JP4285220B2 - 塩素製造用触媒 - Google Patents

塩素製造用触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP4285220B2
JP4285220B2 JP2003407041A JP2003407041A JP4285220B2 JP 4285220 B2 JP4285220 B2 JP 4285220B2 JP 2003407041 A JP2003407041 A JP 2003407041A JP 2003407041 A JP2003407041 A JP 2003407041A JP 4285220 B2 JP4285220 B2 JP 4285220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
titanium oxide
mass
carrier
ruthenium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003407041A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005161272A (ja
Inventor
直輝 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2003407041A priority Critical patent/JP4285220B2/ja
Publication of JP2005161272A publication Critical patent/JP2005161272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4285220B2 publication Critical patent/JP4285220B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、塩素製造用触媒に関する。詳しくは、塩化水素を酸素によって酸化して塩素を製造する際に用いられる塩素製造用触媒であって、活性が高く、より少量の触媒で目的化合物を製造できるという特徴を有する触媒に関する。
塩化水素を酸素によって接触酸化して塩素を製造する触媒に関してはいくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1にはルテニウム化合物を担体に担持した触媒やこれらを酸化処理して得られた担持酸化ルテニウムが提案されている。また、特許文献2には酸化ルテニウムを、ルチル結晶形の酸化チタンを20%以上含有する酸化チタン担体に担持して得られた担持酸化ルテニウム触媒が、特許文献3には、550℃以上の温度で焼成したルチル結晶形を含む酸化チタンを担体とした担持酸化ルテニウム触媒等が提案されている。
特開平10−194705号公報 特開2000−229239号公報 特開2002−79093号公報
しかしながら、工業的見地からはさらに高活性な触媒の開発が望まれていた。
本発明の目的は、塩化水素を酸化して塩素を製造する担持酸化ルテニウム触媒であって、活性が高く、より少量の触媒でより低い反応温度で目的化合物を製造可能な触媒を提供することにある。
すなわち、本発明は、塩化水素を酸素によって酸化して塩素を製造する際に用いられる触媒であって、担体中のアルカリ金属の含有量が200質量ppm以下およびアルカリ土類金属の含有量が200質量ppm以下であって、且つ、ルチル形の酸化チタンを20%以上含有する酸化チタン担体に、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された塩素製造用触媒に係るものである。
本発明により、塩化水素から塩素の製造に使用される触媒において、反応活性が高いという特徴を有する触媒を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の特徴は、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物を担持する担体が、該担体中のアルカリ金属の含有量が200質量ppm以下およびアルカリ土類金属の含有量が200質量ppm以下で、且つ、ルチル形の酸化チタンを20%以上含有する酸化チタン担体である点にある。
本発明の触媒において、担体中のアルカリ金属含有量およびアルカリ土類金属含有量は触媒の活性に大きな影響をおよぼす。いずれの含有量もそれぞれ200質量ppmを超えた場合、該担体に酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された塩素製造用触媒の活性は低下する。高活性な触媒を得るためには、アルカリ金属含有量が200質量%以下およびアルカリ土類金属含有量が200質量ppm以下の担体に酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物を担持することが好ましい。さらに好ましい触媒は、いずれの含有量も100質量ppm以下の担体に酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒である。
担体中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の定量法としては、原子吸光分析法、誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下、ICP分析と記載)等が一般的である。
本発明における塩素製造用触媒とは、ルチル形の酸化チタンを20%以上含有する酸化チタンを担体に使用した担持触媒であるが、酸化チタンとしてはルチル形、アナターゼ形、非晶質などが知られている。本発明のルチル形の酸化チタンを20%以上含有する酸化チタンとは、X線回折分析法(以下、XRDと記載)によって酸化チタン中のルチル結晶とアナターゼ結晶の比率を測定し、ルチル結晶の比率が20%以上含有するものを指す。測定方法については後で詳しく示す。
本発明の酸化チタン担体とは、酸化チタンと他の金属酸化物との複合酸化物や混合物も含まれる。酸化チタンと複合化あるいは混合する酸化物としては、好ましくは、アルミナ、酸化ジルコニウム、シリカなどがあげられる。但し、複合化あるいは混合する酸化物中のアルカリ金属やアルカリ土類金属の含有量によって、担体中のアルカリ金属含有量およびアルカリ土類金属含有量がそれぞれ200質量ppmを超えないように添加量を決定する必要がある。本発明の担体の化学組成が酸化チタン単独の場合はX線回折分析法による酸化チタン中のルチル結晶とアナターゼ結晶の比率からルチル結晶の割合が決定されるが、酸化チタンと他の金属酸化物との複合酸化物や混合物の場合も、同様にX線回折分析法による酸化チタン中のルチル結晶とアナターゼ結晶の比率からルチル結晶の割合が決定される。この場合もルチル結晶を20%以上含むことが必要である。また、この際、担体中の酸化チタン以外の酸化物の含量は60質量%以下の範囲である。好ましい担体としては酸化チタン以外の金属酸化物を含まない酸化チタンがあげられる。
ルチル結晶系の酸化チタン上に担持された酸化ルテニウム触媒はアナターゼ結晶や非晶質の酸化チタン上に担持された酸化ルテニウム触媒に比べて活性が高く、酸化チタン中のルチル結晶の割合が多くなればなるほど、触媒活性は増加する。よって、酸化チタンはルチル結晶を20%以上含むことが必要であるが、好ましくは、ルチル結晶の比率は40%以上、さらに好ましくは、80%以上である。
ルチル結晶を含む酸化チタンの調製法としては、特許文献3に示されるような公知の方法があげられる。但し、担体中のアルカリ金属の含有量が200質量ppm以下およびアルカリ土類金属の含有量が200質量ppm以下であることを満足するために、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量がそれぞれ200質量ppm以下である酸化チタンが得られる調製法が好ましい。
本発明における、アルカリ金属の含有量が200質量ppm以下およびアルカリ土類金属の含有量が200質量ppm以下である酸化チタン担体を得る方法は、特に限定されず、得られた担体を水や有機溶剤等で洗浄して上記条件を満たす担体を得ることもできるし、予め純度が高い原料のみを組み合わせて担体を調製することで、上記条件を満たす担体を得ることもできる。担体を洗浄する方法では洗浄の他に、ろ過、乾燥等の処理が必要になるため、調製法をより簡便にするためには予め純度が高い原料のみを組み合わせて担体を調製する方法が好ましい。
酸化チタン中のルチル結晶の割合を決定する方法は、X線回折分析法であるが、X線源としてはいろいろな線源が使用される。例えば、銅のKα線などがあげられる。銅のKα線を使用した場合、ルチル結晶の比率とアナターゼ結晶の比率はそれぞれ、(110)面の2θ=27.4°付近の回折ピークの強度と、(101)面の2θ=25.3°付近の回折ピークの強度を用いて決定する。本発明に使用する担体はルチル結晶のピーク強度およびアナターゼ結晶のピーク強度を有する物である。または、ルチル結晶のピーク強度を有する物である。すなわち、ルチル結晶の回折ピークおよびアナターゼ結晶の回折ピークの両方を有する物であるか、または、ルチル結晶の回折ピークのみを有するものである。ルチル結晶のピーク強度とアナターゼ結晶のピーク強度の合計に対するルチル結晶のピーク強度の割合は20%以上であるが、好ましくは、40%以上のものがあげられる。
担体に担持するルテニウム化合物としては、特許文献3に記載されるような公知のルテニウム化合物が用いられる。特に好ましくは、塩化ルテニウム水和物があげられる。
担体にルテニウム化合物を担持する方法としては、特許文献3に記載されるような公知の方法があげられる。
次いで、担持したルテニウム化合物を酸化する方法としては、特許文献3に記載されるような公知の方法があげられる。このとき担持したルテニウム化合物の全てが酸化ルテニウムに変化しても良いし、一部担持したルテニウム化合物が残存しても良い。
酸化ルテニウムと担体の質量比は、特許文献3に記載されるような範囲が一般的である。
本発明である、上記の触媒を用いて、塩化水素を酸素により酸化することにより塩素を得ることができる。塩素を得るにあたり、反応方式としては特許文献3に記載されるような公知の反応方式を採用することができる。
反応温度は、高温の場合、高酸化状態のルテニウム酸化物の揮散が生じるのでより低い温度で反応することが望まれ、100〜500℃が好ましく、より好ましくは200〜400℃があげられ、さらに好ましくは200〜380℃があげられる。反応圧は通常大気圧〜50気圧程度である。酸素原料としては、空気をそのまま使用してもよいし、純酸素を使用してもよいが、好ましくは不活性な窒素ガスを装置外に放出する際に他の成分も同時に放出されるので不活性ガスを含まない純酸素があげられる。塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/4モルであるが、理論量の0.1〜10倍供給するのが通常である。また、触媒の使用量は、固定床気相流通方式の場合で、大気圧下原料塩化水素の供給速度との比GHSVで表わすと、通常10〜20000h-1程度である。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例より限定されるものではない。尚、本発明において、反応率(%)は次の如く定義されるものである。
塩化水素の転化率(%)=[塩素の生成量(mol/min)×2/塩化水素の供給量(mol/min)]×100
実施例1
特開平10−194705号公報の実施例24に記載されている方法に類似させた含浸法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン粉末(石原産業(株)、PT−101)80.0gとメチルセルロース1.6g(信越化学(株)、メトローズ65SH−4000)を混合し、次いで純水を23.4g、酸化チタンゾル(堺化学(株)CSB、TiO2含量38質量%)10.5gを加え混練した。この混合物を直径3.0mmφ、長さ3〜6mm程度のヌードル状に押出して成型体を得た。得られた成型体を空気中で、室温から800℃まで2.2時間で昇温し、同温度で3時間焼成し白色の押出し状酸化チタン担体を得た。
得られた担体のICP分析を行なったところ、担体中のナトリウム濃度が30質量ppm、カルシウム濃度が90質量ppmであった。また、得られた担体のXRD測定を以下の条件で行なった。
装置 ultraX18(リガク社製)
X線 Cu Kα線
X線出力 50kV−100mA
発散スリット 1°
散乱スリット 自動
受光スリット 0.3mm
走査速度 1°/min
走査範囲 20.0〜40.0°
カウンターモノクロメーター(グラファイト製)使用
その結果、2θ=27.4°にルチル結晶のピーク強度34060cpsが観測され、2θ=25.3°にアナターゼ結晶由来のピークは観測されなかった。これからルチル結晶の割合は100%であった。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。得られた酸化チタン担体10.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含量40.0質量%)0.760gを1.9gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸し、25℃で48時間放置した。次いで、得られた固体のうち11.4gを、室温から350℃まで空気流通下、1.8時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、10.4gの青灰色押出し状の触媒(A)を得た。酸化ルテニウム含有量の計算値は、RuO/(RuO+TiO)×100=3.8質量%であった。
得られた触媒の活性評価を以下のように実施した。
触媒1.0gを直径2mmのα−アルミナ球(ニッカトー(株)製、SSA995)12gで希釈してニッケル製反応管(内径14mm)に充填し、さらに触媒層上部にα−アルミナ球12gを予熱層として充填した。塩化水素80ml/minと酸素40ml/min(いずれも0℃、1気圧換算)を常圧下に供給し、触媒層を281〜282℃に加熱した。反応開始1.5時間後の時点で、反応管出口のガスを30質量%ヨウ化カリウム水溶液に流通させることによりサンプリングを行い、ヨウ素滴定法及び中和滴定法によりそれぞれ塩素の生成量及び未反応塩化水素量を測定した。塩化水素の転化率を表1に示した。
実施例2
酸化チタン粉末として、昭和電工(株)製、F−1Rを用い、酸化チタンゾル(堺化学(株)CSB、TiO2含量39質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、押出し状酸化チタン担体を得た。
得られた担体のICP分析を行なったところ、担体中のナトリウム濃度が20質量ppm、カルシウム濃度が20質量ppmであった。また、得られた担体のXRD測定を実施例1と同様の条件で行なったところ、2θ=27.4°にルチル結晶のピーク強度32102cpsが観測され、2θ=25.3°にアナターゼ結晶由来のピークは観測されなかった。これからルチル結晶の割合は100%であった。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。得られた酸化チタン担体20.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含量40.0質量%)1.582gを2.6gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸し、25℃で16時間放置した。次いで、得られた固体22.3gを、室温から350℃まで空気流通下、1.8時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、20.8gの青灰色押出し状の触媒(B)を得た。酸化ルテニウム含有量の計算値は、RuO/(RuO+TiO)×100=4.0質量%であった。
得られた触媒の活性評価を実施例1と同様に実施した。塩化水素の転化率を表1に示した。
実施例3
特開平10−194705号公報の実施例24に記載されている方法に類似させた含浸法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン粉末(石原産業(株)、PT−401M)40.0gとメチルセルロース0.8g(信越化学(株)、メトローズ65SH−4000)を混合し、次いで純水を11.4g、酸化チタンゾル(堺化学(株)CSB、TiO2含量39質量%)5.1gを加え混練した。この混合物を直径3.0mmφ、長さ3〜6mm程度のヌードル状に押出して成型体を得た。得られた成型体を空気中で、室温から500℃まで1.4時間で昇温し、同温度で3時間焼成し白色の押出し状酸化チタン担体を得た。
得られた担体のICP分析を行なったところ、担体中のナトリウム濃度が54質量ppm、カルシウム濃度が10質量ppmであった。また、得られた担体のXRD測定を実施例1の条件で行なったところ、2θ=27.4°にルチル結晶のピーク強度14589cpsが観測され、2θ=25.3°にアナターゼ結晶のピーク強度17870cpsが観測された。これからルチル結晶の割合は14589/(17870+14589)×100=44.9%であった。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。得られた酸化チタン担体25.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含量40.0質量%)1.899gを4.6gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸し、20℃で25時間放置した。次いで、得られた固体のうち8.2gを、室温から350℃まで空気流通下、1.8時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、7.8gの青灰色押出し状の触媒(C)を得た。酸化ルテニウム含有量の計算値は、RuO/(RuO+TiO)×100=3.8質量%であった。
得られた触媒の活性評価を実施例1と同様に実施した。塩化水素の転化率を表1に示した。
比較例1
特開平10−194705号公報の実施例24に記載されている方法に類似させた含浸法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン粉末(石原産業(株)、TTO−55(N))80.0gとメチルセルロース1.6g(信越化学(株)、メトローズ65SH−4000)を混合し、次いで純水を23.5g、酸化チタンゾル(堺化学(株)CSB、TiO2含量39質量%)10.3gを加え混練した。この混合物を直径3.0mmφ、長さ3〜6mm程度のヌードル状に押出して成型体を得た。得られた成型体を空気中で、室温から800℃まで2.2時間で昇温し、同温度で3時間焼成し白色の押出し状酸化チタン担体を得た。
得られた担体のICP分析を行なったところ、担体中のナトリウム濃度が860質量ppm、カルシウム濃度が220質量ppmであった。また、得られた担体のXRD測定を実施例1の条件で行なったところ、2θ=27.5°にルチル結晶のピーク強度24740cpsが観測され、2θ=25.3°にアナターゼ結晶由来のピークは観測されなかった。これからルチル結晶の割合は100%であった。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。得られた酸化チタン担体40.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含量40.0質量%)3.038gを8.5gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸し、28℃で68時間放置した。次いで、得られた固体のうち11.1gを、室温から350℃まで空気流通下、1.8時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、10.5gの青灰色押出し状の触媒(D)を得た。酸化ルテニウム含有量の計算値は、RuO/(RuO+TiO)×100=3.8質量%であった。
得られた触媒の活性評価を実施例1と同様に実施した。塩化水素の転化率を表1に示した。
比較例2
酸化チタン粉末として、テイカ(株)製、MT−500Bを用い、純水を26.7g用いた以外は、実施例1と同様にして、押出し状酸化チタン担体を得た。
得られた担体のICP分析を行なったところ、担体中のナトリウム濃度が1200質量ppm、カルシウム濃度が780質量ppmであった。また、得られた担体のXRD測定を実施例1と同様の条件で行なったところ、2θ=27.5°にルチル結晶のピーク強度30063cpsが観測され、2θ=25.3°にアナターゼ結晶由来のピークは観測されなかった。これからルチル結晶の割合は100%であった。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。得られた酸化チタン担体30.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含量40.0質量%)2.279gを8.0gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸し、24℃で17時間放置した。次いで、得られた固体のうち11.3gを、室温から350℃まで空気流通下、1.8時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、10.4gの青灰色押出し状の触媒(E)を得た。酸化ルテニウム含有量の計算値は、RuO/(RuO+TiO)×100=3.8質量%であった。
得られた触媒の活性評価を実施例1と同様に実施した。塩化水素の転化率を表1に示した。
比較例3
特開平10−194705号公報の実施例24に記載されている方法に類似させた含浸法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン粉末(日本アエロジル社製、P25)60.0gとメチルセルロース1.2g(信越化学(株)、メトローズ65SH−4000)を混合し、次いで純水を18.0g、酸化チタンゾル(堺化学(株)CSB、TiO2含量39質量%)7.7gを加え混練した。この混合物を直径3.0mmφ、長さ3〜6mm程度のヌードル状に押出して成型体を得た。得られた成型体を空気中で、室温から500℃まで1.4時間で昇温し、同温度で3時間焼成し白色の押出し状酸化チタン担体を得た。
得られた担体のICP分析を行なったところ、担体中のナトリウム濃度が22質量ppm、カルシウム濃度が8質量ppmであった。また、得られた担体のXRD測定を実施例1と同様の条件で行なったところ、2θ=27.4°にルチル結晶のピーク強度4122cpsが観測され、2θ=25.3°にアナターゼ結晶のピーク強度17789cpsが観測された。これからルチル結晶の割合は4122/(17789+4122)×100=18.8%であった。
次いで、以下の要領にて、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された触媒を調製した。得られた酸化チタン担体30.0gに、塩化ルテニウム(NEケムキャット(株)製、RuCl3・nH2O、Ru含量40.0質量%)1.519gを4.3gの純水に溶解して調製した水溶液を含浸し、24℃で16時間放置した。次いで、得られた固体のうち5.5gを、室温から350℃まで空気流通下、1.8時間で昇温し、同温度で2時間焼成し、5.2gの青灰色押出し状の触媒(F)を得た。酸化ルテニウム含有量の計算値は、RuO/(RuO+TiO)×100=3.8質量%であった。
得られた触媒の活性評価を実施例1と同様に実施した。塩化水素の転化率を表1に示した。





Figure 0004285220

Claims (2)

  1. 塩化水素を酸素によって酸化して塩素を製造する際に用いられる触媒であって、担体中のアルカリ金属の含有量が200質量ppm以下およびアルカリ土類金属の含有量が200質量ppm以下であって、且つ、ルチル形の酸化チタンを20%以上含有する酸化チタン担体に、酸化ルテニウムを含むルテニウム化合物が担持された塩素製造用触媒。
  2. アルカリ金属がナトリウム、アルカリ土類金属がカルシウムである請求項1記載の塩素製造用触媒。
JP2003407041A 2003-12-05 2003-12-05 塩素製造用触媒 Expired - Fee Related JP4285220B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003407041A JP4285220B2 (ja) 2003-12-05 2003-12-05 塩素製造用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003407041A JP4285220B2 (ja) 2003-12-05 2003-12-05 塩素製造用触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005161272A JP2005161272A (ja) 2005-06-23
JP4285220B2 true JP4285220B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=34729211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003407041A Expired - Fee Related JP4285220B2 (ja) 2003-12-05 2003-12-05 塩素製造用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4285220B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5249716B2 (ja) * 2008-10-30 2013-07-31 住友化学株式会社 一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005161272A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4935604B2 (ja) 担持酸化ルテニウムの製造方法
KR100424502B1 (ko) 염소의제조방법
JP2544925B2 (ja) 銀含有触媒の製造方法
KR940000865B1 (ko) 은-함유 촉매 및 그 제조방법과, 이 촉매에 의해 산화에틸렌을 제조하는 방법
JP5553484B2 (ja) アンモニア分解触媒及びアンモニア分解方法
JP7269349B2 (ja) 塩素製造用酸化ルテニウム担持触媒の製造方法及びそれにより製造された触媒
JP4069619B2 (ja) 担持酸化ルテニウム触媒および塩素の製造方法
JP2006289228A (ja) 担持酸化ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法
JP4285220B2 (ja) 塩素製造用触媒
KR20090026381A (ko) 염화수소의 저온 촉매산화법에 의한 염소의 제조방법
JP2548575B2 (ja) 銀含有触媒の製造法
EP3900827A1 (en) Hydrogen chloride oxidation reaction catalyst for preparing chlorine, and preparation method therefor
JP4432876B2 (ja) 塩素製造用触媒及び塩素の製造方法
JP2002226205A (ja) 一酸化炭素の酸化方法
JP2012161716A (ja) 担持酸化ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法
JP4400042B2 (ja) 担持酸化ルテニウム触媒及び塩素の製造方法
JP5249716B2 (ja) 一酸化炭素および/または不飽和炭化水素の酸化方法
JP2004276012A (ja) 塩素製造用触媒の製造方法
JP4090827B2 (ja) d10s2およびd0電子状態の金属イオンを含む複合酸化物を用いた光触媒
JP4172223B2 (ja) 塩素の製造方法
JP5736219B2 (ja) 担持ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法
JP4411958B2 (ja) 塩素の製造方法
JP4182739B2 (ja) 塩素の製造方法
JP7496421B2 (ja) 塩化水素酸化反応工程用成型触媒及びその製造方法
JP2012161717A (ja) 担持酸化ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060530

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080130

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090316

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4285220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees