JPH0519224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は前後車輪の間にモーアを配設するとと
もに、モーアの後方に後車輪を軸支したミツシヨ
ンケースを配設してあるミツドマウント型ローン
トラクタに関する。

〔従来の技術〕

この種のミツドマウント型ローントラクタにお
いて、ミツシヨンケースの伝動上手側に油圧式無
段変速装置を取付けるに、従来は、ミツシヨンケ
ースの前面側に取付けていた（例えば実開昭59−
195025号公報）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この場合には油圧式無段変速装置がモ
ーアの作動空間に突出することになるので、その
モーアの作動空間より上方に位置させていた。従
つて、この油圧式無段変速装置が運転部のデツキ
に影響を与え、デツキの形状を横幅方向の中間部
が中高い居住性の悪いものにしていた。

本考案の目的は油圧式無段変速装置のミツシヨ
ンケースに対する取付位置を変更することによつ
て、運転部デツキへの影響を少なくするととも
に、この油圧式無段変速装置の発熱現象によつて
引起される不都合を解消するようにしてある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成はエンジンからの動力を
受ける入力回転体を下面に取付けた油圧式無段変
速装置の下面をミツシヨンケースの前部上面に載
置して伝動連結可能に構成するとともに、油圧式
無段変速装置の上面に突設した回転軸に下向き吹
出しの冷却用フアンを取付けてある点にあり、そ
の作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、前記油圧式無段変速装置をミツシヨ
ンケースの上面に取付けてあるので、従来のよう
にモーア作動空間の上方ではなく、モーア作動空
間の後方に位置することになるので運転部デツキ
と油圧式無段変速装置との干渉がなくなり、運転
部デツキを左右偏平なものにできる。しかも、
この油圧式無段変速装置の入力回転体が下面側に
取り付けてあるので、エンジンとこの回転体の伝
動機構の設置位置を低い位置にでき、例えばエン
ジンを機体前部に設ける場合に前記伝動機構が運
転部デツキ下方に位置することになるが、伝動機
構が低い位置にあるので、運転部デツキも高い位
置に設けなくてもよい。

又、運転部デツキとの干渉のない油圧式無段
変速装置の上面に下向き吹出しの冷却フアンを設
けてあるので、油圧式無段変速装置に対して冷却
作用を加えることができるとともに、無段変速装
置やミツシヨンケースへふりかかる刈芝を吹落す
ことができる。

〔考案の効果〕

作用の項によつて、デツキ形状が偏平にでき
て居住性・運転操作性共に良好にできる。又、作
用の項によつて、運転部デツキを低位置に設置
できるので、乗り降りが楽になる。更に、の項
によつて、油圧式無段変速装置やミツシヨンケー
スの異常発熱現象を防止できてオイルの早期の劣
化や焼付といつたことを防止できるとともに、油
圧式無段変速装置やミツシヨンケースに付着した
刈芝等の燃え上りや“くすぶり”現象を防止でき
火災の原因を取り除くことができる。

〔実施例〕

第４図に示すように、前部エンジン１から左右
偏平なデツキ３３下方を通してベルト２を張設す
るとともに、後車軸１９を支承したミツシヨンケ
ース３の前部上面に前後進切換可能な油圧式の無
段変速装置４を連動連結し、無段変速装置４の下
向き第１入力軸５に固着された入力回転体６とし
てのプーリによつて、エンジン１からの動力を無
段変速装置４で変速しミツシヨンケース３に入力
するように構成するとともに、前車輪７及び後車
輪８の間にモーア９を配してミツドマウント型ロ
ーントラクタを構成してある。

ミツシヨンケース３の構造について詳述する。

第２図及び第３図に示すように、ミツシヨンケ
ース３前部上面に上向き開放の入力開口部３Ａを
形成するとともに、この開口部３Ａ内に上下内嵌
された二つの大小ベアリング１０，１０を介して
縦向き第２入力軸１１を支承し、この第２入力軸
１１の下端に出力用ベベルギヤ１２を一体形成し
てある。前記第２入力軸１１の下方に機体横幅方
向に沿つた横向き第１伝動軸１３を支承し、この
第１伝動軸１３に前記出力用ベベルギヤ１２と常
時咬合式の入力用ベベルギヤ１４をスプライン嵌
着するとともに、第１出力用ギヤ１５をスプライ
ン嵌着してある。前記第１伝動軸１３の下方に平
行状態で第２伝動軸１６を支承するとともに、第
２伝動軸１６に前記第１出力用ギヤ１５と常時咬
合式の第１入力ギヤ１７を固着し、かつ、第１出
力スプロケツト１８を一体形成してある。前記第
２伝動軸１６の後方上方には後車軸１９が枢支さ
れ、相対回転可能に左右後車軸部１９Ａ，１９Ｂ
に分割構成されている。前記左右後車軸部１９
Ａ，１９Ｂの突合せ嵌合部にはデフサイドギヤ２
０とデフピニオンギヤ２１を内面に直接枢支した
二ツ割型のデフケース２２が設けてある。一方の
デフケース２２の段付部には第１入力スプロケツ
ト２３をデフケース２２組付ボルト２４を介して
固着し、前記第１出力スプロケツト１８とチエー
ン伝動可能に構成してある。

次に、作動油用タンク部４Ａ、ポンプ部４Ｂ、
変速部４Ｃを有する正逆切換可能な無段変速装置
４のミツシヨンケース３への取付構造を詳述す
る。第１図及び第３図に示すように、前記ポンプ
部４Ｂの下面に下向きの第１入力軸５を支承する
とともに、この第１入力軸５に入力回転体６をピ
ン２６止め固定した筒ボス２７をキー２８と止め
ボルト３２で外嵌固定してある。前記変速部４Ｃ
の下面には第１入力軸５と同様に下向きの出力軸
２９を支承し、スプライン式のカツプリング３０
を介してミツシヨンケース３側第２入力軸１１に
連結解除自在に構成してある。前記上端開口部３
Ａには、一端２５ａを前記変速部４Ｃの出力ボス
部４ａに嵌合され、他端２５ｂを前記入力開口部
３Ａの内周面３ａに内嵌された位置規制用スリー
ブ２５が設けられ、このスリーブ２５を介して無
段変速装置４がミツシヨンケース３にボルト３１
止め固定してある。

第１図に示すように、油圧式無段変速装置４の
ポンプ部４Ｂ上面には上向きに回転軸３４が支承
され、この回転軸３４に下向き吹出しの冷却用フ
アン３５が取付けてある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るミツドマウント型ローント
ラクタの実施例を示し、第１図は油圧式無段変速
装置のミツシヨンケースへの取付状態を示す側面
図、第２図はミツシヨンケースの構造を示す展開
断面図、第３図は油圧式無段変速装置とミツシヨ
ンケースとの取付部構造を示す縦断面図、第４図
は全体側面図である。 １……エンジン、３……ミツシヨンケース、４
……油圧式無段変速装置、６……入力回転体、７
……前車輪、８……後車輪、９……モーア、３４
……回転軸、３５……却用フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後車輪７，８の間にモーア９を配設するとと
   もに、モーア９の後方に後車輪８を軸支したミツ
   シヨンケース３を配設してあるミツドマウント型
   ローントラクタであつて、エンジン１からの動力
   を受ける入力回転体６を下面に取付けた油圧式無
   段変速装置４の下面をミツシヨンケース３の前部
   上面に載置して伝動連結可能に構成するととも
   に、油圧式無段変速装置４の上面に突設した回転
   軸３４に下向き吹出しの冷却用フアン３５を取付
   けてあるミツドマウント型ローントラクタ。