JP4318066B2 - 配光制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は配光制御装置に係り、例えば、車両に搭載された前照灯(ヘッドランプ)の照射角度を制御する配光制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置が有する点列化された電子地図の情報に基づいて自車位置の前方の道路形状を推定し、前方の道路形状がカーブと判断された場合はカーブ入口までの距離に応じてヘッドランプの配光角を制御して、カーブでの視認性を向上させる技術が提案されている(特公平7−71908号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のナビゲーション装置が有する点列化された電子地図の情報は、目的地までの経路の探索や、道路地図を画像表示することを主目的として作成、記憶されている。
このため、従来のナビゲーション装置が備えている電子地図の情報(道路情報を含む)は、離散的な点列情報から構成されており、実際の道路形状を正確に表現したものではなかった。
従って、このような道路形状を正確に表現していない情報を配光を制御する際の基礎情報としているため、実際の道路に適さない場合があり、運転者の意に反した配光制御が行われる可能性がある。
また、上記従来の技術では、自車位置からカーブ入口までの距離に応じて前照灯(ヘッドランプ)の配光角を制御しているためカーブの屈曲の始まる部分に関しては配光の制御を行うことができるが、カーブの入口以降の曲率がきつくなる部分に対応した配光の制御を行うことはできない。
【0004】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、実際の道路形状に合った配光制御を行うことを第1の目的とする。
また、カーブの入口だけでなくカーブ入口以降も道路形状に対応した配光制御を行うことを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の発明では、自車位置より前方の走行路の道路形状に応じて前照灯の配光角と照射範囲の少なくとも一方を調整する配光制御装置であって、道路上の地点に関するノード情報を記憶すると共に、カーブの形状をクロソイド曲線と曲率を用いて表現した固有情報を、各カーブの端点と一致するノード情報に関連付けて記憶した道路情報記憶手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記現在位置検出手段で検出した車両現在位置より前方の走行路のノード情報に、カーブの端点と一致するノード情報が存在するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段で、カーブの端点と一致するノード情報が存在すると判断された場合に、該ノード情報に関連付けて記憶した固有情報を前記道路情報記憶手段から取得する固有情報取得手段と、前記固有情報取得手段で取得した固有情報に基づいて前記前照灯の配光角と照射範囲の少なくとも一方を制御する配光制御手段とを具備することを特徴とする配光制御装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記配光制御手段は、前記固有情報取得手段で取得した固有情報に基づき、自車位置より前方の走行路に存在するカーブに対して、該走行路の設計条件により定めた区間を設定する区間設定手段と、検出された自車位置が区間設定手段により設定された区間に進入した場合、前記取得した固有情報に基づき前記前照灯の配光角を算出する配光角算出手段と、配光角算出手段で算出した配光角に等しくなるように前記前照灯の配光角を制御する配光角制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の配光制御装置を提供する。
(3)請求項記載の発明では、前記区間設定手段は、検出された固有情報に基づきクロソイド入口区間、曲率一定区間、クロソイド出口区間を設定することを特徴とする請求項2に記載の配光制御装置を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の配光制御装置における好適な実施の形態について、図1から図10を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
道路のカーブ形状を設計する場合、入口クロソイド区間、曲率一定区間、出口クロソイド区間に分けて設計される。本実施形態では、カーブの実際の形状をクロソイド係数、曲率半径等の固有情報として格納する。一方、運転者は車速によらず、所定時間Tf秒経過後の位置を注視する傾向にある。そこで、本実施形態では、所定時間Tf経過後の位置照射するように、固有情報や車速vから配光角θを算出し、前照灯装置を制御する。
具体的には、直線区間、クロソイド曲線区間、円弧区間等、道路の固有情報を電子地図情報に追加し、その固有情報を基に配光方向を制御することで、実際の道路形状に適した配光制御を実施する。
すなわち、主な道路は車両運転のしやすさ等を考慮して所定の設計条件に従って建設されている。一般的には、図1に示されるように、徐々に曲率半径が小さくなり、その後しばらくの間一定の曲率半径(最小曲率半径)が続き、更にその後徐々に曲率半径が大きくなって直進路に続くような設計条件(設計基準)に従って建設されている。
この徐々に曲率半径が小さくなる部分、また徐々に曲率半径が大きくなる部分は、例えば所定の曲線(クロソイド曲線)に近似するように設計される。このため本実施形態では、車両の進行方向Pに対して曲率半径が小さくなる部分を「入口クロソイド区間」と呼び、曲率半径が大きくなる部分を「出口クロソイド区間」と呼ぶ。また、曲率半径Rが一定の区間を「曲率一定区間」とよぶ。
この入口クロソイド区間及び出口クロソイド区間は、クロソイド曲線に基づく情報として、クロソイド係数と区間距離等の走行路の曲がり度合を示す情報(固有情報)にて特定することができる。クロソイドの形状はクロソイド係数と距離で決められる。
また曲率一定区間の道路形状は、曲率半径(曲率)等の走行路の曲がり度合を示す情報(固有情報)にて特定することができる。
この固有情報は、走行するカーブの形状を表現した情報であり、各カーブはこれら3つの区間で構成されているものとして取り扱う。
そして、各カーブに対する固有情報を保存する。また、ナビゲーション装置の道路情報が有する各ノード情報のうち、入口クロソイド区間の開始点と一致するノード情報には、その後走行するカーブの固有情報が関連づけられている。
【0007】
このような前提において、本実施形態に係る車両の配光制御装置では、自車位置検出手段で自車両の走行位置(現在位置)を検出し、自車位置より前方の走行路の設計条件から定まる固有情報から入口クロソイド区間、一定曲率半径区間、出口クロソイド区間を特定し、自車位置がいずれの区間に存在するかに応じて(各区間に対応して)前照灯の配光角θを制御する。
一方配光角θは、車両の現在位置から所定時間Tf経過後の自車位置(Tf経過後位置)をクロソイド係数等の固有情報から算出し、算出したTf経過後位置を照射するように前照灯の配光角を制御する。これは、一般に運転者は車速によらず、所定時間(本実施形態ではTf=1.5秒)経過後の位置を注視する傾向にあることに基づく。
その結果、配光角θは、図1(b)に示されるように、車速vを一定にした場合、クロソイド係数に従って曲率半径が徐々に変化する入口クロソイド区間と出口クロソイド区間は徐々に配光角θが徐々に変化し、曲率一定区間では配光角θが一定になる。そして、車速vが変化する場合、車速が大きいほど配光角θを大きくすることで車両現在地から離れた地点(時間Tf経過後の車両位置)を照射し、車速が小さいほど配光角θを小さくすることで車両現在地に近い地点(時間Tf経過後の車両位置)を照射することになる。
【0008】
(2)実施形態の詳細
図2は本実施形態の配光制御装置の構成例を表したブロック図である。
この図2に例示されるように、本実施形態の配光制御装置1は、ナビゲーション装置10と、車速センサ31と、配光制御ECU(Electronic Control Unit)40と、前照灯装置50を備えている。
ナビゲーション装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情報記憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部13と、通信部15と、入力部16と、表示部17と、音声入力部18と、音声出力部19とを有している。
【0009】
ナビゲーション処理部11は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理を行い、その結果を出力するCPU(中央制御装置)111を備えている。このCPU111には、データバス等のバスラインを介してROM112とRAM113が接続されている。
ROM112は、目的地までの予定走行経路の検索、経路中の走行案内、本実施形態における配光角制御処理、配光角演算処理等の処理を行うための各種プログラムが格納されているリード・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリとしてのランダム・アクセス・メモリである。
ROM112には、更に、配光角演算処理において使用される配光角θを算出するための演算式が格納されている。この演算式は、カーブを構成する3区間のそれぞれに対応して格納されている。なお、この演算式については、配光角演算処理プログラムにおいて定義されるようにしてもよい。
なお、本実施形態におけるカーブは、連続する1又は複数のコーナから構成される概念である。コーナは屈曲している場所であり、電子地図上において特定のノードを中心とし、当該ノードとその前後のノードで構成される道路が屈曲している場所をいう。
【0010】
データ記憶部12は、地図データファイル、ネットワークデータファイル、固有情報ファイル、目的地データファイルが格納されている。地図データファイルには、地形データ(描画データ)、市街地図データ(詳細描画データ)等が含まれ、ネットワークデータには、マップマッチングや経路案内用のデータとして道路データ、及び交差点データが含まれている。目的地データには、施設データとして名称、位置、住所、写真、施設紹介データ等が含まれている。
【0011】
道路データは、交差点間を結ぶ道路特性を特定する情報として次のようなデータが格納されている。つまり、道路データには、交差点番号、ノード数、ノード情報、リンク長さ、リンクの交差角、道路幅、道路名称等が格納されている。各リンクには、リンク情報として道路の車線数、トンネルの有無などが格納されている。
また、交差点データとしては、交差点に交差する道路の道路番号、案内対象となる道路かを示す案内対象許可フラグ、ランドマーク位置種別データ、交差点写真データ、高速道路等の出口ランプウェイ案内データ、交差点番号などが格納されている。
ノード情報は、道路上の一地点に関する情報であり、ノード間を接続するものをリンクと呼び、複数のノード列のそれぞれの間をリンクで接続することによって道路が表現される。道路形状はノードやリンクのみならず、標高によって定義することもできる。標高データは、左右上下250m間隔のマトリクス状の各点において保持されている。また、ノードにおける道路の曲率半径(ノード半径)は、リンクの交叉角で求めることができる。
【0012】
図3は、実際の道路に設けられるノードの概念と、道路データとしてデータ記憶部12に格納されるノード情報の内容を表したものである。
図3(a)に例示するように、ノードは道路形状を表現するために所定の間隔毎に取られている。形状が直線の道路はノード間隔が広く取られ、カーブでは曲率半径が小さいほど短い間隔で取られている。
各ノードにはそれぞれ異なるノード番号(na−1,na,na+1,…,nb−1,nb,nb+1,…)が付けられている。各ノードは、少なくとも座標(本実施形態では、絶対座標である緯度、経度)によって定義されている。ノード情報には、各ノード位置の座標を指定するデータ、踏切の有無、勾配などのノード情報が各ノード点毎に格納されている。
そして、入口クロソイド区間の始点(カーブの端点)と一致するノードには、配光角制御処理において使用する情報として、当該カーブの形状を表現する固有情報を参照するための固有情報参照番号、進行情報、固有情報フラグがノード情報として対応つけられて、道路データに保存されている。本実施形態において、この入口クロソイド区間の始点と一致するノードを固有情報保有ノードという。
【0013】
図3(a)に示されるように、ノードnaからノードnbまでの区間が固有情報に従って設計されたカーブである場合、カーブの端点であるノードnaとノードnbに固有情報を関連付けるための固有情報参照番号等の情報が保存される。この場合、ノードnaは、ノードna−1からノードna方向に車両が進行する場合の入口クロソイド区間の始点に該当し、ノードnbは、ノードnb+1からノードnb方向に車両が進行する場合の入口クロソイド区間に該当する。
そして図3(b)に示されるように、ノードnaとノードnb間の道路は同一の設計条件で設計されているため、同一の固有情報参照番号kxが格納されている。
【0014】
そして、カーブの端点であるノードna、nbは、入口クロソイド区間の始点であると同時に、逆方向に進行する車両に対しては出口クロソイド区間の終点に該当する。そこで入口クロソイド区間であることを認識するための情報として、当該カーブ内に存在するノード番号が進行方向情報として保存される。すなわち、ノードnaの進行情報としてノードna+1が保存されることで、
ノードnaよりも進行方向前方に進行方向情報のノードna+1が存在する場合には、車両は当該カーブに向かって走行していると認識し、ノードnaを入口クロソイド区間の始点を認識することができる。また、車両現在位置とノードnaとの間に進行方向情報のノードna+1が存在する場合には、車両は当該カーブから出るところであり、ノードnaが出口クロソイド区間の終点であるため入口クロソイド区間の始点とは認識しない。
同様に、ノードnbの進行方向情報として、ノードnb−1が保存される。
【0015】
なお、本実施形態において進行方向情報に保存されるノード番号は、当該カーブ内のノードとして、カーブ端点に該当するノード番号の次のノード番号が保存されるが、更に先のノード番号を保存するようにしてもよい。また、カーブ外のノード番号を進行方向情報に保存し、車両現在位置とカーブ端点に該当するノードとの間に進行方向情報のノードが存在する場合にそのカーブ端点のノードを入口クロソイド区間の始点と認識するようにしてもよい。
【0016】
カーブ端点ノードに対応付けて保存される固有情報フラグには、フラグ”1”又は”0”が格納されている。フラグは、車両が当該カーブを走行する場合にステアリングを右方向に操作する右曲がりカーブの場合にフラグ”1”が保存され、左方向に操作する左曲がりカーブの場合フラグ”0”が保存される。
図3(a)に例示した道路のノードnaに対する固有情報には、進行方向がノードnaからノードna+1方向なので右曲がりカーブを表すフラグ”1”が保存され、ノードnbに対する固有情報には、進行方向がノードnbからノードnb−1方向なので左曲がりカーブを表すフラグ”0”が保存される。
【0017】
図4は、データ記憶部12に格納される固有情報ファイルの内容を概念的に表したものである。
この図4に示されるように、固有情報ファイルには、異なる形状に設計されたカーブに対応する固有情報が複数格納されている。各固有情報には異なる固有情報参照番号(kx、kx+1、…)が付けられている。この固有情報参照番号は図3(b)に例示したカーブ入口ノードのノード情報に保存される固有情報参照番号と一致している。
固有情報ファイルには、各カーブに対する固有情報として、クロソイド区間1のクロソイド係数A1とクロソイド区間距離La1、曲率一定区間の曲率半径Rと円曲線長Lr、及びクロソイド区間2のクロソイド係数A2とクロソイド区間距離La2が格納されている。
このクロソイド区間1、クロソイド区間2は、車両がカーブに進入する側によって異なり、図4(b)に示されるように右カーブで進入(ステアリングを右に操作しながらカーブに進入)する場合には、入口クロソイド区間のクロソイド係数Ai、クロソイド区間距離Laiとして、クロソイド区間1のクロソイド係数A1、クロソイド区間距離La1が使用され、出口クロソイド区間のクロソイド係数Ao、クロソイド区間距離Laoとして、クロソイド区間2のクロソイド係数A2、クロソイド区間距離La2が使用される。逆に、図4(c)に示されるように、車両が左カーブで進入する場合には、入口クロソイド区間のクロソイド係数Ai、クロソイド区間距離Laiとして、クロソイド区間2のクロソイド係数A2、クロソイド区間距離La1が使用され、出口クロソイド区間のクロソイド係数Ao、クロソイド区間距離Laoとして、クロソイド区間2のクロソイド係数A2、クロソイド区間距離La2が使用される。
【0018】
入口クロソイド区間と出口クロソイド区間のデータとしてクロソイド区間1、クロソイド区間2のいずれを使用するか否かについては、図3(b)に例示した、ノード情報の固有情報フラグから判断される。固有情報ファイルに格納される固有情報は、右カーブを基準とし、その右カーブに進入する場合の入口クロソイド区間をクロソイド区間1、出口クロソイド区間をクロソイド区間2としてデータが格納されている。
従って、固有情報フラグが右カーブを表す”1”である場合には、入口クロソイド区間のデータとしてクロソイド区間1を使用し、出口クロソイド区間のデータとしてクロソイド区間2を使用する。固有情報フラグが左カーブを表す”0”である場合には、入口クロソイド区間のデータとしてクロソイド区間2を使用し、出口クロソイド区間のデータとして出口クロソイド区間1を使用する。
【0019】
データ記憶部12には、以上の各データファイルの他、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えている。これら各ファイルには、経路探索を行うとともに、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示したり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19から出力するための各種データが格納されている。
これらのファイルに記憶されている情報のうち、通常のナビゲーションにおける経路探索に使用されるのが交差点データ、道路データである。これらデータによって、道路の幅員、勾配、路面の状態、コーナの曲率半径、交差点、T字路、道路の車線数、車線数の減少する地点、コーナの入口、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の幅員の狭くなる地点、降坂路、登坂路、その他高速道路からランプウェイヘ進入する分岐路、Y字路などのような分岐道路などを示す道路情報が構成されている。
【0020】
各ファイルは、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記憶装置が使用される。
なお、各ファイルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMやDVDの使用が好ましいが、その他のデータファイルのような個別のデータ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにしてもよい。また、通信部15を用いて、渋滞情報や目的地までの経路情報等のデータを、図示しない外部情報提供手段により、通信で獲得する構成としてもよい。さらに、同様に通信部15を用いて、前記地図データファイルやネットワークデータファイルを通信で獲得する構成とすることもできる。或いは、ネットワークデータフアイルの更新は、前述した様に、通信にて行うこともできるし、さらに、この更新は、自車の走行軌跡と対応するネットワークデータとを比較することにより、新規道路の認識を行って、新規道路のネットワークデータを作成することにより行われる。
【0021】
図1における現在位置検出部13は、GPSレシーバ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ステアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジヤイロセンサ136とを備えている。
GPSレシーバ131は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の位置を測定する装置である。
地磁気センサ132は、地磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離センサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他計測装置等が使用される。
ステアリングセンサ134は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪部に取り付ける角度センサを用いてもよい。
ビーコンセンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報を受信する。ジヤイロセンサ136は、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジヤイロや振動ジヤイロ等で構成される。また、このジヤイロセンサ136によって、車両に加わる横加速度(横G)を検出することもできる。
【0022】
現在位置検出部13のGPSレシーバ131とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133で検出される距離と、地磁気センサ132、ジヤイロセンサ136から検出される方位との組み合わせ、または、距離センサ133で検出される距離と、ステアリングセンサ134で検出される舵角との組み合わせによって自車の絶対位置(自車の現在地)を検出するようになっている。
本実施形態に基づいて経路毎に検出される精密な走行軌跡データの構築には、現在位置検出部13で検出された各種情報が使用される。
【0023】
通信部15は、FM送信装置や電話回線等との間で各種データの送受信を行うようになっており、例えば情報センタ等から送信される渋滞などの道路情報や交通事故情報等の各種データを受信するようになっている。
入力部16は、走行開始時の現在位置の修正や、目的地を入力するように構成されている.入力部16の構成例としては、表示部17を構成するディスプレイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーやメニューにタッチすることにより情報を入力するタッチパネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置などが挙げられる。
【0024】
表示部17には、操作案内、操作メニュー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定された案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を用いることができる。
音声入力部18はマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。なお、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情報をテープ等の音声記憶装置に録音しておき、これをスピーカから出力するようにしてもよく、また音声合成装置の合成音と音声記憶装置の音声とを組み合わせてもよい。
【0025】
以上のように構成されたナビゲーション装置10は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つまり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13で検出された自車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示部17に出力するとともに、該表示部17に表示された走行経路と、音声出力部19から出力される音声によって、運転者を目的地まで誘導する。また、ロケーションモードが選択されている場合には、自車位置の周辺の道路情報と自車位置を表示部17に出力する。
【0026】
本実施形態におけるナビゲーション装置10は、車両がカーブに進入しか否かを車両現在位置とノード座標とから判断し、進入た場合には、入口クロソイド区間、曲率一定区間、出口クロソイド区間の各始点からの走行距離と車速vとに応じて固有情報から配光角θを算出するようになっている。車速vは、車両に配置されている車速センサ31で検出する車速vを取得する。
そして、ナビゲーション装置10は、算出した配光角θを配光制御装置40に供給するようになっている。
なお、本実施形態におけるナビゲーション装置10は経路案内機能やロケーション機能を備えているが、本発明では配光制御するための各機能部分で構成され、他の機能は備わっていなくてもよい。例えば、経路誘導のための表示部17や音声出力部19が設けられていなくてもよい。
【0027】
配光制御装置40は、ナビゲーション装置10から供給される配光角θに基づいて前照灯装置50による配光角θを制御するようになっている。
図5は、前照灯装置50の構成を表したものである。
本実施形態前照灯装置50は、車両前方の左右両側に配置される通常の前照灯と兼用するようになっているが、これとは別個に前照灯装置を配置するようにしてもよい。
図5に示されるように、前照灯装置50は、ランプを収容する筐体は、1面が解放されたランプ本体51と、このランプ本体の解放面に配置された前面レンズ52から構成されている。この筐体内には、発光することで照明を行う光源バルブ53と、光源バルブ53の発光を車両前方に反射させる可動リフレクタ54から構成されるランプが配置されている。
また筐体内には、ランプから照射される光束を制御するための駆動機構が設けられている。駆動機構による配光制御は、ランプから照射される光束を拡散・集中させる第1機構と、光束による配光角θを制御する第2機構により行われるようになっている。
【0028】
第1機構は、光源バルブ53を支持し、光源バルブ53を可動リフレクタ54に対して前後方向に移動させる第1アクチュエータ55を備えている。第1アクチュエータ55は、例えば、ラックとピニオン及び駆動モータ等により構成される。
第1アクチュエータは、配光制御ECU40からの制御信号に基づき、通常状態において光源バルブ53の光源中心53aを可動リフレクタ54の焦点に配置するようになっている。
そして、図6(a)に示すように、光束を拡散させる場合、第1アクチュエータ55は、配光制御ECUからの制御に基づき、光源バルブ53を可動リフレクタ54から離れる方向に移動させる。すなわち、第1アクチュエータ55は、光源中心53aを車両前方(前面レンズ52側)に移動させ、可動リフレクタ54の焦点からずらすことで光束を拡散させるようになっている。
【0029】
第2機構は、ウォーム56、ウォームホイール57、及び第2アクチュエータ58から構成されている。
第2アクチュエータ58は正転と逆転が可能なモータを備えており、モータの回転軸の先端にウォーム56が取り付けられている。このウォーム56と噛み合うウォームホイール57は、ウォーム56の回転に伴い、可動軸57aを回転中心として回転するようになっている。そして、ウォームホイール57には可動リフレクタ54の中心方向にのびる支持部材57bを備えており、この支持部材57の先端に可動リフレクタ54が固定されている。
従って、第2機構は、図6(b)に示されるように、例えば、第2アクチュエータを駆動して、可動リフレクタ54の向きを左方向に変化させることで配光角を左に制御する。すなわち、第2機構は、第2アクチュエータ58を回動させることで、可動軸57aを中心として可動リフレクタ54が左右方向に回動することで、配光角θを制御するようになっている。
【0030】
配光制御ECU40は、このように構成された前照灯装置50に対して、ナビゲーション装置10から供給される配光角θとなるように、第2駆動機構の第2アクチュエータ58を駆動制御する。
配光制御ECUは、可動リフレクタ54の現在の配光角θ′を記憶する記憶部を備えている。そして配光制御ECU40は、この記憶部に記憶している現在の配光角θ′と新たに供給される配光角θとの差分配光角Δθ=θ−θ′を算出する。この差分配光角Δθに対応する角度だけ可動リフレクタ54が移動するように第2アクチュエータ58のモータを駆動し、配光角θ′の値を配光角θの値に更新する。
【0031】
次にこのように構成された配光制御装置における動作について説明する。
図7は、配光制御処理の動作を表したフローチャートである。
ナビゲーション装置10のナビゲーション処理部11は、まず車両が走行している道路に対するデータベースを検索する(ステップ102)。すなわち、ナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13で検出される車両の現在位置(自車位置)を取得して、車両が現在走行している道路を特定する。そして、ナビゲーション処理部11は、車両現在位置から前方所定距離Tmの範囲に存在するノードをデータ記憶部12の道路データから検索する。
本実施形態において、所定距離Tmとしては、自車位置の前方200mが採用されているが、これに限定されるものではなく、車速vに応じて所定距離Tmを変更するようにしてもよい例えば、車速vが大きいほど所定距離Tmを大きくとり、車速が小さいほど所定距離Tmを小さく取るようにしてもよい。また任意の距離として変更可能にしてもよい。
【0032】
次にナビゲーション処理部11は、探索したノードの中に、カーブの固有情報が関連付けられている固有情報保有ノードが存在するか否かを判断する(ステップ104)。固有情報保有ノードとは前述したように、カーブの固有情報が関連つけられたノードであり、入口クロソイド区間の始点と一致するノード(カーブの端点と一致するノード)である。
従ってナビゲーション処理部11は、探索したノードのうち、固有情報参照番号が格納されているノードが存在するか否かを調べし、存在しない場合には固有情報保有ノードが存在しないと判断する。固有情報参照番号が格納されているノードが存在する場合、車両の進行方向を判断する。すなわち、車両の進行方向が、固有情報参照番号が格納されているノードから、当該ノードの進行方向情報として格納されているノード方向である場合には、固有情参照番号が格納されているノードを通過することでカーブに進入すると判断できるので、固有情報保有ノードであると判断する。車両の進行方向が、固有情報参照番号が格納されているノードから、当該ノードの進行方向情報として格納されているノード方向の逆である場合には、固有情参照番号が格納されているノードを通過することでカーブから抜け出る状態であると判断できるので、この場合には固有情報保有ノードではないと判断する。
【0033】
固有情報保有ノードが車両の前方所定距離Tm内に存在すると判断した場合(ステップ104;Y)、ナビゲーション処理部11は、固有情報参照番号と固有情報フラグ(図3(b)参照)に基づき、固有情報ファイル(図4参照)から前方に存在するカーブの固有情報を取得する(ステップ106)。
すなわち、ナビゲーション処理部11は、固有情報参照番号の固有情報として、入口クロソイド区間のクロソイド係数Aiとクロソイド区間距離Lai、曲率一定区間の曲率半径R、曲率一定区間距離Lr、及び出口クロソイド区間のクロソイド係数Aoとクロソイド区間距離Laoの値を取得する。
ここで、固有情報フラグが”1”であれば前方に存在するカーブが右カーブであると判断し、例えば、固有情報参照番号をkxとした場合、図4(a)に示すように、Ai=A1、Lai=La1、R=R、Lr=Lr、Ao=A2、Lao=La2を取得する。一方、固有情報本願発明が”0”であれば前方に存在するカーブが左カーブであると判断し、例えば、固有情報参照番号をkxとした場合、図4(b)に示すように、Ai=A2、Lai=La2、R=R、Lr=Lr、Ao=A1、Lao=La1を取得する。
【0034】
つぎにナビゲーション処理部11は、現在位置検出部13で検出される車両現在位置の座標と、カーブ始点座標と、カーブ始点通過後の走行距離とから、カーブに対する自車の相対位置を算出する(ステップ108)。
この実施例では、固有情報保有ノード=カーブ始点としている。
【0035】
ナビゲーション処理部11は、車両現在位置を現在位置検出部13から取得し、固有情報保有ノード(=カーブ始点)を通過したか否かによりカーブに進入しているか否かを判断し(ステップ109)、カーブに進入していなければ(ステップ109;N)、ステップ8に戻る。
一方、カーブに進入している場合(ステップ109;Y)、ナビゲーション処理部11は、車両現在位置からカーブを既に通過したか否かを判断し(ステップ110)、通過した場合(ステップ110;Y)には配光制御の必要がないので処理を終了する。
【0036】
一方、車両がカーブを通過していない場合(ステップ110;N)、ナビゲーション処理部11は、ステップ108で算出した自車のカーブに対する相対位置から、自車位置が入口クロソイド区間か、曲率一定区間か、出口クロソイド区間かを判断する。
【0037】
自車位置が入口クロソイド区間内である場合(ステップ114)、ナビゲーション処理部11は、配光角演算処理A(詳細は後述)により配光角θを算出し、配光制御ECU40に供給する(ステップ116)。
自車位置が曲率一定区間内である場合(ステップ118)、ナビゲーション処理部11は、配光演算処理B(詳細は後述)により配光角θを算出し、配光制御ECU40に供給する(ステップ120)。
自車位置が出口クロソイド区間内である場合(ステップ122)、ナビゲーション処理部11は、配光角演算処理(詳細は後述)により配光角θを算出し、配光制御ECU40に供給する(ステップ124)。
【0038】
ナビゲーション処理部11から供給される配光角θを受信すると、配光制御ECU40は、受信した配光角θに基づき前照灯装置50に対して配光制御を行う(ステップ126)。すなわち、配光制御ECU40は、前照灯装置50の第2アクチュエータに対して、前照灯装置50から照射される照射光が配光角θとなるように可動リフレクタ54の角度を制御する。
以上の配光制御を行った後ステップ108に戻りナビゲーション処理部11による、カーブに対する車両の相対位置に応じた配光角θの算出を繰り返す。なお、ステップ126はナビゲーション処理部11の処理ではなく、配光制御ECU40による処理であるため、ナビゲーション処理部11は、ステップ116、ステップ120、又はステップ124の処理の後に直ちにステップ108に移行するようにしてもよい。
【0039】
次に、ナビゲーション処理部11で行われる配光角演算省略A(ステップ116)、配光角演算処理B(ステップ120)、配光角演算処理C(ステップ124)において、車速vと固有情報とから配光角θを演算する処理について説明する。
図8は、入口クロソイド区間内を車両が走行している場合の配光角θの演算方法(配光角演算処理A)について説明するためのものである。
ナビゲーション処理部11は、まず、車両現在位置を現在位置検出部から取得し、車両現在位置の曲率半径Rcと接線角τcを、ステップ106で取得した入口クロソイド区間のクロソイド係数Aiと、入口クロソイド区間の始点からの走行距離とから算出する。ここで、入口クロソイド区間の始点は固有情報保有ノードの座標点が該当する。
また、入口クロソイド区間の始点からの走行距離(始点通過後の距離)は、距離センサ133から供給される信号によりナビゲーション処理部11が算出する。
【0040】
いま、入口クロソイド区間の始点を通過後の走行距離をLcとした場合、ナビゲーション処理部11は、車両現在位置の曲率半径Rcをクロソイドの基本式に従って、次の式(1)から算出する。
Rc=Ai2/Lc …(1)
【0041】
この曲率半径Rcを使用して、ナビゲーション処理部11は、現在位置の接線角tcを次の式(2)に従って算出する。
tc=Lc/(2Rc)=Lc2/(2×Ai2) …(2)
【0042】
次にナビゲーション処理部11は、入口クロソイド座標系における車両現在位置の座標(Xc、Yc)をクロソイド曲線の近似式に基づいて次の式(3)、(4)より算出する。ここで、入口クロソイド座標系は、図8に示されるように、入口クロソイド区間の始点を原点(0,0)とし、入口クロソイド区間の始点における接線をX軸として座標系を定義する。
Xc=Lc×{1−Lc2/(40×Rc2)+Lc4/(3456×Rc4)}
…(3)
Yc={Lc2/(6×Rc)}×{1−Lc2/(56×Rc2)+Lc4/(7040×Rc4)} …(4)
【0043】
次にナビゲーション処理部11は、入口クロソイド座標系における照射地点の座標を算出する。すなわち、ナビゲーション処理部11は、車両現在位置に対し、時間Tf後の地点を照射する場合、車速センサ31から取得した現在の車速vから、車両現在位置から照射地点までの距離Lctを次の式(5)から算出する。
Lct=v×Tf …(5)
【0044】
また、ナビゲーション処理部11は、照射地点における曲率半径Rtと、照射地点の入口クロソイド座標系での座標(Xt、Yt)を次の式(6)、(7)、(8)から算出する。
Rt=Ai2/(Lc+Lct) …(6)
Xt=(Lc+Lct)×{1−(Lc+Lct)2/(40×Rt2)+(Lc+Lct)4/(3456×Rt4)} …(7)
Yt={(Lc+Lct)2/(6×Rt)}×{1−(Lc+Lct)2/(56×Rt2)+(Lc+Lct)4/(7040×Rt4)} …(8)
【0045】
次に、ナビゲーション処理部11は、入口クロソイド座標系における、車両現在位置座標と、照射位置座標とから照射方位θを次の式(9)から算出する。
θct=tan-1{(Yt−Yc)/(Xt−Xc)} …(9)
【0046】
最後に、ナビゲーション処理部11は、配光角θを次の式(10)から算出する。
θ=θct−τc …(10)
【0047】
次に曲率一定区間を車両が走行している場合の配光角θの演算方法(配光角演算処理B)について、図9を参照しながら説明する。
まずナビゲーション処理部11は、車両現在位置から照射位置までの距離を算出する。
車両現在位置に対し、時間Tf後の位置を照射する場合、車速センサ31から供給される現在の車速vを取得して、つぎの式(11)から照射位置までの距離Lctを算出する。
Lct=v×Tf …(11)
次にナビゲーション処理部11は、配光角θを次の式(12)に従って算出する。
θ=Lct/(2×R) …(12)
【0048】
次に出口クロソイド区間を車両が走行している場合の配光角の演算方法(配光角演算処理C)について、図10を参照しながら説明する。
本実施形態において、出口クロソイド区間に対しては、図10に示されるように、出口クロソイド区間の始点と終点を、車両が終点から始点方向に走行するようにとられる。固有情報保有ノードの座標点(カーブの始点)から、入口クロソイド区間のクロソイド区間距離Laiと曲率一定区間距離Lrとを合計した距離(Lai+Lr)走行した地点が出口クロソイド区間の終点であり、この終点から更に出口クロソイド区間のクロソイド区間距離Laoだけ走行した地点が出口クロソイド区間の始点(カーブの終点)である。
そして、出口クロソイド座標系として、図10に示すように、出口クロソイド区間の始点を原点(0,0)とし、出口クロソイド区間の始点における接線をX軸として座標系を定義する。
【0049】
ナビゲーション処理部11は、まず、車両現在位置を現在位置検出部から取得し、車両現在位置の曲率半径Rcと接線角τcを、ステップ106で取得した出口クロソイド区間のクロソイド係数Aoと、出口クロソイド区間の終点からの走行距離とから算出する。
いま、出口クロソイド区間の終点を通過後の走行距離をLcとした場合、ナビゲーション処理部11は、車両現在位置の曲率半径Rcをクロソイドの基本式に従って、次の式(13)から算出する。
Rc=Ao2/(Lao−Lc) …(13)
【0050】
この曲率半径Rcを使用して、ナビゲーション処理部11は、現在位置の接線角tcを次の式(14)に従って算出する。
tc=(Lao−Lc)/(2Rc)=(Lao−Lc)2/(2×Ao2
…(14)
【0051】
次にナビゲーション処理部11は、出口クロソイド座標系における車両現在位置の座標(Xc、Yc)をクロソイド曲線の近似式に基づいて次の式(15)、(16)より算出する。
Xc=(Lao−Lc)×{1−(Lao−Lc)2/(40×Rc2)+(Lao−Lc)4/(3456×Rc4)} …(15)
Yc={(Lao−Lc)2/(6×Rc)}×{1−(Lao−Lc)2/(56×Rc2)+(Lao−Lc)4/(7040×Rc4)} …(16)
【0052】
次にナビゲーション処理部11は、出口クロソイド座標系における照射地点の座標を算出する。すなわち、ナビゲーション処理部11は、車両現在位置に対し、時間Tf後の地点を照射する場合、車速センサ31から取得した現在の車速vから、車両現在位置から照射地点までの距離Lctを次の式(17)から算出する。
Lct=v×Tf …(17)
【0053】
また、ナビゲーション処理部11は、照射地点における曲率半径Rtと、照射地点の出口クロソイド座標系での座標(Xt、Yt)を次の式(18)、(19)、(20)から算出する。
Rt=Ao2/(Lao−Lc−Lct) …(18)
Xt=(Lao−Lc−Lct)×{1−(Lao−Lc−Lct)2/(40×Rt2)+(Lao−Lc−Lct)4/(3456×Rt4)} …(19)
Yt={(Lao−Lc−Lct)2/(6×Rt)}×{1−(Lao−Lc−Lct)2/(56×Rt2)+(Lao−Lc−Lct)4/(7040×Rt4)} …(20)
【0054】
次に、ナビゲーション処理部11は、出口クロソイド座標系における、車両現在位置座標と、照射位置座標とから照射方位θを次の式(21)から算出する。
θct=tan-1{(Xt−Xc)/(Yt−Yc)} …(21)
【0055】
最後に、ナビゲーション処理部11は、配光角θを次の式(22)から算出する。
θ=θct+τc−90 …(22)
【0056】
以上説明したように本実施形態の配光制御装置によれば、道路形状を必ずしも正確に表現してはいないナビゲーション用のノードデータ等の道路データからカーブの配光角を算出するのではなく、道路を実際に設計する際に使用される固有情報であるクロソイド係数、曲率半径等を使用するようにしたので、実際の道路形状にあったより正確な配光制御を行うことができる。
【0057】
また説明した実施形態では、全てのカーブ毎に固有情報を保存するのではなく、同一固有情報で設計されたカーブに対しては、同一の固有情報参照番号を付して固有情報ファイルに保存しているので保存データ量を少なくすることが可能になる。
また説明した実施形態では、カーブの両端点を必ずノードとし、このノード情報に対して固有情報参照番号等の情報を追加保存するようにしたが(図3(b)参照)、既存のナビゲーション用データを使用する場合には、カーブの両端点を端点ノードとし、その端点ノードの座標(X,Y)と進行方向情報、固有情報フラグを纏めて別ファイルに保存するようにしてもよい。この場合、進行方向情報には、例えば、当該端点ノードと対をなしているカーブ反対側の端点ノードの座標が格納される。
【0058】
以上、本発明の配光制御装置における1実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、カーブの固有情報に基づいて照射方向(配光角θ)のみを制御する場合について説明したが、照射範囲のみを制御し、また照射方向と照射範囲の両方を制御するようにしてもよい。
この照射範囲の制御は、例えば、カーブの固有情報に基づき照射位置の曲率半径に応じて照射範囲を制御するようにすることができる。すなわち、曲率半径が小さいほど照射範囲が大きくなるように制御する。照射範囲を制御する場合、ナビゲーション処理部11が照射位置(例えば、説明した実施形態と同様に、Tf秒先の地点)の曲率半径から照射範囲を算出し配光制御ECU40に供給する。配光制御ECU40は、供給された照射範囲に基づいて、第1のアクチュエータ55を制御して照射範囲を制御する。
また、照射方向と照射範囲の両方を制御する場合、ナビゲーション処理部11は配光角θと、その配光角θでの照射地点における照射範囲(例えば、上記と同様に曲率半径による)を算出し、配光制御ECU40に供給する。配光制御ECU40では、配光角θに従って第2アクチュエータ58を制御すると共に、照射範囲に従って第1アクチュエータ55を制御する。
【0059】
また、説明した実施形態では、カーブがクロソイド曲線に従って設計されている場合の固有情報としてクロソイド係数等のクロソイド曲線に基づく情報を固有情報として保存する場合について説明したが、クロソイド曲線に限らず他の緩和曲線に基づいて設計されている場合には、その緩和曲線による固有の情報を当該カーブの固有情報として固有情報ファイルに格納するようにしてもよい。この場合、カーブによって異なる緩和曲線が使用され、緩和曲線の種類を特定するための曲線情報も併せて固有情報ファイルに保存する。ナビゲーション処理部11は曲線情報に対応した計算式に従って配光角θ又は/及び照射範囲を算出するようにする。
【0060】
さらに、配光角θとしては、左右方向の配光角θのみ制御する場合について説明したが、上記変形例を含め、上下方向の配光角θ2も制御するようにしてもよい。この場合、第2駆動機構と同様に駆動する第3機構を可動リフレクタが54が上下方向に回動可能に配置する。さらに、上下方向の配光角θ2を算出するために、各ノードに高さを表すデータ、例えば、標高データを格納する。
そして、平面を前提としたカーブではなく、上下方向の変化(起伏)も上下カーブととらえて、上下カーブの端点ノードに固有情報参照番号等を格納する。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、実際の道路形状に合った配光制御を行うことができる。また、カーブの入口だけでなくカーブ入口以降も道路形状に対応した配光制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概要を説明するための説明図である。
【図2】本実施形態の配光制御装置の構成例を表したブロック図である。
【図3】実際の道路に設けられるノードの概念と、道路データとしてデータ記憶部12に格納されるノード情報の内容を表した説明図である。
【図4】データ記憶部に格納される固有情報ファイルの内容を概念的に表した説明図である。
【図5】前照灯装置の構成を表した図である。
【図6】前照灯装置の動作状態を表した説明図である。
【図7】配光制御処理の動作を表したフローチャートである。
【図8】入口クロソイド区間内を車両が走行している場合の配光角θの演算方法(配光角演算処理A)についての説明図である。
【図9】曲率一定区間を車両が走行している場合の配光角θの演算方法(配光角演算処理B)についての説明図である。
【図10】出口クロソイド区間内を車両が走行している場合の配光角θの演算方法(配光角演算処理C)についての説明図である。
【符号の説明】
10 ナビゲーション装置
11 ナビゲーション処理部
12 データ記憶部
13 現在位置検出部
15 通信部
16 入力部
17 表示部
18 音声入力部
19 音声出力部
31 車速センサ
40 配光制御ECU
50 前照灯装置
51 ランプ本体
52 前面レンズ
53 光源バルブ
54 可動リフレクタ
55 第1アクチュエータ
56 ウォーム
57 ウォームホイール
57a 可動軸
57b 支持部材
58 第2アクチュエータ

Claims (3)

  1. 自車位置より前方の走行路の道路形状に応じて前照灯の配光角と照射範囲の少なくとも一方を調整する配光制御装置であって、
    道路上の地点に関するノード情報を記憶すると共に、カーブの形状をクロソイド曲線と曲率を用いて表現した固有情報を、各カーブの端点と一致するノード情報に関連付けて記憶した道路情報記憶手段と、
    車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    前記現在位置検出手段で検出した車両現在位置より前方の走行路のノード情報に、カーブの端点と一致するノード情報が存在するか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段で、カーブの端点と一致するノード情報が存在すると判断された場合に、該ノード情報に関連付けて記憶した固有情報を前記道路情報記憶手段から取得する固有情報取得手段と、
    前記固有情報取得手段で取得した固有情報に基づいて前記前照灯の配光角と照射範囲の少なくとも一方を制御する配光制御手段と
    を具備することを特徴とする配光制御装置。
  2. 前記配光制御手段は、
    前記固有情報取得手段で取得した固有情報に基づき、自車位置より前方の走行路に存在するカーブに対して、該走行路の設計条件により定めた区間を設定する区間設定手段と、
    検出された自車位置が区間設定手段により設定された区間に進入した場合、前記取得した固有情報に基づき前記前照灯の配光角を算出する配光角算出手段と、
    配光角算出手段で算出した配光角に等しくなるように前記前照灯の配光角を制御する配光角制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の配光制御装置。
  3. 前記区間設定手段は、検出された固有情報に基づきクロソイド入口区間、曲率一定区間、クロソイド出口区間を設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の配光制御装置。
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