JP4156461B2 - 圧電磁器組成物及びその製造方法並びに圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は,組成物中に鉛を含有しない圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに該圧電磁器組成物を材料とする圧電素子に関する
従来より,圧電磁器組成物としては,鉛を含んだPZT(PbTiO3−PbZrO3)成分系磁器が用いられてきた。上記PZTは,大きな圧電性を示し,かつ長期安定性に優れた高い機械的品質係数を有しており,センサ,アクチュエータ,フィルター等の各用途に要求される様々な特性の材料を容易に作製できるからである。
また,上記PZTは高い比誘電率を有するため,コンデンサ等としても利用することができる。
ところが,上記PZTから成る圧電磁器組成物は,優れた特性を有する一方で,その構成元素に鉛を含んでいるため,PZTを含んだ製品の産業廃棄物から有害な鉛が溶出し,環境汚染を引き起こすおそれがあった。そして,近年の環境問題に対する意識の高まりは,PZTのように環境汚染の原因となりうる製品の製造を困難にしてきた。そのため,組成中に鉛を含有しない圧電磁器組成物の開発が求められ,一般式(K1-xNax)NbO3(但し,0<x<1)で表される圧電磁器組成物(非特許文献1参照)が注目されてきた。
しかしながら,上記一般式(K1-xNax)NbO3(但し,0<x<1)で表される圧電磁器組成物は焼成が困難であるため,ホットプレス焼成を行う必要がある。そのため,製造コストが高くなるという問題があった。
さらに,上記一般式で表される圧電磁器組成物には,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp及びキュリー温度Tc等の特性が低いという問題があった。そのため,例えば高い圧電定数d31定数,電気機械結合係数Kpを必要とする圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等の圧電素子への適用が困難であった。また,キュリー温度Tcが低いため,高温度環境下における圧電特性が劣化するという問題があった。
"Journal of the American Ceramic Society",米国,1962,Vol.45,No.5,p.209
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,鉛を含まず,常圧にて焼成が可能であり,圧電d31定数等の圧電磁器組成物特有の特性のうち少なくとも1つが従来より優れた圧電磁器組成物及びその製造方法,並びに該圧電磁器組成物を利用した圧電素子を提供しようとするものである。
第1の発明は,一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0<y≦1,0<z≦0.4,0.06≦w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にあることを特徴とする圧電磁器組成物にある(請求項1)。
上記第1の発明の圧電磁器組成物は,上記の一般式{Lix(K1-yNay1-x a (Nb1-z-wTazSbw b 3で表されるように,組成物中に鉛を含有していない。
そのため,上記圧電磁器組成物は,該圧電磁器組成物の廃棄物等から有害な鉛が自然界に流出することがなく,安全である。
また,上記圧電磁器組成物は,上記の一般式におけるx,y,z,wがそれぞれ上記の範囲にある。そのため,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数,比誘電率ε33T/ε0,誘電損失tanδ,キュリー温度Tcのいずれか1つ以上が優れたものとなる。
また,上記圧電磁器組成物は,上記の一般式におけるzの範囲が0<z≦0.4,かつwの範囲が0.06≦w≦0.2であり,Ta及びSbを必須成分として含有している。そのため,上記圧電磁器組成物は焼成時に緻密化し易く,常圧下での焼成によっても充分に緻密化することができる。これは,Ta及びSbを上記の範囲内において必須成分とすることにより,焼成温度が低下すると共に,Ta及びSbが焼成助剤の役割を果たし,空孔の少ない焼成を可能とするからである。そのため,従来のようにホットプレス焼成を行う必要がなく簡単かつ低コストに上記圧電磁器組成物を作製できる。また,上記圧電磁器組成物の誘電損失tanδの安定性を向上させることができる。
このように,上記圧電磁器組成物は,環境に対して安全で,常圧にて焼成が可能であり,かつ高性能な圧電素子又は誘電素子等の材料として利用することができる。
なお,上記第1の発明における圧電磁器組成物は,圧電特性を有する磁器組成物に限らず,誘電特性を有する誘電磁器組成物をも含む概念である。
第2の発明は,一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0<y≦1,0<z≦0.4,0.06≦w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある組成物よりなる粉末を成形し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法にある(請求項)。
上記組成物よりなる粉末を用いて成形した成形体は,常圧下にて焼成することができる。そのため,簡単かつ低コストにて焼成を行うことができる。そして,上記焼成後に得られる圧電磁器組成物は,鉛を含有せず,圧電d31定数等の圧電磁器組成物特有の特性に優れたものとなる。そのため,高性能な圧電素子又は誘電素子等の材料として利用することができる。
第3の発明は,リチウムを含有してなる化合物と,ナトリウムを含有してなる化合物と,カリウムを含有してなる化合物と,ニオブを含有してなる化合物と,タンタルを含有してなる化合物と,アンチモンを含有してなる化合物とを混合,焼成することにより上記第1の発明の圧電磁器組成物を得ることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法にある(請求項)。
上記第3の発明においては,上記のごとく,リチウムを含有してなる化合物と,ナトリウムを含有してなる化合物と,カリウムを含有してなる化合物と,ニオブを含有してなる化合物と,アンチモンを含有してなる化合物とを混合,焼成する。
これにより上記第1の発明の圧電磁器組成物を容易に得ることができる。
また,上記焼成時には,常圧下にて上記圧電磁器組成物を焼成することができる。そして,上記焼成後に得られる圧電磁器組成物は,鉛を含有せず,圧電d31定数等の圧電磁器組成物特有の特性に優れたものとなる。そのため,高性能な圧電素子又は誘電素子等の材料として利用することができる。
第4の発明は,第1の発明の圧電磁器組成物を有することを特徴とする圧電素子にある(請求項11)。
上記第4の発明の圧電素子は,第1の発明(請求項1)の圧電磁器組成物を有している。そのため,上記圧電素子は,鉛を含有せず,環境に対して安全である。
また,上記圧電素子は,上記圧電磁器組成物が有する,圧電d31定数等の圧電磁器組成物特有の特性が優れるという性質をそのまま利用することができる。そのため,上記圧電素子は,感度の高い圧電センサ素子,高い電気機械エネルギー変換効率を有する圧電振動子及びアクチュエータ素子等の優れた圧電素子として利用することができる。
本発明において,上記圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0<y≦1,0<z≦0.4,0.06≦w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある。
ここで,x>0.2,z>0.4,w>0.2,z=0,又はw=0の場合には,上記圧電d31定数等の圧電磁器組成物に特有の特性が低下し,所望の特性を有する圧電磁器組成物を得ることができないおそれがある。
上記圧電磁器組成物は,上記のごとく,ペロブスカイト構造(ABO3)の化合物を主成分としている。本発明において,上記ペロブスカイト構造(ABO3)におけるAサイトの元素構成は,K,Na乃至はK,Na,Liに相当し,Bサイトの元素構成は,Nb,Ta,Sbに相当する。このペロブスカイト構造の組成式においては,Aサイトを構成する原子とBサイト構成する原子が1:1となる化学量論比のとき,完全なペロブスカイト構造となるが,上記圧電磁器組成物の場合には,特にK,Na,Li,Sbが焼成工程等で数%,具体的には3%程度揮発したり,また全構成元素が混合粉砕や造粒工程等にて数%,具体的には3%程度変動することがある。即ち,製法のバラツキにより,化学量論組成からの変動が起こる場合がある。
このような製造工程上の組成変動への対応として,意図的に配合組成比を変えることにより,焼成後の圧電磁器組成物の組成比を,±数%,より具体的には±3〜5%程度変動させることができる。このことは,例えば従来のチタン酸ジルコン酸塩(PZT)の場合でも同様であり,焼成時の鉛の蒸発や,粉砕メディアであるジルコニアボールからのジルコニアの混入を考慮して配合比を調整することができる。
本発明の圧電磁器組成物においては,上記のように意図的に配合組成比を変えても,圧電特性等の電気的特性は大きく変化しない。
したがって,本発明においては,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x a (Nb1-z-wTazSbw b 3で表される化合物は,これをペロブスカイト構造の組成式ABO3にあてはめたときに,Aサイト原子とBサイト原子の構成比を1:1に対してそれぞれ±5モル%程度までずれた構成比とすることができる。なお,構成される結晶中の格子欠陥をより少なくし,高い電気的特性を得るためには,好ましくは±3%程度までの組成がよい。
即ち,上記圧電磁器組成物の主成分としての上記一般式で表される化合物は,{Lix(K1-yNay1-x a (Nb1-z-wTazSbw b 3(0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05)となる範囲を含むものである。また,上述のごとく,上記の式において,a及びbの範囲は0.97≦a,b≦1.03であることが好ましい。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x a (Nb1-z-wTazSbw b 3において,
z+w≦0.37であることが好ましい。
この場合には,上記圧電d31定数等の圧電磁器組成物に特有の特性を一層向上させることができる。
上記圧電磁器組成物は圧電性及び誘電性を有し,圧電体としても誘電体としても用いることができる。具体的には,例えば圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として用いることができる。
上記第1の発明(請求項1)において,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3のxの範囲は,0<x≦0.2であることが好ましい
この場合には,Liが必須成分となるので,上記圧電磁器組成物は,焼成時の焼成体の作製を一層容易に行うことができると共に,圧電特性をより向上させ,キュリー温度を一層高くすることができる。これは,Liを上記の範囲内において必須成分とすることにより,焼成温度が低下すると共に,Liが焼成助剤の役割を果たし,空孔の少ない焼成を可能とするからである。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3における上記yの範囲は,0<y≦1であることが好ましい
この場合には,上記圧電磁器組成物の圧電g31定数をさらに向上させることができる。また,上記yの範囲は,0y≦0.85であることがより好ましく、0.05≦y≦0.75であることがさらに好ましい。これらの場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数及び電気機械結合係数Kpを一層向上させることができる。さらに一層好ましくは,0.05≦y<0.75がよく、さらには0.35≦y≦0.65がよく、さらには0.35≦y<0.65がより好ましい。また,最も好ましくは,0.42≦y≦0.60がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上であることが好ましい(請求項)。
この場合には,上記30pm/V以上という高い圧電d31定数を活かして,上記圧電磁器組成物を感度の高い圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等等として利用することができる。
上記圧電d31定数が30pm/V未満の場合には,上記圧電磁器組成物を優れた感度を必要とする圧電素子に利用することができないおそれがある。
また,より感度の優れた圧電センサ特性又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることがより好ましい。さらに好ましくは80pm/V以上がよい。さらに好ましくは,上記圧電d31定数は100pm/V以上がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/N以上であることが好ましい(請求項)。
この場合には,上記7×10-3Vm/N以上という高い圧電g31定数を活かして,上記圧電磁器組成物を昇圧比の優れた圧電トランス,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
上記圧電g31定数が7×10-3Vm/N未満の場合には,上記圧電磁器組成物を優れた昇圧比を必要とする圧電素子に利用することができないおそれがある。
また,さらに昇圧比の優れたものを得るために,上記圧電g31定数は10×10-3Vm/N以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,電気機械結合係数Kpが0.3以上であることが好ましい
この場合には,上記0.3以上という高い電気機械結合係数Kpを活かして,上記圧電磁器組成物を機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
上記電気機械結合係数Kpが0.3未満の場合には,上記圧電磁器組成物を,上記機械エネルギーと電気エネルギーの優れた変換効率を必要とする圧電素子に利用することができなくなるおそれがある。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記電気機械結合係数Kpは0.34以上であることがより好ましい。さらに好ましくは0.4以上がよい。さらに好ましくは,上記電気機械結合係数Kpは0.5以上がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,誘電損失が0.09以下であることが好ましい
この場合には,0.09以下という低い誘電損失を活かして,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
上記誘電損失が0.09を超える場合には,上記圧電磁器組成物を上記コンデンサ等誘電素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子等として利用することができないおそれがある。
また,上記誘電損失は0.035以下であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,比誘電率が400以上であることが好ましい
この場合には,上記400以上という高い比誘電率を活かして,上記圧電磁器組成物を静電容量の大きなコンデンサ等の誘電素子等として利用することができる。
上記比誘電率が400未満の場合には,静電容量が低下し,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子等として利用することができないおそれがある。
また,上記比誘電率は,430以上であることがより好ましい。さらに好ましくは,600以上がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,キュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項)。
この場合には,200℃以上という高いキュリー温度Tcを活かして,上記圧電磁器組成物を,例えば自動車のエンジン付近等のように100℃を超える高温度の環境下にて利用することができる。
上記キュリー温度Tcが200℃未満の場合には,上記圧電磁器組成物を例えば自動車のエンジン付近のように高温の場所に用いると,その圧電d31定数や電気機械結合係数Kp等の特性が低下するおそれがある。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項)。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を感度の高いセンサ素子,超音波モータ素子,アクチュエータ素子,圧電トランス素子,圧電振動子等として利用することができる。
また,より感度の優れた圧電センサ特性又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることが好ましい。さらに好ましくは80pm/V以上がよい。さらに好ましくは,上記圧電d31定数は100pm/V以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/N以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項)。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を昇圧比の優れた圧電トランス,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,さらに昇圧比の優れたものを得るために,上記圧電g31定数は10×10-3Vm/N以上であることがより好ましい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電アクチュエータ素子,圧電振動子,センサ素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子等として利用することができる。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記電気機械結合係数Kpは0.34以上であることがより好ましい。さらに好ましくは,0.4以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,誘電損失が0.09以下で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,上記誘電損失は0.035以下であることがより好ましい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつ電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項)。
この場合には,上記圧電磁器組成物を,温度100℃を超える高温度環境下において使用することができ,感度及び機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れたものとすることができる。
また,より感度の優れた圧電センサ特性,又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることがより好ましい。また,上記電気機械結合係数Kpは,0.34以上であることがより好ましい。
また,上記第3の発明(請求項)において,上記リチウムを含有する化合物としては,例えばLi2CO3,Li2O,LiNO3,LiOH等がある。また,上記ナトリウムを含有する化合物としては,Na2CO3,NaHCO3,NaNO3等がある。
また,上記カリウムを含有してなる化合物としては,K2CO3,KNO3,KNbO3,KTaO3等がある。また,上記ニオブを含有してなる化合物としては,例えばNb25,Nb23,NbO2等がある。また,上記タンタルを含有してなる化合物としては,Ta25等がある。また,上記アンチモンを含有してなる化合物としては,例えばSb25,Sb23,Sb24等がある。
次に,上記リチウムを含有する化合物はLi2CO3であり,ナトリウムを含有してなる化合物はNa2CO3であり,カリウムを含有してなる化合物はK2CO3であり,ニオブを含有してなる化合物はNb25であり,タンタルを含有してなる化合物はTa25であり,アンチモンを含有してなる化合物はSb25またはSb23であることが好ましい(請求項10)。
この場合には,上記圧電磁器組成物を容易に作製することができる。
次に,上記第4の発明(請求項11)において,上記圧電素子としては,例えば圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等がある。
(実施例)
次に,本発明の実施例にかかる圧電磁器組成物について説明する。
本例では,上記圧電磁器組成物を製造し,その特性を測定する。
本例の圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある。
以下,本例の圧電磁器組成物の製造方法につき説明する。
まず,圧電磁器組成物の原料として,純度99%以上の高純度のLi2CO3,Na2CO3,K2CO3,Nb25,Ta25,Sb25を準備した。
これらの原料を上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において,x,y,z,wが0≦x≦0.2,0≦y≦1,0<z≦0.4,0<w≦0.2となるような化学量論比にて混合した。
ここで,後述する表1〜表6に示すごとく,xとしては,x=0,0.01,0.02,0.03,0.04,0.06,0.08,0.10,0.15,0.20となるようにした。
また,yとしては,y=0,0.05,0.1,0.2,0.3,0.4,0.42,0.44,0.45,0.46,0.47,0.48,0.49,0.5,0.51,0.52,0.53,0.54,0.55,0.56,0.58,0.6,0.70,0.75,0.8,1.0となるようにした。
また,zとしては,z=0.002,0.08,0.10,0.12,0.14,0.16,0.18,0.20,0.22,0.30となるようにした。
また,wとしては,w=0.02,0.04,0.05,0.06,0.07,0.1,0.2となるようにした。
そして,各化学量論組成になるように配合した原料をボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を作製した。
次に,この混合物を750℃にて5時間仮焼し,この仮焼後の混合物をボールミルにて24時間粉砕した。続いて,バインダーとしてポリビニールブチラールを添加し,造粒した。
造粒後の粉体を圧力2ton/cm2にて,直径18mm,厚さ1mmの円盤状に加圧成形し,この成形体を1000〜1300℃にて1時間焼成し,焼成体を作製した。なお,このときの焼成温度は,1000℃〜1300℃の間で最大密度になる温度を選定した。また,上記焼成体は,すべて相対密度98%以上に緻密化されていた。
次に,焼成後の各焼成体の両面を平行研磨し,円形研磨した後,この円盤試料の両面にスパッタ法により金電極を設けた。そして,100℃のシリコーンオイル中にて1〜5kV/mmの直流電圧を10分間電極間に印加し,厚み方向に分極を施して圧電磁器組成物とした。
このようにして,182種類の化学量論組成を有する圧電磁器組成物(試料1〜182)を作製した。各試料の化学組成比を表1〜表6に示す。
また,本例では,上記圧電磁器組成物の優れた特性を明らかにするため,以下のようにして比較品1〜5を作製した。
まず,比較品1の原料として,純度99%以上の高純度のK2CO3,Na2CO3及びNb25を準備した。
これらの原料と一般式(K0.5Na0.5)NbO3となるような化学量論比にて,混合し,ボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を得た。
この混合物を上記試料1〜182と同様にして,仮焼,造粒,成形,焼成し,分極を施して,比較品1とした。
また,純度99%以上の高純度のLi2CO3,K2CO3,Na2CO3,Nb25,Ta25,及びSb25を準備し,比較品2,3,4,及び5として,{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)組成式において,それぞれx=0.22,y=0.50, z=0.45,w=0.22,及びx=0.22,y=0.50, z=0.10,w=0.02,及びx=0.02,y=0.50,z=0.45,w=0.02,及びx=0.02,y=0.50,z=0.10,w=0.22となる試料を同様の方法にて作製した。
比較品1〜5の化学組成比を表6に示す。
次に,上記試料1〜182及び比較品1〜5について,圧電d31定数,圧電g31定数,電気機械結合係数Kp,キュリー温度Tc,比誘電率ε33T/ε0,誘電損失tanδを測定した。
ここで圧電d31定数,圧電g31定数及び電気機械結合係数Kpは,インピーダンスアナライザーを用いて共振−***振法により測定した。
また,誘電損失及び比誘電率は,インピーダンスアナライザーを用いて,測定周波数1kHzにて測定した。
また,キュリー温度Tcは,比誘電率が最も高いときの温度をもってキュリー温度Tcとした。
その結果を表7〜表12に示す。
また,上記試料2,4,5,8,15,16,31〜34,40,41,48,49,71,72,74,75,79,80,81,88〜90,103,104,107,110,112,115,118,119,123〜129,133,134,136〜140,143,145,151,152及び比較品1について,誘電損失の長期安定性を測定した。
上記誘電損失の長期安定性の測定方法としては,まず,上記分極後の試料及び比較品1の誘電損失tanδを上記と同様にインピーダンスアナライザーを用いて,測定周波数1kHzにて測定して,これを初期tanδとした。さらに,分極から50日,100日,又は200日経過後の誘電損失tanδを測定し,初期tanδの値と比較することにより,誘電損失の長期安定性を評価した。
その結果を表13〜表14に示す。
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表6〜表12より知られるごとく,試料1〜13,15〜20,25〜28,31〜37,39〜44,46〜52,55〜59,67,71〜85,87〜92,97〜99,103〜154,156〜159,162〜182は,比較品1より高い圧電d31定数を示した。
ここで,表12における試料155〜試料180は,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において,x,z及びwの値を固定し,yの値を変化させたときの各種圧電特性及び誘電特性を示している。試料155〜試料180においては,yの値を変化させたときの圧電d31定数の変化を明らかにするため,y=0.5(試料158)のときの圧電d31定数の値に対する,試料155〜180の各圧電d31定数値の比をd31比として示している。
また,表6〜12より知られるごとく,試料1〜5,7〜12,15〜20,25〜28,31〜36,39〜44,47〜51,56〜58,71〜78,80〜84,88〜90,103〜154,157〜159,164〜179は,比較品1より高い電気機械結合係数Kpを示した。
また,試料1〜159及び試料162〜182は,430以上という高い比誘電率を示し,比較品1よりも優れていた。
また,試料1〜5,7〜12,16〜20,31〜34,40〜42,47〜50,58,65,71〜77,80〜82,103〜111,115,118〜130,134,136〜139,158,160〜161,165〜166,168〜169,171,173,175,及び試料179〜180は,7.0×10-3以上という高い圧電g31定数を示した。
また,試料1〜22,24〜54,58〜62,70〜86,89〜94,101〜180は,200℃以上という高いキュリー温度Tcを示した。
また,試料1〜22,24〜26,31〜35,39〜74,76〜94,96〜182は,0.09以下という低い誘電損失tanδを示した。
また,表13及び表14より知られるごとく,各試料の誘電損失は,50日,100日,又は200日経過後も,大きく上昇することなく,安定性に優れていた。これに対し,比較品1の誘電損失は,50日経過後には初期tanδの3倍,100日経過後には6倍を超えて増加した。また,200日経過後には初期tanδの7倍近くまで増加しており,安定性に問題があった。
ここで,圧電d31定数に注目すると,表1〜表12より知られるごとく,x=0.04,y=0.54,z=0.1,及びw=0.06(試料175)のとき,圧電d31定数は,132.4pm/Vというもっとも高い値を示した。
また,表6及び表12より知られるごとく,上記一般式Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において,yの値を変化させて,上記圧電磁器組成物を作製すると,圧電d31定数が大きく変化することがわかる。
そこで,上記一般式におけるyの値と圧電d31定数の関係をわかりやすくするため,表12中の圧電d31定数の結果を図1に示した。図1は,横軸が上記一般式におけるyの値を示し,縦軸が圧電d31定数を示すものである。
図1より知られるごとく,40pm/V以上という高い圧電d31定数を実現するためには,上記一般式Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3におけるyの値を,0.05≦y<0.75とすることが好ましいことがわかる。また,yの値の範囲が0.35≦y≦0.65の場合には,80pm/V以上というより高い圧電d31定数を実現することができる。さらに,yの値の範囲が0.42≦y≦0.60の場合には,100pm/Vを越える,より一層高い圧電d31定数を実現することができる。ただし,この好ましいyの値の範囲は,上記一般式におけるx,z,及びwの値が変わると変化する。
電荷検出型回路或いは電流検出型回路を用いた場合には,一般に上記圧電d31定数は,加速度センサ,加重センサ,衝撃センサ及びノックセンサ等の圧電型センサの出力電圧に比例する。その点からみると,圧電d31定数が高い圧電磁器組成物ほど電荷センサ出力の大きなセンサ素子を作ることができる。そして,比較品1と同等以上の特性を有するセンサ素子を作製するには,少なくとも30pm/V以上の圧電d31定数を有することが好ましいといえる。さらに信号雑音比(SN比)及び出力電圧を高めて高感度なセンサ素子を作製するためには,上記圧電d31定数は80pm/V以上のものがよい。さらに好ましくは100pm/V以上のものがよい。
また,アクチュエータとして使用する場合には,一般に上記圧電d31定数は圧電アクチュエータの発生歪或いは変位量に比例する。その点からみると,圧電d31定数が高い圧電磁器組成物ほど発生歪或いは変位量の大きなアクチュエータ素子を作ることができる。そして比較品1と同等以上の特性を有するアクチュエータ素子を作製するには,少なくとも30pm/V以上の圧電d31定数を有することが好ましいといえる。より好ましくは40pm/V以上がよい。さらに変位量の大きなアクチュエータを作製するためには,上記圧電d31定数は80pm/V以上のものがよい。さらに好ましくは100pm/V以上のものがよい。
また,電気機械結合係数Kpに注目すると,表1〜表12より知られるごとく,x=0,y=0.5,z=0.002,及びw=0.04(試料31)のとき,電気機械結合係数Kpは,0.623というもっとも高い値を示した。
一般に,上記電気機械結合係数Kpは,圧電トランス素子,超音波モータ素子,アクチュエータ素子,又は超音波振動子等の電気機械エネルギー変換効率に比例する。その点からみると,電気機械結合係数Kpが高い圧電磁器組成物ほど電気機械エネルギー変換効率の高い圧電トランス素子,超音波モータ素子,アクチュエータ素子,又は超音波振動子を作ることができる。そして,比較品1と同等以上の特性を有する圧電トランス素子,超音波モータ素子,アクチュエータ素子,又は超音波振動子を作製するには,少なくとも0.3以上の電気機械結合係数Kpを有することが好ましいといえる。より好ましくは0.34以上がよい。さらに好ましくは,0.4以上がよい。また,さらに好ましくは0.5以上がよい。
また,キュリー温度Tcに注目すると,試料1〜22,24〜54,58〜62,70〜86,89〜94,101〜180の圧電磁器組成物のキュリー温度Tcは,200℃以上という高い値をとっている。そのため,上記組成領域にある本例の圧電磁器組成物は,例えば自動車のエンジン付近等の高温度部においても長時間安定に使用することができるノックセンサ等の高温用のセンサ部品,アクチュエータ部品,超音波モータ部品等として利用することができる。
また,上記高温用のセンサ部品,アクチュエータ部品,超音波モータ部品等としてさらに長時間安定に使用するためには,上記キュリー温度Tcは,200℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは,250℃以上のものがよい。
また,圧電g31定数に注目すると,表1〜表12より知られるごとく,x=0,y=0.5,z=0.002,及びw=0.04(試料31)のとき,圧電g31定数は,16.2×10-3Vm/Nというもっとも高い値を示した。
圧電g31定数は,上記圧電d31定数と同様に,圧電型センサ,圧電トランス素子,超音波モータ素子等の出力電圧に比例する。そのため,圧電g31定数が高い圧電磁器組成物ほど電圧センサ出力の大きなセンサを作ることができる。そして,比較品1と同等以上の特性を有するセンサを作製するには,少なくとも7×10-3Vm/N以上の圧電g31定数を有することが好ましいといえる。さらに好ましくは,10×10-3Vm/N以上のものがよい。
また,比誘電率ε33T/ε0に注目すると,試料1〜159及び試料162〜182の比誘電率ε33T/ε0は,430以上という高い値をとっている。
上記比誘電率ε33T/ε0は,一般に積層コンデンサ部品等のコンデンサの静電容量に比例する。その点からみると,上記比誘電率が高い圧電磁器組成物ほど静電容量の大きなコンデンサを作ることができる。コンデンサを作製するためには,少なくとも400以上の比誘電率を有することが好ましいといえる。また,より好ましくは,430以上のものがよい。さらに好ましくは,600以上のものがよい。
また,誘電損失tanδに注目すると,試料1〜22,24〜26,31〜35,39〜74,76〜94,96〜182の誘電損失tanδは,0.09以下という低い値をとっている。
上記誘電損失は,コンデンサ部品等のコンデンサ,圧電超音波モータ,圧電アクチュエータ,圧電トランス等の部品に交流電圧を印加した際に,該部品が損失する熱エネルギーに比例する。その点からみると,上記誘電損失が小さい圧電磁器組成物ほどエネルギー損失の少ないコンデンサ及び発熱の少ない圧電超音波モータ,圧電アクチュエータ,圧電トランスを作製することができる。そして,エネルギー損失の少ない上記部品を作製するためには,0.09以下の誘電損失を有することが好ましい。さらに好ましくは,0.035以下のものがよい。
また,誘電損失の長期安定性に注目すると,表13及び表14に示すごとく,z=0.002即ちTaの含有量が非常に少ない試料では長時間大気中に放置されると誘電損失が大きくなるという欠点がある。一方,z>0.002及びw≠0の試料においては,長時間大気中に放置されても誘電損失の変化が小さく,また誘電損失の値も0.09以下という小さな値を保っている。このように,本発明に示す上記一般式{Li x (K 1-y Na y 1-x a (Nb 1-z-w Ta z Sb w b 3 において,0<x≦0.2,0<y≦1,0<z≦0.4,0.06≦w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲における本例の圧電磁器組成物の誘電損失tanδは,長期安定性を有している。
また,表12に示すごとく,本発明の圧電磁器組成物の組成領域に含まれない,比較品2,3及び5は圧電d31定数が,それぞれ0.5,9.81,13.31pm/Vといずれも低い値となることが分かった。また,比較品4は圧電d31定数が42.62pm/Vである反面,キュリー温度が117℃と低く,200℃以上のキュリー温度が必要な,自動車用部品としては使用できないことが分かった。
実施例にかかる,上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3におけるyの値と圧電d31定数の関係を示す説明図。

Claims (11)

  1. 一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0<y≦1,0<z≦0.4,0.06≦w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にあることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,キュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物
  3. 請求項1又は2において,上記圧電磁器組成物は,圧電d 31 定数が30pm/V以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記圧電磁器組成物は,圧電g 31 定数が7×10 -3 Vm/N以上であることを特徴とする圧電磁器組成物
  5. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電d 31 定数が30pm/V以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物
  6. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電g 31 定数が7×10 -3 Vm/N以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物
  7. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電d 31 定数が30pm/V以上で,かつ電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物
  8. 一般式{Li x (K 1-y Na y 1-x a (Nb 1-z-w Ta z Sb w b 3 で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0<y≦1,0<z≦0.4,0.06≦w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある組成物よりなる粉末を成形し,焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法
  9. リチウムを含有してなる化合物と,ナトリウムを含有してなる化合物と,カリウムを含有してなる化合物と,ニオブを含有してなる化合物と,タンタルを含有してなる化合物と,アンチモンを含有してなる化合物とを混合,焼成することにより請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電磁器組成物を得ることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法
  10. 請求項9において,上記リチウムを含有する化合物はLi 2 CO 3 であり,ナトリウムを含有してなる化合物はNa 2 CO 3 であり,カリウムを含有してなる化合物はK 2 CO 3 であり,ニオブを含有してなる化合物はNb 2 5 であり,タンタルを含有してなる化合物はTa 2 5 であり,アンチモンを含有してなる化合物はSb 2 5 またはSb 2 3 であることを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電磁器組成物を有することを特徴とする圧電素子
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