JP4232011B2 - 触媒装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は触媒装置に係り、詳しくは触媒コンバータを覆うカバーの取付構造に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
車両の排気系に設けられる触媒コンバータは高温になるため、遮熱用のカバーが装着されており、カバーの取付構造として種々の手法が採用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1に記載された触媒装置では、内部に触媒を収容した一対のシェルを最中状に重ね合わせて両側のフランジを接合して触媒コンバータを構成し、この触媒コンバータの両シェルに重なるように一対のカバーを配置して、各カバーの両側のフランジを触媒コンバータのフランジに重ねた状態でカシメにより相互に締結している。
【0003】
又、特許文献2に記載された触媒装置では、上記特許文献1と同様に触媒コンバータの両側のフランジにカバーのフランジを重ねた状態で、ボルトにより相互に締結している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−106336号公報
【特許文献2】
実開昭60−57720号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載のカシメによる締結と、特許文献2に記載のボルトによる締結とは利害得失がある。カシメによる締結は、カバーの突合せ部に沿った方向(カシメ部分の長手方向)では各フランジ間に生じる摩擦で相対変位を規制しているに過ぎないため十分な拘束力が得られず、触媒コンバータに対して両カバーがずれる可能性があった。この現象はマニホールド一体型触媒の場合に特に顕著に生じ、略直立配置された触媒コンバータの両側に沿ってカバーの突合せ部が上下方向となるため、カバーの重量をカシメによる各フランジの摩擦で支持することになり、カバーが下方にずれて脱落する懸念が生じた。
【0006】
又、ボルトによる締結は上記カバーの脱落の虞はないものの、触媒コンバータの複数箇所(触媒コンバータはある程度の長さを有するため、通常は左右両側で4箇所以上)にボルトを螺合するためのブラケットを設ける必要がある上に、各ブラケットに螺合するボルトを要することから、製造コストの高騰や重量増加を引き起こすという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、触媒コンバータに対してカバーを確実に取付けて、カバーの脱落等のトラブルを未然に防止できると共に、製造コストの高騰や重量増加を抑制することができる触媒装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、触媒を収納した触媒コンバータと、触媒コンバータを一側方から覆う第1カバーと、触媒コンバータを他側方から覆い、第1カバーとの突合せ部でカシメ固定された第2カバーとを有する触媒装置において、突合せ部を触媒下流側に向かうに従い第2カバー側に傾斜させることにより設けられ、第1カバーと第2カバーとの突合せ部に沿った方向の相対変位を規制する傾斜部と、触媒コンバータに第1カバーの内側面と対向して設けられた被締結部と、第1カバーを触媒コンバータの被締結部に締結する締結手段とを備えたものである。
【0009】
従って、第1及び第2カバーが触媒コンバータを覆うように配設されてカシメにより固定されると共に、第1カバーの傾斜部により第2カバーの触媒下流側への変位が規制され、更に触媒コンバータの被締結部に対して第1カバーが締結手段により締結され、これによりカバーの脱落等が防止される。
ここで、第1及び第2カバーの突合せ部に沿った方向への相対変位に対して、カシメ固定では両カバーの摩擦により規制するだけであるが、第1カバーが触媒コンバータに締結手段で締結されると共に、第1カバーに対する第2カバーの触媒下流側への変位が傾斜部により規制されているため、結果として触媒コンバータに対して第1及び第2カバーが突合せ部に沿った方向に相対変位する事態が確実に防止される。
【0010】
そして、カシメ固定のためのフランジ等は、第1及び第2カバー自体のプレス成形時に同時に成形可能なため、それほどの製造コストを要することなく重量増加も軽微であり、一方、触媒コンバータに対する第1カバーの締結は1箇所でも機能することから、被締結部及び締結手段の数を減らすことができ、全体として製造コストの高騰や重量増加が抑制される。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1において、被締結部が、触媒コンバータの上流側又は下流側を排気通路と接続するためのフランジ部に設けられたものである。
従って、触媒コンバータの上流側又は下流側のフランジ部の位置は排気通路側との接続のために製造時に厳密に管理されているため、このフランジ部に設けられた被締結部の位置も正確なものとなり、カバーを無理なく触媒コンバータに取付可能となる。
【0020】
請求項3の発明は、触媒を収納した触媒コンバータと、触媒コンバータを一側方から覆う第1カバーと、触媒コンバータを他側方から覆い、第1カバーとの突合せ部でカシメ固定された第2カバーとを有する触媒装置において、触媒コンバータに設けられた複数のブラケットと、第2カバーに触媒コンバータの各ブラケットと対応して設けられた複数のフランジと、第1カバーに触媒コンバータの各ブラケットと対応して設けられ、触媒コンバータの各ブラケット及び第2カバーの各フランジを挟んだ状態で折返されてカシメ固定されると共に、折返し線を相互に逆方向に傾斜させた複数のフランジとを備えたものである。
【0021】
従って、触媒コンバータのブラケットの端部及び第2カバーのフランジの端部は、第1カバーのフランジの折返し箇所に内方から当接して、折返し線の傾斜に応じて突合せ部に沿った一方向への変位が規制される。ここで、第2カバーの各フランジの折返し線は相互に逆方向に傾斜しているため、結果として突合せ部に沿った両方向への相対変位が規制される。
【0022】
そして、第1及び第2カバーのフランジはカバー自体のプレス成形時に同時に成形可能なため、それほどの製造コストを要することなく重量増加も軽微であり、一方、触媒コンバータのブラケットも製造コストを要することなく重量増加も軽微なため、全体として製造コストの高騰や重量増加が抑制される。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明をマニホールド一体型触媒装置に具体化した第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態のカバーを取外した触媒装置を示す正面図、図2は同じくカバーを取外した触媒装置を示す側面図である。エキゾーストマニホールド1の排気フランジ2は図示しないエンジンにボルトにより固定されており、エキゾーストマニホールド1の#1及び#4の排気管1a,1dは触媒装置の第1触媒コンバータ3の上部に接続され、#2及び#3の排気管1b,1cは触媒装置の第2触媒コンバータ4の上部に接続されている。
【0024】
第1及び第2触媒コンバータ3,4はそれぞれ上下方向に延びる略円筒状をなして併設され、その内部にはそれぞれ触媒が収容されている。本実施形態では、これらの触媒コンバータ3,4が、断面円形状のパイプ材3a,4aの上下にプレス成形した接続部3b,4bを溶接固定して構成されている。両触媒コンバータ3,4の下端には共通の排気フランジ5が溶接固定され、排気フランジ5は図示しない排気通路と接続されている。エンジンから排出された排ガスはエキゾーストマニホールド1の各排気管1a〜1dを経てそれぞれの触媒コンバータ3,4内を流通し、その後に排気通路内を流通して図示しない床下触媒や消音器を経て外部に排出される。
【0025】
尚、エキゾーストマニホールド1の排気管1b,1cにはブラケット6が溶接固定され、これらのブラケット6を利用して図示しない遮熱カバーが取付けられる。又、第1及び第2触媒コンバータ3,4の上部にはセンサ取付ねじ部7が設けられ、各センサ取付ねじ部7には図示しないO2センサが取付けられる。
図1において、第1触媒コンバータ3の左側及び第2触媒コンバータ4の右側には、それぞれ上下に所定間隔をおいて一対のブラケット8が溶接固定され、各ブラケット8はL字状に折曲されてその一辺を側方に突出させている。
【0026】
図3はカバーを取付けた触媒装置を示す正面図、図4は同じくカバーを取付けた触媒装置を示す側面図、図5はブラケット及びフランジのカシメ箇所を示す図3のV−V線断面図である。第1及び第2触媒コンバータ3,4には、反エンジン側から第1カバー11が配設され、エンジン側から第2カバー12が配設され、これらのカバー11,12により両触媒コンバータ3,4の側面全体が取り囲まれて覆われている。尚、本実施形態では触媒コンバータ3,4の側面とカバー11,12との間に、遮熱及び遮音を目的としてインシュレータ13(図5に示す)を介装しているが、インシュレータ13は省略してもよい。
【0027】
第1及び第2カバー11,12の左右両側には触媒コンバータ3,4の各ブラケット8と対応するようにフランジ11a,12aが形成され、両カバー11,12の各フランジ11a,12aは触媒コンバータ3,4のブラケット8を挟んで重ねられている。その結果、第1及び第2カバー11,12は触媒コンバータ3,4のブラケット8を境界として相互に突き合せられて、上方から下方に直線状に延びる突合せ部14を形成すると共に、突合せ部14の下側は下方に向かうに従ってエンジン側に傾斜し、この箇所を傾斜部14aとしている。
【0028】
図5に示すように、第2カバー12のフランジ12aに対して第1カバー11のフランジ11aは側方への突出長が大きく、第1カバー11のフランジ11aは第2カバー12のフランジ12a及び触媒コンバータ3,4のブラケット8を挟んだ状態でエンジン側に折返されてカシメ固定されている。これにより、触媒コンバータ3,4を内包した状態で第1及び第2カバー11,12が相互に締結されている。
【0029】
図6はカバー11,12に形成された係合部を示す図3のA矢視図である。第1カバー11の左右両側には、それぞれ上下のフランジ11aの間に係合部11bが形成され、同様に第2カバー12の左右両側には、それぞれ上下のフランジ12aの間に係合部12bが形成されている。第1カバー11の係合部11bと第2カバー12の係合部12bとはエンジン側に向けて略台形状に折曲され、相互に重なり合って係合して両カバー11,12の上下方向の相対変位を規制している。
【0030】
図7は触媒コンバータ3,4と第1カバー11との締結状態を示す拡大断面図である。図1及び図7に示すように、触媒コンバータ3,4の排気フランジ5(フランジ部)の上面には、反エンジン側で両触媒コンバータ3,4の間に位置するように取付ブラケット15(被締結部)が溶接固定されている。取付ブラケット15はL字状に折曲されて、その一辺はナット15aが溶接固定されて第1カバー11の内側面に重ねられている。第1カバー11には取付ブラケット15のナット15aと対応するようにボルト孔16が貫設され、このボルト孔16を介してボルト17(締結手段)が取付ブラケット15のナット15aに螺合されて、第1カバー11が触媒コンバータ3,4の排気フランジ5に締結されている。
【0031】
以上のように構成された本実施形態の触媒装置では、触媒コンバータ3,4の側面を覆うように第1及び第2カバー11,12が配設されてカシメ固定されると共に、係合部11b,12bの係合により上下方向の相対変位を規制され、更に第1カバー11がボルト17により触媒コンバータ3,4のフランジ5に締結されている。
【0032】
ここで、触媒コンバータ3,4に対する第1及び第2カバー11,12の左右方向及び前後方向(相互に接離する方向)の相対変位は、触媒コンバータ3,4のブラケット8及び第1及び第2カバー11,12のフランジ11a,12aによるカシメの形状的な作用で規制されるものの、両カバー11,12の突合せ部14に沿った上下方向の拘束力は、カシメによるブラケット8とフランジ11a,12aとの間の摩擦で規制しているだけであり、両カバー11,12の重量を支持するには不十分である。
【0033】
しかしながら、第1カバー11は触媒コンバータ3,4の排気フランジ5にボルト17で締結され、この第1カバー11に対して第2カバー12は係合部11b,12bにより上下方向の相対変位が規制され、しかも、突合せ部14の傾斜部14aにおいても第2カバー12の下方の相対変位が規制されている。
結果として触媒コンバータ3,4の排気フランジ5に対して、ボルト17により第1カバー11の重量が直接的に支持される一方、この第1カバー11を介して第2カバー12の重量が間接的に支持されることになり、両カバー11,12が触媒コンバータ3,4に対して下方にずれて脱落する事態を未然に防止して、これらのカバー11,12を強固に固定することができる。
【0034】
一方、ボルト17によるカバー11,12の締結は1箇所のみであり、例えば先行技術として説明した特許文献2に記載の触媒装置のようにカバーを4箇所以上でボルト固定する場合に比較して、締結に要する取付ブラケット15及びボルト17の数が大幅に低減される。又、触媒コンバータ3,4側にはカシメ固定のための各ブラケット8を溶接固定する必要はあるものの、第1及び第2カバー11,12側の各フランジ11a,12a及び係合部11b,12bはカバー自体のプレス成形時に同時に成形可能であるため、これらカシメ固定のための構成にそれほどの製造コストは必要なく、重量増加もごく軽微である。よって、ボルト固定のみを用いた特許文献2の触媒装置等と比較すると、全体として製造コストの高騰や重量増加を大幅に抑制することができる。
【0035】
尚、上記のようにボルト固定により第1及び第2カバー11,12の脱落を防止しているため、両カバー11,12を触媒コンバータ3,4側に対してカシメ固定する必要は必ずしもない。従って、図8に示すように触媒コンバータ3,4の各ブラケット8を省略して、第1及び第2カバー11,12を相互にカシメ固定するだけとしても、カバー11,12の脱落防止に関しては上記実施形態と遜色のない作用が得られ、このように構成することで製造コストや重量を更に低減することができる。
【0036】
更に、触媒コンバータ3,4の排気フランジ5の位置は排気通路側との接続のために製造時に厳密に管理されており、この排気フランジ5にボルト固定用の取付ブラケット15を設けているため、取付ブラケット15を利用した第1及び第2カバー11,12の取付位置も正確なものとなる。よって、不適切な取付位置で第1及び第2カバー11,12が固定されたときの不具合、例えば熱膨張・収縮に伴ってカバー11,12に無理な力が作用して破損する等の不具合を未然に回避できるという利点も得られる。
【0037】
又、ボルト固定用の取付ブラケット15が触媒コンバータ3,4の下流側の排気フランジ5に設けられているため、第1及び第2カバー11,12が熱の影響を受け難く熱膨張・収縮が少なくなることも、上記破損等の不具合を回避できる要因となる。加えて、取付ブラケット15が両触媒コンバータ3,4の間に位置しているため、第1及び第2カバー11,12は左右方向の重心位置付近でボルト17によりバランスよく固定され、この要因も上記破損等の回避に貢献する。
【0038】
一方、特許文献2の触媒装置のようにカバーをボルト固定した場合、各ボルトはカバーのフランジの箇所、つまりカバーの周縁付近を締結することになるため、ボルトの締結力によりカバーにクラックが生じ易いという問題がある。これに対して本実施形態では、ボルト17の締結箇所が第1カバー11の比較的中央寄りのため、このような不具合を防止できるという利点もある。
【0039】
ところで、本実施形態では係合部11b,12bを略台形状に形成したが、係合部11b,12bの形状はこれに限ることはなく、例えば図9に示すように略半円状に形成したり、或いは図10に示すように略三角状に形成したりしてもよい。
又、本実施形態では、第2カバー12の下方への変位を係合部11b,12b及び傾斜部14aにより規制したが、係合部11b,12bと傾斜部14aの何れか一方のみでも十分な相対変位の規制作用が得られるため、他方を省略して構成してもよい。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明を別のマニホールド一体型触媒装置に具体化した第2実施形態を説明する。第1実施形態に対する本実施形態の相違点は、第1及び第2カバー11,12を個別にボルト固定している点にある。よって、第1実施形態と構成が共通の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
【0041】
図11は本実施形態のカバー11,12を取付けた触媒装置を示す側面図、図12は触媒コンバータ3,4と第1及び第2カバー11,12との締結状態を示す拡大断面図である。第1カバー11は上記第1実施形態と同様に、触媒コンバータ3,4側の排気フランジ5の取付ブラケット15を利用してボルト17により固定されており、この第1カバー11の各フランジ11aは第2カバー12の各フランジ12a及び触媒コンバータ3,4の各ブラケット8に対してカシメ固定されている。そして、本実施形態では両カバー11,12に係合部11b,12b及び傾斜部14aは形成されておらず、両カバー11,12の突合せ部14は上下方向に直線状をなして延びている。
【0042】
又、第2カバー12の下部は第1カバー11と同様に触媒コンバータ3,4側にボルト固定されている。即ち、触媒コンバータ3,4の排気フランジ5には、第1カバー11用の取付ブラケット15の反対側(エンジン側)に第2カバー12用の取付ブラケット21(被締結部)が溶接固定され、この取付ブラケット21のナット21aに対してボルト22(締結手段)により第2カバー12が締結されている。
【0043】
以上のように構成された本実施形態の触媒装置では、第1及び第2カバー11,12をカシメ固定して左右方向及び前後方向の相対変位を規制した上で、両カバー11,12を触媒コンバータ3,4の排気フランジ5に対してボルト17,22でそれぞれ締結しているため、第1実施形態と同じく、両カバー11,12が触媒コンバータ3,4に対して下方にずれて脱落する事態を未然に防止し、これらのカバー11,12を強固に固定することができる。
【0044】
一方、第1実施形態と比較して、触媒コンバータ3,4に対するボルト17,22によるカバー11,12の締結は2箇所に増加するものの、係合部11b,12bや傾斜部14aの省略により若干重量が軽減されるため、全体としての重量増加は僅かである。従って、4箇所以上でボルト固定する特許文献2の触媒装置と比較すれば、依然として製造コスト及び重量の点で有利である。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明を別のマニホールド一体型触媒装置に具体化した第3実施形態を説明する。第1実施形態に対する本実施形態の相違点は、第1及び第2カバー11,12を単一のカバー31として構成した点にある。よって、第1実施形態と構成が共通の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
【0046】
図13は本実施形態の触媒装置を示す分解斜視図である。カバー31は触媒コンバータ3,4と対応する断面略ひょうたん型の筒状をなすようにプレス成形され、その右側は切り離されて相対向するように上下一対のフランジ31a,31bがそれぞれ形成されている。カバー31は触媒コンバータ3,4に下方から嵌め込まれ、切離し箇所は相互に重なって上下に延びる突合せ部32を形成すると共に、相対向するフランジ31a,31bが互いに重ねられてカシメ固定されている。第1実施形態と同じく、触媒コンバータ3,4の排気フランジ5には取付ブラケット33(被締結部)が溶接固定され、この取付ブラケット33を利用してボルト34(締結手段)によりカバー31が締結されている。
【0047】
以上のように構成された本実施形態の触媒装置では、カバー31が一体となっている点以外は第1実施形態と同様であり、カバー31を触媒コンバータ3,4の排気フランジ5にボルト34により締結することで、カバー31が下方にずれて脱落する事態を未然に防止できる。しかも、第1実施形態のカバー11,12に比較して左側のフランジ11a,12aが省略されるため、その分だけ製造コストや重量を低減できる上に、カシメ固定の際には単一のカバー31を取扱うことになるため、カシメ作業を容易に実施できるという利点も得られる。
【0048】
尚、本実施形態では触媒コンバータ3,4のカシメ固定用のブラケット8を省略したが、触媒コンバータ3,4の右側にブラケット8を設けて、当該ブラケット8を挟んでカバー31側のフランジ31a,31bを重ねた状態でカシメ固定してもよい。
又、本実施形態では第1実施形態で述べた係合部11b,12b及び傾斜部14aを省略したが、これらの係合部11b,12b及び傾斜部14aを設けてもよく、この場合にはカバー端部が突合せ部32で上下方向にずれるのを防止して、カバー31をより強固に固定することができる。
【0049】
[第4実施形態]
次に、本発明を別のマニホールド一体型触媒装置に具体化した第4実施形態を説明する。第1実施形態に対する本実施形態の相違点は、ボルト17による固定に代えて、フランジ形状を変更することでカバー11,12の上下方向の相対変位を規制している点にある。よって、第1実施形態と構成が共通の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
【0050】
図14は本実施形態の触媒装置のカシメ箇所を示す拡大図であり、この図は第1実施形態の図3の矢視B、つまりエンジン側から見た左側フランジ11a,12aを示しているが、右側フランジも左右対称の同一構成となっている。第1実施形態と同様に、第1及び第2カバー11,12の各フランジ11a,12aは、触媒コンバータ3,4の各ブラケット8を挟んだ状態でそれぞれカシメ固定されている。ここで、図に示すように、触媒コンバータ3,4の上側のブラケット8の端部、及び第2カバー12の上側のフランジ12aの端部は、下方に向かうに従い触媒コンバータ3,4の外側(図では左側)に傾斜する斜状をなし、一方、触媒コンバータ3,4の下側のブラケット8の端部、及び第2カバー12の下側のフランジ12aの端部は、下方に向かうに従い触媒コンバータ3,4の内側(図では右側)に傾斜する斜状をなしている。
【0051】
そして、これらのブラケット8及びフランジ12aの傾斜した端部を折返し線Lとして、第1カバー11のフランジ11aが折返されてカシメ固定されている。従って、触媒コンバータ3,4のブラケット8の端部及び第2カバー12のフランジ12aの端部は、第1カバー11のフランジ12の折返し箇所に内方から当接し、第1カバー11の上側のフランジ11aの折返し箇所では、触媒コンバータ3,4のブラケット8及び第2カバー12のフランジ12aの上方への相対変位が規制され、第1カバー11の下側のフランジ11aの折返し箇所では、触媒コンバータ3,4のブラケット8及び第2カバー12のフランジ12aの下方への相対変位が規制される。
【0052】
つまり、本実施形態では、触媒コンバータ3,4に対する第1及び第2カバー11,12の左右方向及び前後方向の相対変位のみならず、上下方向の相対変位もブラケット8及びフランジ11a,12aによるカシメの形状的な作用で規制している。
本実施形態では、以上の構成だけで触媒コンバータ3,4に第1及び第2カバー11,12が固定され、第1実施形態のようにボルト17によるカバー11,12の固定は実施していないが、上記のようにカシメ箇所が同様の作用を奏するため、これらのカバー11,12が下方にずれて脱落する事態を未然に防止することができる。
【0053】
そして、第1実施形態で述べたように第1及び第2カバー11,12のフランジ11a,12aはカバー自体のプレス成形時に同時に成形可能なため、それほどの製造コストを要することなく重量増加も軽微である上、取付ブラケット15及びボルト17を省略できるため、第1実施形態に比較して製造コストや重量増加を一層低減することができる。
【0054】
尚、本実施形態では、触媒コンバータ3,4のブラケット8を第1及び第2カバー11,12のフランジ11a,12aと共にカシメ固定することで、触媒コンバータ3,4に対するカバー11,12の上下方向の相対変位を規制したが、例えば触媒コンバータ3,4のブラケット8を省略し、代わりに第1実施形態と同じく第1カバー11をボルト17により触媒コンバータ3,4の排気フランジ5に締結してもよい。
【0055】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記各実施形態ではマニホールド一体型触媒装置に具体化して、自重によるカバー11,12,31の脱落を防止したが、適用対象はこれに限るものではない。触媒コンバータを略水平配置した床下触媒装置ではカバー11,12,31の突合せ部14,32が水平になるため、自重によりカバー11,12,31が脱落する可能性は低いものの、走行時の振動で脱落する虞がある。従って、床下触媒装置に具体化してもよく、この場合であっても上記各実施形態と同様の脱落防止及びコストや重量低減の効果を得ることができる。
【0056】
又、上記各実施形態では、第1及び第2触媒コンバータ3,4を備えた触媒装置に具体化したが、単一の触媒コンバータを備えた触媒装置としてもよい。又、触媒コンバータ3,4の構造に関しても、パイプ材3aを用いる代わりに一対のシェルを最中状に重ね合わせた構造としてもよい。
更に、上記各実施形態では、触媒コンバータ3,4の取付ブラケット15,21,33側をナット15a,21aとし、ボルト17,22,34を螺合させることでカバー11,12,31を締結したが、逆に取付ブラケット15,21,33側をスタッドボルトとし、ナットを螺合させることでカバー11,12,31を締結し、カバー取付時の位置決めを容易とする構成にしてもよい。又、取付ブラケット15,21,33の位置も排気フランジ5上の触媒コンバータ3,4の間に限ることはなく、排気フランジ5上の別の位置、或いは触媒コンバータ3,4のパイプ材3aや接続部3bに取付ブラケット15,21,33を設けてもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明の触媒装置によれば、触媒コンバータを覆うように第1及び第2カバーを配設してカシメ固定すると共に、第1カバーに対する第2カバーの触媒下流側への変位を傾斜部により規制し、第1カバーを触媒コンバータの被締結部に対して締結手段により締結したため、触媒コンバータに対してカバーを確実に取付けて、カバーの脱落等のトラブルを未然に防止できると共に、製造コストの高騰や重量増加を抑制することができる。
【0060】
請求項2の発明の触媒装置によれば、請求項1に加えて、被締結部を触媒コンバータの上流側又は下流側を排気通路と接続するためのフランジ部に設けたため、カバーを無理なく触媒コンバータに取付けて、カバーの破損等の不具合を未然に回避することができる。
請求項3の発明の触媒装置によれば、触媒コンバータのブラケット及び第2カバーのフランジを挟んだ状態で第1カバーのフランジを折返してカシメ固定すると共に、各フランジの折返し線を相互に逆方向に傾斜させて相対変位を規制したため、触媒コンバータに対してカバーを確実に取付けて、カバーの脱落等のトラブルを未然に防止できると共に、製造コストの高騰や重量増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のカバーを取外した触媒装置を示す正面図である。
【図2】同じくカバーを取外した触媒装置を示す側面図である。
【図3】同じくカバーを取付けた触媒装置を示す正面図である。
【図4】同じくカバーを取付けた触媒装置を示す側面図である。
【図5】ブラケット及びフランジのカシメ箇所を示す図3のV−V線断面図である。
【図6】カバーに形成された係合部を示す図3のA矢視図である。
【図7】触媒コンバータと第1カバーとの締結状態を示す拡大断面図である。
【図8】触媒コンバータのブラケットを省略した別例を示す図5に対応する断面図である。
【図9】係合部を略半円状に形成した別例を示す図6に対応する図である。
【図10】係合部を略三角状に形成した別例を示す図6に対応する図である。
【図11】第2実施形態のカバーを取付けた触媒装置を示す側面図である。
【図12】触媒コンバータと第1及び第2カバーとの締結状態を示す拡大断面図である。
【図13】第3実施形態の触媒装置を示す分解斜視図である。
【図14】第4実施形態の触媒装置のカシメ箇所を示す拡大図である。
【符号の説明】
3 第1触媒コンバータ
4 第2触媒コンバータ
5 排気フランジ(フランジ部)
8 ブラケット
11 第1カバー
11a フランジ
11b 係合部
12 第2カバー
12a フランジ
12b 係合部
14,32 突合せ部
14a 傾斜部
15,21,33 取付ブラケット(被締結部)
17,22,34 ボルト(締結手段)
31 カバー
L 折返し線
Claims (3)
- 触媒を収納した触媒コンバータと、
上記触媒コンバータを一側方から覆う第1カバーと、
上記触媒コンバータを他側方から覆い、上記第1カバーとの突合せ部でカシメ固定された第2カバーと
を有する触媒装置において、
上記突合せ部を上記触媒下流側に向かうに従い上記第2カバー側に傾斜させることにより設けられ、上記第1カバーと上記第2カバーとの上記突合せ部に沿った方向の相対変位を規制する傾斜部と、
上記触媒コンバータに上記第1カバーの内側面と対向して設けられた被締結部と、
上記第1カバーを上記触媒コンバータの被締結部に締結する締結手段と
を備えたことを特徴とする触媒装置。 - 上記被締結部は、上記触媒コンバータの上流側又は下流側を排気通路と接続するためのフランジ部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の触媒装置。
- 触媒を収納した触媒コンバータと、
上記触媒コンバータを一側方から覆う第1カバーと、
上記触媒コンバータを他側方から覆い、上記第1カバーとの突合せ部でカシメ固定された第2カバーと
を有する触媒装置において、
上記触媒コンバータに設けられた複数のブラケットと、
上記第2カバーに上記触媒コンバータの各ブラケットと対応して設けられた複数のフランジと、
上記第1カバーに上記触媒コンバータの各ブラケットと対応して設けられ、該触媒コンバータの各ブラケット及び上記第2カバーの各フランジを挟んだ状態で折返されてカシメ固定されると共に、折返し線を相互に逆方向に傾斜させた複数のフランジと
を備えたことを特徴とする触媒装置。
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