JP4301061B2 - 防曇性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、各種物品の表面に優れた防曇性能を付与した防曇性物品に関するものである。
物品の表面に細かい水滴が付着すると、光の散乱により曇りが発生する。本発明は、物品表面、とりわけ光学物品の表面に細かい水滴が付着することにより発生する曇りの防止、いわゆる防曇性能の付与に関する。
従来からの物品表面に防曇性能を付与する方法としては、表面に吸水性を付与して水滴を吸収する方法、表面の水に対する接触角を上げて水滴をつきにくくする方法、物品を加熱して水滴を蒸散させるか、物品表面での露点を上げる方法等が挙げられる。
この中で、表面に親水性を付与することで水に対する接触角を低下させ、水滴を広げる方法として、物品表面への界面活性剤の塗布、あるいは表面に界面活性剤を含む膜を形成する方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。
また、物品表面に特定の方法により10nm〜10μmの多数の凹部を形成し、該凹部に、界面活性剤が継続して流出可能に充填させる方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
また、物品表面に親水性薄膜を形成することで防曇性能を持たせる方法として、表面を親水性の高いスルホン酸基または硫酸基をもつオルガノシランまたは/およびその加水分解物により処理する方法(例えば、特許文献3および特許文献4参照)が開示されている。
特開2001−190471号公報(第2頁) 特開2003−149402号公報(第2頁) 米国特許第4,325,638号明細書(第3〜第6頁) 特開2002−60692号公報(第2頁)
しかしながら、特許文献1で示される、物品表面への界面活性剤の塗布、あるいは表面に界面活性剤を含む膜を形成する構成、特許文献2で示される、物品表面に界面活性剤を保持するための物理的な構造を形成する構成では、界面活性剤の保持力が不十分であり、防曇性能の持続性に課題がある。また、物品が光学物品である場合、表面に形成する膜の膜厚によっては反射特性が変化するという課題がある。
特許文献3で示される、スルホン酸変性オルガノシランを用いた処理により得られる親水性物品、特許文献4で示される、スルホン酸またはスルホン酸前駆体を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した防曇コーティング液を用いた処理により得られる親水性物品は、親水性基の密度が不足し、処理直後においても高い防曇性能が得られないという課題がある。
本発明の目的は、このような従来の課題を解消し、優れた防曇性能を付与することでいかなる使用環境でも細かい水滴による曇りが防止でき、さらにその防曇性能が長期間にわたって持続する防曇性物品を提供することである。
本発明者らは精力的に研究を重ねた結果、以下に述べるように、最表面に硫黄原子を含む有機膜を形成してなる基材に、アニオン界面活性剤を含有する、またはアニオン界面活性剤および前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有する防曇剤を塗布することにより、優れた防曇性能を有し、いかなる使用環境でも細かい水滴による曇りが防止でき、さらにその防曇性能が長期間にわたって持続する防曇性物品の作製が可能であることを見出し、本発明を完成した。
物品の水滴による曇り現象は、大気中に含まれる水蒸気が露点以下になった場合に、水蒸気が物品表面に凝結することにより発生する。水蒸気の凝結は物品表面の任意で多数の場所が核となり、そこに生じる微小な水滴が成長し、その成長する過程で隣り合う水滴が結合を繰り返すことで細かい水滴を発生する。
物品表面に防曇性を付与するためには、この水滴が成長する過程で隣り合う水滴の結合を早め、水滴を均一に広げることで曇りを発生させないようにする方法、すなわち表面に親水性を付与する方法が効果的である。しかし、一般的に知られている界面活性剤の塗布、あるいは表面に界面活性剤を含む膜を形成する構成では、初期の防曇性能は優れているものの、水が付着することにより直ちに界面活性剤の脱落が起き、また布等を用いて手入れをすることで表面に塗布された界面活性剤が減少することで、防曇性能が持続しない問題がある。よって、防曇性能を持続させるためには、物品表面に塗布した界面活性剤成分が容易に脱落することなく、長期間にわたって防曇性能を持続させることが重要である。
したがって、第1の発明は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物の、2量体以上の縮合物を含む有機膜を最表面に形成してなる基材に、アニオン界面活性剤を含有する、またはアニオン界面活性剤および前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有する防曇剤を塗布したことを特徴とする防曇性物品を提供する。

第1の発明によれば、最表面に硫黄原子を含む有機膜が形成された基材に、アニオン界面活性剤を含有する、またはアニオン界面活性剤および前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有する防曇剤を塗布した場合、優れた防曇性能を発現するだけでなく、塗布された防曇剤が、拭き取りなどの物理的負荷をかけた場合でも容易に脱落することなく、長期間にわたって防曇性能が持続することを見出した。このことは最表面に存在する硫黄原子を含む官能基とアニオン界面活性剤との間のイオン的な相互作用により強固に吸着し、防曇剤が容易に脱落することなく保持されることで、優れた防曇性能が長期間にわたって持続するものと考える。
第2の発明は、前記防曇剤中の前記アニオン界面活性剤が、スルホン酸、スルホン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩から選ばれる一種以上の親水性官能基を含むことを特徴とする請求項1記載の防曇性物品を提供する。
第2の発明によれば、アニオン界面活性剤が硫黄原子を含む官能基、すなわちスルホン酸、スルホン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩を親水性官能基として含有した場合、最表面に存在する硫黄原子を含む官能基との親和性が高いために、防曇性能の持続性がより高まると考える。
第3の発明は、前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤が、ノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2記載の防曇性物品を提供する。
第3の発明によれば、ノニオン界面活性剤をアニオン界面活性剤と混合して使用することで、高湿環境下で繰り返し使用した際に生じる、表面に塗布された防曇剤の移動を抑制し、防曇性能の低下が抑えられることを見出した。防曇性物品が高湿環境下で繰り返し使用されると物品表面に水膜ができ、その水膜が乾燥する過程で乾燥の速い部位から乾燥の遅い部位へ界面活性剤成分が移動し、成分濃度の高い部位と低い部位が不均一となる現象が生じる。この現象が起きると、成分濃度の低い部位で防曇性能とその持続性が低下することがわかっている。ノニオン界面活性剤をアニオン界面活性剤と混合して使用することで、極性を有するアニオン界面活性剤自体の凝集を抑え、界面活性剤成分の移動が抑制できる。
第4の発明は、前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤が、両性界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2記載の防曇性物品を提供する。
第4の発明によれば、両性界面活性剤をアニオン界面活性剤と混合して使用することで、請求項3記載の発明と同様、界面活性剤成分の移動を抑制できる。さらに、両性界面活性剤はその分子中にカチオンのサイトとアニオンのサイトの両方を有し、この内カチオンのサイトが表面に吸着しやすいため界面活性剤の保持性が高まることで防曇性能の持続性が向上する。
第5の発明は、前記防曇剤が、防曇剤中に含有する界面活性剤成分の総量が、0.2〜30重量%の水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の防曇性物品を提供する。
第5の発明によれば、防曇剤水溶液中に含有する界面活性剤成分の総量を0.2〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%の範囲に設定することで、その効果をより高めることができる。界面活性剤成分の総量が0.2重量%未満である場合、防曇剤としての効果が不十分であり、高湿環境下で繰り返し使用した場合防曇性能が低下する恐れがある。反対に界面活性剤成分の総量が30重量%を越える場合、基材上への塗布量が多くなり過ぎることで、白濁等外観上好ましくなく、さらには光学部材の反射防止膜上に形成した場合、反射防止性能を損なう恐れがあるため好ましくない。
第6の発明は、前記硫黄原子を含む有機膜が、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物の、単体および2量体以上の縮合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の防曇性物品を提供する。
第6の発明によれば、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物の、単体および2量体以上の縮合物により有機膜を形成することで、基材表面に高密度で強固な結合を形成し、有機膜自体の耐久性を高めることにより、優れた防曇性能を長期間にわたって持続することができる。
第7の発明は、前記基材がレンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の防曇性物品を提供する。
第7の発明によれば、前記基材がレンズ、特に眼鏡レンズの場合、汚れを拭き取る等の手入れを頻繁に行うため、防曇性能の持続性が非常に高いレベルで要求されるが、本発明の特徴である優れた防曇性能とその持続性を、最も効果的に活かすことができる。
本発明によれば、優れた防曇性能を有し、いかなる使用環境でも細かい水滴による曇りが防止でき、さらにその防曇性能が長期間にわたって持続する防曇性物品を得ることができる。
以下、本発明の防曇性物品実施の形態について説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の最表面に硫黄原子を含む有機膜を形成してなる基材は、例えば以下に示すディップコート法により作製することができる。
ディップコート法に用いる処理液は、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物を含有し、該オルガノシランまたは/およびその加水分解物は、単体だけでなく2量体以上の縮合物を含有することが好ましい。2量体以上の縮合物は膜内の親水性基の密度を向上させ、単体で存在するオルガノシランまたは/およびその加水分解物は基材と膜の固定化に加え、2量体以上の縮合物間、2量体以上の縮合物と単体分子間、および単体分子間で反応して隙間を埋める糊の役割を担う。これにより物品表面との高い密着性を発現し、また膜強度を向上する作用がある。さらに、糊として働く単体にも親水性基を含有し、有機膜表面の親水性基密度を低下させることなく、優れた防曇性能とその上に塗布する防曇剤の十分な保持性が得られる。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物中のスルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基等の官能基は、極めて高い親水性を示すスルホン酸基に変換することで、さらに良好な防曇性能を付与することができる。スルホン酸エステル基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基の酸化は、オルガノシランまたは/およびその加水分解物を縮合する前でも、縮合した後でもかまわないが、一般的な酸化反応(過マンガン酸ナトリウム、重クロム酸カリウム、過酸化水素、オゾン含有ガス等による酸化)により行われる。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物と物品表面との反応率をより高めて防曇性能をさらに向上するため、処理液を塗布する前に、プラズマ処理、アルカリ処理、ラビング処理等の前処理を施しても良い。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランの例として、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルジメチルメトキシシラン、2−(2−クロロエチルチオエチル)トリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−トリメトキリシリルプロパンスルホン酸イソプロピルエステル、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルスルホン酸等が挙げられる。
続いて、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物の2量体以上の縮合物を生成し、単体と2量体以上の縮合物の混合物とする工程について述べる。
非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物のカップリング部位は、親水性有機溶剤中で低温ではゆっくりと、高温になるほど速く加水分解および縮合が進み、0℃未満では縮合が遅く、70℃を越える温度では縮合が非常に速く進む。よって、オルガノシランまたは/およびその加水分解物を親水性有機溶剤に希釈した後、0℃〜70℃で0.1時間〜200時間保持することが好ましい。さらに、縮合度の制御をより安定的に行うためには、0℃〜40℃で2時間〜200時間保持することが好ましい。また、必要に応じて、酸触媒、アルカリ触媒、アミン系触媒、金属化合物触媒から選ばれる一種以上の触媒を用いても良い。
具体的には、酸触媒は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、酒石酸、クエン酸、炭酸等が、アルカリ触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニウム化合物等が挙げられる。アミン系触媒は、エチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、グアニジン等のアミン、グリシン等のアミノ酸、2−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。金属化合物触媒は、アルミニウムアセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネート、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸スズ等の有機酸金属塩、SnC14、TiC14、ZnC12等のルイス酸、過塩素酸マグネシウム等が挙げられる。触媒の量は、それぞれの触媒によって効果が異なるため一概には言えないが、得られる有機膜の防曇性能を阻害しない範囲で用いるのが好ましく、処理液中の固形分に対して75%以下で使用することが好ましい。
有機膜を形成する防曇性物品としては、ガラス、プラスチック、酸化物、金属、木材、セラミック、セメント、コンクリート、繊維、紙、石、および皮革よりなる群から選ばれた材質のものであれば何でも良い。カップリング成分との反応を鑑みた場合、ガラスを含む酸化物表面であることがより好ましい。また物品が光学用途に用いられる場合、表面に形成する有機膜の膜厚によっては表面の反射特性が変化する恐れがあるが、本発明の有機膜は、光学特性に影響しない膜厚とすることができる。
処理液に用いられる溶剤としては、水または親水性有機溶剤が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。親水性有機溶剤は、一種のみでも2種以上の混合溶媒でも良い。また、処理液には、有機膜の均一性、外観向上を目的として、界面活性剤を添加しても良い。
本発明の防曇性物品は、例えば上述の方法により作製された硫黄原子を含む有機膜を形成した基材上に、アニオン界面活性剤を含有する、またはアニオン界面活性剤および前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有する防曇剤を塗布することを特徴とする。その塗布方法としては、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法等が挙げられるが、簡易的な方法としては、基材表面に防曇剤を付着させた後に布や紙等を用いて拭き上げるか、防曇剤を含浸させた布や紙等を用いて塗布することで、優れた防曇性能が得られる。
防曇剤の成分として用いられる界面活性剤は、有機膜中に存在する硫黄原子を含む官能基との相互作用からアニオン性のものが好ましく、さらに好ましくはそのアニオン性基がスルホン酸、スルホン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩から選ばれる一種以上の親水性官能基を含むことが好ましい。また、界面活性剤は一種または二種類以上を混合して使用しても良い。
具体的なアニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)エーテル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリム等のアルキルジフエニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸塩、特殊反応型アニオン界面活性剤、特殊カルボン酸型界面活性剤、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
防曇剤には、ノニオン界面活性剤をアニオン界面活性剤と混合して使用することができる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
さらに、防曇剤には、両性界面活性剤をアニオン界面活性剤と混合して使用することができる。具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、レシチン等が挙げられる。
またさらに、防曇剤の含有成分として、界面活性剤成分の他に、塗布性の向上や菌の増殖を防ぐことを目的として添加剤を加えても良い。添加剤としては、一般的に使用される防腐剤、増粘剤等が挙げられるが、特にエタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を用いることが好ましい。
以下に示す本発明の実施例、比較例は例示的なものであり、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施することができ、かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。
(処理液の作製)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン溶液(3.9gをアセトン60mlに溶解)を0.4mol/l過酸化マンガン水溶液200ml中に氷冷しながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌することで未反応の過マンガン酸を二酸化マンガンにした。この反応液から二酸化マンガンを濾別し、わずかに黄みがかった濾液を得た。この濾液をFT−NMRにて分析したところ、チオール基が酸化、メトキシ基が加水分解され、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウムが合成されていることがわかった。また、トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液の固形分濃度を測定したところ、3wt%であった。
得られたトリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製アンバーライトIR−120Na)100ml中を通薬速度SV4にて通過させた。トリシロキシプロパンスルホン酸カリウム溶液のpHが10.5であったのに対し、イオン交換した溶液はpHが1.3であり、スルホン酸カリウムがスルホン酸にイオン交換され、トリストリシロキシプロパンスルホン酸溶液となっていることが確認された。トリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ、1.5wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸溶液をエタノールにて固形分濃度が0.15wt%となるよう希釈し、150gの希釈液を得た。この希釈液を0℃で72時間保管した後、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールOTP−100)を処理液総量に対して100ppm加え、処理液を作製した。
この処理液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の10wt%であることを確認した。
(レンズ表面への有機膜の形成)
ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(セイコーエプソン株式会社製セイコースーパーソブリン)をプラズマ洗浄し、処理液に1分間浸漬した後、等速引き上げ装置で20cm/分の引き上げ速度で塗工した。プラズマ洗浄の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離24cm:電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
処理液を塗布したレンズを熱風循環式恒温槽内で、60℃で4時間保持し、基材との反応を完結させ、有機膜形成レンズを得た。
(防曇剤の調製)
アニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSBL−4N)5gを水95gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
前記有機膜形成レンズに、防曇剤を1滴(約0.02g)滴下し、ティッシュペーパーで塗り広げると同時に余分に付着した成分を拭き取った。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(防曇剤の調製)
アニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSBL−4N)8g、ノニオン界面活性剤:モノラウリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールMYL−10)2g、エタノール5gを水85gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
実施例1と同様の方法にて作製した有機膜形成レンズに、上記にて調製した防曇剤を1滴(約0.02g)滴下し、ティッシュペーパーで塗り広げると同時に余分に付着した成分を拭き取った。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(防曇剤の調製)
アニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSBL−4N)8g、両性界面活性剤:2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールAM−101)2g、エタノール20gを水70gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
上記にて調製した防曇剤をテッィシュペーパーに2滴(約0.04g)滴下して含浸させ、実施例1と同様の方法にて作製した有機膜形成レンズに、防曇剤を浸み込ませたティッシュペーパーを用いて塗り広げると同時に余分に付着した成分を拭き取った。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(防曇剤の調製)
アニオン界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSLS)1g、ノニオン界面活性剤:モノラウリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールMYL−10)1g、メタノール40gを水58gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
実施例1と同様の方法にて作製した有機膜形成レンズ表面に、上記にて調製した防曇剤をディップコーティング法により塗布した。ディップコーティングの条件としては、浸漬時間10秒、引き上げ速度10mm/分とした。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
(処理液の作製)
3−トリメトキリシリルプロパンスルホン酸イソプロピルエステル2.9gを氷酢酸60mlに溶解し、ここに30%過酸化水素水35gを、液温を25〜30℃に保った状態で1時間かけて滴下し、滴下終了後25℃で一昼夜攪拌した。この液をFT−NMRにて分析したところ、スルホン酸エステル基が酸化、メトキシ基が加水分解され、トリシロキシプロパンスルホン酸が合成されていることがわかった。また、トリシロキシプロパンスルホン酸溶液の固形分濃度を測定したところ、4wt%であった。
このトリシロキシプロパンスルホン酸溶液をエタノールにて0.2wt%に希釈し、150gとした。ここにN−アミノエチルエタノールアミン0.1gを混合し、30℃で2時間攪拌した。ここにラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSLS)を処理液総量に対し、50ppm加え、処理液を作製した。
この処理液の一部を純水で20倍に希釈し、LC/MSで分析したところ、2量体以上の縮合物の存在が確認され、その比率は全固形分量中の40wt%であることを確認した。
(物品表面への有機膜の形成)
40℃の1.6N水酸化カリウム液に3分間浸漬し、純水で十分に洗浄したプロジェクター用光学部品を、処理液に1分間浸漬した後、等速引き上げ装置で10cm/分の引き上げ速度で塗工した。
処理液を塗布したプロジェクター用光学部品を熱風循環式恒温槽内で、120℃で1時間保持し、基材との反応を完結させ、有機膜形成プロジェクター用光学部品を得た。
(防曇剤の調製)
アニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールSBL−4N)5gを水95gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
得られた有機膜形成プロジェクター用光学部品表面に、上記にて調製した防曇剤をディップコーティング法により塗布した。ディップコーティングの条件としては、浸漬時間10秒、引き上げ速度10mm/分とした。こうして得られたプロジェクター用光学部材の純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
〔比較例1〕
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(セイコーエプソン株式会社製セイコースーパーソブリン)に、実施例1で調製した防曇剤を1滴(約0.02g)滴下し、ティッシュペーパーで塗り広げると同時に余分に付着した成分を拭き取った。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。
〔比較例2〕
(防曇剤の調製)
ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンモノステアレート(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールMYS−40)5gを水95gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
実施例1で作製した有機膜形成レンズに、上記防曇剤を1滴(約0.02g)滴下し、ティッシュペーパーで塗り広げると同時に余分に付着した成分を拭き取った。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
〔比較例3〕
(防曇剤の調製)
カチオン界面活性剤:塩化セチルトリメチルアンモニウム(日光ケミカルズ株式会社製ニッコールCA−2350)5gを水95gに溶解し、防曇剤とした。
(有機膜形成レンズ基材への防曇剤の塗布)
実施例1で作製した有機膜形成レンズに、上記防曇剤を1滴(約0.02g)滴下し、ティッシュペーパーで塗り広げると同時に余分に付着した成分を拭き取った。こうして得られたレンズの純水に対する接触角は5°以下であり、白濁等の外観上の不具合は確認されなかった。反射率は処理前と後で変化が見られなかった。
実施例および比較例で得られた防曇性物品は、以下に示す評価方法で評価した。その結果を表1に示す。
<評価の方法>
初期防曇性:
20℃に保管したサンプルを、温度40℃、相対湿度90%に保った環境中に移し、表面の曇り発生を目視観察した。目視による曇り性を、以下の4段階に分けて評価した。
◎・・・曇らない
○・・・少し曇るが実用上問題なし
△・・・2分後に曇りが消える(実用上問題あり)
×・・・2分たっても曇りが消えない
防曇持続性:
20℃に保管したサンプルを、温度40℃、相対湿度90%に保った環境中に3分間保持した後、温度20℃、相対湿度35%に保った環境中に移して表面に付着した水分を乾燥させ、この一連の操作を1サイクルとして複数回繰り返し実施した。その時の防曇性能を以下の4段階に分けて評価した。
◎・・・6サイクル後でも曇らない
○・・・3〜5サイクル目で曇りが発生するが実用上問題なし
△・・・2サイクル目で曇りが発生する
×・・・1サイクル目で曇りが発生する
防曇耐久性:
物品表面を布(木綿)で200gの荷重をかけ5,000回摩擦した後、純水洗浄および乾燥を行った。このサンプルを20℃に保管した後、温度40℃、相対湿度90%に保った環境中に移し、表面の曇り発生を目視観察した。目視による曇り性を、以下の4段階に分けて評価した。
◎・・・曇らない
○・・・少し曇るが実用上問題なし
△・・・2分後に曇りが消える(実用上問題あり)
×・・・2分たっても曇りが消えない
総合評価:
初期防曇性、防曇持続性、防曇耐久性の評価より、総合的な防曇性能を以下の3段階に分けて評価した。
○・・・実用上問題なし
△・・・防曇効果はあるが実用上問題あり
×・・・実用上不適
Figure 0004301061
表1の結果より、最表面に硫黄原子を含む有機膜を形成してなる基材に、アニオン界面活性剤を含有する、またはアニオン界面活性剤および前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有する防曇剤を塗布することにより得られた防曇性物品(実施例1〜5)は、初期防曇性能、防曇持続性および防曇耐久性全てにおいて実用上十分な性能が得られた。しかしながら、最表面に硫黄原子を含む有機膜を形成していない防曇性物品(比較例1)、また、防曇剤としてアニオン界面活性剤を含有しない防曇性物品(比較例2〜3)は、特に防曇持続性が実用上問題となるレベルであった。
本発明は、防曇性能を有するメガネ・カメラ等のレンズ、または窓ガラス、車のフロン
トガラス、ヘルメットのシールド、水中メガネ等の光学物品、または浴室内で使用する鏡
等に関するものである。

Claims (7)

  1. 非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物の、2量体以上の縮合物を含む有機膜を最表面に形成してなる基材に、
    アニオン界面活性剤を含有する、またはアニオン界面活性剤および前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有する防曇剤を塗布した
    ことを特徴とする防曇性物品。
  2. 前記防曇剤中の前記アニオン界面活性剤が、スルホン酸、スルホン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩から選ばれる一種以上の親水性官能基を含むことを特徴とする請求項1記載の防曇性物品。
  3. 前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤が、ノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の防曇性物品。
  4. 前記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤が、両性界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の防曇性物品。
  5. 前記防曇剤が、防曇剤中に含有する界面活性剤成分の総量が、0.2〜30重量%の水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の防曇性物品。
  6. 前記硫黄原子を含む有機膜が、非カップリング部位に少なくとも1個以上の硫黄原子を含むオルガノシランまたは/およびその加水分解物の、単体および2量体以上の縮合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の防曇性物品。
  7. 前記基材がレンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の防曇性物品。
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