JP4246409B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光光学系と画像処理部を有する画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機やデジタルファクシミリなどの画像処理装置では、読み取られた画像情報を電気信号に変換し、電気回路により電気的処理を施すが、より高画質の画像を得るために、例えば特開平5−150622号公報で知られているよう、電気回路中の増幅器の増幅率や、A/D変換器の基準電圧を、装置が自動的に調整するような機構が設けられている場合がある。
【0003】
一般に画像形成装置においては、コンタクトガラスの画像領域外に濃度基準板を設け、この濃度基準板の読み取りデータを基に、上記のユニット他を自動調整することで自動濃度調整を行なっている。従って、電気回路に用いられる部品や光源に用いられる部品の、個体差や経時での特性変化によることなく、一定の品質を保証した画像出力を得ることができる利点がある。
【0004】
また、一方、近年の画像読み取り装置では、電源投入後の装置動作開始までの時間の短縮化が要求されている。特に、環境問題の重要さが増すにつれ、各種の規格では、装置の電源断状態へ移行する時間を例えば1分程度にするよう定義されている。これらの装置では、非常に頻繁に電源遮断状態に移行することになり、当然、電源が再投入される回数も増え、電源投入から動作開始までの時間は、例えば10秒程度であることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した高画質化のための装置の自動調整動作が、この電源投入から動作開始までの時間短縮のネックになっている。
【0006】
本発明は、高画質化と、環境対応のための電源投入から動作開始までの時間短縮を同時に達成することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、コンタクトガラスの下方に第1、第2の走行体及び結像レンズからなる露光光学系を設け、さらにその後段に固体撮像素子と画像処理部を有し、かつコンタクトガラスの画像領域外に濃度基準板を設け、濃度基準板の読み取りデータを基に画像処理部で自動調整動作を行なう画像読取装置において、装置に対する電源オフの操作を検出した場合、前記走行体をホーム位置から前記濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に、電源の遮断を行なう制御手段を備え、上記電源遮断時においてもデータを保持することが可能な不揮発性メモリを有し、上記制御手段の制御により、上記不揮発性メモリに上記移動が完了したことを示す書き込みを行なうようにし、電源が投入された後、上記制御手段の制御により、上記不揮発性メモリを読み出し、上記濃度基準板を読み取る位置に移動が完了したことが書き込まれていた場合は、上記走行体を移動させることなく自動調整動作を実行し、移動が完了していなかった場合は、上記濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に自動調整動作を実行する画像読取装置を提供する。
【0011】
さらに、光学的に読みとった画像情報を電気信号に変換する固体撮像素子と、その固体撮像素子の出力するアナログ信号に対して電気的な処理を加える電気回路と、その電気回路が行う電気的処理の処理係数を適正な係数に調整するための電気回路及びマイクロプロセッサと、コンタクトガラス上に載置された原稿に対してその原稿を露光するための光源及び上記原稿からの反射光を反射するためのミラーとが搭載された走行体を相対的に移動させる手段と、上記電気回路が行う電気的処理の処理係数を適正な係数に調整するための基準濃度に塗布された濃度基準板と、上記電気回路が行う電気的処理の処理係数を適正な係数に調整するための自動調整動作は、上記走行体をホーム位置から上記濃度基準板を読み取る位置に移動させ、上記濃度基準板を読み取ったときのデータに基づいて自動調整動作を行う画像読取装置において、自装置に対する電源オフの操作を検出した場合、上記走行体をホームポジションから上記濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に電源の遮断を行い、その後に電源が投入された時に上記走行体を移動させることなく、即座に上記自動調整動作を実行し、上記自動調整が正常に終了し得なかった場合、上記走行体を原点復帰動作をさせた後に前記濃度基準板を読み取る位置に移動させて再度上記自動調整を行うようにする手段を設けた画像読取装置も提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は画像読取装置の概念図である。
この画像読取装置は、CPU,ROM及びRAM等からなるマイクロコンピュータによって実現されるスキャナ装置,ファクシミリ装置,コピー装置等の装置であり、原稿台ガラスを覆う圧板1、その原稿台ガラスであるコンタクトガラス2,原稿を露光するための露光ランプである光源3及びミラー4からなる第1の走行体5、ミラー6,7からなる第2の走行体8、結像レンズ9、CCD10、画像処理用のマイクロプロセッサである画像処理部11、原稿サイズセンサ12を備えている。第1、第2の走行体5、8は、モータ13でワイヤ14を介して、図の左右方向(図中矢示)に共役長を保ちながら移動するようになっており、右方向移動時に原稿を走査する。
【0013】
原稿走査時の光源3の照射光は原稿面で反射され、結像レンズ9の作用によりCCD10に結像され、光電変換される。そして画像処理部11で各種の画像処理が施される。
さらに説明すると、コンタクトガラス2上に載置された原稿(図示省略)は、光源3からの照射光によって照射され、その乱反射光は、3枚のミラー4と5と6に次々と反射し、結像レンズ9を通してCCD10上に結像される。
CCD10は、入射された光をライン毎に電気信号に置き換え、画像処理部11にアナログ電気信号を送出する。
第1の走行体5と第2の走行体8はワイヤ14を介してモータ13の出力軸に接続しており、モータ13が回転することによってワイヤ14を介して両走行体5と8が互いに共役長を保ちながら図中の矢印方向へ移動し、原稿を走査する。
原稿サイズセンサ12は、光源3からCCD10の各部で構成される光学系の下方に設置される。
【0014】
図2は電源供給ブロック図である。
画像読取装置に与えられたAC入力は、PSU32に供給される。PSU32は、AC100Vから、装置の動作に必要なDC電圧(5V、12V等)を生成する。PSU32の生成したDC電圧の内の一部は、CPU25及び、CPU25が動作可能な周辺の回路に対して直接供給される。DC電圧の残りは、リレー(RL)33を介して、画像処理部11等、CPU25及びその周辺回路以外の部分へ供給される。
電源SW31の状態を示す信号は、CPU25に入力され、CPU25は、電源SW31の状態に応じて、リレー33を通電/遮断状態に制御する。リレー33が遮断状態にある場合は、DC電圧は画像処理部11等へは供給されず、これにより、画像読取装置の消費する電力は大幅にカットされる。
【0015】
図3は、上記画像処理部11を詳細に示す本発明の一実施形態に係る画像読取装置の構成図である。図1と同一個所には同一符号を付す。
CCD10に入射された光はライン毎にアナログ電気信号に置き換えられ、増幅器15で所定の増幅率で増幅される。増幅されたアナログ信号は、A/Dコンバータ16でデジタル信号に変換される。例えば、A/Dコンバータ16が8ビットのデジタル出力を行うA/Dコンバータである場合、画像情報は、0から255のデジタル画像データとして扱われる。デジタル化された画像情報は、シェーディング補正回路19,MTF補正回路20,変倍回路21,γ(ガンマ)変換回路22でそれぞれ電気的画像処理が施され、インターフェイス(I/F)回路23を通して、複写コントローラ,ファクシミリコントローラ,あるいはイメージスキャナコントローラの各コントローラへ出力される。A/Dコンバータ16の出力信号は、シェーディング補正回路19へ入力されるとともに、ピーク検出回路17にも入力される。ピーク検出回路17は、入力された画像データのうち、1ライン中の最大値を検出して保持する回路であり、保持されたデータはCPUバスを介してCPU(制御手段)25によって読み出される。
【0016】
CPU25は、CPUバスを介して、D/Aコンバータ18aの出力を変化させることにより、増幅器15の増幅率を変化させることができる。また同様にCPU25は、D/Aコンバータ18bの出力を変化させることにより、A/Dコンバータ16の基準電圧を変化させることができる。ここで、基準電圧は、A/Dコンバータ16に入力される画像電気信号の電圧何ボルトを、デジタルデータのいくつに変換するかを決定するもので、即ち読み取る原稿の濃度範囲(=ダイナミックレンジ)を決定するものである。
【0017】
24はNVRAM(不揮発性RAM)で、CPU25がNVRAM24に書き込んだデータは、画像読取装置の電源が遮断されても、失うことなく保持される。
又、CPU25は、CPUバスを介して符号19〜23で示す各画像処理演算回路と接続されており、MTF補正係数や変倍率等の各演算処理のパラメータを各演算回路に対して設定することができる。すなわち、このCPU25がこの発明に係わる自動調整制御処理を実行する。
【0018】
26は白色基準板(濃度基準板)で、コンタクトガラス2上に読み取り1ライン全域にわたって、白く均一な濃度に塗られた領域を有する部材である。またCPU25は、CPUバスを介して図示を省略したモータドライバICを駆動することにより、モータ13を回転・停止させる。
【0019】
図4は1ラインの画像データを示す図である。
この図はピーク検出回路17で検出される1ライン中の最大値の意味を示したものである。横軸は、CCD10の出力画素番号を示し、ここでは、1ライン5000画素のCCD10が用いられているものとして示している。縦軸は、デジタル化された画像データを示し、ここでは8ビットのA/Dコンバータ16で255に正規化されたデータとして示しており、0に近いほど高濃度(黒に近い)、255に近いほど低濃度(白に近い)の画素出力となる。
【0020】
光源3は、光源の中央付近は明るく、端部にいくに従って光量が低下する特性を持っている。このため、均一に白い画像を読みとったときでも、得られる画像データは、1ライン中の中央付近ほど明るく(大きく)、1ラインの内の先方と後方のデータは小さくなる。よって、白色基準板26を読み取ったときの1ラインの画像データ出力は、図4に示す様になり、中央画素付近が、白画像の最大値PKwとなる。
【0021】
また、図4中のOPBKは、CCD10に備えられた黒ダミー画素出力期間を示す信号である。黒ダミー画素とは、CCD10の光が遮蔽された部分に配置された画素のことで、この画素の出力は、光源3の点灯有無や、読み取り画像の種別に関わらず、常に黒画像の出力が得られる。従って、図4に示すとおり、OPBK信号がHiアクティブに出力されている区間は、画像データは、光源3の配光によらずほぼ一定の、高濃度(黒に近い)のデータとなる。図中PKbは、このOPBK区間の最大値を示す。ピーク検出回路17は、PKw及び、PKbをそれぞれの領域の最大のデータとして検出して保持する。
【0022】
次に自動調整制御処理の詳細なフローについて説明する。自動調整制御処理は、この画像読取装置が最適な画像を得るために、各電気的処理の処理係数を、機械特性の変化に合わせ自動的に調整するもので、ここでは増幅器15の増幅率の調整を制御する処理例を図5のフローチャート図に示す。増幅率の調整は、光源3の温度特性や経時劣化により、発光量が変化した場合でも、一定濃度の原稿を一定の画像データとして読み取れるようにするためのものである。
【0023】
自動調整制御処理が開始されると、CPU25は、光源3を点灯させ、さらに画像読み取り位置が白色基準板26となるように、光源3及び第1,第2の走行体5,8を移動する(S1)。次にCPU25は、D/Aコンバータ18aに初期値G0を設定することにより、増幅器15の増幅率を初期値にする(S2)。次に、CPU25は、ピーク検出回路17を介して白色基準板26を読みとったときの最大値である白ピーク値PKwを得る(S3)。
【0024】
ここで、白ピーク値PKwと目標値(本来白色基準板26を読み込んだときに得られるべきデータ)Drefとを比較し(S4)、この場合、白ピーク値PKwがDref±1の範囲であれば、適正な増幅率が設定されたと判断して、自動調整を終了する(S5)。すなわち、光源3を消灯し、光源3と各ミラー4,5,6をホーム位置(初期の所定位置)に戻すように移動して、この自動調整制御処理を正常終了する。
一方、ステップ(図中「S」)4の判断でDmaxが目標値に無い場合、すなわちDref−1<PKw<Dref+1でない場合、DrefとPKwの差分から、増幅率の増減を決定し、D/Aコンバータ18aに設定する。
この例では、新たに設定する増幅率Gn+1は
Gn+1=Gn+(Dref―PKw)*K
Dn:現在の増幅率
K:所定の定数
として計算される。
【0025】
新たな増幅率の設定後、ステップ3へ戻って再度ピーク検出回路17から白色基準板26の読み取り領域の最大値である白ピーク値PKwを読み取り、目標値Drefとの比較を行う。以下、この白ピーク値PKw読み出し→目標値Drefと比較→増幅率の計算・設定を、目標の白ピーク値PKwが得られるまで続ける。白ピーク値PKwが目標値に達した場合、CPU25は、その時D/Aコンバータ18aに設定された増幅率GnをNVRAM24へ書き込んで保存する。その後にCPU25は、光源3を消灯させ、第1,第2の走行体5,8を所定位置に戻し、この自動調整制御処理を正常終了する。
【0026】
図6は、参考技術の電源オフ時の動作例を示すフローチャート図である。CPU25は、電源SW31のオフ(OFF)操作を検出すると、第1,第2の走行体5,8を白色基準板26の位置に移動させ(S11)、移動が完了した後にリレー33を遮断し(S12)、画像処理部11等への給電を停止する。
【0027】
図7は、参考技術の電源オン後の自動調整制御処理の動作例を示すフローチャート図である。CPU25は、電源SW31のオン(ON)操作を検出すると、リレー33を接続し(S21)、画像処理部11等への給電を開始する。その後に、光源3を点灯して(S22)自動調整制御処理動作を実行する。以下の自動調整制御処理動作(S23〜S27)は、図5のフローチャート図を基に説明した処理内容と同一であるから、その説明を省略する。
【0028】
図8は、この実施例の電源オフ時の自動調整制御処理の動作例を示すフローチャート図である。CPU25は、電源SW31のオフ(OFF)操作を検出すると、第1,第2の走行体5,8を白色基準板26の位置に移動させ(S31)、移動が完了した後に、NVRAM24へ移動が完了したことを示すフラグを書き込む(S32)。その後に、リレー33を遮断し(S33)、画像処理部11等への給電を停止する。
【0029】
図9は、この実施例の電源オン後の自動調整制御処理の動作例を示すフローチャート図である。CPU25は、電源SW31のオン(ON)操作を検出すると、リレー33を接続し、画像処理部11等への給電を開始する。その後に光源3を点灯する。続いてNVRAM24の読み出しを行い(S41)、白色基準板26の位置への走行体の移動が完了しているか否かを示すフラグのチェックを行う(S42)。移動が完了していれば、そのままステップ44へ進んで自動調整制御処理動作を実行する。
移動が完了していない場合は、第1,第2の走行体5,8を白色基準板26の位置に移動させ(S43)、その後にステップ44へ進んで自動調整制御処理動作を実行する。以下の自動調整制御処理動作(S44〜S49)は、図5のフローチャート図を基に説明した処理内容と同一であるから、その説明を省略する。
【0030】
こうして、自動調整動作の終了時には、NVRAM24に書き込まれた移動完了のフラグを消去した後に、第1,第2の走行体5,8を通常の停止位置であるホームポジションへ移動させて自動調整制御処理を終了する。
【0031】
このようにして、上述の実施形態の画像読取装置では、装置に対する電源オフの操作が行われた場合、走行体を、濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に電源の遮断を行うことにより、画像読み取り装置の高画質化と、環境対応のための、電源投入から動作開始までの時間短縮を同時に達成することができる。
そこで、さらに電源遮断中に装置に対する振動等の付加により、走行***置が、濃度基準板である白色基準板の読み取り位置以外にずれてしまった場合にも、正しく自動調整を実行させ、高画質を保証することのできる画像読取装置の実施形態を説明する。
【0032】
この実施形態の画像読取装置は、上述の画像読取装置の構成と同じであるが、CPU25による自動調整制御処理が上述のものとは若干異なる。
図10は、CPU25による自動調整制御の他の処理例を示すフローチャート図である。この自動調整制御処理では、上記図5に基づいて示した自動調整制御処理の際に、自動調整異常終了処理を行っている。
【0033】
自動調整制御処理が開始されると、CPU25は、光源3を点灯させ、さらに画像読み取り位置が白色基準板26となるように、光源3及び第1,第2の走行体5,8を移動する(S51)。次にCPU25は、D/Aコンバータ18aに初期値G0を設定することにより、増幅器15の増幅率を初期値にする(S52)。増幅率計算の繰り返し回数をカウントする所定回数Nに初期値0を設定する(S53)。Nが予め設定した所定回数30を越えたか否かを判断する(S54)。最初は越えないからステップ(図中「S」)55へ進み、CPU25は、ピーク検出回路17を介して白色基準板26を読みとったときの最大値である白ピーク値PKwを得る(S55)。
【0034】
ここで、白ピーク値PKwと目標値(本来白色基準板26を読み込んだときに得られるべきデータ)Drefとを比較し(S56)、この場合、白ピーク値PKwがDref±1の範囲であれば、適正な増幅率が設定されたと判断して、自動調整を終了する。すなわち、光源3を消灯し、光源3と各ミラー4,6,7をホーム位置(初期の所定位置)に戻すように移動して(S57)、この自動調整制御処理を正常終了する。
一方、ステップ56の判断でDmaxが目標値に無い場合、すなわちDref−1<PKw<Dref+1でない場合、DrefとPKwの差分から、増幅率の増減を決定し、D/Aコンバータ18aに設定する。
この例では、新たに設定する増幅率Gn+1は
Gn+1=Gn+(Dref―PKw)*K
Dn:現在の増幅率
K:所定の定数
として計算される。
【0035】
新たな増幅率の設定後、N=N+1とし、ステップ54へ戻って再度ピーク検出回路17から白色基準板26の読み取り領域の最大値である白ピーク値PKwを読み取り、目標値Drefとの比較を行う。以下、この白ピーク値PKw読み出し→目標値Drefと比較→増幅率の計算・設定を、N=30まで続ける。N=30以内で白ピーク値PKwが目標値に達した場合、CPU25は、その時D/Aコンバータ18aに設定された増幅率GnをNVRAM24へ書き込んで保存する。その後にCPU25は、光源3を消灯させ、第1,第2の走行体5,8を所定位置に戻し、この自動調整制御処理を正常終了する。
ただし、この増幅率計算の繰り返し回数が所定回数(N=30回)を越えた場合は、異常と判断して自動調整制御処理を異常終了させる。
【0036】
次に、電源SWがオフ(OFF)された場合の動作例は、上記図6に基づいて示した動作例の処理と同じなので、その説明を省略する。
図11は、上記電源オン後の自動調整制御処理のさらに他の動作例を示すフローチャート図である。
CPU25は、電源SW31のオン(ON)操作を検出すると、リレー33を接続し(S61)、画像処理部11等への給電を開始する。その後に、光源3を点灯して(S62)自動調整制御処理動作を実行する。さらに、増幅率計算の繰り返し回数をカウントする所定回数Nに初期値0を設定する(S63)。次にCPU25は、D/Aコンバータ18aに初期値G0を設定することにより、増幅器15の増幅率を初期値にする(S64)。その後、ステップ65〜69の処理は、図10のステップ54〜58の処理と同じなので、その説明を省略する。
【0037】
図12は、電源オン後の他の自動調整制御処理の動作例を示すフローチャート図である。
CPU25は、電源SW31のオン(ON)操作を検出すると、リレー33を接続し、画像処理部11等への給電を開始する。その後に、光源3を点灯し、自動調整制御処理動作を実行する(S71)。
自動調整制御処理が正常終了したか否かを判断し(S72)、正常終了した場合は、自動調整完了として、装置待機状態に移行する。
一方、増幅率の計算繰り返しが所定回数内に終わらず、自動調整制御処理が異常終了した場合は、両走行体5,8を、一旦ホーミング動作(原点復帰動作)を実行させ(S73)、その後に白色基準板26の位置に移動させ(S74)、その後に再度自動調整制御処理動作を実行させ(S75)、その終了を持って自動調整制御処理を完了させる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の画像読取装置によれば、電源オフ時に、あらかじめ走行体を濃度基準板を読み取る位置に移動させておくので、電源オン時に、走行体を移動することなく自動調整動作を実行することができ、より高画質を得るための自動調整動作を行ないつつ、装置の電源投入から動作開始までの時間を短縮することができる。
さらに、電源オフ時に、あらかじめ走行体を濃度基準板を読み取る位置に移動させ、かつその動作が完了したか否かを、不揮発性メモリに記憶しておくので、電源オン時に、走行体の移動の必要がない場合のみ、走行体を移動することなく自動調整動作を実行することができ、より高画質を得るための自動調整動作を行ないつつ、装置の電源投入から動作開始までの時間を短縮することができる。また、万一、停電や不意の電源遮断が行なわれたような場合は、走行体を、濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に自動調整動作を行なうので、そのような場合にも正しい自動調整結果を得ることができる。
【0040】
さらに、この発明の画像読取装置によれば、電源オフ中に、装置に対する振動等の付加によって走行***置が濃度基準板である白色基準板の読み取り位置以外にずれてしまった場合にも、正しく自動調整を実行させ、高画質を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読取装置の概念図である。
【図2】電源供給ブロック図である。
【図3】画像処理部を詳細に示す本発明の一実施形態に係る画像読取装置の構成図である。
【図4】1ラインの画像データを示す図である。
【図5】自動調整制御処理動作のフローチャートである。
【図6】 参考技術の電源オフ動作の動作例を示すフローチャートである。
【図7】 参考技術の電源オン後の自動調整制御処理動作例を示すフローチャートである。
【図8】 この実施例の電源オフ動作の自動調整制御処理例を示すフローチャートである。
【図9】 この実施例の電源オン後の自動調整制御処理動作例を示すフローチャートである。
【図10】この画像読取装置における自動調整制御処理のさらに他の動作のフローチャートである。
【図11】 電源オン後の自動調整制御処理のさらに他の動作例を示すフローチャート図である。
【図12】 電源オン後の他の自動調整制御処理の動作例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1:圧板 2:コンタクトガラス
3:光源 4,6,7:ミラー
5:第1の走行体 8:第2の走行体
9:結像レンズ 10:CCD(固体撮像素子)
11:画像処理部 12:原稿サイズセンサ
13:モータ 14:ワイヤ
16:A/Dコンバータ 17:ピーク検出回路
18a,18b:D/Aコンバータ
19:シェーディング補正回路
20:MTF補正回路 21:変倍回路
22:γ変換回路 23:I/F回路
24:NVRAM 25:CPU(制御手段)
26:白色基準板(濃度基準板)
31:電源スイッチ 32:PSU
33:リレー
Claims (2)
- コンタクトガラスの下方に第1、第2の走行体及び結像レンズからなる露光光学系を設け、さらにその後段に固体撮像素子と画像処理部を有し、かつコンタクトガラスの画像領域外に濃度基準板を設け、濃度基準板の読み取りデータを基に画像処理部で自動調整動作を行なう画像読取装置において、装置に対する電源オフの操作を検出した場合、前記走行体をホーム位置から前記濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に、電源の遮断を行なう制御手段を備え、
前記電源遮断時においてもデータを保持することが可能な不揮発性メモリを有し、前記制御手段の制御により、前記不揮発性メモリに前記移動が完了したことを示す書き込みを行なうようにし、
電源が投入された後、前記制御手段の制御により、前記不揮発性メモリを読み出し、前記濃度基準板を読み取る位置に移動が完了したことが書き込まれていた場合は、前記走行体を移動させることなく自動調整動作を実行し、移動が完了していなかった場合は、前記濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に自動調整動作を実行することを特徴とする画像読取装置。 - 光学的に読みとった画像情報を電気信号に変換する固体撮像素子と、該固体撮像素子の出力するアナログ信号に対して電気的な処理を加える電気回路と、該電気回路が行う電気的処理の処理係数を適正な係数に調整するための電気回路及びマイクロプロセッサと、
コンタクトガラス上に載置された原稿に対して該原稿を露光するための光源及び前記原稿からの反射光を反射するためのミラーとが搭載された走行体を相対的に移動させる手段と、
前記電気回路が行う電気的処理の処理係数を適正な係数に調整するための基準濃度に塗布された濃度基準板と、
前記電気回路が行う電気的処理の処理係数を適正な係数に調整するための自動調整動作は、前記走行体をホーム位置から前記濃度基準板を読み取る位置に移動させ、前記濃度基準板を読み取ったときのデータに基づいて自動調整動作を行う画像読取装置において、
自装置に対する電源オフの操作を検出した場合、前記走行体をホーム位置から前記濃度基準板を読み取る位置に移動させた後に電源の遮断を行い、その後に電源が投入された時に前記走行体を移動させることなく、即座に前記自動調整動作を実行し、
前記自動調整が正常に終了し得なかった場合、前記走行体を原点復帰動作をさせた後に前記濃度基準板を読み取る位置に移動させて再度前記自動調整を行うようにする手段を設けたことを特徴とする画像読取装置。
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