JP4223121B2 - 電子装置用シャワー噴射装置及びシャワー噴射方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置等の電子装置の製造に使用するエッチング装置、現像装置、めっき装置等の電子装置用シャワー噴射装置及びシャワー噴射方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置に用いる回路基板等の製造においては、きわめて微細な配線パターンを形成するため、銅箔等の薄厚の導体層を化学的にエッチングして所要のパターンを形成する方法が多用されている。このようなエッチング作業ではボックス状に形成されたエッチング装置内で被処理品を搬送し、搬送途中でエッチング液を放射して所要のエッチングを行う。
【0003】
図12は従来のエッチング装置の概略構成を示す。図示したエッチング装置は同形に形成した第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bとを対称配置として連結して構成している。同図で30はエッチング液を供給する分水管であり、第1エッチング装置5aの一端側に配置した分水管30に連通して複数本のノズル管10が平行に取り付けられ、第1エッチング装置5aの他端側に向けて延在している。
【0004】
各々のノズル管10には所定間隔をあけて複数個のノズル20が取り付けられ、これらのノズル20は揺動装置110に連繋し、ノズル管10の長手方向に対し略直交する方向に揺動される。揺動装置110はノズル管10に取り付けたノズル20全体を一方向と他方向へタイミングを合わせて揺動させるものである。第1エッチング装置5aに連結して配置されている第2エッチング装置5bは第1エッチング装置5aと分水管30、揺動装置110等の配置を対称配置としただけで構成は同一である。
被処理品は第1エッチング装置5aから第2エッチング装置5bに向けて搬送され、搬送途中でエッチング液が放射されて所定のエッチングがなされる。
【0005】
このように、実際のエッチング装置では複数台のエッチング装置を連結した配置とする場合が通常である。上述した装置は、第1エッチング装置5aと第2a装置5bでノズル管20を同一直線上に配置したものであるが、図13に示すように、第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bのノズル管10を分水管30に対し傾斜させて平行に取り付け、第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bで対称配置としたものがある。ノズル管10を傾斜させて配置しているのは、エッチング装置内を被処理品が移動する際に、被処理品に対してエッチング液がむらなく放射され被処理品の全面が均一にエッチングされるようにすることを考慮したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体装置に用いる回路基板等に形成する配線パターンはきわめて微細であることから、エッチングによってこれらの配線パターンを形成する際における精度が重要な問題になる。すなわち、被処理品をエッチングした際に、場所によってエッチングの進み方が異なると、部分的にエッチングが進んで線幅が規定幅よりも狭くなり過ぎたり、エッチングが遅れて所定のパターンに形成できないといったことが生じる。配線パターンの線幅が広く配置密度がそれほど高くない場合には問題はないのであるが、半導体装置用の回路基板のように配線パターンの線幅が狭く、高密度に配置されるような製品の場合には、被処理品のどの部位においても均一にエッチングが進むことが信頼性の高い良品を製造するうえできわめて重要である。
【0007】
上述したエッチング装置も均一なエッチングを可能とするためノズル20を揺動する機構を設け、ノズル管10の配置を工夫したものである。しかしながら、実際のエッチング装置内で被処理品がどのようにエッチングされるかを調べたところ、従来のエッチング装置では必ずしも満足する結果が得られず、エッチングによって微細なパターンを形成する装置として支障があることが判明した。
エッチングの進み方の検査は、樹脂基板の表面に銅箔を被着したものをサンプルとし、このサンプルをエッチング装置の一端側から他端側へ搬送させてエッチングし、エッチング途中でサンプルを取り出してエッチングの進み方を検査する方法によった。
【0008】
図14はエッチング装置から取り出したサンプルを図示したものである。矢印方向がサンプルの進行方向であり、サンプルの先端側(左側部分)がエッチングされて基材があらわれ、サンプルの基端側(右側部分)に銅箔が残っていることを示す。140がエッチングされた部位、150がエッチング残り部位である。図からわかるように、エッチングされた部位とエッチング残り部位の境界部分では銅箔が波形に残っており、被処理品のエッチングの進み方の度合いが場所によってかなり異なることがわかる。このようにエッチングの進み方の度合いが異なるのは、ノズル管10を直線配置とした装置の場合もノズル管10を斜め配置とした装置の場合も同様であった。
【0009】
このように、被処理品のエッチングの進み方が均一でない場合には、前述したように、部分的にエッチングが進み過ぎたり、部分的にエッチングが遅すぎるといった不具合が生じて、信頼性の高いエッチングができなくなる。
このような問題を解消する方法として、ノズル管10に取り付けるノズル数を増設することも考えられるが、その場合はシャワー量のむらをさらに強調してしまうだけであり、これに起因する干渉によるエッチングスピードの差もさらに大きくなってしまう。また、分水管30に接続するノズル管10の本数を増設した場合は、シャワー噴射エリアが必要以上に重なり、隣接するシャワー噴射が相互にシャワー効果を相殺してしまい、エッチング液溜まりが生じて良好なエッチングを行うことができない。
なお、電子装置の製造工程では銅箔等をエッチングするエッチング工程と同様の処理を施すものとして、基板の表面に感光性のレジスト膜をコーティングし、露光、現像する工程がある。現像工程ではレジスト膜をエッチングして、下地面を露出させるが、この現像工程でもレジスト膜を均一にエッチングすることが重要で、現像が不均一になると製品の信頼性に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0010】
本発明は、このようなエッチング装置、現像装置等の電子装置の製造工程でなされるシャワー液の噴射装置において、被処理品が均一にエッチング等の処理がなされないという問題を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、シャワー液によるエッチング等の処理が均一になされて信頼性の高い製品の製造を可能にする電子装置用シャワー噴射装置及びシャワー噴射方法を提供するするところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、被処理品が搬送される搬送路を幅方向に横切って配置されたシャワー液を供給する分水管と、該分水管に連通して前記搬送路の長手方向に対して傾斜する配置に延出し、互いに平行に一定間隔で取り付けられた複数本のノズル管と、該ノズル管の長手方向に略直交する方向に揺動可能に取り付けたノズルとを備えたシャワーユニットを搬送路の長手方向に一対もしくは複数対配置した電子装置用シャワー噴射装置において、前記ノズル管の前記分水管への取り付け角度を、該ノズル管の基端部から先端部に進む際に、幅方向にノズル管の1ピッチ分変位するように設定し、前記各々対配置されたシャワーユニットについて、一方のシャワーユニットに取り付けたノズル管と他方のシャワーユニットに取り付けたノズル管の平面配置位置が、前記ノズル管の幅方向の間隔の、2分の1ピッチ分、幅方向に変位する配置としたことを特徴とする。
また、前記各々の対配置されたシャワーユニットのノズル管が、当該対配置されたシャワーユニットの対称軸に略対称に配置されていることを特徴とする。
【0012】
また、被処理品が搬送される搬送路を幅方向に横切って配置されたシャワー液を供給する分水管と、該分水管に連通して前記搬送路の長手方向に対して傾斜する配置に延出し、互いに平行に一定間隔で取り付けられた複数本のノズル管と、該ノズル管の長手方向に略直交する方向に揺動可能に取り付けたノズルとを備えたシャワーユニットを搬送路の長手方向に一対もしくは複数対配置し、前記ノズル管の前記分水管への取り付け角度を、該ノズル管の基端部から先端部に進む際に、幅方向にノズル管の1ピッチ分変位するように設定し、前記各々対配置されたシャワーユニットについて、一方のシャワーユニットに取り付けたノズル管と他方のシャワーユニットに取り付けたノズル管の平面配置位置が、前記ノズル管の幅方向の間隔の、2分の1ピッチ分、幅方向に変位する配置として形成された電子装置用シャワー噴射装置内に被処理品を搬送させ、被処理品にシャワー液を噴射して所要の処理を施す電子装置用のシャワー噴射方法において、前記被処理品を、前記対配置されたシャワーユニットに順次通過させて所要の処理を施すことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子装置用シャワー噴射装置の一例としてのエッチング装置の構成を示す。本実施形態のエッチング装置の全体構成は前述した従来のエッチング装置の構成と略同一で、ボックス状に形成した第1エッチング装置(シャワーユニット)5aと第2エッチング装置(シャワーユニット)5bを連結した構成となっている。120は被処理品の投入口であり、130は被処理品の取出口である。被処理品は投入口120から投入されて第1エッチング装置5a内を通過し、次に第2エッチング装置5b内を通過し、所定のエッチングが施されて取出口130から取り出される。
【0014】
第1エッチング装置5aおよび第2エッチング装置5bとも、分水管30に連通させて複数本のノズル管10を平行に取り付け、ノズル管10の各々に回動可能にノズル20を取り付け、ノズル管10の長手方向に対して略直交する方向にノズル20を揺動させる揺動装置110を設けた構成についっては図12、13に示す従来装置と同様である。
なお、本実施形態ではノズル管10を分水管30に対して傾斜させた配置で取り付けた点では図13に示したエッチング装置に類似する。
【0015】
本実施形態のエッチング装置でもっとも特徴的な構成は、シャワーユニットである第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bでのノズル管10の配置方法にある。すなわち、図12、13に示すように、従来のエッチング装置では第1のエッチング装置5aと第2のエッチング装置5bのノズル管10の平面配置は完全な対称配置となっており、対称軸で折り返すとそのまま重なる配置となっているのに対して、本実施形態では第1のエッチング装置5aのノズル管10と第2のエッチング装置5bのノズル管10は対称軸に対する傾斜方向は同じものの、ノズル管10が全体としてノズル管10のピッチ間隔の略2分の1変位するように配置した点である。
【0016】
図1では第1のエッチング装置5aのノズル管10と第2のエッチング装置5bのノズル管10の先端位置が対称位置になく、2分の1ピッチ分だけ変位していることを仮想線40で示す。従来装置で第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bでノズル管10が同一の配置位置にあることは図12、13の仮想線40で示す。これらの従来装置でのノズル管10の配置を本実施形態でのノズル管10の配置と対比してみると、その配置の相違が明確にわかる。
【0017】
図2はノズル管10に取り付けたノズル20から放射されるエッチング液の放射範囲を示す。図のように、ノズル管10に取り付けるノズル20の放射範囲等については、隣接するノズル20の各々のシャワー噴射エリア50が相互に重なり合うようにノズル20の放射範囲およびノズル管10でのノズル20の配置間隔、隣接するノズル管10同士の間隔を設定するのがよい。このように配置することによって、エッチング装置内でのエッチング範囲を網羅することができるからである。
【0018】
図3は分水管30のノズル管10を傾斜させて取り付ける際の取り付け角度について説明している。ノズル管10を分水管30に傾斜させて取り付ける理由は、被処理品に対してエッチング液が片当たりせず、均等に放射されるようにすることにある。したがって、ノズル管10の取り付け角度を決める際には、ノズル管10の基端部を被処理品の搬送方向に延長した線上の位置に隣接する次のノズル管10の先端部が位置するようにすればよい。すなわち、ノズル管10の基端部から先端部に移動する際にエッチング装置の幅方向にノズル管10の1ピッチ分だけ変位するように取り付け角度を決めればよい。このようにノズル管10の取り付け角度を決めれば幅方向の均等さを得ることが可能である。
【0019】
実施形態のエッチング装置は、第1エッチング装置5aおよび第2エッチング装置5bの長さ寸法が約2000mm、幅寸法が約1000mmであり、分水管30に7本のノズル管10を115mmピッチで取り付け、ノズル20としてシャワー噴射エリアが170mmのものを使用している。第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bでのノズル管10の変位量は115mmの2分の1の57.5mmである。
【0020】
本実施形態のエッチング装置は、上述したように、第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bに配置するノズル管10を2分の1ピッチだけ変位させた非対称配置としたことを特徴とする。このようにノズル管10を変位させて配置したということは、図4に示すように、第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bに配置されたノズル20の幅方向の配置間隔を密にしたことに相当する。従来のエッチング装置では、第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bのノズル管10等が対称配置であるために、第1エッチング装置5aの空間配置に基づくむらの原因があった場合に、そのむらが第2エッチング装置5bで解消されず、かえって強調される傾向があったのに対して、本実施形態の場合には第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bを通過することによって、むらが解消されて良好なエッチングがなされるものと考えられる。
【0021】
図5は本実施形態のエッチング装置を使用して、前述した樹脂基板の表面に銅箔を被着したものをサンプルとして実験した結果を示す。すなわち、サンプルを投入口120から投入して取出口130側まで搬送されたところで取り出し、エッチングの進み方の程度を見たところ、図のように、エッチングが施された部位140とエッチング残りがある部位150の境界部分がほぼ直線的に形成されていた。このようにエッチングを施した部位140とエッチング残りがある部位150の境界位置が直線的になることは、サンプル上でほとんど均一にエッチングが進んでいることを示している。このエッチングパターンを図14に示した従来装置によるエッチングパターンと比較するとその均一性は顕著である。本実験は本実施形態のエッチング装置がきわめて均一性の高いエッチングを可能にしていることの一つの例示である。
【0022】
また、従来装置と本実施形態のエッチング装置によるエッチングの均一性を比較するため、従来装置と本装置を用いて、樹脂基板の表面にエッチングにより導体パターンを形成して、パターン幅のばらつきを測定する実験を行った。樹脂基板上に幅寸法の異なる6種類のパターンを形成し、同一基板内で12か所測定した結果を示す。なお、パターン幅の単位はμm である。
表1は従来のエッチング装置を用いた場合、表2は本実施形態のエッチング装置を使用した場合である。
【0023】
【表1】
【表2】
【0024】
上記のパターン幅のばらつきについての実験結果は、本実施形態のエッチング装置を使用して得られたパターンは、従来装置のエッチングによって得られたパターンにくらべて、はるかにパターン幅のばらつきが小さく、均一にエッチングが施されていることを示している。
【0025】
また、エッチング速度が場所によって異なるとエッチングファクターのばらつきが大きくなることから、従来のエッチング装置を使用した場合と本実施形態のエッチング装置を使用した場合とでエッチングファクターがどのように相違するか実験した。表3が従来のエッチング装置を使用してエッチングした場合、表4が本実施形態のエッチング装置を使用してエッチングした場合での実験結果を示す。なお、エッチングファクターとは図6に示すパターンでのA、B、Hについて、(エッチングファクター)=2H/(B−A)と定義される。
【0026】
【表3】
【表4】
【0027】
表3、4に示す実験結果は、本実施形態のエッチング装置を使用した場合は、従来のエッチング装置を使用した場合に比較して、エッチングファクターの値が大きく、このことからより良好なエッチングがなされていることが認められる。また、エッチングファクターのばらつきも小さく、これによって均一なエッチングが施されていることも確かめられた。
以上説明したように、本実施形態のエッチング装置は従来使用されているエッチング装置にくらべて均一なエッチングが可能であり、これによって高精度で信頼性の高いエッチングが可能になる。
【0028】
このように、均一なエッチングが施される理由は、前述したように第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bでのノズル管10の配置に起因するものであり、一方のノズル管10の平面配置位置が他方のノズル管10の平面配置位置の中間位置に変位させた非対称配置とすることによってノズル管10等の空間配置に起因する偏りを補完することができることによるものである。
図7〜10はノズル管10の配置を上記実施形態と同様な配置とする他の例を示す。図7は一つのエッチング装置内で2分の1ピッチ変位させて一対のノズル管10を配置した例である。図8は変位させて配置した一対のノズル管10を有するエッチング装置を2台連設した例である。図9は一対でノズル管10が変位配置となるエッチング装置を4台連設した例である。図10は図7に示すエッチング装置を4台連設した例である。
【0029】
いずれの装置の場合も、分水管30に連通して相互に平行に取り付けたノズル管群を一単位とした場合、これらのノズル管と2分の1ピッチ分全体として変位させたノズル管群を一対として配置し、このような対配置としたノズル管群からなるエッチング装置に被処理品を通過させることによって、均一なエッチングを施すことを可能にするものである。ノズル管10の配置を変位させる場合、2分の1ピッチの変位とすることが、偏りを補完する目的で有効であるが、2分の1ピッチ位置から若干ずれていてもかなりの効果は得られる。
【0030】
また、本発明のエッチング方法は、エッチング装置に設置されたノズル管10等の固有の空間配置にばらつきがあることをノズル管群の平面配置を変位させて平均化することを意味するものであるから、ノズル管群の配置としては被処理品がエッチング装置を最後まで通過した際に空間配置が平均化する配置としておくことであってもよい。すなわち、一方側に変位させて配置したノズル管群を2回通過した後、他方側に変位させて配置したノズル管群を2回通過して全体として平均化するという方法も可能である。また、エッチング装置の空間配置を全体として平均化する考え方にたてば、ノズル管群を2分の1ピッチ間隔変位させて対配置とする方法の他に、ノズル管群を4分の1ピッチ間隔変位させ、4群を1単位としてエッチング装置を構成する、ノズル管群をn分の1ピッチ間隔変位させ、n群を1単位としてエッチング装置を構成するといったことも可能である。
【0031】
なお、上記実施形態では投入口120側に分水管30を配置し、取出口130側に分水管30を配置する構成としているが、分水管30の配置位置がとくに問題となるわけではない。分水管30を第1エッチング装置5aと第2エッチング装置5bとを連結する連結部近傍に配置するといった構成ももちろん可能である。
また、上記実施形態ではノズル管10を分水管30の直交方向とは傾いた向きに配置したが、図11に示すように、分水管30に略直交する向きにノズル管10を配置した場合でも、一方のノズル管10を2分の1ピッチ分変位させて配置することによって、同様の効果を得ることが可能である。このように、分水管30にどのような角度でノズル管10を取り付けるかはとくに限定されるものではない。
【0032】
また、ノズル20は通常ノズル管10の長手方向に略直交する方向に揺動させるが、場合によっては、直交方向とは偏位した斜め方向に揺動させるといったこともある。ノズル管20が分水管30に対して斜めに取り付けられ、被処理品の搬送方向に斜めに配置されている場合に、エッチング液をエッチング装置の幅方向に向けて流すようにするといったことがあるからである。
また、上記実施形態では被処理品の一方の面でのエッチングについて主として説明したが、エッチング装置では被処理品の両面にエッチング液を放射して処理することが普通である。被処理品の下面側に配置するノズル管、ノズル等についても上記実施形態と同様に配置することによって好適なエッチングが可能となる。
【0033】
本発明に係るエッチング装置は、上述したように、被処理品の全体に対してきわめて高精度に均一にエッチングすることができることから、半導体装置用回路基板等のように細幅で高密度に配線パターンを形成する製品のエッチング装置に適用してきわめて有効である。近時、配線パターンがますます高密度となる傾向にあることから、本発明に係るエッチング方法を適用することによって、信頼性の高い製品を容易に得ることができ、製造歩留りを向上させることが可能となる。
【0034】
以上説明したエッチング装置は電子装置の製造で使用するシャワー噴射装置の一例として示したもので、たとえば、現像装置などの場合もまったく同様に適用することができる。前述したように、現像装置では基板の表面に感光性のレジスト膜をコーティングし、露光した後、現像液を被処理品に噴射してレジスト膜を所定パターンに現像する。この場合も、上記エッチング装置で説明したとまったく同様な構成を採用することによって、被処理品の全体にたいしてきわめて高精度で均一に現像することができ、場所によって現像残りが生じたり、現像不足が生じたりすることを防止し、高精度に現像することが可能となる。これにより、現像精度を高めて、信頼性の高い製品を製造することが可能となる。
【0035】
また、本発明は水平めっき装置などにも適用することができる。すなわち、水平めっき装置では被処理品を搬送しつつめっき液をシャワー状に噴射して無電解めっきあるいは電解めっきを施す。このめっき装置の場合も均一にめっき液を噴射することはめっき厚を均一にできる点できわめて有効である。このような水平めっき装置でも上述した装置と同様な構成を採用することによって、均一なめっきが可能となり、これによって製品の信頼性を高めることが可能になる。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る電子装置用シャワー噴射装置及びシャワー噴射方法によれば、上述したように、被処理品に対してエッチング等の処理をきわめて均一に行うことができるから、半導体装置用基板等で配線パターンをエッチング形成するといった処理をきわめて高精度に歩留りよく施すことが可能となる。これにより、高精度で信頼性の高い製品を得ることができる。また、装置の構成として従来装置の構成を大きく変える必要がなく、改造等も容易である等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシャワー噴射装置の一実施形態であるエッチング装置の全体構成を示す説明図。
【図2】ノズルからのシャワー噴射エリアを示す説明図。
【図3】エッチング装置内でのノズル管の配置を示す説明図。
【図4】第1エッチング装置と第2エッチング装置でのノズル位置を示す説明図。
【図5】本装置を用いてエッチングしたサンプルの外観図。
【図6】パターンのエッチングファクターの各部を示す説明図。
【図7】エッチング装置の他の構成例を示す説明図。
【図8】エッチング装置の他の構成例を示す説明図。
【図9】エッチング装置の他の構成例を示す説明図。
【図10】エッチング装置の他の構成例を示す説明図。
【図11】エッチング装置の他の構成例を示す説明図。
【図12】エッチング装置の従来の構成を示す説明図。
【図13】エッチング装置の従来の構成を示す説明図。
【図14】従来装置を用いてエッチングしたサンプルの外観図。
【符号の説明】
5a 第1エッチング装置
5b 第2エッチング装置
10 ノズル管
20 ノズル
30 分水管
40 仮想線
50 シャワー噴射エリア
110 揺動装置
120 投入口
130 取出口
140 エッチングが施された部位
150 エッチング残り部位
Claims (3)
- 被処理品が搬送される搬送路を幅方向に横切って配置されたシャワー液を供給する分水管と、
該分水管に連通して前記搬送路の長手方向に対して傾斜する配置に延出し、互いに平行に一定間隔で取り付けられた複数本のノズル管と、
該ノズル管の長手方向に略直交する方向に揺動可能に取り付けたノズルと
を備えたシャワーユニットを搬送路の長手方向に一対もしくは複数対配置した電子装置用シャワー噴射装置において、
前記ノズル管の前記分水管への取り付け角度を、該ノズル管の基端部から先端部に進む際に、幅方向にノズル管の1ピッチ分変位するように設定し、
前記各々対配置されたシャワーユニットについて、一方のシャワーユニットに取り付けたノズル管と他方のシャワーユニットに取り付けたノズル管の平面配置位置が、前記ノズル管の幅方向の間隔の、2分の1ピッチ分、幅方向に変位する配置としたことを特徴とする電子装置用シャワー噴射装置。 - 前記各々の対配置されたシャワーユニットのノズル管が、当該対配置されたシャワーユニットの対称軸に略対称に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子装置用シャワー噴射装置。
- 被処理品が搬送される搬送路を幅方向に横切って配置されたシャワー液を供給する分水管と、
該分水管に連通して前記搬送路の長手方向に対して傾斜する配置に延出し、互いに平行に一定間隔で取り付けられた複数本のノズル管と、
該ノズル管の長手方向に略直交する方向に揺動可能に取り付けたノズルと
を備えたシャワーユニットを搬送路の長手方向に一対もしくは複数対配置し、
前記ノズル管の前記分水管への取り付け角度を、該ノズル管の基端部から先端部に進む際に、幅方向にノズル管の1ピッチ分変位するように設定し、
前記各々対配置されたシャワーユニットについて、一方のシャワーユニットに取り付けたノズル管と他方のシャワーユニットに取り付けたノズル管の平面配置位置が、前記ノズル管の幅方向の間隔の、2分の1ピッチ分、幅方向に変位する配置として形成された電子装置用シャワー噴射装置内に被処理品を搬送させ、被処理品にシャワー液を噴射して所要の処理を施す電子装置用のシャワー噴射方法において、
前記被処理品を、前記対配置されたシャワーユニットに順次通過させて所要の処理を施すことを特徴とする電子装置用のシャワー噴射方法。
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JP20104598 | 1998-06-11 | ||
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