JP2001100545A - 中間転写体及び該中間転写体を用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体及び該中間転写体を用いた画像形成装置

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JP2001100545A
JP2001100545A JP27906199A JP27906199A JP2001100545A JP 2001100545 A JP2001100545 A JP 2001100545A JP 27906199 A JP27906199 A JP 27906199A JP 27906199 A JP27906199 A JP 27906199A JP 2001100545 A JP2001100545 A JP 2001100545A
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belt
thickness
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JP27906199A
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English (en)
Inventor
Yuji Sawai
雄次 澤井
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表層の伸縮を少なくして表層の負荷を低減さ
せることで、径の小さなローラで張架した場合でも表層
のクラックの発生を防止することができる中間転写体及
び該中間転写体を用いた画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 中間転写体としての中間転写ベルト4
の、少なくとも1層からなる基層の厚さSと、該基層上
に設けた少なくとも1層からなる弾性層の厚さDとの比
(D/S)を、0.1〜1とする。これにより、該表層
の伸縮を少なくすることができ、該表層の負荷を低減さ
せることができ、中間転写体を外径の小さなローラで張
架回転させた場合でも、その表層のクラックの発生を防
止することができるようになり、軽量でコンパクトな転
写ユニットを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される中間転写
体及び該中間転写体を用いた画像形成装置に関し、詳し
くは、第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該第1の
像担持体上に形成された静電潜像をトナー画像として可
視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転する中
間転写体上に、該第1の像担持体上に可視像化されたト
ナー画像を一次転写し、該中間転写体の回転に同期して
搬送される第2の像担持体に、該中間転写体上に一次転
写されたトナー画像を二次転写する画像形成装置の中間
転写体、及び該中間転写体を用いた画像形成装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】中間転写ベルトを使用した画像形成装置
は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の色成分画像
を順次積層転写してカラープリントを出力するカラー画
像形成装置あるいは多色画像形成装置として有用であ
る。この種の画像形成装置としては、従来、樹脂で形成
した中間転写ベルトを使用した画像形成装置が多く提供
されてきた。しかし、樹脂で形成された転写ベルトは一
般的に硬度が高い。このため、例えば、第1の像担持体
としての感光体から中間転写体としての中間転写ベルト
へのトナー画像の一次転写工程、及び、該中間転写ベル
トから第2の像担持体としての転写材へのトナー画像の
二次転写行程において、該トナー画像(特に文字の中央
部)が応力集中を受けて、いわゆる文字の中抜け現象と
いわれる転写不良が発生し易くなる。このような現象
は、転写材がOHPシートの場合に、特に顕著に現れ
る。
【0003】上述の文字の中抜け現象を改善する方法の
一つとして、転写ベルトの表面の弾性化が提案されてい
る。つまり、転写ベルトの表面が弾性化されることによ
り、トナー画像の厚みに対応して転写ベルトの表面が自
在に変形されるので、トナー画像に対する応力集中が低
減され、転写不良(文字の中抜け現象)が改善される。
従って、このような転写不良(文字の中抜け現象)を解
消するには、中間転写ベルトをゴムなどの柔軟な素材で
形成することが考えられる。しかしながら、ゴムなどの
柔軟な素材で形成した中間転写ベルトにおいては、その
伸縮によって、単色画像形成時には転写画像(トナー画
像)に歪みが発生し易くなり、多色画像及びフルカラー
画像形成時には複数色の転写画像(トナー画像)のズレ
(色ズレ)が発生し易くなるという問題がある。このよ
うな転写画像の歪みや色ズレは、中間転写ベルトを低張
力で張架して使用した場合に特に発生し易い。そこで、
この中間転写ベルトを大きな張力で張架して使用すると
いうことが考えられる。しかし、中間転写ベルトの初期
張力(組み付け時の張力)を大きくすると、かえって該
張力が短時間で低下(緩和)され易くなるため、長期間
に亘って適正な張力を保つことが難しくなる。
【0004】上述のような転写ベルトの伸びを低減させ
る方法として、従来、樹脂層と弾性層と表面層からな
り、樹脂層が導電剤を含有し、ヤング率が35000K
gf/cm以上である中間転写ベルトが提案されてい
る(特開平10−83122号公報)。この中間転写ベ
ルトは、そのヤング率を高くしてベルトに伸び縮みを発
生させないようにすることで、ベルトの位置ズレによる
色ズレを防止することを目的としている。
【0005】一方、転写ベルトの補強部材(基)とし
て、帆布、織布、芯線を用いることが提案されている。
しかし、このような補強部材(基)を入れた転写ベルト
においては、補強部材(基)の形状により抵抗ムラや硬
度ムラ等が発生して、転写画像に画像ムラが発生し易
い。このような問題を解消するために、弾性層の厚みを
大きくして画像ムラの発生を防止するようにした転写ベ
ルトが提案されている(特開平9−190090号公
報)。
【0006】また、弾性ベルトは一般的に厚くなるた
め、ローラ間に張架されているベルト表面の伸縮が大き
くなり、表層に亀裂が発生し易くなる。そこで、弾性層
に補強部材を設け、該補強部材のベルト厚み方向の位置
と、表層部材の特性を規定するようにした弾性ベルトが
提案されている(特開平10−240020号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特開平
10−83122号公報に示された中間転写ベルトにお
いては、そのヤング率を35000Kgf/cm以上
と高くしたことで、逆に、これを張架するローラとの平
行度にズレが発生したり、ベルト周長の偏差等による寸
法のズレによりローラに対するベルトの追従性が悪化し
たりするため、ベルトとローラとの接触にムラが発生し
てベルト搬送性が不十分となり、ベルトの片寄りやスリ
ップ等が発生し易くなる。
【0008】また、特開平9−190090号公報に示
された中間転写ベルトにおいては、その伸びを防止する
ために、補強部材(基)の太さ(厚み)を一定量以上の
厚さにする必要があるため、どうしても転写ベルトとし
て厚くならざるをえない。このため、ローラ間に張架さ
れているベルト表面の伸縮が大きくなり、表層に亀裂
(クラック)が発生し易くなる。
【0009】更に、特開平10−240020号公報に
示された中間転写ベルトにおいては、補強部材のベルト
厚み方向の位置と表層部材の特性を規制しているが、補
強部材のベルト厚み方向の位置が一定となるようにベル
トを製造することは困難であり、ベルトに厚みムラや抵
抗ムラが発生し易くなる。また、この中間転写ベルトで
は、ベルト表層の伸縮量を低減させるために、ベルトを
張架するローラの外径を大きくする必要がある(細くす
ることができない)ため、装置の重量、コスト、レイア
ウト等の面で制約を受け易い。また、ベルト表層の材料
としても、伸び易く且つ強度の優れたものを選択する必
要があるため、その選定条件が限定されてしまう。
【0010】本発明は、以上の問題点に鑑みなされたも
のであり、その目的とするところは、表層の伸縮を少な
くして表層の負荷を低減させることで、径の小さなロー
ラで張架した場合でも表層のクラックの発生を防止する
ことができる中間転写体及び該中間転写体を用いた画像
形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、第1の像担持体上に静電潜像を
形成し、該第1の像担持体上に形成された静電潜像をト
ナー画像として可視像化した後、該第1の像担持体と同
期して回転する中間転写体上に、該第1の像担持体上に
可視像化されたトナー画像を一次転写し、該中間転写体
の回転に同期して搬送される第2の像担持体に、該中間
転写体上に一次転写されたトナー画像を二次転写する画
像形成装置の中間転写体であって、上記中間転写体は、
少なくとも1層からなる基層と、該基層上に設けた少な
くとも1層からなる弾性層とを有し、該基層の厚さSと
該弾性層の厚さDとの比(D/S)が0.1〜1である
ことを特徴とするものである。
【0012】この中間転写体においては、その少なくと
も1層からなる基層の厚さSと、該基層上に設けた少な
くとも1層からなる弾性層の厚さDとの比(D/S)が
0.1〜1になっている。この基層の厚さSと弾性層の
厚さDとの比(D/S)は、好ましくは0.2〜1、よ
り好ましくは0.4〜1である。これにより、該表層の
伸縮を少なくすることができ、該表層の負荷を低減させ
ることができる。この結果、中間転写体を外径の小さな
ローラで張架回転させた場合でも、その表層のクラック
の発生を防止することができるようになる。
【0013】請求項2の発明は、上記基層の厚さが0.
04mm〜0.3mm、上記弾性層の厚さが0.01m
m〜0.3mm、且つ、上記中間転写体の厚さが0.1
〜0.65mmであることを特徴とするものである。
【0014】この中間転写体においては、その基層の厚
さが0.04mm〜0.3mm(好ましくは0.06〜
0.3mm、より好ましくは0.08〜0.25m
m)、弾性層の厚さが0.01mm〜0.3mm、且
つ、中間転写体の厚さが0.1〜0.65mmになって
いる。これにより、トナー画像の位置ズレの発生する中
間転写体の伸びを防止することが可能になる。また、ト
ナー画像への応力集中を低減させて、文字の中抜けを防
止することができるようになる。ここで、上記基層、弾
性層、中間転写体の適正な厚さは、それぞれの樹脂材料
や特性により上述の範囲内で当然異なったものになる。
【0015】請求項3の発明は、上記基層は、導電剤を
含有する樹脂からなり、且つ、該基層の平均厚さの50
%以下の表面粗さを有することを特徴とするものであ
る。
【0016】この中間転写体においては、その基層が導
電剤を含有する樹脂からなり、且つ、該基層の平均厚さ
の50%以下の表面粗さを有することで、抵抗ムラ、硬
度ムラの発生を防止することが可能になり、ムラのない
転写画像を得ることができるようになる。
【0017】請求項4の発明は、上記基層は、平滑に形
成された導電材を含有する無端ベルト状の樹脂シートで
あることを特徴とするものである。
【0018】この中間転写体においては、その基層が平
滑に形成された導電材を含有する無端ベルト状の樹脂シ
ートで形成されているので、該中間転写体へのトナー画
像の一次転写タイミングを任意に設定することができ
る。ここで、無端ベルト状とは、平板状の樹脂シートの
両端部をループ状に繋ぎ合わせたものを含んでいる。
【0019】請求項5の発明は、上記基層の引っ張り応
力に対して、上記弾性層を形成した中間転写体の引っ張
り応力の増加率が10%以下であることを特徴とするも
のである。
【0020】この中間転写体においては、その基層の引
っ張り応力に対して、弾性層を形成した中間転写体の引
っ張り応力の増加率が、10%以下になっている。これ
により、該弾性層がトナー画像の厚みに対応して十分に
変形できるようになり、トナー画像への応力集中が低減
され、文字の中抜け現象が防止されるようになる。
【0021】請求項6の発明は、上記中間転写体は、無
端ベルト状の中間転写ベルトであることを特徴とするも
のである。
【0022】この中間転写体においては、無端ベルト状
の中間転写ベルトであるので、該中間転写ベルトへのト
ナー画像の一次転写タイミングを任意に設定することが
できる。また、単色トナー画像をプリントする場合に
は、中間転写ベルトに一次転写されたトナー画像を、す
ぐに転写材上に二次転写させることで、高速なプリント
が実現でき、さらに、該中間転写ベルトの周長よりも大
きなトナー画像を連続的にプリントさせることも可能に
なる。
【0023】請求項7の発明は、上記基層は、導電剤を
含有する樹脂からなり、且つ、ヤング率が5000〜3
5000Kgf/cmであることを特徴とするもので
ある。
【0024】この中間転写体においては、基層が導電剤
を含有する樹脂からなり、且つ、ヤング率が5000〜
35000Kgf/cmであるので、その伸縮による
転写トナー画像のズレ(色ズレ)を防止しながら、その
張架ローラによる搬送性を高めて、中間転写体の偏り
(ベルト寄り)やスリップによる色ズレ画像(スリップ
画像)の発生を防止することができるようになる。
【0025】請求項8の発明は、上記中間転写体は、該
中間転写体の被検体を1000rpmの回転数で回転
し、該被検体に5.0KVの電圧を20秒間印加した
後、該電圧の印加を停止させた状態での、該被検体の1
分後の電位が200V以下となり、且つ、体積抵抗が1
×E+7〜1×E+14Ω・cmである中間転写体から
なることを特徴とするものである。
【0026】この中間転写体は、その被検体を1000
rpmの回転数で回転し、該被検体に5.0KVの電圧
を20秒間印加した後、該電圧の印加を停止させた状態
での、該被検体の1分後の電位が200V以下となり、
且つ、体積抵抗が1×E+7〜1×E+14Ω・cmと
なるものである。ここで、該被検体の1分後の電位を測
定する電位減衰特性測定装置としては、EPA(Ele
ctro PaperAnalyzer:川口電機製
SP428)を使用した。このような電位減衰特性を有
する中間転写体を用いることで、除電装置を設けて中間
転写体上に残留した電荷を除去することなく、残留電位
のある中間転写体と感光体との接触による感光体の疲労
を防止することができるようになる。
【0027】請求項9の発明は、第1の像担持体上に静
電潜像を形成し、該第1の像担持体上に形成された静電
潜像をトナー画像として可視像化した後、該第1の像担
持体と同期して回転する中間転写体に、該第1の像担持
体上に可視像化されたトナー画像を一次転写し、該中間
転写体の回転に同期して搬送される第2の像担持体に、
該中間転写体上に一次転写されたトナー画像を二次転写
する画像形成装置において、上記中間転写体として、請
求項1、2、3、4、5、6、7又は8の中間転写体を
用いることを特徴とするものである。
【0028】この画像形成装置においては、請求項1、
2、3、4、5、6、7又は8の中間転写体を用いてい
るので、画像の歪みや色ズレ及び文字の中抜け等がない
品質の高いプリント画像を形成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、複写機あるいは
レーザービームプリンタ等の電子写真プロセスを利用し
て画像成形を行う画像形成装置に適用した実施形態につ
いて説明する。図1に、中間転写ベルトを用いたカラー
画像形成装置の一例を示す。ここでは、該中間転写ベル
トとして、中抵抗の転写ベルト(弾性体)を使用した。
図1において、第1の画像担持体としてのベルト状の感
光体(以下「感光体ベルト」という)1は、駆動ローラ
1a、従動ローラ1b、一次転写ローラ5により、回転
自在に張架されており、駆動ローラ1aが図示しない駆
動手段によって駆動回転されることによって、矢印A方
向(時計方向)に所定の周速度(プロセススピード)で
回転駆動される。
【0030】感光体ベルト1は、その回転過程で、一次
帯電器2により所定の極性及び電位に一様に帯電され
る。次いで、画像情報のデジタル画素信号に対応して変
調されたレーザービームを出力する走査露光系等からな
る露光手段3によって、感光体ベルト1の表面が画像露
光を受けることにより、感光体ベルト1上に、カラー画
像の第1の色成分像(例えばシアン像)に対応した静電
潜像が形成される。この静電潜像は、第1の現像器であ
るシアン色現像器Cにより、第1色目トナーであるシア
ントナーにより現像される。この時、第2、第3、第4
のマゼンタ色現像器M、イエロー色現像器Y、ブラック
色現像器Kの他の各現像器は、非作動状態になってお
り、感光体ベルト1上に形成された第1色目のシアント
ナー画像が、第2、第3、第4の各色現像器による影響
を受けないように設定されている。
【0031】中間転写ベルト4は、駆動ローラ4a、従
動ローラ4b、テンションローラ4c、二次転写対向ロ
ーラ8により、回転自在に張架されており、駆動ローラ
4aが図示しない駆動手段によって駆動回転されること
によって、矢印B方向(反時計方向)に感光体ベルト1
と同じ周速度をもって回転駆動されている。感光体ベル
ト1上に形成された第1色目のシアントナー画像は、感
光体ベルト1と中間転写ベルト4とにより形成される一
次転写部を通過する時に、一次転写ローラ5と感光体ベ
ルト1間に印加される一次転写バイアスにより形成され
た転写電界により、中間転写ベルト4の表面に一次転写
される。
【0032】シアントナー画像の転写を終えた感光体ベ
ルト1の表面は、感光体クリーニング装置6により清掃
される。清掃されたトナーは回収容器11に回収され
る。以下、第1色目のシアントナー画像の場合と同様
に、第2色目のマゼンタトナー画像、第3色目のイエロ
ートナー画像、第4色目のブラックトナー画像が、順次
中間転写ベルト4上に順次重ね合わされて一次転写さ
れ、入力されたカラー画像に対応するフルカラートナー
画像が中間転写ベルト4上に形成される。なお、感光体
ベルト1から中間転写ベルト4に対して各色のトナー画
像が順次重畳転写される際には、一次転写バイアスとし
て、トナーとは逆極性(+)バイアスが図示しないバイ
アス電源から印加される。その印加電圧は、中間転写ベ
ルト4のベルト抵抗や環境条件等により異なってくる。
(ここでは200V〜1000Vが印加される)。
【0033】二次転写ローラ7は、二次転写対向ローラ
8に対して平行に設置され、中間転写ベルト4に対して
接離可能に配設されている。この二次転写ローラ7及び
中間転写ベルトクリーナ9は、感光体ベルト1から中間
転写ベルト4への第1〜第3色の一次転写工程におい
て、中間転写ベルト4から離間した位置に退避されてい
る。
【0034】中間転写ベルト4上に一次転写されたフル
カラートナー画像の転写材(用紙)Pへの転写は、レジ
ストローラ13により中間転写ベルト4と二次転写ロー
ラ7との二次転写位置に所定のタイミングで転写材Pが
給送され、二次転写ローラ7が中間転写ベルト4に当接
されると共に、二次転写バイアスが図示しないバイアス
電源から二次転写ローラ7に印加されることにより行わ
れる(この二次転写バイアスは二次転写対向ローラ8に
印加することもある)。そして、この二次転写バイアス
により中間転写ベルト4から転写材Pへフルカラートナ
ー画像が二次転写(一括転写)される。この転写材P上
に二次転写されたフルカラートナー画像は、定着器10
へ導入されて加熱定着される。
【0035】転写材Pへのフルカラートナー画像の二次
転写が終了した後、中間転写ベルト4に中間転写ベルト
クリーナ9のクリーニングブラシが当接されて、転写材
Pに転写されずに中間転写ベルト4上に残留しているト
ナー(転写残トナー)がクリーニングされる。このクリ
ーニングされた転写残トナーは、中間転写ユニット内に
設けられた回収容器12に回収される。この中間転写ベ
ルトクリーナ9には2つのファーブラシが設けてあり、
一方のファーブラシにはトナーと同極性の(−)バイア
スが印加され、これにより、トナーの一部がクリーニン
グされ、残ったトナーが(−)に帯電される。他方のフ
ァーブラシには(+)バイアスが印加され、(−)帯電
されたトナーをクリーニングして中間転写ベルト4から
除去する。
【0036】ここで、フルカラートナー画像形成時に
は、中間転写ベルトクリーナ9が中間転写ベルト4から
離間し、所定のタイミングをとって接触してクリーニン
グを行う。なお、ブラック等の単色コピー時は、中間転
写ベルトクリーナ9を中間転写ベルト4に常時当接させ
てクリーニングを行うことが可能である。また、強い力
でトナーを掻き落とすブレードクリーニング法は、中間
転写ベルト4の回転負荷を増大させたり、ベルト表層に
ダメージを与える等の理由から弾性ベルトを用いた転写
ユニットのクリーニング法としては適していない。
【0037】また、本実施形態に係る中間転写ベルト4
としては、該中間転写体の被検体を1000rpmの回
転数で回転し、該被検体に5.0KVの電圧を20秒間
印加した後、該電圧の印加を停止させた状態での、該被
検体の1分後の電位が200V以下となり、且つ、体積
抵抗が1×E+7〜1×E+14Ω・cmであるものを
用いた。ここで、該被検体の1分後の電位を測定する電
位減衰特性測定装置としては、EPA(Electro
Paper Analyzer:川口電機製SP42
8)を使用した。このような電位減衰特性を有する中間
転写体を用いることで、除電装置を設けて中間転写体上
に残留した電荷を除去することなく、残留電位のある中
間転写体と感光体との接触による感光体の疲労を防止す
ることができるようになる。
【0038】この中間転写ベルト4の電位減衰特性の測
定方法においては、ヤング率(引っ張り弾性率):JI
SK7127に準拠、短冊状試験片(幅6mmラ長さ1
30mm)、引っ張り速度10mm/min引っ張り応
力:JISK6251に準拠、ダンベル3号形、引っ張
り速度を200mm/minとした。但し、ベルトの厚
みは樹脂層のみの厚さで計算を行った(弾性層、表層の
厚さは含まない)。また、中間転写ベルト4の2%伸び
での引っ張り応力を用いる厚さ測定(マイクロメータに
て測定)は、中間転写ベルト4の軸方向の3点以上を測
定し平均で表した。ただし、中間転写ベルト4のが積層
状態にあり各々の厚さ測定が不可能な場合には、中間転
写ベルト4を厚さ方向に切断し、顕微鏡などで観測した
値を厚さとした。写真にての測定は、同条件で撮影した
標準スケールで基準に測定した。体積抵抗測定:ハイレ
スターIP(三菱化学製)、100V印加、10sec
値残留電位:EPA(Electro Paper A
nalyzer SP428:川口電機製)を使用し
て、1000rpm、5.0KV20sec印加後、放
電を停止させ、1min後の電位を残留電位として測定
した。また、表面粗さ計:ホンメルテスターT1000
(HOMMEL WERKE社)を使用して、中間転写
ベルト4の軸方向の3ヶ所の各部(長さ10mm)の表
面粗さを測定した。
【0039】また、中間転写ベルト4に使用される樹脂
としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETF
E、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、
ポリ−瘁|メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸
ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチ
レン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重
合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−瘁|
クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系
樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体ま
たは共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル
酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチ
ル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレ
タン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変
性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化
ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シ
リコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール
樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド
樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以
上を使用することができる。ただし、上記材料に限定さ
れるものではない。
【0040】中間転写ベルト4に使用されるゴム、エラ
ストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリ
ルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロ
ロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化
ポリエチレン、、ウレタンゴム、シンジオタクチック
1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、
リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボル
ネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー
(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化
ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレ
ア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より
選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することがで
きる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0041】また、中間転写ベルト4に含有される導電
剤としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラ
ック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属
粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化イン
ジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複
合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化
物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物
は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。また、4
級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビ
ニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレ
ン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリ
ピロール等の導電性高分子化合物等からなる群より選択
することができる。上記導電剤に限定されるものではな
い。
【0042】中間転写ベルト4の表層材料としては、特
に制限はないが、該中間転写ベルト4の表面へのトナー
の付着力を小さくして、二次転写性を高めるものが要求
される。たとえば、ポリウレタン、ポリエステル、エポ
キシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し、表面
エネルギーを小さくし、潤滑性を高める材料、たとえ
ば、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チ
タン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を、1種類あ
るいは2種類以上、または粒径を異ならしたものを分散
させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料の
ように、熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を
形成させ、表面エネルギーを小さくさせて、表面エネル
ギーを小さくしたものを使用することもできる。
【0043】中間転写ベルト4の製造方法としては、回
転する円筒形の型に材料を流し込んでベルトを形成する
遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工
法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるデ
ィッピング法、内型と外型との中に注入する注型法、円
筒形の型にコンパウンドを巻き付け加硫研磨を行う方法
などがあるが、これに限定されるものではなく、複数の
製法を組み合わせてベルトを製造することができる。
【0044】(実施例1)PVDF 100重量部に対
して、カーボンブラック 18重量部、 分散剤3重量
部、 トルエン 400重量部を、均一に分散させた分
散液に、円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに
引き上げ、室温にて乾燥をさせ、75μmのPVDFの
均一な膜を形成した。そして、この75μmの膜が形成
されている円筒形の型を、繰り返し上記条件からなる溶
液に浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温乾
燥させて、150μmのPVDFベルトを形成した。こ
れに、ポリウレタンプレポリマー 100重量部、硬化
剤(イソシアネート) 3重量部、 カーボンブラック
20重量部、分散剤 3重量部、 MEK500重量
部を、均一分散させた分散液に、上記の150μmのP
VDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/s
ecで引き上げて自然乾燥させた。乾燥後、上記工程を
繰り返し行って、狙いの厚さ150μmのウレタンポリ
マー層を形成させた。さらに、表層用に、ポリウレタン
プレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)
3重量部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤 4
重量部、MEK 500重量部を均一分散させた分散液
に、上記の150μmのウレタンプレポリマー層が形成
されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上
げて自然乾燥させた。乾燥後、上記工程を繰り返し行っ
て、5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリ
マーの表層を形成させた。そして、室温で乾燥後、13
0℃、2時間の架橋を行い、樹脂層;150μm、弾性
層;150μm、表層;5μmの3層構成からなる、基層
の厚さSと弾性層の厚さDとの比が、D/S=1の無端
ベルト状(シームレス)の転写ベルトを得た。
【0045】このPVDFのベルト形成時の表面粗さを
測定した結果、Rz=2.5μmであった。また、得られ
た転写ベルトのヤング率は、13000Kgf/cm
であった。この転写ベルトを図1に示す画像形成装置に
装着し、OHPシートにフルカラー画像を出力したとこ
ろ、文字の中抜けの発生が無い良好な画像が得られた。
また、基層である樹脂による画像ムラも発生しなかっ
た。更に、連続プリントを行ったところ、2万枚のフル
カラープリント後の転写ベルト表面には、ほとんど表層
の亀裂が発生しなかった。
【0046】ここで、D/Sが0.1以下の場合は、樹
脂シートによる転写ベルトとほとんど同じとなり、表層
の表面エネルギーを小さくしても(離型性を高める)、
転写ベルトが新しいときは文字の中抜けに効果は見られ
るが、使用に従い離型性が下がり、文字の中抜けが悪く
なり、OHPシートに加えて普通紙にも顕著に現れる。
D/Sが1以上になれば、直ちにベルと表面のひび割れ
が発生するわけではない。従って、表層の厚みを含める
と、D/Sが1以上になることもある。上記の2万枚コ
ピー時は、ローラの平行度を0.2mm強制的にずらし
て行ったが、ベルト寄りによる端部破損やスリップによ
る画像ズレの発生も見られなかった。また、転写ベルト
のヤング率が5000〜35000Kgf/cmであ
るので、張架ローラへの良好な追従性が得られた。
【0047】(比較例1)上記実施例1と同一の条件
で、弾性層の厚さが400μm、基層の厚さSと弾性層
の厚さDとの比がD/S=2.7の転写ベルトを得て、
OHPシートでの画像評価を行った結果、文字の中抜け
は発生しなかったが、2万枚のフルカラープリント出力
で、その表層に若干の亀裂が発生し、ハーフトーン画像
にわずかなスジが見られるようになった。また、表層の
伸びが大きくなることで膜の強度が低下し、伸縮により
接着層の剥離が発生し易くなり、表層に亀裂が生じ易く
なった。
【0048】(実施例2)上記実施例1と同一の条件
で、弾性層の厚さが50μm、基層の厚さSと弾性層の
厚さDとの比がD/S=0.33のシームレスの転写ベ
ルトを得た(Rz=2.0μm)。そして、この転写ベ
ルトを用いてOHPシートによる画像評価を行った結
果、文字の中抜けはわずかに発生したが、70g/m
の用紙では文字の中抜けは発生しなかった。また、2万
枚のフルカラー出力でも、表層には亀裂が全く発生し無
かった。また、弾性層の厚さを小さくすることで、文字
の中抜けに対する改善効果は得られるが、弾性層を設け
たことによる効果は低下してくる。
【0049】(比較例2)上記実施例1の条件で、弾性
層のポリウレタンポリマーの分子量を変更させて、硬度
を高くした転写ベルトを作った。これにより、PVDF
単独の2%引っ張り応力は195Kgf/cm、弾性
層を設けたベルトでは217Kgf/cm 、11.3
%の引っ張り応力の増加する転写ベルトを得た。この転
写ベルトを用いて実施例1と同様にOHPシートでの画
像評価を行った結果、文字の中抜けが発生した。また、
引っ張り応力が10%を超えると、その弾性層の弾性効
果が低下して、トナー画像に対する荷重集中の低減効果
が少なくなって、文字の中抜けに対する改善効果が低減
した。
【0050】(実施例3)上記実施例1の条件で、弾性
層のポリウレタンポリマーの分子量を変更させて、硬度
を低くさせた転写ベルトを作った。これにより、PVD
F単独の2%引っ張り応力は195Kgf/cm、弾
性層を設けたベルトでは198Kgf/cm、1.5
%の引っ張り応力の増加する転写ベルトを得た。この転
写ベルトを用いて実施例1と同様にOHPシートでの画
像評価を行った結果、文字の中抜けは発生せず、2万枚
のフルカラー出力でも表層には亀裂が全く発生しなかっ
た。また、引っ張り応力を10%以下にすることで、弾
性層は十分な弾性効果が得られるようになり、荷重集中
を防止でき、文字の中抜けを防止できた。
【0051】(比較例3)ポリイミドワニス中の樹脂成
分;100重量部に対して、CB;20重量部を添加し
て均一分散させ、1000rpmで回転する円筒形金型
に注入し、130℃、100分乾燥させながら遠心成型
を行った。型から剥がしたポリイミドフィルムを円筒型
にかぶせ、300℃にて硬化処理を行った。そして、N
BRゴム;100重量部、加硫剤(沈降硫黄):2重量
部、CB;20重量部、可塑剤;30重量部のコンパウ
ンドを、上記ポリイミドフィルムに巻き付け、150
℃、80分の加熱加硫を行った。これを研磨後、表層に
ポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソ
シアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体50重量
部、分散剤 4重量部、MEK 500重量部を均一分
散させた分散液をスプレー塗布し、室温で乾燥後、13
0℃で100分の架橋を行った。このようにして、樹脂
層;90μm、弾性層;80μmの転写ベルトを得た。ま
た、ヤング率は55000Kgf/cmであった。こ
の転写ベルトを用いて実施例1と同様にOHPシートで
の画像評価を行った結果、文字の中抜けは発生しなかっ
たが、張架ローラの平行度を0.2mmずらしてフルカ
ラー連続プリントを行ったところ、約5000枚がプリ
ントされた時点で、ベルト寄りによりベルト端部が破損
してしまった。また、ときどき、転写ベルトのスリップ
による画像ズレも発生した。
【0052】転写ベルトのCB含有量、表層の厚みを、
様々に変化させて、体積抵抗を変化させた。表1に、こ
のときの各実施例4、5、6、7、及び比較例4、5を
示す。
【表1】 これらの各実施例4、5、6、7、及び比較例4、5で
は、表1に示すように、体積抵抗により残留電位が異な
り、1時間放置後の画像評価において感光体の中間転写
ベルトとの接触位置の疲労による横帯状ムラが異なっ
た。また、体積抵抗値を高くするとベルトの残留電位が
高くなり、除電装置のない画像形成装置では、転写ベル
トが停止してもベルトに電位が残留し、感光体に感度の
ない極性(+)のバイアスが印加された状態が維持さ
れ、感光体が疲労を生じ、帯電能力が低下して帯電電位
が低くなった部分では、電位が低くなり画像濃度が高く
なる黒帯画像が発生した。また、体積抵抗Pv;1×E
+14Ω・cm以上では、残留電位が200Vを超え、
転写ベルトが停止した後も電荷を保持して、感光体に与
えるダメージが高く、放置により感光体の疲労が大きく
なって帯電電位が低くなり、ハーフトーン画像で横帯状
の黒帯ムラが発生した。一方、体積抵抗Pv;1×E+
7Ω・cm以下となると、残留電位が生じないため感光
体の疲労による横帯状の黒帯ムラは発生しないが、転写
ベルトへのトナー画像の静電的な保持力が低下するた
め、転写チリが発生し易くなった。特に、カラー画像
(例えば、B、G、R文字)の2色目に重なるトナーの
チリが顕著になった。
【0053】
【発明の効果】請求項1乃至8の発明によれば、中間転
写体が少なくとも1層からなる基層の厚さSと、該基層
上に設けた少なくとも1層からなる弾性層の厚さDとの
比(D/S)が0.1〜1になっているので、該表層の
伸縮を少なくすることができ、該表層の負荷を低減させ
ることができる。これにより、中間転写体を外径の小さ
なローラで張架回転させた場合でも、その表層のクラッ
クの発生を防止することができるようになり、軽量でコ
ンパクトな転写ユニットを得ることができる。
【0054】特に、請求項2の発明によれば、基層の厚
さが0.04mm〜0.3mm、弾性層の厚さが0.0
1mm〜0.3mm、且つ、中間転写体の厚さが0.1
〜0.65mmになっているので、トナー画像の位置ズ
レの発生する中間転写体の伸びを防止することが可能に
なり、トナー画像への応力集中を低減させて、文字の中
抜けを防止することができる。
【0055】また、請求項3の発明によれば、基層が導
電剤を含有する樹脂からなり、且つ、該基層の平均厚さ
の50%以下の表面粗さを有することで、抵抗ムラ、硬
度ムラの発生を防止することが可能になり、ハーフトー
ン画像等でムラのない転写画像を得ることができる。
【0056】また、請求項4の発明によれば、基層が平
滑に形成された導電材を含有する無端ベルト状の樹脂シ
ートで形成されているので、該中間転写体へのトナー画
像の一次転写タイミングを任意に設定することができ
る。
【0057】また、請求項5の発明によれば、基層の引
っ張り応力に対して、弾性層を形成した中間転写体の引
っ張り応力の増加率が、10%以下になっている。これ
により、該弾性層がトナー画像の厚みに対応して十分に
変形できるようになり、トナー画像への応力集中が低減
され、文字の中抜け現象を防止できる。
【0058】また、請求項6の発明によれば、無端ベル
ト状の中間転写ベルトであるので、該中間転写ベルトへ
のトナー画像の一次転写タイミングを任意に設定するこ
とができる。特に、単色トナー画像をプリントする場合
には、中間転写ベルトに一次転写されたトナー画像を、
すぐに転写材上に二次転写させることで、高速なプリン
トが実現でき、さらに、該中間転写ベルトの周長よりも
大きなトナー画像を連続的にプリントさせることもでき
る。
【0059】また、請求項7の発明によれば、基層が導
電剤を含有する樹脂からなり、且つ、ヤング率が500
0〜35000Kgf/cmであるので、その伸縮に
よる転写トナー画像のズレ(色ズレ)を防止しながら、
その張架ローラによる搬送性を高めて、中間転写体の偏
り(ベルト寄り)やスリップによる色ズレ画像(スリッ
プ画像)の発生を防止することができる。
【0060】また、請求項8の発明によれば、1分後の
電位が200V以下となり、且つ、体積抵抗が1×E+
7〜1×E+14Ω・cmとなるので、除電装置を設け
て中間転写体上に残留した電荷を除去することなく、残
留電位のある中間転写体と感光体との接触による感光体
の疲労を防止することができる。
【0061】また、請求項9の発明によれば、画像の歪
みや色ズレ及び文字の中抜け等がない品質の高いプリン
ト画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 感光体ベルト 2 一次帯電器 3 露光手段 4 中間転写ベルト 5 一次転写ローラ 6 感光体クリーニング装置 7 二次転写ローラ 8 二次転写対向ローラ 9 中間転写ベルトクリーナ 10 定着器 11、12 除去トナーの回収容器 13 レジストローラ P 転写材 Y,M,C,K 現像器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該
    第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー画像と
    して可視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転
    する中間転写体上に、該第1の像担持体上に可視像化さ
    れたトナー画像を一次転写し、該中間転写体の回転に同
    期して搬送される第2の像担持体に、該中間転写体上に
    一次転写されたトナー画像を二次転写する画像形成装置
    の中間転写体であって、 上記中間転写体は、少なくとも1層からなる基層と、該
    基層上に設けた少なくとも1層からなる弾性層とを有
    し、該基層の厚さSと該弾性層の厚さDとの比(D/
    S)が0.1〜1であることを特徴とする中間転写体。
  2. 【請求項2】上記基層の厚さが0.04mm〜0.3m
    m、上記弾性層の厚さが0.01mm〜0.3mm、且
    つ、上記中間転写体の厚さが0.1〜0.65mmであ
    ることを特徴とする請求項1の中間転写体。
  3. 【請求項3】上記基層は、導電剤を含有する樹脂からな
    り、且つ、該基層の平均厚さの50%以下の表面粗さを
    有することを特徴とする請求項1又は2の中間転写体。
  4. 【請求項4】上記基層は、平滑に形成された導電材を含
    有する無端ベルト状の樹脂シートであることを特徴とす
    る請求項1、2又は3の中間転写体。
  5. 【請求項5】上記基層の引っ張り応力に対して、上記弾
    性層を形成した中間転写体の引っ張り応力の増加率が1
    0%以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4の中間転写体。
  6. 【請求項6】上記中間転写体は、無端ベルト状の中間転
    写ベルトであることを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5の中間転写体。
  7. 【請求項7】上記基層は、導電剤を含有する樹脂からな
    り、且つ、ヤング率が5000〜35000Kgf/c
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    又は6の中間転写体。
  8. 【請求項8】上記中間転写体は、該中間転写体の被検体
    を1000rpmの回転数で回転し、該被検体に5.0
    KVの電圧を20秒間印加した後、該電圧の印加を停止
    させた状態での、該被検体の1分後の電位が200V以
    下となり、且つ、体積抵抗が1×E+7〜1×E+14
    Ω・cmである中間転写体からなることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6又は7の中間転写体。
  9. 【請求項9】第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該
    第1の像担持体上に形成された静電潜像をトナー画像と
    して可視像化した後、該第1の像担持体と同期して回転
    する中間転写体に、該第1の像担持体上に可視像化され
    たトナー画像を一次転写し、該中間転写体の回転に同期
    して搬送される第2の像担持体に、該中間転写体上に一
    次転写されたトナー画像を二次転写する画像形成装置に
    おいて、 上記中間転写体として、請求項1、2、3、4、5、
    6、7又は8の中間転写体を用いることを特徴とする画
    像形成装置。
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