JP4146140B2 - 画像認識に用いるカメラの温度管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像認識に用いるカメラの温度管理装置に関し、詳しくは、生産設備の加熱を伴う生産環境でカメラを画像認識に用いるカメラの温度管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図11、図12に示すように回路基板aと半導体チップbとの金属接合部d、eどうしを摩擦接合して半導体チップbを回路基板aに実装する部品実装装置が知られている。このような部品実装装置では、回路基板aを支持して前記接合に供する接合ステージcにヒータを設けて回路基板aを加熱することにより、摩擦接合時の昇温を補助することが行なわれている。例えば、回路基板aの摩擦接合部dは導体ランドであり、半導体チップbの金属接合部eはバンプである。
【0003】
これに併せ、図11に示す部品実装装置では、接合ステージcに支持されている回路基板aの上にカメラfが進出して前記接合のための画像認識を行ない、図12に示す部品実装装置では、接合ステージcに支持されている回路基板aとその上に持ち運ばれてきた半導体チップbとの間にカメラgが進出して回路基板aおよび半導体チップbを同時に前記接合のための画像認識を行なうようにしている。
【0004】
なお、図11に示す部品実装装置では接合ステージcの上で半導体チップbの画像認識を行なっていない。そこで、反転機構jが部品供給部hにおける部品供給源iの半導体チップbを破線で示す下向きでピックアップしてから図11に実線で示すように上向きに反転させて所定位置に供給し、半導体チップbを前記接合に供する部品取り扱い機構kが前記供給された半導体チップbをピックアップして回路基板a上へ持ち運ぶ過程にて、別のカメラlによる画像認識を行なうようにしている。図12に示す部品実装装置も共通する部材に同一符号を付して示すように半導体チップbを図11に示す部品実装装置と同様に取り扱って前記接合に供しているが、当然のことながら図11に示す部品実装装置のような別のカメラは不要である。
【0005】
これら、カメラf、g、lによる回路基板a、半導体チップbの画像認識は、それらの種類、欠けなどの欠陥、向きを含む位置などを検出することができ、検出された位置ずれなどの問題の解消を図って接合を無駄や失敗なく達成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電子部品の微小化、配線や実装の高密度化によって位置決めの必要精度が勢い高まっているなか、接合位置のずれがときとして問題になってきている。これにつき、本発明者等が種々に実験をし検討を重ねたところ、前記カメラf、g、lのうち、特に、カメラf、gによる回路基板aや半導体チップbの位置にずれが生じていることが判明した。これは、カメラf、gによる画像認識を加熱する接合ステージcの上で行っていることにより、カメラf、gが熱によって膨張したり収縮したりする熱変形が影響していると思われる。特に、カメラf、gは接合位置に位置決めされた接合ステージcの上に進出して用いられるものであることにより、カメラf、gを進退させる支持機構mはカメラf、gを進出させたときその進出側への片持ち支持状態となるので、支持機構mの熱変形も大きく影響するものと見られる。
【0007】
本発明者等の実験によると、図11に示す部品実装装置において、途中にカメラfのメンテナンスによる中断時間15分を含んだ回路基板の生産における設備内の温度は図9に破線で示すように、カメラfの温度は図9に斑点線で示すようにそれぞれ推移し、その時々の認識位置のずれは▲線で示し、実相位置のずれは◆線で示す通りであった。安定した生産中では認識位置のずれがほぼ10μm程度であるのに対し、実相位置のずれはほぼそれに倣うものの、認識位置よりも少し大きくなっている。これは、実相位置のずれの原因の大半が常温時の認識位置を基準に設定したカメラf、gの位置認識原点に熱変形によるずれが生じていることを意味し、加熱環境での温度に対応して認識位置ないしは実装位置をマイナス側に補正すれば対応できることをも意味している。
【0008】
また、生産の中断後、従って、生産の立ち上げの過渡期では認識位置のずれは1μm程度から約6分ほどで通常の10μm程度近くになって後、変動を繰り返しながら増大し、生産の安定時期の状態に至る。この過渡期における認識位置のずれの増大はカメラfの温度上昇が影響していることを示している。また、実相位置のずれは生産の開始初期から生産の安定期程度にまで一挙に増大してしまう。これは、生産の立ち上げ過渡期での認識位置のずれの変動が実装位置の決定に大きな混乱を与えたことによるもので、上記のように加熱環境での温度に対応して認識位置ないしは実装位置をマイナス側に補正しても対応できないことを意味する。
【0009】
また、温度の変動による支持機構を含んだカメラの熱変形は様々な要因が複合していて、経験的にも温度変化に対し一定の相関性を持って捉えるのが困難である。このため、その時々の温度に対応して認識位置ないしは実装位置を補正し難い。
【0010】
本発明の目的は、このような新たな知見に基づき、生産設備の加熱を伴う生産環境でも精度よい認識がなされるようにする画像認識に用いるカメラの温度管理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明の画像認識に用いるカメラの温度管理装置は、加熱状態の接合ステージ上で部品を回路基板に実装する部品実装装置の生産設備において、回路基板、あるいは部品および回路基板に対する位置認識を含む画像認識の都度、接合ステージの上に保持された回路基板上、またはこの回路基板とこれに実装するために持ち運ばれてきた部品との間に進入可能なカメラと、このカメラを覆うカバーと、このカバー内に空気を吹き込んでカメラの温度を調節する送風手段と、カメラ近傍の温度を検出するセンサと、このセンサによる温度の検出ないしは取り込みを行い、所定の温度範囲を下回っていると空冷は停止し、所定の温度範囲を越えていると空冷を行いカメラを所定の温度範囲に保つように送風手段による送風状態を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
このような構成では、加熱状態の接合ステージ上で部品を回路基板に実装する部品実装装置の生産設備において、カメラを生産上の取り扱い対象物の画像認識に用いて生産をするのに、回路基板、あるいは部品および回路基板に対する位置認識を含む画像認識の都度、接合ステージの上に保持された回路基板上、またはこの回路基板とこれに実装するために持ち運ばれてきた部品との間に進入可能なカメラを用いると、進退機構を含む分だけ熱変形が大きく、また複雑になりやすいものの、カメラをカバーで覆って冷却空気を吹き込み冷却すると熱交換がより促進されて、カメラの温度をより早期により変動なく所定の温度範囲に保ちやすく、特に、送風手段を制御手段によりセンサが検出るカメラ近傍の温度が定の温度範囲を下回っていると空冷は停止し、所定の温度範囲を越えていると空冷を行いカメラを所定の温度範囲に保つようにすると、過不足なく冷却を行ない所定の温度範囲にまで無駄なく早期に冷却することができ、メンテナンスなどによる生産中断時を含む非生産時に前記加熱が停止されて、生産中の加熱環境部位に生産時と非生産時とで生じる温度の大きな変化に伴いカメラまわりの環境温度が変動しても、カメラを生産中も常温付近の所定範囲内の温度に保つことができ、カメラに設定した常温時の位置認識位置原点のままで、取り扱い対象物の位置をずれなく高精度に認識することができる。
【0019】
温度調節は、冷風、温風の少なくとも1つによって行ない、空気の流量、圧力、空気温度の少なくとも1つを制御して行なうことができる。また、ラバーヒーターによっても行える。
【0020】
温度調節は、所定の温度範囲を越えているとその時の温度変化率を見て、この温度変化率に見合うレベルでの空冷を行うことによって、過不足なく冷却を行い目標の温度範囲にまで冷却することによっても行なえる。
【0022】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。また、本発明の各特徴は、可能な限りそれ単独で、あるいは種々な組み合わせで複合して採用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像認識に用いるカメラの温度管理方法と装置の実施の形態について、図1〜図10を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0024】
本実施の形態は図1に示すように半導体チップ1と回路基板2との金属接合部3、4どうしの摩擦接合に適用する生産設備、いわゆる図3に示すような部品実装装置5に適用した場合の一例であり、これに限られることはない。
【0025】
図1〜図3を参照して部品実装装置5は、図示しないヒーターを有した接合ステージ6上に支持した回路基板2を加熱しながら、半導体チップ1との金属接合部3、4同どうしの摩擦接合に供することにより摩擦接合のための昇温を補助するので、この接合ステージ6が加熱を伴う生産環境をなし、図1に示すように接合ステージ6上に支持された回路基板2上、あるいは図2に示すように接合ステージ6上に支持された回路基板2およびこれの上に部品実装のために持ち運ばれてきた半導体チップ1の間に進出してそれらの位置を画像認識する図1に示すカメラ7、および図2に示すカメラ8は、前記加熱環境からの熱影響によって熱変形し、これが生産開始時、生産中断後の生産再開時はもとより、生産安定期でも記述したように変動し、常温状態など一定の温度条件に対応して設定するカメラ7、8の認識原点位置のままでは認識位置にずれが生じ、認識位置を基に半導体チップ1および回路基板2どうしを位置決めして行う部品実装の位置にずれが生じる。これには、温度と位置ずれの相関牲が一定しないためにその時々の温度によって認識位置ないしは実装位置を補正しても対応し切れない。このような問題は、例えば、半導体チップ1の電極に金属接合部3であるバンプをワイヤの摩擦ボンディング手法によって形成するのに半導体チップ1を加熱ステージ上で加熱しながら行うが、このボンディング時の半導体チップ1などの位置決めを加熱ステージ上でのカメラを用いた画像認識による位置認識に基づき行うような場合も、同様の問題が生じる。
【0026】
このように、部品実装装置5以外にも加熱を伴う環境にてカメラを用いた画像認識を行うのにカメラの熱変形が認識精度上問題になる生産設備があり、それら全てに本発明を適用して有効であり、いずれの場合も本発明の範疇に属する。
【0027】
図3に示す部品実装装置5につきさらに説明すると、半導体チップ1などの部品を所定位置に供給する部品供給部31、前記金属接合によって部品を実装する回路基板2などの実装対象物を支持し加熱しながら部品実装位置に持ち運んで前記接合による部品実装に供する前記接合ステージ6を含み、部品実装後の回路基板2を他へ移す実装対象物取り扱い手段32、所定位置に供給される半導体チップ1をボイスコイルモータ10に連結した部品保持ツールの1例としての吸着ノズル21にてピックアップして取り扱い部品実装位置に位置決めされている回路基板2に双方の金属接合部3、4どうしが対向するように位置合わせして実装に供する部品取り扱い手段33、吸着ノズル21を通じてこれが保持している部品に前記金属接合のための超音波振動を与えるホーンを利用した超音波振動手段34、部品実装装置5の動作制御において、特に、部品実装位置にて、接合ステージ6上に支持した回路基板2の導体ランドなどの金属接合部4に、部品取り扱い手段33が取り扱う半導体チップ1の金属接合部3を対向させるとともに、部品取り扱い手段33が持つ例えば2つの実装ヘッド51、52における吸着ノズル21をボイスコイルモータ10により駆動制御し金属接合部3、4どうしに加重しながら超音波振動手段34を働かせて、接合ステージ6からの加熱を伴い前記金属接合部3、4どうしを接合させ、半導体チップ1を回路基板2に実装する制御手段35を備えている。
【0028】
これにより、部品供給部31が所定位置に供給する半導体チップ1を、部品取り扱い手段33がそれの実装ヘッド51、52に有した吸着ノズル21によってボイスコイルモータ10の制御手段35による駆動制御を伴いピックアップして持ち運び、実装対象物取り扱い手段32の接合ステージ6によって加熱状態で支持して実装位置に供給し位置決めしている回路基板2との金属接合部3、4どうしを対向させ、制御手段35により超音波振動手段34およびボイスコイルモータ10による吸着ノズル21の駆動制御によって金属接合部3、4どうしを摩擦接合させて半導体チップ1を回路基板2に自動的に実装することを高速に繰り返し行なうことができる。
【0029】
制御手段35はマイクロコンピュータの制御機能を利用したものでよいが、これに限られることはない。部品供給部31はダイシングシート36上で個々の半導体チップ1にダイシングされた部品を多段に収容したストッカ37を載置して昇降させるリフタ38を部品供給源とし、このリフタ38によって所定高さに位置決めされた収納段につき、Y方向に移動する出し入れ手段39によってダイシングシート36を引出しエキスパンド台41でのエキスパンドに供して部品のピックアップに備えたり、エキスパンド台41上の部品ピックアップ後のダイシングシート36をストッカ37に収納する。エキスパンド台41は例えばY方向に移動することと、ピックアップ手段42がX方向に移動することとによって、ダイシングシート36上の所定の半導体チップ1がピックアップ手段42の吸着ノズル42aにより吸着してピックアップされるようにする。
【0030】
ピックアップ手段42は下向きの吸着ノズル42aによりピックアップした半導体チップ1を上向きに反転させて半導体チップ1の金属接合部3を有した接合面が下向きとなるようにして所定の部品供給位置までX方向に移動し、部品実装のためのピックアップに供する。
【0031】
部品実装のためのピックアップは、例えばX方向に移動する2つの部品実装ヘッド51、52によって種類別に行ない、半導体チップ1の種類にあった摩擦接合による部品実装を行なう。この摩擦接合のために部品実装ヘッド51、52は、上記した吸着ノズル21を支持したボイスコイルモータ10を備えているが、それぞれが取り扱う種類の半導体チップ1に対応した加重条件に設定される。もっとも吸着ノズル21の駆動手段としてはボイスコイルモータ10以外のものを採用することもできる。
【0032】
実装対象物取り扱い手段32は、回路基板2のローディング部53とアンローディング部54との間に前記接合ステージ6を有している。この接合ステージ6はY方向に移動でき、ローディング部53から搬入した回路基板2を実装位置まで持ち運んで前記部品実装ヘッド51または52による加熱を伴う部品実装に供し、半導体チップ1の所定の実装を終えた時点で基の位置に復帰し、部品実装後の回路基板2をアンローディング部54に搬出し先へ搬送されるようにする。
【0033】
なお、ローディング部53には回路基板2を予備加熱する予備加熱ステージ56が設けられ、アンローディング部54には部品実装後の回路基板2が急に冷えて割れなどが発生しないように温度保証を行なう保温加熱ステージ57が設けられている。また、部品実装位置の近傍には部品実装位置へ進出したり後退したりする前記図1に示すカメラ7が設けられ、部品実装位置に位置決めされた回路基板2上に進入して金属接合部4などを撮像ないしは撮影して画像による位置や欠陥の認識に供するようにしてある。また、半導体チップ1の位置を含む画像認識は部品取り扱い手段33が部品供給部31におけるピックアップ手段42から上下を反転した半導体チップ1を保持して実装位置へ持ち運ぶ途中に設けたカメラ61によって撮影ないしは撮像して行うようにしてある。
【0034】
もっとも、カメラ7、8の進退機構11は図1、図2に示すように、各種回路基板2の各種マーク、あるいは1枚の回路基板2における実装位置にも対応した画像認識ができるように、Y方向に移動するテーブル11a、12a、X方向に移動するテーブル11b、12bによって直交するXY2方向に移動されるようにしている。なお、回路基板2の位置が認識できれば部品の各実装位置は回路基板2上の座標位置によって特定することができ、個々の実装位置を画像認識することを省略することができる。また、実装位置のカメラ7に代えて図2に示すカメラ8を設ければ、半導体チップ1を単独で画像認識するカメラ61は不要になる。しかも、1つのカメラ8による回路基板2および半導体チップ1の同時認識は、双方に対する認識位置の原点が共通することになり、相互の位置関係を精度よく認識して高精度に位置決めすることができる。これによって、微小部品、高密度な回路パターンや実装に対応することができる。
【0035】
また、欠陥の認識は回路基板2および半導体チップ1ともにそれ以前の段階で検査し、不良品は部品実装に供さないようにするのが好適である。1つのカメラ8による回路基板2および半導体チップ1の同時認識は、双方に対する認識の原点位置が共通することになり、相互の位置関係を精度よく認識して高精度に位置決めすることができる。これによって、微小部品、高密度な回路パターンや実装に対応することができる。
【0036】
本実施の形態は、以上のようなカメラ7または8につき、接合ステージ6、あるいはこれに予備加熱ステージ56、保温加熱ステージ57などをも含む加熱を伴う生産環境での熱変形による認識位置のずれの問題を解消するため、カメラの温度管理の1つの方法として、加熱を伴う生産環境にある前記カメラ7、8を生産上の取り扱い対象物の一例である回路基板2、あるいは半導体チップ1および回路基板2に対する位置認識を含む画像認識に用いるのに、このカメラ7、8につき生産時の温度が非生産時のほぼ常温範囲にまで冷却するよう温度管理する。
【0037】
このように、部品実装装置5における加熱を伴う生産環境でカメラ7、8を生産上の取り扱い対象物である半導体チップ1の画像認識に用いて生産をすると、カメラ7、8が部品実装装置5の加熱を伴う生産環境に置かれるために、メンテナンスなどによる生産中断時を含む非生産時に前記加熱が停止されて、生産中の加熱環境部位に生産時と生産中断で代表する非生産時とで、温度に図9の破線および斑点線で示すような大きな変化が生じ、これに伴いカメラ7、8まわりの環境温度が変動するが、上記のようにカメラ7、8につき生産時の温度が非生産時のほぼ常温範囲にまで冷却するよう例えば図9に実線で示す実験例のように温度管理することによって、カメラ7、8を生産中も常温付近の所定範囲内の温度に保つことができ、カメラ7、8に設定した常温時の位置認識位置原点のままで、回路基板2、ないしは回路基板2および半導体チップ1の位置をずれなく高精度に認識することができる。
【0038】
特に、部品実装装置5が上記のように、加熱状態の接合ステージ6上での金属接合部3、4どうしの摩擦接合を伴って半導体チップ1などを回路基板2に実装するもので、カメラ7、8は画像認識の都度、接合ステージ6の上に保持された回路基板2上に進入するものである構成を有し、回路基板2と半導体チップ1との高精度な位置決めが要求されるにもかかわらず、カメラ7、8が回路基板2上ないしは回路基板2および半導体チップ1間に進出してそれらの位置を画像認識するものであることにより、カメラ7、8の前記進退機構11、12を含む分だけ熱変形が大きく、また複雑になりやすいものの、上記のようにカメラ7、8の温度を常温付近の所定の範囲内に保つことができることにより、高精度な位置認識に基づき高精度な部品実装が実現し、さらなる部品の微小化、高密度な回路パターンおよび部品実装に対応することができる。
【0039】
このようにカメラ7、8を常温程度に温度管理をする冷却方法としては基本的にどのような方法を採用してもよい。また、常温とは恒温室での生産であれば恒温室の温度が常温となるなど生産設備の環境温度である。原理的にはカメラ7、8を常温付近に保つように温度管理しなくても、温度の変動を防止できれば温度に対応した認識位置のずれ量が経験的に相関性を持って想定できるので、その分認識位置を補正することができる。従って、温度管理は冷却によって行うのに限られることはなく、例えば、生産開始時の生産安定期の温度に向けた立ち上げを加熱により補助したり、生産中断中にも生産安定期の温度を保つように加熱することによっても対応できる。
【0040】
そこで、本実施の形態は、別の温度管理例として、上記の例をも含んで部品実装装置5の加熱を伴う生産環境にあるカメラ7、8を生産上の取り扱い対象物としての回路基板2、ないしは回路基板2および半導体チップ1の画像認識に用いるのに、生産時と生産中断時とでカメラを所定の温度範囲に保つように温度管理することも有効なものとして提供する。これにより、メンテナンスなどによる生産中断時を含む非生産時に前記生産上の加熱が停止されて、生産中の加熱環境部位、つまりケーシングやカバーで覆われた装置内、より正確にはカメラ7、8を画像認識に用いる位置に、生産時と非生産時とで生じる温度の大きな変化に伴って、カメラ7、8まわりの環境温度が変動しても、カメラ7、8の温度が生産時、非生産時の別なく所定の範囲に保たれるので、常温範囲を外れてはその温度状態に対応した認識位置ないしは実装位置の補正を伴って、あるいは常温範囲では上記のように補正を伴わないで、常温範囲で設定した認識位置原点のままで取り扱い対象物である回路基板2や半導体チップ1などの位置を高精度に認識することができる。
【0041】
ここに、カメラ7、8に対する加熱を伴う温度管理には、生産開始時および生産中断時に、カメラ7、8を生産中のほぼ温度範囲にまで加温することによって行うことが含まれる。これによりカメラ7、8の温度が生産開始の早期から、また生産中断時も、生産安定期の温度範囲にほぼ保たれるので、カメラ7、8の温度は常温よりも高いが生産開始時に早期に立ち上がって以降、生産中断後の生産再開時にも温度が変動せず、温度が常温より高い分だけ認識位置ないしはそれに対する実装位置を補正することにより、回路基板2や半導体チップ1などの取り扱い対象物の位置を高精度に認識することができる。
【0042】
以上のような加熱を伴う生産環境での画像認識に用いるカメラの温度管理は、必要なら図3に示す前記したカメラ61にも適用して有効である。
【0043】
カメラ7、8の冷却や加熱を伴う温度管理のための温度調節は、冷風、温風の少なくとも1つによって行ない、空気の流量、圧力、空気温度の少なくとも1つを制御して行なうことができ、また、既に知られるラバーヒーターやペルチェ素子などによっても行える。
【0044】
本実施の形態における図1に示す例および図2に示す例のいずれも、カメラ7、8を空冷する冷却手段62を採用したカメラの温度管理装置である。冷却手段62はコンプレッサ63などの圧縮エア源から供給される圧縮エアを電空レギュレータ64を介し温度コントローラ65に供給して冷却に必要な温度に見合う基準温度に調整した後、エアクーラー66を経て所定温度の冷却空気68としてエア供給路67を通じカメラ7、8に送風するようにしてある。温度コントローラ65の採用によってエアクーラー66は一定の冷却能力を持つだけのものでよくなるが、冷却空気の温度調節はどのようにしてもよい。
【0045】
図1、図2に示す温度管理装置はさらに、カメラ7、8を覆うカバー81を有し、このカバー81内に空気を吹き込んでカメラ7、8の温度を調節する送風手段の1例としての前記冷却手段62と、カメラ7、8の温度を検出するセンサ69と、カメラ7、8を所定の温度範囲に保つように冷却手段62による送風状態を制御する前記制御手段35などとを備えている。
【0046】
このようにカメラ7、8はカバー81によって覆われていると、このカバー81がカメラ7、8に対し加熱環境からの遮熱部材となるので、生産中の加熱環境によるカメラ7、8の昇温を低く抑えられ、これによって、生産と非生産との間のカメラ7、8の温度変化幅を小さくでき、その分だけカメラ7、8の認識位置のずれ幅を小さくできる。従って、カバー81やカメラ7、8の接合ステージ6側にある支持部材などは特に断熱部材で構成するのが好適である。
【0047】
また、カメラ7、8まわりのカバー81に覆われた限られた空間内に冷却手段62により冷却空気68を吹き込むので、吹き込んだ冷却空気68がカメラ7、8と効率よく熱交換でき、制御手段35による目標温度範囲に向け冷却手段62を制御することにより、生産開始時や生産再開時の過渡期でもカメラ7、8の温度を早期に常温の温度範囲にし、かつ生産中はその常温の温度範囲に保つことが自動的に達成され、常温範囲で設定した認識位置原点のままで回路基板2や半導体チップ1などの取り扱い対象物の位置を高精度に認識することができる。
【0048】
しかも、カバー81は周壁の一部に開口81aを有し、冷却手段62がカバー81の開口81aと反対の側に送風口62aを有している。これにより、カバー81内に吹き込まれる冷却空気68は、カメラ7、8のカバー81の開口81aと反対側の端から開口81a側の端へと流れてカバー81の開口81aから外部に出るので、吹き込んだ冷却空気68がカメラ7、8のどの部分にも滞留するようなことなくスムーズに流れてカメラ7、8との熱交換がより促進されてカメラ7、8の温度をより早期により変動なく所定範囲に保つことができ、その分だけ取り扱い対象物の位置をさらに高精度に認識することができる。
【0049】
本発明者等の実験によれば、図1、図2に示す冷却手段62の構成要素を図4に示すように制御手段35の出力側に接続し、入力側に接続した操作パネル71からの入力や初期設定、制御プログラムに従って制御し、冷却空気68の流量や圧力を調整したところ、カメラ7、8の近傍に置いた熱電対よりなるセンサ72により検出されるカメラ7、8の温度変化の加速度との間に、図5(a)(b)に示すような直線的な相関関係、図6(a)(b)に示すような2次曲線的な相関関係、図7(a)(b)に示すような図6とは逆向きな2次曲線的な相関関係が得られた。
【0050】
そこで、半導体チップ1がベア半導体チップであってクリーンルームで取り扱われ、25℃程度の恒温室とされてこれが常温と見なせるところから、冷却空気68の流量または圧力の設定によって、図9に示すように生産中に30℃を越えるカメラ7、8の温度を30℃を下回って常温にほぼ近い28、9℃程度に保つように冷却したところ、認識位置の変化は△線に示す通りであり、プラス側およびマイナス側の両方に若干のずれが生じているものの、生産安定期はもちろん、生産中断後の生産再開時においてもほぼ0に近い高精度な位置認識ができ、◇線で示す実装位置もほぼそれに見合った高精度な部品実装が達成され、実装位置のマイナス側への最大ずれ量は2μm程度、プラス側への最大ずれ量は4μm程度となった。
【0051】
図8のフローチャートで示す具体的な温度管理の制御例につき説明すると、生産中でなければ空冷を停止し、生産中であるとセンサ69による温度の検出ないしは取り込みを行い、所定の温度範囲を下回っていると空冷は停止する。所定の温度範囲を越えているとその時の温度変化率を見て、変化率が小であるとそれに見合う弱レベルでの空冷を行い、変化率が中であるとそれに見合う中レベルでの空冷を行い、変化率が大であるとそれに見合う強レベルの空冷を行うことによって、過不足なく冷却を行い目標の温度範囲にまで無駄なく早期に冷却する。
【0052】
図10に示す他の例は、カメラ8を内蔵したカバー81の上下両面にラバーヒーター85を貼り付けてある。ラバーヒーター85は熱電対とヒータコントローラよりなり、電気的な制御によってカメラ8の温度調節を自由に効率よく簡単に行える。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、生産設備でカメラを生産上の取り扱い対象物の画像認識に用いて生産をするのに、カメラが生産設備の加熱を伴う生産環境に置かれる場合、メンテナンスなどによる生産中断時を含む非生産時に前記加熱が停止されて、生産中の加熱環境部位に生産時と非生産時とで生じる温度の大きな変化に伴いカメラまわりの環境温度が変動しても、前記カメラにつき生産時の温度が非生産時のほぼ常温範囲にまで冷却するよう温度管理するので、カメラを生産中も常温付近の所定範囲内の温度に保つことができ、カメラに設定した常温時の位置認識位置原点のままで、取り扱い対象物の位置をずれなく高精度に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る部品実装装置での加熱を伴う生産環境にて画像認識に用いるカメラの温度管理方法と装置の例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る部品実装装置での加熱を伴う生産環境にて画像認識に用いるカメラの温度管理方法と装置の別の例を示す斜視図である。
【図3】図1の装置を装備した部品実装装置を示す斜視図である。
【図4】図3の装置の制御装置を示すブロック図である。
【図5】図1、図2の装置での冷却空気の送風調節によって得られるカメラの温度変化加速度との1つの相関例を示すグラフであり、その(a)は流量調節時、その(b)は圧力調節時である。
【図6】図1、図2の装置での冷却空気の送風調節によって得られるカメラの温度変化加速度との別の相関例を示すグラフであり、その(a)は流量調節時、その(b)は圧力調節時である。
【図7】図1、図2の装置での冷却空気の送風調節によって得られるカメラの温度変化加速度との他の相関例を示すグラフであり、その(a)は流量調節時、その(b)は圧力調節時である。
【図8】図3の装置での温度管理の制御例を示すフローチャートである。
【図9】カメラの温度変化と認識位置および実装位置との関係を、本実施の形態の場合と従来の場合と比較して示すグラフである。
【図10】図1、図2の装置とは異なった温度調節方法を示す斜視図である。
【図11】従来の部品実装装置の1つの例を示す斜視図である。
【図12】従来の部品実装装置の今1つの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ
2 回路基板
3、4 金属接合部
5 部品実装装置
6 接合ステージ
7、8 カメラ
11、12 進退機構
21 吸着ノズル
35 制御手段
51、52 実装ヘッド
62 冷却手段
62a 送風口
68 冷却空気
72 センサ
81 カバー
81a 開口
85 ラバーヒーター
Claims (3)
- 加熱状態の接合ステージ上で部品を回路基板に実装する部品実装装置の生産設備において、回路基板、あるいは部品および回路基板に対する位置認識を含む画像認識の都度、接合ステージの上に保持された回路基板上、またはこの回路基板とこれに実装するために持ち運ばれてきた部品との間に進入可能なカメラと、このカメラを覆うカバーと、このカバー内に空気を吹き込んでカメラの温度を調節する送風手段と、カメラ近傍の温度を検出するセンサと、このセンサによる温度の検出ないしは取り込みを行い、所定の温度範囲を下回っていると空冷は停止し、所定の温度範囲を越えていると空冷を行いカメラを所定の温度範囲に保つように送風手段による送風状態を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像認識に用いるカメラの温度管理装置。
- 温度調節は、冷風、温風の少なくとも1つによって行ない、空気の流量、圧力、空気温度の少なくとも1つを制御して行なう請求項1に記載の画像認識に用いるカメラの温度管理装置。
- 所定の温度範囲を越えているとその時の温度変化率を見て、この温度変化率に見合うレベルでの空冷を行うことによって、過不足なく冷却を行い目標の温度範囲にまで冷却する請求項1あるいは2に記載の画像認識に用いるカメラの温度管理装置。
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