JP4311835B2 - 跳ね上げ式扉の上部隅部の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側面から荷役作業等を行う側面開放車における、跳ね上げ式扉の前後上部隅部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえばエアスプリングで開放される跳ね上げ式扉を有する側面開放車においては、扉の上部は蝶番で上下開閉可能に取付けられている(図5)。この形式の側面開放車は、跳ね上げ式扉を上方に開放すると、扉が屋根の役割を果たして扉の下方では雨水を避けることが可能であり、雨天の際の荷物積み降ろし作業や物品の販売に好都合である。ただし、跳ね上げ式扉を固定する蝶番は間隔を置いて取付けられているので、扉が上方に開放されたときは、扉の上部に隙間ができ(図5の符号E)、この部分から雨水が車両(箱型荷台)内部に浸入し、荷物を汚す恐れがある。このためこの隙間の部分を塞ぐため、キャンバスシートを車両の上部側枠と扉の上部間に取付けて雨水の浸入を防いでいる。このキャンバスシートにより、扉上部からの雨水の浸入は防がれるが、キャンバスシートの前部と後部が開くので、この部分からの雨水の浸入を防ぐことができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
側面開放車の開放時に跳ね上げ式扉の前部と後部から雨水が浸入するのを防ぐことができ、かつ扉を閉じたときに、扉上部のキャンバスシートの端部が整然と折りたたまれ、意匠の面でも優れた跳ね上げ式扉を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、扉上部のキャンバスシートの両端部分を複数回同一巾で折りたたんで蛇腹状に伸縮するコーナーシートを形成し、このコーナーシートの上端は折りたたんだ部分を一体として、下端は折りたたんだ部分の最も内側の一枚を車両の前後側柱にそれぞれ固定するものである。すなわち、本発明は、
「車両側面の上部に固定された蝶番に取付けられ、上下に開閉される跳ね上げ式扉を備えた側面開放車であって、
前記跳ね上げ式扉の上部と前記蝶番が固定された側面の上部との間には、前記跳ね上げ式扉が上方に開放したときの隙間を覆うキャンバスシートが、前記跳ね上げ式扉の両側方に張り出すように装着されており、さらに、
前記キャンバスシートの前端部分及び後端部分は、それぞれ複数回同一巾で折りたたまれて蛇腹状に伸縮するコーナーシートが形成され、
前記コーナーシートは、その上端は折りたたんだ部分が一体となって車両の前部側柱及び後部側柱にそれぞれ固定されるとともに、その下端は折りたたんだ部分の最も内側が車両の前部側柱及び後部側柱にそれぞれ固定される」
ことを特徴とする側面開放車となっている。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図にもとづいて説明する。図1は側面開放車における跳ね上げ式扉(以下単に「扉」という)の上部縦断面図である。1は扉の上部を覆うキャンバスシートである。これによって扉2の上部が覆われ、蝶番3によって上方に回動し、開放されたとき扉上部にできる隙間を覆うことができる。なお以下側面開放車について説明するが、後面の開閉する後面開放車についても適用することができる。
【0006】
扉2は上部側枠材4に対し、蝶番3で上下に開閉可能に取り付けられている。5は扉上部のシール材で、これにより扉閉鎖時に上部側枠材4の下端面と扉2の上部間がシールされる。上部側枠材4はその頂部で、車両の上部隅部材6にボルト7で固定されている。蝶番3は上部側枠材4と扉2の上部間にそれぞれボルト結合されている。
【0007】
さて、キャンバスシート1は下端においては、扉2の上部に細長いリテーナ8及びリベット17(図4)によって固着され、上端においては、上部側枠材4にリテーナ9及びリベット16(図4)で固着され、これによって扉2の上部取付部は完全に覆われる。つまり、キャンバスシート1は、扉2の上部と蝶番3が固定された上部側枠材4との間に、扉2が上方に開放したときの隙間を覆い、かつ、扉2の両側方に張り出すように装着されている(図4、図3(a)参照)。扉2はエアダンパ10の弾発力によって開放される(図3(b))。
【0008】
図1に戻り、11はキャンバスシート1の両側端に設けたコーナーシートで、本発明はこのコーナーシートの構成に係るものである。コーナーシート11は中間部の前記キャンバスシート1と同材で、図2(a)に示す如く、キャンバスシート1の端部(前端と後端)に同一巾Wで数個の折れ線11aを設け、この折れ線11aの部分を図2(b)の如く折りたたみ、折りたたんだ部分の上端をまとめて側柱上部に対し上部リテーナ12でリベット13により固着する。又コーナーシート11の最内側下端は下部リテーナ14で側柱に対しリベット15で固着する。即ちコーナーシート部は上部は折りたたんだ部分が一体で側柱に固着されるが、下部は最も内側のみ側柱に固着される。このように、本発明では、キャンバスシート1の前端部分及び後端部分がそれぞれ折りたたまれて、蛇腹状に伸縮するコーナーシート11が形成されている。そして、図4に示す如く、前端部分のコーナーシート11が車両(箱型荷台)の前部側柱に固定される(図4の左図、フロント側参照)とともに、後端部分のコーナーシート11が車両の後部側柱に固定される(図4の右図及び図3参照)。
【0009】
このような構成であるから、扉2を閉めた状態では、キャンバスシート1の前後両端部分においてコーナーシート11が完全に折りたたまれた状態となり、前部側柱及び後部側柱上に整然と重なって納まる(扉2を閉めた後端部分の状態を示す図3(a)参照)。
【0010】
又、扉2を開放したときは、図3(b)に示すように、コーナーシート11は扇子を開いたように蛇腹状に開き、コーナー部を三角状に覆うのでこの部分からの雨水の浸入を防ぐことができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明では、キャンバスシートの前後両端部を折りたたんで蛇腹状に開閉するコーナーシートを設けたので、これにより扉開放時に扉の前後端部よりの雨水の浸入を防止でき、開放時において屋根となる跳ね上げ式扉の機能を一層向上させることができる。また、コーナーシートとキャンバスシートとは、継ぎ目等の存在しない連続した一体のシートであるので、両シートの境界部分から雨水が浸入することもない。
そして、コーナーシートを同一巾の折れ線で折りたたんで形成し、上部はまとめて側柱に、下部は内側のみを側柱に固定したので、扉を開いたとき、コーナーシートが扇子状に開き、扉を閉じたときは整然と平面状に折りたたまれるので、デザイン的にもすっきりし、外観の優れた車両が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はキャンバスシートの縦断面図、(b)はコーナーシートの斜視図。
【図2】(a)はキャンバスシート側部の展開図、(b)は折りたたんだ状態を示す。
【図3】(a)は車両後方上部の斜視図で扉を閉じた状態を、(b)は同じく扉を開放した状態を示す。
【図4】扉上部の正面図。
【図5】公知側面開放車で(a)は開放時、(b)は閉じた時の状態を示す。
【符号の説明】
1 キャンバスシート 2 扉
3 蝶番 4 上部側枠材
5 シール材 6 上部側枠材
7 ボルト 8 (下部の)リテーナ
9 (上部の)リテーナ 10 エアダンパ
11 コーナーシート
12 (コーナーシート上部固定用)上部リテーナ
14 (コーナーシート下部固定用)下部リテーナ
13・15・16・17 リベット
Claims (1)
- 車両側面の上部に固定された蝶番(3)に取付けられ、上下に開閉される跳ね上げ式扉(2)を備えた側面開放車であって、
前記跳ね上げ式扉(2)の上部と前記蝶番(3)が固定された側面の上部との間には、前記跳ね上げ式扉(2)が上方に開放したときの隙間を覆うキャンバスシート(1)が、前記跳ね上げ式扉(2)の両側方に張り出すように装着されており、さらに、
前記キャンバスシート(1)の前端部分及び後端部分は、それぞれ複数回同一巾で折りたたまれて蛇腹状に伸縮するコーナーシート(11)が形成され、
前記コーナーシート(11)は、その上端は折りたたんだ部分が一体となって車両の前部側柱及び後部側柱にそれぞれ固定されるとともに、その下端は折りたたんだ部分の最も内側が車両の前部側柱及び後部側柱にそれぞれ固定されることを特徴とする側面開放車。
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JP34164599A JP4311835B2 (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 跳ね上げ式扉の上部隅部の構造 |
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