JP4202086B2 - 作業用車両におけるpto伝動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芝刈機やコンバイン等の農作業機、クレーン車といった作業用車両における作業部(例えばモア装置や脱穀装置、クレーン装置等)に動力伝達するためのPTO伝動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は以前に、ミッションケースの左または右側面に設けたミッドPTOケースから走行機体の下面側に装着したミッドマウント作業部に向かって、ミッドPTO軸を突出させ、エンジンにおける出力軸からPTO変速装置等を経てミッドPTO軸に伝わった回転動力を、ユニバーサルジョイントや回転軸等を介してミッドマウント作業部に伝達するように構成することを、特許文献1において開示した。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−127770号公報(8頁段落0053〜段落0057、図7及び図11〜図13)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1の構成では、ミッドPTO軸の回転方向の調整等のために、出力軸からミッドPTO軸までの動力伝達経路中に多くのアイドル軸及びアイドルギヤを組合せて配置していたから(特許文献1の図7、図11及び図13参照)、部品点数の多さに伴って前記動力伝達経路の構造が複雑化し、製造コストが嵩むという問題があった。
【0005】
また、ミッドPTO軸は、ミッションケースの左または右側面に設けたミッドPTOケースから突出しているため、ミッドマウント作業部におけるギヤボックスの配置位置によっては、このギヤボックスとミッドPTO軸とを連動連結するためのユニバーサルジョイントや回転軸等がミッションケースに干渉して、前記ギヤボックスと前記ミッドPTO軸とを連結できない場合がある。
【0006】
例えば、ミッションケースの左側にあるミッドPTO軸を、ミッドマウント作業部の右寄り部位に配置されたギヤボックスに、ユニバーサルジョイント等を介して連結しようとしても、このユニバーサルジョイント等はミッションケースを横切ることになるので、前記ギヤボックスと前記ミッドPTO軸とは連結できないのである。
【0007】
このため、前記特許文献1の構成を採用した走行機体では、装着可能なミッドマウント作業部が限定されるという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、以上の問題点を解消することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明に係るPTO伝動装置は、走行機体に搭載した駆動源からミッションケースに伝達された回転動力の一部をPTO伝動機構を介して作業部に伝達するように構成した作業用車両において、前記PTO伝動機構は少なくとも、前記ミッションケースからの回転動力の一部がPTO変速継断機構を介して伝達されるPTO推進軸と、このPTO推進軸に連動して回転可能な縦向きの伝動軸と、当該伝動軸から回転動力を受け取る横向きのPTO軸とを備えており、前記ミッションケースの外側面に一体に又は別体で設けた伝動ケースの面には、当該面から下向きに突出した前記伝動軸の先端部を覆うカバー体が取り付けられており前記PTO軸は前記カバー体から横向きに突出しており、前記カバー体内で、前記伝動軸の先端部に設けたベベルギヤと前記PTO軸の基端部に設けたベベルギヤとを噛み合わせることによって、前記カバー体は、前記伝動軸から前記PTO軸への動力伝達が可能な状態で、前記伝動軸の軸線回りの水平回動にて取り付け向きを調節して、前記伝動ケースの下面に固定し得るように構成されているというものである。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明を芝刈機に適用した第1実施形態であり、はじめに、図1及び図2を参照して芝刈機の概要を説明する。図1は芝刈機の側面図、図2は芝刈機の底面図である。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態における芝刈機の走行機体1は、その左右両側の前後に配置した前後四輪2,2,3,3で支持されており、走行機体1の前部を覆うボンネット4内にはエンジン5が設けられている。
【0014】
ボンネット4の後方は、走行機体1を左右に操向操作する操向丸ハンドル6やオペレータが座る操縦席7を有する操縦部となっており、オペレータが走行丸ハンドル7を回動操作することにより、その操作量(回動量)に応じて左右両前輪2,2のかじ取り角(操向角度)が変わるように構成されている。操縦席7の下方にはミッションケース8が設けられている。
【0015】
図1及び図2に示すように、走行機体1の下面(側面視で前後両輪2,3の間)には、油圧シリンダ10aや前後リンク機構10b,10b等からなる昇降機構10を介して、モア装置9が昇降調節可能に装着されている。
【0016】
圃場面に植立した草の刈取り作業は、走行機体1の走行時に、モア装置9を圃場面に這うように下降させた状態で実行される。モア装置9は請求項に記載した作業部に相当する。
【0017】
モア装置9は、下向きに開口した平面視略五角形状の上カバー11a、及びこの上カバー11a内の後寄り部位を塞ぐ下カバー11bからなるモアカバー11と、当該モアカバー11の内部のうち下カバー11bよりも下方箇所に車幅方向(左右幅方向)に並べて設けた複数のロータリ刈刃12(実施形態では三つ)とを備えている。モア装置9は、上カバー11aの左右両側に前後に配置した四つのガイド輪13,13,14,14で支持されている。
【0018】
上カバー11aの左側部には排出口15が開口しており、上カバー11a内の前部、換言すると下カバー11bの前方部位は、各ロータリー刈刃12で刈取られた草を排出口15へ搬送する搬送路31となっている。
【0019】
各ロータリ刈刃12のロータリ軸21は、上カバー11aの内面(下面)から下カバー11bを貫通した状態で水平回転可能に軸支されている。各ロータリ軸21のうち上下カバー11a,11bで囲まれた中空部内に位置する長手中途部には、動力伝達用のプーリ22が固着されている。
【0020】
他方、上カバー11aの上面であって中央ロータリ軸21と左ロータリ軸21との間にはギヤボックス23が設けられている。このギヤボックス23から下向きに突出した下分配軸24は、上カバー11aの上面を貫通して、上下カバー11a,11bで囲まれた中空部内に水平回転可能に軸支されている。この下分配軸24のうち前記中空部内に位置する長手中途部にも、動力伝達用のプーリ25が固着されている。
【0021】
また、前記中空部内であって下分配軸24の左後方及び中央ロータリ軸21の左後方とには、テンションローラ26,27が配置されている。
【0022】
下分配軸24のプーリ25と、下分配軸24の左後方のテンションローラ26と、右ロータリ軸21のプーリ22と、中央ロータリ軸21の左後方のテンションローラ27と、中央ロータリ軸21のプーリ22と、左ロータリ軸21のプーリ22とには、三つのロータリ軸21全てが同一方向に回転するように、タイミングベルト等の無端帯28が巻き掛けられている。なお、2つのテンションローラ26,27は、無端帯28の張力を調節するためのものである。
【0023】
ギヤボックス23は、前述した下分配軸24以外にも、後向きに突出した入力軸29と、左向きに突出した左分配軸(図示せず)とを有している。ギヤボックス23の入力軸29は、両端に自在継手20,20を有する伝達軸としてのモア駆動軸19を介して、PTO伝動機構61を構成するPTO軸65(詳細は後述する)に連動連結されている。
【0024】
したがって、後述するPTO軸65からモア駆動軸19を経由してギヤボックス23に伝わった回転動力の一部は、下分配軸24から無端帯28を利用して各ロータリ軸21に出力される。これにより、三連のロータリ刈刃12,12,12は、いずれも底面視で時計回りに回転駆動することになる(図2の矢印R方向参照)。
【0025】
走行機体1の進行方向右側には、内部に図示しないファン(送風機)を有するスロワ16が、上カバー11aの左側部の排出口15と連通するように設けられている。詳細は図示しないが、スロワ16内のファン軸は、自在継手付き従動軸等を介して、モア装置9におけるギヤボックス23の左分配軸に連動連結されており、前記ファンを、ギヤボックス23に伝わった残りの回転動力で回転駆動させるように構成されている。
【0026】
このスロワ16は、長筒状の搬送ダクト17を介して走行機体1の後部に設けたキャッチャーボックス18にも連通しており、各ロータリ刈刃12で刈取られた草は、スロワ16内のファンの回転により、スロワ16から搬送ダクト17を経てキャッチャーボックス18に搬送・収容される。
【0027】
次に、図3を参照しながら、芝刈機の動力伝達系統について説明する。図3は芝刈機の動力伝達系統図である。
【0028】
第1実施形態の芝刈機では、エンジン5から油圧式駆動手段41に伝わった動力を前後四輪2,2,3,3全てに配分する四輪駆動方式が採用されている。
【0029】
油圧式駆動手段41は、容量可変型の油圧ポンプ42と油圧モータ43とにより構成されており、油圧ポンプ42の回転斜板(図示せず)の傾斜角度を調節して、油圧モータ43への圧油の吐出方向及び吐出量を変更することにより、油圧モータ43から突出したモータ出力軸45の回転方向及び回転数を調節することができる。
【0030】
なお、この実施形態では、油圧式駆動手段41は、ミッションケース8に隣接して設けられるか、またはミッションケース8に外付けされている。エンジン5及び油圧式駆動手段41は請求項に記載した駆動源に相当する。
【0031】
油圧式駆動手段41は、エンジン5から突出して油圧ポンプ42を貫通した出力軸35経由の動力伝達系統と、油圧モータ43から突出したモータ出力軸45経由の動力伝達系統との二系統を有している。
【0032】
この実施形態では、出力軸35経由の回転動力と、モータ出力軸45経由の回転動力との合成動力により、前後四輪2,2,3,3を回転駆動させる油圧及び機械式駆動モード(HMTモード)と、モータ出力軸45経由の回転動力だけで前後四輪2,2,3,3を回転駆動させる油圧式駆動モード(HSTモード)とを切替えて実行できるように構成されている。
【0033】
HMTモードの場合は、出力軸35上に配置した遊星歯車機構46における回転筒47上のクラッチ48は入り状態となる一方、モータ出力軸45上の第1油圧クラッチ49は入り、同じくモータ出力軸45上の第2油圧クラッチ50は切り状態となる。これにより、出力軸35上の遊星歯車機構46に、出力軸35の回転動力とモータ出力軸45の回転動力とが伝達され、この合成動力が遊星歯車機構46から駆動軸51に伝達される。
【0034】
HSTモードの場合は、遊星歯車機構46における回転筒47上のクラッチ48は切り状態となる一方、モータ出力軸45上の第1油圧クラッチ49は切り、第2油圧クラッチ50は入り状態となる。これにより、モータ出力軸45の回転動力のみが直接的に駆動軸51に伝達される。
【0035】
いずれのモードの場合も、駆動軸51に伝わった回転動力は前輪2側と後輪2側とに分岐される。前輪2側では、駆動軸51の回転動力はフロントアクスル機構(図示せず)を介して左右の前輪出力軸34,34(図1参照)に出力される。後輪3側では、駆動軸51の回転動力は副変速機構52から後輪デフ機構32を経由して左右の後輪出力軸33,33に出力される。
【0036】
なお、前述した遊星歯車機構46、駆動軸51、副変速機構52、後輪デフ機構32等は、出力軸35やモータ出力軸45と同様に、ミッションケース8内に収容されている。
【0037】
次に、図2〜図5を参照しながら、PTO伝動系の構成について説明する。図4はPTO伝動機構61の側断面図、図5はPTO伝動機構61の一部拡大側断面図である。
【0038】
油圧ポンプ42を貫通した出力軸35の回転動力は、選択されたモードに関係なく、ミッションケース8内のPTO変速継断機構55を介して、ミッションケース8の後端部に配置したPTO伝動機構61にも伝達される。
【0039】
PTO変速継断機構55は、PTO伝動機構61への動力伝達系統の入口において、回転動力の大きさの調節と動力伝達の継断とを行うためのものであり、後述するPTO推進軸62に伝達する回転動力を適宜変速させるPTO変速手段56と、出力軸35からPTO推進軸62への動力伝達を継断するためのPTOクラッチ57と、このPTOクラッチ57が切り状態であるとPTO推進軸62を回転不能にロックするPTOブレーキ58とにより構成されている。
【0040】
PTO伝動機構61は、前述したPTO変速継断機構55を介して出力軸35と同一軸心上に連動連結したPTO推進軸62と、このPTO推進軸62と略平行状に配置したリヤPTO軸63と、このリヤPTO軸63の軸線と略直交する縦向きの軸線A回りに回転可能な伝動軸64と、この伝動軸の軸線Aに略直交する横向きの軸線B回りに回転可能なPTO軸65とを備えている。なお、リヤPTO軸63の軸線と伝動軸64の軸線Aとの関係、及び伝動軸64の軸線AとPTO軸65の軸線Bとの関係は必ずしも略直交させる必要はなく、交差する関係であればよい。
【0041】
前記伝動軸64は、ミッションケース8の後端部に設けた伝動ケース66の下面から下向きに突出しており、この伝動ケース66の下面には、伝動軸64の突出端部(先端部)を覆う略L字筒状のカバー体86が、伝動軸64の軸線A回りに(360°に亘って)取付け向きを調節して付替え固定できるように構成されている。
【0042】
そして、カバー体86における他方の開口部からは、PTO軸65を外向きに突出させており、このカバー体86内に、伝動軸64からPTO軸65に動力伝達するための連動機構95が配置されている。
【0043】
以下に、PTO伝動機構61を構成する各部の詳細について説明する。
【0044】
伝動ケース66は、ミッションケース8の後端部の周囲に囲い壁67を一体成形するとともに、後向きの開口部に蓋体68をねじ止め等で固定することにより中空状に形成されたものである。なお、伝動ケース66は、ミッションケース8とは別体に構成して、ミッションケース8の後端部に取付けるようにしたものでもよい。
【0045】
PTO推進軸62は、伝動ケース66内に設けた軸受69,70で回転可能に軸支されている。PTO推進軸62に固着した推進ギヤ71が、リヤPTO軸63にベアリングを介して遊嵌した従動ギヤ76と常時噛合っている。
【0046】
他方、伝動ケース66内の軸受82,82で軸線A回りに回転可能に軸支された伝動軸64の一端部には、リヤPTO軸63にベアリングを介して遊嵌した伝達ベベルギヤ77に常時噛合う上回転ベベルギヤ83が固着されている(図4及び図5参照)。伝動軸64の他端部には下回転ベベルギヤ84が固着されている。
【0047】
伝動軸64の軸部の上下長さLは、その下端部の下回転ベベルギヤ84が伝動ケース66の下面に設けた挿通穴85から伝動ケース66外に突出する程度の長さに設定されている。
【0048】
伝動ケース66の下面に設けたカバー体86は、一方の開口部の外周側にフランジ部87を有しており、このフランジ部87には、底面視で短い円弧状の溝穴88が複数穿設されている(図2及び図4参照)。
【0049】
一方、伝動ケース66における挿通穴85の周囲には、底面視で軸線Aを半径中心とした円周方向に沿って適宜間隔で、カバー体86固定用のねじ穴(図示せず)が複数個穿設されている。
【0050】
したがって、カバー体86における他方の開口部を所定方向に向けた状態で、フランジ部87の下方から複数本のねじ89を、伝動ケース66側の所定のねじ穴(図示せず)に螺合することにより、カバー体86は、伝動ケース66の下面に対して軸線A回りに取付け向きを調節して付替え固定できるのである。
【0051】
なお、フランジ部87に穿設した溝穴88は底面視で短い円弧状に形成されているので、ねじ89を若干緩めれば、カバー体86を伝動軸64の軸線A回りに若干ずらすことができる。これにより、カバー体86の取付け向きを微調節することも可能である。
【0052】
図2〜図4に示すように、カバー体86における他方の開口部からブッシュ90を介して突出したPTO軸65は、カバー体86の内周側に設けた軸受91,91を介して軸線B回りに回転可能に軸支されている。
【0053】
PTO軸65には、伝動軸64の下回転ベベルギヤ84に略90°の関係で常時噛合う従動ベベルギヤ92が固着されており、伝動軸64からの回転動力は、伝動軸64の下回転ベベルギヤ84とPTO軸65の従動ベベルギヤ92との噛合いにより、PTO軸65に伝達される。
【0054】
したがって、PTO軸65が軸線A回りのいずれの方向に向いていても、両ベベルギヤ84,92が噛合っていれば、伝動軸64の回転動力は確実にPTO軸65に伝達されることになる。この実施形態では、伝動軸64の下回転ベベルギヤ84とPTO軸65の従動ベベルギヤ92とが連動機構95に相当する。
【0055】
図2に示すように、この実施形態では、モア装置9のギヤボックス23がミッションケース8よりも左側に配置されているので、PTO軸65が左斜め前方向に延びるように、カバー体86の取付け向きを設定することにより、モア駆動軸19がミッションケース8に干渉するのを回避している。この場合、PTO軸65の回転動力をモア駆動軸19を介してギヤボックス23の入力軸29に効率よく伝達するため、PTO軸65とモア駆動軸19とがなす角度θ1は、ギヤボックス23の入力軸29とモア駆動軸19とがなす角度θ2に略一致するように設定されている。
【0056】
以上のように構成すると、PTO推進軸62に伝わった回転動力をPTO軸65に伝達するための構成が、上下長手の伝動軸64と、伝動軸64の下回転ベベルギヤ84及びPTO軸65の従動ベベルギヤ92からなる連動機構95とだけで済み、前記従来(特許文献1参照)のような多くのアイドル軸やアイドルギヤが全く不要であるから、PTO伝動機構61全体の構造が至極簡単になり、前記従来のものよりも部品点数が少なくて済む。これにより、PTO伝動装置ひいては芝刈機の製造コストを低減できるばかりか、その組立ても簡単になる。しかも、前記従来のものよりも部品点数を低減できるので、PTO伝動装置のコンパクト化を図ることも可能となる。
【0057】
また、伝動ケース66の下面に対して軸線A回りに取付け向きを調節して付替え固定できるように、カバー体86を構成するとともに、このカバー体86の内部に、下回転ベベルギヤ84及び従動ベベルギヤ92とからなる連動機構95を内蔵しているので、カバー体86から外向きに突出するPTO軸65の向きは、伝動軸64の軸線A回りのいずれの向きにも変更することができる。
【0058】
これにより、モア装置9のギヤボックス23がミッションケース8よりも左側にある場合(図2参照)は、PTO軸65が左斜め前方向に延びるように、カバー体86の取付け向きを設定できるし、モア装置9のギヤボックス23がミッションケース8よりも右側にある場合(図6参照)は、PTO軸65が右斜め前方向に延びるように、カバー体86の取付け向きを設定できる。なお、図6のモア装置9はベルト伝動系統の構成(配置)が図2のものと左右逆になっているだけである。モア装置9を装着せずに、例えば走行機体1の後部に複数の作業部を装着したい場合は、PTO軸65が後方に延びるように、カバー体86の取付け向きを設定することも可能である。
【0059】
すなわち、前述の構成を採用したことにより、モア装置9におけるギアボックス23の配置位置にかかわらず、ミッションケース8やPTO伝動機構61に何らの設計変更を施すことなく一つのPTO伝動装置で対処できるので、汎用性が高いのである。
【0060】
さらに、連動機構95として、伝動軸64の下回転ベベルギヤ84とPTO軸65の従動ベベルギヤ92とを常時噛合わせる構成を採用したことにより、両軸64,65を略90°の関係で連動させることができるので、ベベルギヤ同士の噛合いという至極簡単な構成にもかかわらず、伝動ロスが少なく確実に、伝動軸64の回転動力をPTO軸65に伝達することができる。
【0061】
次に、第1実施形態で採用したその他の構成を説明する。
【0062】
リヤPTO軸63は、走行機体1の後部に装着したリヤマウント作業部(例えばスクレーパやレーキ、耕耘機等)に動力伝達するためのものである。リヤPTO軸63は伝動ケース60の後面、すなわち蓋体68に穿設した軸穴72をブッシュ73を介して貫通するとともに、伝動ケース66内に設けた軸受74,75を介して回転可能に軸支されている。
【0063】
リヤPTO軸63における従動ギヤ76の前面には、伝達ベベルギヤ77に向かって延びる略円筒状の突出部78が一体的に形成されており、同様にして、リヤPTO軸63における伝達ベベルギヤ77の後面にも、従動ギヤ76に向かって延びる略円筒状の突出部79が一体的に形成されている。
【0064】
リヤPTO軸63上であって従動ギヤ76と伝達ベベルギヤ77との間には、正面視略環状のリング体80が、両ギヤ76,77の突出部78,79に挟まれるように固着されている。両突出部78,79とリング体80との外周部位はスプライン溝を有するスプライン部となっており、このスプライン部には、スプライン穴を有するPTO切替クラッチ81が往復動可能に被嵌されている。
【0065】
PTO切替クラッチ81は、リヤPTO軸63及びPTO軸65への動力伝達を継断するためのものであり、操縦部に設けたPTO切替レバー(図示せず)の操作位置に応じて、前中後の三つの位置(図5参照)に移動するように構成されている。
【0066】
PTO切替クラッチ81が前位置(図5の実線状態参照)にある場合は、従動ギヤ76、リング体80、及び伝達ベベルギヤ77がPTO切替クラッチ81を介して一体回転するように連結される。その結果、PTO推進軸62の回転動力がリヤPTO軸63に伝達されるとともに、伝動軸64ひいてはPTO軸65に伝達される。
【0067】
PTO切替クラッチ81が中間位置(図5の一点鎖線状態参照)にある場合は、従動ギヤ76と伝達ベベルギヤ77との連結は解除され、伝達ベベルギヤ77は従動ギヤ76に対して自由回転可能となる一方、リング体80はPTO切替クラッチ81を介して従動ギヤ76と一体回転するように連結される。その結果、PTO推進軸62の回転動力はリヤPTO軸63にのみ伝達され、伝動軸64ひいてはPTO軸65には伝達されない。
【0068】
PTO切替クラッチ81が後位置(図5の二点鎖線状態参照)にある場合は、従動ギヤ76と伝達ベベルギヤ77との連結だけでなく、従動ギヤ76とリング体80との連結も解除される。その結果、PTO推進軸62の回転動力は、リヤPTO軸63及びPTO軸65のいずれにも伝達されないのである。
【0069】
図7及び図8に示す第2実施形態は、PTO伝動機構の構成の別例である。第2実施形態において、構成及び作用が第1実施形態と変わらないものは、第1実施形態のものと同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0070】
この実施形態のPTO伝動機構101では、リヤPTO軸63上の伝達ベベルギヤが省略されており、従動ギヤ76の突出部78とリング体80との外周部位(スプライン部)に、スプライン穴を有する第1切替クラッチ102が往復動可能に被嵌されている。
【0071】
そして、伝動ケース66内には、リヤPTO軸63と伝動軸64との間に、リヤPTO軸63と略平行な中間軸103が配置されている。この中間軸103は、伝動ケース66内に設けた軸受104,104を介して回転可能に軸支されている。
【0072】
中間軸103には、PTO推進軸62の推進ギヤ71と常時噛合う中間ギヤ105が遊嵌されるとともに、伝動軸64の上回転ベベルギヤ83に常時噛合う中間ベベルギヤ106が固着されている。
【0073】
中間ギヤ105の前面には、中間ベベルギヤ77に向かって延びる略円筒状の突出部107が一体的に形成されており、この突出部107と中間軸との外周部位がスプライン部になっている。このスプライン部には、スプライン穴を有する第2切替クラッチ108が往復動可能に被嵌されている。
【0074】
第1切替クラッチ102が前位置(入り位置)にある場合は、従動ギヤ76及びリング体80が、第1切替クラッチ102を介して一体回転するように連結される。その結果、PTO推進軸62の回転動力がリヤPTO軸63に伝達される。第1切替クラッチ102が後位置(切り位置)にある場合は、従動ギヤ76とリング体80との連結が解除され、リング体80は従動ギヤ76に対して自由回転可能となる。その結果、PTO推進軸62の回転動力はリヤPTO軸63には伝達されない。
【0075】
他方、第2切替クラッチ108が前位置(入り位置)にある場合は、中間ギヤ105及び中間軸103が第2切替クラッチ108を介して一体回転するように連結される。その結果、PTO推進軸62から従動ギヤ76に伝わった回転動力は、中間軸103を介して伝動軸64ひいてはPTO軸65に伝達される。
【0076】
第2切替クラッチ108が後位置(切り位置)にある場合は、中間ギヤ105と中間軸103との連結は解除され、中間軸103は中間ギヤ105に対して自由回転可能となる。その結果、PTO推進軸62の回転動力は、伝動軸64ひいてはPTO軸65には伝達されない。
【0077】
このように構成すると、各切替クラッチ102,108の入り切りにより、リヤPTO軸63への動力伝達の継断と、PTO軸65への動力伝達の継断とをそれぞれ別個に切替えることができるので、オペレータは作業状態に応じて駆動させたい作業部を選択でき、便利である。また、この構成によっても、第1実施形態のものと同様の作用効果を発揮できることはいうまでもない。
【0078】
本発明は、前述の各実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。前述の実施形態では、従動ベベルギヤ92を側面視で伝動軸64の軸線Aよりも前方側に配置したが、例えばカバー体86における略L字の外側のコーナ部分を外向きに大きく張出した形状とし、カバー体86内部の拡大した空間、すなわち側面視で前記軸線Aよりも後方側の内部空間に従動ベベルギヤ92を配置すれば、PTO軸65の回転方向を変更することが可能である。
【0079】
【0080】
リヤPTO軸63や中間軸103は省略可能である。この場合、PTO推進軸62の推進ギヤ71(スパーギヤ)をベベルギヤに代えて、このベベルギヤを伝動軸64の上回転ベベルギヤ83に常時噛合わせるように構成すればよい。この構成でも、第1実施形態のものと同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
さらに、動力伝達系統の構成としては、前述の形態に限らず、油圧式駆動手段41を省略して、エンジン5の動力を前後四輪2,2,3,3及びPTO伝動機構61に直接的に伝達するようにしてもよい。
【0082】
本発明は、トラクタやコンバイン等の農作業機、またはクレーン車等の各種作業用車両に対して、広く適用できることはいうまでもない。
【0083】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、伝動ケースの下面から下向きに突出した伝動軸の先端部を覆うカバー体内で、前記伝動軸の先端部に設けたベベルギヤと前記PTO軸の基端部に設けたベベルギヤとを噛み合わせることによって、前記カバー体は、前記伝動軸から前記PTO軸への動力伝達が可能な状態で、前記伝動軸の軸線回りの水平回動にて取り付け向きを調節して、前記伝動ケースの下面に固定し得るように構成されているので、前記カバー体から突出するPTO軸の向きを、前記伝動軸の軸線回り(水平方向)のいずれの向きにも容易に変更できる。従って、走行機体に対する作業部の配置位置にかかわらず、前記ミッションケースや前記PTO伝動機構に何らの設計変更を施すことなく一つのPTO伝動装置で対処することが可能になり、汎用性が高いという効果を奏する。
【0084】
【0085】
【0086】
また、前記伝動軸と前記PTO軸とを交差した状態で連動させることができるので、ベベルギヤ同士の噛合いという至極簡単な構成にもかかわらず、伝動ロスが少なく確実に、前記伝動軸の回転動力を前記PTO軸に伝達できるという効果も奏する。
【0087】
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の芝刈機の側面図である。
【図2】 芝刈機の底面図である。
【図3】 芝刈機の動力伝達系統図である。
【図4】 PTO伝動機構の側断面図である。
【図5】 PTO伝動機構の一部拡大側断面図である。
【図6】 モア装置のギヤボックスがミッションケースよりも右側にある場合
における芝刈機の底面図である。
【図7】 第2実施形態における芝刈機の動力伝達系統図である。
【図8】 PTO伝動機構の側断面図である。
【符号の説明】
1 走行機体
2,2 前輪
3,3 後輪
5 エンジン
8 ミッションケース
9 モア装置
11 モアカバー
12 ロータリ刈刃
19 モア駆動軸
23 ギヤボックス
29 入力軸
41 油圧式駆動手段
55 PTO変速継断機構
61,101 PTO伝動機構
62 PTO推進軸
63 リヤPTO軸
64 伝動軸
65 PTO軸
66 伝動ケース
71 推進ギヤ
76 従動ギヤ
77 伝達ベベルギヤ
81 PTO切替クラッチ
83,84 回転ベベルギヤ
86 カバー体
92 従動ベベルギヤ
102,108 切替クラッチ
103 中間軸
105 中間ギヤ
106 中間ベベルギヤ

Claims (1)

  1. 走行機体に搭載した駆動源からミッションケースに伝達された回転動力の一部をPTO伝動機構を介して作業部に伝達するように構成した作業用車両において、
    前記PTO伝動機構は少なくとも、前記ミッションケースからの回転動力の一部がPTO変速継断機構を介して伝達されるPTO推進軸と、このPTO推進軸に連動して回転可能な縦向きの伝動軸と、当該伝動軸から回転動力を受け取る横向きのPTO軸とを備えており
    前記ミッションケースの外側面に一体に又は別体で設けた伝動ケースの面には、当該面から下向きに突出した前記伝動軸の先端部を覆うカバー体が取り付けられており前記PTO軸は前記カバー体から横向きに突出しており、
    前記カバー体内で、前記伝動軸の先端部に設けたベベルギヤと前記PTO軸の基端部に設けたベベルギヤとを噛み合わせることによって、前記カバー体は、前記伝動軸から前記PTO軸への動力伝達が可能な状態で、前記伝動軸の軸線回りの水平回動にて取り付け向きを調節して、前記伝動ケースの下面に固定し得るように構成されている、
    作業用車両におけるPTO伝動装置。
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