて斜め上方へ延在して設けられた傾斜部46eが枠本体46に外方向へ水平に延在して設けられこの傾斜46eを介して四周面がほぼ水平となる前記縁補強部48が形成される。また、前,後側壁46a,46bの上部にはそれぞれ前記縁補強部48の傾斜46eの基部から分岐して波状に屈曲されたヒンジ伸び代部49が設けられている。このヒンジ伸び代部49は、部前,後側壁の上端とこれに対向する前記破断補強部との間を連結するもので、前記前,後側壁の全長に亘り延在し、かつ前記上端から前記枠本体の内方に向け延在して波状に屈曲する形状に形成されている。さらに前記矩形筒状の枠本体46の各角隅部(コーナー部)は、エアーバッグの膨張展開時に発生するエアーバッグの膨張圧力による変形を少なくする変形防止手段60を設けてある。
【0023】
前記変形防止手段60は、前,後側壁46a,46bと左,右側壁46c,46dとの交差する各角隅部に各側壁46a,46c、46b,46dの連接部が外方に突出する湾曲部60aで構成されるものである。
【0024】
また、前記変形防止手段60の変形例として図8に示すように、前,後側壁46a,46bと左,右側壁46c,46dとの交差する枠本体46の各角隅部46fの内装パネル40の裏面との接合部分を所望長さをカットした切欠部61成しても、エアーバッグの膨張展開時に発生するエアーバッグの膨張圧力による変形を少なくすることが可能である。
【0025】
そして、前記枠本体46及び一体成形された縁補強部48及び破断補強部47a,47bはオレフィン系エラストマーなどよりなる低弾性の熱可塑性樹脂材によって射出成形により一体形成されたものである。
【0026】
また、前記内装パネル40の裏面と対応する前記縁補強部48及び破断補強部47a,47bの対応面にはそれぞれ所定間隔をもって突設した断裂筋条の突起部50が形成されており、これらの突起部50を介して前記内装パネル40裏面に振動溶着によって互いに固着するようになっている。
【0027】
また、前記収容部42と相対向する内装パネル40には、エアーバッグ43の膨張展開時にエアーバッグの押圧力により破断されて、開口する破断開放部51が形成されている。
【0028】
この破断開放部51は、内装パネル40裏面左右長手方向に沿って設けたヒンジ溝40a及び前後の短尺方向に沿って設けた側部破断用溝40cをエアーバッグケース44の開口44aとほぼ同一の長方形状にレーザ加工等により形成することにより構成されるものであり、破断開放部51の短尺方向すなわち側部破断用溝40cの中間には、破断開放部51の長尺方向の全長に亘り伸びる中央破断用溝40bがレーザ加工等により形成されており、エアーバッグ43の膨張展開時に破断開放部51が側部破断用溝40cと中央破断用溝40bの箇所から破断されることにより、ヒンジ溝40aにより構成されるヒンジ52,52を介して観音開き状態に展開される前,後の破断開放部51a,51bに分離されるようになっている。
【0029】
また、前記枠本体46の長手方向の前,後側壁46a,46bには複数の角穴状の係止部53が形成されており、前記エアーバッグケース44の前後側壁に取付けたフック部54が係止されるようになっている。
【0030】
本発明の実施形態においては、前記補強枠体45と破断補強部47a,47bとを一体形成により構成したので、エアーバッグ膨張展開時において、補強枠体45の各角隅部に作用する展開初期におけるエアーバッグの膨張圧力による変形を少なく抑制することで、破断開放部の変形を防止し、破断開放部51a,51bのスムーズな展開を図ると共に、破断部に生じるササクレ現象Sを解消できる。
【0031】
また、前記補強枠体45の下方には、エアーバッグ43を収納したエアーバッグケース44が配設され、ケース上端開口44aの側壁にはフック部54が設けられており、前記補強枠体45の係止部53に貫通係止されるようになっている。このエアーバッグケース44の下端にはエアーバッグ43にガスを供給するインフレータ(図示せず)が配設されている。
また、このエアーバッグケース44は支持部材55を介してクロスメンバー56など車体側の固定部材にボルトナット56aにより固定されるようになっている。
【0032】
以上のように構成された本発明の実施の形態による助手席用のエアーバッグ装置によれば、自動車などの車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力を図示省略した周知のセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かを図示省略した周知のCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号により、図示省略した周知のインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグ43に供給することにより、エアーバッグ43を急速に膨張展開させる。
【0033】
エアーバッグ43が膨張展開する場合、エアーバッグ43の膨張展開初期時に発生する圧力が破断補強部47a,47bの水平面と補強枠体45の内側にかかると、補強枠体45の各角隅部を変形させるような圧力が掛かるが、この膨張圧力を補強枠体45に設けた変形防止手段60により少なくできるため、破断面に生じやすいササクレ現象を防止できる。
また、枠本体46と縁補強部48を、枠本体46の側壁上部から外方に向けて斜め上方へ延在して設けられた傾斜部46eで連結しているため、補強枠体45に対する膨張の影響が少なく,更に縁補強部48を内下方へ引っ張るようにするため内装パネル40の開口周縁の拡がりを少なくして割れを防止できる。さらに、破断補強部47a,47bの水平面に溶着された破断開放部51a,51bは中央破断用溝40bの脆弱部分から側部の破断用溝40cの脆弱部分に沿い順次破断されると共に、この前,後の破断開放部51a,51bを含む破断補強部47a,47bの水平部は波状の折曲部を有するヒンジ伸び代部49を介して展開され、破断開放部51と破断補強部47a,47bとの溶着部分に掛かる無理な圧力抵抗を吸収することができる。
【0034】
展開最終段階では前記枠本体46の角穴状の係止部53のギャップによっても前記圧力を吸収できることで、内装パネル40の開口周縁に発生する損傷が防止でき、スムーズに観音開き状態に外側へ展開される。
【0035】
この実施の形態によれば、エアーバッグ膨張展開時の初期に補強枠体45の各角隅部(コーナー部)に掛かる変形圧力を変形防止手段60により緩和すると共に、破断開放部51の前後,左右の四周囲の開口周辺領域は補強枠体45の縁補強部48に溶着されているため、破断開放部51の開放動作に追従することが抑制され破断用溝46cで速やかに破断されることになり、エアーバッグ43の膨張展開時に破断された破断開放部51a,51bの破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面を提供できる。
【0036】
さらに、破断開放部51の開口周辺領域は補強枠体45の縁補強部48により補強されているため、破断開放部51を含む内装パネル40の上方からの押圧力に対して耐圧性が増し、エアーバッグ装置の不使用時における内装パネル40の割れ,歪み等の変形を防止できる。
【0037】
また、この実施の形態によれば、内装パネル40と前記補強枠体45とを同系の熱可塑性樹脂材料で構成すると共に、内装パネル40に対応する前記補強枠体45の縁補強部48と破断補強部47a,47bの対応面には断裂筋条の突起部50を介して振動溶着するようにしたので、溶着部に熱による変形を生じさせることなく溶着作業が容易にできる。
【0038】
また、エアーバッグケース44は補強枠体45に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグケース44を補強枠体45から容易に取り外すことができ、産業廃棄物となるインフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止できる。
【0039】
なお、前記実施形態におけるヒンジ溝40a及び破断用溝40b,40cの形成は、内装パネル40の裏面側よりレーザ加工によって脆弱部を形成するようにしたが、これに限定されることなく、フライス溝加工又は型加工によっても形成出来ることは勿論であり、フライス溝加工による場合は、内装パネルの裏面側より切削して、内装パネルの表面側の肉厚を0.5mm〜0.8mmの範囲で残し量を設けるようにすると良い。その他、表面パネルの成形時に一体成形する等の方法がある。
【0040】
【発明の効果】
上記のように構成された自動車用エアーバッグ装置によれば、前記補強枠体を前,後側壁と左,右側壁とによってほぼ矩形筒状に形成し、前記前,後側壁には前記エアーバッグケースを着脱可能に連結できるようにすると共に、矩形筒状の前記補強枠体の各角隅部には、エアーバッグの膨張展開時に発生するエアーバッグの膨張圧力による変形を少なくする変形防止手段を設けた構成としたので、破断開放部およびその開口周辺領域に与える展開圧力を吸収して、破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面とすることができる自動車用エアーバッグ装置を提供することができる。
また、縁補強部は、枠本体の上端から外方に向けて斜め上方へ延在して設けられた傾斜部を介して枠本体に外方向へ水平に延在して設けられているので、補強枠体に対する膨張の影響が少なく、更に縁補強部を内下方へ引っ張るようにするため内装パネルの開口周縁の拡がりを少なくして割れを防止できる。
【0041】
また、リサイクル時において、従来のように金属製の枠体及び補強板材と樹脂製の内装パネルとを一々分離する作業を省略できる。
更にまた、エアバッグケースが補強枠体に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグを枠本体から容易に取り外すことができ、インフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止出来る効果を有する。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の助手席用エアーバッグ装置の単板状の内装パネルにエアーバッグ膨張展開用の破断開放部を形成した状態を示す部分拡大説明図。
【図2】 図2は図1のA−A線に沿う概略断面図。
【図3】 図2の補強取付枠の底面を示す要部説明図。
【図4】 図2の破断開放部のヒンジ部のササクレ現象の生じる状態を示す要部断面図。
【図5】 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施形態を示す要部の縦断面図。
【図6】 図5における補強枠体の全体斜視図。
【図7】 本発明にかかる図6の補強枠体を底面側から見た動作説明図。
【図8】 本発明にかかる補強枠体に形成した変形防止手段の変形例を示す要部斜視図。
【符号の説明】
40 内装パネル
40a ヒンジ溝
40b 中央破断用溝
40c 側部破断用溝
41 自動車用エアーバッグ装置
42 収容部
43 エアーバッグ
44 エアーバッグケース
45 補強枠体
46 枠本体
47a,47b 破断補強部
48 縁補強部
49 ヒンジ伸び代部
50 突起部
51 破断開放部
53 角穴状の係止部
54 フック部
60 変形防止手段
61 切欠部

Claims (7)

  1. 自動車の室内に設けられた内装パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断用溝を形成することにより構成される破断開放部と、前記内装パネルの裏面に固着され前記エアーバッグケース連結される補強枠体を備えた自動車用エアーバッグ装置において、
    前記補強枠体は、前記エアーバッグケースの開口に対応して前,後側壁と左,右側壁とにより矩形筒状に形成された枠本体と、前記枠本体の上端に一体に設けられ前記内装パネルの裏面に接合することで前記破断開放部を補強する破断補強部と、前記枠本体の上端に一体に設けられ前記内装パネルの裏面に接合することで前記破断開放部の周辺領域を補強する縁補強部とを有し、
    前記矩形筒状の枠本体の各角隅部に、前記エアーバッグの膨張展開時に発生するエアーバッグの膨張圧力による前記各角隅部の変形を少なくする変形防止手段設けられ
    前記縁補強部は、前記枠本体の上端から外方に向けて斜め上方へ延在して設けられた傾斜部を介して前記枠本体に外方向へ水平に延在して設けられ
    前記前,後側壁の上端とこれに対向する前記破断補強部との間は、前記前,後側壁の全長に亘り延在し、かつ前記上端から前記枠本体の内方に向け延在して波状に屈曲する伸び代を有するヒンジ伸び代部を介して連結されている
    ことを特徴とする自動車用エアーバッグ装置。
  2. 前記枠本体は係止部を有し、前記エアーバッグケースは該エアーバッグケースに設けられたフック部を介して前記係止部に連結されることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  3. 前記変形防止手段は、前,後側壁と左,右側壁との交差する補強枠体の各角隅部に、各側壁が外方に突出する湾曲部で構成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  4. 前記変形防止手段は、前記内装パネルの裏面と接合する前記補強枠体の各角隅部の接合部分を所望長さ切除した切欠部で構成されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  5. 前記枠本体、前記破断補強部、前記縁補強部、前記傾斜部及び前記ヒンジ部を含む前記補強枠体オレフィン系エラストマーなどよりなる低弾性の熱可塑性樹脂材によって一体成形により形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  6. 前記内装パネル裏面に対する前記破断補強部及び前記縁補強部のそれぞれの対面にはそれぞれ所定間隔をもって突設した筋条の突起部を形成し、これらの突起部を介して前記破断補強部及び縁補強部が前記内装パネル裏面に振動溶着によって接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  7. 前記破断補強部及び前記縁補強部の前記内装パネルの裏面に対する面には、所定間隔で形成した断裂筋状の振動溶着用の突起部を形成し、これらの突起部を介して前記破断補強部及び縁補強部が前記内装パネル裏面に振動溶着によって接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置。
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