JP4267160B2 - 小屋組構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根裏空間を確保することができる小屋組構造に関する。
【0002】
【背景の技術】
従来、家屋などにおける屋根支持には、水平下弦材である陸梁、陸梁上に垂設された束、屋根傾斜方向に沿って斜めに設置された合掌、などにより構成される小屋組が用いられている。しかし、従来の小屋組においては、陸梁や束によって屋根内部の空間が分割されるため、連続した屋根裏空間を確保することができなかった。
【0003】
そこで、屋根裏の空間を確保するため、上記小屋組に代わる屋根構造が提案されている。例えば、特開平4−93440号公報に記載の小屋組構造体においては、曲がった形状に形成されたベント梁(ベント=曲がった)が用いられている。
【0004】
上記ベント梁は、棟木方向に配設される頂部と、桁行方向の屋根勾配に対応した傾斜部とを、補強用のプレース部によって連結して構成されている。ベント梁の一端(頂部の先端部)は、内壁体の上に設けられるトラスなどの屋根支持体に連結され、ベント梁の他端(傾斜部の先端部)は、外壁体に連結されている。この構成とすることで、架設されたベント梁の下方の空間には、束や陸梁などを設ける必要がなく、屋根裏空間を確保することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の小屋組構造体においては、ベント梁の下方の屋根裏部分には広いスペースが確保できるものの、トラスなどの屋根支持体が設置されている部分では、屋根内部の空間が分割されてしまっていた。
【0006】
特に、棟木方向が比較的長い家屋では、屋根を支持するために、トラスや屋切パネルなどの屋根支持体を複数設ける必要があった。したがって、屋根内部の空間が広いにも関わらず、連続した広い屋根裏空間を得ることができなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、棟木方向が比較的長い家屋においても、連続した広い屋根裏空間を確保することができる小屋組構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の小屋組構造は、例えば図1から図5に示されるように、少なくとも一方の妻側Aが寄棟屋根状とされた屋根に用いられ、かつ、屋根の裏面側に屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り部2pと、該登り部2pの上端部(折り曲げ部2r)から水平に延出した水平部2qとを備えたベント梁2が少なくとも一本以上用いられた小屋組構造であって、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り梁1もしくは前記ベント梁2である二本一組の支持梁10、10を一組以上備え、二本の支持梁10、10の下側の端部(接合部10b、10b)が外壁の互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合されて支持され、かつ、二本の支持梁10、10の上側の端部(接合部10a、10a)どうしが互いに接合されることにより、二本の支持梁10、10が外壁の互いに対向する部分どうしの間に平面視してほぼ直線状に掛け渡されるように配置され、前記ベント梁2及び水平な梁3のうちの少なくとも一方である複数の接合梁12…、13、13が、直接もしくは他の接合梁を介して前記二本の支持梁10、10に接合されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、ベント梁には、例えば図4に示される登り部2pと水平部2qとを一つずつ備えたベント梁2や、図9の(b)に示される二つの登り部40’pおよび一つの水平部40’qを備えた山型ベント梁40’などが含まれる。
【0010】
また、ベント梁には、小屋組配置前に、登り梁1および水平な梁3を、あらかじめ接合あるいは一体成形して、ベント梁2や山型ベント梁40’とされたものも含まれる。すなわち、もともとは登り梁1および水平な梁3であっても、小屋組配置前に組み合わされてベント梁の形状とされたものは、ベント梁とみなす。
【0011】
また、外壁の互いに対向する部分としては、例えばパネル工法における壁パネルや、外壁部分に立設された柱の一部など、が挙げられる。
【0012】
請求項1の小屋組構造においては、二本の支持梁10、10が外壁の互いに対向する部分どうしの間に平面視してほぼ直線状に掛け渡されるように配置されているので、二本の支持梁10、10が掛け渡された一方の外壁の上端部から他方の外壁の上端部に至るまで、二本の支持梁10、10下方の屋根裏空間を確保することができる。さらに、複数の接合梁12…、13、13が、直接もしくは他の接合梁を介して前記二本の支持梁10、10に接合されているので、二本の支持梁10、10下方の屋根裏空間と、接合梁12…、13、13下方の屋根裏空間とが連続する。したがって、棟木方向および梁間方向において、連続した広い屋根裏空間を確保することができる。
【0013】
また、例えば、上述の特開平4−93440号公報に記載の小屋組構造体においては、ベント梁の一端が内壁体の上方に設けられたトラスや屋切パネルなどの屋根支持体に連結され、ベント梁の他端が外壁体に連結されていた。前記内壁体は、間取りによって、家屋平面上のどこに配置されるか決定されてしまう。言い換えれば、ほぼ同じような形状の住宅においても間取りによって内壁体の位置が異なるため、住宅の形状と間取りによって異なる内壁体上の屋根支持体から外壁体までの距離に応じて、さまざまなサイズや長さのベント梁を製造しなければならなかった。
【0014】
これに対し、請求項1の小屋組構造においては、接合梁12…、13、13が、直接もしくは他の接合梁を介して二本の支持梁10、10に接合されているので、従来と異なり、内壁体上方の屋根支持体に連結されずに小屋組構造を構成できる。したがって、間取りによって制約される内壁体の位置に関係なく、小屋組構造を構成する梁10、12、13同士を、全体にバランス良く配置できるため、対称的に梁10、12、13を配置でき、梁10、12、13の長さ、サイズなどを共通化できる。
【0015】
なお、例えば図2に示されるように、登り梁である二本の支持梁10、10を、あらかじめ接合あるいは一体成形することにより、山型梁10’として配置するものとしてもよい。
【0016】
また、例えば図9に示されるように、ベント梁である二本の支持梁40、40を、あらかじめ接合あるいは一体成形することにより、山型ベント梁40’として配置するものとしてもよい。
【0017】
また、登り梁1とベント梁2とを組み合わせて二本の支持梁を構成しても良い。また、二本の支持梁としての登り梁1およびベント梁2を、あらかじめ接合あるいは一体成形することにより、例えば図9の(b)に示される山型ベント梁40’として配置するものとしてもよい。
【0018】
請求項2記載の小屋組構造は、請求項1記載の小屋組構造において、前記屋根の基本構造が寄棟屋根とされ、二本の支持梁10、10が平面視して棟方向Xに直交するように配置され、かつ、二本の支持梁10、10の上端部10a、10aが平面視して前記寄棟屋根の棟14のほぼ中央部で互いに接合されていることを特徴とする。
【0019】
ここで、寄棟屋根とは、少なくとも四方に流れる屋根を有するものである。基本構造が寄棟屋根とされた屋根には、例えば、請求項5(図10)に記載の、主となる主屋根5と、主屋根5の一方の平側B1の屋根面57Bから延出した従屋根6とを備えた屋根や、寄棟雁行屋根、入母屋屋根などが含まれる。
【0020】
請求項2の小屋組構造においては、図1に示されるように、二本の支持梁10、10が平面視して棟方向Xに直交するように配置され、かつ、二本の支持梁10、10の上端部10a、10aが平面視して寄棟屋根の棟14のほぼ中央部で互いに接合されているので、二本の支持梁10、10を中心として、接合梁12…、13、13の配置を対称的なものとすることができる。
【0021】
また、棟木方向が比較的長い家屋においても、棟方向Xに連続した屋根裏空間を確保することができ、屋根内部の広い空間を有効に利用することができる。
【0022】
請求項3記載の小屋組構造は、請求項2記載の小屋組構造において、前記寄棟屋根の四方に流れる各屋根面16A、16A、16B、16Bの同じ高さ位置に、一本もしくは連結された複数本の接合梁12…、13、13が前記屋根面16A、16A、16B、16Bを横断するように隅棟15から隅棟15まで配置されることにより、これら接合梁12…、13、13が四角枠状に配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項3の小屋組構造においては、寄棟屋根の四方に流れる各屋根面16A、16A、16B、16Bに、接合梁12…、13、13が四角枠状に配置されているので、各屋根面16A、16A、16B、16Bに少なくとも一本、水平とされる梁(接合梁12の水平部、接合梁13)を設けることができる。
【0024】
また、各屋根面16A、16A、16B、16Bの同じ高さ位置に接合梁12…、13、13が四角枠状に配置されているので、棟14から軒にわたって配置される屋根面構成部材を、少なくとも棟14からの距離が同じである接合梁12…、13、13によって、下方から支持することができる。
例えば、パネル工法において、棟14から接合梁12、13にわたって掛け渡される屋根パネルと、接合梁12、13から軒にわたって掛け渡される屋根パネルとを配置する場合などに、少なくとも、棟14から接合梁12、13にわたって配置される屋根パネルにおいては、各屋根面16A、16A、16B、16Bで共通のサイズのパネルを用いることができ、部材の共通化を図ることができる。
【0025】
請求項4記載の小屋組構造は、請求項1記載の小屋組構造において、例えば図4、図5および図8に示されるように、前記屋根が一方の妻側A1が寄棟状とされ、他方の妻側A2が切妻状とされた片寄棟屋根とされ、前記支持梁40、40は、寄棟状の一方の妻側A1に流れる妻側屋根面46Aに水平部2qが平面視して棟方向Xに直交するように配置され、かつ、該妻側屋根面46Aに隣接する平側Bの屋根面46Bに登り部2pが配置されたベント梁2とされ、前記平側Bの二つの屋根面46B、46Bの前記支持梁40の水平部(2q)と同じ高さ位置に、それぞれ水平な梁3とされた前記接合梁43、43が配置されるとともに、これら接合梁43の一方の端部が前記支持梁40に接合されて、これら接合梁43及び前記支持梁40の水平部がコ字状に配置されていることを特徴とする。
【0026】
請求項4の小屋組構造においては、支持梁40は、妻側屋根面46Aに水平部2qが配置されたベント梁2とされ、平側Bの二つの屋根面46B、46Bに、それぞれ水平な梁3とされた接合梁43、43が配置され、これら接合梁43及び支持梁40の水平部がコ字状に配置されているので、各屋根面46A、46B、46Bに少なくとも一本、水平とされる梁(支持梁40の水平部、接合梁43)を設けることができる。
【0027】
また、平側Bの二つの屋根面46B、46Bの支持梁40の水平部(2q)と同じ高さ位置に、それぞれ水平な梁3とされた接合梁43、43が配置されているので、請求項3の小屋組構造の場合と同様に、棟44から軒にわたって配置される屋根面構成部材を、少なくとも棟44からの距離が同じである接合梁43および支持梁40の水平部によって、下方から支持することができる。
【0028】
請求項5記載の小屋組構造は、請求項1から3のいずれかに記載の小屋組構造において、例えば図4、図10および図11に示されるように、前記寄棟屋根が、主となる主屋根5と該主屋根5の一方の平側B1の屋根面57Bから延出し、前記主屋根5の棟54と平面視して直交する方向に沿うとともに、前記主屋根5の棟54より低い位置に棟64を有し、かつ、主屋根5の反対の妻側(主屋根5の一方の平側B1)が寄棟状とされた従屋根6とを備え、二本の前記支持梁50、60のうちの一方の支持梁60が、従屋根6の妻側B1に流れる妻側屋根面66Bの傾斜方向に沿った登り部2pと、従屋根6の棟64に沿って配置される水平部2qとを有するベント梁2とされ、他方の支持梁50が、主屋根5の従屋根6と反対側の平側B2の屋根面56Bに沿った登り部2pを備えるとともに、前記一方の支持梁60の水平部(2q)と同じ高さ位置の水平部2qを有するベント梁2とされていることを特徴とする。
【0029】
請求項5の小屋組構造においては、一方の支持梁60が接合された外壁(従屋根6の妻側B1の外壁)から、他方の支持梁50が接合された外壁(主屋根5の従屋根6と反対側の平側B2の外壁)に至るまで、二本の支持梁50、60下方の屋根裏空間を確保することができる。したがって、従屋根6の屋根裏と、主屋根5の屋根裏とが連続するので、屋根内部の広い空間を有効に利用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
<第一の実施形態例>
以下に、本発明の第一の実施形態例の小屋組構造について、図1から図5を参照して説明する。
【0031】
図1は、第一例の小屋組構造を示す平面図である。第一例の小屋組構造は、四方に流れる屋根面16A、16A、16B、16Bを有する寄棟屋根に用いられている。この小屋組構造は、二本の支持梁10、10と、接合梁12…、13、13とを備えている。なお、図1中、18Aは、妻側Aの外壁の位置を示す外壁線、18Bは、平側Bの外壁の位置を示す外壁線である。
【0032】
支持梁10は、図3に示される登り梁1とほぼ同様の構成となっている。図3は、登り梁1の側面図である。登り梁1は、H型鋼の両端がそれぞれ切断加工された形状となっている。登り梁1の上端および下端は、他の梁、外壁体などの構造体に対して接合される接合部1a、1bである。
【0033】
図1に示されるように、二本の支持梁10、10(登り梁1)は、平面視してほぼ直線状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交するように配置されている。支持梁10は、平側Bの屋根面16Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。
【0034】
支持梁10の下側の端部となる接合部10b(1b)は、外壁線18B、18Bの位置に配置された外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合されて支持されている。なお、外壁の互いに対向する部分としては、例えば、外壁に用いられた壁パネルや、外壁部分に立設された柱などが挙げられる。
【0035】
また、二本の支持梁10、10の上側の端部となる接合部10a、10a(1a)どうしは、平面視して寄棟屋根の棟14のほぼ中央部で、互いに接合されている。このようにして、外壁の互いに対向する部分どうしの間に、図2の(a)に示されるように、二本の支持梁10、10によって合掌が形成されている。
【0036】
なお、梁の接合部の接合は、例えば、梁受け金物を介して、ボルトナットで締結し固定することで行われるが、このほか、従来より周知の方法によって接合されるものとしても良い。
【0037】
また、図2に示されるように、登り梁である二本の支持梁10、10を、あらかじめ接合あるいは一体成形することにより、山型梁10’として配置するものとしてもよい。
【0038】
接合梁12は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっている。図4は、ベント梁2の側面図である。ベント梁2は、長手方向における中間でH型鋼を折り曲げた形状となっている。ベント梁2は、斜めに配置される登り部2pと、登り部2pの上端部となる折り曲げ部2rから水平に延出した水平部2qとを備えたものである。ベント梁2の上側の端部および下側の端部は、他の梁、外壁体などの構造体に対して接合される接合部2a、2bである。
【0039】
図1に示されるように、接合梁12、12(ベント梁2)は、支持梁10、10に対して対称となるように、各妻側Aに二本ずつ設けられている。各妻側Aにおいて、棟14に対して対称となるように、各平側Bに接合梁12が一本ずつ設けられている。
【0040】
接合梁12の登り部(2p)は、妻側Aの屋根面16Aの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、接合梁12の水平部(2q)は、平側Bの屋根面16Bの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。接合梁12の折り曲げ部(2r)は、隅棟15の裏側に配置されている。
【0041】
接合梁12の下側の端部となる接合部12b(2b)は、妻側Aの外壁(外壁線18A)の上端部にそれぞれ接合されて支持されている。また、接合梁12の上側の端部となる接合部12a(2a)は、支持梁10に対して側方から突き合わせるようにして接合されている。
【0042】
なお、接合梁12は、図3に示される登り梁1と、図5に示される水平な梁3とを、小屋組配置前にあらかじめ接合あるいは一体成形して、ベント梁2の形状としたものであってもよい。
【0043】
接合梁13は、図5に示される水平な梁3とほぼ同様の構成となっている。図5は、水平な梁3の側面図である。水平な梁3は、H型鋼の長さが設定された形状となっている。水平な梁3の両端は、他の梁、外壁体などの構造体に対して接合される接合部3a、3aである。
【0044】
図1に示されるように、接合梁13(水平な梁3)は、支持梁10、10に対して対称となるように、各妻側Aに一本ずつ配置されている。接合梁13は、妻側Aの屋根面16Aの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。
【0045】
接合梁13は、その両端となる接合部(3a、3a)が、接合梁12の折り曲げ部(ベント梁2の折り曲げ部2r)どうしを橋かけるようにして、折り曲げ部に対して接合されて支持されている。このようにして、接合梁13が、接合梁12、12を介して支持梁10に接合されている。
【0046】
以上のようにして、妻側Aの屋根面16Aを横断するように、接合梁13が隅棟15から隅棟15まで配置されている。また、平側Bの屋根面16Bを横断するように、接合梁12、12の水平部(ベント梁2の水平部2q)が隅棟15から隅棟15まで配置されている。すなわち、接合梁13、13及び接合梁12、12の水平部は、四方に流れる各屋根面16A、16A、16B、16Bの同じ高さ位置に、四角枠状に配置されている。
【0047】
以上のように、第一例の小屋組構造においては、二本の支持梁10、10が外壁の互いに対向する部分どうしの間に掛け渡されるように配置されているので、二本の支持梁10、10が掛け渡された一方の外壁(外壁線18B)の上端部から他方の外壁(外壁線18B)の上端部に至るまで、二本の支持梁10、10下方の屋根裏空間を確保することができる。
これに加えて、接合梁12…が直接的に、接合梁13、13が接合梁12を介して間接的に、二本の支持梁10、10に接合されているので、二本の支持梁10、10下方の屋根裏空間と、接合梁12…、13、13下方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。
【0048】
したがって、第一例の小屋組構造においては、棟方向に連続した広い屋根裏空間を確保することができ、屋根内部の空間を有効に利用することができる。
【0049】
また、従来と異なり、内壁体上方の屋根支持体などに対して梁が接合されておらず、二本の支持梁10、10、接合梁12…、13、13が互いに接合されて小屋組構造を構成している。したがって、間取りによって制約される内壁体の位置に関係なく、梁10、12、13同士を、全体にバランス良く配置でき、梁10、12、13の長さ、サイズなどを共通化できる。
【0050】
また、寄棟屋根の四方に流れる各屋根面16A、16A、16B、16Bに、水平とされる梁(接合梁13、13、接合梁12、12の水平部)をそれぞれ設けることができる。
【0051】
また、各屋根面16A、16A、16B、16Bの同じ高さ位置に水平とされる梁(接合梁13、13、接合梁12、12の水平部)がそれぞれ設けられているので、棟14から接合梁12、13にわたって配置される屋根面構成部材(例えば屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることができ、部材共通化を図ることができる。
【0052】
なお、第一例の小屋組構造は寄棟屋根に用いられるものとしたが、これに限らず、基本構造が寄棟屋根である屋根に適用可能である。例えば、第一例の小屋組構造を、雁行屋根や、入母屋屋根などに適用しても良い。
【0053】
また、各梁はH型鋼であるものとしたが、これに限らず、例えば、構造用木材などにより構成されるものとしても良い。
【0054】
また、棟方向Xにおける寄棟屋根の長さが比較的大きくなった場合には、支持梁10、10に並列するように、別途支持梁を設けるものとしても良い。この場合には、支持梁10と、別途に設けられた支持梁との間で、水平な梁である接合梁を掛け渡すようにする。この構成により、棟方向に連続した広い屋根裏空間を確保することができる。
【0055】
また、図1に示されるように、接合梁12…に対して、登り梁13a…を架けた構造としても良い(図1中の点線)。この場合には、小屋組を補強でき、接合梁12…、13、13の負担を軽減できる。
【0056】
<第二の実施形態例>
以下に、本発明の第二の実施形態例の小屋組構造について、図6を参照して説明する。なお、以下の実施形態例においては、第一例と同様の構成については、その説明を省略する。
【0057】
図6は、第二例の小屋組構造を示す平面図である。第二例の小屋組構造は、二本の支持梁20、20と、接合梁22…、23…とを備えている。
【0058】
接合梁22は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっている。図6に示されるように、接合梁22(ベント梁2)は、平面視してほぼ直線状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交するように配置されている。
【0059】
接合梁22の登り部(2p)は、平側Bの屋根面26Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、接合梁22の水平部(2q)は、妻側Aの屋根面16Aの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。接合梁22の折り曲げ部(2r)は、隅棟25の裏側に配置されている。
【0060】
接合梁22の下側の端部となる接合部22b(2b)は、外壁線28B、28Bの位置に配置された外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合されて支持されている。また、二本の接合梁22、22の上側の端部となる接合部22a、22a(2a)どうしは、互いに接合されている。
【0061】
なお、接合梁22、22の代わりに、登り梁とベント梁とを組み合わせて、一方の平側Bから他方の平側Bへ梁を架け渡すようにして配置しても良い。また、登り梁とベント梁とをあらかじめ接合あるいは一体成形した山型ベント梁(例えば図9(b)に示される山型ベント梁40’)を、接合梁22、22の代わりに配置するものとしてもよい。
【0062】
接合梁23は、図5に示される水平な梁3とほぼ同様の構成となっている。図6に示されるように、接合梁23(水平な梁3)は、棟24に対して対称となるように、各平側Bに二本ずつ設けられている。各平側Bにおいて、支持梁20に対して対称となるように、平側Bの屋根面26Bの裏面側に、接合梁23、23が屋根に沿って水平に配置されている。
また、接合梁23の両端となる接合部(3a、3a)は、支持梁20と接合梁22の折り曲げ部とに対してそれぞれ接合されている。
【0063】
以上のようにして、平側Bの屋根面26Bを横断するように、接合梁23、23が隅棟25から隅棟25まで配置されている。また、妻側Aの屋根面26Aを横断するように、接合梁22、22の水平部(ベント梁2の水平部2q)が隅棟25から隅棟25まで配置されている。すなわち、接合梁23、23及び接合梁22、22の水平部は、四方に流れる各屋根面26A、26A、26B、26Bの同じ高さ位置に、四角枠状に配置されている。
【0064】
以上のように、第二例の小屋組構造においては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁20、20下方の屋根裏空間と、接合梁22…、23…下方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。
また、二本の支持梁20、20を中心として、一方の妻側Aと他方の妻側Aとに配置される接合梁22、23において、部材の共通化を図ることができる。
また、各屋根面26A、26A、26B、26Bに、水平とされる梁(接合梁22…の水平部、接合梁23…)をそれぞれ設けることができる。
また、棟から接合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることができ、部材共通化を図ることができる。
【0065】
なお、図6に示されるように、接合梁22…に対して、登り梁23a…を架けた構造としても良い(図6中の点線)。この場合には、小屋組を補強でき、接合梁22…、23…の負担を軽減できる。
【0066】
また、接合梁22、22を、支持梁20とは別の、二本の支持梁とみなすものとしても良い。
また、接合梁22、22の代わりに、例えば図9の(b)に示されるような、二本の登り梁1と水平な梁3とがあらかじめ接合あるいは一体成形された、山型ベント梁40’を配置しても良い。
【0067】
<第三の実施形態例>
以下に、本発明の第三の実施形態例の小屋組構造について、図7を参照して説明する。図7は、第三例の小屋組構造を示す平面図である。第三例の小屋組構造は、二本の支持梁30、30と、接合梁31、31、32、32、33、33とを備えている。
【0068】
接合梁31は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっている。図7に示されるように、接合梁31(ベント梁2)は、支持梁30、30の上端接合部30a、30aに対して対称となるように、各妻側A及び各平側Bに一本ずつ、計二本が設けられている。
【0069】
接合梁31の登り部(2p)は、妻側Aの屋根面36Aの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、接合梁31の水平部(2q)は、平側Bの屋根面36Bの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。接合梁31の折り曲げ部(2r)は、隅棟35の裏側に配置されている。
【0070】
接合梁31の下側の端部となる接合部31b(2b)は、妻側Aの外壁(外壁線38A)の上端部に接合されて支持されている。また、接合梁31の上側の端部となる接合部31a(2a)は、支持梁30に対して側方から突き合わせるようにして接合されている。
【0071】
接合梁32は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっている。図7に示されるように、接合梁32(ベント梁2)は、支持梁30、30の上端接合部30a、30aに対して対称となるように、各妻側Aに一本ずつ設けられている。
【0072】
接合梁32の登り部(2p)は、平側Bの屋根面36Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、接合梁32の水平部(2q)は、妻側Aの屋根面36Aの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。接合梁32の折り曲げ部(2r)は、隅棟35の裏側に配置されている。
【0073】
接合梁32の下側の端部となる接合部32b(2b)は、平側Bの外壁(外壁線38B)の上端部に接合されて支持されている。また、接合梁32の上側の端部となる接合部32a(2a)は、接合梁31の折り曲げ部(ベント梁2の折り曲げ部2r)に対して側方から突き合わせるようにして接合されている。このようにして、接合梁32が、接合梁31を介して支持梁30に接合されている。
【0074】
接合梁33は、図5に示される水平な梁3とほぼ同様の構成となっている。図7に示されるように、接合梁33(水平な梁3)は、支持梁30、30の上端接合部30a、30aに対して対称となるように、各妻側A及び各平側Bに一本ずつ、計二本が設けられている。
【0075】
接合梁33の一端側の接合部(3a)は、支持梁30に対して接合されている。また、他端側の接合部(3a)は、接合梁32の折り曲げ部(ベント梁2の折り曲げ部2r)に対して接合されている。接合梁33は、支持梁30と接合梁31の折り曲げ部とに掛け渡されている。
【0076】
以上のようにして、妻側Aの屋根面36Aを横断するように、接合梁32の水平部(ベント梁2の水平部2q)が隅棟35から隅棟35まで配置されている。また、平側Bの屋根面36Bを横断するように、接合梁31の水平部(ベント梁2の水平部2q)と接合梁33とが隅棟35から隅棟35まで配置されている。すなわち、接合梁31の水平部、接合梁32の水平部、及び接合梁33は、四方に流れる各屋根面36A、36A、36B、36Bの同じ高さ位置に、四角枠状に配置されている。
【0077】
以上のように、第三例の小屋組構造においては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁30、30下方の屋根裏空間と、接合梁31、31、32、32、33、33下方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。
また、各屋根面36A、36A、36B、36Bに、水平とされる梁(接合梁31、31の水平部、接合梁32、32の水平部、接合梁33、33)をそれぞれ設けることができる。
また、棟から接合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることができ、部材共通化を図ることができる。
【0078】
また、棟34のほぼ中央となる位置を中心として、各妻側A及び各平側Bに配置される接合梁31、32、33において、部材の共通化を図ることができる。
【0079】
なお、図7に示されるように、接合梁31、31、32、32に対して、登り梁33a…を架けた構造としても良い(図7中の点線)。この場合には、小屋組を補強でき、接合梁31、31、32、32の負担を軽減できる。
【0080】
<第四の実施形態例>
以下に、本発明の第四の実施形態例の小屋組構造について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、第四例の小屋組構造を示す平面図である。第四例の小屋組構造は、一方の妻側A1が寄棟状とされ、他方の妻側A2が切妻状とされた片寄棟屋根に用いられている。この小屋組構造は、二本の支持梁40、40と、接合梁43、43と、二本の登り梁41、41とを備えている。
【0081】
支持梁40は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっている。図8に示されるように、二本の支持梁40、40(ベント梁2)は、平面視してほぼ直線状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交するように配置されている。
【0082】
支持梁40の登り部(2p)は、平側Bの屋根面46Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、支持梁40の水平部(2q)は、一方の妻側A1の屋根面46Aの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。支持梁40の折り曲げ部(2r)は、隅棟45の裏側に配置されている。
【0083】
支持梁40の下側の端部となる接合部40b(2b)は、外壁線48B、48Bの位置に配置された外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合されて支持されている。また、二本の支持梁40、40の上側の端部となる接合部40a、40a(2a)どうしは、互いに接合されている。このようにして、外壁の互いに対向する部分どうしの間に、図9の(a)に示されるように、二本の支持梁40、40によって略台形状が形作られている。
【0084】
なお、図9に示されるように、ベント梁である二本の支持梁40、40を、あらかじめ接合あるいは一体成形することにより、山型ベント梁40’として配置するものとしてもよい。
【0085】
また、支持梁40、40の代わりに、登り梁とベント梁とを組み合わせて二本の支持梁を構成しても良い。また、登り梁とベント梁とを、あらかじめ接合あるいは一体成形することにより、図9の(b)に示される山型ベント梁40’として配置するものとしてもよい。この場合、山型ベント梁40’は、二本の支持梁である登り梁とベント梁とによって構成される梁である。
【0086】
また、支持梁40、40の代わりに、二本の登り梁と水平な梁とを、あらかじめ接合あるいは一体成形して、山型ベント梁40’して配置するものとしてもよい。この場合、一本の登り梁と水平な梁とからなるベント梁と、もう一本の登り梁とが、二本の支持梁となる。
【0087】
接合梁43は、図5に示される水平な梁3とほぼ同様の構成となっている。図8に示されるように、接合梁43(水平な梁3)は、棟44に対して対称となるように、各平側Bに一本ずつ配置されている。接合梁43は、平側Bの屋根面46Bの裏面側に、屋根に沿って水平に配置されている。
【0088】
接合梁43の一端側の接合部(3a)は、支持梁40の折り曲げ部(ベント梁2の折り曲げ部2r)に対して接合されている。また、接合梁43の他端側の接合部(3a)は、妻側A2の外壁(外壁線49A)の上端部に接合されて支持されている。
【0089】
登り梁41は、棟44に対して対称となるように、妻側1Aの屋根面46Aの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。登り梁41の上端は、支持梁40の折り曲げ部(2r)に対して接合されている。また、登り梁41の下端は、妻側A1の外壁(外壁線48A)の上端部に接合されて支持されている。
【0090】
以上のようにして、妻側A1の屋根面46Aを横断するように、支持梁40、40の水平部(ベント梁2の水平部2q)が隅棟45から隅棟45まで配置されている。また、平側Bの屋根面46Bを横断するように、接合梁43が隅棟45から妻側A2の外壁(外壁線49A)の上端部まで配置されている。すなわち、支持梁40、40の水平部及び接合梁43、43は、各屋根面46A、46B、46Bの同じ高さ位置に、コ字状に配置されている。
【0091】
以上のように、第四例の小屋組構造においては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁40、40下方の屋根裏空間と、接合梁43、43下方の屋根裏間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。
また、各屋根面46A、46B、46Bに、水平とされる梁(接合梁40、40の水平部、接合梁43、43)をそれぞれ設けることができる。
また、棟から接合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることができ、部材共通化を図ることができる。
【0092】
また、棟44を中心として、一方の平側Bと他方の平側Bとに配置される接合梁43、43において、部材の共通化を図ることができる。
【0093】
<第五の実施形態例>
以下に、本発明の第五の実施形態例の小屋組構造について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、第五例の小屋組構造を示す平面図である。第五例の小屋組構造は、二本の支持梁50、60と、接合梁52…、53、53とを備えている。
【0094】
この小屋組構造は、主となる主屋根5と、従屋根6とを備えた寄棟屋根に用いられている。従屋根6は、主屋根5の一方の平側B1の屋根面57Bから延出して設けられている。従屋根6の棟64は、主屋根5の棟54と平面視して直交する方向に沿っており、また、棟54よりも低くされている。また、従屋根6において、主屋根5の反対側となる妻側(主屋根5の一方の平側B1)は、寄棟状とされている。
【0095】
支持梁50、60は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっている。図10に示されるように、支持梁50、60(ベント梁2)は、平面視してほぼ直線状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交するように配置されている。
【0096】
支持梁60の下側の端部となる接合部60b(2b)は、外壁線68Bの位置に配置された外壁の上端部に接合されて支持されている。
【0097】
支持梁60の登り部(2p)は、従屋根6の妻側(主屋根5の一方の平側B1)に流れる妻側屋根面66Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、支持梁60の水平部(2q)は、従屋根6の棟64の裏側に、棟64に沿って水平に配置されている。
【0098】
また、支持梁50の登り部(2p)は、平側B2の屋根面56Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。また、支持梁50の水平部(2q)は、支持梁60の水平部と同じ高さ位置に、水平に配置されている。
【0099】
支持梁50、60の下側の端部となる接合部50b、60b(2b)は、外壁線58B、68Bの位置に配置された外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合されて支持されている。また、二本の支持梁50、60の上側の端部となる接合部50a、60a(2a)どうしは、互いに接合されている。このようにして、外壁の互いに対向する部分どうしの間に、図10に示されるように、二本の支持梁50、60によって略台形状が形作られている。
【0100】
接合梁52は、図4に示されるベント梁2とほぼ同様の構成となっており、また、接合梁53は、図5に示される水平な梁3とほぼ同様の構成となっている。接合梁52、53の構成は、第一例の接合梁12、13とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0101】
以上のように、第五例の小屋組構造においては、二本の支持梁50、60下方の屋根裏空間と、接合梁52…、53、53下方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。したがって、従屋根6の屋根裏と、主屋根5の屋根裏とが連続するので、屋根内部の広い空間を有効に利用することができる。
【0102】
また、第五例の小屋組構造においては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁50、60を中心として、一方の妻側Aと他方の妻側Aとに配置される接合梁52、53において、部材の共通化を図ることができる。
また、各屋根面56A、56A、56B、57Bに、水平とされる梁(接合梁52…の水平部、接合梁53…)をそれぞれ設けることができる。
また、棟から接合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることができ、部材共通化を図ることができる。
【0103】
なお、図10に示されるように、接合梁52…に対して、登り梁53a…を架けた構造としても良い(図10中の点線)。この場合には、小屋組を補強でき、接合梁52…、53、53の負担を軽減できる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1の小屋組構造によれば、二本の支持梁下方の屋根裏空間と、接合梁下方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。したがって、棟木方向が比較的長い家屋においても、棟方向に連続した屋根裏空間を確保でき、屋根内部の広い空間を有効に利用することができる。また、小屋組構造を構成する梁同士を、対称的に配置できるので、梁の長さ、サイズなどを共通化できる。
【0105】
請求項2の小屋組構造によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、二本の支持梁を中心として、対称的に接合梁を配置することができる。したがって、互いに対称に配置される接合梁において、部材の共通化を図ることができる。
【0106】
請求項3の小屋組構造によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、寄棟屋根の各屋根面に、水平とされる梁を少なくとも一本設けることができる。また、棟から軒にわたって配置される屋根面構成部材を、少なくとも棟からの距離が同じである接合梁によって、下方から支持することができる。
【0107】
請求項4の小屋組構造によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、片寄棟屋根の各屋根面に、水平とされる梁を少なくとも一本設けることができる。また、棟から軒にわたって配置される屋根面構成部材を、少なくとも棟からの距離が同じである接合梁によって、下方から支持することができる。
【0108】
請求項5の小屋組構造によれば、請求項1から3のいずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、従屋根の屋根裏空間と、主屋根の屋根裏空間とが連続し、屋根内部の広い空間を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小屋組構造の第一例を示すもので、梁および屋根面を示す平面図である。
【図2】同、支持梁の配置関係を説明するための概略側面図である。
【図3】同、登り梁を示す側面図である。
【図4】同、ベント梁を示す側面図である。
【図5】同、水平な梁を示す側面図である。
【図6】本発明に係る小屋組構造の第二例を示すもので、梁および屋根面を示す平面図である。
【図7】本発明に係る小屋組構造の第三例を示すもので、梁および屋根面を示す平面図である。
【図8】本発明に係る小屋組構造の第四例を示すもので、梁および屋根面を示す平面図である。
【図9】同、支持梁の配置関係を説明するための概略側面図である。
【図10】本発明に係る小屋組構造の第五例を示すもので、梁および屋根面を示す平面図である。
【図11】同、支持梁の配置関係を説明するための概略側面図である。
【符号の説明】
1 登り梁
2 ベント梁
2p 登り部
2q 水平部
2r 折り曲げ部(上端部)
3 水平な梁
10 支持梁
10a 接合部(上側の端部)
10b 接合部(下側の端部)
12、13 接合梁
14 棟
15 隅棟
16A、16B 屋根面
A 妻側
B 平側
X 棟方向
5 主屋根
6 従屋根
Claims (5)
- 少なくとも一方の妻側が寄棟屋根状とされた屋根に用いられ、かつ、屋根の裏面側に屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り部と、該登り部の上端部から水平に延出した水平部とを備えたベント梁が少なくとも一本以上用いられた小屋組構造であって、
屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り梁もしくは前記ベント梁である二本一組の支持梁を一組以上備え、
二本の支持梁の下側の端部が外壁の互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合されて支持され、かつ、二本の支持梁の上側の端部どうしが互いに接合されることにより、二本の支持梁が外壁の互いに対向する部分どうしの間に平面視してほぼ直線状に掛け渡されるように配置され、
前記ベント梁及び水平な梁のうちの少なくとも一方である複数の接合梁が、直接もしくは他の接合梁を介して前記二本の支持梁に接合されていることを特徴とする小屋組構造。 - 請求項1記載の小屋組構造において、
前記屋根の基本構造が寄棟屋根とされ、
二本の支持梁が平面視して棟方向に直交するように配置され、かつ、
二本の支持梁の上端部が平面視して前記寄棟屋根の棟のほぼ中央部で互いに接合されていることを特徴とする小屋組構造。 - 請求項2記載の小屋組構造において、
前記寄棟屋根の四方に流れる各屋根面の同じ高さ位置に、一本もしくは連結された複数本の接合梁が前記屋根面を横断するように隅棟から隅棟まで配置されることにより、これら接合梁が四角枠状に配置されていることを特徴とする小屋組構造。 - 請求項1記載の小屋組構造において、
前記屋根が一方の妻側が寄棟状とされ、他方の妻側が切妻状とされた片寄棟屋根とされ、
前記支持梁は、寄棟状の一方の妻側に流れる妻側屋根面に水平部が平面視して棟方向に直交するように配置され、かつ、該妻側屋根面に隣接する平側屋根面に登り部が配置されたベント梁とされ、
前記平側の二つの屋根面の前記支持梁の水平部と同じ高さ位置に、それぞれ水平な梁とされた前記接合梁が配置されるとともに、これら接合梁の一方の端部が前記支持梁に接合されて、これら接合梁及び前記支持梁の水平部がコ字状に配置されていることを特徴とする小屋組構造。 - 請求項1から3のいずれかに記載の小屋組構造において、
前記寄棟屋根が、主となる主屋根と該主屋根の一方の平側の屋根面から延出し、前記主屋根の棟と平面視して直交する方向に沿うとともに、前記主屋根の棟より低い位置に棟を有し、かつ、主屋根の反対の妻側が寄棟状とされた従屋根とを備え、
二本の前記支持梁のうちの一方の支持梁が、従屋根の妻側に流れる妻側屋根面の傾斜方向に沿った登り部と、従屋根の棟に沿って配置される水平部とを有するベント梁とされ、
他方の支持梁が、主屋根の従屋根と反対側の平側屋根面に沿った登り部を備えるとともに、前記一方の支持梁の水平部と同じ高さ位置の水平部を有するベント梁とされていることを特徴とする小屋組構造。
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