JP4244903B2 - 物理量センサ、およびこれに使用するリードフレーム - Google Patents
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Description
上述した機能を携帯端末装置に持たせるためには、磁気センサ、加速度センサ等の物理量センサを携帯端末装置に内蔵させることが必要となる。また、このような物理量センサにより三次元空間での方位や加速度を検知可能とするためには、物理量センサチップの設置面を傾斜させることが必要となる。
そして、この磁気センサはこれら一対の磁気センサチップにより検出された磁気成分により、地磁気成分を3次元空間内のベクトルとして測定を行っている。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型化を図ることができる物理量センサ及びこれに用いるリードフレームを提供することを目的としている。
本発明は、平面視略矩形状に形成されたパッケージと、該パッケージの内部に固定されたステージ部と、該ステージ部の表面に載置された状態で該パッケージの内部に固定された平面視略矩形状の物理量センサチップと、前記パッケージによって区画される平面視略矩形の内方領域の各辺から前記パッケージの内方側に突出する複数のリードとを備え、
前記ステージ部に隣接する前記リードの先端部から中途部までの表面に、前記ステージ部の表面と同じ側に面する前記リードの表面から窪む凹状の溝が当該リードの幅方向にわたって形成され、前記内方領域の角部には、前記リードを配さない不設置領域が形成され、前記溝が形成された複数の前記リードの配列方向に延びる前記内方領域の一辺の両端の角部に位置する2つの不設置領域からそれぞれ前記パッケージの内方側に突出して同一の前記ステージ部に連結される2つの連結部を備え、前記ステージ部に連結される前記連結部の一端部が、前記ステージ部を傾斜させるように捻れ変形された捻れ部とされ、前記ステージ部及び前記物理量センサチップが前記リードに対して傾斜した状態において、前記ステージ部は、その表面が前記溝を形成した前記リードの表面よりも上方に位置するように、前記リードに対して前記パッケージの厚さ方向にずれて位置すると共に、前記ステージ部の表面からはみ出す前記物理量センサチップの一端部は、前記溝に入り込んでいることを特徴とする物理量センサ。
この発明に係る物理量センサによれば、物理量センサチップは、不設置領域にかけて内方領域の一辺から突出するリードのみに重ねて配されているため、パッケージに対するリードの配置を変更することなく、物理量センサチップと重なるリードの数を減らすことができる。したがって、物理量センサチップと電気接続可能なリードの数を十分に確保することができる。
その後、ワイヤボンディングにより物理量センサチップとリードとを電気的に接続させる。ただし、物理量センサチップと厚さ方向に重なるリードは、ワイヤボンディングが困難となるため、上記電気接続に使用されることがない。そして、この電気接続の終了後には、捻れ部を変形させてステージ部及び物理量センサチップを矩形枠部に対して傾斜させる。
そして、矩形枠部に対するリードの配置を変える必要が無くなるため、この高機能な物理量センサを容易かつ安価に製造することができる。
リードフレーム1は、図1,2に示すように、平面視矩形の板状に形成された磁気センサチップ(物理量センサチップ)3,5を載置する2つのステージ部7,9と、ステージ部7,9を支持するフレーム部11とを備えており、これらステージ部7,9とフレーム部11とは一体的に形成されている。フレーム部11は、ステージ部7,9を囲むように平面視略正方形の枠状に形成された矩形枠部13と、この矩形枠部13によって区画される矩形状の内方領域S1の各辺13a〜13dから直交して内方側に突出する複数のリード15,16と、内方領域S1の各角部13e〜13hから内方側に突出する連結リード(連結部)17とからなる。
なお、ステージ部7,9の一端部7a,9aに隣接するリード15の先端部15aから中途部までの表面15bには、フォトエッチング加工により凹状の溝20が形成されており、リード15の先端部15aの厚さ寸法が、矩形枠部13側に位置するリード15の基端部15cよりも薄く形成されている。
この補助ステージ部23は、図3に示すように、ステージ部7,9と同様に、金属製薄板の厚さ方向にずれて位置しており、前述の軸線L1に直交する軸線L2を中心に補助ステージ部23を揺動させて傾斜させるための捻れ部17bや一対の突出部25が形成されている。この補助ステージ部23の表面23aには、前述と同様の磁気センサチップや加速度センサチップ、温度センサチップ、信号処理LSI等の半導体チップ27が配され、この半導体チップ27は、その周囲に配されるリード16と電気接続するようになっている。
図1〜3に示すように、はじめに、ステージ部7,9及び補助ステージ部23の表面7b,9b,23aに磁気センサチップ3,5及び半導体チップ27を接着する。この状態において、各磁気センサチップ3,5は、ステージ部7,9の表面7b,9bからはみ出しており、その各辺が内方領域S1の各辺13a〜13dと平行となるように、不設置領域S2,S5にかけて配されている。また、各磁気センサチップ3,5は、ステージ部7,9の配列方向に直交する内方領域S1の一辺13a,13cに配された複数のリード15,16のうち、不設置領域S2,S5側に位置する複数のリード15(図示例では4つ)と重なるように配されている。ここで、ステージ部7,9は、ステージ部7,9をフレーム部11に対して傾斜させる前の状態において、リード15に対して金属製薄板の厚さ方向にずれて位置しているため、磁気センサチップ3,5がリード15に接触することはない。
なお、各磁気センサチップ3,5は、前述のフォトエッチング加工により薄く形成されたリード15の先端部15aから中途部に至る領域に配されている。また、各磁気センサチップ3,5は、ステージ部7,9の配列方向に沿って並べられたリード16と重ならないように配されている。
すなわち、はじめに、図4に示すように、凹部E1を有する金型Eの表面E2にリードフレーム1の矩形枠部13を配する。この際には、矩形枠部13の内側にあるリード15,16、ステージ部7,9、磁気センサチップ3,5、突出片19,21は、凹部E1の上方に配される。また、この状態においては、凹部E1側から上方側に向けて、磁気センサチップ3,5、ステージ部7,9、突出片19,21が順番に配されている。
突出片19,21の上方には、平坦面F1を有する金型Fが配されており、前述した金型Eと共にリードフレーム1の矩形枠部13を挟み込むように構成されている。
なお、補助ステージ部23は、ステージ部7,9と同様に金型Fの平坦面F1により突出片25を押圧することにより、矩形枠部13や平坦面F1に対して所定の角度で傾斜することになる。
最後に、矩形枠部13を切り落としてリード15,16及び連結リード17を個々に切り分け、磁気センサ30の製造が終了する。
また、磁気センサチップ3,5及び半導体チップ27を外部に対して電気的に接続するリード16の裏面16aは、樹脂モールド部29の下面29a側に露出している。このリード16の一端部は、金属製のワイヤー(図示せず)により磁気センサチップ3,5及び半導体チップ27と電気的に接続されており、その接続部分は樹脂モールド部29の内部に埋まっている。
また、磁気センサチップ5は、外部磁界の2方向の磁気成分に対して感応するものであり、これら2つの感応方向は、磁気センサチップ5の表面5cに沿って互いに直交する方向(C方向およびD方向)となっている。
ここで、A,C方向は軸線L1と平行な方向で、互いに逆向きとなっている。また、B,D方向は軸線L1に直交する方向で、互いに逆向きとなっている。
なお、A−B平面とC−D平面とがなす角度θは、0°よりも大きく、90°以下であり、理論上では、0°よりも大きい角度であれば3次元的な地磁気の方位を測定できる。ただし、実際上は20°以上であることが好ましく、30°以上であることがさらに好ましい。
この磁気センサ30は、例えば、図示しない携帯端末装置内の基板に搭載され、この携帯端末装置では、磁気センサ30により測定した地磁気の方位を携帯端末装置の表示パネルに示すようになっている。
また、磁気センサチップ3,5を不設置領域S2,S5にかけて内方領域S1の一辺13a,13cから突出するリード15のみに重ねて配することができるため、内方領域S1の一辺13a,13cの中途部近傍にステージ部7,9や磁気センサチップ3,5を配する場合と比較して、磁気センサチップ3,5と重なるリードの数が減少する。したがって、矩形枠部13に対するリード15,16の配置を変えることなく、磁気センサチップ3,5と電気接続可能なリード16の数を十分に確保することができる。このため、磁気センサチップ3,5に対して多くの信号の入出力を行うことが可能となり、高機能な磁気センサ30の提供が可能となる。
また、2つのステージ部7,9や磁気センサチップ3,5を内方領域S1の同一の一辺13d,29gに寄せて配することにより、矩形枠部13の内方領域S1の余剰領域に別途補助ステージ部23や半導体チップ27を新たに配することができるため、矩形枠部13や樹脂モールド部29の大きさを変えることなく、さらに高機能な磁気センサ30を提供することが可能となる。
また、補助ステージ部23は、2つのステージ部7,9と同様に、フレーム部11に対して傾斜させるとしたが、半導体チップ27が温度センサチップや信号処理LSIである場合には補助ステージ部23を傾斜させる必要がないため、連結リード17の一端部17aに捻れ部を形成する必要はない。
すなわち、この実施形態に係るリードフレーム31や磁気センサ(図示せず)においては、平面視略矩形状に形成された2つのステージ部7,9及び磁気センサチップ3,5が、内方領域S1の対角線L3上に並べて配されている。そして、各ステージ部7,9は、対角線L3上に位置するリード15,16の不設置領域S2,S4に隣接して配されている。
なお、上述した樹脂形成空間は、樹脂モールド部29により画定される内方領域S1に相当している。
また、一方の角部13hと他方の角部13fとの間に傾斜したステージ部7,9や物理量センサチップ3,5が位置しないため、樹脂モールド部29を形成する際に、ステージ部7,9や物理量センサチップ3,5によって溶融樹脂の流れが妨げられることを防止できる。したがって、樹脂形成空間内に樹脂が届かない部分が形成されることを容易に防止できる。特に、ゲートMから樹脂形成空間に流入した樹脂を、ゲートMから最も遠くに位置する他方の角部L4まで容易に到達させることができる。
さらに、樹脂形成空間内に流入する樹脂の流れによってステージ部7,9や物理量センサチップ3,5が押されて、ステージ部7,9や物理量センサチップ3,5の傾斜角度が不意に変化することも防止できるため、ステージ部7,9に配される物理量センサチップ3,5の傾斜角度を精度良く設定することが可能となる。
さらに、各ステージ部7,9には一対の突出片19,21が形成されるとしたが、これに限ることはなく、各ステージ部7,9に対して突出片を1つだけ形成し、この突出片をステージ部7,9の幅寸法の半分から同等程度の広幅に形成するとしてもよい。この構成においても、各ステージ部7,9の傾斜時に押圧力を受ける突出片の先端部の面積が広くなるため、応力緩和により突出片の変形が防止され、ステージ部7,9の傾斜角度を安定させることができる。
さらに、ステージ部7,9は、突出片19,21を利用して傾斜させるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも樹脂モールド部29を形成する前に2つの磁気センサチップ3,5が相互に傾斜していればよい。
さらに、樹脂モールド部29によって、磁気センサチップ3,5、ステージ部7,9及びリード15,16を一体的に固定するとしたが、これに限ることはなく、例えば、パッケージとしての箱体の内部に磁気センサチップ3,5、ステージ部7,9及びリード15,16を収納し、これらを一体的に固定するとしても構わない。
さらに、本発明の実施形態では、3次元空間内の磁気方向を検出する磁気センサに適用して説明したが、これに限ることはなく、少なくとも3元空間内の方位や向きを測定する物理量センサであればよい。ここで物理量センサは、例えば、磁気センサチップの代わりに加速度の大きさや方向を検出する加速度センサチップを搭載した加速度センサであってもよい。
Claims (2)
- 平面視略矩形状に形成されたパッケージと、該パッケージの内部に固定されたステージ部と、該ステージ部の表面に載置された状態で該パッケージの内部に固定された平面視略矩形状の物理量センサチップと、前記パッケージによって区画される平面視略矩形の内方領域の各辺から前記パッケージの内方側に突出する複数のリードとを備え、
前記ステージ部に隣接する前記リードの先端部から中途部までの表面に、前記ステージ部の表面と同じ側に面する前記リードの表面から窪む凹状の溝が当該リードの幅方向にわたって形成され、
前記内方領域の角部には、前記リードを配さない不設置領域が形成され、
前記溝が形成された複数の前記リードの配列方向に延びる前記内方領域の一辺の両端の角部に位置する2つの不設置領域からそれぞれ前記パッケージの内方側に突出して同一の前記ステージ部に連結される2つの連結部を備え、
前記ステージ部に連結される前記連結部の一端部が、前記ステージ部を傾斜させるように捻れ変形された捻れ部とされ、
前記ステージ部及び前記物理量センサチップが前記リードに対して傾斜した状態において、前記ステージ部は、その表面が前記溝を形成した前記リードの表面よりも上方に位置するように、前記リードに対して前記パッケージの厚さ方向にずれて位置すると共に、前記ステージ部の表面からはみ出す前記物理量センサチップの一端部は、前記溝に入り込んでいることを特徴とする物理量センサ。 - 前記物理量センサチップが、前記2つの不設置領域のうち一方の不設置領域と前記パッケージの厚さ方向に重なることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ。
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