JP3823956B2 - 磁気センサの製造方法およびリードフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁界の方位を測定する磁気センサの製造方法およびこれに使用するリードフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、外部磁界の方位測定のために磁気を検出する磁気センサが利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来では、例えば、図8に示すように、基板63の表面63aに磁気センサ51,61を搭載した磁気センサユニット64が提供されており、この磁気センサユニット64は、外部磁界の方位を3次元的に測定することができる。
【0003】
すなわち、磁気センサ51は、外部磁界の2方向の磁気成分に対して感応する磁気センサチップ52を備えており、その感応方向は、基板63の表面63aに沿って互いに直交する方向(X方向、Y方向)となっている。また、磁気センサ61は、外部磁界の1方向の磁気成分に対して感応する磁気センサチップ62を備えており、その感応方向は、基板63の表面63aに直交する方向(Z方向)となっている。
外部磁界の方位は、これら磁気センサチップ52,62により3次元空間内の3つの磁気成分を検出して、3次元空間内のベクトルとして測定される。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−52918号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の磁気センサユニット64においては、磁気センサ51,61にそれぞれ1つの磁気センサチップ52,62しか備えていなかったため、各々の磁気センサ51,61を製造して、これらの磁気センサ51,61をそれぞれ基板63の表面63aに搭載する必要があり、結果として、製造工程が多く、製造コストが高くなるという問題があった。
また、磁気センサチップ62の感応方向が磁気センサチップ52の感応方向に直交するように、磁気センサ61を基板63の表面63aに精度よく搭載することが困難であるという問題があった。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、外部磁界の3次元的な方位を正しく測定すると共に、製造コストの削減を図ることができる磁気センサの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、少なくとも2つのステージ部と、その周囲に配されるリードを備えるフレーム部と、これらを連結する連結部とを有する金属製薄板からなるリードフレームと、前記各ステージ部にそれぞれ配置された磁気センサチップと、前記ステージ部及び磁気センサチップを所定の角度に傾斜した状態で支持して固定する樹脂モールド部を備える磁気センサであって、前記連結部は、前記ステージ部が並列する方向に沿って該ステージ部の中心を通る中心軸線の線対称となる位置で、各々のステージ部から一対突出して前記フレーム部に連結されると共に、塑性変形可能な捻れ部を有し、前記ステージ部の傾斜が、前記捻れ部の捻れ変形に伴っていることを特徴とする磁気センサを提案している。
【0008】
この発明に係る磁気センサによれば、フレーム部を固定した状態で、ステージ部を押圧することにより、各々のステージ部に連結された一対の連結部が突出する方向の軸線回りに捻れ部が捻れるため、ステージ部をフレーム部に対して容易に傾斜させることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、磁界の少なくとも1方向の磁気成分に対して感応する磁気センサチップを備えた磁気センサの製造方法であって、少なくとも2つのステージ部と、その周囲に配されるリードを備えるフレーム部と、これらを連結する連結部とを有する金属製薄板からなるリードフレームを用意する工程と、前記各ステージ部に磁気センサチップを接着する工程と、前記磁気センサチップと前記リードとを配線する工程と、金型内に前記リードフレームを固定する工程と、前記金型内でピンにより前記ステージ部を傾斜させると共に、前記連結部を捻れ変形させる工程と、前記金型内に樹脂を射出して前記リードフレームおよび磁気センサチップを樹脂によりモールドする工程とを備えることを特徴とする磁気センサの製造方法を提案している。
【0010】
この発明に係る磁気センサの製造方法によれば、ステージ部を傾斜させる前に、磁気センサチップを接着するため、各々のステージ部の表面を互いに平行に配して、これらの各表面に磁気センサチップを接着することができ、したがって、複数の磁気センサチップを同時にかつ容易に接着することが可能となる。
そして、ステージ部が傾斜するようにピンによりステージ部を押圧した状態で、樹脂によりモールドすることができるため、複数の磁気センサチップの表面が相互になす角度を容易にかつ精度よく設定することが可能となる。また、ステージ部を傾斜させる工程、および樹脂モールド部を形成する工程を同じ金型において行うことができるため、製造工程を省略することができる。
【0011】
以上のことから、例えば、一の磁気センサチップがその表面に沿って2つの感応方向を有し、他の磁気センサチップがその表面に沿って1つの感応方向を有している場合には、他の磁気センサチップの感応方向を、一の磁気センサチップの2つの感応方向を含む平面に対して精度よく交差させることができる。したがって、これら3つの感応方向により3次元空間内の3つの磁気成分を検出して、磁界の方位を3次元空間内のベクトルとして測定することが可能となり、磁界の方位正しくを測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明の磁気センサの製造方法により製造される磁気センサの構成について、図1,2を参照して説明しておく。この磁気センサ1は、外部磁界の向きと大きさを測定するものであり、2つの磁気センサチップ2,3と、これら磁気センサチップ2,3を外部に対して電気的に接続するための複数のリード4と、これら磁気センサチップ2,3およびリード4を一体的に固定する樹脂モールド部5とを備えている。
【0013】
磁気センサチップ2,3は、平面視矩形の板状に形成されており、それぞれステージ部6,7上に搭載されている。また、これら磁気センサチップ2,3は、樹脂モールド部5の内部に埋まっており、各リード4の基端部4aよりも樹脂モールド部5の上面5c側に配置されている。さらに、これら磁気センサチップ2,3は、樹脂モールド部5の下面5aに対して傾斜すると共に、磁気センサチップ2,3の一端部2b,3bが樹脂モールド部5の上面5c側に向くと共に、その表面2a,3aが相互に角度θをもって鋭角に傾斜している。
なお、ここで鋭角とは、ステージ部6の表面6aと、ステージ部7の裏面7bとのなす角度θである。
【0014】
磁気センサチップ2は、外部磁界の2方向の磁気成分に対してそれぞれ感応するものであり、これら2つの感応方向は、磁気センサチップ2の表面2aに沿って互いに直交する方向(A方向およびB方向)となっている。
また、磁気センサチップ3は、外部磁界の1方向の磁気成分に対して感応するものであり、その感応方向は、表面3aに沿ってA,B方向により画定される平面(A−B平面)と鋭角に交差する方向(C方向)となっている。
【0015】
各リード4は、銅材等の金属材料からなり、基端部4a、先端部4b、およびこれら基端部4aおよび先端部4bを連結する連結部4cとから形成され、例えば、クランク状の断面形状を有する。
各リード4の基端部4aは、その一部が樹脂モールド部5の内部に埋まっており、金属製のワイヤー8により磁気センサチップ2,3と電気的に接続されている。また、各リード4の先端部4bおよび連結部4cは、樹脂モールド部5の側面5bの外方に位置しており、先端部4bは、樹脂モールド部5の下面5aよりも下方に配置されている。
【0016】
次に、上述した磁気センサ1を製造するための方法を説明する。
はじめに、薄板状の金属板にプレス加工もしくはエッチング加工、あるいはこの両方の加工を施すことにより、図3,4に示すように、ステージ部6,7がフレーム部9に支持されたリードフレーム10を形成する。
フレーム部9は、ステージ部6,7を囲むように平面視矩形の枠状に形成された矩形枠部11と、この矩形枠部11から内方に向けて突出する複数のリード4,12とからなる。
【0017】
リード(連結部)12は、ステージ部6,7を矩形枠部11に対して固定するための吊りリードであり、リード12のステージ部6,7側の一端部12aは、ステージ部6,7を傾斜させる際に、容易に弾性変形または塑性変形、もしくはこれら両方の変形をして捻ることができる捻れ部となっている。すなわち、一端部12aは、その両方の側面に凹状の切り欠きを設けて、リード12の他の部分よりも細く形成されている。
この一端部12aの形成位置は、ステージ部6,7が並列する方向に沿って、各ステージ部6,7の中心を通る中心軸線Lの線対称となる位置となっている。
【0018】
このリードフレーム10を用意した後に、ステージ部6,7の表面6a,7aにそれぞれ磁気センサチップ2,3を接着すると共に、ワイヤー8を配して磁気センサチップ2,3とリード4とを電気的に接続する。
なお、ワイヤー8を配する際には、ステージ部6,7を傾斜させる段階において、ワイヤー8と磁気センサチップ2,3とのボンディング部分、およびリード4とのボンディング部分が互いに離れるため、ワイヤー8は、その長さもしくは高さに余裕を持たせた状態にて配される。
【0019】
次いで、図5に示すように、フレーム部9のうち、リード4,12の一部を除いた部分を金型D,Eにより挟み込む。これら金型D,Eは、磁気センサチップ2,3を樹脂の内部に埋めるためのものであり、金型Eの内面E1には、2つの孔E2が形成され、各孔E2には、内面E1から出没自在にピンFが取り付けられている。
【0020】
そして、この状態にて、これらピンFによりステージ部6,7の裏面6b,7b側の一端部6c,7cを上方に向けて押圧して、ステージ部6,7と共に磁気センサチップ2,3を相互に所定の角度に傾斜させる。
この際には、各ステージ部6,7の両側にある一端部12a,12aを結ぶ軸線(図5の示す破線)回りにステージ部6,7がそれぞれ回転して、一端部12aが捻れるように変形することになる。このため、磁気センサチップ2,3は、リード12や内面E1に対して傾斜した状態となる。
【0021】
その後、ピンFにより一端部6c,7cを押圧した状態で、金型D,E内に溶融樹脂を射出して、磁気センサチップ2,3を樹脂の内部に埋める樹脂モールド部を形成する。なお、ピンFは、樹脂が完全に硬化してから下方に移動する。これにより、磁気センサチップ2,3が、相互に傾斜した状態で、樹脂モールド部の内部に固定されることになる。
最後に、矩形枠部11、およびリード12のうち樹脂モールド部の外側に突出する部分を切り落として、図1に示す磁気センサ1の製造が終了する。
【0022】
この磁気センサ1は、例えば、図示しない携帯端末装置内の基板に搭載され、この携帯端末装置では、磁気センサ1により測定した地磁気の方位を携帯端末装置の表示パネルに示すようになっている。以下に、磁気センサ1による地磁気の方位測定について説明する。
すなわち、磁気センサチップ2,3は、A,B方向およびC方向に沿った地磁気成分をそれぞれ検出し、それぞれの地磁気成分に略比例した値Sa、SbおよびScをそれぞれ出力するようになっている。
【0023】
ここで、地磁気方向がA−B平面に沿っている場合には、出力値Saは、図6に示すように、磁気センサチップ2のB方向が東または西を向いた際にそれぞれ最大値または最小値となり、B方向が南または北を向いている場合に0となる。
また、出力値Sbは、磁気センサチップ2のB方向が北または南を向いている場合にそれぞれ最大値または最小値となり、B方向が東または西を向いている場合に0となる。
なお、グラフ中の出力値SaおよびSbは、規格化された値であり、実際に磁気センサ1から出力される値を、実際の出力値の最大値と最小値との差の1/2で除した値となっている。
【0024】
この際に、携帯端末装置の表示パネルに表示する方位は、東を0°として、南、西、および北の順に回転するにつれて角度の値が増大するように定義される方位aを、例えば、下記表1に示した数式に基づいて決定する。
【0025】
【表1】
【0026】
また、地磁気方向がA−B平面に対して交差している場合には、磁気センサチップ2に加えて、磁気センサチップ3によりC方向に沿った地磁気成分を検出し、この地磁気成分に略比例した値Scを出力する。
なお、出力値Scは、出力値Sa、Sbと同様に、実際に磁気センサ1から出力される値を、実際の出力値の最大値と最小値との差の1/2で除した値となっている。
【0027】
そして、この出力値Scに基づいてA−B平面に直交する方向の磁気成分の値を出力し、この値と出力値Sa、Sbとにより地磁気の方向を3次元空間内のベクトルとして測定する。
なお、A−B平面とC方向とがなす角度θは、0°よりも大きく、90°以下であり、理論上では、0°よりも大きい角度であれば3次元的な地磁気の方位を測定できる。ただし、実際上は20°以上であることが好ましく、30°以上であることがさらに好ましい。
【0028】
上記の磁気センサ1の製造方法によれば、ステージ部6,7を傾斜させる前に、磁気センサチップ2,3を接着するため、各々のステージ部6,7の表面6a,7aを互いに平行に配した状態にて、これらの各表面6a,7aに磁気センサチップ2,3を接着することができる。したがって、これら磁気センサチップ2,3を同時にかつ容易に接着することが可能となる。また、ステージ部6,7を傾斜させる工程、および樹脂モールド部5を形成する工程を同じ金型D,Eにおいて行うことができるため、製造工程を少なくして、磁気センサ1の製造コスト削減を図ることができる。
また、リード12の一端部12aが捻れ部となっているため、ピンFによりステージ部の6,7の一端部6c,7cを押圧する際に、一端部12aを変形させることにより、ステージ部6,7をフレーム部9に対して容易に傾斜させることができる。
【0029】
さらに、ステージ部6,7を傾斜させるようにピンFにより押圧した状態で、樹脂モールド部5を形成するため、これら磁気センサチップ2,3の表面2a,3aが相互になす角度を容易にかつ精度よく設定することが可能となる。
以上のことから、磁気センサチップ3の感応方向を、A−B平面に対して精度よく交差させて、これら3つの感応方向により地磁気の方位を3次元空間内のベクトルとして測定し、3次元空間内における地磁気の方位を正しく測定することができる。
【0030】
なお、上記の実施の形態においては、ピンFは、樹脂が完全に硬化した後に下方に移動するとしたが、その一端部12aの変形が、塑性変形か弾性変形かに応じて、ステージ部6,7が傾斜した状態を保持できていれば、どの段階でピンFを下方に移動させてもよい。すなわち、例えば、一端部12aの捻れ変形が主として塑性変形である場合には、樹脂射出の前にピンFを移動させることができる。
また、例えば、一端部12aの捻れ変形が塑性変形および弾性変形の両方である場合には、ステージ部6,7が傾斜した状態を保持できる程度に樹脂が硬化した段階でピンFを下方に移動させるとしてもよい。この場合には、ピンFが内面E1から突出していた領域に樹脂が回り込んで、ステージ部6,7を完全に樹脂の内部に埋めることができる。
【0031】
また、ピンFは、金型Eの内面E1から出没自在としたが、これに限ることはなく、金型Eの内面E1から常時突出していてもよい。この場合には、フレーム部9を金型D,Eに固定する段階において、ステージ部6,7を傾斜させることになる。
さらに、ピンFを金型Eに設けるとしたが、これに限ることはなく、金型Dに設けるとしてもよい。ただし、この場合には、ワイヤー8や磁気センサチップ2,3に接触しないように、ステージ部6,7の表面6a,7aを押圧する必要がある。
【0032】
また、各々のステージ部6,7をそれぞれ1つのピンFによって押圧するとしたが、これに限ることはなく、2つのピンにより押圧するとしてもよい。
例えば、金型Eから突出する一のピンにより裏面6b,7b側の一端部6c,7cを押圧すると共に、金型Dから突出する他のピンにより表面6a,7a側の一端部6c,7cとは異なる部分を押圧するとしてもよい。
【0033】
さらに、一端部12aは、凹状の切り欠きを有する形状とは限らず、ステージ部6,7を傾斜させる際に容易に捩ることができる形状であればよい。
また、捻れ部は、一端部12aに形成されるとしたが、これに限ることはなく、リード12のうち、一端部12aから矩形枠部11に至るまでの間に形成されていればよい。
【0034】
さらに、捻れ部を捻ることによりステージ部6,7を傾斜させるとしたが、これに限ることはなく、ステージ部6,7を支持すると共に、ステージ部6,7が容易に傾斜することができるようになっていればよい。したがって、例えば、図7に示すように、ステージ部6,7を支持する一端部12aが、屈曲するように弾性変形または塑性変形、もしくはこれら両方の変形をする位置に配されるとしてもよい。
【0035】
また、磁気センサチップ2,3は、その一端部2b,3bが樹脂モールド部5の上面5c側に向くように傾斜するとしたが、これに限ることはなく、磁気センサチップ3の感応方向がA−B平面と交差するように、磁気センサチップ2,3が相互に傾斜すると共に、フレーム部9に対して傾斜していればよい。
【0036】
さらに、磁気センサチップ2,3は、ステージ部6,7の表面6a,7aに接着されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも一方の磁気センサチップをステージ部6,7の裏面6b,7bに接着されるとしてもよい。
【0037】
また、磁気センサチップ2,3の2つ使用し、磁気センサチップ3が1つの感応方向を有するとしたが、これに限ることはなく、複数の磁気センサチップを使用し、3つ以上の感応方向が、地磁気の方向を3次元空間内のベクトルとして測定できるように、互いに交差していればよい。
すなわち、例えば、磁気センサチップ3が2つの感応方向を有するとしてもよいし、各々1つの感応方向を有する3つの磁気センサチップを使用するとしてもよい。
【0038】
また、例えば、リードフレーム10の内、ステージ部6,7を含むリード4の基端部4aよりも内側の領域は、ステージ部6,7をさらに容易に傾斜させることができるように、リードフレーム10の他の部分の半分の厚さ寸法としてもよい。
【0039】
さらに、各リード4は、クランク状の断面形状を有し、その先端部4bが樹脂モールド部5の下面5aよりも下方に配置されるとしたが、これに限ることはなく、リード4の一部が樹脂モールド部5の下面5a側に露出していればよい。
また、リード4、ワイヤー8の数および配置位置は、上記実施形態に限ることはなく、磁気センサチップの種類に応じて、磁気センサチップに対するワイヤー8の接着位置および接着する数を変えると共に、リード4の数および配置位置を変えるとしてよい。
【0040】
また、磁気センサ1を携帯端末装置に搭載するとしたが、この構成に限定されることなく、カテーテルやカメラ等の体内に挿入する医療機器に搭載してもよい。例えば、体内に挿入したカメラの方位を測定する場合には、体を貫通する磁界を発生させて、磁気センサ1によりその磁界の方向を測定させる。これにより、磁気センサ1と磁界との相対的な角度を3次元的に測定することができるため、磁界の方向を基準として、カメラの方位を正しく検出することができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、連結部が、ステージ部が並列する方向に沿ってステージ部の中心を通る中心軸線の線対称となる位置で、ステージ部から一対突出してフレーム部に連結されると共に、弾性変形または塑性変形、もしくはこれら両方の変形によって変形可能な捻れ部を有するため、ステージ部を押圧することにより、一対の連結部の突出方向の軸線回りに捻れ部が捻れて、ステージ部をフレーム部に対して容易に傾斜させることができる。
【0043】
また、請求項2に係る発明によれば、複数の磁気センサチップを同時にかつ容易にステージ部に接着し、また、ステージ部を傾斜させる工程、および樹脂モールド部を形成する工程を同じ金型において行うことができるため、製造工程を少なくして、磁気センサの製造コスト削減を図ることができる。
【0044】
また、ステージ部が傾斜するようにピンによりステージ部を押圧した状態で、樹脂によるモールドを行うことにより、複数の磁気センサチップの表面が相互になす角度を容易にかつ精度よく設定することが可能となる。
したがって、例えば、一の磁気センサチップが2方向の感応方向を、他の磁気センサチップが1方向の感応方向を有している場合には、磁界の方位を3次元空間内のベクトルとして測定し、3次元空間内の磁界の方位を正しく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る製造方法により製造される磁気センサを示す平面図である。
【図2】 図1の磁気センサの側断面図である。
【図3】 図1の磁気センサにおいて、リードフレームに磁気センサチップを搭載した状態を示す平面図である。
【図4】 図1の磁気センサにおいて、リードフレームに磁気センサチップを搭載した状態を示す側断面図である。
【図5】 図1の磁気センサにおいて、ステージ部および磁気センサチップを傾斜させる方法を示す側断面図である。
【図6】 図1の磁気センサの表面が地磁気の方向に沿って配されている場合における磁気センサの出力値Sa、Sbを示すグラフである。
【図7】 この発明の他の実施形態に係る製造方法により製造される磁気センサの要部を示すものであり、(a)は拡大平面図、(b)は拡大側断面図である。
【図8】従来の磁気センサユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・磁気センサ、2,3・・・磁気センサチップ、
4・・・リード、6,7・・・ステージ部、9・・・フレーム部、
10・・・リードフレーム、12・・・リード(連結部)、
12a・・・一端部(捻れ部)、D,E・・・金型、F・・・ピン
Claims (2)
- 少なくとも2つのステージ部と、その周囲に配されるリードを備えるフレーム部と、これらを連結する連結部とを有する金属製薄板からなるリードフレームと、
前記各ステージ部にそれぞれ配置された磁気センサチップと、
前記ステージ部及び磁気センサチップを所定の角度に傾斜した状態で支持して固定する樹脂モールド部を備える磁気センサであって、
前記連結部は、前記ステージ部が並列する方向に沿って該ステージ部の中心を通る中心軸線の線対称となる位置で、各々のステージ部から一対突出して前記フレーム部に連結されると共に、塑性変形可能な捻れ部を有し、
前記ステージ部の傾斜が、前記捻れ部の捻れ変形に伴っていることを特徴とする磁気センサ。 - 磁界の少なくとも1方向の磁気成分に対して感応する磁気センサチップを備えた磁気センサの製造方法であって、
少なくとも2つのステージ部と、その周囲に配されるリードを備えるフレーム部と、これらを連結する連結部とを有する金属製薄板からなるリードフレームを用意する工程と、
前記各ステージ部に磁気センサチップを接着する工程と、
前記磁気センサチップと前記リードとを配線する工程と、
金型内に前記リードフレームを固定する工程と、
前記金型内でピンにより前記ステージ部を傾斜させると共に、前記連結部を捻れ変形させる工程と、
前記金型内に樹脂を射出して前記リードフレームおよび磁気センサチップを樹脂によりモールドする工程とを備えることを特徴とする磁気センサの製造方法。
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