JP4170457B2 - 木目模様入り成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木目模様入り成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建材用木材としては、本木、表面に印刷フイルム等を貼った化粧合板等が用いられてきたが、本木を用いて意匠を満足させるためには極めて高価なものとなり、化粧合板は触感が不十分であったり、異型の形状によっては対応困難なものがある。
また、建築現場での高齢化、技能者の不足から、現場での加工を極力減少させ、異型製品を大量に安定して供給させることが望まれるようになってきている。
【0003】
これらの目的のため、木粉入り塩化ビニル樹脂に木目模様を出す技術が確立され実用化されてきている。しかしながらベースポリマーに使用している塩化ビニルは、焼却時にダイオキシンを発生するという問題があり、塩化ビニル以外の樹脂の使用が望まれている。非塩化ビニル系のベースポリマーとしては ABS系樹脂が注目されているが、従来の樹脂の組み合わせでは十分な木目模様が発現しないのが実状である。
本発明者らは、すでにゴム質樹脂および木粉からなる組成物100重量部に対し、N−フェニルマレイミド系単量体単位を22重量%以上含むマレイミド共重合体を40重量%以上含むマレイミド系樹脂および/またはポリカーボネート樹脂が1〜100重量部を配合することによって木目発現可能であることを見いだし、特許出願しているが(特願平09−302823号)、更に明瞭な木目(柾目模様)の発現が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、明瞭な木目模様を有したゴム質系樹脂成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するためさらに研究を重ねた結果、特定の3段重合体を配合することにより、木目模様が改良できることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の木目模様入り成形品の製造方法は、構成単位の少なくとも80重量%がメタクリル酸メチルである(共)重合体(C−1)10〜45重量部の存在下に、炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル30〜70重量%と炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル30〜70重量%との混合物(C−2)40〜70重量部を重合させ、さらに、メタクリル酸メチル50〜100重量%と、該メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体0〜50重量%とからなる単量体(C−3)5〜40重量部を、(C−1)(C−2)および(C−3)の各成分の合計量が100重量部となるように重合させて3段重合体(C)を得、ついで該3段重合体(C)5重量部〜50重量部と、ゴム質樹脂(A)50〜95重量部とを、(A)成分と(C)成分の合計が100重量部となるように混合し、さらに溶融混練および押出によってペレット化し、得られたペレットに、N−フェニルマレイミド系単量体単位を22重量%以上含むマレイミド共重合体を40重量%以上含むマレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、α−アルキル置換芳香族ビニル系単量体50重量%以上含むα−アルキル置換芳香族ビニル系共重合体を40重量%以上含むα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)のうちの少なくとも一種を1〜100重量部配合して溶融混練し、これを成形することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるゴム質樹脂(A)とは、好ましくは、ゴム質重合体(A−1)の存在下に、シアン化ビニル単量体(A−2−1)、芳香族ビニル単量体(A−2−2)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−2−3)から選ばれた少なくとも1種からなる単量体あるいはこれら2種以上の単量体混合物(A−2)をグラフト重合して得られたものである。
【0007】
上記ゴム質重合体(A−1)としては、ブタジエンゴム、架橋アクリルゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴムからなる群より選ばれた少なくとも一種が用いられ、これら2種以上の混合物あるいはこれらのゴム質重合体成分どうしの複合ゴムとしてもよい。なかでも、架橋アクリルゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム、ポリブタジエンの外層にポリアクリル酸ブチルを設けてなるポリブタジエン/ポリアクリル酸ブチルのような複合ゴム、ポリシロキサンゴムとポリアクリル酸ゴムとの複合ゴムは、耐候性、耐薬品性に優れており、屋外や窓際用途で特に好ましく使用される。
【0008】
シアン化ビニル単量体(A−2−1)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルフマロニトリルなどが挙げられ、これらは単独または併用して使用することができる。
また、芳香族ビニル単量体(A−2−2)としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ハロゲン化スチレン、p−エチルスチレン等が用いられ、これらは単独または併用して使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−2−3)としては、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどが挙げられ、これらは単独または併用して使用できる。
【0009】
また、ゴム質重合体(A−1)にグラフト重合する、単量体(混合物)(A−2)としては、(A−2−1)、(A−2−2)、(A−2−3)の他のビニル単量体(A−2−4)を用いることもできる。このような他のビニル単量体(A−2−4)としては、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド単量体、ピリジン単量体が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。この共重合可能な他のビニル単量体(A−2−4)は、単量体混合物(A−2)中、10重量%までの範囲で必要に応じて使用される。ビニル単量体(A−2−4)としてマレイミド単量体を10重量%超える量用いると、木目が不十分となる。
このような単量体(混合物)(A−2)をゴム質重合体(A−1)にグラフト重合するには、公知の乳化重合等のグラフト重合方法が用いられる。
ゴム質樹脂(A)は、ゴム質重合体(A−1)を10〜90重量%の範囲含有するのが好ましい。
【0010】
また、ゴム質樹脂(A)には、シアン化ビニル系単量体単位(A−2−1)および芳香族ビニル系単量体単位(A−2−2)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位(A−2−3)から選ばれる少なくとも一種からなる共重合体(A−3)を任意に添加できる。共重合体(A−3)の添加量は、ゴム質樹脂(A)に含まれるゴム質重合体(A−1)の含有量が5〜60重量%になるように調整されるのが好ましい。ゴム質重合体(A−1)の含有量が5重量%未満では衝撃強度が不十分であり、60重量%を超えると押し出しが困難となる。
共重合体(A−3)に用いられる、シアン化ビニル系単量体単位(A−2−1)としてはアクリロニトリル単位および芳香族ビニル系単量体単位(A−2−2)としてはスチレン単位が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位(A−2−3)としてはメタアクリル酸メチル、アクリル酸メチルが特に好ましい。
【0011】
また、共重合体(A−3)中には、10重量%未満の範囲で、(A−2−1)(A−2−2)(A−2−3)の他のビニル単量体(A−2−4)を共重合体(A−3)中に含有させることができるが、共重合体(A−3)に占める割合が10重量%を超えると木目模様が不十分となる。他のビニル単量体(A−2−4)としては、すでに例示したものが用いられる。
共重合体(A−3)の製造には、溶液重合、懸濁重合、バルク重合など公知の方法が用いられる。
【0012】
また、ゴム質樹脂(A)において、グラフト重合に用いた単量体単位のうちグラフト重合されていない重合体と共重合体(A−3)の合計された重合体のガラス転移温度とマレイミド系樹脂(D−1)のガラス転移温度との差は40℃以上あることが好ましい。40℃未満では木目模様の発現が不十分になる。
また、ゴム質樹脂(A)において、グラフト重合に用いた単量体単位のうち、グラフト重合されていない重合体と共重合体(A−3)の合計された重合体の、180℃、1(Rad/秒)における動的剛性率が2×105 dyn/cm2以下であることが好ましい。2×105 dyn/cm2を超えると、木目模様が発現しにくくなる。グラフト重合されていない重合体量の求め方は、特開昭61−148258号公報に記載されている。
【0013】
本発明の樹脂組成物には、木粉(B)を添加することができる。
木粉(B)は、栂等の針葉樹を乾燥粉砕したものである。平均粒径は必ずしも制限されるものではないが、200μm以下のものが物性面から好ましく用いられる。木粉(B)の含有量は、上記樹脂(A)、木粉(B)、後述の共重合体(C)樹脂の合計100重量部中0〜50重量部である。木目発現のためには必ずしも木粉(B)は樹脂混合体(A+B+C)の中に必要ないが、触感・廃材利用の観点から5重量部以上含むことが望ましい。以下の説明において、樹脂混合体(A+B+C)とは、木粉(B)の含有量が0の場合も含めるものとする。
木粉(B)はゴム質樹脂(A)と混合、溶融混練押し出しをする前に乾燥することが好ましいが、ベント付き押し出し機であれば必ずしもその必要はない。
【0014】
本発明に用いられる共重合体(C)は、構成単位の少なくとも80重量%がメタクリル酸メチルである(共)重合体(C−1)10〜45重量部の存在下に、炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル30〜70重量%と炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル30〜70重量%からなる混合物(C−2)40〜70重量部が重合され、さらに、メタクリル酸メチル 50〜100重量%と、該メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体 0〜50重量%とからなる単量体(C−3)5〜40重量部を、(C−1)(C−2)および(C−3)の各成分の合計量が100重量部となるように重合して得られる3段重合体(C)である。
【0015】
以下、(C−1)(C−2)(C−3)成分について説明する。
上記(共)重合体(C−1)は、構成単位の少なくとも80重量%がメタクリル酸メチル単位である。メタクリル酸メチル単位は、メタクリル酸エステルから誘導されるものであり、メタクリル酸メチル単位が80重量%未満であると、木目発現性が劣る。また、共重合体(C−1)を構成する単量体単位として、必要に応じてメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキルエステル単位や、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体単位を導入することが可能である。上記の構成単位を誘導するメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸アルキルエステルとは、メタクリル酸と炭素数1〜18のアルキル基とのエステルであり、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等が挙げられ、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル等の単官能性の単量体や、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル等の多官能性単量体が挙げられる。
多官能性単量体を使用する場合には、共重合体(C)中2重量%以下であることが好ましい。
【0016】
(共)重合体(C−1)は、その1gを1lクロロホルムに溶解した溶液の25℃で測定した還元粘度ηsp/Cが 2(1/g)以上であることが好ましい。この値が2(l/g)未満であると、得られる樹脂組成物ならびに成形品の耐衝撃性が劣る傾向になる。
(C−2)成分において、炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。また、炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸と炭素数1〜18のアルキル基とのエステルであり、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。これらの内、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルを用いるのが好ましい。
【0017】
(C−2)成分は、上記炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル30〜70重量%と炭素数1〜18のアクリル酸アルキルエステル30〜70重量%との混合物(C−2)である。炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが30重量%未満である。または、炭素数1〜18のアクリル酸アルキルエステル30重量%未満であると、木目発現性が劣る。
【0018】
上記(C−1)成分と(C−2)成分の2段重合を、(C−2)成分単独で重合したときの還元粘度ηsp/Cが1(l/g)以下になるような条件で行うことが好ましい。このような条件とするには、例えば連鎖移動剤、触媒の使用量、重合温度、開始剤量などを調節して重合を行う。(C−2)成分単独で重合したときの還元粘度ηsp/Cが1(l/g)を超える条件で重合を行うと、木目発現性が劣る傾向になる。
【0019】
(C−3)成分の、メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体については、前述したアクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル等の単官能性の単量体や、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル等の多官能性単量体が挙げられる。
【0020】
上記(C−1)成分と(C−2)成分との2段重合体と、(C−3)成分との重合を、(C−3)成分単独で重合したときの還元粘度ηsp/Cが2(l/g)以上になるような条件で行うことが好ましい。このような条件とするには、例えば連鎖移動剤、触媒の使用量、重合温度、開始剤量などを調節して重合を行う。(C−3)成分単独で重合したときの還元粘度ηsp/Cが2(l/g)未満である条件で重合を行うと、木目発現性が劣る傾向になる。
【0021】
共重合体(C)の製造方法については特に制限はないが、乳化重合で製造されたものが好ましい。
このように共重合体(C)に上記構成の3段重合体という形態を持たせて、樹脂組成物に添加することにより、木目の発現性を優れたものにすることが可能となる。
【0022】
共重合体(C)の配合量は、(A)(B)(C)の合計量を100重量部としたときに(木粉Bが添加されない場合を含む)、5重量部から50重量部となるようにする。
共重合体(C)の配合量が5重量部未満または50重量部を超えると木目発現性が劣る。
【0023】
本発明で用いるマレイミド系樹脂(D−1)は、N−フェニルマレイミド系単量体単位を22重量%以上含むマレイミド共重合体を40重量%以上含むものである。
N−フェニルマレイミド系単量体としては、N−フェニルマレイミドが挙げられる。
マレイミド共重合体中においては、N−フェニルマレイミド系単量体単位は22重量%以上含有されることが好ましく、さらには26〜65重量%の範囲含有されることが好ましい。N−フェニルマレイミド系単量体の量が22重量%未満であると木目の発現が不十分となり好ましくない。木目の発現からは26重量%以上がさらに好ましい。
マレイミド系共重合体においては、N−フェニルマレイミド系単量体以外には、シアン化ビニル単量体(A−2−1)、芳香族ビニル単量体(A−2−2)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−2−3)および他の単量体(A−2−4)(但しN−フェニルマレイミド系単量体を除く)から選ばれた少なくとも1種からなる単量体(混合物)を共重合させることができる。マレイミド系共重合体は、溶液重合、バルク重合等の通常公知の重合法にて得られる。
シアン化ビニル単量体(A−2−1)、芳香族ビニル単量体(A−2−2)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−2−3)および他の単量体(A−2−4)としては、ゴム質樹脂(A)で例示されたものと同じものが使用される。 また、マレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)およびα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)は、好ましくは180℃、1(Rad/秒)での動的剛性率が1×106 dyn/cm2以上であることが好ましい。1×106 dyn/cm2未満であると木目の発現が劣る傾向にある。
マレイミド系樹脂(D−1)中のマレイミド系共重合体の含有量は40重量%以上であることが好ましい。マレイミド系共重合体の含有量は40重量%未満であると木目の発現が劣る傾向にある。
【0024】
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(D−2)は、ジヒドロキシジアリールアルカンから得られ、任意に枝別れしていても良い。このポリカーボネート樹脂は公知の方法により製造されるものであり、一般にジヒドロキシまたはポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることにより製造される。
適当なジヒドロキシジアリールアルカンは、ヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基、塩素原子または臭素原子を有するものである。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、4、4−ジヒドロキシ2、2−ジフェニルプロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールAおよびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。
【0025】
また、分岐したポリカーボネートは、例えばジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシ化合物で置換することにより製造される。ポリヒドロキシ化合物の具体例としては、フロログリシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼンなどが挙げられる。
【0026】
本発明で用いるα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)は、α−アクリル置換芳香族ビニル系単量体50重量%以上含むα−アルキル置換芳香族ビニル系共重合体を40重量%以上含むものである。α−アクリル置換芳香族ビニル系単量体としてはα−メチレンスチレンが挙げられる。
α−アクリル置換芳香族ビニル系共重合体においては、α−アルキル置換芳香族ビニル単量体以外には、シアン化ビニル単量体(A−2−1)、芳香族ビニル単量体(A−2−2)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−2−3)および他の単量体(A−2−4)(但しα−アルキル置換芳香族ビニル単量体を除く)から選ばれた少なくとも1種からなる単量体(混合物)を共重合させることができる。α−アクリル置換芳香族ビニル系共重合体は、溶液重合、バルク重合等の通常公知の重合法にて得られる。
シアン化ビニル単量体(A−2−1)、芳香族ビニル単量体(A−2−2)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A−2−3)および他の単量体(A−2−4)としては、ゴム質樹脂(A)で例示されたものと同じものが使用される。
α−アクリル置換芳香族ビニル系共重合体中にα−アクリル置換芳香族ビニル系単量体の含有量が50重量%未満の場合には木目発現性が劣る傾向となる。また、α−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)中のα−アクリル置換芳香族ビニル系共重合体の含有量が40重量%未満の場合には木目発現性が劣る傾向となる。
【0027】
マレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、α−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)は、2種以上を混合して用いることもできる。
マレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、およびα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)には、ゴム質樹脂(A)を60重量%未満の範囲で添加できる。ゴム質樹脂(A)が60重量%以上であると木目の発現が不十分となる。
【0028】
マレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、およびα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)のうちの1種以上が、(A)(B)(C)の合計量100重量部(木粉(B)が添加されない場合も含む)に対して、1〜100重量部添加される。すなわちマレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、α−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)の2種以上が添加される場合は、その合計量が、(A)(B)(C)の合計量100重量部(木粉(B)が添加されない場合も含む)に対して、1〜100重量部とされる。
マレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、およびα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)が1重量部未満であると木目の発現が不十分となり、100重量部を越えると異型押出し加工性が劣る。
【0029】
さらに、この樹脂組成物には、強化材、難燃化剤、高分子加工助剤、発泡剤を配合することができる。
ここで配合される強化材としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維やウオラスナイト、タルク、マイカ粉、ガラス箔、チタン酸カリ等の無機フィラーから選ばれる一種以上のものである。強化材の配合量は、(A)(B)の合計100重量部に対して0〜60重量部、好ましくは0〜50重量部である。
【0030】
また難燃化剤としては、通常ABS樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂の難燃化に用いられるハロゲン化合物やアンチモン化合物等の無機系難燃化剤が使用され、ハロゲン化合物としては、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテル等のハロゲン化ジフェニルエーテルやハロゲン化ポリカーボネイトなどのハロゲン化合物が挙げられる。
無機系難燃化剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウム等がその一例に挙げられるが、とくにこれらに制限されるものではない。(A)(B)(C)の合計100重量部に対して、ハロゲン化合物の配合量は0〜35重量部、好ましくは0〜30重量部であり、アンチモン化合物の配合量は0〜25重量部、好ましくは0〜20重量部の範囲である。
また、加工特性の改良や、燃焼時のドリップ防止のため、テトラフルオロエチレン等の化合物を添加することができる。さらに、この熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて他の改質剤、離型剤、光または熱に対する安定剤、染顔料等の種々の添加剤を適宜加えることもできる。
また高分子加工助剤としては、メタブレンP531A、P530等のメタクリル酸エステル系(三菱レイヨン(株)製)や、ブレンディックス869等のシアン化ビニルと芳香族ビニルの共重合体系(ジェネラル・エレクトリック製)が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
これら高分子加工助剤は、0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲で使用される。
【0031】
成形品の色目の変化を抑えるために、(A)(B)(C)の合計100重量部に対して酸化チタンを0.1〜4重量部添加することが好ましい。0.1重量%未満では得られる成形品の着色が著しく、4重量%を超えると隠蔽力が高くなり、木目が発現しにくくなる。
発泡剤としては公知のものが使用でき、炭酸水素ナトリウムやアゾジカルボンアミド等が例として挙げられる。
【0032】
ゴム質樹脂(A)、木粉(B)および3段共重合体(C)の混合物の調製方法としては、通常の樹脂のブレンドに用いられるヘンシェルミキサーなどの高速ミキサー、タンブラー、ペレタイザーなどの混合装置を使用することができる。さらに溶融混練には、1軸押し出し機、2軸押し出し機等公知の装置を使用することができ、特に制限されるものはない。さらに要望される木目模様にもよるが、ゴム質樹脂(A)、木粉(B)および3段共重合体(C)からなる混合物を、あらかじめ押出成形などによって溶融混練させ、ペレット化し、さらに溶融混練されたものと、(D−1)あるいは(D−2)とを溶融混練する2段方法が好ましく用いられる。
木粉(B)を添加する場合、木粉(B)には通常水分等が多く含まれているために、あらかじめ乾燥するか、ベント付き押し出し機で十分脱揮する事が好ましい。
【0033】
さらに、樹脂混合体(A+B+C)には、金属石鹸(E)を1.0から15重量部添加することによって木目模様を更に明瞭にすることができる。金属石鹸(E)には公知のものが使用できる。金属石鹸(E)としては特に制限されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が好ましく用いられる。金属石鹸(E)が1.0重量部未満であると木目発現が劣る傾向にあり、15重量部を越えると異型押出性が劣り、目的とする形状が得られにくい傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成形等の公知の成形法によって、成形物とされる。
また、本発明の樹脂成形品は、明瞭な木目模様を有しており、疑似木材として極めて良好な意匠性を有するものであり、自動車の内装、家具、家電、パソコン、事務機の外装等への用途展開できるものである。
【0034】
【実施例】
以下、具体的に実施例を示す。本発明は、これら実施例に限定されるものではない。また、実施例での「部」および「%」は各々「重量部」および「重量%」を意味する。
【0035】
(ゴム質樹脂A−1−[1]の製造)
オクタメチルテトラシクロシロキサン96部、γ−メタクリルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部およびエチルオルソシリケート2部を混合してシロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間攪拌した後、ホモジナイザーに300kg/cm2 の圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
一方、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器および攪拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸2部と蒸留水98部とを注入し、2%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間に亘って滴下し、滴下終了後1時間温度を維持し、冷却した。この反応液を室温で48時間放置した後、苛性ソーダ水溶液で中和した。
このようにして得られたラテックス(L−1)を170℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、17.3%であった。また、ラテックス中のポリオルガノシロキサンの重量平均粒子径は、0.08μmであった。ポリオルガノシロキサンのゲル含量は85%、トルエン溶媒中で測定した膨潤度は14.5であった。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱器および攪拌装置を備えた反応器内に、ポリオルガノシロキサンラテックス(L−1)119.5部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)社製エマールNC−35)0.8部を採取し、蒸留水203部添加混合した後、n−ブチルアクリレート53.2部、アリルメタクリレート0.21部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.11部およびターシャリーブチルハイドロパーオキサイド0.13部からなる混合物を添加した。
この反応器に窒素気流を通じることによって、雰囲気の窒素置換を行い、60℃まで昇温した。内部の液温が60℃となった時点で、硫酸第一鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0003部およびロンガリッド0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し、ラジカル重合を開始せしめた。アクリレート成分の重合により、液温は78℃まで上昇した。1時間この状態を維持し、アクリレート成分の重合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルアクリレートゴムとの複合ゴムのラテックスを得た。
反応器内部の液温が60℃に低下した後、ロンガリッド0.4部を蒸留水10部に溶解した水溶液を添加し、次いでアクリロニトリル11.1部、スチレン33.2部およびターシャリーブチルハイドロパーオキサイド0.2部の混合液を約1時間に亘って滴下し重合した。滴下終了後1時間保持した後、硫酸第一鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0006部およびロンガリッド0.25部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し、次いでアクリロニトリル7.4部、スチレン22.2部およびターシャリーブチルハイドロパーオキサイド0.1部の混合液を約40分間に亘って滴下し重合した。滴下終了後1時間保持した後冷却し、ポリオルガノシロキサンとブチルアクリレートゴムとからなる複合ゴムに、アクリロニトリル−スチレン共重合体をグラフトさせたグラフト共重合体のラテックスを得た。動的光散乱法で求めたラテックス中のグラフト共重合体の重量平均粒子径は、0.13μmであった。
次いで、酢酸カルシウムを5%の割合で溶解した水溶液150部を60℃に加熱し攪拌した。この中へグラフト共重合体のラテックス100部を徐々に滴下し凝固した。次いで析出物を分離、洗浄したのち、乾燥し、ゴム質樹脂A−1−[1]を得た。得られたゴム質樹脂A−1−[1]の組成を表1に示す。また得られたゴム質樹脂A−1−[1]の内、グラフト重合していない樹脂成分のガラス転移温度は123℃であった。また動的弾性率は6×104dyn/cm2であった。
【0036】
(ゴム質樹脂A−1−[2]の製造)
固形分含量が35%、平均粒子径0.08μmのポリブタジェンラテックス20部(固形分として)にアクリル酸n−ブチル単位85%、メタクリル酸単位15%から成る平均粒子径0.08μmの共重合体ラテックス0.4部(固形分として)を攪拌しながら添加し、30分間攪拌を続け平均粒子径0.28μmの肥大化ジエン系ゴムラテックスを得た。得られた肥大化ジエン系ゴムラテックス20部(固形分)を反応釜に移し、不均化ロジン酸カリウム1部、イオン交換水150部を加え、窒素置換を行い、70℃(内温)に昇温した。これに10部のイオン交換水に0.12部の過硫酸カリウムを溶解した溶液を加え、下記の窒素置換された単量体混合物を2時間にわたって連続的に滴下した。
アクリル酸n−ブチル 80部
メタクリル酸アリル 0.32部
ジメタクリル酸エチレングリコール 0.16部
滴下終了と同時に内温の上昇はなくなるが、さらに80℃に昇温し1時間反応を続けると、重合率は、98.8%に達し、肥大化ジエン系ゴムを内部に含む多層構造アクリル系ゴムを得た。この多層構造アクリル系ゴムの膨潤度(メチルエチルケトン中、30℃24時間浸せき静置後の膨潤重量と絶乾重量の比)は6.4、ゲル含有量は93.0%、粒子径は0.28μmであった。
【0037】
多層構造アクリル系ゴムラテックス50部(固形分)を反応釜に取り、イオン交換水140部を加え希釈し、70℃に昇温した。別にアクリロニトリル/スチレン=29/71(重量比)からなるグラフト重合体混合物を50部調整し、ベンゾイルパーオキサイド0.35部を溶解した後、窒素置換した。この単量体混合物を15部/時間の速度で定量ポンプを使用し、上記反応系内に加えた。全モノマーの注入終了後、系内温度を80℃に昇温し30分攪拌を続けグラフト重合体ラテックスを得た。重合率は99%であった。
ラテックスの一部に希硫酸を加えて凝固乾燥した粉末をメチルエチルケトン還流下で抽出を行い、抽出部の還元粘度ηsp/Cをジメチルホルムアミドを溶媒として25℃で測定したところ、0.67であった。
上記のようにして製造したラテックスを、全ラテックスの3倍量の塩化アルミニウム(A1Cl3 .6H2 O)0.15%水溶液(90℃)中に攪拌しながら投入し、凝固させた。全ラテックスの添加終了後、凝固槽内の温度を93℃に昇温し、このまま5分間放置した。これを冷却後、遠心脱水機により脱液、洗浄を行い乾燥し、ゴム質樹脂A−1−[2]の乾燥粉末を得た。得られたゴム質樹脂A−1−[2]の組成を表1に示す。また、得られたゴム質樹脂A−1−[2]の内グラフト重合していない樹脂成分のガラス転移温度は123℃であった。また、動的弾性率は6×104dyn/cm2であった。
【0038】
(ゴム質樹脂A−1−[3]の製造)
固形分含量が35%、平均粒子径0.08μmのポリブタジェンラテックス50部(固形分として)にアクリル酸n−ブチル単位85%、メタクリル酸単位15%からなる平均粒子径0.08μmの共重合体ラテックス1部(固形分として)を攪拌しながら添加し、30分間攪拌を続け平均粒子径0.28μmの肥大化ゴムラテックスを得た。
得られた肥大化ゴムラテックスを反応容器に加え、さらに蒸留水50部、ウッドロジン乳化剤2部、デモールN(商品名、花王(株)製、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物)0.2部、水酸化ナトリウム0.02部、デキストローズ0.35部を添加して攪拌しながら、昇温させて内温60℃の時点で硫酸第一鉄0.05部、ピロリン酸ナトリウム0.2部、亜二チオン酸ナトリウム0.03部を加えた後、アクリロニトリル15部、スチレン35部、クメンハイドロパーオキサイド0.2部およびtert−ドデシルメルカプタン0.5部の混合物を90分間にわたり連続的に滴下した後1時間保持して冷却した。得られたグラフト重合体ラテックスを希硫酸で凝析したのち、洗浄、濾過、乾燥してゴム質樹脂A−1−[3]を得た。得られたゴム質樹脂A−1−[3]の組成を表1に示す。また、得られたゴム質樹脂A−1−[3]の内グラフト重合していない樹脂成分のガラス転移温度は123℃であった。また、動的弾性率は6×104dyn/cm2であった。
【0039】
(共重合体(A−3−[1])の製造)
アクリロニトリル単位29%、スチレン単位71%の組成の共重合体を懸濁重合法によって得た。この共重合体の25℃での還元粘度(ηsp/C)は0.62であった(0.2%ジメチルホルムアミド溶液での測定値)。得られたゴム質樹脂A−3−[1]の組成を表1に示す。また、得られた共重合体(A−3−[1])のガラス転移温度は125℃であった。また、動的弾性率は1.2×105dyn/cm2であった。
(共重合体(A−3−[2])の製造)
メタクリル酸メチル単位99%、アクリル酸メチル単位1%の組成の共重合体を懸濁重合法によって得た。得られた共重合体(A−3−[2])のガラス転移温度は125℃であった。また動的弾性率は1.8×105dyn/cm2であった。
【0040】
【表1】
Figure 0004170457
【0041】
(木粉(B))
栂の粉砕品を篩別し90%以上が100メッシュをパスするものを木粉として使用した。
【0042】
一方、下記の方法で、(C)成分として、(C−ア)を合成した。また、比較のために(C−イ)(C−ウ)を合成した(表2)。
共重合体(C−ア)の合成
(C−ア−[1])
メタクリル酸メチル 30部
n-オクチルメルカプタン 0.003部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5部
過硫酸アンモニウム 0.2部
蒸留水 280部
5リットルのセパラブルフラスコに上記混合物を仕込み、器内を窒素で置換した後、攪拌しながら65℃に昇温した。窒素雰囲気下、65℃にて4時間攪拌を続けることにより重合させた(還元粘度ηsp/Cは5.0(1/g)であった)。続いてこの重合系を窒素雰囲気下65℃の状態に保ったまま、
(C−ア−[2])
メタクリル酸ブチル 30部
アクリル酸ブチル 20部
n-オクチルメルカプタン 0.5部
からなる混合物を1時間かけて滴下投入し、その後2時間攪拌を続けた。
((C−アー[2])成分のみ別途同様の条件で重合したものの還元粘度ηsp/Cは0.6(1/g)であった)しかる後、この反応系に、
(C−アー[3])
メタクリル酸メチル 20部
n-オクチルメルカプタン 0.002部
からなる混合物を30分かけて滴下投入した。その後、さらに2時間攪拌を続け重合を終了した。((C−アー[3])成分のみ別途同様の条件で重合したものの還元粘度ηsp/Cは5.0(1/g)であった)得られたラテックスを塩化アルミニウム水溶液で凝固し、洗浄、乾燥することにより粉末の共重合体(C−ア)が得られた。
【0043】
共重合体(C−イ)の合成
メタクリル酸メチル 80部
アクリル酸ブチル 20部
ジオクチルスルオコハク酸ナトリウム 1.5部
過硫酸アンモニウム 0.2部
蒸留水 200部
5リットルのセパラブルフラスコに上記混合物を仕込み、器内を窒素で置換した後、攪拌しながら65℃に昇温した。窒素雰囲気下、65℃にて4時間攪拌を続けることにより重合反応を完結させた。得られたラテックスを塩化アルミニウム水溶液で凝固し、洗浄、乾燥することにより粉末の共重合体(II−a)が得られた。還元粘度ηsp/Cを測定したところ 11.8(1/g)であった。
【0044】
共重合体(C−ウ)の合成
(C−ア−[2])に代えて、以下の組成の(C−ウ−[2])を用いた以外は、(C−ア)の合成と同様にして粉末の共重合体(C−ウ)を得た。
メタクリル酸ブチル 50部
n-オクチルメルカプタン 0.5部
(C−ウ−[2])成分のみの還元粘度ηsp/Cは0.5(1/g)であった。
【0045】
【表2】
Figure 0004170457
【0046】
一方、下記の方法で、(D)成分として、(D−1−1)(D−2)(D−1−[3])を合成した。また、比較のために(D−1−[2])を合成した(表5)。
(マレイミド系樹脂D−1−[1]の製造)
アクリロニトリル単位15%、スチレン単位50%、N−フェニルマレイミド単位35%の組成の共重合体をメチルエチルケトン溶液中で重合することによって得た。この共重合体の25℃での還元粘度(ηsp/C)は0.65であった(0.2%ジメチルホルムアミド溶液での測定値)。得られたマレイミド系樹脂D−1−[1]の内グラフト重合していない樹脂成分のガラス転移温度は170℃であった。また、動的弾性率は2.0×106dyn/cm2であった。
【0047】
(マレイミド系樹脂D−1−[2]の製造)
アクリロニトリル単位25%、スチレン単位60%、N−フェニルマレイミド単位15%の組成の共重合体をメチルエチルケトン溶液中で重合することによって得た。この共重合体の25℃での還元粘度(ηsp/C)は0.65であった(0.2%ジメチルホルムアミド溶液での測定値)。得られたマレイミド系樹脂D−1−[3]の内グラフト重合していない樹脂成分のガラス転移温度は140℃であった。また、動的弾性率は9×105dyn/cm2であった。
【0048】
(マレイミド系樹脂D−1−[3]の製造)
マレイミド系樹脂D−1−170部とゴム質樹脂A−1−[2]30部を1軸押し出し機で溶融混練しマレイミド系樹脂D−1−[3]を得た。
【0049】
(ポリカーボネート樹脂D−2)
ポリカーボネート樹脂(D)には、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製の「ノバレックス7025A」(商品名)を使用した。ガラス転移温度は170℃であった。また、動的弾性率は1.8×106dyn/cm2であった。
(α−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂D−3)
水 250部
デキストロース 0.5部
硫酸第一鉄(FeSO4.7H2O) 0.003部
ピロ燐酸ナトリウム 0.1部
パルミチン酸カリウム 3部
上記物質を窒素気流中で60℃に加熱攪拌した後、単量体(I)(α−メチルスチレン80部、アクリロニトリル9部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部、t−ドデシルメルカプタン0.15部)をそれぞれ仕込んだ。それらを十分に乳化させた後、クメンハイドロパーオキサイド0.3部を添加し、続いて単量体(II)(アクリロニトリル11部、クメンハイドロパーオキサイド0.1部)をそれぞれ連続的に3時間滴下した。滴下終了後、さらに1時間半攪拌を続けた後、重合を終了した。生成した共重合体ラテックスを1%硫酸マグネシウム水溶液で凝固し、洗浄乾燥し白色粉末を得た。
【0050】
表3の配合組成に従って配合し、ヘンシェルミキサーにて5分間混合し、40mm単軸押し出し機(ベント付き)にてペレット化し熱可塑性樹脂組成物(A+B+C)[1][2][3][7]、(A+C)[6]、(A+B+C+E)[4][5]を得た。
同様に、表4の配合組成の熱可塑性樹脂組成物(A+B+C)[8][9][13][14][15]、(A+B+C+E)[10]、(A+B)[11]、(A+B+E)[12]のペレットを得た。
【0051】
【表3】
Figure 0004170457
【0052】
【表4】
Figure 0004170457
【0053】
さらにこれらのペレットと表5に示す(D)成分を、表6および表7に示す配合で混合し40mm単軸押し出し機(ベント無し)で70mm幅×3mm厚みの押し出しを行い、木目外観を評価した。これらの結果も合わせて表6および表7に示す。なお、(D)には、(D)100部に対して、ベンガラを1部顔料として添加した。
【0054】
【表5】
Figure 0004170457
【0055】
【表6】
Figure 0004170457
【0056】
【表7】
Figure 0004170457
【0057】
(ガラス転移温度)
(A)成分、(D)成分のグラフト重合していない成分のガラス転移温度は、TA社製のDMA4.2を使用してtan δのピークから求めた(℃)。その結果を表1および表5に示す。D−1−[1]のグラフト重合していない成分のガラス転移温度は、表1のいずれの(A)成分に比べて40℃以上高い。
(動的剛性率)
(A)成分、(D)成分の動的剛性率は、Rheometrics社製RDA-IIを用いて180℃、1(Rad/sec)条件での動的剛性率を求めた(dyn/cm2)。その結果を表1および5に示す。
(耐候性)
実施例1〜9、比較例1〜9の樹脂組成物について、サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株))を用い、63℃雨ありの条件で1000時間曝露し変色度を測定した(△E)。その結果を表6および表7に示す。
表6および表7に示したように、実施例1〜9においては、比較例1〜9に比べて、木目外観に優れた樹脂成形品を得られることがわかった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、木目外観の優れたゴム質樹脂成形品を提供することができる。得られた成形品は、自動車の内装、家具、家電、パソコン、事務機の外装等への用途展開できるものである。

Claims (1)

  1. 構成単位の少なくとも80重量%がメタクリル酸メチルである(共)重合体(C−1)10〜45重量部の存在下に、炭素数1〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル30〜70重量%と炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル30〜70重量%との混合物(C−2)40〜70重量部を重合させ、さらに、メタクリル酸メチル50〜100重量%と、該メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体0〜50重量%とからなる単量体(C−3)5〜40重量部を、(C−1)(C−2)および(C−3)の各成分の合計量が100重量部となるように重合させて3段重合体(C)を得、
    ついで該3段重合体(C)5重量部〜50重量部と、ゴム質樹脂(A)50〜95重量部とを、(A)成分と(C)成分の合計が100重量部となるように混合し、さらに溶融混練および押出によってペレット化し、
    得られたペレットに、N−フェニルマレイミド系単量体単位を22重量%以上含むマレイミド共重合体を40重量%以上含むマレイミド系樹脂(D−1)、ポリカーボネート樹脂(D−2)、α−アルキル置換芳香族ビニル系単量体50重量%以上含むα−アルキル置換芳香族ビニル系共重合体を40重量%以上含むα−アルキル置換芳香族ビニル系樹脂(D−3)のうちの少なくとも一種を1〜100重量部配合して溶融混練し、これを成形することを特徴とする木目模様入り成形品の製造方法。
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