JP4248739B2 - 電動パワーステアリング制御装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、運転者のハンドル操作により生じる操舵トルクを補助するトルクを、電動モータにより発生させる自動車用の電動パワーステアリング装置の制
御装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、例えば、特開平7−186994号公報に記載されたものと類似の従来の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
図において、1は運転者が操舵を行った場合に、ハンドルに生じる操舵トルクを検出する操舵トルク検出器、2は操舵トルク検出器1の出力に基づいて、補助すべきトルクを演算して補助トルク信号を出力する操舵トルク制御器、3はモータ速度を検出するモータ速度検出器、4はモータ速度検出器3によって検出されたモータ速度に基づいてダンピング補償信号を演算するダンピング補償器、5はモータ速度検出器3の出力を用いてモータ加速度を検出するモータ加速度検出器、6はモータ加速度検出器5によって検出されたモータ加速度に基づいて慣性補償信号を演算する慣性補償器である。
7は操舵トルク検出器1の出力とモータ速度検出器3の出力の向きが同一であるか否かを判定する判定器で、判定結果を操舵トルク制御器2、ダンピング補償器4及び慣性補償器6にそれぞれ出力する。
【0003】
8は補助トルク信号、ダンピング補償信号及び慣性補償信号の和(即ち、これが目標トルクである)を演算する第1の加算器、9は第1の加算器8によって演算される目標トルクから目標電流信号を演算するモータ電流決定器、10はモータで、印加された電圧に応じたモータ電流値が生じ、モータ電流値に略比例関係にある補助トルクを発生して図示しないステアリング機構を駆動する。11はモータ10の電流値を検出するモータ電流検出器、12はモータ電流決定器9の出力である目標電流信号とモータ電流検出器11によって検出されたモータ電流値との差を求める第2の加算器である。13はモータ電流決定器9で演算された目標電流信号とモータ電流検出器11によって検出されたモータ電流値との誤差に基づいてモータ10に印加する電圧を決定し、モータ10に決定した電圧を印加するモータ駆動器である。また、14は車速を検出するとともに、検出された車速信号を操舵トルク制御器2、ダンピング補償器4及び慣性補償器6に出力する車速検出器である。
【0004】
次に、以上のように構成された従来の電動パワーステアリング制御装置の動作について説明する。
自動車の運転者が図示しないハンドルを操舵すると、ハンドルにかかる操舵トルクは操舵トルク検出器1で測定され、操舵トルク制御器2に出力される。操舵トルク制御器2では、操舵トルク検出器1の出力信号に略比例関係にある補助トルク信号を演算し、この補助トルク信号に基づいてモータ10を駆動してアシストトルクを発生させ、運転者の操舵トルクをアシストすることにより、運転者が感じる操舵トルクを軽減する。
【0005】
このとき、判定器7では、操舵トルク検出器1の出力と、モータ速度検出器3の出力の向きが同一であるか否かを判定し、同一であればダンピング補償器4及び慣性補償器6は動作させず、操舵トルク制御器2のみを動作させる。操舵トルク制御器2は、操舵トルク検出器1の出力と車速検出器14からの車速信号とに応じて補助トルク信号を決定する。ここで決定された補助トルク信号に基づいて目標トルクが定められ、モータ電流決定器9によりモータ駆動電流が定められる。
また、操舵トルク検出器1の出力と、モータ速度検出器3の出力の向きが同一でない場合には、操舵トルク制御器2は動作させず、ダンピング補償器4と慣性補償器6を動作させる。このときには、ダンピング補償器4と慣性補償器6との出力に基づいて目標トルクが定められ、モータ電流決定器9によりモータ駆動電流が定められる。
なお、このとき、車速が低速の場合には、目標トルクの方向がモータ回転方向と同一方向となるように、また車速が高速の場合は、モータ回転方向と逆方向となるようにしている。したがって、ドライバがハンドルを切り込んでいる場合には、操舵に必要なトルクを軽減するように運転者の操舵トルクをアシストする。また、ドライバがハンドルを戻している場合、車速が低速であればハンドルが原点に戻るのを補助し、車速が高速である時はハンドルが過度な回転速度で戻ろうとするのを防止するようにモータ10が制御される。
以上のフローを図10に示す。以下、この図のフローをメインルーチンと呼ぶ。また、理解を助けるため、車速の高低にともなう操舵トルクの方向とモータ速度の方向との関係を図11に示す。
【0006】
運転者は、一般に、曲線道路や交差点を曲がる際に操舵し、その後直線走行に復帰する際に、タイヤの路面反力トルクによるハンドルの自発的な戻り力を利用してハンドルを戻すことを行う。しかしながら、車速が低速である時や、高速時の微小操舵時にはタイヤの路面反力トルクが弱いため、路面反力トルクがステアリング機構内の摩擦トルク以下となってしまい、直線復帰時にハンドルが戻らない場合が多い。これに対して、図9〜11に示した従来の技術では、車速が低速時に、操舵トルク検出器1の出力とモータ速度検出器3の出力とが同一であるか否かを判定し、異なる場合には、モータ回転方向と同一方向にモータ10を回転させるようにモータ駆動電流を定めることにより、低速におけるハンドル戻り性を向上させている、とはいうものの、大抵の場合、運転者がハンドルにトルクを加えてハンドルを戻さなければならず、そのため操舵フィーリングが低下してしまうという現象が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、低速でカーブを曲がる場合や、高速で緩い湾曲の道路を曲がる場合のように、タイヤの路面反力トルクが小さい範囲で操舵した場合には、ドライバがハンドルを戻す方向にトルクを加えない限り、ハンドルは止まっており、モータ10は回転しない。 即ち、この場合、判定器7では、操舵トルク検出器1の出力とモータ速度検出器3の出力の向きが同一であるか否かを判定することができないので、操舵トルク制御器がモータ回転方向と同一方向にモータを回転させるようにトルク(モータ駆動電流)を定めることができず、モータに電流が流れないのでハンドル戻り性を向上させることができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、低速でカーブを曲がる場合や、高速で緩いカーブを曲がる場合等のように、タイヤの路面反力トルクが小さい範囲で操舵した際に、運転者がハンドルを戻す方向にトルクを加えなくてもハンドルを戻すことができると共に、運転者の意志に対応する目標操舵角(ハンドルを原点に戻したい場合は0度である)を使用してハンドル戻りを制御することにより、全ての運転状態でハンドル戻り性を向上させることができ、さらに操舵角を使用してハンドル手放し後の収れん性やダンピング性能を向上させることができる電動ステアリング装置とその制御方法を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明による電動パワーステアリング制御装置は、自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える電動機、運転者がハンドルに加えたトルクを操舵トルクとして検出する操舵トルク検出手段、電動機の回転角を検出するモータ角検出手段、
操舵トルクを用いて操向車輪の路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定手段、推定した路面反力トルクと電動機の回転角から、現在の走行状態に於けるハンドルの中立点を学習する中立点学習手段、
電動機の回転角と学習した中立点との差からハンドルを中立点に戻す戻しトルクを演算し、この戻しトルクを電動機の電流に換算する操舵角補償手段を備え、ハンドルが中立点から回転した状態にあるとき戻しトルクをハンドルに加えるようにしたものである。
【0010】
また、自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える電動機、
運転者がハンドルに加えたトルクを操舵トルクとして検出する操舵トルク検出手段、
電動機の回転角を検出するモータ角検出手段、
トルク指令信号を受けて電動機に流れる電流の目標値を設定するモータ電流設定手段、
電動機に流れた電流値を検出するモータ電流検出手段、
操舵トルクと前記モータ電流検出手段の出力とを用いて操向車輪の路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定手段、
路面反力トルクと電動機の回転角から、現在の走行状態におけるハンドルの中立点を学習する中立点学習手段、
学習した中立点と電動機の回転角によりハンドルを中立点に戻すトルクを演算しモータ電流設定手段に出力する操舵角補償手段を備え、ハンドルが中立点から回転した状態にあるとき戻しトルクをハンドルに加えるようにしたものである。
【0011】
また、車速を検出する車速検出手段、
車速検出手段が検出した車速があらかじめ定めた所定の値より低い場合に中立点学習手段の動作を停止させる手段を備えたものである。
【0012】
また、電動機の回転方向に応じて異なる符号を出力する回転方向検出手段を備え、
中立点学習手段は、中立点を学習した時点での回転方向検出手段の出力符号に応じて、先ず左操舵時中立点、右操舵時中立点をそれぞれ学習し、次に左操舵時中立点、右操舵時中立点の平均を演算して中立点を学習するものである。
【0013】
また、電動機の回転方向に応じて異なる符号を出力する回転方向検出手段を備え、
中立点学習手段は、推定された路面反力トルクから回転方向に応じて予め記憶した操向機構の摩擦トルクを減算または加算して得られた値に基づき中立点を学習するものである。
【0014】
また、電動機の回転速度を検出するモータ回転速度検出手段または回転角加速度を検出するモータ角加速度検出手段を備え、
中立点学習手段は電動機の回転速度または回転角加速度の少なくとも一方の値が、予め定めた所定の値より小さいときに中立点学習を行い、所定の値より大きいとき中立点学習を行わないものである。
【0015】
また、操舵角補償手段は、その出力が予め定めた所定のレベルを越えないように制限するリミッタを備えたものである。
【0016】
また、車速を検出する車速検出手段、
電動機の速度に基づいてダンピング補償を行うダンピング補償器、
電動機の加速度に基づいて慣性補償を行う慣性補償器を備え、車速が所定のレベルを越えた時には、ダンピング補償器と慣性補償器を動作させ、所定のレベルを越えない時には、ダンピング補償器と慣性補償器の動作を停止させるものである。
【0017】
この発明による電動パワーステアリング制御装置の制御方法は、自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える電動機の回転角を検出するモータ角検出手順と、
前記自動車の運転者が前記ハンドルに加えた操舵トルクと前記モータ電流検出手段の出力とを用いて前記操向車輪の路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定手順と、
前記路面反力トルクと前記電動機の回転角から、前記ハンドルの中立点を学習する中立点学習手順と、
前記中立点と前記電動機の回転角により前記ハンドルを前記中立点に戻すトルクを演算する操舵角補償手順とを含むものである。
【0018】
また、車速を検出する車速検出手順と、
車速があらかじめ定めた所定の値より低い場合は、中立点学習手順の動作を停止させる手順を含むものである。
【0019】
また、電動機の回転方向に応じて異なる符号を出力する回転方向検出手順と、
前記路面反力トルクと前記電動機の回転角から前記ハンドルの中立点を学習する中立点学習手順により中立点を学習した時点での前記回転方向の符号に応じて、まず左操舵時中立点、右操舵時中立点をそれぞれ学習し、次に前記左操舵時中立点、右操舵時中立点の平均を演算する事により前記ハンドルの中立点を学習する第2の中立点学習手順とを含むものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング制御装置を示すブロック図である。
図1において、1は運転者がハンドルを操舵した場合に、ハンドルにかかる操舵トルク(Tsens)を検出する操舵トルク検出器(操舵トルク検出手段)、2は操舵トルク検出器1の出力に基づいてモータが補助すべき補助トルク信号を演算する操舵トルク制御器である。3はモータ速度を検出するモータ速度検出器(モータ回転速度検出手段)であり同時にその回転方向をも検知できる(回転方向検出手段)。4はモータ速度検出器3によって検出されたモータ速度に基づいてダンピング補償信号を演算するダンピング補償器、5はモータ速度検出器3の出力を用いてモータ加速度を検出するモータ加速度検出器、6はモータ加速度検出器5によって検出されたモータ加速度に基づいて慣性補償信号を演算する慣性補償器である。
7は操舵トルク検出器1の出力とモータ速度検出器3の出力の向きが同一であるか否かを判定する判定器で、判定結果を操舵トルク制御器2、ダンピング補償器4及び慣性補償器6にそれぞれ出力する。
【0021】
8はダンピング補償器4、慣性補償器6、操舵トルク制御器2の出力する補助トルク信号と、操舵角補償器26の出力信号との和(目標トルク)を演算する第1の加算器、9は第1の加算器8によって演算される目標トルクから目標電流信号を演算するモータ電流決定器(モータ電流設定手段)、10はモータで、印加された電圧に応じたモータ電流値が生じ、モータ電流値に略比例関係にある補助トルクを発生して、自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える。11はモータ10の電流値(I)を検出するモータ電流検出器(モータ電流検出手段)である。
12はモータ電流決定器9の出力である目標電流信号とモータ電流検出器11によって検出されたモータ電流値との差を求める第2の加算器である。
13はモータ電流決定器9で演算された目標電流信号とモータ電流検出器11によって検出されたモータ電流値との誤差に基づいてモータ10に印加する電圧を決定し、この電圧をモータ10に印加するモータ駆動器である。また、14は車速を検出するとともに、検出された車速信号を、操舵トルク制御器2、中立点学習器24、ダンピング補償器4、慣性補償器6、操舵角補償器26に出力する車速検出器(車速検出手段)である。
【0022】
15は操舵トルク検出器1によって検出された操舵トルクと、モータ電流検出器11によって検出されたモータ電流値を用いて、前輪の舵角を原点(ここで言う原点とは機械的な中央角ではなく、路面の状態と走行状態によって変化するハンドルの回転力のバランス点を言う)に復帰、即ちハンドルを戻させようと作用する路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定器(路面反力トルク推定手段)である。
23はモータ回転角度を検出するモータ角検出器(モータ角検出手段)でモータ角度のゼロ点と現在の角度(以下モータ角と言う)を出力するとともにモータ回転角加速度も検知できる(モータ角加速度検出手段)。24はモータ角検出器23によって検出されたモータ角と路面反力トルク推定器15に基づいてハンドル回転のゼロ点(中立点であり前述のとおり走行中に変化する場合がある)を演算し中立点を学習する中立点学習器、25はモータ角検出器23の出力を用いてモータ10と図示しないステアリングハンドルへの連結ギア比を換算し、操舵角の相対値を演算し、該演算結果を中立点学習器24により中立点補正して操舵角の絶対値を検出する中立点補正器(中立点補正手段)である。なお、中立点学習器24と中立点補正器25とを合わせて中立点学習手段と言う。
26は中立点補正器25によって検出された操舵角絶対値に基づいて操舵角補償信号(単純にはハンドル戻しトルクである。)を演算する操舵角補償器(操舵角補償手段)である。
なお、一点鎖線で囲んだ部分がこの発明による追加部分で、一点鎖線の外側は従来の図9と同じである。
【0023】
図1の電動パワーステアリング制御装置の動作について、本発明の特徴たる部分の動作を、図2に示したフローチャートを用いて説明する。
フローチャート中に示した助変数、j、k、△Kは制御装置の電源がOFFからONへと操作され、制御装置内のROMに記憶されたプログラムが動作を開始する際にゼロにリセットされるように予め設定されている。図2のフローは、従来例で説明した図10のフローの中で所定の時間間隔ごとに実行される。
ステップstep101で操舵トルクを読み込み記憶する。
ステップstep102でモータ電流を読み込み記憶する。
ステップstep103で、路面反力トルク推定器15が、操舵トルク信号Tsensとモータ電流信号Iとを用いて、下記の式(1)により、路面反力トルクTreactを演算する(路面反力トルク推定手順と言う)。
Treact=Tsens+Kt ・I ‥‥‥‥(1)
ここで、Kt はモータのトルク定数(ステアリング軸換算)である。
ステップstep104でモータ角(モータ軸の回転角)を読み込み、θmとして記憶する(モータ角検出手順と言う)。
【0024】
ステップstep105で路面反力トルクTreactの絶対値が予め定められた微小値Treact0より小さいか否か判定し、Yes と判定された場合は、step106へ進む。Noと判定された場合は、step113へ進み、step113でK=K+1と路面反力推定演算カウンタKを1だけインクリメントして本処理ルーチンを終了する。
ステップstep106では、KーK0が予め定めた△Kの値より大きいか否かを判定し、Yes と判定された場合は、step107へ進む。Noと判定された場合は、step113へ進む。この処理の目的は、左右に所定周波数で操舵していないにも関わらず、ノイズなどによりstep105でYES と一度判定されたのちすぐに何回もYES と判定されることを防ぐものである。
ステップstep107において、step106でYES と判定されたらK0=KとしてK0をリセットする。
ステップstep108でモータ角θm を、第j回目の中立点からのずれ量△θm (j)として記憶する。
ステップstep109では中立点学習カウンタjを、j=j+1として1だけインクリメントする。
【0025】
ステップstep110で中立点学習カウンタjが2に等しいか否かを判定し、YESと判定された場合は、左右に操舵され2回中立点を通過する操舵を実施したとして、step111へ進む。NOならばステップS113へ進む。
ステップstep111では、2回中立点を通過した際のモータ角の中立点からのずれ量を算術平均により演算し、該演算結果を中立点学習値θm(0)として記憶(中立点学習手順と言う)し、step112へ進み、step112で中立点学習カウンタjをゼロにリセットする。
ステップstep109〜112は中立点学習器24により実行する。
ステップstep113では路面反力推定演算カウンタKを1だけインクリメントして(K=K+1)本処理ルーチンを終了する。
本処理ルーチンで検出された中立点補正量を、中立点オフセット値θm(offset) とする。
そして、中立点補正器25により、モータ角θm よりθmoffsetを減算した結果に、更にモータからステアリングコラム軸へのリンクギア比分を換算して簡易ハンドル角θs を得る(中立点補正手順と言う)。そしてこのθs と目標操舵角θs0(学習した中立点θm0であるが、大抵の場合、ハンドルを原点に戻すことが目標なので、目標は0度である場合が多い。)との差に基づき比例、微分、積分制御量を演算しハンドル戻しトルクとして基本操舵トルク制御量へ加算する(操舵角補償手順と言う)。この結果に基づき、目標モータ電流値を決め、モータ電流と目標値とが一致するように電流制御を行う。
【0026】
なお、ここで上記ハンドル角θsを得る手順を省略して、モータ角θmと中立点学習値θm(0)との差から戻しトルクを直接求めても、類似の効果は得ることができる。また、本実施の形態では、ステップS110〜S112で、中立点学習カウンタjが2になった時、すぐに中立点学習カウンタjをゼロにリセットしているが、2以上の更に大きい数字になったときにリセットしてもよく、例えば中立点学習カウンタjが100になるまで中立点からのずれ量△θm の算術平均をとり続けても良い。また、算術平均しないで最新の中立点からのずれ量△θm の100回の移動平均としても良い。
【0027】
次に、(1)式により路面反力トルクの検出が可能となる理由について説明する。
ステアリング機構の運動方程式は、(3)式で表される。
J×dωs /dt=Thdl+ Tmtr − Tfric・sign( ωs)− Treact … (3)
dωs /dt:ハンドル軸回転加速度
Thdl :操舵トルク
Tmtr :モータ出力トルク(ハンドル軸換算)
Tfric :ステアリング機構内の摩擦トルク
Treact:路面反力トルク(ハンドル軸換算)
(3)式を路面反力トルクTreactについて解くと、(4)式のようになる。
Treact= Thdl + Tmtr −J×dωs /dt− Tfric・sign( ωs) ……(4)
【0028】
従って、操舵トルク,モータ出力トルク,ハンドル軸回転加速度,ステアリング機構内の摩擦トルクから、路面反力Treactの演算が可能である。
このうち操舵トルクThdlは、操舵トルク信号Tsens に置換可能である。
また、モータ出力トルクTmtrは、モータ電流検出信号Iにトルク定数を乗じたものに置換可能である。
また、ハンドル軸回転加速度に替えて、モータ加速度信号d ωを使用可能であるが、もともとこの項の値は小さいので、一般に極端な急操舵をしない限り無視してもよい。
またステアリング機構内の摩擦トルクの影響Tfric は、左右操舵時にほぼ同じ大きさで方向が逆である。このことから、左右に操舵した場合にモータ角の中立点からのずれ量を算術平均により演算し、該演算結果を中立点学習値θm0として記憶すれば、摩擦トルクTfric の影響はキャンセルできる。
【0029】
このことの理解を助けるため図3に、左右に操舵した時の路面反力トルクの変化を示す。図3の横軸は時間軸であるが、特定の時間を示すものではなく、単にハンドルを切り回している間の時間の流れを示している。縦軸は操舵角(300)を示すとともに路面反力トルク(301)の大きさを示している。
図の路面反力は(1)式で推定した路面反力である。摩擦トルクの影響のため、路面反力ゼロ点と操舵角のゼロ点は一致しない。しかし、左操舵時の路面反力ゼロ点で学習した学習中立操舵角1(図中に記載)と、右操舵時の路面反力ゼロ点で学習した学習中立操舵角2(図中に記載)を算術平均して、その結果を中立学習値とすれば、摩擦トルクの影響はキャンセルできる。したがって、(1)式で検出した路面反力トルクにもとづいて操舵角中立点の学習が可能である。
【0030】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2の電動パワーステアリング制御装置は、図1と同じ構成のものであって、処理フローを変えたものである。
実施の形態1の図2のフローチャートでは、中立点学習を実施する際に車速を考慮していなかったが、実施の形態2のフローでは、図4に示したフローチャートのように、車速を考慮する。
即ち、実施の形態1の図2のフローで、中立点学習を実施する前(例えば、step110と111の間)に図4のフローを実施する。
即ち、先ず、ステップS201で平均車速を読み込む(車速検出手順と言う)。ステップstep202で該車速が所定値以上と判定された場合は、ステップstep203で中立点補正量θm0を読み込み、ステップstep204で中立点オフセット値θmoffset =θm0とする。
【0031】
また、ステップstep202で該車速が所定値以上でないと判定された場合は、中立点オフセット値θmoffset を変更せず本処理ルーチンを終了する。
また、θmoffset は制御装置の電源がONされ制御装置内のROMに記憶されたプログラムが動作を開始する際に初期値にリセットされるように予め設定されている。本処理ルーチンは、説明を略したメインルーチンの中で所定の時間間隔ごとに実行する。
【0032】
以上の処理を実施することにより、路面反力が小さく演算が正確に行えない条件で学習した中立点オフセット値をθmoffset として使用しないようにすることにより、演算精度が低下することを防止する。
【0033】
また、本実施の形態では、所定車速以上において学習された中立点補正量θm0のみを使用するように構成したとして説明したが、車速に対して学習重み係数Wを予め定めて制御装置内のメモリーに記憶しておき、今回の中立点補正量θm01 と前回の中立点補正量θm02 を次式
θmoffset =(1−W)・θm02 +W・θm01
として、学習重み係数Wを図5に示すように、車速が増大するに連れ大きくなるように構成し、車両走行速度が低い条件での中立点学習結果は反映しにくくなるようにしてもよい。ここで、重み係数Wは、0≦W≦1である。
【0034】
実施の形態3.
実施の形態1では、中立点学習カウンタjが2になった場合に左右に操舵されたと判定し、Δθm(j)の平均を得るようにしたが、図6のフローに示す方法をとってもよい。図6のステップstep101,102,103,105,106,107は図2の同符号のステップと同じなので説明を省略する。step304でモータ回転速度信号を読み込み、その符号に基づいて操舵の方向を認識する(回転方向検出手順という)。step308では、操舵方向に応じて左操舵時の中立点からのずれ量△θm_Lか、または、右操舵時の中立点からのずれ量△θm_Rに区別して記憶する。step309では、それぞれの操舵方向に応じて左操舵カウンタ,右操舵カウンタをインクリメントし、step310では、両方が1以上になった場合にstep311に進み、左操舵時の中立点からのずれ量△θm_Lと右操舵時の中立点からのずれ量△θm_Rから(△θm_L +△θm_R )/2を演算した値を中立点オフセット値θmoffset とする(第2の中立点補正手順と言う)。
【0035】
なお、本実施の形態では、中立点学習カウンタj_L ,j_R がともに1以上になった時に中立点学習カウンタをゼロにリセットしているが、たとえば100以上になった時としても良い。この場合、step310では、左操舵時の中立点からのずれ量△θm_Lの算術平均△θm_L_ave と、右操舵時の中立点からのずれ量△θm_R の算術平均△θm_R_aveから、(△θm_L_ave +△θm_R_ave)/2を演算した値を中立点オフセット値θmoffset とする。
【0036】
実施の形態4.
一般にハンドルを左右に操作した際、左右対称な操作性を確保するようにステアリング機構を構成することがベターであるが、ハンドルは大抵の車両では幅方向の中心に設けられておらず、左右非対称の構造にならざるを得ない。そのため、摩擦などに起因する非線形要素が影響する動作領域では、左右対称な操作性を確保できない場合もある。これに対して、路面反力トルク推定手段によって推定された路面反力トルクから、操舵左右の摩擦トルクをオフセット量として減算する処理を、図2のstep103で行い、この結果に基づき中立点を学習するようにしてもよい。即ち、
Treact=Tsens+Kt ・I −Tfric・sign( ω) ‥‥‥‥(2)
ただし、sign( ω) は、モータ速度ωの符号であり、該符号に応じて制御装置内の図示しないROMに記憶された摩擦トルクTfricを、予め記憶させておいたテーブルからテーブルルックアップするように構成する。
【0037】
実施の形態5.
実際の走行条件では、車線変更などの特定の運転パターンにおいて、左右に操舵されて中立点をより精度よく学習できる操舵パターンがある。このような特定の運転パターンの操舵速度と操舵加速度は、所定の範囲内に収まっている場合が多い。そこで実施の形態5では、精度よく学習できる操舵パターン以外での学習頻度を小さくするため、モータ回転角を検出するモータ角検出手段をステアリング角の中立点を学習する中立点学習手段へ入力し、所定の操舵速度及び操舵加速度範囲で中立点学習を行うようにする。図2において、step104でモータ回転角を読み込み、さらにモータ速度とその加速度を演算し、step105で路面反力トルクの絶対値の大きさを判定する際、合わせてモータ速度と加速度が所定範囲内であるかどうかを判定するように構成してもよい。
【0038】
実施の形態6.
以上の実施の形態1〜5において、万一中立点学習器24が誤学習をしてしまった時にも、操舵角補償器26により発生するトルクが該所定量を越えることがないようにして、運転者が容易にリカバーできるようにしておくことが好ましい。この目的のため、操舵角補償器26の後段に出力リミッタ16を設けた構成とする。これによって図7に示す操舵角補償器26の出力が、所定量以下となり、万一の誤動作にも危険な運転状態になることを防止できる。
【0039】
実施の形態7.
実施の形態1の図1の構成のうち、ダンピング補償器4、慣性補償器6、判定器7、モータ加速度検出器5、モータ速度検出器3は従来例の説明の図10で説明したとおり、従来から用いられている部分であり、実施の形態1〜6の構成としては必ずしも必要ではない。図8にこれらを取り除いた構成を示す。図8の動作は実施の形態1の図2のフローと同じであるので説明は省略する。
【0040】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
推定された路面反力トルク信号に基づき中立点を補正したモータ角を用いてハンドル回転角度を検出するので、ハンドル角センサを用いる事なく、ハンドルの中立点を把握することができ、また、これにもとづいて、ハンドル戻しトルクを発生させるので、緩いカーブなどでハンドルが戻らないようなとき運転者がハンドルを戻し操作しなくても自然にハンドルが戻る運転フィーリングの優れたパワーステアリングの制御装置を構成することができる。
【0041】
また、検出器にて検出された実際の電流をもとに路面反力トルクを推定するので、目標電流を用いる場合に比べて、目標値と実際の電流の間にオフセットがある場合でも精度よくハンドル角の中立点学習が可能である。
【0042】
また、車速を検出する車速検出手段を用いて、低速時には中立点の学習を行わないようにしているので、中立点の検出精度をさらに向上させ、良好で適切なモータの補助トルクを発生させることができる。
【0043】
また、モータ角速度検出手段を備え、中立点を学習した時点でのモータ角速度の符号に応じて、左操舵時中立点、右操舵時中立点をそれぞれ学習し、両者の平均を演算する事により操舵角中立点を学習するので、左右操舵時にほぼ同じ大きさで方向が逆なステアリング機構の摩擦成分は、自動的にキャンセルされ、ステアリング機構の摩擦の大きさを予め把握しなくても、中立点の検出精度をさらに向上させられ、常に良好で適切なモータの補助トルクを発生させることができる。
【0044】
また、路面反力トルク推定手段によって推定された路面反力トルクに操舵左右の摩擦トルクをオフセット量として減算することにより、中立点を学習するので、中立点の検出精度をさらに向上させ、常に良好で適切なモータの補助トルクを発生させることができる。
【0045】
また、所定のモータ角速度範囲またはモータ角加速度範囲内で中立点学習を行うように構成したので、最も精度良く学習が可能な操舵条件でのみ中立点学習が可能となり、中立点の検出精度が悪化せず常に良好で適切なモータの補助トルクを発生させることができる。
【0046】
また、目標電流基本量を補正制御する出力をリミッタにより制限する構成にしたので、万一操舵角の中立点を誤学習してしまった場合にも、容易にドライバーがリカバーできる補助トルクを発生させることができ、安全性を高めることができる。
【0047】
また、ダンピング補償器と慣性補償器とを備え、車速の高低に従いこれらの使用、不使用を制御しているので、より運転フィーリングに優れた電動パワーステアリング制御装置を得ることができる。
【0048】
この発明による電動パワーステアリング制御装置の制御方法は、路面反力トルクを推定する手順と、路面反力トルクからハンドル中立点を学習する手順と、この中立点に基づいて電動機の回転角を補正する手順と、この回転角によりハンドルを中立点に戻すトルクを演算する操舵角補償手順とを含むので、ハンドル角センサを用いなくとも、また、運転者がハンドルを戻す操作をしなくてもハンドルを中立点に戻すトルクを発生させることができる。
【0049】
また、車速が所定の値より低いときには中立点学習手順を停止させているので、誤差の多い中立点の判断を防止することができ、より正確な制御を行うことができる。
【0050】
また、中立点の学習は電動機の回転方向に応じて左操舵時中立点と右操舵時中立点とを学習し、これらの平均を本来の中立点としているので、より正確に中立点を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の電動パワーステアリング制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 図1の動作を説明する図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】 図4のフローチャートの車速と学習重み係数との関係を示す特性図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態6による電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態7による電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 従来の電動パワーステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 図9の電動パワーステアリング制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図11】 図9の電動パワーステアリング制御装置の動作を示す特性図である。
【符号の説明】
1 操舵トルク検出器、 2 操舵トルク制御器、 3 モータ速度検出器、
9 モータ電流決定器、 10 モータ、 11 モータ電流検出器
14 車速検出器、 15 路面反力トルク推定器、
23 モータ角検出器、 24 中立点学習器、 25 中立点補正器、
26 操舵角補償器。
Claims (11)
- 自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える電動機、
前記自動車の運転者が前記ハンドルに加えたトルクを操舵トルクとして検出する操舵トルク検出手段、
前記電動機の回転角を検出するモータ角検出手段、
前記操舵トルクを用いて前記操向車輪の路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定手段、
前記推定した路面反力トルクと前記電動機の回転角から、現在の走行状態に於ける前記ハンドルの中立点を学習する中立点学習手段、
前記電動機の回転角と前記学習した中立点との差から前記ハンドルを前記中立点に戻す戻しトルクを演算し、この戻しトルクを前記電動機の電流に換算する操舵角補償手段を備え、前記ハンドルが前記中立点から回転した状態にあるとき前記戻しトルクを前記ハンドルに加えるようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える電動機、
前記自動車の運転者が前記ハンドルに加えたトルクを操舵トルクとして検出する操舵トルク検出手段、
前記電動機の回転角を検出するモータ角検出手段、
トルク指令信号を受けて前記電動機に流れる電流の目標値を設定するモータ電流設定手段、
前記電動機に流れた電流値を検出するモータ電流検出手段、
前記操舵トルクと前記モータ電流検出手段の出力とを用いて前記操向車輪の路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定手段、
前記路面反力トルクと前記電動機の回転角から、現在の走行状態における前記ハンドルの中立点を学習する中立点学習手段、
前記学習した中立点と前記電動機の回転角により前記ハンドルを前記中立点に戻すトルクを演算し、前記モータ電流設定手段に出力する操舵角補償手段を備え、前記ハンドルが前記中立点から回転した状態にあるとき前記中立点に戻すトルクを前記ハンドルに加えるようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 車速を検出する車速検出手段、
前記車速検出手段が検出した前記車速があらかじめ定めた所定の値より低い場合に中立点学習手段の動作を停止させる手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 電動機の回転方向に応じて異なる符号を出力する回転方向検出手段を備え、
中立点学習手段は、中立点を学習した時点での前記回転方向検出手段の出力符号に応じて、先ず左操舵時中立点、右操舵時中立点をそれぞれ学習し、次に前記左操舵時中立点、右操舵時中立点の平均を演算して中立点を学習するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 電動機の回転方向に応じて異なる符号を出力する回転方向検出手段を備え、
中立点学習手段は、推定した路面反力トルクから前記回転方向に応じて予め記憶した操向機構の摩擦トルクを減算または加算して得た値に基づき中立点を学習することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 電動機の回転速度を検出するモータ回転速度検出手段または回転角加速度を検出するモータ角加速度検出手段を備え、
中立点学習手段は前記電動機の前記回転速度または前記回転角加速度の少なくとも一方の値が、予め定めた所定の値より小さいときに中立点学習を行い、前記所定の値より大きいとき中立点学習を停止することを特徴とする請求項4または5記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 操舵角補償手段は、その出力が予め定めた所定のレベルを越えないように制限するリミッタを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
- 車速を検出する車速検出手段、
電動機の速度に基づいてダンピング補償を行うダンピング補償器、
前記電動機の加速度に基づいて慣性補償を行う慣性補償器を備え、前記車速が所定のレベルを越えた時には、前記ダンピング補償器と前記慣性補償器を動作させ、前記所定のレベルを越えない時には、前記ダンピング補償器と前記慣性補償器の動作を停止させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 自動車の操向車輪を操作するハンドルに補助トルクを加える電動機の回転角を検出するモータ角検出手順と、
前記自動車の運転者が前記ハンドルに加えた操舵トルクと前記モータ電流検出手段の出力とを用いて前記操向車輪の路面反力トルクを推定する路面反力トルク推定手順と、
前記路面反力トルクと前記電動機の回転角から、前記ハンドルの中立点を学習する中立点学習手順と、
前記中立点と前記電動機の回転角により前記ハンドルを前記中立点に戻すトルクを演算する操舵角補償手順とを含むことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置の制御方法。 - 車速を検出する車速検出手順と、
前記車速があらかじめ定めた所定の値より低い場合は、中立点学習手順の動作を停止させる手順を含むことを特徴とする請求項9に記載の電動パワーステアリング制御装置の制御方法。 - 電動機の回転方向に応じて異なる符号を出力する回転方向検出手順と、
前記路面反力トルクと前記電動機の回転角から前記ハンドルの中立点を学習する中立点学習手順により中立点を学習した時点での前記回転方向の符号に応じて、まず左操舵時中立点、右操舵時中立点をそれぞれ学習し、次に前記左操舵時中立点、右操舵時中立点の平均を演算する事により前記ハンドルの中立点を学習する第2の中立点学習手順とを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の電動パワーステアリング制御装置の制御方法。
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