JP4214384B2 - ファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法及びプログラミング装置 - Google Patents
ファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法及びプログラミング装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法及びプログラミング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファクトリーオートメーション(FA)の制御装置として、プログラマブルコントローラ(PLC)が用いられている。このPLCは、複数のユニットから構成される。すなわち、電源供給源の電源ユニット,PLC全体の制御を統率するCPUユニット,FAの生産装置や設備装置の適所に取り付けたスイッチやセンサの信号を入力する入力ユニット,アクチュエータなどに制御出力を出す出力ユニット,通信ネットワークに接続するための通信ユニットなどの各種のユニットを適宜組み合わせて構成される。
【0003】
PLC(CPUユニット)における制御は、入力ユニットで入力した信号をCPUユニットのI/Oメモリに取り込み(INリフレッシュ)、予め登録されたラダー言語で組まれたユーザプログラムに基づき論理演算をし(演算実行)、その演算実行結果をI/Oメモリに書き込んで出力ユニットに送り出し(OUTリフレッシュ)、その後、いわゆる周辺処理を行うということをサイクリックに繰り返し処理するようになる。
【0004】
そして、上記したユーザプログラムは、通常、ラダープログラムで作成しており、このラダープログラムにおいてIEC61131−3で規定されるファンクションブロック呼び出し命令が使用可能となっている。つまり、ファンクションブロック呼び出し命令は、一組の入出力パラメータとしてデータを定義し、他のブロックや内部変数とソフトウェア接続でき、実行するたびに動作する1つのアルゴリズムを持った構成要素として定義されている。よって、ファンクションブロック呼び出し命令を利用する場合、まず、アルゴリズムを定義した型を予め作成し、実際にプログラムで利用する場合にインスタンス化してメモリを割り付けて使用するようになる。
【0005】
そして、ラダープログラムにおいてファンクションブロック呼び出し命令を使用した場合、図1に示すように、矩形の表示形態となる。つまり、ファンクションブロック呼び出し命令は、実際に演算実行する処理を規定するボディBを矩形表示し、そのボディBの左側に入力端子を設け、右側に出力端子を設けた構成となる。そして、それら入出力端子は、ラダー回路に接続されるもの(図1の例では、「EN」と「ENO」)と、ラダー回路に接続されないものがあり、後者は、引数とも呼ばれる入力パラメータや、戻り値とも呼ばれる出力パラメータとなる。さらに、入出力パラメータの数は任意に設定でき、例えば64個ずつ設定すると、最大128個となる。なお、係るファンクションブロック呼び出し命令を含むプログラムの表示方法については、従来、特許文献1に開示されたプログラミング装置に関する発明がある。
【0006】
【特許文献1】
特許第3102828号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、ファンクションブロック呼び出し命令を含むプログラムの場合、図1に示すように、入出力パラメータが多くなると、1つのファンクションブロック呼び出し命令の表示が、縦長となり、1画面で全てを表示することが困難となる。また、デバッグ時などは、修正箇所を探すために前後のラダー回路も合わせて表示して確認することが一般に行われるが、1つのファンクションブロック呼び出し命令のみ表示した場合、前後のラダー回路を含めて1画面中に表示することが困難となり修正箇所を効率よく探すことができなくなる。
【0008】
また、ファンクションブロック呼び出し命令に対する編集は、全ての入出力パラメータを表示して編集する必要が生じ、入出力パラメータに割り付けているアドレスの修正なども想定されるため、可能な限り1画面内に全ての入出力パラメータが表示されることが望まれる。そこで、縮小表示して1つのファンクションブロック呼び出し命令を表示した場合、各入出力端子が小さくなってしまい見にくくなるため、編集効率が低下する。
【0009】
さらに、上記した問題は、表示のみならず、印刷時にも生じる。すなわち、印字した場合には、必ず全ての入出力パラメータを印刷する必要があるが、入出力パラメータの数が多くなると、図2に示すように、用紙Pの中央位置に、ボディBのブロックの中間部のみが印字され、左右に多くの空間が設けられた描画密度が低いものとなり、好ましくない。
【0010】
また、上記した特許文献1に開示された発明では、ファンクションブロック呼び出し命令の入出力パラメータ1つ1つに対して表示/非表示の設定を行い、一部の入出力パラメータを非表示にすることにより、ボディ部分が縦長になるのを抑制する技術が開示されている。しかし、係る特許文献1に示された発明では、新たに以下に示す問題を生じる。
【0011】
すなわち、多数の入出力パラメータ(最大128個)の表示/非表示を個々の命令ごとに行わなければならず、非常に煩雑となる。また、編集時に全ての入出力パラメータを確認したい場合、非表示となった入出力パラメータに対し、一度設定を表示に切り替える必要があるので、煩雑である。さらに、表示する入出力パラメータが多くなると、縦長の矩形状になってしまい、上記と同様の問題を生じる。さらに、一部が表示されている場合、設定状態を知らない人がそのファンクションブロック呼び出し命令の表示を見ると、非表示設定で表示されていないのか、もともと無いのかが区別できず、入出力パラメータの誤解が生じる。
【0012】
この発明は、入出力パラメータの数が多いファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムであっても、そのとき処理したい内容に即した表示形態に適宜切り替えることにより、デバックその他の効率の良い作業が行えるファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法及びプログラミング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明によるファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法は、プログラミング装置における複数の入出力端子を有するファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法である。そして、前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、全ての前記複数の入出力端子を表示する全表示形態と、前記ラダープログラムのラダー回路と連結していない入出力端子を表示しない簡易矩形表示形態を持ち、前記プログラミング装置の入力装置からの操作命令に従い、前記プログラミング装置は、現在の表示形態が前記全表示形態か前記簡易矩形表示形態かを認識し、別の表示形態に切り替えて表示するようにした。
【0014】
全表示形態は、表示形態を問わず全ての入出力端子(入出力パラメータ)を表示することを意味し、実施の形態で言う矩形表示形態(図1参照)と表形式表示形態(図5参照)がある。
【0015】
そして、上記した発明を前提とし、さらに、前記全表示形態には、前記ファンクションブロック呼び出し命令を表示する矩形領域に前記ラダー回路と連結していない入出力端子を組み込んで表示した矩形表示形態と、前記矩形領域の外に前記ラダー回路と連結していない入出力端子を表形式で表示した表形式表示形態を備え、前記プログラミング装置の入力装置からの操作命令に従い、前記プログラミング装置は、現在の表示形態が前記矩形表示形態か前記表形式表示かを認識し、別の表示形態に切り替えて表示するようにすることができる。
【0016】
また、別の解決手段としては、上記した前提のもと前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、前記ファンクションブロックを表示する矩形領域に前記入出力端子を組み込んで表示した矩形表示形態と、前記矩形領域の外に前記ラダー回路と連結していない入出力端子を表形式で表示した表形式表示形態を備え、前記プログラミング装置の入力装置からの操作命令に従い、前記プログラミング装置は、現在の表示形態が前記矩形表示形態か前記表形式表示かを認識し、別の表示形態に切り替えて表示するようにした。
【0017】
そして、上記した表示切替方法の発明を実施するために適した本発明に係るプログラミング装置としては、複数の入出力端子を有するファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムのプログラミング装置であって、前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、全ての前記複数の入出力端子を表示する全表示形態と、前記ラダープログラムのラダー回路と連結していない入出力端子を表示しない簡易矩形表示形態を持ち、現在の表示形態を特定する情報を記憶保持する手段と、入力装置からの操作命令に従い、前記記憶保持した情報に基づき現在の表示形態が前記全表示形態か前記簡易矩形表示形態かを認識するとともに、別の表示形態に切り替えて表示する機能を備えるようにした。
【0018】
また、別の解決手段としては、前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、前記ファンクションブロックを表示する矩形領域に前記入出力端子を組み込んで表示した矩形表示形態と、前記矩形領域の外にラダー回路と連結していない入出力端子を表形式で表示した表形式表示形態を備え、現在の表示形態を特定する情報を記憶保持する手段と、入力装置からの操作命令に従い、前記記憶保持した情報に基づき現在の表示形態が前記矩形表示形態か前記表形式表示かを認識するとともに、別の表示形態に切り替えて表示するように構成することもできる。上記2つの装置構成を組み合わせることももちろんできる。
【0019】
全表示形態の一態様である矩形表示形態は、矩形領域に全ての入出力端子を組み込むものであるが、ここでいう組み込みは、必ずしも矩形領域の内部に記述する必要は無く、矩形領域の外側であっても矩形領域に接触,接続した状態で記述した場合を含む概念である。
【0020】
ファンクションブロック呼び出し命令のラダープログラムリスト上での表示は、本体(実施の形態ではボディB)を矩形領域で記述し、その左右に入出力端子を設け、他のラダー回路と接続を図る。さらに、ファンクションブロック呼び出し命令には、他のラダー回路と接続されない入出力端子があり、この接続された入出力端子には、入出力パラメータが割り付けられる。従って、従来方式の通り、矩形領域に全ての他のラダー回路と非接続の入出力端子(入出力パラメータ)を組み込むようにすると、その入出力端子の数が多くなると、矩形領域も縦長になる。
【0021】
そこで、非接続の入出力端子の表示を省略した簡易矩形表示形態をとると、他のラダー回路と接続される1または数点の入出力端子(実施の形態におけるEN/ENO)のみが矩形領域に表示されるだけで済み、入出力端子(入出力パラメータ)の数が多くても縦長に表示されることは無いので、前後のラダー回路を同時に1つの画面に表示することができる。よって、例えばデバッグ時などで目的のラダー回路を検索したり、前後の関係を確認するのに適する。
【0022】
また、ファンクションブロック呼び出し命令に対する編集を行う場合には、例えばラダー回路と接続されていない入出力端子へのメモリの割り付けを変更するなどの処理も必要となるので、他のラダー回路と非接続の入出力端子も表示する必要がある。つまり、全表示形態をとる必要がある。ただし、上記した矩形表示形態をとると、入出力端子の数が非常に多くなると、1画面中に同時に全ての入出力端子を表示できなくなるおそれもある。その場合には、表形式表示形態をとることにより、他のラダー回路と非接続の入出力端子を別途表形式でまとめて表示することにより、全体として前後方向の表示領域を短くすることができ、1画面中に表示することが可能となる。
【0023】
そして、そのとき実行する処理の内容に応じて、上記した各表示形態を適宜切り替えて表示することにより、スムーズなプログラミング(作成・編集)を実行できる。
【0024】
そして、好ましくは前記ファンクションブロック呼び出し命令の現在の表示形態を特定する設定情報を各ファンクションブロック呼び出し命令ごとに記録保持し、次にそのファンクションブロック呼び出し命令を表示する場合には、前記記録保持した設定情報で特定される表示形態で表示するようにすることである。これにより、所定のファンクションブロック呼び出し命令を表示する場合には、前回の表示形態と同一の表示形態で表示されるので、その都度設定する必要が無く好ましい。つまり、多くの場合には、前回と同じ内容で表示し、必要に応じて表示形態を切り替えれば足りるので、作業性が向上する。
【0025】
さらに、少なくとも表示装置に表示されたファンクションブロック呼び出し命令に対し、指定された表示形態に一括して切り替えることができる。このようにすると、ある処理(例えば、目的のプログラム(ラダー回路)の検索等)を行う場合に、その処理に適した表示形態があるが、係る適した表示形態に一括して切り替えることにより、その後の作業性が向上する。もちろん、個々のファンクションブロック呼び出し命令に対し、その都度設定しても良いが、一括変換することにより、効率よく更新処理が行える。
【0026】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明の好適な一実施の形態を示している。パソコンからなるプログラミング装置(ツール)10とPLC(CPUユニット)20が、所定の通信回線21を介して接続されている。この通信回線21は、例えば、RS232Cなどのシリアル回線を用いて直接ケーブル接続することにより実現される。もちろん、このように直接接続するものに限ることはなく、他の通信回線を用いネットワーク経由でPLC20とプログラミング装置10とを接続する構成を採っても良い。そして、プログラミング装置10で作成したユーザプログラムは、通信回線21を介してPLC20にダウンロードされる。
【0027】
プログラミング装置10は、パソコンから構成され、ハードウエア構成としてキーボード11等の入力装置と、ディスプレイ12と、CPU13と、メモリ14を備えている。さらに、外部機器としてプリンタ15を備えている。メモリ14には、本発明との関係で言うと、プログラムを構成する回路データと、表示形態などを特定する各種のオプション設定が記録される。
【0028】
具体的には、図1に示す通常の矩形表示形態に加え、図4に示すような全ての入出力パラメータを非表示にする簡易矩形表示形態と、図5に示すような入出力パラメータを表で表示する表形式表示形態を用意し、いずれかの表示形態への切り替えを、キーボード11から与えられる1キー操作で実行できるようにしている。
【0029】
ここで、1キー操作の具体例としては、キーボード11のファンクションキーによる操作や、マウスによる操作がある。マウスの使用が困難な現場での操作や入力スピードの点から考慮すると、ファンクションキーを用いるのが好ましい。そして、ファンクションキーによる操作イメージとしては、例えば、簡易矩形表示と全表示切替用のキーとしてファンクションキーを1個割り当て、そのキーを押すごとに簡易矩形表示→全表示→簡易矩形表示→全表示のようにトグルして表示するようにすることができる。また、全表示状態において、矩形表示と表形式表示切替用のキーとして別のファンクションキーを1個割り当て、そのキーを押すごとに矩形表示と表形式表示をトグルして表示するように設定することができる。
【0030】
さらに、表示形態を切り替えた場合、その状態をプロパティとしてメモリ14に記憶保持させておくことにより、以降その回路(ファンクションブロック呼び出し命令)を表示する場合は前回の表示設定に基づいて表示するようにしている。つまり、各ファンクションブロック呼び出し命令が持つ情報の1つとして、表示形態についての情報を保有させることにより対処できる。
【0031】
具体的な表示形態についての情報としては、パラメータ表示設定情報と、パラメータ表示形態設定情報がある。パラメータ表示設定情報とは、各ファンクションブロック呼び出し命令ごとに設定されるもので、入出力パラメータを表示するか否かを規定するフラグであり、上記した表示形態についての情報の1つである。パラメータ表示設定情報が、非表示の場合には、図4に示したように入出力パラメータを表示しない表示形態をとる。また、パラメータ表示設定情報が、表示の場合には、入力パラメータを表示するが、その場合には、図5に示すように表形式での表示形態と、図1に示す従来からの表示形態をとることができ、いずれをとるかを、パラメータ表示形態設定情報により規定する。そして、これらパラメータ表示設定情報と、パラメータ表示形態設定情報は、いずれも各ファンクションブロック呼び出し命令ごとに設定され、適宜更新される。
【0032】
もちろん、パラメータ表示設定情報が非表示のファンクションブロック呼び出し命令においても、パラメータ表示形態設定情報は設定されている。この場合に、パラメータ表示設定情報が非表示の場合には、その時点では入出力パラメータが表示されないので、パラメータ表示形態設定情報がいずれの値をとっても実際の表示形態は図4の簡易矩形表示形態のようになるので変わらないが、その状態からパラメータ表示設定情報を切り替えて、入出力パラメータを表示するようにした場合には、パラメータ表示形態設定情報にしたがって、図1の通常の矩形表示形態または図5の表形式の表示形態で出力するようになる。
【0033】
簡易矩形表示形態の場合、前後のラダー回路が1画面中に確実に表示できるので、デバック時の処理対象のラダー回路を検出するのに適する。また、表形式表示形態の場合、全ての入出力パラメータを特に縮小表示することなく1画面中に表示することができるので、ファンクションブロック呼び出し命令に対する修正が容易に行える。しかも、ボディBの部分は縦長とならないので、印刷する場合にも描画密度を高くすることができるので好ましい。
【0034】
そして、上記した表示形態の切り替えは、キーボード11からの指示に従い、CPU13が図6に示す状態遷移図に従って動作することにより実行する。すなわち、ディスプレイ12にラダープログラムが表示され、かつファンクションブロック呼び出し命令が表示されていない基本状態X01の時に、キーボード11から画面の上下スクロール命令を受けると、それに従い上方または下方にスクロールする(X02)。そして、スクロール後に表示されるラダー回路にファンクションブロック呼び出し命令が使用されているか否かを判断する(X03)。つまり、メモリ14に格納された回路データ(ラダー言語によるユーザプログラム)に基づき、移動方向にあるラダー回路がファンクションブロック呼び出し命令か否かを判断する。
【0035】
そして、ファンクションブロック呼び出し命令が存在しない場合には、基本状態X01に戻り、次の画面スクロール命令を待つ。一方、X03の分岐判断で、スクロール後のラダー回路にファンクションブロック呼び出し命令が存在した場合には、パラメータ表示設定情報を取得する(X04)。そして、取得したファンクションブロック呼び出し命令に付加されたパラメータ表示設定情報が「非表示」の場合には、状態X05になる。つまり、入出力パラメータを表示しない表示形態をとるので、図4に示すようにファンクションブロック呼び出し命令のボディBのみを表示した形態となる。
【0036】
この入出力パラメータが非表示の状態X05において、キーボード11からの指示により画面スクロールがされると、X02に飛び、指示された移動方向に向けて画面をスクロールする。また、状態X05において、キーボード11からの指示によりパラメータ表示切替命令がなされると、パラメータ表示設定情報を切り替える(X06)。これに伴い、その回路(ファンクションブロック呼び出し命令)に付加されたパラメータ表示設定情報(X07)を更新する。
【0037】
そして、現在が状態X05でパラメータ表示設定情報が非表示の場合には、入出力パラメータを表示するいずれかの表示形態に切り替えることになるので、パラメータ表示形態設定情報を取得し(X08)、取得したパラメータ表示形態設定情報が矩形の場合には、図1に示す通常の矩形表示形態で表示する(状態X09)。また、取得したパラメータ表示形態設定情報が表の場合には、図5に示す表形式の表示形態で表示する(状態X12)。
【0038】
なお、パラメータ表示設定情報を取得した場合(X04)に、パラメータ表示設定情報が「表示」の場合にも、X08のパラメータ表示形態設定情報を取得し、状態X09か、状態X12のいずれかの表示形態でファンクションブロック呼び出し命令を表示する。
【0039】
また、状態X09,X12の入出力パラメータを表示する表示形態において、キーボード11の操作によりパラメータ表示形態切替命令を受けると(X10)、入出力パラメータの表示形態を切り替えて表示する。つまり、状態X09の通常の矩形表示をしているときに、パラメータ表示形態切り替え命令を受け取ると状態X12の表形式での表示に切り替える。同様に、状態X12の表形式で表示しているときにパラメータ表示切替命令を受け取ると、状態09の通常の矩形表示に切り替える。そして、そのパラメータ表示形態切り替え命令に従い、対象となるファンクションブロック呼び出し命令に付加されているパラメータ表示形態設定情報(X11)を更新する。
【0040】
さらに、入出力パラメータを表示する状態X09,X12のいずれにおいても、パラメータ表示切替(X06)を受けると、状態X05の入出力パラメータ非表示の簡易矩形表示形態に切り替わる。このとき、パラメータ表示形態設定情報は更新しない。
【0041】
さらにまた、入出力パラメータを表示する状態X09,X12のいずれにおいても、画面スクロールの入力が許容されており、そのスクロール命令が来ると、X02の処理を経て、スクロール後のラダー回路の表示を行う。
【0042】
上記した状態遷移図に従って処理することにより、ファンクションブロック呼び出し命令が画面上に表示された場合、各ファンクションブロック呼び出し命令に設定された表示形態についての情報に従って、図1,図4,図5のいずれかの表示形態で表示され、さらに、それら3種類の表示形態は適宜切り替えることができる。従って、例えば、入出力パラメータを非表示にした状態でスクロールすることにより、デバッグ時に目的のファンクションブロック呼び出し命令を容易に見つけることができ、その状態で入出力パラメータを表示することにより、そのファンクションブロック呼び出し命令に対する編集が行える。しかも、入出力パラメータの数が多くても、図5に示すように表形式で表示することにより、1画面中にファンクションブロック呼び出し命令とその入出力パラメータを表示することができるので、編集処理が容易に行える。
【0043】
また、上記した実施の形態では、各ファンクションブロック呼び出し命令ごとに表示形式を規定し、表示形式を変更する場合には、図6に示した状態遷移図に従って個別に変更処理をしたが、本発明はこれに限ることは無く、一括して表示形態を変更することもできる。具体的には、CPU13に、図7のフローチャートに示す表示形式一括変換機能を付加することである。
【0044】
すなわち、キーボード11の操作により、設定を一括で変更するモードが選択された場合、まず、変更するパラメータ表示設定情報とパラメータ表示形態設定情報を確定する(ST1)。つまり、パラメータ表示設定情報については「表示/非表示」を、パラメータ表示形態設定情報については「矩形/表」をキーボードからの入力に基づいて確定する。
【0045】
次いで、メモリ中の回路データをアクセスし、回路データを逐次取得する(ST2,ST3)。そして、ファンクションブロック呼び出し命令を検出すると、パラメータ表示設定情報及びパラメータ表示形態設定を、ステップ1で確定した内容に変更する(ST4,ST5)。その後、変更された新たな設定情報に従って、表示形式を変更する(ST6)。
【0046】
上記したステップ2から6の処理を全てのラダー回路について行う。なお、ここでいう全てのラダー回路は、処理対象のプログラムを構成する全てのラダー回路としても良いし、処理対象のラダープログラムを構成するラダー回路のうち、現在表示されているもののみとしても良い。
【0047】
なお、上記した説明では、ディスプレイ12に表示する場合を説明したが、同一内容(表示形態)をプリンタ15に出力することももちろんできる。この時、簡易矩形表示形態で表示している場合に、入出力パラメータを非表示のまま印刷するようにしても良いが、パラメータ表示形態設定情報に従い、通常の矩形表示形態或いは表形式表示形態のように入出力パラメータを付加した状態で印刷するようにすることもできる。
【0048】
なおまた、上記した各図に示すフローチャートを実行する機能は、本実施の形態ではアプリケーションプログラム(プログラム製品)で構成され、ツール機器10であるコンピュータ(パソコン)にインストールされ、そのCPU13において、各処理部となって稼働する。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、たとえ入出力パラメータの数が多いファンクションブロック呼び出し命令を含むプログラムであっても、そのときに処理したい内容に即した表示形態に適宜切り替えることができる。よって、デバックその他の効率の良い作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプログラムの表示形態の一例を示す図である。
【図2】従来のプログラムの表示形態の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る好適な一実施の形態を示すブロック図である。
【図4】表示形態の一例を示す図である。
【図5】表示形態の一例を示す図である。
【図6】表示切替の機能を説明する状態遷移図である。
【図7】表示形態の一括変更機能を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 プログラミング装置(ツール)
11 キーボード
12 ディスプレイ
13 CPU
14 メモリ
15 プリンタ
20 PLC
21 通信回線
Claims (7)
- プログラミング装置における複数の入出力端子を有するファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法であって、
前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、全ての前記複数の入出力端子を表示する全表示形態と、前記ラダープログラムのラダー回路と連結していない入出力端子を表示しない簡易矩形表示形態を持ち、
前記プログラミング装置の入力装置からの操作命令に従い、前記プログラミング装置は、現在の表示形態が前記全表示形態か前記簡易矩形表示形態かを認識し、別の表示形態に切り替えて表示することを特徴とするファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法。 - 前記全表示形態には、前記ファンクションブロック呼び出し命令を表示する矩形領域に前記ラダー回路と連結していない入出力端子を組み込んで表示した矩形表示形態と、前記矩形領域の外に前記ラダー回路と連結していない入出力端子を表形式で表示した表形式表示形態を備え、
前記プログラミング装置の入力装置からの操作命令に従い、前記プログラミング装置は、現在の表示形態が前記矩形表示形態か前記表形式表示かを認識し、別の表示形態に切り替えて表示することを特徴とする請求項1に記載のファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法。 - プログラミング装置における複数の入出力端子を有するファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法であって、
前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、前記ファンクションブロックを表示する矩形領域に前記入出力端子を組み込んで表示した矩形表示形態と、前記矩形領域の外に前記ラダープログラムのラダー回路と連結していない入出力端子を表形式で表示した表形式表示形態を備え、
前記プログラミング装置の入力装置からの操作命令に従い、前記プログラミング装置は、現在の表示形態が前記矩形表示形態か前記表形式表示かを認識し、別の表示形態に切り替えて表示することを特徴とするファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法。 - 前記ファンクションブロック呼び出し命令の現在の表示形態を特定する設定情報を各ファンクションブロック呼び出し命令ごとに記録保持し、
次にそのファンクションブロック呼び出し命令を表示する場合には、前記記録保持した設定情報で特定される表示形態で表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法。 - 少なくとも表示装置に表示されたファンクションブロック呼び出し命令に対し、指定された表示形態に一括して切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムの表示切替方法。
- 複数の入出力端子を有するファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムのプログラミング装置であって、
前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、全ての前記複数の入出力端子を表示する全表示形態と、前記ラダープログラムのラダー回路と連結していない入出力端子を表示しない簡易矩形表示形態を持ち、
現在の表示形態を特定する情報を記憶保持する手段と、
入力装置からの操作命令に従い、前記記憶保持した情報に基づき現在の表示形態が前記全表示形態か前記簡易矩形表示形態かを認識するとともに、別の表示形態に切り替えて表示する機能を備えたことを特徴とするプログラミング装置。 - 複数の入出力端子を有するファンクションブロック呼び出し命令を含むラダープログラムのプログラミング装置であって、
前記ファンクションブロック呼び出し命令の表示形態として、前記ファンクションブロック呼び出し命令を表示する矩形領域に前記入出力端子を組み込んで表示した矩形表示形態と、前記矩形領域の外に前記ラダープログラムのラダー回路と連結していない入出力端子を表形式で表示した表形式表示形態を備え、
現在の表示形態を特定する情報を記憶保持する手段と、
入力装置からの操作命令に従い、前記記憶保持した情報に基づき現在の表示形態が前記矩形表示形態か前記表形式表示か認識するとともに、別の表示形態に切り替えて表示する機能を備えたことを特徴とするプログラミング装置。
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