JP4126149B2 - 中間転写ベルトの製造方法及び中間転写ベルト並びに該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルトの製造方法及び中間転写ベルト並びに該中間転写ベルトを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法及び中間転写ベルト、並びに、該中間転写ベルトを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の画像形成装置では、通常、第1の像担持体としての感光体上に、帯電器及び露光装置等からなる潜像形成手段により原稿画像の静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置によりトナー像として可視像化(現像)している。そして、該トナー像を、転写チャージャや転写ローラなどの転写手段により、第2の像担持体としての転写材上に転写した後、該転写材上に転写されたトナー像を、加熱ローラと圧着ローラなどからなる定着装置により定着してプリント画像を得ている。
【0003】
また、フルカラー画像を形成する方法として、次のような画像形成方法が知られている。
(1)、複数に色分解された原稿画像の各色毎の静電潜像を潜像形成手段により感光体上に順次形成し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを個別に収容した各現像装置により該静電潜像を各色毎に順次現像する。そして、転写材を転写ドラムなどの転写材担持体に保持させた状態で、該感光体上に現像されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を転写手段により該転写材に順次重ね合わせながら転写する。その後、該転写材を転写材担持体から剥離させ、該転写材上に転写されたトナー像を定着装置により定着してフルカラー画像を得る。
(2)、上記感光体上に現像された各色のトナー像を、上記(1)の方法のように、転写材担持体上に保持した転写材に直接転写するのではなく、例えば、特開平5−11562号公報に開示されるように、感光体上に現像された各色のトナー像を、一旦、該感光体と同期して回転する中間転写体上に、一次転写手段により順次重ね合わせて一次転写する。そして、該中間転写体の回転に同期して搬送される転写材に、該中間転写体上に一次転写された各色トナー像を、二次転写手段により一括して二次転写する。その後、該転写材上に転写された各色トナー像を、定着装置により定着してフルカラー画像を得る。
【0004】
上記(2)のように、中間転写体を用いてフルカラー画像を形成する画像形成装置においては、上記(1)の画像形成方法のように転写材を転写材担持体に保持させる必要がない。従って、この中間転写体を用いた画像形成装置は、薄紙(40g/m2)や厚紙(200g/m2)、はがき、封筒など、様々な種類の転写材を使用することが可能であり、転写材の汎用性が高いという利点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のような、中間転写体を用いた画像形成装置においては、転写材の汎用性が高いという利点を有する反面、未だ解決すべき次のような問題点がある。
すなわち、近年、カラー複写機、カラーレーザプリンタといったカラー電子写真装置の市場における稼働率の上昇に伴って、ユーザからの高画質化への要求も高まりつつある。しかし、従来の中間転写体は、一般的に、押し出し成型法によって製造された樹脂ベルト(中間転写ベルト)が多く用いられている。このような押し出し成型法によって製造された中間転写ベルトは、そのベルト周方向における抵抗値にバラツキが原因と思われる転写ムラ発生していた。
【0006】
上記中間転写ベルトの抵抗値のベルト周方向におけるバラツキは、次のようなことが発生原因であると推定される。すなわち、上記押し出し成型法においては、押し出し成型装置の型の隙間に、溶融された樹脂材料が、複数設けられたノズルにより射出される。そして、該ノズルにより射出された樹脂材料が、該型によって押し出される。この型によって押し出される際に、該樹脂材料が受ける周方向の圧力に差が生じることがある。この結果、カーボンブラック等の導電性フィラーの導電状態が変化して、ベルト周方向における抵抗値にバラツキが発生するものと思われる。
【0007】
このため、このような押し出し成型法によって製造された中間転写ベルトを用いた画像形成装置では、該中間転写ベルトの画像搬送方向(回転方向)における抵抗値のバラツキが原因と思われる転写ムラが発生していた。
なお、ディッピング法や射出成型法により作成された中間転写ベルトにおいても、導電性フィラーの分散状態に偏りが生じることによって、ベルトの抵抗値にバラツキが発生していた。
【0008】
一方、上記中間転写ベルトには、一次転写される各色トナー像の位置ズレ(画像の色ズレ)を防止するために、通常、その回転位置を検出して各色トナー像の転写開始タイミングを一致させるための位置検出マークが設けられている。
例えば、従来の画像形成装置では、該中間転写ベルトの裏面または表面に反射テープを貼り付け、この反射テープを位置検出マークとして光反射型のマークセンサにより検出する方法が取られている。
【0009】
この位置検出マークは、上記中間転写ベルト上に複数色のトナー像を順次重ね合わせて一次転写する際の基準となる。従って、この位置検出マークの貼り付け時の貼付位置精度が低い場合には、該中間転写ベルト上に重ね合わされた画像に色ズレが生じて、転写材に二次転写されるフルカラー画像の画像品質を低下させる原因となる。
【0010】
また、上記位置検出マークとしての反射テープを、その裏面または表面に貼り付けるようにした中間転写ベルトでは、別部材としての反射テープや該反射テープを貼り付けるための機材及び加工の手間が必要となり、その製造コストが高くなる不具合があった。
【0011】
更に、上記反射テープが貼付された中間転写ベルトを用いる画像形成装置においては、該中間転写ベルトが繰り返し回転されることにより、該反射テープが剥がれたりめくれたりすることがある。このため、このような画像形成装置では、該反射テープの剥がれやめくれによって、該中間転写ベルトの正確な回転位置の検出ができなくなり、一次転写不良が発生して画像形成ができなくなることがあった。
【0012】
また、上記位置検出マークとして反射テープを用いた場合には、反射テープの貼り付け位置にバラツキが生じ易く、中間転写ベルトの位置検出不良の発生を招来させていた。
【0013】
一方、上述のような反射テープを中間転写ベルトに貼付することなく、該中間転写ベルトの位置検出を行う方法として、例えば、図2に示すように、中間転写ベルト10の端部にスリット状の位置検出用穴23を設け、この位置検出用穴23を位置検出マークとして光透過型のマークセンサ24により検出する方法が知られている(特開平5−158314号公報)。
【0014】
しかし、この位置検出マークとしてのスリット状の位置検出用穴23は、通常、中間転写ベルト10を無端ベルト状に成形した後に、該中間転写ベルト10の端部に穴あけ加工して形成されている。従って、この中間転写ベルト10では、該位置検出用穴23の穴あけ加工時に、該位置検出用穴23の穴あけ位置にバラツキが生じ易い。このため、このような位置検出用穴23を位置検出マークとした中間転写ベルト10においても、前述の反射テープを位置検出マークとして用いた中間転写ベルトの場合と同様、その回転位置の検出不良が発生し易かった。
また、このように、無端ベルト状に成形した後の中間転写ベルト10に位置検出用穴23を穴あけ加工した場合には、廃棄物となる穴あけカスが発生することになる。
【0015】
ここで、上記中間転写ベルト10の回転位置の検出不良は、上記位置検出用穴23が複数設けられている場合に特に発生し易い。すなわち、図2に示すように、中間転写ベルト10に複数の位置検出用穴23が設けられている場合には、各位置検出用穴23のピッチpに応じたタイミングで、マークセンサ24から3つの検知信号が順次出力される。そして、このマークセンサ24からの検知信号に基づいて、中間転写ベルト10の回転位置が検出される。従って、中間転写ベルト10の回転位置の位置検出の良否は、図2に示す各位置検出用穴23のピッチp、pの精度によって左右されることになる。
【0016】
そこで、上記各位置検出用穴23のピッチp、pは、通常、例えば、±3mm程度の公差の範囲に収まるように穴あけすることが求められている。
しかしながら、上記各位置検出用穴23は、上記中間転写ベルト10の回転方向に沿うように、所定のピッチで順次穴あけされて形成される。従って、互いに隣接する位置検出用穴同士のピッチは上記公差の範囲に収まっていても、最初に穴あけされた位置検出用穴と、最後に穴あけされた位置検出用穴とのピッチが、該公差の積み重ねによって、上記公差の範囲から外れた値になってしまうことがある。
【0017】
このため、上記各位置検出用穴23を穴あけ加工により形成した中間転写ベルト10においては、各位置検出用穴23のピッチp、pの精度低下によって、上記中間転写ベルト10の回転位置の検出不良が発生する不具合があった。
例えば、最初に穴あけされた位置検出用穴と、最後に穴あけされた位置検出用穴とが、上記公差の積み重ねによって異常に接近して形成された場合には、これら2つの位置検出用穴を検知して上記マークセンサ24から出力される2つの検知信号が、タイミング的に互いに重なり合った状態となってしまう場合がある。このような場合には、上記マークセンサ24から出力された検知信号により、上記2つの位置検出用穴のうちのどちらが検知されたかが判断できなくなって、中間転写ベルト10の回転位置を正確に検出できなくなる。
【0018】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上記課題を解決し、画像形成装置、特に、フルカラー画像形成装置に用いられる高い位置検出精度を確保することができる高品質かつ低コストな中間転写ベルトの製造方法及び中間転写ベルト、並びに、該中間転写ベルトを用いた画像形成装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転する中間転写ベルト上に、該第1の像担持体上に可視像化されたトナー像を一次転写し、該中間転写ベルトの回転に同期して搬送される第2の像担持体に、該中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を二次転写する画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法であって、該中間転写ベルトを、回転する筒状型の内周面上に液状材料を供給して無端状ベルトを成形する遠心成型法により形成し、且つ、遠心成型法により該中間転写ベルトを形成する際に、該筒状型の内周面に設けた突起部材によって、該中間転写ベルトの回転位置を検出するための少なくとも1個以上の位置検出用穴を同時に形成することを特徴とするものである。
【0020】
この中間転写ベルトの製造方法においては、回転する筒状型の内周面上に液状材料を供給して無端状ベルトを成形する遠心成型法により、該中間転写ベルトが形成される。そして、この遠心成型法により該中間転写ベルトが形成される際に、該筒状型の内周面に設けた突起部材によって、該中間転写ベルトの回転位置を検出するための少なくとも1個以上の位置検出用穴が同時に形成される。このように、この中間転写ベルトの製造方法では、遠心成型法により該中間転写ベルトが形成される際に位置検出用穴が同時に形成されるので、該位置検出用穴が常に一定した位置に形成されるようになる。この結果、該位置検出用穴の形成位置にバラツキが生じることがなくなるので、高い位置検出精度を確保することができる中間転写ベルトが得られる。また、位置検出用穴の形成によって、廃棄物となる穴あけカスが発生することもなくなる。さらに、この製造方法では、位置検出マークとしての位置検出用穴が複数設けられる場合に、各位置検出用穴のピッチを、極めて正確な値にすることができるようになる。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1の中間転写ベルトの製造方法において、上記突起部材が、上記筒状型の内周面から回転中心に向かって先細りとなる形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
この中間転写ベルトの製造方法においては、上記突起部材の形状が上記筒状型の内周面から回転中心に向かって先細りとなる形状を有しているので、遠心成型法により形成された中間転写ベルトを上記筒状型から取り出す際の、該突起部材に対する該中間転写ベルトの型抜け性(脱型性)が向上される。これにより、中間転写ベルトの筒状型からの脱型作業が容易化され、且つ、脱型時における位置検出用穴の損傷が回避される。
【0023】
請求項3の発明は、請求項1又は2の中間転写ベルトの製造方法において、先端部に凹部又は貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0024】
この中間転写ベルトの製造方法においては、上記突起部材の先端部に凹部又は貫通孔が形成されているので、該突起部材の先端部に付着した液状材料が、遠心成形時の遠心力によって該突起部材を伝わって突起部材の根元部に堆積し難くなる。これにより、成形された中間転写ベルトの厚みにバラツキが生じたり、中間転写ベルトの筒状型からの脱型時に、位置検出用穴に破れが発生したりすることを防止することが可能になる。この結果、回転時における動作が安定した長寿命な中間転写ベルトが得られる。ここで、突起部材の先端部に凹部を形成する場合には、該凹部をより深く形成することが好ましい。これにより、該突起部材の先端部に付着した液状材料を該凹部内に確実に貯留させることが可能となり、突起部材の根元部への液状材料の堆積を確実に防止できるようになる。また、突起部材の先端部に貫通孔を形成した場合には、該突起部材の先端部に付着した液状材料を筒状型の外部に排出させることができるので、突起部材の根元部への液状材料の堆積を、より確実に防止できるようになる。
【0025】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3の中間転写ベルトの製造方法において、上記突起部材の断面形状が、円形、長円形、楕円形、正方形もしくは長方形のいずれかの形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0026】
この中間転写ベルトの製造方法においては、位置検出用穴の開口形状が、上記突起部材の断面形状に対応した、円形、長円形、楕円形、正方形もしくは長方形のいずれかの形状に形成される。ここで、位置検出用穴の開口形状に角部があると、該角部への応力集中による亀裂の発生によって中間転写ベルトの耐久性が低下する虞がある。従って、該位置検出用穴の開口形状としては、応力集中が生じにくい円形、長円形、楕円形などが特に好ましい。
【0027】
請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の中間転写ベルトの製造方法において、上記突起部材の断面形状が、長円形、楕円形もしくは長方形のいずれかの形状に形成され、且つ、該断面形状の長手方向が上記中間転写ベルトの幅方向と同一方向に形成されていることを特徴とするものである。
【0028】
この種の無端状ベルトからなる中間転写ベルトは、いかなる蛇行規制方法をとっても、その回転時に幅方向への蛇行(ベルトの偏り)が少なからず発生する。このため、この種の中間転写ベルトでは、その回転時の蛇行によって、その位置検出用穴の位置が、中間転写ベルトの幅方向、つまり、回転時の蛇行によって中間転写ベルトが偏る方向に偏倚し、該位置検出用穴を検出するマークセンサの検知光路から外れて、マークセンサによる位置検出用穴の検出不良が発生する虞がある。この中間転写ベルトの製造方法においては、位置検出用穴の開口形状が、上記突起部材の断面形状に対応した、長円形、楕円形もしくは長方形のいずれかの形状に形成され、且つ、該開口形状の長手方向が上記中間転写ベルトの幅方向と同一方向となるように形成される。これにより、該中間転写ベルトが蛇行して、位置検出用穴の位置が中間転写ベルトの幅方向に偏倚しても、該位置検出用穴がマークセンサの検知光路から外れ難くなり、マークセンサによる位置検出用穴の検出不良を防止することが可能となる。
【0029】
請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の中間転写ベルトの製造方法において、上記中間転写ベルトの成形を行なう際に、上記突起部材に離型剤を塗布しておくことを特徴とするものである。
【0030】
この中間転写ベルトの製造方法においては、上記中間転写ベルト10の成形が行なわれる際に、上記突起部材に離型剤が塗布されているので、該突起部材に対する中間転写ベルトの型抜け性(脱型性)が更に向上される。
【0031】
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の中間転写ベルトの製造方法において、上記筒状型によって最初に表層を成形し最後に基層を成形して、上記中間転写ベルトを少なくとも表層と基層とからなる多層構造に形成することを特徴とするものである。
【0032】
上記中間転写ベルトの表面、つまり、感光体から一次転写されたトナー像の担持面は、一次転写時におけるトナー像の転写中抜けを防止するために、該感光体の表面に対して確実に密着するような柔軟性(伸縮性)のある材料で構成されていることが重要となる。これに対し、該中間転写ベルトの背面、つまり、該中間転写ベルトを張架回転させるための張架ローラ(駆動ローラや従動ローラ)に接する面は、中間転写ベルトの回転時における滑りや伸縮によって発生する一次転写されたトナー像の色ズレを防止するために、伸縮が少なく且つ中間転写ベルトの円滑な回転を妨げない材料で構成されていることが重要となる。このように、この種の中間転写ベルトにおいては、その表面と背面とが、相反するような特性を有する材料で形成されていることが望ましい。この中間転写ベルトの製造方法においては、中間転写ベルトが表層と基層とからなる多層構造に形成されるので、上述の相反するような特性を有する材料からなる中間転写ベルトを形成することが可能となり、トナー像の転写中抜けや色ズレを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0033】
請求項8の発明は、請求項7の中間転写ベルトの製造方法において、先に形成された層の少なくとも表面が硬化していない状態で、次の層を形成することを特徴とするものである。
【0034】
この中間転写ベルトの製造方法においては、先に形成された層の少なくとも表面が硬化していない状態、つまり、該表面が液状の状態で、次の層が形成される。これにより、互いに接している各層の界面における液状材料同士の密着力が増大される。従って、この中間転写ベルトの製造方法においては、回転時の負荷によって各層の界面が剥離する虞の少ない中間転写ベルトが得られる。
【0035】
請求項9の発明は、請求項7の中間転写ベルトの製造方法において、上記表層の硬度を、10〜90度(JIS−A)の範囲とし、且つ、上記基層の引張弾性率を、2×10MPa以上、3×10MPa以下とすることを特徴とするものである。
【0036】
上記中間転写ベルトの表層の硬度が、10度(JIS−A)よりも柔らか過ぎると、一次転写時及び二次転写時における該表層のニップ変形が大きくなり、また、90度(JIS−A)よりも硬過ぎると、一次転写時及び二次転写時における該表層のニップ圧力が大きくなり、転写されたトナー像が潰れ易くなって画像品質が低下する。この中間転写ベルトの製造方法においては、該表層の硬度が、10〜90度(JIS−A)の範囲であるので、転写されたトナー像が潰れ難く、品質の高い画像が得られるようになる。一方、上記中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、2×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲よりも低いと、回転駆動時における中間転写ベルトに伸縮が生じるため、フルカラー画像形成時には一次転写されたトナー像に色ズレが発生し易くなる。また、単色画像形成時においても、上述の伸縮により中間転写ベルトの回転方向のトナー像の長さに誤差が生じるため、転写画像に歪みが生じるようになる。一方、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、上記範囲よりも大きくなると、中間転写ベルトに殆ど伸びが生じないため、駆動ローラとの密着が不十分になって該中間転写ベルトの滑りによる色ズレが発生し易くなる。このような中間転写ベルトの滑りを防ぐ方法としては、中間転写ベルトに与えるテンションを非常に大きくすればよいが、この方法では、中間転写ベルトを張架する駆動ローラや従動ローラなどの張架ローラ、及び、該張架ローラを支持するフレームなどの強度を高める必要が生じ、装置が大型化するため得策でない。この中間転写ベルトの製造方法においては、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、2×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルトに対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルトの滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0037】
請求項10の発明は、請求項7の中間転写ベルトの製造方法において、上記表層の硬度を、20〜80度(JIS−A)の範囲とし、且つ、上記基層の引張弾性率を、6×10MPa以上、3×10MPa以下とすることを特徴とするものである。
【0038】
この中間転写ベルトの製造方法においては、請求項7の中間転写ベルトの製造方法の場合と同様に、該表層の硬度が、20〜80度(JIS−A)の範囲であるので、転写されたトナー像が潰れ難く、品質の高い画像が得られるようになる。また、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、6×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルトに対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルトの滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0039】
請求項11の発明は、請求項7の中間転写ベルトの製造方法において、上記表層の硬度を、30〜70度(JIS−A)の範囲とし、且つ、上記基層の引張弾性率を、8.5×10MPa以上、3×10MPa以下とすることを特徴とするものである。
【0040】
この中間転写ベルトの製造方法においては、請求項7の中間転写ベルトの製造方法の場合と同様に、該表層の硬度が、30〜70度(JIS−A)の範囲であるので、転写されたトナー像が潰れ難く、品質の高い画像が得られるようになる。また、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、8.5×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルトに対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルトの滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0041】
請求項12の発明は、請求項7、8、9、10又は11の中間転写ベルトの製造方法において、上記基層の引張破断伸びの値を102%以上とし、且つ、上記表層の表面に、引張破断伸び(JIS・K6301)の値が、被覆層>表層>基層の関係を有する被覆層を形成することを特徴とするものである。
【0042】
上記中間転写ベルトの表層と基層との引張破断伸びの関係は、表層>基層となるように設定することが好ましい。これは、中間転写ベルトが駆動ローラや従動ローラなどの張架ローラに巻き掛けられて湾曲することにより、該中間転写ベルトの湾曲部における表層の外側の面が、基層のそれよりも大きな曲率半径となるように伸長される。画像形成時には、このような表層の伸長が繰り返されるため、該表層の引張破断伸びが基層のそれよりも大きくないと、経時劣化に伴って表層の表面にシワが発生したり亀裂が生じたりして、画像欠陥が生じる虞がある。また、上記基層の引張破断伸びの値は、102%以上であることが好ましい。これにより、中間転写ベルトを、その基層が若干伸びた状態で駆動ローラに巻き掛けることが可能となって、該基層と駆動ローラとの密着性を高めることができ、中間転写ベルトの駆動時における滑りに起因する色ズレを防止することができるようになる。ここで、基層の引張破断伸びの値が、102%未満の場合には、該基層と駆動ローラとを十分に密着させることが難しく、また、この種の中間転写ベルトは駆動時の滑りを防止するために大きなテンションを掛ける必要があるため、該テンションにより中間転写ベルトが破断する虞がある。一方、中間転写ベルトの表層には、被覆層を形成することが望ましい。つまり、中間転写ベルトの表層に被覆層を形成することで、中間転写ベルトの表面抵抗率を単独で制御することが可能になり、感光体へのブリードを防止することができるようになる。ここで、該被覆層と表層及び基層との引張破断伸びの関係は、被覆層>表層>基層となるように設定することが好ましい。これは、中間転写ベルトが駆動ローラや従動ローラなどの張架ローラに巻き掛けられて湾曲することにより、該中間転写ベルトの湾曲部における表層の外側の面は、基層のそれよりも大きな曲率半径となるように伸長され、更に、該被覆層の外側の面は、表層のそれよりも大きな曲率半径となるように伸長される。従って、この被覆層の引張破断伸びが、表層のそれよりも大きくないと、中間転写ベルトが回動を繰り返すうちに、その経時劣化によって該被覆層の表面にシワが発生したり亀裂が生じたりして、画像欠陥が生じる虞がある。また、被覆層の引張破断伸びが表層のそれに比べて十分に大きくないと、表層の柔軟性を生かすことができなくなる。つまり、中間転写ベルトの被覆層と表層及び基層のそれぞれの引張破断伸びの関係が、上述の被覆層>表層>基層となるように設定されていないと、該被覆層のトナー層への追従性が悪化して、つまり、感光体上に形成されたトナー像の凹凸に沿って該被覆層が柔軟に変形することができなくなって、一次転写時にトナー像の転写中抜けが発生する虞が高くなる。この中間転写ベルトの製造方法においては、上述の諸条件を満たした中間転写ベルトを得ることができる。
【0043】
請求項13の発明は、第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転する中間転写ベルト上に該第1の像担持体上に可視像化されたトナー像を一次転写し、該中間転写ベルトの回転に同期して搬送される第2の像担持体に該中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を二次転写する画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、該中間転写ベルトは、請求項12の製造方法で製造されていることを特徴とするものである。
【0044】
この中間転写ベルトは、遠心成型法により該中間転写ベルトが形成される際に同時に形成された位置検出用穴を有しているので、請求項1に述べたように、該位置検出用穴の位置が常に一定した位置となり、該位置検出用穴の形成位置にバラツキが生じることがなく、高い位置検出精度が得られる。
【0045】
請求項14の発明は、第1の像担持体と、該第1の像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置と、該第1の像担持体と同期して回転する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に該第1の像担持体上に可視像化されたトナー像を一次転写する一次転写手段と、該中間転写ベルトの回転に同期して搬送される第2の像担持体に該中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を二次転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、請求項13の中間転写ベルトを用いたことを特徴とするものである。
【0046】
この画像形成装置においては、遠心成型法により上記中間転写ベルトを形成する際に、上記位置検出用穴を同時に形成した構成の中間転写ベルトを用いて画像形成が行われる。この中間転写ベルトは、上記位置検出用穴の位置が常に一定した位置となり、該位置検出用穴の形成位置にバラツキが生じることがなく、高い位置検出精度が得られる。従って、この画像形成装置においては、上記像担持体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト上の極めて正確な位置に一次転写させることができるようになる。特に、中間転写ベルト上に複数色のトナー像を順次重ね合わせて一次転写する画像形成装置の場合には、各色毎のトナー像を正確に重ね合わせて一次転写できるので、色ズレのない画像品質の高いフルカラー画像を得ることができるようになる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、カラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、中間転写ベルトを有するカラー画像形成装置の概略構成図である。図1において、矢印の方向に回転する第1の像担持体としての感光体1の回りには、感光体クリーニングユニット2、帯電器4、露光手段5、中間転写ベルト10、などが配置されている。このカラー画像形成装置における現像手段としての現像装置は、イエロー現像器6、マゼンタ現像器7、シアン現像器8、ブラック現像器9の4個の現像器から構成されている。
【0048】
このカラー画像形成装置による画像形成は、周知の電子写真法により、まず、潜像形成手段としての帯電器4及び露光手段5により、予め指定した画像形成に必要な1色乃至4色の静電潜像を感光体1上に各色毎に形成する。次いで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを個別に収容した各色現像器6,7,8,9のうちの該静電潜像に対応する色もしくは独自に指定した色の現像器を用いて、該静電潜像を各色毎に現像する。そして、この感光体1上に現像された1色乃至4色のトナー像を、感光体1と同期して回転する中間転写体10上に、一次転写手段としての一次転写バイアスローラ11により順次重ね合わせて一次転写する。次いで、この中間転写体10上に順次重ね合わせて転写された1色乃至4色のトナー像を、中間転写体10の回転に同期して搬送される転写材22に、二次転写手段としての二次転写バイアスローラ14により一括して二次転写する。その後、転写材22上に一括転写された1色乃至4色のトナー像を、定着手段としての定着装置17により定着して、予め指定された1色乃至4色のプリント画像を得る(詳しくは後述する)。
【0049】
なお、上記一次転写時に中間転写体10上に転写されずに感光体1上に残留したトナーは、一次転写が行われた後、感光体クリーニングユニット2のブレード3により除去される。また、上記二次転写時に転写材22上に転写されずに中間転写体10上に残留したトナーは、二次転写が行われた後、ベルトクリーニングユニット19のクリーニングローラ20により除去される。
【0050】
中間転写ベルト10は、張架ローラとしての駆動ローラ13、一次転写バイアスローラ11、および従動ローラ12aおよび12bにより張架されており、図示しない駆動モータによって、矢印で示す方向に回転駆動されるようになっている。なお、一次転写バイアスローラ11には、中間転写ベルト10の背面を押圧して中間転写ベルト10の表面を感光体1の表面に圧接させる押圧力が、押圧バネ27により付勢されている。
【0051】
本実施形態における中間転写ベルト10としては、その体積抵抗率が108〜1012Ωcm、かつ表面抵抗率が108〜1015Ωcmの範囲となるものが使用されている。ここで、中間転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招く。また、転写工程、転写材剥離工程などで中間転写ベルト10の帯電電位が高くなり、且つ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。一方、中間転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナーの飛び散り(トナー飛散)が発生してしまう。
なお、中間転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率としては、高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)に、HRSプローブ(内側電極直径5.9mm、リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト10の表裏に、100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して測定した際の10秒後の値を用いた。
【0052】
上記ベルトクリーニングユニット19は、そのクリーニングローラ20を中間転写ベルト10に対して接離させるためのクリーニング用接離機構26を備えている。このクリーニング用接離機構26は、1色目のイエロートナー像が中間転写ベルト10上に一次転写された後、2,3,4色目のマゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像が中間転写ベルト10上に一次転写されている間は、中間転写ベルト10の表面からクリーニングローラ20を離間させ、各色トナー像が転写材22上に二次転写(一括転写)された後、該クリーニングローラ20を中間転写ベルト10の表面に所定のタイミングで圧接させて、該転写材22上に転写されずに中間転写体10上に残留したトナーを除去するように駆動される。
【0053】
一方、中間転写ベルト10の端部には、図2に示すように、中間転写ベルト10の回転位置を検出して一次転写される各色トナー像の位置ズレ(画像の色ズレ)を防止するための位置検出マークとしての位置検出用穴23が設けられている。すなわち、この位置検出用穴23がマークセンサ24によって検出されたタイミングで、各色の画像形成プロセスを開始することにより、中間転写ベルト10上への各色トナー像の一次転写開始タイミングが一致されて、各色画像の正確な色重ねが可能となる。
ここでは、図2に示すように、位置検出用穴23をスリット形状のマーク穴とし、マークセンサ24としては、発光素子と受光素子とが一体構成されたフォトインタラプタを用いた。
【0054】
上記二次転写バイアスローラ14は二次転写ユニット15に配設されており、この二次転写ユニット15には、二次転写バイアスローラ14を中間転写ベルト10に対して接離させるための転写用接離機構16を備えている。
本実施形態における二次転写バイアスローラ14は、SUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって106〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタンや発泡ゴム等の弾性体を被覆して構成されている。
ここで、二次転写バイアスローラ14の抵抗値が上記範囲を超えた場合には、電流が流れ難くなるため、必要な転写性能を得るにはより高い電圧を印加しなければならなくなり、消費電力コストの増大を招く。また、このような高電圧を二次転写バイアスローラ14に印加すると、その転写ニップの前後の空隙で放電が起こるため、ハーフトーン画像上に放電による斑点状の画像抜けが発生する。
逆に、二次転写バイアスローラ14の抵抗値が上記範囲を下回る場合には、同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部とを同時に転写させることができなくなる。すなわち、この場合には、二次転写バイアスローラ14に比較的低電圧で単色画像部を転写するのには十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧が必要となる。このため、二次転写バイアスローラ14に印加する電圧を、複数色画像部を転写できるような電圧に設定すると、単色画像に印加される転写電流が過剰となり転写効率の低減を招く。
なお、上記二次転写バイアスローラ14の抵抗値は、導電性の金属製板に二次転写バイアスローラ14を設置し、芯金両端部に、片側4.9N(両側で合計9.8N)の荷重を掛けた状態で、芯金と前記金属製板との間に1000Vの電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
【0055】
また、二次転写バイアスローラ14は、図示しない駆動ギヤによって駆動力が与えられており、二次転写バイアスローラ14の周速は、中間転写ベルト10との間で滑りが生じないようにするために、該中間転写ベルト10の周速に対して略同一となるよう調整されている。
また、二次転写バイアスローラ14は、上記転写用接離機構16によって、通常、その周面が中間転写ベルト10の表面から離間した位置に臨むように配設されている。そして、中間転写ベルト10の表面に形成されたトナー像(フルカラーの場合は4色トナー像)が、転写材22の画像転写位置に合致するタイミングを取って、接離機構16により二次転写バイアスローラ14の周面が転写材22の裏面に圧接される。この状態で、二次転写バイアスローラ14に高圧電源100によって所定のバイアス電圧が印加されることにより、該トナー像が転写材22に一括転写される。つまり、転写材22は、給紙ローラ25及びレジストローラ21によって、中間転写ベルト10上のトナー像の先端部が、二次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。そして、中間転写ベルト10上からトナー像が一括転写された転写材22は、該トナー像が定着装置17で定着された後、装置外のトレー(図示せず)上に排出される。
【0056】
上述のように構成したカラー画像形成装置によりフルカラー画像を形成するには、図1において、感光体1を帯電器4により一様に帯電した後、まず、形成しようとするフルカラー画像を色分解して得られたイエロー成分画像に対応する画像光を、露光手段5により該感光体1上に露光することにより、該感光体1上にイエロー成分画像を書き込んでイエロー静電潜像を形成する。次いで、この感光体1上に形成されたイエロー静電潜像を、イエロー現像器6によりイエロートナーにより顕像化(現像)して、該感光体1上にイエロートナー像を形成する。そして、中間転写ベルト10の裏面に接触する一次転写バイアスローラ11に図示しない高圧電源から転写バイアスを印加して、該中間転写ベルト10の裏面に電荷を付与することで、該感光体1上に形成されたイエロートナー像を中間転写ベルト10上に一次転写させる。感光体1は、このイエロートナー像の中間転写ベルト10上への一次転写後、感光体クリーニングユニット2のブレード3によりクリーニングされる。
【0057】
次に、再び感光体1を帯電器4により一様に帯電した後、形成しようとするフルカラー画像を色分解して得られたマゼンタ成分画像に対応する画像光を、露光手段5により該感光体1上に露光することにより、該感光体1上にマゼンタ成分画像を書き込んでマゼンタ静電潜像を形成する。次いで、この感光体1上に形成されたマゼンタ静電潜像を、マゼンタ現像器7によりマゼンタトナーにより顕像化(現像)して、該感光体1上にマゼンタトナー像を形成する。そして、一次転写バイアスローラ11に該高圧電源から転写バイアスを印加し、中間転写ベルト10の裏面に電荷を付与して、該感光体1上に形成されたマゼンタトナー像を、先に一次転写されているイエロートナー像に重ね合わせるように、中間転写ベルト10上に一次転写させる。感光体1は、このマゼンタトナー像の中間転写ベルト10上への一次転写後、感光体クリーニングユニット2のブレード3によりクリーニングされる。
【0058】
次に、再び感光体1を帯電器4により一様に帯電した後、形成しようとするフルカラー画像を色分解して得られたシアン成分画像に対応する画像光を、露光手段5により該感光体1上に露光することにより、該感光体1上にシアン成分画像を書き込んでシアン静電潜像を形成する。次いで、この感光体1上に形成されたシアン静電潜像を、シアン現像器8によりシアントナーにより顕像化(現像)して、該感光体1上にシアントナー像を形成する。そして、一次転写バイアスローラ11に該高圧電源から転写バイアスを印加し、中間転写ベルト10の裏面に電荷を付与して、該感光体1上に形成されたシアントナー像を、先に一次転写されているイエロートナー像及びマゼンタトナー像に重ね合わせるように、中間転写ベルト10上に一次転写させる。感光体1は、このシアントナー像の中間転写ベルト10上への一次転写後、感光体クリーニングユニット2のブレード3によりクリーニングされる。
【0059】
次に、感光体1を帯電器4により再度一様に帯電した後、形成しようとするフルカラー画像を色分解して得られたブラック成分画像に対応する画像光を、露光手段5により該感光体1上に露光することにより、該感光体1上にブラック成分画像を書き込んでブラック静電潜像を形成する。次いで、この感光体1上に形成されたブラック静電潜像を、ブラック現像器9によりブラックトナーにより顕像化(現像)して、該感光体1上にブラックトナー像を形成する。そして、一次転写バイアスローラ11に該高圧電源から転写バイアスを印加し、中間転写ベルト10の裏面に電荷を付与して、該感光体1上に形成されたブラックトナー像を、先に一次転写されているイエロートナー像、マゼンタトナー像及びシアントナー像に重ね合わせるように、中間転写ベルト10上に一次転写させる。感光体1は、このブラックトナー像の中間転写ベルト10上への一次転写後、感光体クリーニングユニット2のブレード3によりクリーニングされる。
【0060】
一方、上述のようにして4色のトナー像が形成されている間に、給紙カセット内に積層収納されている用紙のうちの最上位の一枚の用紙を、給紙ローラ25によって給紙カセットから転写材22として給紙する。この転写材22は、上記4色のトナー像の中間転写ベルト10上への一次転写が完了するまで、その先端部がレジストローラ21のニップに挾持させた状態で待機させる。そして、上記4色のトナー像の中間転写ベルト10上への一次転写が完了した後、この中間転写ベルト10上に重ね合わせて一次転写されたフルカラートナー像の先端部が、転写材22への画像転写(二次転写)位置に合致するタイミングを見計らって、該レジストローラ21により転写材22を再給紙する。また、該タイミングを取って、接離機構16により二次転写バイアスローラ14の周面を転写材22の裏面に圧接させる。この状態で、二次転写バイアスローラ14に高圧電源100によって所定のバイアス電圧を印加して、該フルカラートナー像を転写材22に一括転写させる。そして、該転写材22に一括転写されたフルカラートナー像を定着装置17で定着させて、該転写材22上にフルカラー画像を形成した後、該転写材22を装置外のトレー(図示せず)上に排出する。上記二次転写時において、転写材22上に転写されずに中間転写体10上に残留したトナーは、該フルカラートナー像が転写材22に一括転写された後、ベルトクリーニングユニット19のクリーニングローラ20により除去される。
【0061】
また、本実施形態に係るカラー画像形成装置は、上述したような、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成するフルカラーモードの他、
▲1▼イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちのいずれか1色のトナーを用いて単色画像を形成する単色モード、 ▲2▼イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちのいずれか2色のトナーを用いて2色画像を形成する2色モード、 ▲3▼イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちのいずれか3色のトナーを用いて3色画像を形成する3色モード、を有し、これらの4つのモードのうちの1つを操作部(不図示)にて指定することにより、指定されたモードに従って画像形成を実行するように構成されている。
【0062】
すなわち、このカラー画像形成装置において、上記単色モードが指定された場合には、まず、形成対象となる画像(カラー又はモノクロの何れであってもよい)を、単色画像として感光体1上に書き込んで、該感光体1上に該画像の静電潜像を形成する。次いで、該静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちのいずれか1色の指定されたトナーを用いて可視像化して、該感光体1上に指定された色の単色トナー像を形成する。そして、該感光体1上に形成された単色トナー像を中間転写ベルト10上に一次転写した後、該中間転写ベルト10上に一次転写された単色トナー像を転写材22に二次転写し、該転写材22に二次転写された単色トナー像を定着して単色画像形成を行う。
【0063】
また、このカラー画像形成装置において、上記2色モードが指定された場合には、まず、形成対象となる画像(カラー又はモノクロの何れであってもよい)を、指定した2色のカラー成分画像に色分解する。そして、1色目のカラー成分画像の静電潜像を感光体1上に形成し、該静電潜像を指定された1色目のトナーを用いて可視像化して、該感光体1上に指定された1色目のトナー像を形成し、この1色目のトナー像を中間転写ベルト10上に一次転写する。次いで、2色目のカラー成分画像の静電潜像を感光体1上に形成し、該静電潜像を指定された2色目のトナーを用いて可視像化して、該感光体1上に指定された2色目のトナー像を形成し、この2色目のトナー像を1色目のトナー像に重ね合わせるようにして中間転写ベルト10上に一次転写する。このようにして中間転写ベルト10上に一次転写された2色トナー像を転写材22に一括して二次転写した後、該転写材22に一括転写された2色トナー像を定着して2色画像形成を行う。
【0064】
更に、このカラー画像形成装置において、上記3色モードが指定された場合には、まず、形成対象となる画像(カラー又はモノクロの何れであってもよい)を、指定した3色のカラー成分画像に色分解する。そして、1色目のカラー成分画像の静電潜像を感光体1上に形成し、該静電潜像を指定された1色目のトナーを用いて可視像化して、該感光体1上に指定された1色目のトナー像を形成し、この1色目のトナー像を中間転写ベルト10上に一次転写する。次いで、2色目のカラー成分画像の静電潜像を感光体1上に形成し、該静電潜像を指定された2色目のトナーを用いて可視像化して、該感光体1上に指定された2色目のトナー像を形成し、この2色目のトナー像を1色目のトナー像に重ね合わせるようにして中間転写ベルト10上に一次転写する。更に、3色目のカラー成分画像の静電潜像を感光体1上に形成し、該静電潜像を指定された3色目のトナーを用いて可視像化して、該感光体1上に指定された3色目のトナー像を形成し、この3色目のトナー像を1色目のトナー像及び2色目のトナー像に重ね合わせるようにして中間転写ベルト10上に一次転写する。このようにして中間転写ベルト10上に一次転写された3色トナー像を転写材22に一括して二次転写した後、該転写材22に一括転写された3色トナー像を定着して3色画像形成を行う。
【0065】
ここで、上記2色モード、3色モード及びフルカラーモードのような複数色のトナー像からなる多色画像を転写材22上に形成する多色画像形成動作を、該操作部において設定した枚数分だけ連続して実行させる場合には、転写材22の後端が二次転写バイアスローラ14のニップ部を十分に通過したタイミングで、高圧電源100からの二次転写バイアスローラ14への転写バイアス電圧をオフし、その後、中間転写ベルト10上に一次転写される次ページのトナー像を二次転写バイアスローラ14に付着させないようにするために、接離機構16によって二次転写バイアスローラ14を中間転写ベルト10から離間させる。
【0066】
ところで、上記トナーの粒径は、体積平均粒径が、4〜10μmの範囲であることが望ましい。トナーの粒径が該範囲よりも小さな粒径の場合には、現像時に地汚れが発生したり、現像器内でのトナーの流動性が悪化しトナーが凝集し易くなって画像の中抜けが発生し易くなったりする。逆に、トナーの粒径が該範囲よりも大きな粒径の場合には、トナー飛散が発生したり、画像の解像度の悪化により高精細な画像を得ることができなくなったりする。そこで、本実施形態に係るカラー画像形成装置においては、体積平均粒径が、7.5μmの粒径のトナーを用いた。
【0067】
次に、本実施形態に係るカラー画像形成装置に用いられる中間転写ベルト10の製造方法について説明する。
図3に、該中間転写ベルト10を製造する際に用いられる遠心成形装置の筒状型30を示す。この筒状型30としては、内径Φが、175mmのものを使用した。ここで、該筒状型30は必ずしも円筒形状とする必要はないが、該筒状型30を円筒形状とすることで、中間転写ベルト10の層厚を容易に均等に形成することが可能になる。
【0068】
また、上記筒状型30の内周面には、該筒状型30により成形される中間転写ベルト10の端部よりも若干内側の位置、すなわち、中間転写ベルト10の回転位置を検出するための前述した位置検出マークとしての位置検出用穴23に対応した位置(図2参照)に、突起部材31が設けられている。
【0069】
(第1の実施形態)
図3において、筒状型30が回転され、この筒状型30の内周面上に、中間転写ベルト10の原材料としての液状材料が供給されることによって、周知の遠心成型法により、2点鎖線で示すように、無端状ベルトからなる中間転写ベルト10が形成される。
また、この遠心成型法により中間転写ベルト10が形成される際に、筒状型30の内周面に設けた突起部材31によって、該中間転写ベルト10の回転位置を検出するための少なくとも1個以上(図3に示す筒状型30の場合には4個)の位置検出用穴23が同時に形成される。
【0070】
このように、この製造方法では、遠心成型法により中間転写ベルト10が形成される際に、該中間転写ベルト10の位置検出用穴23が同時に形成されるので、該位置検出用穴23が常に一定した位置に形成されるようになる。
この結果、該位置検出用穴23の形成位置にバラツキが生じることがなくなるので、高い位置検出精度を確保することができる中間転写ベルト10が得られる。また、位置検出用穴23の形成によって、廃棄物となる穴あけカスが発生することもなくなる。従って、この製造方法は、位置検出マークとしての位置検出用穴23を複数設ける場合に特に有利となる。
【0071】
図4に、上記突起部材31の一例の拡大図を示す。この突起部材31は、上記筒状型30の内周面から回転中心に向かって先細りとなる形状、つまり、該突起部材31の先端部の幅をa、基部(付け根部)の幅をbとしたとき、(b>a)となるような所謂テーパ形状に形成されている。
突起部材31の形状を、このような形状にすることによって、遠心成型法により形成された中間転写ベルト10を筒状型30から取り出す際の、該突起部材31に対する中間転写ベルト10の型抜け性(脱型性)が向上される。これにより、中間転写ベルト10の筒状型からの脱型作業が容易化され、且つ、脱型時における位置検出用穴23の損傷が回避されるという利点が得られる。
【0072】
なお、中間転写ベルト10の成形を行なう際には、該突起部材31に離型剤を塗布しておくことが好ましい。これにより、該突起部材31に対する中間転写ベルト10の型抜け性(脱型性)が更に向上される。
該離型剤としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂を使用することできる。しかし、該離型剤は特にこれらのものに限定されるものではない。
【0073】
上記突起部材31としては、図5に示すように、その先端部に凹部31aを形成しておくことが望ましい。このように突起部材31の先端部に凹部31aを形成しておくことによって、図6に示すように、該突起部材31の先端部に付着した液状材料40が、遠心成形時の遠心力によって該突起部材31を伝わって突起部材31の根元部に堆積し難くなる。これにより、成形された中間転写ベルト10の厚みにバラツキが生じたり、中間転写ベルト10の筒状型30からの脱型時に、位置検出用穴23に破れが発生したりすることを防止することが可能になる。この結果、回転時における動作が安定した長寿命な中間転写ベルト10が得られる。なお、突起部材31の先端部の凹部31aは、より深く形成されていることが好ましい。これにより、該突起部材31の先端部に付着した液状材料40を該凹部31a内に確実に貯留させることが可能となり、突起部材31の根元部への液状材料の堆積を確実に防止できるようになる。
【0074】
また、上記突起部材31としては、図7に示すように、その先端部に貫通孔31bを形成しておくようにしてもよい。このように突起部材31の先端部に貫通孔31bを形成した場合には、該突起部材31の先端部に付着した液状材料40を筒状型30の外部に排出させることができるので、突起部材31の根元部への液状材料40の堆積を、より確実に防止できるようになる。
【0075】
上記突起部材31によって形成される位置検出用穴23の開口形状としては、図8、9、10に示すような、円形、長円形、長方形などの形状とすることができる。ここで、位置検出用穴23の開口形状に角部があると、該角部への応力集中による亀裂の発生によって中間転写ベルト10の耐久性が低下する虞がある。従って、該位置検出用穴23の開口形状としては、応力集中が生じにくい円形及び長円形に形成することが特に好ましい。これにより、位置検出用穴23が損傷しにくい耐久性の高い中間転写ベルト10が得られる。
【0076】
また、上記突起部材31によって形成される位置検出用穴23の開口形状を長円形および長方形とした場合には、例えば、図9及び図10に示すように、該位置検出用穴23の開口形状を長辺方向を、中間転写ベルト10の幅方向と同一方向となるように形成することが好ましい。
つまり、この種の無端状ベルトからなる中間転写ベルト10は、いかなる蛇行規制方法をとっても、その回転時に幅方向への蛇行(ベルトの偏り)が少なからず発生する。このため、この種の中間転写ベルト10では、その回転時の蛇行によって、その位置検出用穴23の位置が、中間転写ベルト10の幅方向、つまり、回転時の蛇行によって中間転写ベルト10が偏る方向に偏倚し、該位置検出用穴23を検出するマークセンサ24(図2参照)の検知光路から外れて、マークセンサ24による位置検出用穴23の検出不良が発生する虞がある。
そこで、上述のように、位置検出用穴23の開口形状の長手方向を、上記中間転写ベルト10の幅方向と同一方向となるように形成しておくことで、該中間転写ベルト10が蛇行して、位置検出用穴23の位置が中間転写ベルト10の幅方向に偏倚しても、該位置検出用穴23がマークセンサ24の検知光路から外れ難くなり、マークセンサ24による位置検出用穴23の検出不良を防止することが可能となる。
【0077】
また、上記中間転写ベルト10の材料としては、伸び難くく、且つ、中間転写ベルト10としての円滑な回転を妨げない材料であることが重要である。
このような材料としては、その引張弾性率の範囲が、2×10MPa以上3×10MPa以下であることが好ましく、より好ましい引張弾性率の範囲は、6×10MPa以上3×10MPa以下、さらに好ましいく引張弾性率の範囲は、8.5×10MPa以上3×10MPa以下である。
【0078】
上記中間転写ベルト10の引張弾性率の範囲が、上述の範囲よりも低いと、中間転写ベルト10の回転駆動時に、該中間転写ベルト10に伸縮が生じるため、フルカラー画像形成時には一次転写部において色ズレが発生するようになる。また、単色画像形成時においても、上述した中間転写ベルト10の伸縮により、中間転写ベルト10の回転方向のトナー像の長さに誤差が生じるため、転写画像に歪みが生じるようになる。
一方、中間転写ベルト10の引張弾性率が、上記範囲よりも大きくなると、中間転写ベルト10に殆ど伸びが生じないため、駆動ローラ13との密着が不十分になって該中間転写ベルト10の滑りによる色ズレが発生し易くなる。なお、このような中間転写ベルト10の滑りを防ぐ方法としては、中間転写ベルト10に与えるテンションを非常に大きくすればよいが、この方法では、中間転写ベルト10を張架する駆動ローラ13や従動ローラ12a,12bなどの張架ローラ、及び、該張架ローラを支持するフレームなどの強度を高める必要が生じ、装置が大型化するため得策でない。
【0079】
上述のような条件を満たす中間転写ベルト10の材料としては、例えば、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等にカーボンブラック等の導電性材料を分散させた樹脂材料が挙げられる。
本実施形態においては、PVDFにカーボンブラックを分散させた液状材料40を、高速で回転する筒状型30の内面に注入し、加熱乾燥硬化処理して成形した無端状ベルトを脱型させた後、該無端状ベルトの端面を所定の寸法に裁断して、中間転写ベルト10を得た。
なお、上記中間転写ベルト10の材料としては、上述のような樹脂材料に限定されるものではなく、例えば、ゴムや、フッ素含有ゴムなどであってもよい。
【0080】
また、この中間転写ベルト10には、図3に示したように、筒状型30の内周面に4個の突起部材31を略等間隔で配設して、該無端状ベルトの成形と同時に、4個の位置検出用穴23を形成した。このように、位置検出用穴23を複数個設けることにより、前述した画像形成動作開始時に、マークセンサ24が最も早く検出した位置検出用穴23を基準として画像形成を行なうことが可能となるので、画像形成に掛かる時間、つまりプリント完了までの時間を短縮できるという効果が得られる。
また、上述のように、複数の位置検出用穴23を、無端状ベルトの成型と同時に形成することで、位置検出用穴23の穴あけ位置のバラツキの無い中間転写ベルト10を得ることが可能となる。
【0081】
ところで、上述したような遠心成形法によって中間転写ベルト10を製造する方法では、回転する筒状型30の内周面にスプレーやノズルによって液状材料40を流し込んでから筒状型30を高速回転させ、その遠心力によって液状材料40を筒状型30の内周面に一様に拡散させることによって、均一な膜状の無端状ベルトを成形することが可能である。また、この製造方法においては、該無端状ベルトの成形と同時に、液状材料40中に導電性材料を均一に分散して配向させることができ、且つ、該無端状ベルトの成形時に液状材料40に対する加圧力の偏りが発生しないので、抵抗値のバラツキの非常に少ない中間転写ベルト10を得ることができる(押し出し成形法では該偏りに起因する抵抗値のバラツキが生じる)。
本実施形態に係る中間転写ベルト10を前述したカラー画像形成装置に装着して画像形成を行なったところ、転写ムラや色ズレの無い画像品質の高いフルカラー画像を得ることができた。
【0082】
(第2の実施形態)
前述した第1の実施形態では、中間転写ベルト10を、その材料としてフッ素樹脂からなる液状材料40を用いた単層構造としたが、本実施形態においては、該中間転写ベルト10を、図11に示すように、表層41と基層42との2層構造とすることを特徴とするものである。
ここで、本実施形態に係る中間転写ベルト10に用いる表層41としては、転写中抜けの発生しない柔軟性のある材料で形成されていることが重要であり、該表層41の好ましい硬度の範囲としては、10〜90度、より好ましくは20〜80度、更に好ましくは30〜70度(いずれもJIS−A)である。
つまり、この表層41の硬度が上記範囲よりも柔らか過ぎたり硬すぎたりると、一次転写時及び二次転写時における中間転写ベルト10の表面のニップ変形やニップ圧が大きくなって、転写されたトナー像に像潰れが発生する虞が高くなる。
【0083】
このような条件を満たすことができる中間転写ベルト10の表層41に用いる材料としては、例えば、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコ−ンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム等のエラストマーやゴムなどが挙げられる。
また、これらゴム材料に、潤滑性、はっ水性の高い滑材を、10重量部以上混合させると、トナーとの離型性が向上されて、トナー像の転写効率の向上、転写中抜けの防止効果が得られる。該滑材に用いる材料としては、フッ素エラストマー、フッ素ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素化合物、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系化合物、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)及びエポキシ樹脂等が好ましく、より好ましくはフッ素含有樹脂粒子である。
【0084】
硬度45度(JIS−A)に調整されたウレタンゴムに、PTFE樹脂粒子を19重量部混合し、厚みが500μmの表層41を形成したところ、その引張破断伸びは220%であった。
この表層41に分散されたPTFE樹脂粒子は、該表層41の遠心成形時に、自重による遠心力で筒状型30の内周面側に集中する。これによって、該中間転写ベルト10の表面側に、該PTFE樹脂粒子が多量に配向された状態になって、トナーとの良好な離型性が得られる。
【0085】
一方、本実施形態に係る中間転写ベルト10に用いる基層42としては、伸び難くく、且つ、中間転写ベルト10としての円滑な回転を妨げない材料で形成されていることが重要であり、該基層42の好ましい引張弾性率の範囲は、2×10MPa以上3×10MPa以下、より好ましくは6×10MPa以上3×10MPa以下、更に好まくは8.5×10MPa以上3×10MPa以下である。
つまり、該基層42の引張弾性率が上記範囲よりも低いと、中間転写ベルト10の回転駆動時に、中間転写ベルト10に伸縮が生じるため、フルカラー画像形成時には、一次転写されたトナー像に色ズレが発生し易くなる。
また、単色画像形成時においても、上述の伸縮により中間転写ベルト10の回転方向のトナー像の長さに誤差が生じるため、転写画像に歪みが生じるようになる。
一方、中間転写ベルト10の基層42の引張弾性率が、上記範囲よりも大きくなると、中間転写ベルト10に殆ど伸びが生じないため、駆動ローラ13との密着が不十分になって中間転写ベルト10の滑りによる色ズレが発生し易くなる。このような中間転写ベルト10の滑りを防ぐ方法としては、中間転写ベルト10に与えるテンションを非常に大きくすればよいが、この方法では、中間転写ベルト10を張架する駆動ローラ13や従動ローラ12a,12bなどの張架ローラ、及び、該張架ローラを支持するフレームなどの強度を高める必要が生じ、装置が大型化するため得策でない。
本実施形態に係る中間転写ベルト10は、その基層42の引張弾性率が、2×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルト10に対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルト10の滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止することできる。
【0086】
更に、本実施形態に係る中間転写ベルト10においては、その表層41と基層42との引張破断伸びの関係を、表層41>基層42となるように設定する。これは、図12に示すように、中間転写ベルト10が駆動ローラ13や従動ローラ12a,12bなどの張架ローラに巻き掛けられて湾曲することにより、この中間転写ベルト10の湾曲部における表層41の外側の面の曲率半径r2が、基層42の外側の面の曲率半径r1よりも大きくなって、中間転写ベルト10の湾曲部における表層41が伸長される。画像形成時には、この表層41の伸長が繰り返されるため、この表層41の引張破断伸びが基層42のそれよりも大きくないと、経時劣化に伴って表層41の表面にシワが発生したり亀裂が生じたりして、画像欠陥が生じる虞がある。
【0087】
また、上記基層42の引張破断伸びの値は、102%以上であることが好ましい。これにより、中間転写ベルト10を、その基層42が若干伸びた状態で駆動ローラ13に巻き掛けることが可能となって、該基層42と駆動ローラ13との密着性を高めることができ、中間転写ベルト10の駆動時における滑りに起因する色ズレを防止することができるようになる。ここで、基層42の引張破断伸びの値が、102%未満の場合には、該基層42と駆動ローラ13とを十分に密着させることが難しく、また、この種の中間転写ベルト10は駆動時の滑りを防止するために大きなテンションを掛ける必要があるため、該テンションにより中間転写ベルト10が破断する虞がある。
【0088】
上述のような条件を満足する基層42の樹脂類としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、及びこれらの共重合体や2種以上の混合物などが挙げられる。
ここで、材料として、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)を用い、厚みが150μmの上記基層42を形成したところ、その引張弾性率は、10.5×102MPa、引張破断伸びは135%であった。
【0089】
本実施形態に係る中間転写ベルト10の製造方法としては、まず、高速で回転する筒状型30の内周面に、上述した表層41の材料を注入し加熱硬化処理して、無端ベルト状の表層41を成形する。次いで、同様な速度で回転する筒状型30の内周面状に成形された無端ベルト状の表層41の内周面に、上述した基層42の材料を注入し硬化させる。その後、この表層41と基層42との2層構造からなる無端状ベルトを該筒状型30から脱型させ、この無端状ベルトの端面を所定寸法に裁断して中間転写ベルト10を得る。
【0090】
また、この中間転写ベルト10においても、前述した第1の実施形態に係る中間転写ベルト10の場合と同様に、図3に示したように、筒状型30の内周面に4個の突起部材31を略等間隔で配設して、該無端状ベルトの成形と同時に、4個の位置検出用穴23を形成した。このように、位置検出用穴23を複数個設けることにより、前述した画像形成動作開始時に、マークセンサ24が最も早く検出した位置検出用穴23を基準として画像形成を行なうことが可能となるので、画像形成に掛かる時間、つまりプリント完了までの時間を短縮できるという効果が得られる。
また、上述のように、複数の位置検出用穴23を無端状ベルトの成型と同時に形成することで、位置検出用穴23の穴あけ位置のバラツキの無い中間転写ベルト10を得ることが可能となる。
本実施形態に係る中間転写ベルト10を前述したカラー画像形成装置に装着して画像形成を行なったところ、転写ムラ、色ズレ及び転写中抜けの無い画像品質の高いフルカラー画像を得ることができた。
【0091】
ところで、上記第2の実施形態に係る多層構造の中間転写ベルト10としては、先に形成された層の少なくとも表面が硬化していない状態で、次の層を形成することが望ましい。
このように、先に形成された層の少なくとも表面が硬化していない状態、つまり、該表面が液状の状態で、次の層を形成することにより、中間転写ベルト10の互いに接している各層の界面における液状材料同士の密着力が増大される。これにより、中間転写ベルト10の回転時の負荷によって、該中間転写ベルト10の各層の界面が剥離する虞が少なくなる。
【0092】
ここで、上記中間転写ベルト10の材料として用いられるゴムやプラスチックは、周知のように、加硫(高分子鎖の架橋結合を引き起こすために行われるゴムまたはプラスチックと硫黄(あるいは他の加硫剤)との化学反応)により、高分子の強度および弾性が増す。
従って、例えば、上記中間転写ベルト10の先に形成された層の加硫が行われる前(硬化前)の状態のときに、次の層を形成することで、上述のように、中間転写ベルト10の互いに接している各層の界面における液状材料同士を強く密着させることができるようになる。
【0093】
(第3の実施形態)
前記第2の実施形態における中間転写ベルト10は、図11に示したように、表層41と基層42の2層構造としたが、本実施形態に係る中間転写ベルト10においては、図13に示すように、該表層41の上に、更に被覆層43を設けたことを特徴とするものである。
このように、この種の中間転写ベルト10には、その表層41に被覆層43を形成することが望ましい。つまり、中間転写ベルト10の表層41に被覆層43を形成することで、中間転写ベルト10の表面抵抗率を単独で制御することが可能になり、感光体1へのブリードを防止することができるようになる。
【0094】
また、該被覆層43と表層41及び基層42との引張破断伸びの関係は、被覆層>表層>基層となるように設定することが好ましい。
つまり、中間転写ベルト10は、図14に示すように、駆動ローラ13や従動ローラ12a,12bなどの張架ローラに巻き掛けられて湾曲することにより、該中間転写ベルト10の湾曲部における表層41の外側の面の曲率半径r2は、基層42の外側の面の曲率半径r1よりも大きな曲率半径となるように伸長され、更に、該被覆層43の外側の面の曲率半径r3は、表層41の曲率半径r2よりも大きな曲率半径となるように伸長される。
【0095】
従って、この被覆層43の引張破断伸びが、表層41のそれよりも大きくないと、中間転写ベルト10が回動を繰り返すうちに、その経時劣化によって該被覆層43の表面にシワが発生したり亀裂が生じたりして、画像欠陥が生じる虞がある。
また、被覆層43の引張破断伸びが表層41のそれに比べて十分に大きくないと、表層41の柔軟性を生かすことができなくなる。つまり、中間転写ベルト10の被覆層43と表層41及び基層42のそれぞれの引張破断伸びの関係が、上述の被覆層>表層>基層となるように設定されていないと、該被覆層43のトナー層への追従性が悪化して、つまり、感光体1上に形成されたトナー像の凹凸に沿って該被覆層43が柔軟に変形することができなくなって、一次転写時にトナー像の転写中抜けが発生する虞が高くなる。
【0096】
上記被覆層43は、前述した表層41及び基層42の形成方法と同様に、遠心成形法によって形成してもよいし、あるいは、遠心成形法によって形成した表層41と基層42とからなる無端状ベルトを、筒状型30から脱型した後、該無端状ベルトの表面に、被覆層43の材料を塗布して形成してもよい。ここで、該表層41に被覆層43を塗布する方法としては、例えば、スプレーコート法、はけ塗り法、ディッピング法等を適用できる。
【0097】
ここで、上記表層41の材料として、硬度45度(JIS−A)に調整されたウレタンゴムを用い、厚みが500μmの表層41を形成したところ、その引張破断伸びは250%であった。
また、上記基層42の材料として、第1の実施形態のものと同様に、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)を用い、厚みが150μm基層42を形成したところ、その引張弾性率は10.5×102MPa、引張破断伸びは135%であった。
【0098】
上記被覆層43に用いることができる材料としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコ−ンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ノルボルネンゴムおよび熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
この被覆層43の材料として、ポリウレタンにPTFE樹脂粒子を120重量部混合したものを用い、厚みが45μmの被覆層43を形成したところ、その引張破断伸びは330%であった。
【0099】
本実施形態に係る中間転写ベルト10の製造方法として、まず、高速で回転する筒状型30の内周面に、上述した被覆層43の材料を注入し加熱硬化処理して、無端ベルト状の被覆層43を成形し、次いで、同様な速度で回転する筒状型30の内周面状に成形された無端ベルト状の被覆層43の内周面に、上述した表層41の材料を注入し硬化させ、更に、同様な速度で回転する筒状型30の内周面状に成形された無端ベルト状の表層41の内周面に、上述した基層42の材料を注入し硬化させ、その後、この被覆層43と表層41と基層42との3層構造からなる無端状ベルトを該筒状型30から脱型させ、この無端状ベルトの端面を所定寸法に裁断して中間転写ベルト10を得た。
【0100】
また、この中間転写ベルト10においても、前述した第1の実施形態に係る中間転写ベルト10の場合と同様に、図3に示したように、筒状型30の内周面に4個の突起部材31を略等間隔で配設して、該無端状ベルトの成形と同時に、4個の位置検出用穴23を形成した。このように、位置検出用穴23を複数個設けることにより、前述した画像形成動作開始時に、マークセンサ24が最も早く検出した位置検出用穴23を基準として画像形成を行なうことが可能となるので、画像形成に掛かる時間、つまりプリント完了までの時間を短縮できるという効果が得られる。
また、上述のように、複数の位置検出用穴23を無端状ベルトの成型と同時に形成することで、位置検出用穴23の穴あけ位置のバラツキの無い中間転写ベルト10を得ることが可能となる。
このようにして得た中間転写ベルト10を前述したカラー画像形成装置に装着して画像形成を行なったところ、転写ムラ、色ズレ及び転写中抜けの無い画像品質の高いフルカラー画像を得ることができた。
【0101】
(比較例1)
本比較例では、筒状型30内面の突起部材31の形状を、第1の実施形態で説明したようなテーパ形状ではなく、図15に示すように、長手方向に対して直交する面の断面積が均等な真直な形状としたものである。また、突起部材31の先端部も、第1の実施形態で説明したような凹部や貫通孔を有する形状ではなく、平坦形状としたものである。
このような突起部材31を備えた筒状型30を用いて、第1の実施形態で説明した遠心成型法により、本比較例の中間転写ベルト10を作成したところ、図16に示すように、液状材料40が突起部材31の根元付近に堆積し、成形された中間転写ベルト10の脱型が困難になって、その位置検出用穴23の周辺に、図17に示すような破れが生じてしまった。
また、この中間転写ベルト10を前記カラー画像形成装置に装着して画像形成を行ったところ、約1000枚の画像がプリントされたところで、該中間転写ベルト10が、その位置検出用穴23の破れた部位から破断して、それ以上の画像形成が不可能な状態となった。
【0102】
(比較例2)
本比較例では、筒状型30内面の突起部材31の形状を、第1の実施形態で説明したようなテーパ形状にし、該突起部材31の先端部の形状を、第1の実施形態で説明したような凹部や貫通孔を有する形状ではなく、平坦形状としたものである。
このような突起部材31を備えた筒状型30を用いて、第1の実施形態で説明した遠心成型法により、本比較例の中間転写ベルト10を作成したところ、上記比較例1の場合と同様、図16に示すように、液状材料40が突起部材31の根元付近に堆積し、成形された中間転写ベルト10の脱型は比較的容易にできたものの、その位置検出用穴23周辺の堆積した樹脂によって、図18に示すように、該位置検出用穴23が塞がれた状態になってしまった。
また、この中間転写ベルト10を前記カラー画像形成装置に装着して画像形成を行ったところ、マークセンサ24による中間転写ベルト10の位置検出が不能となり、画像形成ができなかった。
【0103】
(比較例3)
本比較例は、中間転写ベルト10の基層42として、アクリルゴム100重量部に補強用カーボン20重量部を添加したものを使用し、その他は前記第3の実施形態に係る中間転写ベルト10と同一条件とした。
本比較例における中間転写ベルト10の基層42の引張弾性率は、1.5×10MPaであった。
このような条件で作成された中間転写ベルト10を、前記カラー画像形成装置に装着して画像形成を行ったところ、形成された画像に、転写ムラや転写中抜けは見られなかったものの、中間転写ベルト10の基層42の伸びに起因する色ズレが発生してしまった。
【0104】
(比較例4)
本比較例は、中間転写ベルト10の基層42として、ポリイミドを使用し、その他は前記第3の実施形態に係る中間転写ベルト10と同一条件とした。
また、本比較例では、中間転写ベルト10の製造方法として、まず、高速で回転する筒状型30の内周面に被覆層43の材料を注入して加熱し、該被覆層43が半硬化の状態で、同様に高速で回転する筒状型30の内周面に表層41の材料を注入して加熱し、更に、該表層41が半硬化の状態で、基層42として樹脂成分100重量部に対して16重量部のカーボンブラックをポリイミドワニス(N−メチルピロリドンを溶媒とする耐熱皮膜用ポリイミドワニス(宇部興産(株)製のUワニス−S)に添加、混合したものを、筒状型30を回転させながら該筒状型30の内周面に注入し、70℃の熱風で40分間乾燥させた。次いで、回転を停止させた状態で30分かけて100℃に昇温して溶媒を蒸発させた後、更に、180℃で45分間加熱して、ポリアミド酸を脱水縮合させて本硬化させた後、脱型させた無端状ベルトの端面を所定寸法に裁断して中間転写ベルト10を得た。なお、本比較例においても、第3の実施形態に係る中間転写ベルト10の場合と同様、筒状型30の内周面上に、4個の突起部材31を略等間隔で設けた。
【0105】
なお、通常ポリイミドの脱水縮合は、300〜400℃の温度が必要であるが、被覆層43および表層41の耐熱温度が200℃以下であるため、本比較例では180℃で脱水縮合させた。この比較例における基層42の引張弾性率は3.2×10MPa、また引張破断伸びは約101%であった。
このような条件で作成された中間転写ベルト10を、前記カラー画像形成装置に装着して画像形成を行なったところ、形成された画像に、転写ムラや転写中抜けは見られなかったものの、初期から駆動ローラ13との滑りに起因する色ズレが発生してしまった。
そこで、本比較例の中間転写ベルト10に与えるテンションを、第3の実施形態に係る中間転写ベルト10の場合の約2倍に設定した。この結果、駆動ローラ13との滑りに起因する色ズレは発生しなくなったが、約10000枚の画像をプリントしたところで、中間転写ベルト10の端部から破断し、それ以上の画像形成が不可能な状態となった。
【0106】
なお、前記の各実施形態は、本発明の理解の一助として記載したものであって、これらにより本発明が限定されるものではない。例えば、各実施形態では、像担持体としてドラム状の感光体1を図示して説明したが、該感光体1は、これに限定されるものではなく、ベルト状の感光体等、全ての像担持体に適用可能である。また、一次転写手段及び二次転写手段として転写バイアスローラ11,14を示したが、該転写手段としては、回転型転写ブラシなどの回転型接触転写方式はもちろんのこと、転写ブラシ、転写ブレード、転写プレートなどの転写方式を用いたものであってもよい。
【0107】
【発明の効果】
請求項1乃至11の発明によれば、遠心成型法により該中間転写ベルトが形成される際に位置検出用穴が同時に形成されるので、該位置検出用穴が常に一定した位置に形成されるようになる。従って、該位置検出用穴の形成位置にバラツキが生じることがなくなり、高い位置検出精度を確保することができる中間転写ベルトが得られる。また、位置検出用穴の形成によって、廃棄物となる穴あけカスが発生することもなくなる。
【0108】
特に、請求項2の発明によれば、上記位置検出用穴を形成するための突起部材の形状が上記筒状型の内周面から回転中心に向かって先細りとなる形状を有しているので、遠心成型法により形成された中間転写ベルトを上記筒状型から取り出す際の、該突起部材に対する該中間転写ベルトの型抜け性(脱型性)が向上される。これにより、中間転写ベルトの筒状型からの脱型作業が容易化され、且つ、脱型時における位置検出用穴の損傷が回避される。
【0109】
また、請求項3の発明によれば、上記突起部材の先端部に凹部又は貫通孔が形成されているので、該突起部材の先端部に付着した液状材料が、遠心成形時の遠心力によって該突起部材を伝わって突起部材の根元部に堆積し難くなり、成形された中間転写ベルトの厚みにバラツキが生じたり、中間転写ベルトの筒状型からの脱型時に、位置検出用穴に破れが発生したりすることを防止することが可能になる。この結果、回転時における動作が安定した長寿命な中間転写ベルトが得られる。
【0110】
また、請求項4の発明によれば、位置検出用穴の開口形状が、円形、長円形、楕円形、正方形もしくは長方形のいずれかの、比較的簡素な形状に形成されるので、該位置検出用穴を形成するための型材としての上記突起状部材を安価且つ容易に作成することができる。
【0111】
また、請求項5の発明によれば、位置検出用穴の開口形状が、上記突起部材の断面形状に対応した、長円形、楕円形もしくは長方形のいずれかの形状に形成され、且つ、該開口形状の長手方向が上記中間転写ベルトの幅方向と同一方向となるように形成されるので、該中間転写ベルトが蛇行して、位置検出用穴の位置が中間転写ベルトの幅方向に偏倚しても、該位置検出用穴がマークセンサの検知光路から外れ難くなり、マークセンサによる位置検出用穴の検出不良を防止することが可能となる。
【0112】
また、請求項6の発明によれば、中間転写ベルトの成形を行なう際に、該突起部材に離型剤が塗布されているので、該突起部材に対する中間転写ベルトの型抜け性(脱型性)が更に向上される。
【0113】
また、請求項7の発明によれば、中間転写ベルトが表層と基層とからなる多層構造に形成されるので、表層と基層とが相反するような特性を有する材料からなる中間転写ベルトを形成することが可能となり、トナー像の転写中抜けや色ズレを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0114】
また、請求項8の発明によれば、中間転写ベルトの互いに接している各層の界面における液状材料同士の密着力が増大されるので、回転時の負荷によって各層の界面が剥離する虞の少ない中間転写ベルトが得られる。
【0115】
また、請求項9の発明によれば、表層の硬度が、10〜90度(JIS−A)の範囲であるので、転写されたトナー像が潰れ難く、品質の高い画像が得られるようになる。また、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、2×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルトに対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルトの滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0116】
また、請求項10の発明によれば、表層の硬度が、20〜80度(JIS−A)の範囲であるので、転写されたトナー像が潰れ難く、品質の高い画像が得られるようになる。また、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、6×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルトに対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルトの滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0117】
また、請求項11の発明によれば、表層の硬度が、30〜70度(JIS−A)の範囲であるので、転写されたトナー像が潰れ難く、品質の高い画像が得られるようになる。また、中間転写ベルトの基層の引張弾性率が、8.5×10MPa以上、3×10MPa以下の範囲であるので、中間転写ベルトに対して必要以上に大きなテンションを与えずに、該中間転写ベルトの滑りや伸縮を防止して、トナー像の色ズレや歪みを防止できる中間転写ベルトが得られる。
【0118】
また、請求項12の発明によれば、上記基層の引張破断伸びの値が、102%以上であるので、中間転写ベルトを、その基層が若干伸びた状態で駆動ローラに巻き掛けることが可能となって、該基層と駆動ローラとの密着性を高めることができ、中間転写ベルトの駆動時における滑りに起因する色ズレを防止することができるようになる。また、上記被覆層と表層及び基層との引張破断伸びの関係が、被覆層>表層>基層となるように設定されているので、中間転写ベルトが回動を繰り返しても、その経時劣化によって該被覆層の表面にシワが発生したり亀裂が生じたりすることがなく、該被覆層のトナー層への追従性が向上して、一次転写時にトナー像の転写中抜けが発生することもなくなる。
【0119】
請求項13の発明によれば、遠心成型法により該中間転写ベルトが形成される際に同時に形成された位置検出用穴を有しているので、請求項1に述べたように、該位置検出用穴の位置が常に一定した位置となり、該位置検出用穴の形成位置にバラツキが生じることがなく、高い位置検出精度が得られる。
【0120】
請求項14の発明によれば、位置検出用穴の位置が常に一定した位置となり、該位置検出用穴の形成位置にバラツキが生じることがなく、高い位置検出精度が得られる中間転写ベルトを用いて画像形成が行われる。従って、この画像形成装置においては、上記像担持体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト上の極めて正確な位置に一次転写させることができるようになる。特に、中間転写ベルト上に複数色のトナー像を順次重ね合わせて一次転写する画像形成装置の場合には、各色毎のトナー像を正確に重ね合わせて一次転写できるので、色ズレのない画像品質の高いフルカラー画像を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る中間転写ベルトを用いたカラー画像形成装置の一例を示す構成概略図。
【図2】上記中間転写ベルトの位置検出用穴とマークセンサを示す要部拡大図。
【図3】上記中間転写ベルトの製造に用いる筒状型と、該筒状型の内周面上に設けられた突起部材を示す概略図。
【図4】上記突起部材の要部拡大図。
【図5】上記突起部材の先端部に凹部を形成した例を示す断面図。
【図6】上記突起部材の根元に液状材料が堆積する状態の説明図。
【図7】上記突起部材の先端部に貫通孔を形成した例を示す断面図。
【図8】上記位置検出用穴の形状の一例を示す要部拡大図。
【図9】上記位置検出用穴の形状の他の例を示す要部拡大図。
【図10】上記位置検出用穴の形状の更に他の例を示す要部拡大図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る中間転写ベルトの製造方法を説明するための概略図。
【図12】上記第2の実施形態に係る中間転写ベルトの張架ローラへの巻き掛け部位を示す概略図。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る中間転写ベルトの拡大断面図。
【図14】上記第3の実施形態に係る中間転写ベルトの張架ローラへの巻き掛け部位を示す概略図。
【図15】比較例1における筒状型の内側に設けられた突起部材を示す概略図。
【図16】比較例2における中間転写ベルトの製造過程を示す概略断面図。
【図17】比較例1における中間転写ベルトの位置検出用穴の拡大図。
【図18】比較例2における中間転写ベルトの位置検出用穴の拡大図。
【符号の説明】
1 感光体
2 感光体クリーニングユニット
4 帯電器
5 露光手段
6 イエロー現像器
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器
9 ブラック現像器
10 中間転写ベルト
11 一次転写バイアスローラ
12a,12b 従動ローラ
13 駆動ローラ
14 二次転写バイアスローラ
17 定着装置
22 転写材
23 位置検出用穴
24 マークセンサ
25 給紙ローラ
30 筒状型
31 突起状部材
31a 突起状部材の先端部の凹部
31b 突起状部材の貫通孔
40 液状材料
41 中間転写ベルトの表層
42 中間転写ベルトの基層
43 中間転写ベルトの被覆層

Claims (14)

  1. 第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転する中間転写ベルト上に、該第1の像担持体上に可視像化されたトナー像を一次転写し、該中間転写ベルトの回転に同期して搬送される第2の像担持体に、該中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を二次転写する画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法であって、
    該中間転写ベルトを、回転する筒状型の内周面上に液状材料を供給して無端状ベルトを成形する遠心成形法により形成し、且つ、遠心成形法により該中間転写ベルトを形成する際に、該筒状型の内周面に設けた突起部材によって、該中間転写ベルトの回転位置を検出するための少なくとも1個以上の位置検出用穴を同時に形成することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  2. 上記突起部材が、上記筒状型の内周面から回転中心に向かって先細りとなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1の中間転写ベルトの製造方法。
  3. 上記突起部材の先端部に、凹部又は貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は2の中間転写ベルトの製造方法。
  4. 上記突起部材の断面形状が、円形、長円形、楕円形、正方形もしくは長方形のいずれかの形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3の中間転写ベルトの製造方法。
  5. 上記突起部材の断面形状が、長円形、楕円形もしくは長方形のいずれかの形状に形成され、且つ、該断面形状の長手方向が上記中間転写ベルトの幅方向と同一方向に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4の中間転写ベルトの製造方法。
  6. 上記中間転写ベルトの成形を行なう際に、上記突起部材に離型剤を塗布しておくことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5の中間転写ベルトの製造方法。
  7. 上記筒状型によって最初に表層を成形し最後に基層を成形して、上記中間転写ベルトを少なくとも表層と基層とからなる多層構造に形成することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6の中間転写ベルトの製造方法。
  8. 先に形成された層の少なくとも表面が硬化していない状態で、次の層を形成することを特徴とする請求項7の中間転写ベルトの製造方法。
  9. 上記表層の硬度を、10〜90度(JIS−A)の範囲とし、且つ、上記基層の引張弾性率を、2×10MPa以上、3×10MPa以下とすることを特徴とする請求項7の中間転写ベルトの製造方法。
  10. 上記表層の硬度を、20〜80度(JIS−A)の範囲とし、且つ、上記基層の引張弾性率を、6×10MPa以上、3×10MPa以下とすることを特徴とする請求項7の中間転写ベルトの製造方法。
  11. 上記表層の硬度を、30〜70度(JIS−A)の範囲とし、且つ、上記基層の引張弾性率を、8.5×10MPa以上、3×10MPa以下とすることを特徴とする請求項7の中間転写ベルトの製造方法。
  12. 上記基層の引張破断伸びの値を、102%以上とし、且つ、上記表層の表面に、引張破断伸び(JIS・K6301)の値が、被覆層>表層>基層の関係を有する被覆層を形成することを特徴とする請求項7、8、9、10又は11の中間転写ベルトの製造方法。
  13. 第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転する中間転写ベルト上に該第1の像担持体上に可視像化されたトナー像を一次転写し、該中間転写ベルトの回転に同期して搬送される第2の像担持体に該中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を二次転写する画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、
    該中間転写ベルトは、請求項12の製造方法で製造されていることを特徴とする中間転写ベルト。
  14. 第1の像担持体と、該第1の像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置と、該第1の像担持体と同期して回転する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に該第1の像担持体上に可視像化されたトナー像を一次転写する一次転写手段と、該中間転写ベルトの回転に同期して搬送される第2の像担持体に該中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を二次転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、
    請求項13の中間転写ベルトを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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