JP2012161716A - 担持酸化ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性や触媒寿命に優れた担持酸化ルテニウムの製造方法を提供することにある。また、この方法により得られた担持酸化ルテニウムを用いて、長時間にわたり安定して塩素を製造する方法を提供することにある。
【解決手段】担持酸化ルテニウム触媒の製造方法であって、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後、酸化性ガス雰囲気下で焼成することを特徴とする。かかる製造方法により製造された担持酸化ルテニウムを触媒として用い、この触媒の存在下に塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化ルテニウムが担体に担持されてなる担持酸化ルテニウムを製造する方法に関する。また、本発明は、かかる製造方法により製造された担持酸化ルテニウムを触媒に用いて塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を製造する方法に関する。
担持酸化ルテニウムは、塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造するための触媒として有用であることが知られている(特許文献1〜5参照)。かかる担持酸化ルテニウムの製造方法として、例えば、特許文献6や特許文献7には、ルテニウム化合物をチタニア担体に担持した後、焼成し、次いでアルコキシシラン化合物やシロキサン化合物等のケイ素化合物を担持させ、その後、空気中で焼成する方法が記載され、特許文献8には、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体にルテニウム化合物を担持させた後、空気中で焼成する方法が記載されている。
特開2000−229239号公報 特開2000−254502号公報 特開2000−281314号公報 特開2002−79093号公報 特開2004−276012号公報 特開2002−292279号公報 特開2004−074073号公報 特開2008−155199号公報
しかしながら、上記従来の製造方法により得られる担持酸化ルテニウムは、熱安定性や触媒寿命の点で必ずしも満足のいくものではなかった。そこで、本発明の目的は、熱安定性や触媒寿命に優れた担持酸化ルテニウムの製造方法を提供することにある。また、この方法により得られた担持酸化ルテニウムを用いて、長時間にわたり安定して塩素を製造する方法を提供することにある。
本発明者は前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後、酸化性ガス雰囲気下で焼成することを特徴とする担持酸化ルテニウムの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記方法により製造された担持酸化ルテニウムの存在下で、塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を製造する方法を提供するものである。
本発明によれば、熱安定性や触媒寿命に優れた担持酸化ルテニウムを製造することができ、得られた担持酸化ルテニウムを触媒に用いて、塩化水素を酸素で酸化することにより、長時間にわたり安定して塩素を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後、酸化性ガス雰囲気下で焼成することにより、担持酸化ルテニウムを製造する。
チタニア担体は、ルチル型チタニア(ルチル型の結晶構造を有するチタニア)やアナターゼ型チタニア(アナターゼ型の結晶構造を有するチタニア)、非晶質のチタニア等からなるものであることができ、また、これらの混合物からなるものであってもよい。本発明では、ルチル型チタニア及び/又はアナターゼ型チタニアからなるチタニア担体が好ましく、中でも、チタニア担体中のルチル型チタニア及びアナターゼ型チタニアに対するルチル型チタニアの比率(以下、ルチル型チタニア比率ということがある。)が20%以上のチタニア担体が好ましく、50%以上のチタニア担体がより好ましく、90%以上のチタニア担体がさらにより好ましい。ルチル型チタニア比率が高くなるほど、得られる担持酸化ルテニウムの触媒活性もより良好となる。上記ルチル型チタニア比率は、X線回折法(以下XRD法)により測定でき、以下の式(1)で示される。
ルチル型チタニア比率[%]=〔I/(I+I)〕×100 (1)
:ルチル型チタニア(110)面を示す回折線の強度
:アナターゼ型チタニア(101)面を示す回折線の強度
尚、チタニア担体中のナトリウム含有量は200重量ppm以下であるのが好ましく、また、カルシウム含有量は200重量ppm以下であるのが好ましい。また、チタニア中の全アルカリ金属元素の含有量が200重量ppm以下であるのがより好ましく、また、チタニア中の全アルカリ土類金属元素の含有量が200重量ppm以下であるのがより好ましい。これらアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素の含有量は、例えば、誘導結合高周波プラズマ発光分光分析法(以下、ICP分析法ということがある。)、原子吸光分析法、イオンクロマトグラフィー分析法等で測定することができ、好ましくはICP分析法で測定する。尚、チタニア担体の中にアルミナ、ジルコニア、酸化ニオブなどの酸化物が含まれていてもよい。
チタニア担体の比表面積は、窒素吸着法(BET法)で測定することができ、通常BET1点法で測定する。該測定により得られる比表面積は、通常5〜300m/gであり、好ましくは5〜50m/gである。比表面積が高すぎると、得られる担持酸化ルテニウムにおけるチタニアや酸化ルテニウムが焼結しやすくなり、熱安定性が低くなることがある。一方、比表面積が低すぎると、得られる担持酸化ルテニウムにおける酸化ルテニウムが分散しにくくなり、触媒活性が低くなることがある。
本発明で用いられるチタニア担体は、チタニアに予めシリカが担持されてなるものである。かかるチタニア担体の調製法としては、例えば、チタニアにケイ素化合物を担持させた後、酸化性ガスの雰囲気下で焼成して調製する方法や、塩化チタン(TiCl)、臭化チタン(TiBr)の如きハロゲン化チタンと、塩化ケイ素(SiCl)、臭化ケイ素(SiBr)の如きハロゲン化ケイ素とを酸化性ガスの雰囲気下で熱処理して調製する方法等が挙げられ、中でも、チタニアにケイ素化合物を担持させた後、酸化性ガスの雰囲気下で焼成して調製する方法が好ましい。
チタニアにケイ素化合物を担持させる場合、かかるチタニアには、粉末状やゾル状のチタニアを混練、成形し、次いで熱処理したものを用いることができる。熱処理したチタニアは、公知の方法に基づいて調製することができ、例えば、チタニア粉末やチタニアゾルを、有機バインダー等の成形助剤及び水と混練し、ヌードル状に押出成形した後、乾燥、破砕して成形体を得、次いで得られた成形体を空気等の酸化性ガス雰囲気下で熱処理することで調製できる。本発明では、熱処理したチタニアを用いるのが好ましい。前記酸化性ガスとは、酸化性物質を含むガスであり、例えば酸素含有ガス等が挙げられ、その酸素濃度は、通常、1〜30容量%程度である。この酸素源としては、通常、空気や純酸素が用いられ、必要に応じて不活性ガスや水蒸気で希釈される。酸化性ガスは、中でも、空気が好ましい。前記不活性ガスとしては、例えば窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、必要に応じて水蒸気で希釈される。不活性ガスは、中でも、窒素、二酸化炭素が好ましい。前記熱処理を行う場合の処理温度は、通常、400〜900℃、好ましくは500〜800℃である。
チタニアにケイ素化合物を担持させる場合、かかるケイ素化合物としては、Si(OR)(以下、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)の如きケイ素アルコキシド化合物、塩化ケイ素(SiCl)、臭化ケイ素(SiBr)の如きハロゲン化ケイ素、SiCl(OR)、SiCl(OR)、SiCl(OR)の如きケイ素ハロゲン化物アルコキシド化合物、水酸化ケイ素化合物等が挙げられる。また、必要に応じて、その水和物を用いてもよいし、それらの2種以上を用いてもよい。本発明では、中でも、ケイ素アルコキシド化合物が好ましく、ケイ素テトラエトキシド、すなわちオルトケイ酸テトラエチル〔Si(OC〕がより好ましい。ケイ素化合物の使用量は、チタニア1モルに対し、0.0005〜0.15モルが好ましく、より好ましくは0.0010〜0.10モルである。2種以上のケイ素化合物を使用する場合、ケイ素化合物の合計使用量が、チタニアに対して、上記範囲となればよい。
チタニアにケイ素化合物を担持させる方法としては、チタニアを、ケイ素化合物をアルコール及び/又は水に溶解させてなる溶液(以下、ケイ素化合物溶液ということがある)と接触処理する方法が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール等が挙げられる。水としては、蒸留水、イオン交換水、超純水などの純度の高い水が好ましい。使用する水に不純物が多く含まれると、かかる不純物が触媒に付着して、触媒の活性を低下させる場合がある。接触処理において、処理時の温度は、通常0〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、処理時の圧力は通常0.1〜1MPa、好ましくは大気圧である。また、かかる接触処理は、空気雰囲気下や、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素の如き不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。
接触処理としては、含浸、浸漬等が挙げられる。前記チタニアをケイ素化合物溶液と接触処理する方法として、例えば、(A)チタニアにケイ素化合物溶液を含浸させる方法、(B)チタニアをケイ素化合物溶液に浸漬させる方法等が挙げられるが、前記(A)の方法が好ましい。
チタニアにケイ素化合物を担持させる場合においては、チタニアにケイ素化合物を担持させた後、好ましくは乾燥し、その後、酸化性ガスの雰囲気下で焼成を行う。かかる乾燥方法としては、従来公知の方法を採用することができ、その温度は、通常、室温から100℃程度であり、その圧力は、通常0.001〜1MPa、好ましくは大気圧である。かかる乾燥は、空気雰囲気下や、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素の如き不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。
また前記焼成により、担持されたケイ素化合物はシリカに変換される。酸化性ガスとは、酸化性物質を含むガスであり、例えば、酸素含有ガスが挙げられる。その酸素濃度は通常1〜30容量%程度である。この酸素源としては、通常、空気や純酸素が用いられ、必要に応じて不活性ガスで希釈される。酸化性ガスは、中でも、空気が好ましい。焼成温度は、通常100〜1000℃、好ましくは250〜450℃である。
前記焼成により、前記チタニアにシリカを担持することができる。最終的に得られる担持酸化ルテニウムを酸化反応触媒に使用する場合は、前記焼成後にケイ素化合物が全てシリカとなっている必要はなく、一部アルコキシド基や加水分解されたケイ素化合物が残存していても、該酸化反応の際にシリカに変換されるので問題は無い。
ハロゲン化チタンと、ハロゲン化ケイ素とを酸化性ガスの雰囲気下で熱処理して、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体を調製する方法としては、例えば、特開2004−210586号公報に記載の方法等に準ずることができる。その具体例としては、600℃以上でガス化したハロゲン化チタン及びハロゲン化ケイ素を、600℃以上の酸素の存在下又は酸素及び水蒸気の存在下で熱処理し、次いで、得られた粉体を300〜600℃で熱処理することで、シリカが担持された粉末状のチタニア担体を得る方法等が挙げられる。得られたチタニア担体を、混練、成形し、次いで焼成するのが好ましい。焼成したチタニア担体は、公知の方法に基づいて調製することができ、例えば、粉末状のチタニア担体を、有機バインダー等の成形助剤及び水と混練し、ヌードル状に押出成形した後、乾燥、破砕して成形体を得、次いで得られた成形体を空気等の酸化性ガス雰囲気下で焼成することで調製できる。また、上記ハロゲン化チタンとしては塩化チタン(TiCl)が、上記ハロゲン化ケイ素としては塩化ケイ素(SiCl)が、それぞれ好ましく採用される。
上記ハロゲン化ケイ素の使用量は、ハロゲン化チタン1モルに対して、通常0.001〜0.3モルであり、好ましくは0.004〜0.03モルである。
かくしてチタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体を得ることができ、次いで、該チタニア担体に、ルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させる。
前記ルテニウム化合物としては、例えば、RuCl、RuBrの如きハロゲン化物、KRuCl、KRuClの如きハロゲノ酸塩、KRuO、NaRuOの如きオキソ酸塩、RuOCl、RuOCl、RuOClの如きオキシハロゲン化物、K[RuCl(HO)]、[RuCl(HO)]Cl、K[RuOCl10]、Cs[RuOCl]の如きハロゲノ錯体、[Ru(NHO]Cl、[Ru(NH3)Cl]Cl、[Ru(NH]Cl、[Ru(NH]Cl、[Ru(NH]Brの如きアンミン錯体、Ru(CO)、Ru(CO)12の如きカルボニル錯体、[RuO(OCOCH(HO)]OCOCH、[Ru(OCOR)]Cl(R=炭素数1〜3のアルキル基)の如きカルボキシラト錯体、K[RuCl(NO)]、[Ru(NH(NO)]Cl、[Ru(OH)(NH(NO)](NO、[Ru(NO)](NOの如きニトロシル錯体、ホスフィン錯体、アミン錯体、アセチルアセトナト錯体等が挙げられる。中でもハロゲン化物が好ましく用いられ、特に塩化物が好ましく用いられる。尚、ルテニウム化合物としては、必要に応じて、その水和物を使用してもよいし、また、それらの2種以上を使用してもよい。
チタニア担体とルテニウム化合物との使用割合は、後述する焼成後に得られる担持酸化ルテニウム中の酸化ルテニウム/チタニア担体の重量比が、好ましくは0.1/99.9〜20.0/80.0、より好ましくは0.3/99.7〜10.0/90.0、さらに好ましくは0.5/99.5〜5.0/95.0となるように、適宜調整すればよい。酸化ルテニウムがあまり少ないと触媒活性が十分でないことがあり、あまり多いとコスト的に不利となる。
前記アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水素化物、アルカリ金属アルコキシド等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を使用してもよい。中でも、アルカリ金属のハロゲン化物が好ましい。アルカリ金属のハロゲン化物としては、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化セシウム、ハロゲン化ルビジウム等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を使用してもよい。中でも、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。ハロゲン化ナトリウムとしては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を使用してもよい。中でも、塩化ナトリウムが好ましい。ハロゲン化カリウムとしては、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を使用してもよい。中でも、塩化カリウムが好ましい。前記アルカリ金属化合物としては、特に、塩化ナトリウム及び塩化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。アルカリ金属化合物の使用量は、使用するアルカリ金属化合物の種類により適宜調整されるが、後述する焼成後に得られる担持酸化ルテニウムにおけるアルカリ金属元素の含有量が0.005〜2重量%となるように調整するのが好ましく、0.02〜1重量%となるように調整するのがより好ましい。2種以上のアルカリ金属化合物を使用する場合、アルカリ金属元素の合計含有量が、前記担持酸化ルテニウムにおいて、上記範囲となるように、アルカリ金属化合物の合計使用量を調整すればよい。
チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させる方法としては、例えば、チタニア担体をルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を含む水溶液と接触処理する方法、チタニア担体を、アルカリ金属化合物を含む水溶液と接触処理した後、ルテニウム化合物を含む水溶液と接触処理する方法、チタニア担体を、ルテニウム化合物を含む水溶液と接触処理した後、アルカリ金属化合物を含む水溶液と接触処理する方法等が挙げられ、中でも、チタニア担体をルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を含む水溶液と接触処理する方法が好ましい。接触処理において、処理時の温度は、通常0〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、処理時の圧力は通常0.1〜1MPa、好ましくは大気圧である。また、かかる接触処理は、空気雰囲気下や、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素の如き不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。接触処理において、ルテニウム化合物の使用量は、アルカリ金属化合物1モルに対して、0.05〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましい。ルテニウム化合物やアルカリ金属化合物を2種以上使用する場合、ルテニウム化合物の合計使用量は、アルカリ金属化合物の合計1モルに対して、0.05〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましい。
接触処理としては、含浸、浸漬等が挙げられる。チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させる方法としては、例えば、(C)チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を含む水溶液を含浸させる、(D)チタニア担体をルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を含む水溶液に浸漬させる、(E)チタニア担体にアルカリ金属化合物を含む水溶液を含浸させた後に、ルテニウム化合物を含む水溶液を含浸させる、(F)チタニア担体をアルカリ金属化合物を含む水溶液に浸漬させた後に、ルテニウム化合物を含む水溶液に浸漬させる、(G)チタニア担体にアルカリ金属化合物を含む水溶液を含浸させた後、ルテニウム化合物を含む水溶液に浸漬させる、(H)チタニア担体をアルカリ金属化合物を含む水溶液に浸漬させた後、ルテニウム化合物を含む水溶液を含浸させる、(I)チタニア担体にルテニウム化合物を含む水溶液を含浸させた後、アルカリ金属化合物を含む水溶液を含浸させる、(J)チタニア担体をルテニウム化合物を含む水溶液に浸漬させた後、アルカリ金属化合物を含む水溶液に浸漬させる、(K)チタニア担体にルテニウム化合物を含む水溶液を含浸させた後、アルカリ金属化合物を含む水溶液に浸漬させる、(L)チタニア担体をルテニウム化合物を含む水溶液に浸漬させた後、アルカリ金属化合物を含む水溶液を含浸させる、等の方法が挙げられるが、(E)〜(L)の方法では、含浸及び/又は浸漬が2回実施されるのに対し、前記(C)又は(D)の方法では1回でよいため、コスト削減、生産管理の面で好ましい。特に、前記(C)の方法が好ましい。
前記ルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を含む水溶液、アルカリ金属化合物を含む水溶液、又はルテニウム化合物を含む水溶液に含まれる水としては、蒸留水、イオン交換水、超純水などの純度の高い水が好ましい。使用する水に不純物が多く含まれると、かかる不純物が触媒に付着して、触媒の活性を低下させる場合がある。尚、前記ルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を含む水溶液、アルカリ金属化合物を含む水溶液、又はルテニウム化合物を含む水溶液には、使用するアルカリ金属化合物の種類、ルテニウム化合物の種類によって、適宜メタノール、エタノールといったアルコール等が含まれていてもよい。チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させる際に使用する水溶液に含まれる溶媒の量は、使用するチタニア担体の総細孔容積から担持させるルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物の体積を除いた量以上であることが好ましい。
前記チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後、酸化性ガスの雰囲気下で焼成する。かかる焼成により、担持されたルテニウム化合物は酸化ルテニウムへと変換される。酸化性ガスとは、酸化性物質を含むガスであり、例えば、酸素含有ガスが挙げられる。その酸素濃度は通常1〜30容量%程度である。この酸素源としては、通常、空気や純酸素が用いられ、必要に応じて不活性ガスで希釈される。酸化性ガスは、中でも、空気が好ましい。焼成温度は、通常100〜500℃、好ましくは200〜400℃である。
前記チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後においては、還元処理を行ってから酸化性ガスの雰囲気下で焼成を行ってもよいし、乾燥を行ってから酸化性ガスの雰囲気下で焼成を行ってもよいし、還元処理及び乾燥を行ってから酸化性ガスの雰囲気下で焼成を行ってもよい。かかる乾燥方法としては、従来公知の方法を採用することができ、その温度は、通常、室温から100℃程度であり、その圧力は、通常0.001〜1MPa、好ましくは大気圧である。かかる乾燥は、空気雰囲気下や、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素の如き不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。かかる還元処理としては、例えば特開2000−229239号公報、特開2000−254502号公報、特開2000−281314号公報、特開2002−79093号公報等に記載される還元処理が挙げられる。
前記チタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後、酸化性ガスの雰囲気下で焼成することにより、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体に酸化ルテニウムが担持されてなる担持酸化ルテニウムを製造することができる。担持されている酸化ルテニウムにおけるルテニウムの酸化数は、通常+4であり、酸化ルテニウムとしては二酸化ルテニウム(RuO)であるが、他の酸化数のルテニウムないし他の形態の酸化ルテニウムが含まれていてもよい。また、前記担持酸化ルテニウムは、前記アルカリ金属化合物、及び前記チタニア担体に含まれうるアルカリ金属元素に由来して、アルカリ金属元素が含まれるものとなる。前記担持酸化ルテニウムに含まれる酸化ルテニウムの含有量は、担持酸化ルテニウムに含まれるアルカリ金属元素1モルに対して、0.05〜10モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましい。2種以上のアルカリ金属元素が含まれる場合、これらの合計含有量が、前記担持酸化ルテニウムにおいて、上記範囲となればよい。前記担持酸化ルテニウムに含まれるアルカリ金属元素の含有量は、例えば、ICP分析法により定量できる。
本発明の担持酸化ルテニウムは、好ましくは成形体として使用される。その形状としては、例えば、球形粒状、円柱状、ペレット状、押出形状、リング形状、ハニカム状あるいは成形後に粉砕分級した適度の大きさの顆粒状等が挙げられ、中でも、ペレット状であることが好ましい。この際、成形体の直径としては5mm以下が好ましい。成形体の直径が大きすぎると、塩化水素の酸化反応の転化率が低くなることがある。成形体の直径の下限は特に制限はないが、過度に小さくなると、触媒層での圧力損失が大きくなるため、通常は0.5mm以上のものが用いられる。なお、ここでいう成形体の直径とは、球形粒状では球の直径、円柱状では円形断面の直径、その他の形状では断面の最大直径を意味する。成形は、チタニア担体の調製時に行ってもよいし、前記接触処理後に行ってもよいし、前記焼成後に行ってもよい。
かくして製造される担持酸化ルテニウムを触媒に用い、この触媒の存在下で塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を効率的に製造することができる。反応方式としては、流動床、固定床、移動床等の反応方式が採用可能であり、断熱方式又は熱交換方式の固定床反応器が好ましい。断熱方式の固定床反応器を用いる場合には、単管式固定床反応器、多管式固定床反応器のいずれも使用することができるが、単管式固定床反応器を好ましく使用することができる。熱交換方式の固定床反応器を用いる場合には、単管式固定床反応器、多管式固定床反応器のいずれも使用することができるが、多管式固定床反応器を好ましく使用することができる。
この酸化反応は平衡反応であり、あまり高温で行うと平衡転化率が下がるため、比較的低温で行うのが好ましく、反応温度は、通常100〜500℃、好ましくは200〜450℃である。また、反応圧力は、通常0.1〜5MPa程度である。酸素源としては、空気を使用してもよいし、純酸素を使用してもよい。塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/4モルであるが、通常、この理論量の0.1〜10倍の酸素が使用される。また、塩化水素の供給速度は、触媒1Lあたりのガス供給速度(L/h;0℃、1気圧換算)、すなわちGHSVで表して、通常10〜20000h−1程度である。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の各例において、ICP分析は、ICP発光分析装置(日本ジャーレル・アッシュ(株)製、IRIS Advantage)を用いて行った。
実施例1
(担体の調製)
チタニア粉末〔昭和タイタニウム(株)製のF−1R、ルチル型チタニア比率93%〕100部と有機バインダー2部〔ユケン工業(株)製のYB−152A〕とを混合し、次いで純水29部、チタニアゾル〔堺化学(株)製のCSB、チタニア含有量40%〕12.5部を加えて混練した。この混合物を直径3.0mmφのヌードル状に押出し、60℃で2時間乾燥した後、長さ3〜5mm程度に破砕した。得られた成形体を、空気中で室温から600℃まで1.7時間かけて昇温した後、同温度で3時間保持して焼成した。得られた白色の焼成物の内20.0gに、オルトケイ酸テトラエチル〔和光純薬工業(株)製のSi(OC〕0.355gをエタノール2.94gに溶解して調製した溶液を含浸させ、空気雰囲気下、室温で15時間乾燥した。得られた固体20.1gを、空気流通下、室温から300℃まで0.8時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成し、シリカの含有量が0.51重量%である白色のチタニア担体〔ルチル型チタニア比率90%以上、ナトリウム含有量12重量ppm、カルシウム含有量8重量ppm〕20.0gを得た。
(担持酸化ルテニウムの製造)
塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製のRuCl・nHO、Ru含有量40.0重量%〕0.122g(0.48mmol)及び塩化ナトリウム〔和光純薬工業(株)製のNaCl〕0.026g(0.44mmol)を純水1.15gに溶解して調製した水溶液〔塩化ルテニウム使用量/塩化ナトリウム使用量(モル比)=1.1〕を、上記で得られたチタニア担体5.0gに含浸させ、空気雰囲気下、室温で12時間乾燥し、5.3gの固体を得た。得られた固体5.3gを、空気流通下、室温から280℃まで1.3時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成し、酸化ルテニウムの含有量が1.25重量%、塩化ナトリウムの含有量が0.51重量%(ナトリウム含有量0.20重量%)である青灰色の担持酸化ルテニウム5.1gを得た。
(担持酸化ルテニウムの初期活性評価)
上記で得られた担持酸化ルテニウム1.0gを、直径2mmのα−アルミナ球〔ニッカトー(株)製のSSA995〕12gで希釈し、ニッケル製反応管(内径14mm)に充填し、さらに反応管のガス入口側に上と同じα−アルミナ球12gを予熱層として充填した。この中に、塩化水素ガスを0.214mol/h(0℃、1気圧換算で4.8L/h)、及び酸素ガスを0.107mol/h(0℃、1気圧換算で2.4L/h)の速度で常圧下に供給し、触媒層を282〜283℃に加熱して反応を行った。反応開始1.5時間後の時点で、反応管出口のガスを30%ヨウ化カリウム水溶液に流通させることによりサンプリングを20分間行い、ヨウ素滴定法により塩素の生成量を測定し、塩素の生成速度(mol/h)を求めた。この塩素の生成速度と上記の塩化水素の供給速度から、下式より塩化水素の転化率を計算し、表1に示した。
塩化水素の転化率(%)=〔塩素の生成速度(mol/h)×2÷塩化水素の供給速度(mol/h)〕×100
(担持酸化ルテニウムの熱安定性試験)
上記で得られた担持酸化ルテニウム1.2gを、石英製反応管(内径21mm)に充填した。この中に、塩化水素ガスを0.086mol/h(0℃、1気圧換算で1.9L/h)、及び酸素ガスを0.075mol/h(0℃、1気圧換算で1.7L/h)、塩素ガスを0.064mol/h(0℃、1気圧換算で1.4L/h)、水蒸気を0.064mol/h(0℃、1気圧換算で1.4L/h)の速度で常圧下に供給し、触媒層を435〜440℃に加熱して反応を行った。反応開始50時間後の時点で、反応を停止し、窒素ガスを0.214mol/h(0℃、1気圧換算で4.8L/h)の速度で供給しながら冷却した。
(熱安定性試験後の担持酸化ルテニウムの活性評価)
上記熱安定性試験に付された担持酸化ルテニウム1.2gのうち、1.0gを分取し、上記初期活性評価と同様の方法で塩化水素の転化率を求め、表1に示した。
実施例2
(担体の調製)
実施例1(担体の調製)と同様の方法でシリカの含有量が0.51重量%である白色のチタニア担体を得た。
(担持酸化ルテニウムの製造)
塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製のRuCl・nHO、Ru含有量40.0重量%〕0.122g(0.48mmol)及び塩化ナトリウム〔和光純薬工業(株)製のNaCl〕0.099g(1.69mmol)を純水1.17gに溶解して調製した水溶液〔塩化ルテニウム使用量/塩化ナトリウム使用量(モル比)=0.28〕を、上記で得られたチタニア担体5.0gに含浸させ、空気雰囲気下、室温で12時間乾燥し、5.4gの固体を得た。得られた固体5.4gを、空気流通下、室温から280℃まで1.3時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成し、酸化ルテニウムの含有量が1.25重量%、塩化ナトリウムの含有量が1.9重量%(ナトリウム含有量0.78重量%)である青灰色の担持酸化ルテニウム5.1gを得た。
(担持酸化ルテニウムの初期活性評価、熱安定性試験、熱安定性試験後の活性評価)
上記で得られた担持酸化ルテニウムについて、実施例1と同様に、初期活性評価、熱安定性試験、及び熱安定性試験後の活性評価を行い、結果を表1に示した。
実施例3
(担体の調製)
オルトケイ酸テトラエチル〔和光純薬工業(株)製のSi(OC〕の使用量を、0.355gに代えて、0.715gとした以外は、実施例1(担体の調製)と同様の方法で、シリカの含有量が1.0重量%である白色のチタニア担体〔ルチル型チタニア比率90%以上、ナトリウム含有量12重量ppm、カルシウム含有量8重量ppm〕20.0gを得た。
(担持酸化ルテニウムの製造)
上記で得られたチタニア担体5.0gを使用して、実施例1(担持酸化ルテニウムの製造)と同様の方法で、酸化ルテニウムの含有量が1.25重量%、塩化ナトリウムの含有量が0.51重量%(ナトリウム含有量0.20重量%)である青灰色の担持酸化ルテニウム5.1gを得た。
(担持酸化ルテニウムの初期活性評価、熱安定性試験、熱安定性試験後の活性評価)
上記で得られた担持酸化ルテニウムについて、実施例1と同様に、初期活性評価、熱安定性試験、及び熱安定性試験後の活性評価を行い、結果を表1に示した。
実施例4
(担体の調製)
実施例3(担体の調製)と同様の方法でシリカの含有量が1.0重量%である白色のチタニア担体を得た。
(担持酸化ルテニウムの製造)
塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製のRuCl・nHO、Ru含有量40.0重量%〕0.122g(0.48mmol)及び塩化ナトリウム〔和光純薬工業(株)製のNaCl〕0.099g(1.69mmol)を純水1.18gに溶解して調製した水溶液〔塩化ルテニウム使用量/塩化ナトリウム使用量(モル比)=0.28〕を、上記で得られたチタニア担体5.0gに含浸させ、空気雰囲気下、室温で12時間乾燥し、5.4gの固体を得た。得られた固体5.4gを、空気流通下、室温から280℃まで1.3時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成し、酸化ルテニウムの含有量が1.25重量%、塩化ナトリウムの含有量が1.9重量%(ナトリウム含有量0.78重量%)である青灰色の担持酸化ルテニウム5.1gを得た。
(担持酸化ルテニウムの初期活性評価、熱安定性試験、熱安定性試験後の活性評価)
上記で得られた担持酸化ルテニウムについて、実施例1と同様に、初期活性評価、熱安定性試験、及び熱安定性試験後の活性評価を行い、結果を表1に示した。
比較例1
(担体の調製)
チタニア粉末〔昭和タイタニウム(株)製のF−1R、ルチル型チタニア比率93%〕100部と有機バインダー2部〔ユケン工業(株)製のYB−152A〕とを混合し、次いで純水29部、チタニアゾル〔堺化学(株)製のCSB、チタニア含有量40%〕12.5部を加えて混練した。この混合物を直径3.0mmφのヌードル状に押出し、60℃で2時間乾燥した後、長さ3〜5mm程度に破砕した。得られた成形体を、空気中で室温から600℃まで1.7時間かけて昇温した後、同温度で3時間保持して焼成し、白色のチタニア担体〔ルチル型チタニア比率90%以上、ナトリウム含有量12重量ppm、カルシウム含有量8重量ppm〕を得た。
(担持酸化ルテニウムの製造)
塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製のRuCl・nHO、Ru含有量40.0重量%〕0.240g(0.95mmol)を純水2.34gに溶解して調製した水溶液を、上記で得られたチタニア担体10.0gに含浸させ、空気雰囲気下、室温で12時間乾燥し、10.3gの固体を得た。得られた固体10.3gを、空気流通下、室温から280℃まで1.3時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成し、酸化ルテニウムの含有量が1.25重量%である青灰色の担持酸化ルテニウム10.1gを得た。
(担持酸化ルテニウムの初期活性評価、熱安定性試験、熱安定性試験後の活性評価)
上記で得られた担持酸化ルテニウムについて、実施例1と同様に、初期活性評価、熱安定性試験、及び熱安定性試験後の活性評価を行い、結果を表1に示した。
比較例2
(担体の調製)
実施例1(担体の調製)と同様の方法でシリカの含有量が0.51重量%である白色のチタニア担体を得た。
(担持酸化ルテニウムの製造)
塩化ルテニウム水和物〔NEケムキャット(株)製のRuCl・nHO、Ru含有量40.0重量%〕0.122g(0.48mmol)を純水1.15gに溶解して調製した水溶液を、上記で得られたチタニア担体5.0gに含浸させ、空気雰囲気下、室温で12時間乾燥し、5.2gの固体を得た。得られた固体5.2gを、空気流通下、室温から280℃まで1.3時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成し、酸化ルテニウムの含有量が1.25重量%である青灰色の担持酸化ルテニウム5.1gを得た。
(担持酸化ルテニウムの初期活性評価、熱安定性試験、熱安定性試験後の活性評価)
上記で得られた担持酸化ルテニウムについて、実施例1と同様に、初期活性評価、熱安定性試験、及び熱安定性試験後の活性評価を行い、結果を表1に示した。
Figure 2012161716

Claims (10)

  1. 担持酸化ルテニウムの製造方法であって、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体にルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物を担持させた後、酸化性ガス雰囲気下で焼成することを特徴とする担持酸化ルテニウムの製造方法。
  2. 前記アルカリ金属化合物が、アルカリ金属のハロゲン化物である請求項1に記載の担持酸化ルテニウムの製造方法。
  3. 前記アルカリ金属化合物が、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の担持酸化ルテニウムの製造方法。
  4. 前記アルカリ金属化合物が、塩化ナトリウム及び塩化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の担持酸化ルテニウムの製造方法。
  5. 前記担持酸化ルテニウムにおける酸化ルテニウムの含有量が、前記担持酸化ルテニウムに含まれるアルカリ金属元素1モルに対して、0.05〜10モルである請求項1〜4のいずれかに記載の担持酸化ルテニウムの製造方法。
  6. チタニアにケイ素化合物を担持させた後、酸化性ガスの雰囲気下で焼成して、チタニアにシリカが担持されてなるチタニア担体を調製し、該チタニア担体を前記ルテニウム化合物及びアルカリ金属化合物の担持に供する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記ケイ素化合物がケイ素アルコキシド化合物である請求項6に記載の方法。
  8. 前記ケイ素化合物がオルトケイ酸テトラエチルである請求項6に記載の方法。
  9. X線回折法により測定される前記チタニア担体中のルチル型チタニアの比率が、ルチル型チタニア及びアナターゼ型チタニアの合計に対し20%以上である請求項1〜8のいずれかに記載の担持酸化ルテニウムの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の方法により製造された担持酸化ルテニウムの存在下で、塩化水素を酸素で酸化することを特徴とする塩素の製造方法。
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