JP4216409B2 - 炭素繊維用サイズ剤、炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維、該炭素繊維によるシート状物、及び繊維強化複合材料 - Google Patents
炭素繊維用サイズ剤、炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維、該炭素繊維によるシート状物、及び繊維強化複合材料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維用サイズ剤、炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維、該炭素繊維によるシート状物、及び該サイジング処理された炭素繊維を使用した繊維強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合材料の一つに、炭素繊維からなる強化材とマトリックス樹脂とによる繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形体があり、この繊維強化複合材料を得るときのマトリックス樹脂として従来からエポキシ樹脂が広く使用されており、又不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等のラジカル重合系樹脂も用いられるようになってきている。
【0003】
この繊維強化複合材料をなす成形体の強化材として使用されている炭素繊維は、その化学組成の約90重量%以上が炭素からなる繊維であり、再生セルロース、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ等を出発原料として得られるものであって、例えば高強度炭素繊維や高弾性炭素繊維等に区分されている。
【0004】
上記の炭素繊維は軽量であり、しかも比強度及び比弾性率において特に優れた性質を有しており、更に耐熱性や耐薬品性にも優れていることから、繊維強化複合材料の強化材として極めて有効であり、広範囲に亙る用途の繊維強化複合材料に使用されている。
【0005】
強化材としての炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化樹脂組成物を得るときの炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させる方法としては、離型紙上に薄くマトリックス樹脂を塗布した上に炭素繊維を一方向に並べるプリプレグ法や、樹脂浴中に炭素繊維を通過させるディッピング法等が利用されている。
【0006】
品質の高い繊維強化複合材料を工業的に安定して成形し得るようにするためには、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させる含浸工程において、数千本のフィラメントからなる炭素繊維束にマトリックス樹脂を容易、かつ完全に含浸させ得ることが必要である。
【0007】
しかしながら、炭素繊維は伸度が小さくかつ脆い性質であるために、機械的摩擦等によって毛羽が発生し易く、しかもマトリックス樹脂に対する濡れ性が乏しい。このために、強化材として使用する炭素繊維に上記の優れた性質を十分に発揮させることができなく、これを改善するために、繊維強化複合材料の強化材として使用する炭素繊維に対しては、従来から炭素繊維用サイズ剤による処理が施されている。
【0008】
すなわち、炭素繊維にサイズ剤による処理を施すことにより、炭素繊維の取扱い性を向上させると共に、マトリックス樹脂に対する濡れ性を向上させ、これによって炭素繊維を強化材とする繊維強化複合材料からなる成形体の品質の向上を図るようにしており、このときのサイズ剤としてウレタン系化合物が多く用いられている。
【0009】
例えば、エポキシ変性ポリウレタン化合物類からなるサイズ剤(特公平1−6312号公報)、少なくとも1個のカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂とエポキシ樹脂とからなるサイズ剤(特公平1−20270号公報)、高級不飽和脂肪酸と高級不飽和アルコールとのエステル化合物とポリウレタン樹脂とからなるサイズ剤(特開平7−173769号公報)等が提案されている。
【0010】
ところで、上記の特公平1−6312号公報に示されるエポキシ変性ポリウレタン化合物類からなるサイズ剤は、高次加工や製品化の際の毛羽や糸切れの発生を少なくし得るという特性を具備するものの、サイズ剤をなすエポキシ変性ポリウレタン化合物の分子量が比較的大きく、しかも該化合物が1分子中に少なくとも1個のグリシジル基を有していることら収束力が強いために、炭素繊維束を形成するフィラメント同士を過剰に拘束してしまい、マトリックス樹脂の含浸性を妨げるという問題がある。
【0011】
又、特公平1−20270号公報に示される少なくとも1個のカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂とエポキシ樹脂とからなるサイズ剤は、収束性による加工時の毛羽発生抑制効果と、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル等の各種マトリックス樹脂に対する含浸性及び接着性を向上させる効果とを有する。
しかしながらこのサイズ剤は、該サイズ剤中のポリウレタン樹脂にカルボキシル基が2個以上存在することがあり、又カルボキシル基が主鎖末端と分枝鎖末端とのいずれかに存在する場合があるために、サイズ剤のもう一方の成分であるエポキシ樹脂との間に架橋を生じ易く、又ポリウレタン樹脂が比較的高分子量であるためにサイズ剤をなす化合物の分子のかさ高が大きい等により、炭素繊維とマトリックス樹脂との界面層に架橋網を形成し易く、サイズ剤のマトリックス樹脂中への拡散が遅くなり、サイズ剤が界面層に偏在する等して安定した物性の成形体が得られないという問題がある。
【0012】
更に、特開平7−173769号公報に示される高級不飽和脂肪酸と高級不飽和アルコールとのエステル化合物とポリウレタン樹脂とからなるサイズ剤は、高次加工や製品化の際の毛羽や糸切れの発生を少なくするという特性を有するものの、該サイズ剤がエステル化合物とポリウレタン樹脂とからなるものであるために、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等のラジカル重合系樹脂に対する接着性が十分でなく、これらの樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化複合材料にするときに品質の高い成形体を得ることができないという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明が解決しようとする課題は、炭素繊維に対して安定した工程通過性を備えさせ、しかもエポキシ樹脂からなるマトリックス樹脂は勿論のこと、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等のラジカル重合系樹脂からなるマトリックス樹脂であっても、その含浸性が良好であり、又これらのマトリックス樹脂と炭素繊維との間の接着力に優れ、成形体に対して安定した物性改善効果を図ることのできる炭素繊維用サイズ剤を提供することにある。
【0014】
又本発明が解決しようとするもう一つの課題は、上記のサイズ剤を用いて的確なサイジング処理を行なう炭素繊維のサイジング方法、該サイズ剤によってサイジング処理された炭素繊維、該サイジング処理された炭素繊維を使用してあるシート状物、及びこのサイジング処理された炭素繊維又は該炭素繊維を使用してあるシート状物を強化材とする繊維強化複合材料からなる成形体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下に記載する構成を備えてなる本発明の炭素繊維用サイズ剤、炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維、該サイジング処理された炭素繊維を使用してあるシート状物、及びサイジング処理された炭素繊維又は該炭素繊維を使用してあるシート状物を強化材とする繊維強化複合材料にすることによって解決することができる。
【0016】
すなわち本発明の炭素繊維用サイズ剤は、下記式(1)で表わされる化合物を主成分とするものである。
【0017】
【化9】
[式(1)において、A及びBは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、カルボキシル基、及びフェノール性水酸基より選ばれる1個の官能基を具備する有機残基であり、AとBは同一であってもよい。
又、Xは下記の[化10]〜[化16]に示すいずれか1個の炭化水素基であり、該炭化水素基中のRは水素原子又はアルキル基であり、nは0〜12の整数であり、mは2〜12の整数である。]
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする本発明の炭素繊維用サイズ剤にあっては、該式(1)で表わされる化合物のA及びBのうちの少なくともいずれかが、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、カルボキシル基、及びフェノール性水酸基より選ばれる1個の官能基を末端基として具備する有機残基であることが好ましい。
【0026】
又、該式(1)で表わされる化合物のAが、アクリロイル基及びメタクリロイル基より選ばれる官能基を具備する有機残基であることが好ましい。
【0027】
更に、該式(1)で表わされる化合物のAが、アクリロイル基及びメタクリロイル基より選ばれる官能基を具備する有機残基であり、かつBがエポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、及びカルボキシル基より選ばれる官能基を具備する有機残基であることが好ましい。
【0028】
更に又、該式(1)で表わされる化合物のA及びBのうちの少なくともいずれかが、ジカルボン酸とのエステル結合を具備する有機残基であることが好ましい。
【0029】
又該式(1)で表わされる化合物は、異なる官能基を有する2種類のアルコール性モノヒドロキシ化合物を反応させるウレタン化反応によって生成するウレタン化合物であることが好ましい。
【0030】
本発明の炭素繊維のサイジング方法は、上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤の水溶液又は水分散液からなるサイズ剤溶液によって炭素繊維を処理する工程からなる。
【0031】
本発明のサイジング処理された炭素繊維は、上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤がその表面に付着している炭素繊維からなる。このサイジング処理された炭素繊維にあっては、上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤が炭素繊維の0.1〜5重量%の割合で付着していることが好ましい。
【0032】
本発明のサイジング処理された炭素繊維によるシート状物は、上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤がその表面に付着している炭素繊維を使用したシート状物からなる。
【0033】
更に本発明の繊維強化複合材料は、上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤がその表面に付着している炭素繊維、又は該炭素繊維を使用したシート状物を強化材とする繊維強化樹脂組成物を成形した成形体からなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の炭素繊維用サイズ剤の主成分をなす上記式(1)で表わされる化合物は、分子中に2個のウレタン結合を有するものである。該化合物中のこのウレタン結合は非常に強い極性を有しており、これによって上記式(1)で表わされる化合物は各種のマトリックス樹脂との親和性に優れた性質を具備し、これらのマトリックス樹脂の濡れ性が極めて良好な炭素繊維になる。
【0035】
本発明のサイズ剤の主成分をなす上記式(1)で表わされる化合物としては、分枝構造の小さい直鎖状のものが好ましく、又分枝部に反応性の官能基を具備しないものが好ましい。従って、式(1)で表わされる化合物中のXをなす炭化水素基におけるRがアルキル基であるときには、該アルキル基はメチル基やエチル基等の比較的鎖の短い、嵩高くない、しかも反応性官能基を具備しない飽和脂肪族基であることが好ましい。
【0036】
上記式(1)で表わされる化合物中のA及びBは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、カルボキシル基、及びフェノール性水酸基より選ばれる1個の官能基を具備する有機残基であり、AとBはそれぞれ異なる。
【0037】
ここで、環式脂肪族エポキシ基としては、下記の[化17]〜[19]に示すものを挙げることができる。
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
更に有機残基であるA及びBのうちの少なくともいずれかが、上記のビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、カルボキシル基、及びフェノール性水酸基より選ばれる官能基を末端基として具備する炭化水素基からなるときの式(1)で表わされる化合物は、上記の各種のマトリックス樹脂との親和性により優れた性質を有する炭素繊維になし得る。
【0042】
又、有機残基であるAが具備する官能基を、アクリロイル基又はメタクリロイル基にすることにより、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂等のマトリックス樹脂との親和性がより一層向上するので、濡れ性及び界面接着性の極めて良好な炭素繊維になし得る。
【0043】
更に、有機残基であるAが具備する官能基を、アクリロイル基又はメタクリロイル基にすると共に、同じく有機残基であるBが具備する官能基を、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、又はカルボキシル基にすることにより、前記Bが具備する官能基の特性によって、炭素繊維表面への親和性が非常に優れたものになり、エポキシ樹脂だけでなく、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂等のマトリックス樹脂との間に優れた界面接着性を有する炭素繊維になし得る。
【0044】
又、式(1)で表わされる化合物中のA及びBのうちの少なく一方を、ジカルボン酸とのエステル結合を具備する有機残基にすることにより、マトリックス樹脂との濡れ性がより向上し、しかもウレタン結合を有する化合物に特有な粘着性が低減し、この粘着性の低減によってサイジング処理された炭素繊維の加工時の工程通過性をより一層向上させ得る。
【0045】
上記のジカルボン酸とのエステル結合は、下記の式(2)に表示されるものであり、具体的な例としては、下記の[化21]〜[化24]に示す構造を挙げることができる。
【0046】
【化20】
[式(2)において、Yは脂肪族系炭化水素基又は芳香族系炭化水素基である。]
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
なお、[化23]においてpは1以上の整数を表わし、[化24]において、q及びrは0以上の整数を表わす。
【0052】
ジカルボン酸とのエステル結合を形成するときのジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和ジカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ムコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族系ジカルボン酸類等が挙げられる。
【0053】
式(1)で表わされる化合物は、1分子のジイソシアネートモノマーに対して2分子のアルコール性モノヒドロキシ化合物を反応させるウレタン化反応によって容易に得られる。
【0054】
ジイソシアネートモノマーは、1分子中に高反応性のイソシアネート基2個を具備する化合物であり、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,3―ビス(イソシアナメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0055】
アルコール性モノヒドロキシ化合物は、1分子中にアルコール性水酸基1個を有する化合物であり、この1個の水酸基に含まれる活性水素原子以外には、イソシアネート基との間に高反応活性を有する水素原子を含まない化合物である。なお、イソシアネート基との高反応活性を有する水素原子は、例えばアミノ基、イミノ基等の水素原子である。
【0056】
ここで使用し得るアルコール性モノヒドロキシ化合物は、イソシアネート基との反応活性が非常に低い官能基、例えばビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基等を具備するものである。アルコール性モノヒドロキシ化合物の1分子中のこれらの官能基の個数や位置は特に制限されないが、好ましくは1分子中に前記官能基1個を具備するものがよく、しかも該官能基は末端或いは該末端に近い位置に存在するものが好ましい。
【0057】
又アルコール性モノヒドロキシ化合物中のアルコール性水酸基の位置も特に制限はないが、上記のイソシアネート基との反応活性が非常に低い上記官能基の対極にあたる末端或いは該末端に近い位置に存在することが好ましい。つまり、合成されるウレタン化合物としての式(1)で表わされる化合物が、分枝構造の少ない直鎖状分子で、かつ分子量の小さいものの方がより好ましいためである。
【0058】
かかるアルコール性モノヒドロキシ化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクレレート、2−ヒドロキシエチルメタクレレート、2−ヒドロキシプロピルアクレレート、2−ヒドロキシプロピルメタクレレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルコハク酸、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリシドール、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、メチロールプロピオン酸、マンデル酸、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
【0059】
更に、アルコール性モノヒドロキシ化合物は、分子中にポリエチレンエーテル構造を内包しても良く、このポリエチレンエーテル構造を内包するアルコール性モノヒドロキシ化合物を使用することによって、上記の式(1)で表わされる化合物をポリエチレンエーテル構造の親水基に起因する水溶性の化合物にすることができる。
【0060】
1分子のジイソシアネートモノマーに対して2分子のアルコール性モノヒドロキシ化合物を反応させるウレタン化反応は、公知の合成反応によって遂行することができる。このウレタン化反応は40〜90℃、好ましくは40〜70℃の温度で行なうのがよい。
【0061】
又、上記のウレタン化反応は有機溶媒の存在下或いは非存在下のどちらでも行なうことができる。有機溶媒の存在下で反応させるときの有機溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等、更にはこれらの混合溶媒を用いることができる。
【0062】
反応触媒を適用するときには、例えばジブチルすずジラウレート、ジオクチルすずジラウレート等のすず化合物、やトリメチルアミン等の3級アミン類等を使用することができる。
【0063】
更に式(1)で表わされる化合物を上記のウレタン化反応によって合成する際には、異なる官能基を有する2種類のアルコール性モノヒドロキシ化合物の混合物を用いる場合には、ジイソシアネート化合物に由来する分子構造を中心にしてその左,右が異なる分子構造のウレタン結合を有していて、しかもそれぞれの末端の官能基が異なる式(1)で表わされる化合物を得ることができる。
【0064】
上記のジイソシアネート化合物に由来する分子構造を中心にしてその左,右が異なる分子構造のウレタン結合を有し、しかもそれぞれの末端の官能基が異なる化合物からなる式(1)で表わされる化合物は、該化合物の分子の一方の端部に炭素繊維との親和性の優れた官能基を具備し、他方の端部にマトリックス樹脂との親和性及び反応性に優れた官能基を具備させることができ、これによって炭素繊維とマトリックス樹脂との両者に対してのバインダー機能を備えたものになし得る。これによって、従来のサイズ剤では接着性が十分でなかった不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等のラジカル重合系樹脂等のマトリックス樹脂と炭素繊維とを強力に結合させ得る特性が備わる。
【0065】
上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする本発明の炭素繊維用サイズ剤にあっては、その主成分として上記の式(1)で表わされる化合物の単独を用いることもできるが、複数の化合物の混合物を用いることもできる。
【0066】
上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤の水溶液或いは水分散液からなるサイズ剤溶液によって炭素繊維を処理する本発明の炭素繊維のサイジング方法は、サイズ剤溶液としてサイズ剤の水溶液又は水分散液を使用するものであるために、アセトン等の有機溶剤溶液からなるサイズ剤溶液によって炭素繊維を処理する方法と比較して、工業的にも、又安全性の面からも優れている。
【0067】
上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤の水溶液又は水分散液からなるサイズ剤溶液を調整する際には、該サイズ剤溶液の安定性の向上のために界面活性剤を添加することが好ましく、ノニオン系、カチオン系、アニオン系のいずれのものも用いることができる。特にノニオン系の界面活性剤の添加は、該サイズ剤溶液でサイジング処理された炭素繊維を強化材とする繊維強化樹脂組成物のプリプレグ状態等での貯蔵安定性に優れ、又熱可塑性樹脂との複合化等を行なうときのトラブルの発生要因となる塩類を含有しないために取扱いが容易になる。
【0068】
サイズ剤溶液を調整するときの炭素繊維用サイズ剤と界面活性剤との配合比率は、サイズ剤溶液の安定性がよく、かつサイズ効果が悪化することのないようにするために、サイズ剤/界面活性剤=95/5〜70/30(重量比)、好ましくは85/15〜75/25(重量比)である。界面活性剤の配合比率が5重量%未満になると、それを使用して得られるサイズ剤溶液の安定性が悪くなり、又30重量%を越えると、このサイズ剤溶液で炭素繊維を処理すると炭素繊維の表面が界面活性剤で被覆されてサイズ剤が有効に作用し得なくなり、炭素繊維の界面接着性向上の効果が得られ難くなる。
【0069】
又、平滑剤を配合したサイズ剤溶液による炭素繊維のサイジングを行なうことにより、炭素繊維の耐擦過性をより一層向上させることができる。
【0070】
本発明のサイジング処理された炭素繊維は、炭素繊維の表面に上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤を付着させてなるものであり、該サイズ剤を付着させるための炭素繊維は、ピッチ、レーヨン或いはポリアクリロニトリル等のいずれの原料物質からなるものでもよく、例えば高強度タイプ(低弾性率炭素繊維)、中高弾性炭素繊維、及び超高弾性炭素繊維等のいずれでもよい。
【0071】
炭素繊維に付着させる上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤の付着量は、該サイズ剤による効果を十分に付与し得るように、通常炭素繊維の重量の0.1〜5重量%であり、好ましくは、0.2〜3.0重量%である。
【0072】
炭素繊維用サイズ剤の付着量が炭素繊維の重量の0.1重量%未満になると、炭素繊維への収束性及び耐擦過性の付与が十分でなく、機械的摩擦等によって毛羽が発生することがある。更に、樹脂との親和性及び界面接着力の付与が十分でなく、この炭素繊維を使用してなる繊維強化複合材料に良好な力学的特性を備えさせることができなくなることがある。他方、付着量が炭素繊維の重量の5.0重量%を越えると、炭素繊維への収束性の付与が強すぎるために、炭素繊維束の開繊性が悪くなってマトリックス樹脂との複合化の際の樹脂含浸性が悪くなることがある。
【0073】
サイジング処理された炭素繊維を得るには、ローラー浸漬法やローラー接触法等の工業的に用いられているサイジング方法によって炭素繊維を処理すればよく、サイジング処理された炭素繊維のサイズ剤の付着量は、使用するサイズ剤溶液の濃度、絞りコントローラー等の通過工程の調整等によって調節できる。サイズ剤溶液を付着させた炭素繊維を続いて乾燥処理に付して水分を除去し、目的のサイジング処理された炭素繊維にする。なお、このときの乾燥処理は、熱風、熱板、ローラー、各種赤外線ヒーター等を熱媒として利用して行える。
【0074】
サイジング処理された炭素繊維、つまり上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤がその表面に付着している炭素繊維は、該炭素繊維用サイズ剤の作用によって、機械的摩擦等による毛羽が発生し難く、かつマトリックス樹脂に対する親和性が良好であって、マトリックス樹脂に対する接着性に優れた性質を具備するものになる。
【0075】
本発明のサイジング処理された炭素繊維によるシート状物は、サイズ剤を付着させてなる上記の炭素繊維を用いたシート状物であって、織布、一方向配列シート、不織布、マット、これらを組み合わせたシート状物等である。例えば織布からなるシート状物は、平織布、綾織布、朱子織布、及びこれら原組織を変化させた織布等であり、緯、経糸の両方共に上記のサイジング処理された炭素繊維を使用したものであっても、或いは他の炭素繊維や炭素繊維以外の繊維との混織布であってもよい。炭素繊維以外の繊維としては、例えば硝子繊維、チラノ繊維、SiC繊維等の無機繊維や、アラミド、ポリエステル、PP、ナイロン、ポリイミド、ビニロン等の有機繊維等を使用し得る。
【0076】
本発明の繊維強化複合材料は、サイジング処理された炭素繊維を使用した繊維強化複合材料であり、表面に上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤を付着させてなる炭素繊維、或いは該炭素繊維によるシート状物を強化材とする繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形体である。
【0077】
繊維強化樹脂組成物は、サイジング処理された炭素繊維を使用してある強化材とマトリックス樹脂とを複合化して形成した一方向プリプレグ、クロスプリプレグ、トウプレグ、短繊維強化樹脂含浸シート、短繊維マット強化樹脂含浸シート等からなる。この繊維強化樹脂組成物にするのに使用するマトリックス樹脂は特に限定されるものではないが、例えば従来一般的に用いられているエポキシ樹脂や、ラジカル重合系樹脂であるアクリル樹脂、ビニルポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が使用される。又繊維強化樹脂組成物は、例えばホットメルト法、溶剤法、シラップ法、或いはSMC等に用いられる増粘樹脂法等の一般的な方法によって製造することができる。
【0078】
上記の繊維強化樹脂組成物を成形してなる本発明の繊維強化複合材料は、上記の式(1)で表わされる化合物を主成分とする炭素繊維用サイズ剤によって処理された炭素繊維、つまり樹脂に対する親和性が良好であって、樹脂に対する接着性に優れた性質を有する炭素繊維を強化材として使用してあるので、マトリックス樹脂として、上記したように従来一般的に用いられているエポキシ樹脂だけでなく、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等のラジカル重合系樹脂等も適用することができる。
【0079】
又、本発明の繊維強化複合材料は、前記サイズ剤の主成分である式(1)で表わされるウレタン化合物が、炭素繊維とマトリックス樹脂との両者に対して強靭に接着することから、炭素繊維とマトリックス樹脂の界面接着力が強く、良好な力学的特性を示す繊維強化複合材料としての成形体になる。
【0080】
【実施例】
以下本発明の炭素繊維用サイズ剤、炭素繊維のサイジング方法、サイジング処理された炭素繊維、該炭素繊維によるシート状物、及びサイジング処理された炭素繊維を使用した繊維強化複合材料の具体的な構成を、実施例に基づいて説明する。
【0081】
参考例1
[炭素繊維束の製造]
アクリロニトリル単位97重量%とメタクリル酸単位3重量%とのアクリロニトリル共重合体をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた紡糸液を、紡糸ノズルを通して凝固浴中に吐出して紡糸した後、洗浄、及び沸水延伸に付し、更に沸水による洗浄、及び乾燥を施すことにより、単糸デニール1.2の炭素繊維用の前駆体繊維としてのアクリル系繊維を得た。
【0082】
次いでこの前駆体繊維を、空気中にて200〜300℃に加熱して耐炎化繊維にした後、続いて窒素ガス中にて最高温度1400℃に加熱して炭素化することによって炭素繊維にし、更にこの炭素繊維に電気化学的な表面酸化処理を施こすことにより、フィラメント数12,000本の炭素繊維束を得た。
【0083】
[式(1)で表されるウレタン化合物の合成]
2−ヒドロキシプロピルメタクレレート(HPMA:三菱レイヨン (株) )2.1モルを1000mlのフラスコに入れた後、反応禁止剤として2,6−ジ(t−ブチル)4−メチルフェノール(BHT)を0.25g、反応触媒としてジブチルすずジラウレート0.1gを添加し、撹拌しながら50℃まで昇温した。
【0084】
続いて、キシリレンジイソシアネート(タケネート500:武田薬品工業 (株) )1モルを滴下し、55℃に保った後、反応を終了させ、下記の[化25]に示すウレタン化合物1モルを合成した。
【0085】
【化25】
[サイズ剤溶液の調整]
上記のウレタン化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合し、転相乳化により水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分2.5重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を得た。
【0086】
[炭素繊維のサイジング]
サイズ剤溶液中に上記の炭素繊維束をローラー浸漬した後、熱風乾燥してからボビンに巻き取ることにより、炭素繊維に対する成分の付着量1.1重量%(サイズ剤の付着量0.88重量%)のサイジング処理された炭素繊維束のボビン巻きを得た。
【0087】
[繊維強化樹脂組成物の作製]
上記のサイジング処理された炭素繊維束をボビンから巻き出して、5本の金属製バーを配置させてなる開繊部を通過させた後、ドラムコーターにてマトリックス樹脂を付着、含浸させ、次いでマンドレル上に巻き付け速度10m/min.、巻き付け張力4Kgfで巻き付けて、マンドレルの巻き付け品からなる繊維強化樹脂組成物を得た。
【0088】
なおマトリックス樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:油化シェル (株) )と酸無水物系エポキシ樹脂(XN1045:チバSC (株) )とのエポキシ樹脂混合物(重量比100/80)を用いた。
【0089】
上記の繊維強化樹脂組成物の作製工程において、使用した炭素繊維束には毛羽の発生や張力の変動が全く無く、該炭素繊維束は優れた開繊性と工程通過性とを示した。又、ボビンからの炭素繊維束の巻き出しもスムーズで安定していた。
【0090】
[繊維強化複合材料の成形]
続いて、上記のマンドレルの巻き付け品を加熱してマトリックス樹脂を硬化させることにより、繊維強化複合材料としての内径17mm、外径23mm、長さ300mmのパイプを成形した。
【0091】
このパイプを曲げ試験に付して、炭素繊維と樹脂との90°方向の強度を測定したところ、80MPaの破断強度が得られた。又パイプの断面を観察したところ、ボイドの発生は殆ど無く、マトリックス樹脂が十分に繊維束に含浸していることが確認できた。
【0092】
参考例2
[式(1)で表されるウレタン化合物の合成]
参考例1のウレタン化合物の合成の手法と同様にして、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸2.1モルと、キシリレンジイソシアネート1モルとから、下記の[化26]に示すウレタン化合物1モルを合成した。
【0093】
【化26】
【0094】
[サイズ剤溶液の調整]
上記のウレタン化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合し、転相乳化により水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分2.0重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を得た。
【0095】
[炭素繊維のサイジング]
サイズ剤溶液中に、実施例1で使用したものを同じ表面酸化処理を施してあるフィラメント数12,000本の炭素繊維束をローラー浸漬し、続いて熱風乾燥してからボビンに巻き取ることにより、炭素繊維に対する成分の付着量0.8重量%(サイズ剤の付着量0.64重量%)のサイジング処理された炭素繊維束のボビン巻きを得た。
【0096】
[繊維強化樹脂組成物の作製]
離型紙上にBステージ化したエポキシ樹脂(#350:三菱レイヨン (株) )を塗布してあるホットメルトシートの上に、上記のボビンから巻き出した炭素繊維束の63本を並列、配置してエポキシ樹脂を含浸させると共に、その上に保護フィルムを積層することにより、樹脂含有量約30重量%、炭素繊維目付100g/m2 、幅500mmのUDプリプレグからなる繊維強化樹脂組成物を作製した。
【0097】
上記のUDプリプレグの製造工程中において、ボビンからの炭素繊維束の巻き出しは非常に安定しており、糸切れや毛羽の発生等は全くなかった。又各炭素繊維束は、擦過バーを通過して均一に開繊しており、その表面には樹脂の未含浸部に起因する色斑等が無く、非常にフラットな外観のUDプリプレグが得られた。更に、擦過バーに炭素繊維束からの粘着物等の付着は全くなかった。このUDプリプレグから保護フィルムを剥がすと急速に樹脂の吸い込みが生じ、これによって炭素繊維の優れた樹脂含浸性を確認することができた。
【0098】
[繊維強化複合材料の成形]
続いて、上記のUDプリプレグを硬化させて、繊維強化複合材料としての厚さ2mmのUD積層板を成形した。
該積層板を90°曲げ試験に付したところ、120MPaの強度、及びILSSでの90MPaの強度が得られ、該積層板には優れた機械特性が備えられていることを確認できた。
【0099】
実施例3
[炭素繊維束の製造]
参考例1と同様にして、電気化学的な表面酸化処理を施してあるフィラメント数3,000本の炭素繊維束を得た。
【0100】
[式(1)で表されるウレタン化合物の合成]
キシリレンジイソシアネート(タケネート500:武田薬品工業 (株) )1モルを1000mlフラスコに入れた後、反応禁止剤として2,6−ジ(t−ブチル)4−メチルフェノール(BHT)0.25g、反応触媒としてジブチルすずジラウレート0.1gを添加し、撹拌しながら50℃まで昇温した。
【0101】
続いて、2−ヒドロキシプロピルメタクレレート(HPMA:三菱レイヨン (株) )1.05モル滴下し、55℃に保った後、更にグリシドール1モルを滴下して反応を終了させ、下記の[化27]に示すウレタン化合物を合成した。
【0102】
【化27】
【0103】
[サイズ剤溶液の調整]
上記のウレタン化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合して水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分2.5重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を得た。
【0104】
[炭素繊維のサイジング]
サイズ剤溶液中に上記の炭素繊維束をローラー浸漬し、続いて熱風乾燥してからボビンに巻き取ることにより、炭素繊維に対する成分の付着量1.5重量%(サイズ剤の付着量1.2重量%)のサイジング処理された炭素繊維束のボビン巻きを得た。
【0105】
[サイジング処理された炭素繊維によるシート状物の作製]
サイジング処理された炭素繊維束をボビンから巻き出して、緯糸12.5本/インチと経糸12.5本/インチとによる炭素繊維目付200g/m2 の平織りクロスを20mm/分の速度で織成し、サイジング処理された炭素繊維によるシート状物を得た。この製織工程中のボビンからの炭素繊維束の巻き出し、及び他の擦過部での糸切れや毛羽の発生は無かった。
【0106】
[繊維強化樹脂組成物の作製及び繊維強化複合材料の成形]
上記のサイジング処理された炭素繊維によるシート状物に、メチルアクリレートプレポリマー液からなるメタクリルシラップを含浸、硬化させ、炭素繊維体積含有率VF40%のシート状の繊維強化複合材料を成形した。
【0107】
得られた繊維強化複合材料のJIS K7074による曲げ試験、断面の観察、及び破断面の走査型電子顕微鏡による観察(SEM観察)を行ったところ、曲げ強度は730MPaであり、又断面にはボイドの発生及び樹脂の未含浸部は全く無く、更にSEM観察では樹脂の凝集破壊様式が確認された。
【0108】
実施例4
[式(1)で表されるウレタン化合物の合成]
ヘキサメチレンジイソシアネート(タケネート700:武田薬品工業 (株) )1モルを1000mlフラスコに入れた後、反応禁止剤として2,6−ジ(t−ブチル)4−メチルフェノール(BHT)0.25g、反応触媒としてジブチルすずジラウレート0.1gを添加し、撹拌しながら50℃まで昇温した。
【0109】
引き続いて、2−ヒドロキシプロピルメタクレレート(HPMA:三菱レイヨン (株) )1.05モル滴下し、55℃に保った後、更にグリシドール1モルを滴下して反応を終了させ、下記の[化28]に示すウレタン化合物1モルを合成した。
【0110】
【化28】
【0111】
[サイズ剤溶液の調整]
上記のウレタン化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合して水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分3.3重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を得た。
【0112】
[炭素繊維のサイジング]
サイズ剤溶液中に実施例3で使用したものと同じ炭素繊維束をローラー浸漬し、続いて熱風乾燥してからボビンに巻き取ることにより、炭素繊維に対する成分の付着量2.0重量%(サイズ剤の付着量1.6重量%)のサイジング処理された炭素繊維束のボビン巻きを得た。この炭素繊維束には、柔軟性が備わっていた。
【0113】
[サイジング処理された炭素繊維によるシート状物の作製]
サイジング処理された炭素繊維束をボビンから巻き出して、緯糸12.5本/インチと経糸12.5本/インチとによる炭素繊維目付200g/m2 の平織りクロスを、20mm/分の速度で織成し、サイジング処理された炭素繊維によるシート状物を得た。この製織工程中のボビンからの炭素繊維束の巻き出し、及び他の擦過部での糸切れ又は毛羽の発生は無かった。
【0114】
[繊維強化樹脂組成物の作製及び繊維強化複合材料の成形]
上記のサイジング処理された炭素繊維によるシート状物に、メチルアクリレートプレポリマー液からなるメタクリルシラップを含浸、硬化させ、炭素繊維体積含有率VF40%のシート状の繊維強化複合材料を成形した。
【0115】
得られた繊維強化複合材料のJIS K7074による曲げ試験、断面の観察、及び破断面の走査型電子顕微鏡による観察(SEM観察)を行ったところ、曲げ強度は780MPaであり、又断面にはボイドの発生及び樹脂の未含浸部は全く無く、更にSEM観察では樹脂の凝集破壊様式が確認された。
【0116】
実施例5
[式(1)で表されるウレタン化合物の合成]
ヘキサメチレンジイソシアネート(タケネート700:武田薬品工業 (株) )1モルを1000mlフラスコに入れた後、反応禁止剤として2,6−ジ(t−ブチル)4−メチルフェノール(BHT)0.25g、反応触媒としてジブチルすずジラウレート0.1gを添加し、撹拌しながら50℃まで昇温した。
【0117】
続いて2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸1.05モルを滴下し、55℃に保った後、更に乳酸1モルを滴下して反応を終了させ、下記の[化29]に示す構造のウレタン化合物1モルを合成した。
【0118】
【化29】
【0119】
[サイズ剤溶液の調整]
上記のウレタン化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合して、水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分3.1重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を得た。
【0120】
[炭素繊維のサイジング]
上記のサイズ剤溶液中に、実施例1で使用したものを同じ表面酸化処理を施してあるフィラメント数12,000本の炭素繊維束をローラー浸漬し、続いて熱風乾燥してからボビンに巻き取ることにより、炭素繊維に対する成分の付着量2.0重量%(サイズ剤の付着量1.6重量%)のサイジング処理された炭素繊維束のボビン巻きを得た。
【0121】
[繊維強化樹脂組成物の作製及び繊維強化複合材料の成形]
ボビンから巻き出した炭素繊維束と、ビニルエステル樹脂(デックライト3505:大日本インキ化学工業(株))によるマトリックス樹脂とによる繊維強化樹脂組成物を引き抜き成形した後、得られた引き抜き成形体からなる繊維強化複合材料の引張試験、断面の観察、及び破断面の走査型電子顕微鏡による観察(SEM観察)を行ったところ、引張強度は1600MPaであり、又断面にはボイドの発生及び樹脂の未含浸部は全く無く、更にSEM観察では樹脂の凝集破壊様式が確認された。
【0122】
比較例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:油化シェル (株) )とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合して水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分2.5重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を使用する以外の工程は、実施例3の対応する工程と同様にして、比較のためのシート状の繊維強化複合材料を成形した。
【0123】
得られた繊維強化複合材料のJIS K7074による曲げ試験、断面の観察、及び破断面の走査型電子顕微鏡による観察(SEM観察)を行ったところ、曲げ強度は300MPaであり、又断面にはボイド及び樹脂の未含浸部が観察され、更にSEM観察では樹脂と炭素繊維との界面の明らかな剥離が確認された。
【0124】
比較例2
下記の[化30]に示すビスフェノールA型化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合して水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分2.5重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を使用する以外の工程は、実施例3の対応する工程と同様にして、比較のためのシート状の繊維強化複合材料を成形した。
【0125】
【化30】
【0126】
得られた繊維強化複合材料のJIS K7074による曲げ試験、断面の観察、及び破断面の走査型電子顕微鏡による観察(SEM観察)を行ったところ、曲げ強度は450MPaであり、断面にはボイド及び樹脂の未含浸部は観察されなかったが、SEM観察で樹脂と炭素繊維との界面の明らかな剥離が確認された。比較例3
比較例1で使用したものと同じサイジング処理された炭素繊維と、ビニルエステル樹脂(デックライト3505:大日本インキ化学工業(株))によるマトリックス樹脂とを使用して、引き抜き形成体を成形し、該引き抜き形成体からなる繊維強化複合材料の引張試験、断面の観察、及び破断面の走査型電子顕微鏡による観察(SEM観察)を行ったところ、引張強度は1200MPaであり、又断面にはボイドの発生及び樹脂の未含浸部が観察され、更にSEM観察では樹脂と炭素繊維との界面の明らかな剥離が確認された。
【0127】
比較例4
1,6ヘキサンジオール3.1モルとメチルエチルケトン500gとを2000mlフラスコに入れた後、反応禁止剤として2,6−ジ(t−ブチル)4−メチルフェノール(BHT)0.5g、反応触媒としてジブチルすずジラウレート0.2gを添加し、撹拌しながら50℃まで昇温した。
【0128】
次いで、キシリレンジイソシアネート(タケネート500:武田薬品工業 (株) )2.3モルを滴下し、55℃に保った後、反応を終了させ、比較のためのポリウレタン化合物を合成した。
【0129】
次いで、上記のウレタン化合物とプルロニックタイプのノニオン系界面活性剤(F88:旭電化工業 (株) )とを80:20(重量比)の割合で混合して、水中へ乳化させ、ノニオン系界面活性剤からなる乳化剤を含めた成分2.0重量%の水分散液からなるサイズ剤溶液を得た後、このサイズ剤溶液中に、実施例1で使用したものを同じ表面酸化処理を施してあるフィラメント数12,000本の炭素繊維束をローラー浸漬し、続いて熱風乾燥してからボビンに巻き取ることにより、炭素繊維に対する成分の付着量1.1重量%(サイズ剤の付着量0.88重量%)のサイジング処理された炭素繊維束のボビン巻きを得た。この炭素繊維束は、収束性が強く硬いものであった。
【0130】
続いて、上記炭素繊維束を使用し、実施例2のUDプリプレグからなる繊維強化樹脂組成物の作製工程と同様にして幅500mmのUDプリプレグを作製したところ、このUDプリプレグの製造工程中において、ボビンからの炭素繊維束の巻き出しは非常に安定していたが、擦過ローラーでの開繊処理で全ての炭素繊維束が十分に開繊せず、得られたUDプリプレグにはめ開きが存在しており、又該UDプリプレグの表面もでこぼこであった。
【0131】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例から明らかなように、本発明の炭素繊維用サイズ剤は、該サイズ剤を炭素繊維に適用することにより、エポキシ樹脂だけでなく、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等のラジカル重合系樹脂等からなるマトリックス樹脂に対しても優れた親和性を有する炭素繊維にすることができ、これらのマトリックス樹脂に対しての濡れ性の良好な炭素繊維になる。
【0132】
又、本発明の炭素繊維のサイジング方法は、前記炭素繊維用サイズ剤を水に溶解あるいは分散させてなるサイズ剤溶液を使用するものであるから、該サイズ剤溶液の安定性が高く、又取扱い性が良好であり、工業的にも、また安全性の面でも優位である。
【0133】
更に本発明のサイジング処理された炭素繊維は、上記の炭素繊維用サイズ剤をその表面に付着させたものであるから、上記炭素繊維用サイズ剤の作用によって機械的摩擦等よる毛羽が発生し難く、又エポキシ樹脂だけでなく、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等のラジカル重合系樹脂等からなるマトリックス樹脂に対しての親和性及び接着性に優れたものになる。
【0134】
更に又、本発明の繊維強化複合材料は、強化材として使用してある炭素繊維とマトリックス樹脂との界面に強い接着力が形成されるので、優れた力学的特性を備えた成形体になる。
Claims (7)
- 請求項1に記載の炭素繊維用サイズ剤において、式(1)で表わされる化合物のA及びBのうちの少なくともいずれかが、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、環式脂肪族エポキシ基、カルボキシル基、及びフェノール性水酸基より選ばれる1個の官能基を末端基として具備する有機残基であることを特徴とする炭素繊維用サイズ剤。
- 請求項1または2に記載の炭素繊維用サイズ剤において、式(1)で表わされる化合物が、1分子のジイソシアネートモノマーに対して、異なる官能基を有する2種類のアルコール性モノヒドロキシ化合物を反応させるウレタン化反応によって生成するウレタン化合物であることを特徴とする炭素繊維用サイズ剤。
- 請求項1〜3のいずれかの1項に記載の炭素繊維用サイズ剤の水溶液又は水分散液からなるサイズ剤溶液によって炭素繊維を処理することを特徴とする炭素繊維のサイジング方法。
- 請求項1〜3のいずれかの1項に記載の炭素繊維用サイズ剤がその表面に付着していることを特徴とするサイジング処理された炭素繊維。
- 請求項5に記載の炭素繊維を使用したシート状物からなることを特徴とするサイジング処理された炭素繊維によるシート状物。
- 請求項5に記載の炭素繊維或いは請求項6に記載のシート状物を強化材とする繊維強化樹脂組成物を成形してなることを特徴とする繊維強化複合材料。
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