JP4231772B2 - 自動車用シール部品 - Google Patents

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Description

本発明は、主にドアグラスラン、ドアウエストシールやドアウェザーストリップといった自動車用シール部品の構造に関するものであり、より詳しくは、ドアガラスやドアパネル等の相手側部材に弾接することによってシール機能もしくは保持機能を発揮するリップ部を有する自動車用シール部品の構造に関するものである。
例えば自動車用ドアウエストシールでは、ドアガラスと弾接することによってシール機能を発揮するシールリップと、シール部品を車体に固定するためにドアパネルと弾接することによって保持機能を発揮する保持リップを有している。上記のシールリップと保持リップは共に形状を撓ませることによりシール機能もしくは保持機能を発揮するが、リップ部には圧縮変形する部位と伸び変形する部位が存在し、変形を繰り返すことにより圧縮変形する側の部位は圧縮永久歪みとして、伸び変形する側の部位は永久伸びとして歪みが残存することになり、リップ部のシール機能や保持機能を低下させることになる。
なお、これらのリップ部は、通常、耐圧縮永久歪み性に優れる熱可塑性エラストマーをもって単一層構造に形成したものが多く採用されている。
上記リップ部の物性変化対策として、線膨張率が異なる二種類以上の熱可塑性エラストマーをドアウエストシールのシールリップに使用した例が特許文献1に開示されている。同特許文献1によれば、ウエストシールにおいてドアガラスに弾接するリップ部のうちドアガラスと接触する面を線膨張係数の小さい熱可塑性エラストマーで形成し、そのリップ部の裏面側を線膨張係数の大きい熱可塑性エラストマーで形成することにより、季節の気温変動に伴う熱可塑性エラストマーの軟化によるシール機能の低下や、熱可塑性エラストマーの硬化によってドアガラスの摺動運動が制限される等の不具合を改善できるとされている。
特開2001−10348号公報(図2)
しかしながら、特許文献1に開示された例のようにシールリップ部の表面側と裏面側を線膨張係数の異なる熱可塑性エラストマーで形成した場合には、ウエストシールの長手方向と直角な断面内ではある程度の効果が期待できるものの、ウエストシールの長手方向にも同様に温度変化による伸縮をするため、いわゆる「波打ち」現象が発生してシール線が確保できなくなるおそれがある。
また、線膨張係数の大きい熱可塑性エラストマーの伸縮に伴い線膨張係数の小さい熱可塑性エラストマーも伸縮を繰り返すためにストレスがかかり、その線膨張係数の小さい熱可塑性エラストマーはクリープによる塑性変形やフィブリル化によって耐へたり性が低下し、シール機能を損なうおそれがある。
さらに、特許文献1で例として挙げられていたアイオノマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、及びポリアミド系熱可塑性エラストマーは耐圧縮永久歪み性があまり優れていないため、繰り返し圧縮永久歪みを与えられることよって耐へたり性が低下するばかりでなく、アイオノマーは耐熱性が低く高温状態で応力がかかるとクリープが発生するのでシール機能を損なうおそれがある。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、上記ドアウエストシール、ドアグラスランやドアウェザーストリップといった自動車用シール部品におけるリップ部の耐へたり性を改善し、繰り返し圧縮変形や伸び変形をするリップ部においてシール機能や保持機能を十分に確保できる自動車用シール部品を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、相手側部材に弾接することによって変形するリップ部を有する自動車用シール部品において、リップ部のうち相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位が、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位よりも圧縮永久歪みの小さい熱可塑性エラストマーで形成され、同じくリップ部において相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位が、相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位よりも永久伸びの小さい熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする。
より具体的には、請求項2に記載の発明のように、上記リップ部において相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位が炭酸カルシウム、タルク、クレイなどの無機フィラーを含む熱可塑性エラストマーで形成され、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位が炭酸カルシウム、タルク、クレイなどの無機フィラーを含まない熱可塑性エラストマー、もしくは圧縮変形する部位よりも無機フィラーの含有量が少ない熱可塑性エラストマーで形成されているものとする。なお、上記無機フィラーの添加量は、例えば10〜30wt%程度とする。
もしくは、請求項3に記載の発明のように、上記リップ部において相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位がスチレン系熱可塑性エラストマーで形成されているものとする。
つまり、請求項2,3に記載の発明は、耐圧縮歪み性に優れた材料および耐永久伸び性に優れた材料をより具体化したものである。
より望ましくは、請求項4に記載の発明のように、上記リップ部の機能を一層向上させるために実質的に請求項2と3に記載の材料を併用するものとする。すなわち、相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位が、炭酸カルシウム、タルク、クレイなどの無機フィラーを含む完全架橋型の熱可塑性エラストマーで形成され、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位が、炭酸カルシウム、タルク、クレイなどの無機フィラーを含まない完全架橋型の熱可塑性エラストマー、もしくは圧縮変形するリップ部よりも含有量が少ない完全架橋型の熱可塑性エラストマーで形成されているものとする。
請求項1に記載の発明によれば、リップ部において圧縮変形する部位に圧縮永久歪みの小さい熱可塑性エラストマーを使用し、伸び変形する部位に永久伸びの小さい熱可塑性エラストマーを使用することによって耐へたり性を改善し、ドアウエストシール等の自動車用シール部品のシール機能や保持機能を向上させることができる。
請求項2〜4の記載の発明によれば、上記リップ部において圧縮変形または伸び変形する各部位に、無機フィラーを含有させたり、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等を使い分けたり、もしくはそれらを併用することによって耐へたり性を一段と改善し、ドアウエストシール等の自動車用シール部品のシール機能や保持機能を一段と向上させることができる。
本発明の好ましい第1の実施の形態として図1にドアグラスランの構造を示している。
図1に断面図で示されているドアグラスラン10は略コ字状の均一断面形状に押出し成形されているものであって、左右一対の側壁部11と底壁部12からなるドアグラスラン本体部(以下、単に本体部とする)13と、その本体部13の開口部からドアグラスラン10の内部方向へ斜めに突出しているリップ部としての一対のシールリップ14と、底壁部12及びシールリップ14において摺動抵抗低減のために表面に塗布もしくは一体に成形してある摺動材15とから大略構成されている。
また、このドアグラスラン10は、本体部13が仮想線で示すドアサッシュ18に嵌合保持されることによってドアサッシュ18の内周側に連続して取り付けられているものである。
ここで、ドアグラスラン10全体は熱可塑性エラストマーで形成されているものであるが、側壁部11及び底壁部12が単一の層で形成されているのに対し、側壁部11と底壁部12とのなすコーナー部16とシールリップ14は摺動材15を除いて、二層で形成されている。
より詳しくは、ドアサッシュ18に取付ける前のフリー状態でのドアグラスラン10は、図2に示すように、ドアサッシュ18に取付けた状態と比較して、コーナー部16の角度が大きい形状となっている。そして、ドアグラスラン10をドアサッシュ18に取付けた状態では側壁部11が起立するように変形し、コーナー部16がフリー状態に戻ろうとする復元力をもってドアサッシュ18に対する保持性を確保している。また、ドアグラスラン10はドアガラス17を受容した場合には、ドアガラス17の表裏両面をシールリップ14が左右から挟み込む様なかたちで弾接し、シールリップ14は側壁部11との連結部を支点として本体部13の内部方向へ倒れ込むように変形する。
これらのシールリップ14とコーナー部16の変形挙動に着目すると、シールリップ14とコーナー部16においてその外層部分が主に伸び変形し、内層部分で主に圧縮変形することになる。
そこで、シールリップ14においてその外層部分で主に伸び変形する部位を伸び変形部位14a、主に内層部分で圧縮変形する部位を圧縮変形部位14bとし、同様にコーナー部16においてその外層部分で主に伸び変形する部位を伸び変形部位16a、主に内層部分で圧縮変形する部位を圧縮変形部位16bとして、各々を特性の異なる二種類の熱可塑性エラストマーで形成し、二層構造とした。
つまり、相手側部材であるドアガラス17に弾接することによって伸び変形する部位すなわち伸び変形部位14a,16aは、耐へたり性を改善するために永久伸びの小さい材料である低永久伸び材料、例えば後述する無機フィラーを含まないスチレン系熱可塑性エラストマーで形成し、またドアガラス17に弾接することによって圧縮変形する部位すなわち圧縮変形部位14b,16bは、同じく耐へたり性を改善するために圧縮永久歪みが小さい材料である低圧縮永久歪み材料、例えば後述する無機フィラーを含むオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成してある。
図3には本発明の第2の実施の形態としてドアウエストシールの構造を示している。
図3に断面図で示されているドアウエストシール20は上記のドアグラスラン10と同様に均一断面状に押出し成形されているものであって、縦壁状の取付基部26と弓形状のカバーリップ27からなるドアウエストシール本体部(以下、単に本体部という)21と、本体部21の取付基部26の外壁面から突出している上下2本のリップ部としてのガラス弾接リップ22と、カバーリップ27の内壁面から突出している上下2本のリップ部としてのパネル弾接リップ23と、ガラス弾接リップ22およびパネル弾接リップ23を補助する補助リブ24とから大略構成されている。
そして、このドアウエストシール20は、本体部21の内側に例えば図示しないドアアウタパネルのウエストフランジ部が挿入され、パネル弾接リップ23に弾接することによって図示しないドアウエスト開口部に長手方向に沿って保持されることになる。なお、周知のようにドアガラス25をはさんでドアウエストシール20と対向する位置には、図示しないドアインナ側のドアウエストシールが配設される。
ここで、ドアウエストシール20全体は熱可塑性エラストマーで形成されているものであるが、ガラス弾接リップ22及びパネル弾接リップ23は二層で形成されている。
より詳しくは、図示しないドアアウタパネルのウエストフランジ部が本体部21の内部に挿入されることによってパネル弾接リップ23はカバーリップ27との連結部を支点として図における上方向へ折れ曲がる変形をし、またドアガラス25が上昇してドアウエスト開口部を通過した場合、すなわち相手側部材であるドアガラス25がガラス弾接リップ22に弾接した場合には、ガラス弾接リップ22は取付基部26との連結部を支点として、図における上方向に折れ曲がる変形をすることになる。
これらのガラス弾接リップ22とパネル弾接リップ23の変形挙動に着目すると、上記リップ部のうちでドアガラス25やドアアウタパネルに直接接触する面は主に伸び変形し、その面の裏面側は主に圧縮変形することになる。
そこで、ガラス弾接リップ22およびパネル弾接リップ23において、伸び変形する部位を伸び変形部位22a,23a、圧縮変形する部位を圧縮変形部位22b,23bとして、各々を特性の異なる二種類の熱可塑性エラストマーで形成し、二層構造とした。
つまり、第1の実施の形態と同様に、伸び変形部位22a,23aは低永久伸び材料、例えば後述する無機フィラーを含まないスチレン系熱可塑性エラストマーで形成し、圧縮変形部位22b,23bは低圧縮永久歪み材料、例えば後述する無機フィラーを含むオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成してある。
図4には本発明の第3の実施の形態としてドアウェザーストリップの構造を示している。
図4に断面図で示されているドアウェザーストリップ30は、例えば自動車のドア開口部周縁部の一部における断面形状を示しており、図示するような均一断面形状に押出し成形されたものであって、基部31と、基部31と一体に形成されたリップ部としての中空シールリップ32と、これと隣接するように同じく基部31と一体に成形されたリップ部としてのサブシールリップ33とから大略構成されている。
そして、周知のように上記基部31はクリップ挿入用の中空部40を備えており、この中空部40に挿入される図示外の樹脂クリップによってドアウェザーストリップ30が車体側に固定される。
なお、このドアウェザーストリップ30は中空シールリップ32とサブシールリップ33がドア閉止時に同時にドアパネル35に弾接することによってシール機能を発揮するいわゆる二重シールタイプのものである。
ここで、ドアウェザーストリップ30全体は前述のドアグラスラン10やドアウエストシール20と同様に熱可塑性エラストマーで形成されているものであるが、中空シールリップ32のリップ壁部36,37の一部とサブシールリップ33は二層で形成されている。
より詳しくは、図4に仮想線で示すようにドアを閉止した場合、すなわちウェザーストリップ30の中空シールリップ32とサブシールリップ33にドアパネル35が弾接した場合、リップ壁部36はノッチ部38を支点として、また他方のリップ壁部37はその屈曲部41を支点としてそれぞれ仮想線で示すように略偏平状につぶれ変形し、同時にサブシールリップ33はその屈曲部42を支点として同じく仮想線で示すように倒れ変形をする。
中空シールリップ32及びサブシールリップ33の変形挙動に着目すると、中空シールリップ32のリップ壁部36,37の外層部分とサブシールリップ33のうちドアパネル35と直接弾接することになる外層部分では主に伸び変形し、それらの裏面側すなわちリップ壁部36,37の内層部分とサブシールリップ33の内層部分では主に圧縮変形することになる。
そこで、中空シールリップ32およびサブシールリップ33において、外層部分で伸び変形する部位を伸び変形部位36a,37a、内層部分で圧縮変形する部位を圧縮変形部位36b,37bとして、各々を特性の異なる二種類の熱可塑性エラストマーで形成し、二層構造とした。
つまり、第1,2の実施の形態と同様に、伸び変形部位36a,37aは低永久伸び材料、例えば後述する無機フィラーを含まないスチレン系熱可塑性エラストマーで形成し、圧縮変形部位36b,37bは低圧縮永久歪み材料、例えば後述する無機フィラーを含むオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成してある。
上記の各実施の形態におけるドアグラスラン10、ドアウエストシール20、ドアウェザーストリップ30において、シールリップ14、コーナー部16、ガラス弾接リップ22、パネル弾接リップ23、リップ壁部36,37及びサブシールリップ33のうち伸び変形部位14a,16a,22a,23a,33a,36a及び37aに適した低永久伸び材料と、圧縮変形部位14b,16b,22b,23b,33b,36b,37b及び基部31に適した低圧縮永久歪み材料を選定する上で、耐へたり性を評価するためのリップ高さ変化率を測定した。
上記リップ高さ変化率の測定方法を図5の(A)〜(C)に示す。
図5の(A)〜(C)に示される供試体(テストピース)としてのテストリップ50は、第1〜3の実施の形態の各リップ部の形状を模したものであって、且つ図示するように鉤型の均一断面形状に単一層をもって押出し成形したものである。
また、テストリップ50には、10wt%の無機フィラーを添加したオレフィン系熱可塑性エラストマーA(以下、単に材料Aとする)、無機フィラーを添加していないオレフィン系熱可塑性エラストマーB(以下、単に材料Bとする)および無機フィラーを添加していないスチレン系熱可塑性エラストマーA(以下、単に材料Cとする)の3種類の熱可塑性エラストマーを使用している。なお、材料Aおよび材料Bは同一のオレフィン系熱可塑性エラストマーであって、無機フィラーの添加の有無によってそれぞれA,Bに分類されている。
先ず、(A)に示すように、テストリップ50を固定冶具51に固定し、テストリップ50の自由長状態にて固定冶具51からテストリップ50の先端52までの距離L1を測定する。
次に、(B)に示すように、圧縮冶具53にてテストリップ50に所定の荷重を加えることによってつぶれ変形させ、その状態で固定冶具51から先端52までの距離L2を測定する。そして、その状態のままで図示しない恒温槽に投入し、約80℃にて72時間保持することによってテストリップ50に対して積極的に歪み(へたり)を付与する。
その後、(C)に示すように、恒温槽からテストリップ50を取り出して除荷し、30分間放置(解放)することによって、テストリップ50の撓みを一部復元させる。その状態で固定冶具51から先端52までの距離L3を測定する。
上記のリップ高さ変化率はL1〜L3を用いて表すと以下の式となる。
リップ高さ変化率=(L1−L3)/(L1−L2)×100
ここで、L1−L3はテストリップ50をつぶれ変形させたまま恒温槽に投入することによって付与されたテストリップ50のへたり量を示していて、L1−L2はテストリップ50のつぶれ変形における撓み変形量を示している。したがって、撓み変形量が大きく且つへたり量が小さい材料が耐へたり性に対して有利であることはいうまでもなく、上記の式はリップ高さ変化率が小さいほどテストリップ50が耐へたり性に対して優れていることを示している。
このようなリップ高さ変化率の測定結果を表1に示す。
Figure 0004231772
表1の実施例1〜3は、材料A、材料Bおよび材料Cを、それぞれ単一層構造のテストリップ50として使用した場合の特性を比較したものである。
表1から明らかなように、実施例1の無機フィラーを10wt%添加した材料Aが最も圧縮永久歪みが小さくなり、実施例3の無機フィラーを含まない材料Cが最も永久伸びが小さくなることがわかる。すなわち、材料Aが最も耐圧縮永久歪み性に優れており、材料Cが最も耐永久伸び性に優れていることがわかる。なお、表1,2において圧縮永久歪みおよび永久伸びはJIS(日本規格協会)の試験方法に基づいている。
上記の結果を踏まえて、図6の(A)〜(C)に示すように、図5と同形状のテストリップ55について各実施の形態のリップ部形状を模して二層構造とし、上記の各材料A,B,Cの組み合わせを変えた場合のリップ高さ変化率を測定してみた。その結果を表2の実施例4〜6に示す。なお、測定方法は図5と同様である。
ここで、図6から明らかなように、テストリップ55はリップの厚み方向に二分する中心線を分割面として内外二層構造とし、圧縮冶具53と対向する外層側を伸び変形部位55a、内層側を圧縮変形部位55bとした。
Figure 0004231772
表2の実施例4〜6に示すように、熱可塑性エラストマーの組み合わせを変えたテストリップ55は表1における単一層構造であるものと比較して、いずれもリップ高さ変化率が小さくなっており、耐へたり性が改善されている。そのうち特に、実施例6に示されるように圧縮変形部位55bに材料Aを、伸び変形部位55aに材料Cを使用したテストリップ55が最も耐へたり性に優れていることがわかる。
上記の測定結果によれば、テストリップ55は先の各実施の形態におけるリップ部を模したものであるので、各実施の形態における圧縮変形部位14b,16b,22b,23b,33b,36b,37b及び基部31に材料Aを使用し、伸び変形部位14a,16a,22a,23a,33a,36a及び37aに材料Cを使用することが最も耐へたり性向上の上で有効であることがわかる。
したがって、リップ部において相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位に材料Aであるオレフィン系熱可塑性エラストマーAを使用し、同じくリップ部において、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位に材料Cであるスチレン系熱可塑性エラストマーAを使用することがシール機能や保持機能を向上させる上で有効となる。
なお、上記のように、リップを厚み方向に二分する中心線を分割位置として圧縮変形部位および伸び変形部位と一義的に決定してもよいが、ドアグラスラン、ドアウエストシールおよびドアウェザーストリップのように複雑な形状に成形されているものでは、CAE解析などにより車両組付け時の各部位の圧縮、引き伸ばしの程度を十二分に把握した上で圧縮変形部位と伸び変形部位の分割位置を決定することが好ましい。
本発明の第1の実施の形態であるドアグラスランの断面図である。 ドアサッシュに取付ける前のフリー状態における図1のドアグラスランの断面図である。 本発明の第2の実施の形態であるドアウエストシールの断面図である。 本発明の第3の実施の形態であるドアウェザーストリップの断面図である。 (A)〜(C)は単一層構造のリップ高さ変化率の測定方法を示す図である。 (A)〜(C)は二層構造のリップ高さ変化率の測定方法を示す図である。
符号の説明
10…ドアグラスラン
14…シールリップ(リップ部)
14a…伸び変形部位
14b…圧縮変形部位
16a…伸び変形部位
16b…圧縮変形部位
17…ドアガラス(相手側部材)
20…ドアウエストシール
22…ガラス弾接リップ(リップ部)
22a…伸び変形部位
22b…圧縮変形部位
23…パネル弾接リップ(リップ部)
23a…伸び変形部位
23b…圧縮変形部位
25…ドアガラス(相手側部材)
30…ドアウェザーストリップ
32…中空シールリップ(リップ部)
33…サブシールリップ(リップ部)
33a…伸び変形部位
33b…圧縮変形部位
35…ドアパネル(相手側部材)
36a…伸び変形部位
36b…圧縮変形部位
37a…伸び変形部位
37b…圧縮変形部位

Claims (4)

  1. 相手側部材に弾接することによって変形するリップ部を有する自動車用シール部品において、リップ部のうち相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位が、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位よりも圧縮永久歪みの小さい熱可塑性エラストマーで形成され、同じくリップ部において相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位が、相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位よりも永久伸びの小さい熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする自動車用シール部品。
  2. 上記リップ部において、相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位が無機フィラーを含む熱可塑性エラストマーで形成され、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位が無機フィラーを含まない熱可塑性エラストマー、もしくは相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位よりも無機フィラーの含有量が少ない熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用シール部品。
  3. 上記リップ部において、相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位がスチレン系熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用シール部品。
  4. 上記リップ部において、相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位が、無機フィラーを含む完全架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、相手側部材に弾接することによって伸び変形する部位が、無機フィラーを含まない完全架橋型のスチレン系熱可塑性エラストマー、もしくは相手側部材に弾接することによって圧縮変形する部位よりも無機フィラーの含有量が少ない完全架橋型のスチレン系熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用シール部品。
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