JP4127876B2 - 蒸着用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着用ポリエステルフィルム、特に酸素および水蒸気の遮断性に優れた透明蒸着用フィルムを得るに好適なポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品を長期間保存するためには、腐敗や変質を促進する外気からの酸素や水蒸気の浸入を遮断する効果を持った、いわゆるガスバリア性に優れた包装を行う必要がある。この目的に使用されるガスバリア性に優れたフィルム包装には金属および/または金属酸化物を蒸着する方法が用いられるが、近年特に内容物の状態を確認できる透明性が要求される傾向が強くなっている。
【0003】
従来より、透明なガスバリア性フィルムとしてポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体を積層したものが知られている。また、金属酸化物を高分子フィルム上に形成したものが、ガスバリア性と透明性が良好であることはよく知られている。しかし従来の透明ガスバリア性フィルムは以下のような課題を有していた。ポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール積層フィルムは酸素、水蒸気のガスバリア性が十分ではなく、特に高温での殺菌処理においてその低下が著しい。さらにポリ塩化ビニリデンは焼却時の塩素ガスの発生があり地球環境への影響が懸念されている。
【0004】
一方、蒸着により酸化珪素膜や酸化アルミニウム膜を形成したポリエステルフィルムは良好なバリア性を示すが、近年、食生活が豊かとなり、様々な食品や菓子類が市場に登場するに従い、品質の向上や、品質の長期保存性がより一層重視されるようになってきた。特にスナック菓子等の包装においては、内容物の酸化や湿りを防止し、できたての品質をより長期間確保するため、これまで以上のガスバリア性が要求されはじめた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記した従来技術の問題点を解消することにあり、透明蒸着用ポリエステルフィルムの酸素および水蒸気のガスバリア性に対する格段の向上を目的とし、優れたガスバリア性を発現させる蒸着用ポリエステルフィルムを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明は融点が240℃〜280℃であるポリエステルを用いてなり、
少なくとも片面の10nm以上の突起の無い2μm四方の中心線平均粗さ(Ra)が0.43〜0.7nmであり、
少なくとも片面の2μm四方あたりに2nm以上の突起個数が4.2〜5個、
少なくとも片面の100nm以上の高さを有する突起が100μm四方あたり15.3〜20個である
蒸着用ポリエステルフィルムによって達成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、ポリエステルとはエステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、耐熱性、製膜性等の点からエチレンテレフタレート単位および/もしくはエチレンナフタレート単位が70モル%以上で構成されるポリエステルが好ましい。エチレンテレフタレート単位および/もしくはエチレンナフタレート単位が70モル%未満であると耐熱性、製膜性等が悪化する。特に融点が240℃〜280℃のポリエステルを使用すると耐熱性の向上、表面オリゴマーを低減できる等において好ましい。該ポリエステルには特性を損ねない範囲で他の共重合成分を含有してもよく、ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルジスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを用いることができる。また、グリコール成分としてはたとえばプロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどが用いられる。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
【0008】
本発明において、ポリエステルフィルムの少なくとも片面の10nm以上の突起の無い2μm四方の中心線平均粗さ(Ra)が0.7nm以下であることが必要である。さらにより一層ガスバリア性、蒸着層との接着性を向上させる点で、0.1nm以上0.5nm以下であることが好ましい。本発明の10nm以上の突起の無い2μm四方においてRaが0.7nm以下を達成する方法は特に限定されるものではないが、粒子径が単分散である外部粒子および/または内部粒子を用いる方法や、二軸延伸後の熱処理過程においてポリエステルの融点から15℃以内、好ましくは10℃以内で熱処理を行うこと等が好ましい方法として用いられる。また、蒸着する際にはRaが0.7nm以下である該表面に蒸着することが好ましい。フィルム表面の10nm以上の突起の無い2μm四方においてRa≦0.7を達成すれば、蒸着分子がフィルム表面に規則的にかつ均一に蒸着され、蒸着層との接着性に優れ、ひいてはガスバリア性を大幅に向上するものと考えられる。
【0009】
さらに本発明において、ポリエステルフィルムの蒸着面側の2μm四方における高さ2nm以上の突起個数が5個以下であることが必要であり、蒸着ガスバリア性を向上させる点で好ましい。
【0010】
本発明のポリエステルを製造するに際しては、各種の反応触媒、着色防止剤を使用することができ、反応触媒としてはたとえばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物など、着色防止剤としては、たとえばリン化合物などを用いることができるが、特に限定されるものではない。製造方法としてたとえばゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは特公昭54−22234号公報に記載されているように、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法を用いることができる。ゲルマニウム化合物としては、たとえば二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム水和物、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコシキドなどのゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニウムβ−ナフタレートなどのゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウムなどのリン酸含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウムなどを用いることができる。
【0011】
たとえばポリエチレンテレフタレートを製造する際に、ゲルマニウム化合物として二酸化ゲルマニウムを添加する場合で説明する。テレフタル酸成分とエチレングリコール成分をエステル交換またはエステル化反応させ、次に二酸化ゲルマニウム、リン化合物を添加し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレングリコール含有量になるまで重縮合反応させ、ゲルマニウム元素含有重合体を得る。さらに好ましくは、得られた重合体をその融点以下の温度において減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応し、アセトアルデヒドの含有量を減少させ、所定の固有粘度、カルボキシ末端基を得る方法などを用いることができる。
【0012】
本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、たとえば各ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、各種の溶融押出機に供給、溶融しスリット状のダイからシート状またはチューブ状に押出し、前者では静電印加などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得る。製膜方法としてはチューブラー方式、テンター方式などがあるがフィルムの品質の面でテンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式が望ましい。さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行うが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上など各種の任意の方法で行うことができる。熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに再延伸を各方向に対して1回以上行ってもよい。
【0013】
また、本発明のフィルムの取扱い性、加工性を向上させるために、平均粒子径0.01〜3μmの各種の内部粒子、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子のなかから任意に選定される粒子を0.01〜50重量%含有させることが好ましい。特に平均粒子径0.01〜1μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子を0.01〜50重量%含有することが好ましい。内部粒子の析出方法としては公知の技術を採用できるが、たとえば特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術が挙げられる。さらに特開昭55−20496号公報、特開昭59−204617号公報などの他の粒子との併用も行うことができる。3μmを超える平均粒子径を有する粒子を使用するとフィルムの表面が粗くなり、蒸着層との接着性が低下するので好ましくない。無機粒子および/または有機粒子としては、たとえば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレーなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類などを構成成分とする有機粒子などを用いることができる。なかでも湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする有機粒子などを用いることができる。これらの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0014】
本発明におけるポリエステルフィルムの蒸着面側表面の100nm以上の高さを有する突起が100μm四方あたり20個以下であることが、蒸着層との接着性および加工後の蒸着ガスバリア性を向上させる点で必要であり、特性をさらに向上させる点では17個以下であることがさらに好ましい。100nm以上の突起数を20個以下とする方法は特に限定されるものではない。
【0015】
また、蒸着層側表面にコロナ放電処理などの表面処理を施すことにより、接着性をさらに向上させることは特性を向上させる上で好ましい。さらに本発明のフィルム蒸着層側表面上には各種コーティングを施してもよく、その塗布化合物、方法、厚みは本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
【0016】
本発明において蒸着用ポリエステルフィルムはガスバリア性、蒸着性の面から、長手方向の屈折率(nMD)と横手方向の屈折率(nTD)が、nMD−nTD≦−0.01の関係を満たすことが好ましい。さらに好ましくはnMD−nTD≦−0.013であり、nMD−nTD≦−0.015であればより一層好ましい。
【0017】
本発明においてフィルムの長手方向の引張り弾性率(YMD)と横手方向の引張り弾性率(YTD)がYTD≧1.05×YMDの関係を満たすことがフィルムへの金属や金属酸化物の蒸着時の適性を向上させる点で好ましい。さらに好ましくはYTD≧1.07×YMDであり、YTD≧1.1×YMDを満たせばより一層好ましい。
【0018】
本発明の積層フィルムにおいて、積層するポリエステルは耐熱性、表面オリゴマー性の点で融点が180℃以上が好ましく、特に190℃以上であることが望ましい。また積層フィルムを構成するポリエステルの50重量%以上は、芳香族ジカルボン酸残基および脂肪族グリコール残基を主たる構成成分とする熱可塑性ポリエステルであって、具体的にはエチレンテレフタレート、エチレンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステルが好ましく、本発明では特にその構成成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルが加工時の熱負荷に対する耐久性の観点から好ましい。
【0019】
積層するポリエステル層の厚みとしては本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、0.001〜5μmが好ましく、特に0.01〜1μmが好ましい。
【0020】
本発明のポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選べばよいが、0.1〜1000μm、好ましくは0.5〜500μmである。
【0021】
フィルム構成としては、単層、A/Bの2層、B/A/BあるいはA/B/Cの3層、さらには3層より多層の積層構成であってもよく、積層厚み比も任意に設定してよい。さらに、これら以外の層を積層してもよく、具体的には、帯電防止層、マット層、ハードコート層、易滑コート層、易接着層、粘着層などが例示される。
【0022】
本発明の蒸着用ポリエステルフィルムは、優れたガスバリア性を発現する透明蒸着フィルムを得るに好適であり、食品包装として広く用いることができる。
【0023】
【特性の測定・評価】
特性は以下の方法により測定、評価した。
【0024】
(1)酸素透過率
ASTMD−3985に準じて、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置“OX−TRAN”100を用いて、20℃、0%RHの条件にて測定した。
【0025】
(2)水蒸気透過率
モダンコントロール社製水蒸気透過率計“PERMATRAN”−W1Aを用いて、40℃、90%RHの条件で測定した。
【0026】
(3)ポリエステルの固有粘度
ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。
【0027】
(4)ポリエステルの融点
ポリエステルを結晶化させ、示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC2型)により、10℃/分の昇温速度で測定し融解のピーク温度を融点とした。
【0028】
(5)屈折率
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて長手方向、幅方向の屈折率(それぞれnMD、nTD)を求めた。
【0029】
(6)フィルムの引張り弾性率
引張り試験機(“テンシロン”)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試料長100mmとしてフィルムの長手方向、幅方向について弾性率を測定した。
【0030】
(7)表面粗さ(Ra)、突起数
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて以下の条件で測定した。測定は場所を変えて20回行い、突起数は得られた画像に高さのしきい値を2nmもしくは100nmとして突起高さが各々の高さ以上のものをカウントしその平均値を各々の突起個数(各々N2 、 100 )として用いた。また、表面粗さ(Ra)は中心面(この平面と表面形状が作る体積がこの面の上下で等しくなる)に対する3次元の平均粗さである。
【0031】
Figure 0004127876
(8)平均粒子径
フィルムの表面から熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理を行いそれによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
【0032】
D=ΣDi /N
ここで、Di は粒子の円相当径、Nは粒子数である。
【0033】
なお、内部粒子ではフィルムの切片断面を透過型顕微鏡観察により行ってもよい。
【0034】
【実施例】
実施例1
粒子径0.5μmの単分散型コロイダルシリカ粒子を0.3重量%含有するポリエチレンテレフタレート(PET:融点256℃)ペレット(極限粘度0.64dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して280℃で溶融押出し、これを表面温度25℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。得られた未延伸ポリエステルフィルムを92℃に加熱して長手方向に3.2倍延伸し、1軸延伸フィルムとした。該ポリエステルフィルムをクリップを把持して110℃に加熱されたテンター内に導き、連続的に115℃に加熱されたゾーンで幅方向に3.7倍延伸し、さらに233℃の雰囲気下で5秒間の熱処理を施し、フィルム厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。さらに該フィルムに蒸着を施し、酸化アルミニウムが42nm積層された透明蒸着フィルムを得た。
【0035】
表1に示すとおり2μm四方の表面粗さ(Ra)は0.43nmであり、優れたバリア性を示すことが分かる。
【0036】
実施例2
実施例1のポリエステルを幅方向の倍率を3.1倍に変更して同様に製膜、蒸着を行い、リエステルフィルムを得た。表1に示すとおり2μm四方の表面粗さ(Ra)は0.61nmであり、優れたバリア性を示すことが分かる。
【0038】
比較例4
ポリエステルに粒子径0.8μmの単分散型炭酸カルシウム粒子を0.35重量%含有させた以外は同様に蒸着フィルムを作成した。表2に示すとおり2μm四方の表面粗さ(Ra)は0.47nmでる。
【0039】
実施例5
ポリエステルAとして極限粘度0.64dl/gのナフタレン−2,6−ジカルボン酸を5モル%共重合したポリエチレンテレフタレート(融点243℃)、ポリエステルBとして極限粘度0.74dl/gのポリエチレンテレフタレート(融点257℃)を得た。A、Bのポリエステルは粒子径0.6〜1.6μmの重合工程中で析出した粒子を0.14重量%、および粒子径1.0μmのシリカ粒子を0.1重量%含有する。次に、押出機で285℃に溶融したポリエステルを口金内でA層/B層(積層比:1/8)に積層後、25℃に保ったキャスティングドラムに密着冷却固化し、ついで延伸温度100℃で3.5倍の縦延伸、テンター内で115℃で3.3倍の横延伸を行い、240℃で熱処理し、フィルム厚み12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムのポリエステルAが積層されている面の2μm四方の表面粗さ(Ra)は0.55nmを示した。実施例1と同条件の蒸着を施し、酸化アルミニウム膜が形成された透明蒸着したフィルムを得たところ、表2に示すとおり優れた特性を示した。
【0040】
実施例6
実施例1と同様にして1軸延伸フィルムを得た。この1軸延伸フィルムの片面に空気中でコロナ放電処理を施し、以下の調合塗料をロッドコーターで放電処理面側に塗布した。
【0041】
(調合塗料組成)
酸成分として、テレフタル酸29モル%、イソフタル酸7モル%、トリメリット酸10モル%、セバシン酸3モル%、グリコール成分としてエチレングリコール14モル%、ネオペンチルグリコール19モル%、1,4−ブタンジオールを18モル%、トリメチロールプロパンを微量含有してなるポリエステル樹脂(酸価:41KOHmg/g)調合塗料を塗布した1軸延伸フィルムをクリップを把持して110℃に加熱されたテンター内に導き水分を乾燥させた後、連続的に120℃に加熱されたゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、さらに225℃の雰囲気下で5秒間の熱処理を施し、フィルム厚み12μm、塗膜層厚み0.1μm、2μm四方の表面粗さ(Ra)は0.51nmを示す積層フィルムを得た。該フィルムに実施例1と同条件の蒸着を施し、酸化アルミニウム層が形成された透明蒸着フィルムは、表2に示すとおり極めて優れた特性であることが分かる。
【0042】
比較例5
蒸着層を酸化珪素に変更し、実施例1のポリエステル中のシリカ粒子を0.1重量%としたポリエステルAと粒子径1.5μmの凝集型シリカ粒子を0.2重量%含有したポリエステルBを1:10で共押出し積層した以外は実施例1と同様にして酸化珪素39nmが形成された透明蒸着フィルムを得た
【0043】
比較例1
粒子径3μmの凝集シリカ粒子を0.1重量%含有させることで2μm四方の表面粗さ(Ra)が0.89nmを示す以外は実施例2と同様にして得たポリエステルフィルムに蒸着を施し、酸化アルミニウム膜が形成された透明蒸着フィルムは、表3のとおりガスバリア性は劣るものであった。
【0044】
比較例2
実施例5のポリエステルAに粒子径5.0μmの凝集シリカ粒子を0.2重量%含有させた以外は同様に蒸着フィルムを得た。表3の通りガスバリア性に劣るものであった。
【0045】
比較例3
実施例5の横延伸後の熱処理を200℃とする以外は同様に作製した蒸着フィルムを得た。ガスバリア性は表4に示すとおり劣るものであった。
【0046】
【表1】
Figure 0004127876
【表2】
Figure 0004127876
【表3】
Figure 0004127876
【表4】
Figure 0004127876
【0047】
【発明の効果】
本発明の少なくとも片面の10nm以上の突起の無い2μm四方の中心線平均粗さ(Ra)が0.7nm以下であることを特徴とする蒸着用ポリエステルフィルムは、優れたガスバリア性を発現する透明蒸着フィルムを得るに好適であり、食品包装として広く用いることができる。

Claims (5)

  1. 融点が240℃〜280℃であるポリエステルを用いてなり、
    少なくとも片面の10nm以上の突起の無い2μm四方の中心線平均粗さ(Ra)が0.43〜0.7nmであり、
    少なくとも片面の2μm四方あたりに2nm以上の突起個数が4.2〜5個、
    少なくとも片面の100nm以上の高さを有する突起が100μm四方あたり15.3〜20個である
    蒸着用ポリエステルフィルム。
  2. 長手方向の屈折率(n MD )と横手方向の屈折率(n TD )が、−0.0234≦n MD −n TD ≦−0.01の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の蒸着用ポリエステルフィルム。
  3. 長手方向の引張り弾性率(Y MD )と横手方向の引張り弾性率(Y TD )が、1.13≧Y TD /Y MD ≧1.05の関係を満たしていることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸着用ポリエステルフィルム。
  4. 少なくとも2層以上の積層ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着用ポリエステルフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムに金属酸化物を主たる成分とする透明蒸着層を蒸着した透明蒸着フィルム。
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