JP4314699B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前部車体構造に関し、特にストラットタワーとダッシュパネルとの間の構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平6−344896号公報に示されているように、サスペンションのストラットの頂部を支持するストラットタワーと、このストラットタワーの後方に設けられかつ車室とエンジンルームとを仕切るダッシュパネルとの間に、マスターシリンダーやブレーキ倍力装置を有しかつダッシュパネルに支持されたブレーキ操作装置を配設し、このブレーキ操作装置の前端部をストラットタワーにマスターシリンダーストッパ等の接続部材を介して接続するようにすることが知られている。このようにすれば、ブレーキ操作装置の後端部に設けたブレーキペダルを踏み込んだときに、ブレーキ操作装置の前方移動を防止することができるので、その踏力が途中で逃げなくなり、制動力が低下するのを防止することができると共に、ブレーキ操作フィーリングを向上させることができる。
【0003】
一方、上記公報や特開平8−72745号公報に示されているように、左右のストラットタワー同士をストラットタワーバーにより互いに接続するようにすることが知られており、このことにより、ストラットタワーが内側に倒れ難くなり、車両の走行安定性や耐久性を向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例のようにブレーキ操作装置を接続部材を介してストラットタワーに接続した場合、車両前突時に衝撃力がストラットタワーからブレーキ操作装置に作用し易くなり、乗員の直ぐ前方に位置するブレーキ操作装置が後退する虞れがある。また、上記ブレーキ操作装置のストラットタワーへの接続に加えて、上記従来例のように左右のストラットタワー同士をストラットタワーバーにより互いに接続すれば、車体剛性がさらに高くなってより一層望ましいが、このようにすると、車両前突時に衝撃力がストラットタワーバー及びストラットタワーを介して一段とブレーキ操作装置に作用し易くなる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のようにブレーキ操作装置を接続部材を介してストラットタワーに接続する等して制動力の低下を防止する場合に、その構成に工夫を凝らすことによって、車両前突時にブレーキ操作装置が後退するのを抑制して乗員の安全性を向上させようとすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、サスペンションのストラットの頂部を支持するストラットタワーと、該ストラットタワーの後方に設けられかつ車室とエンジンルームとを仕切るダッシュパネルとを備えた車両の前部車体構造を対象として、上記ストラットタワーとダッシュパネルとは、補強部材により互いに連結され、上記補強部材の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重が補強部材によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成されており、上記補強部材は、後端部が上記ダッシュパネルに支持されかつ前端部が接続部材を介して上記ストラットタワーに接続されたブレーキ操作装置であり、上記ブレーキ操作装置の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重の作用により上記接続部材によるストラットタワーとブレーキ操作装置との接続が解除することで、該荷重による上記ブレーキ操作装置の後退を阻止して、上記荷重がブレーキ操作装置によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成されているものとする。
【0007】
このことで、補強部材によりストラットタワーとダッシュパネルとの間の車体剛性が高められ、ブレーキ操作装置を接続部材を介してストラットタワーに接続する場合と同様に、制動力低下を防止しかつブレーキ操作フィーリングを向上させることができる。一方、車両前突時にストラットタワー等から補強部材に衝撃力が作用したとしても、その衝撃力がダッシュパネルへ伝達されることはなく、ブレーキ操作装置及びダッシュパネルの後退を確実に防止することができ、乗員の安全性を向上させることができる。
【0008】
また、ブレーキ操作装置とは別個に補強部材を設けることなく制動力低下の防止とブレーキ操作フィーリングの向上とを図ることができると共に、衝撃力がブレーキ操作装置及びダッシュパネルに伝達されることはなく、乗員の安全性を確実に向上させることができる。
【0009】
請求項の発明では、請求項の発明において、補強部材は、ブレーキ操作装置と、該ブレーキ操作装置とは別個に設けた連結部材とからなり、上記連結部材の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重の作用により該連結部材が変形することで、該荷重が連結部材によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成されているものとする。
【0010】
こうすることで、ストラットタワーとダッシュパネルとの間の車体剛性をより一層高めることができると共に、衝撃力がブレーキ操作装置及びダッシュパネルに伝達されることはなく、乗員の安全性を確保することができる。
【0011】
請求項の発明では、請求項の発明において、左右のストラットタワー同士がストラットタワーバーにより互いに接続されているものとする。
【0012】
このことにより、ストラットタワーの内倒れを抑制して、車両の走行安定性や耐久性を向上させることができる。そして、ストラットタワーバーによりブレーキ操作装置及び連結部材には車両前突時に衝撃力が作用し易くなるが、この発明では、ブレーキ操作装置の後退を抑制することができるので、このようなストラットタワーバーを設けても問題はなく、請求項の発明の作用効果を効果的に発揮させることができる。
【0013】
請求項の発明では、請求項の発明において、連結部材、接続部材及びストラットタワーバーが一体のユニットにされた状態でストラットタワーに取り付けられているものとする。このことで、組付性を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
最初に本発明の参考となる参考形態(参考形態1,2)を説明し、その後に本発明の実施形態(実施形態1,2)を説明する。
【0015】
参考形態1)
図1〜図3は、参考形態1に係る前部車体構造が適用された自動車の前部の要部を示し、この自動車の車室1とエンジンルーム2との間には、該車室1とエンジンルーム2とを仕切るダッシュパネル3が設けられている。このダッシュパネル3の車幅方向中央部は左右両端部よりも僅かに前側に突出しており、その車幅方向中央部と左右両端部との各境界部は、後方に向かって車幅方向外側に傾斜する傾斜部3aとされている。
【0016】
上記ダッシュパネル3の上部にはカウル部3bが形成され、このカウル部3bの上側にはフロントガラス4が設けられている。上記ダッシュパネル3下部の車幅方向両端部には、車両前後方向に延びるフロントサイドメンバー7,7がそれぞれ固定され、この両フロントサイドメンバー7,7の上側には、エンジンルーム2上部の側壁を形成するようにフロントフェンダエプロン8,8がそれぞれ固定され、この各フロントフェンダエプロン8の後端部は上記ダッシュパネル3に固定されている。上記両フロントフェンダエプロン8,8の前端部同士は、ラジエータサポート9により互いに連結されており、このラジエータサポート9にラジエータ10が支持されている。
【0017】
上記各フロントフェンダエプロン8には、不図示の前輪を収容するホイールハウス12がエンジンルーム2内に突出した状態で形成され、この各ホイールハウス12には、上記前輪におけるサスペンションのストラットの頂部を支持するストラットタワー13が設けられている。尚、図1中、16はエンジンルーム2内後部の車幅方向中央部に設けられたエンジンである。
【0018】
上記ダッシュパネル3の車両右側部にはブレーキ操作装置21の後端部(後述の倍力装置23の後端)が支持されている。このブレーキ操作装置21は、マスターシリンダー22と倍力装置23とブレーキペダル24とを有し、前側からこの順に配置されている。上記マスターシリンダー22及び倍力装置23は、エンジンルーム2内に配設されている一方、ブレーキペダル24は車室1内において運転席に着座する乗員の足元に位置するように配設されている。上記倍力装置23とブレーキペダル24とは、ダッシュパネル3を貫通する連動部材25により連動するようになされており、ブレーキペダル24を踏み込むと倍力装置23を介してマスターシリンダー22の圧力が上昇して該ブレーキペダル24の踏込み量に応じた制動力が得られるようになっている。
【0019】
上記各ストラットタワー13と該ストラットタワー13の後方に位置するダッシュパネル3とは、連結部材としてのダイアゴナルメンバー31により互いに連結されている。この各ダイアゴナルメンバー31は、平板状をなしていてストラットタワー13の上面に取付固定された第1取付部31aと、断面円形状をなしていて該第1取付部31aから後方に向かって車幅方向中央に傾斜して(ダッシュパネル3の傾斜部3aに略垂直な方向に)延びる連結部31bと、該連結部31bの後端部に設けられてダッシュパネル3の傾斜部3aに取付固定された第2取付部31cとで構成されている。上記各ダイアゴナルメンバー31の第1取付部31aには、該第1取付部31aから車幅方向中央に延びる延設部31dが形成され、左右の両ダイアゴナルメンバー31,31における延設部31d,31dの先端部同士が、上記エンジン16の上側を跨ぐように設けられたストラットタワーバー14により互いに接続されている。つまり、左右のストラットタワー13,13同士がストラットタワーバー14により互いに接続されていることになる。
【0020】
上記両ダイアゴナルメンバー31,31のうち車両右側のものは、その第1取付部31aの下面において下方に突出する突出部31eを有し、この突出部31eの後面にはマスターシリンダーストッパ35が設けられている。つまり、2つのダイアゴナルメンバー31,31、マスターシリンダーストッパ35及びストラットタワーバー14は、一体のユニットにされた状態で左右両ストラットタワー13,13に取り付けられていることになる。そして、上記マスターシリンダーストッパ35は、上記ブレーキ操作装置21を車両右側のストラットタワー13に接続する接続部材としての役目を果たしている。すなわち、マスターシリンダーストッパ35の後端部には、ブレーキ操作装置21のマスターシリンダー22の前端部が挿入される挿入凹部35aが形成され、この挿入凹部35aの底面がマスターシリンダー22の前端に当接するようになされている。このことで、乗員がブレーキペダル24を踏み込んだときに、ブレーキ操作装置21の前方移動が阻止されるようになっている。尚、上記マスターシリンダーストッパ35は、前後方向に延びる軸心回りに回動可能に構成され、この回動によりマスターシリンダーストッパ35の前後位置を調整することができるようになっており、組付時に六角形状をなす後端部の外周部をスパナ等の工具により回動させることで、挿入凹部35aの底面とマスターシリンダー22の前端とを確実に当接させることができるようになっている。
【0021】
したがって、上記参考形態1では、車両右側のストラットタワー13とダッシュパネル3とがブレーキ操作装置21とダイアゴナルメンバー31とにより連結されていることで、ストラットタワー13とダッシュパネル3との間の車体剛性が高くなり、ブレーキペダル24の踏力が途中で逃げることはなく、制動力が低下するのを防止することができると共に、ブレーキ操作フィーリングを向上させることができる。一方、車両前突時に車両右側のストラットタワー13を後方へ移動させる衝撃力が作用したとしても、その衝撃力はブレーキ操作装置21だけでなくダイアゴナルメンバー31にも作用するので、ダッシュパネル3のブレーキ操作装置21を支持する部分にかかる力は半減する。よって、ブレーキ操作装置21が後退するのを抑制して乗員の安全性を向上させることができる。
【0022】
参考形態2)
図4は本発明の参考形態2を示し(尚、以下の参考形態及び各実施形態では、図1〜図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、車両前突時の衝撃力をダッシュパネル3に伝達しないようにしたものである。
【0023】
すなわち、この参考形態2では、ブレーキ操作装置21及び各ダイアゴナルメンバー31が、各ストラットタワー13とダッシュパネル3とを連結する補強部材を構成しており、そのブレーキ操作装置21及び各ダイアゴナルメンバー31の前端部(後述の第2メンバー31g)に所定値以上の後方に向かう荷重(車両前突時の衝撃力)が作用したときに、該荷重がブレーキ操作装置21及び各ダイアゴナルメンバー31によりダッシュパネル3へ伝達されるのを阻止するように構成されている。
【0024】
具体的には、各ダイアゴナルメンバー31が第1取付部31aにおいて2分割されており、連結部31b、第2取付部31c及び突出部31eを有していてストラットタワー13とダッシュパネル3とを連結する第1メンバー31fと、延設部31dを有していてストラットタワー13とストラットタワーバー14とを接続する第2メンバー31gとからなっている。第1取付部31aはこれら第1及び第2メンバー31f,31gの両方で構成されており、第2メンバー31gがストラットタワー13上面に取付固定され、第1メンバー31fは、その第2メンバー31gの上側において、該第2メンバー31gに上記衝撃力が作用したときに、該衝撃力の作用によりストラットタワー13及び第2メンバー31gに対して前側へ相対移動するように取り付けられている。つまり、第1メンバー31fは2つの長孔31h,31hを介してストラットタワー13及び第2メンバー31gに取り付けられており、この各長孔31hの長さ分だけストラットタワー13及び第2メンバー31gに対して前側へ相対移動できるようになっている。一方、マスターシリンダーストッパ35がブレーキペダル24の踏力により前方に押されても、この程度の力では第1メンバー31fは第2メンバー31gに対して前側へ相対移動しないようになされている。
【0025】
そして、図5に示すように、車両前突時においてエンジン16、ストラットタワーバー14、各ストラットタワー13等が後退したときに、各ダイアゴナルメンバー31の第2メンバー31gはストラットタワーバー14及び各ストラットタワー13と共に後退するが、第1メンバー31fは第2メンバー31gに対して前方へ相対移動することになる(第2メンバー31gが後退するのであって第1メンバー31f自体はそのままの位置に存在する)。この結果、車両前突時の衝撃力がブレーキ操作装置21及び各ダイアゴナルメンバー31によりダッシュパネル3へ伝達されることはなく、ブレーキ操作装置21及びダッシュパネル3の後退を確実に防止することができる。よって、乗員の安全性を上記参考形態1のものよりもさらに向上させることができる。
【0026】
ここで、本発明の実施形態を説明する。
【0027】
(実施形態
図6及び図7は本発明の実施形態を示し、車両前突時の衝撃力をダッシュパネル3に伝達しないようにする構成を上記参考形態2とは異ならせたものである。
【0028】
すなわち、この実施形態では、各ダイアゴナルメンバー31は、上記参考形態2のように分割されてはおらず、上記参考形態1と同様の構成であるが、その連結部31bの一部が蛇腹状に形成され、各ダイアゴナルメンバー31の前端部(第1取付部31等)に所定値以上の後方に向かう荷重(車両前突時の衝撃力)が作用したときに、該荷重の作用により連結部31dの蛇腹状部分が前後方向に潰れる(変形する)ようになっている。また、マスターシリンダーストッパ35の外周面が、後方に向かって大径となるテーパ状に形成されており、このマスターシリンダーストッパ35が、ダイアゴナルメンバー31の突出部31eに設けた貫通孔31iに圧入されている。この貫通孔31iの内周面はマスターシリンダーストッパ35の外周面に沿った形状をなしており、ダイアゴナルメンバー3の第1取付部31a及び突出部31eに所定値以上の後方に向かう荷重(車両前突時の衝撃力)が作用したときに、該荷重の作用によりマスターシリンダーストッパ35が突出部31eの貫通孔31iから外れて突出部31eに対して前方へ相対移動するようになっている。つまり、マスターシリンダーストッパ35によるストラットタワー13とブレーキ操作装置21との接続が解除するようになっている。尚、マスターシリンダーストッパ35の前後位置の調整は、マスターシリンダーストッパ35の貫通孔31iに対する前後方向圧入量を変えて行う。
【0029】
そして、車両前突時において各ストラットタワー13等が後退したときに、各ダイアゴナルメンバー31の前端部(第1取付部31a等)には各ストラットタワー13等から大きな衝撃力が作用して取付部31a等は後退するが、このとき、各ダイアゴナルメンバー31の連結部31bの蛇腹状部分が前後方向に潰れるため、上記衝撃力は各ダイアゴナルメンバー31を介してダッシュパネル3へ伝達されることはない。また、図8に示すように、ダイアゴナルメンバー31の取付部31a及び突出部31eの後退によりマスターシリンダーストッパ35が突出部31eの貫通孔31iから外れるため、上記衝撃力はブレーキ操作装置21を介してダッシュパネル3へ伝達されることもない。よって、上記参考形態2と同様の作用効果が得られる。
【0030】
(実施形態
図9は本発明の実施形態を示し、車両前突時の衝撃力をダッシュパネル3に伝達しないようにする構成を上記参考形態2及び実施形態とは異ならせたものである。
【0031】
すなわち、この実施形態では、各ダイアゴナルメンバー31は、その延設部31dに所定値以上の後方に向かう荷重(車両前突時の衝撃力)が作用したときに、該荷重の作用により該延設部31dが後方に移動するように、ストラットタワー13上面に該ストラットタワー13の上下方向に延びる中心軸回りに回動可能に取り付けられている。すなわち、各ダイアゴナルメンバー31の第1取付部31aは3つの長孔31k,31k,…を介して各ストラットタワー13に取り付けられており、この各長孔31kの長さ分だけストラットタワー13の中心軸回りに回動できるようになっている。また、各ダイアゴナルメンバー31の連結部31dの車両外側部分には切欠き部31jが形成され、各ダイアゴナルメンバー31の延設部31dに所定値以上の後方に向かう荷重(車両前突時の衝撃力)が作用したときに、該荷重の作用により連結部31dが切欠き部31jにおいて折れ曲がる(変形する)ようになっている。さらに、図10に示すように、マスターシリンダーストッパ35の車両内側部分が切除されており、これに伴って挿入凹部35a側壁の車両内側部分も切除されている。このことで、ダイアゴナルメンバー31が、その延設部31dが後方に移動するようにストラットタワー13の中心軸回りに回動したときに、マスターシリンダーストッパ35は車幅方向中央とは反対側に移動して、ブレーキ操作装置21のマスターシリンダー22前端部が挿入凹部35aから外れるようになっている。尚、マスターシリンダーストッパ35の前後位置の調整は、回動させるのではなく直接前後移動させて行い、調整後にマスターシリンダーストッパ35とダイアゴナルメンバー31の突出部31eとを固定する。
【0032】
そして、エンジン16の上面には、該エンジン16が後退したときにストラットタワーバー14に当接する2つの突起部16a,16aが形成されており、図11に示すように、車両前突時においてエンジン16が後退すると、その突起部16a,16aによりストラットタワーバー14も後退する。すると、各ダイアゴナルメンバー31が、その延設部31dが後方に移動するようにストラットタワー13の中心軸回りに回動する。このとき、各ダイアゴナルメンバー31の連結部31bが切欠き部31jにおいて折れ、このことで、車両前突時の衝撃力がダイアゴナルメンバー31の延設部31dに作用しても、このダイアゴナルメンバー31を介してダッシュパネル3へ伝達されることはない。また、上記ダイアゴナルメンバー31の回動によりマスターシリンダーストッパ35が車幅方向中央とは反対側に移動してマスターシリンダー22前端部が挿入凹部35aから外れるため、上記衝撃力はブレーキ操作装置21を介してダッシュパネル3へ伝達されることもない。よって、上記参考形態2及び実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0033】
尚、上記参考形態2及び実施形態1,2では、ブレーキ操作装置21の前端部をマスターシリンダーストッパ35を介してストラットタワー13に接続するとともに、ストラットタワー13とダッシュパネル3とをダイアゴナルメンバー31により連結したが、ブレーキ操作装置21の前端部をマスターシリンダーストッパ35を介してストラットタワー13に接続するだけで、ダイアゴナルメンバー31を設けなくてもよい。この場合は、車両前突時に衝撃力がブレーキ操作装置21によりダッシュパネル3へ伝達されないように構成すればよい。
【0034】
さらに、上記参考形態1,2及び実施形態1,2では、左右両ストラットタワー13,13にダイアゴナルメンバー31,31をそれぞれ取り付けたが、ブレーキ操作装置21が存在する側(車両右側)のストラットタワー13のみにダイアゴナルメンバー31を取り付けるようにしてもよい。
【0035】
加えて、各ダイアゴナルメンバー31、マスターシリンダーストッパ35及びストラットタワーバー14を、一体のユニットにした状態でストラットタワー13,13に取り付けたが、必ずしもユニット状にする必要はなく、それらを個々にストラットタワー13に取り付ける構成であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両の前部車体構造によると、ストラットタワーとダッシュパネルとを、補強部材(後端部がダッシュパネルに支持されかつ前端部が接続部材を介してストラットタワーに接続されたブレーキ操作装置)により互いに連結し、このブレーキ操作装置の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重の作用により上記接続部材によるストラットタワーとブレーキ操作装置との接続が解除することで、該荷重による上記ブレーキ操作装置の後退を阻止して、上記荷重がブレーキ操作装置によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成したことにより、ブレーキ操作装置及びダッシュパネルの後退を確実に防止することができ、乗員の安全化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考施形態1に係る前部車体構造が適用された自動車の前部の要部を示す平面図である。
【図2】 図1のII方向矢示図である。
【図3】 図1における自動車の前部の要部を示す斜視図である。
【図4】 参考形態2を示す図1相当図である。
【図5】 参考形態2において車両前突時の状態を示す図4相当図である。
【図6】 本発明の実施形態を示す図1相当図である。
【図7】 本発明の実施形態を示す図2相当図である。
【図8】 本発明の実施形態において車両前突時の状態を示す図7相当図である。
【図9】 本発明の実施形態を示す図1相当図である。
【図10】 本発明の実施形態におけるマスターシリンダーストッパを示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施形態において車両前突時の状態を示す図9相当図である。
【符号の説明】
1 車室
2 エンジンルーム
3 ダッシュパネル
13 ストラットタワー
14 ストラットタワーバー
21 ブレーキ操作装置(補強部材)
31 ダイアゴナルメンバー(連結部材)(補強部材)
35 マスターシリンダーストッパ(接続部材)

Claims (4)

  1. サスペンションのストラットの頂部を支持するストラットタワーと、該ストラットタワーの後方に設けられかつ車室とエンジンルームとを仕切るダッシュパネルとを備えた車両の前部車体構造であって、
    上記ストラットタワーとダッシュパネルとは、補強部材により互いに連結され、
    上記補強部材の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重が補強部材によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成されており、
    上記補強部材は、後端部が上記ダッシュパネルに支持されかつ前端部が接続部材を介して上記ストラットタワーに接続されたブレーキ操作装置であり、
    上記ブレーキ操作装置の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重の作用により上記接続部材によるストラットタワーとブレーキ操作装置との接続が解除することで、該荷重による上記ブレーキ操作装置の後退を阻止して、上記荷重がブレーキ操作装置によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 請求項記載の車両の前部車体構造において、
    補強部材は、ブレーキ操作装置と、該ブレーキ操作装置とは別個に設けた連結部材とからなり、
    上記連結部材の前端部に所定値以上の後方に向かう荷重が作用したときに、該荷重の作用により該連結部材が変形することで、該荷重が連結部材によりダッシュパネルへ伝達されるのを阻止するように構成されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  3. 請求項記載の車両の前部車体構造において、
    左右のストラットタワー同士がストラットタワーバーにより互いに接続されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  4. 請求項記載の車両の前部車体構造において、
    連結部材、接続部材及びストラットタワーバーが一体のユニットにされた状態でストラットタワーに取り付けられていることを特徴とする車両の前部車体構造。
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CN102806945A (zh) * 2011-05-30 2012-12-05 F·波尔希名誉工学博士公司 用于电动或电子部件在机动车辆发动机舱中的安装
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