JP4257167B2 - シリンダヘッドの製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダヘッドのカムシャフトジャーナル孔を鋳抜きピンによって鋳抜くシリンダヘッドの鋳造方法及びその装置に関する。
一般的に、内燃機関を構成するシリンダヘッドには、カムシャフトを支持するためのカムシャフトジャーナル孔が設けられている。このため、特許文献1に記載されているように、シリンダヘッドを鋳造する際には、カムシャフトジャーナル孔に対応するピン状中子、いわゆる鋳抜きピンが用いられる。
より具体的には、このシリンダヘッドの鋳造装置は、平面略四角形の下型と、該下型の一端部及び他端部に互いに対向して配設された1組の第1摺動型と、該第1摺動型の軸方向と直交する方向に互いに対向して配設された1組の第2摺動型と、前記下型に対して接近又は離間する上型とを備え、前記鋳抜きピンは、各第1摺動型のそれぞれに配設されている。また、上型には、鋳抜きピンが挿通する孔部が設けられている。
この鋳造装置によるシリンダヘッドの鋳造成形は、以下のように実施される。すなわち、まず、各第1摺動型を下型に指向して変位させ、次に、各第2摺動型を下型に指向して変位させる。なお、各第1摺動型には突起した係止部材が設けられており、一方、各第2摺動型は、凹部が設けられた係止部材を有する。第1摺動型の変位が終了した後に第2摺動型を変位させて型締めを行うと、各第1摺動型の係止部材が各第2摺動型の係止部材に係合し、これにより第1摺動型が位置決め固定される。
次に、鋳抜きピンを前進動作させ、該鋳抜きピンを上型の前記孔部に挿通させた後、前記キャビティに注湯する。この溶湯が冷却固化することにより、鋳造成形品であるシリンダヘッドが得られるに至る。
その後、鋳抜きピンを後退動作させ、第2摺動型及び第1摺動型をこの順序で後退動作させ、さらに、上型を下型から離間させれば、シリンダヘッドを外部に取り出すことできる。
特開2003−88940号公報
しかしながら、上記の従来技術では、第2摺動型によって第1摺動型を位置決め固定した後、上型が鋳抜きピンに干渉することを回避するため、鋳抜きピンを一旦後退動作させる必要がある。このため、第1摺動型を動作させてから型開きが終了するまでの時間が比較的長くなってしまう。
また、鋳抜きピンを上型の孔部に確実に挿通させるために、孔部の孔径は、鋳抜きピンの直径に比して比較的大きく設定される。すなわち、鋳抜きピンが孔部に挿通された際、孔部の内壁面と鋳抜きピンの外壁面との間には比較的大きなクリアランスが形成される。このため、カムシャフトジャーナル孔の寸法精度を出すために精密な仕上げ加工が必要となる。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単かつ安価な構成で、シリンダヘッドのカムシャフトジャーナル孔を良好かつ確実に鋳抜くことができ、これによって製造サイクルが短縮され、且つ前記シリンダヘッドを低コストで得ることが可能なシリンダヘッドの製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、カムシャフトジャーナル孔を有するシリンダヘッドを鋳造成形によって製造する方法であって、
互いに対向する位置に配設された1組の第1摺動型を、位置決め固定された下型に指向して変位させて型締めする工程と、
前記カムシャフトジャーナル孔の軸方向に沿った孔部を有する上型を前記下型に指向して変位させて型締めする工程と、
弾発部材に連結されるとともにクリアランスが形成された状態で軸受に通されることで揺動可能な鋳抜きピンをそれぞれ支持し、且つ前記カムシャフトジャーナル孔の軸方向に沿って互いに対向する位置に配設された1組の第2摺動型を前記下型に指向して変位させ、型締めしてキャビティを形成するとともに、前記鋳抜きピンを揺動させて前記鋳抜きピンと前記上型の孔部との芯出しを行いながら前記鋳抜きピンを前記孔部に挿入する工程と、
前記キャビティに溶湯を注湯する工程と、
前記溶湯を冷却固化させて、前記鋳抜きピンに対応する位置にカムシャフトジャーナル孔が形成されたシリンダヘッドを得た後、前記各鋳抜きピンを後退動作させる工程と、
前記各第2摺動型を前記鋳抜きピンとともに後退動作させて型開きを行う工程と、
前記各第1摺動型を後退動作させて型開きを行う工程と、
前記上型を前記下型から離間させて型開きを行う工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明は、シリンダヘッドのカムシャフトジャーナル孔を鋳造成形するための鋳抜きピンを備えたシリンダヘッド製造装置であって、
位置決め固定された下型と、
互いに対向し、且つ前記下型に接近又は離間する1組の第1摺動型と、
前記第1摺動型とは異なる位置で互いに対向し、且つ前記カムシャフトジャーナル孔の軸方向に沿って進退動作する1組の第2摺動型と、
前記各第2摺動型に設けられた軸受にクリアランスが形成された状態で通されることでそれぞれ揺動自在に支持された1組の鋳抜きピンと、
一方の前記第2摺動型に支持された前記鋳抜きピンを、対向する残余の前記第2摺動型に指向して常時弾発付勢する弾発部材と、
前記各鋳抜きピンを前記軸方向に進退させるとともに、前記各第2摺動型を該軸方向に進退可能な駆動機構と、
前記下型、1組の前記第1摺動型、及び1組の前記第2摺動型とともにキャビティを形成する上型と、
を備え
型締めに際して前記上型に形成された孔部に前記鋳抜きピンを挿入するとき、前記鋳抜きピンを揺動させて前記鋳抜きピンと前記孔部との芯出しを行うことを特徴とする。
本発明によれば、上型を閉じた後、該上型の孔部に鋳抜きピンを通すようにしている。このため、鋳抜きピンを後退動作させる必要がない。従って、第1摺動型を動作させてから型開きが終了するまでの時間を比較的短くすることができるので、シリンダヘッドの製造効率が向上する。
しかも、本発明によれば、鋳抜きピンは、弾発部材によって揺動可能に連結されている。このため、鋳抜きピンと上型の孔部との位置が多少ずれた場合であっても、鋳抜きピンが揺動するので孔部に確実に挿入させることができる。このため、鋳抜きピンと孔部との中心位置合わせ、すなわち、いわゆる芯出しが容易となる。従って、カムシャフトジャーナル孔の寸法精度を確保することができる。
その上、本発明では、第2摺動型よりも先に鋳抜きピンを後退動作させるようにしているので、該鋳抜きピンが固化したシリンダヘッドの拘束力から解放される。このため、第2摺動型を容易に後退動作させることができるので、鋳抜きピン及び第2摺動型を後退動作させる駆動機構は、小型のもので十分である。従って、鋳造装置の構成が簡素となるとともに、該鋳造装置に対する設備投資を低減することができるという利点がある。
本発明によれば、型開きが終了するまでの時間を比較的短くすることができ、結局、シリンダヘッドの製造効率が向上する。
また、鋳抜きピンを弾発部材を介して揺動可能に連結するようにしているので、鋳抜きピンを孔部に確実に挿入させることができるとともに、鋳抜きピンと孔部との芯出しが容易となる。このため、カムシャフトジャーナル孔の寸法精度が良好となる。
しかも、鋳抜きピンを固化したシリンダヘッドの拘束力から解放した後に第2摺動型を後退動作させるようにしているので、駆動機構が小型のものであっても鋳抜きピン及び第2摺動型を容易に後退動作させることができる。従って、鋳造装置の構成が簡素となるとともに、該鋳造装置に対する設備投資を低減することができる。
以下、本発明に係るシリンダヘッドの製造方法につきそれを実施するシリンダヘッド用鋳造装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、鋳造成形品であるシリンダヘッドの要部概略一部断面図を図1に示す。このシリンダヘッド1には、外壁部2a、2bと、仕切壁部3a〜3cとが設けられている。そして、外壁部2a及び仕切壁部3a、3bには、外壁部2aから仕切壁部3a、3bに向かうに従って縮径するテーパ孔4a〜4cが形成されており、一方、外壁部2b及び仕切壁部3cには、外壁部2bから仕切壁部26cに向かうに従って縮径するテーパ孔5a、5bが形成されている。これらテーパ孔4a〜4c及びテーパ孔5a、5bにより、図示しないカムシャフトを挿入するためのカムシャフトジャーナル孔6が構成される。
なお、テーパ孔4aの縮径側端部直径とテーパ孔4bの拡径側端部直径とは、同一寸法に設定されている。同様に、該テーパ孔4bの縮径側端部直径とテーパ孔4cの拡径側端部直径とは同一寸法に設定され、さらに、テーパ孔5aの縮径側端部直径とテーパ孔5bの拡径側端部直径とは同一寸法に設定されている。
このようなシリンダヘッド1を鋳造成型するためのシリンダヘッド用鋳造装置(以下、単に鋳造装置ともいう)の概略全体斜視図を図2に、要部平面図を図3に、要部縦断面図を図4に、それぞれ示す。この鋳造装置10は、位置決め固定された下型12と、矢印A方向に進退自在な1組の第1摺動型14a、14bと、矢印A方向に直交する矢印B方向に進退可能な1組の第2摺動型16a、16bと、前記下型12に対向する位置で昇降可能な上型18とを備え、これらが型締めされることによって、シリンダヘッド1の形状に対応するキャビティ20(図3及び図4参照)が形成される。
第1摺動型14aは、鋳造成形されるシリンダヘッド1(図1参照)の吸気側に対応し、第1摺動型14bは、前記シリンダヘッド1の排気側に対応する。また、第2摺動型16aはシリンダヘッド1のミッションケース側に対応し、第2摺動型16bはタイミングチェーン(又はタイミングベルト)側に対応する。
下型12には湯口22が4箇所に設けられており、各湯口22は、図示しない溶湯貯留用密封容器に連通している。
また、下型12上には、図2に示すように、矢印A方向に沿って延在する第1ガイドレール24a、24bが設けられるとともに、矢印B方向に沿って延在する第2ガイドレール26a、26bが設けられている。この中、第1ガイドレール24a、24bには第1摺動型14a、14bが配置されており、一方、第2ガイドレール26a、26bには第2摺動型16a、16bが配置されている。
第1摺動型14a、14bは、それぞれ、駆動機構としてのシリンダ28a、28bによって第1ガイドレール24a、24bに案内されながら変位する。すなわち、第1摺動型14a、14bには、シリンダ28a、28bを構成して矢印A方向に沿って進退動作するロッド30a、30bが連結されている。
なお、第1摺動型14a、14bの端面には、凹部32a〜32dが設けられている。これら凹部32a〜32dには、型締めが行われた際、第2摺動型16a、16bが進入する(図3参照)。
第2摺動型16a、16bのそれぞれは、駆動機構であるシリンダ34a、34bを構成して矢印B方向に沿ってロッド36a、36bが進退動作することに伴い、第2ガイドレール26a、26bに案内されながら下型12に接近又は離間する。なお、ロッド36a、36bは、固定部材38a、38bと、押圧ブロック体40a、40bを介して第2摺動型16a、16bに連結されている。
第2摺動型16a、16bには、矢印B方向に摺動可能な鋳抜きピン42a、42bがそれぞれ支持されている。具体的には、図4及び図5に示すように、第2摺動型16a、16bには貫通孔44a、44bがそれぞれ設けられており、鋳抜きピン42a、42bは、該貫通孔44a、44bに通されている。ここで、貫通孔44a、44bに配設されたブッシュ46a、46bと鋳抜きピン42a、42bとの間のクリアランスは、該鋳抜きピン42a、42bと上型18との間に比しておよそ100倍程度と比較的大きく設定されている。
図6から諒解されるように、鋳抜きピン42a、42bの内部には、管路48a、48bを介して冷却流路50a、50bが形成されており、この冷却流路50a、50bは、入口管路52a、52bと出口管路54a、54bとに連通している。また、鋳抜きピン42a、42bの外形形状は、カムシャフトジャーナル孔6に対応しており、鋳抜きピン42aがテーパ孔4a〜4cに対応するテーパ形状を有し、その一方で、鋳抜きピン42bがテーパ孔5a、5bに対応するテーパ形状を有する。さらに、鋳抜きピン42a、42bの一端部には、大径部56a、56bが設けられている。
図5に示すように、押圧ブロック体40a、40bは、前記大径部56a、56bに対応する形状の円柱状凹部57a、57bが設けられた支持盤58a、58bと、該円柱状凹部57a、57bの開口の一部を覆う抜け止め盤60a、60bとを有する。このうちの支持盤58a、58bには、円柱状凹部57a、57bに連通するばね収容室62a、62bが設けられており、該ばね収容室62a、62bには、皿ばね64a、64bが収容されている。
矢印B方向に沿う円柱状凹部57a、57bの寸法は、鋳抜きピン42a、42bの大径部56a、56bに比して若干長い。このため、円柱状凹部57a、57bに収容された大径部56a、56bの底端面は、皿ばね64a、64bに弾発付勢された際、円柱状凹部57a、57bの底面から所定のクリアランスで離間する。
上記したように、円柱状凹部57a、57bの開口の一部は抜け止め盤60a、60bによって覆われており、このために円柱状凹部57a、57bが縮径されることによって、大径部56a、56bの支持盤58a、58bからの抜け止めがなされている。
図3に示すように、押圧ブロック体40a、40bにおいて、鋳抜きピン42a、42bの両側には、ガイドロッド66a、66bが螺合されている。すなわち、鋳抜きピン42a、42bが摺動自在に挿入された貫通孔44a、44bの両側には、1対の段付孔部68a、68bが設けられる。各段付孔部68a、68bには、ガイドロッド66a、66bの頭部70a、70b側が挿入されており、この頭部70a、70bは、段付孔部68a、68bの端部に係合自在である。
上型18は、図4に示すように、キャビティ20側に突出し、シリンダヘッド1の外壁部2a、2bと仕切壁部3a〜3cとの間の空間部を形成するための突部72a〜72dを備え、このうちの突部72a、72b及び72dには、カムシャフトジャーナル孔6の軸方向(矢印B方向)に貫通された貫通孔74がそれぞれ設けられている。
次に、上記したように構成される鋳造装置10の動作につき、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
第1摺動型14aはシリンダヘッド1の吸気側に対応し、第1摺動型14bは排気側に対応する。また、第2摺動型16aはミッションケース側に対応し、第2摺動型16bはタイミングチェーン(又はタイミングベルト)側に対応する。
先ず、ステップS1において、シリンダ28a、28bを付勢してロッド30a、30bを下型12に指向して前進動作させる。これにより、第1摺動型14a、14bが第1ガイドレール24a、24bに案内されながら変位し、最終的に下型12に当接する。
次に、ステップS2において、上型18が下降される。すなわち、上型18が下型12及び第1摺動型14a、14bに対して型締めされる。
次に、ステップS3において、シリンダ34a、34bを付勢する。これにより、ロッド36a、36bが前進動作し、その結果、第2摺動型16a、16bが第2ガイドレール26a、26bに案内されながら型締めした下型12、第1摺動型14a、14b及び上型18に指向して変位する。最終的に、第2摺動型16a、16bが下型12、第1摺動型14a、14b及び上型18に当接して型締めが終了する。なお、型締めの際、第2摺動型16a、16bは、第1摺動型14a、14bの端面に設けられた凹部32a〜32dに進入する。
この際、鋳抜きピン42aは、固定部材38a及び押圧ブロック体40aに押圧されて前進動作し、第2摺動型16aから突出した頭部が、上型18の突部72a、72bの貫通孔74、74を通過して、極僅かのクリアランスを残して突部72cに対向する。一方、固定部材38b及び押圧ブロック体40bに押圧されて前進動作した残余の鋳抜きピン42bにおいては、第2摺動型16bから突出した頭部が、上型18の突部72dの貫通孔74を通過し、極僅かのクリアランスを残して突部72cの他端面に対向する。
上記したように、本実施の形態においては、鋳抜きピン42a、42bは、皿ばね64a、64bを介して支持盤58a、58bに連結されているので、押圧ブロック体40a、40bに対して若干揺動可能である。このため、皿ばね64a、64bを介さずに鋳抜きピン42a、42bを押圧ブロック体40a、40bに堅牢に位置決め固定した場合では、鋳抜きピン42a、42bと各貫通孔74との位置が合致していなければ鋳抜きピン42a、42bが各貫通孔74を通過することが困難となるのに対し、本実施の形態においては、例えば、第2ガイドレール26a、26bが若干摩耗して鋳抜きピン42a、42bが水平方向からやや傾斜した状態となっても、該鋳抜きピン42a、42bは、各貫通孔74を通過することが容易となる。
すなわち、本実施の形態においては、皿ばね64a、64bで鋳抜きピン42a、42bを揺動可能に支持することにより、該鋳抜きピン42a、42bと上型18の貫通孔74との芯出しを行うようにしている。これにより、鋳抜きピン42a、42bと貫通孔74の内周壁面とのクリアランスを精度よく設定することができる。
なお、ロッド36a、36bが前進端位置に到達すると、皿ばね64a、64bが圧縮される。その結果、大径部56a、56bの一端面が、支持盤58a、58bにおける円柱状凹部57a、57bの底面に極僅かのクリアランスを残して対向する。
以上の動作によって、鋳造装置10の内部にキャビティ20が形成される。そして、複数の湯口22にアルミニウムの溶湯が供給され、この溶湯がキャビティ20に充填される(ステップS4)。なお、この際、鋳抜きピン42a、42bは、冷却流路50a、50bを流通する空気等の冷却媒体によって冷却される。この冷却により、鋳抜きピン42a、42bが熱膨張を起こすことが抑制されるとともに、該鋳抜きピン42a、42bに溶湯が付着することが阻止される。
所定の時間が経過して溶湯が冷却固化し、鋳造成形品としてのシリンダヘッド1が得られた後、ステップS5において、シリンダ34a、34bを付勢してロッド36a、36bを後退動作させる。この際、図2に示すように、押圧ブロック体40a、40bが先ず10mmほど後退し、第2摺動型16a、16bから離間する。
この離間に伴い、鋳抜きピン42a、42bが、シリンダヘッド1におけるカムシャフトジャーナル孔6から位置ずれする。換言すれば、鋳抜きピン42a、42bは、固化したシリンダヘッド1の拘束力から解放される。
鋳抜きピン42a、42bが後退した後、ステップS6において、ロッド36a、36bがさらに後退する。最終的に、ガイドロッド66a、66bが段付孔部68a、68bの段部に係合して、第2摺動型16a、16bが互いに離間する方向に移動する。これにより、該第2摺動型16a、16bが後退してシリンダヘッド1から離脱するとともに、鋳抜きピン42a、42bがさらに後退する。
この際、鋳抜きピン42a、42bがシリンダヘッド1の拘束力から解放されているので、小さな駆動力であっても、第2摺動型16a、16bを容易に後退動作させることができる。このため、シリンダ34a、34bとして駆動力の大きなものを用いる必要は特になく、また、シリンダ34a、34bによって鋳抜きピン42a、42b及び第2摺動型16a、16bの双方を進退動作させることができるので、鋳造装置10を簡素な構成とすることができる。しかも、鋳造装置10に対する設備投資を低減することができるという利点もある。
次いで、ステップS7において上型18が上昇された後、ステップS8においてシリンダ28a、28bの作用下に第1摺動型14a、14bが後退動作されることによって型開きが行われ、シリンダヘッド1を外部へ取り出すことが可能となる。
このように、本実施の形態においては、上型18を型締めした後に第2摺動型16a、16bを型締めするようにしている。このため、鋳抜きピン42a、42bを後退動作させる必要がない。従って、シリンダヘッド1を鋳造成形するための時間を短縮することができ、これによりシリンダヘッド1の製造効率を向上させることができる。
しかも、互いに対向する鋳抜きピン42a、42bを用いてカムシャフトジャーナル孔6を鋳抜くようにしているので、後工程で穿孔加工してカムシャフトジャーナル孔6を設ける従来技術に比して作業性が大幅に向上する。しかも、シリンダヘッド1の製造作業の効率が向上するという利点がある。
なお、上記した実施の形態においては、上型18を上昇させた後に第1摺動型14a、14bを型開きするようにしているが、第1摺動型14a、14bを型開きした後に上型18を上昇させるようにしてもよいことはいうまでもない。
シリンダヘッドの要部概略一部断面図である。 本実施の形態に係るシリンダヘッドの鋳造装置の概略全体斜視説明図である。 図2の鋳造装置において、上型を取り除いた状態の要部平面図である。 図2の鋳造装置の要部縦断面図である。 図2〜図4の鋳造装置を構成する鋳抜きピンが上型の貫通孔に挿入された状態を示す要部縦断面説明図である。 図2〜図4の鋳造装置を構成する鋳抜きピンの断面説明図である。 前記鋳造装置による鋳造作業を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…シリンダヘッド 4a〜4c、5a、5b…テーパ孔
6…カムシャフトジャーナル孔 10…鋳造装置
12…下型 14a、14b、16a、16b…摺動型
18…上型 20…キャビティ
28a、28b、34a、34b…シリンダ
30a、30b、36a、36b…ロッド
40a、40b…押圧ブロック体 42a、42b…鋳抜きピン
56a、56b…大径部 57a、57b…円柱状凹部
58a、58b…支持盤 60a、60b…抜け止め盤
62a、62b…ばね収容室 64a、64b…皿ばね
66a、66b…ガイドロッド 68a、68b…段付孔部
72a〜72d…突部 74…貫通孔

Claims (2)

  1. カムシャフトジャーナル孔を有するシリンダヘッドを鋳造成形によって製造する方法であって、
    互いに対向する位置に配設された1組の第1摺動型を、位置決め固定された下型に指向して変位させて型締めする工程と、
    前記カムシャフトジャーナル孔の軸方向に沿った孔部を有する上型を前記下型に指向して変位させて型締めする工程と、
    弾発部材に連結されるとともにクリアランスが形成された状態で軸受に通されることで揺動可能な鋳抜きピンをそれぞれ支持し、且つ前記カムシャフトジャーナル孔の軸方向に沿って互いに対向する位置に配設された1組の第2摺動型を前記下型に指向して変位させ、型締めしてキャビティを形成するとともに、前記鋳抜きピンを揺動させて前記鋳抜きピンと前記上型の孔部との芯出しを行いながら前記鋳抜きピンを前記孔部に挿入する工程と、
    前記キャビティに溶湯を注湯する工程と、
    前記溶湯を冷却固化させて、前記鋳抜きピンに対応する位置にカムシャフトジャーナル孔が形成されたシリンダヘッドを得た後、前記各鋳抜きピンを後退動作させる工程と、
    前記各第2摺動型を前記鋳抜きピンとともに後退動作させて型開きを行う工程と、
    前記各第1摺動型を後退動作させて型開きを行う工程と、
    前記上型を前記下型から離間させて型開きを行う工程と、
    を有することを特徴とするシリンダヘッドの製造方法。
  2. シリンダヘッドのカムシャフトジャーナル孔を鋳造成形するための鋳抜きピンを備えたシリンダヘッド用製造装置であって、
    位置決め固定された下型と、
    互いに対向し、且つ前記下型に接近又は離間する1組の第1摺動型と、
    前記第1摺動型とは異なる位置で互いに対向し、且つ前記カムシャフトジャーナル孔の軸方向に沿って進退動作する1組の第2摺動型と、
    前記各第2摺動型に設けられた軸受にクリアランスが形成された状態で通されることでそれぞれ揺動自在に支持された1組の鋳抜きピンと、
    一方の前記第2摺動型に支持された前記鋳抜きピンを、対向する残余の前記第2摺動型に指向して常時弾発付勢する弾発部材と、
    前記各鋳抜きピンを前記軸方向に進退させるとともに、前記各第2摺動型を該軸方向に進退可能な駆動機構と、
    前記下型、1組の前記第1摺動型、及び1組の前記第2摺動型とともにキャビティを形成する上型と、
    を備え
    型締めに際して前記上型に形成された孔部に前記鋳抜きピンを挿入するとき、前記鋳抜きピンを揺動させて前記鋳抜きピンと前記孔部との芯出しを行うことを特徴とするシリンダヘッド用製造装置。
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