JP4119040B2 - 機能水製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、液晶及び電子部品などの電子部品部材類の洗浄に使用される水素溶解水やオゾン溶解水のような機能水を製造する方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウエハなどの半導体デバイス基板、液晶表示装置基板などの電子部品部材類の洗浄には、純水又は超純水に有効ガスを溶解せしめた機能水、例えば、水素溶解水又はオゾン溶解水が効果的であることが多数報告されている。例えば、水素溶解水は被洗浄物表面に付着した微粒子を除去するのに有効であり、オゾン溶解水は被洗浄物表面に付着した有機物や金属不純物を除去するのに有効であることが知られている(特開平9-255998号公報、特開平10-64867号公報、特開平10-128253 号公報、特開平10-128254 号公報) 。
【0003】
このように、純水又は超純水は、有効ガス溶解手段において有効ガスが溶解されるが、高純度の機能水を得る目的で、その前に純水又は超純水に溶解しているガスを脱ガス手段において除去するのが通常である。このような脱ガス方法としては、中空糸構造の気液分離膜を多数並列に配した気液分離膜モジュールを用いる膜脱気法、中空の塔の内部を高真空にして塔上部から被処理水を落下させる真空脱気塔を用いる脱気法及び水素ガスが供給された被処理水をパラジウム樹脂に通過せしめて溶存酸素と水素を反応させる方法などがある。
【0004】
膜脱気方法では、その脱ガス度は気液分離膜内のガス側の真空度が大きく係わっており、通常、このガス側は−700mmHg 程度まで真空にされる。これにより、該気液分離膜の気相側には純水などの被処理水から除去された溶存ガスが高濃度で存在するようになり、その結果分圧の法則からも脱ガス効率が低下する。これを解決するには、真空ポンプの容量を大型化する方法があるが、消費エネルギーの増大や装置の大型化を招きコストアップとなる点で好ましくない。そこで、通常、ガス側に引き込まれたガス濃度を下げるために、該ガス側に窒素などの掃引ガスを真空ポンプの負荷が増大しないような微少流量で供給し、脱ガス効率の向上を図っている。
【0005】
また、膜脱気においては、後工程の有効ガス溶解工程において、純水又は超純水中に有効ガス以外のガスが存在することにより有効ガスの溶存濃度が制限される点、及び電子部品部材類の洗浄方法の一つである枚葉式洗浄法では溶存水素濃度をより高くすることで洗浄効果が上がることが確認されている点などから、該膜脱気の脱ガス度は極力高いことが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、掃引ガスとして窒素を用いる膜脱気においては、次のような問題がある。すなわち、超純水は脱気工程前では大気が飽和溶解しており、その溶解量は水温によって異なるが、例えば水温が20℃の場合には、大気成分である窒素、酸素及び二酸化炭素の溶解量はそれぞれ、15.3ppm 、9.3ppm 及び0.6ppm である。このような超純水を前述の如く、脱ガス効率を上げるために窒素を掃引ガスとして使用すると、脱ガスされた超純水は例えば、水温が20℃の場合には、窒素及び酸素の溶解量はそれぞれ、2.04ppm 及び0.18ppm となり、脱酸素超純水は得られても脱窒素超純水は得られない。このように、機能水中に窒素が存在すると、電子部品部材類などの洗浄で広く用いられている超音波洗浄槽にて硝酸イオンや硝酸を生成し、超純水の比抵抗の低下、アニオン成分の増加及びpHの低下などの水質劣化を引き起こす。
【0007】
また、従来の機能水製造装置では、窒素などの掃引ガスのガス供給手段と水素やオゾンなどの有効ガスのガス供給手段を別途に設置する必要があり、また、これに伴う制御弁、配管及びガス貯留槽など関連設備にコストが懸かるなど装置の簡素化や低コスト化という点で問題となっていた。
【0008】
従って、本発明の目的は、掃引ガスとして窒素を使用せず、且つ真空ポンプの容量を増大させることなくそのままで脱ガス効率を向上させることのできる機能水製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、ガス供給系を簡略化、低コスト化された機能水製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、純水又は超純水中の溶存ガスを掃引ガスが供給される脱ガス用気液分離膜にて除去し、次いで、脱ガスされた純水又は超純水中に有効ガスを溶解させて機能水を製造する方法において、掃引ガスに有効ガスと同一のガスを使用すれば、掃引ガスとして窒素を使用することなく、且つ真空ポンプの容量もそのままで脱ガス効率を向上させることができると共に、ガス供給系を統一することができ、機能水製造装置を簡略化、低コスト化できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明(1)は、純水又は超純水中の溶存ガスを掃引ガスが供給される脱ガス用気液分離膜にて除去し、次いで、脱ガスされた純水又は超純水中に有効ガスを溶解させて機能水を製造する方法において、前記掃引ガスと前記有効ガスが同一ガスであることを特徴とする機能水製造方法を提供するものである。かかる構成を採ることにより、有効ガスは窒素ガス以外の水素ガス及びオゾンガス等であるため、掃引ガスに窒素が使用されることはなく、このため、脱ガス工程では真空ポンプの容量もそのままで酸素、窒素及び二酸化炭素などの大気成分がほとんど除去でき脱ガス効率を向上させることができる。また、溶解工程では高濃度の有効ガスの溶解が可能となり、高純度の機能水が得られ、洗浄の際の窒素等の残存に伴う諸問題が解決される。
【0012】
また、本発明(2)は、前記掃引ガスと前記有効ガスが、水素ガス又はオゾンガスであることを特徴とする前記(1)記載の機能水製造方法を提供するものである。かかる構成を採ることにより、前記(1)記載の発明と同様の効果を奏する他、水素ガス溶解水又はオゾン溶解水は不純物汚染がないことからその水素又はオゾンの溶解濃度を高めて、それぞれの有効ガスの酸化還元電位を安定して得ることができる。また、電子部品部材類の枚葉式洗浄法では特に洗浄効果を上げることができる。
【0013】
また、本発明(3)は、純水又は超純水を脱ガスする少なくとも1本を備える掃引ガスが供給される脱ガス用気液分離膜モジュールと、前記脱ガス用気液分離膜モジュールの二次側に位置して脱ガスされた純水又は超純水に有効ガスを溶解させ機能水とする少なくとも1本を備えるガス溶解用気液分離膜モジュールと、前記脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側に前記掃引ガスを、前記ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側に前記有効ガスを同一ガスで供給するガス供給手段とを備えることを特徴とする機能水製造装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、脱ガス工程及びガス溶解工程で用いられるガスを同一供給源から同一配管で供給できるため、装置を簡略化、低コスト化できる。
【0014】
また、本発明(4)は、前記ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側入口と前記ガス供給手段は一次配管で、前記脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側と前記ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側出口は二次配管でそれぞれ連接され、前記二次配管には流量調整可能な圧力調整手段が設置され、該圧力調整手段の前記ガス溶解用気液分離膜モジュール側のガス圧力よりも、前記脱ガス用気液分離膜モジュール側のガス圧力が低くなるように調整されることを特徴とする前記(3)記載の機能水製造装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、前記(3)記載の発明と同様の効果を奏する他、脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側が真空ポンプにより負圧となっていても、ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側が負圧になったり、所望の圧力に到達しないといったことがない。また、脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側には真空ポンプの負荷とならないような微少流量のガスを流すことができ、ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側には、所望のガス溶解濃度に相当するガス圧を確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、純水は一般的に原水を濾過装置、逆浸透膜装置、イオン交換装置、精密フィルター等の一次純水処理系の装置で処理して得た水(一次純水)である。また、超純水とは、一般に、上記純水を更に、紫外線照射装置、混床式イオン交換ポリッシャー、限外濾過装置や逆浸透膜装置などの膜処理装置等の2次純水処理系で処理して得られる水である。
【0016】
本発明において、純水又は超純水(以下、単に「超純水」ということもある)中の溶存ガスを脱ガスする脱ガス用気液分離膜としては、中空糸構造の気液分離膜が挙げられ、該中空糸構造は中空糸の内側をガス側、外側を液側又はその逆として使用されており、脱ガスの場合には、ガス側を負圧とすることで液側に供給される超純水中の溶存ガスをガス側に引き込むものである。該脱ガス用気液分離膜は通常、中空糸膜を多数並列に配した気液分離膜モジュールとして使用される。ガス側の真空度は高いほど脱ガス除去率が高まるが、その分真空ポンプの容量が大きくなるため、通常、−700mmHg程度である。
【0017】
掃引ガスとしては、窒素ガスを除く水素ガス及びオゾンガスなどが挙げられる。掃引ガスは、前記脱ガス用気液分離膜のガス側に引き込まれたガス濃度を下げてガス分圧を低下させる目的で供給され、真空ポンプの負荷が増大しないような微少流量で流して脱ガスを追い出し、脱ガス効率を高めている。掃引ガスとして、後のガス溶解工程で溶解ガスとして使用されるガスと同一のガスを使用することにより、超純水中に溶存する大気成分を窒素で0.18mg/L、酸素で0.18mg/L程度まで除去することが可能となる。これにより、近年のサブミクロンデザインルールが適用されるLSI用洗浄水に適合でき、電子部品部材類の機能水によるすすぎ工程で、該機能水由来の汚染物質が表面に付着することはない。また、被処理水の超純水中に若干量の掃引ガスが溶け込むものの、これは後工程で溶かし込む有効ガスであり問題はない。
【0018】
上記の方法で脱ガスされた純水又は超純水に溶解させる有効ガスとしては、水素ガス又はオゾンガスなどが挙げられ、このうち、前記掃引ガスと同一のガスが使用される。
【0019】
ガス溶解工程において、超純水に有効ガスを溶解させる方式としては、特に制限されず、中空糸構造の気液分離膜を用いる方式、エゼクターを用いる方式及びラインミキサーを用いる方式などが挙げられ、このうち中空糸構造の気液分離膜を用いる方式が好ましい。該中空糸構造は前記脱ガス用気液分離膜に使用される中空糸と同様のものであるが、ガス溶解の場合、ガス側は加圧状態であり、これにより液側に供給される超純水に有効ガスを溶解させる。有効ガスの溶解濃度は圧力に比例することから、所望の溶解濃度を有する機能水を得るために、加圧度は減圧弁で適宜の圧力に調整される。
【0020】
機能水としてオゾン溶解水を得る場合、オゾンを得る方法としては、水を電気分解してオゾンガスを得る水電解方式及び酸素又は空気中で無声放電を生じさせてオゾンガスを得る無声放電方式などが挙げられる。水電解方式は手近にある超純水をオゾンガスの原料とすることができ、オゾンガスの供給が容易になる点で有利である。
【0021】
水素溶解水としては、脱ガスされた超純水を原料とした水電解カソード水、水電解水素ガスやハウスガス等を脱ガスされた超純水中に溶解せしめた水素溶解水などが挙げられる。このうち、水電解水素ガスを脱ガスされた超純水中に溶解せしめた水素溶解水が、水電解方式は手近にある超純水を水素ガスの原料とすることができると共に、該水素ガスは更にフィルター法や冷凍法を併用することで生成ガス中の水蒸気分まで低減させることができ、高純度(100%)水素ガスの供給が容易になる点で有利である。
【0022】
次に、本発明の第1の実施の形態における機能水製造装置について、図1を参照して説明する。図1は第1の実施の形態例の機能水製造装置をブロック図で示す。図1中、機能水製造装置20aは超純水を脱ガスする脱ガス用気液分離膜モジュール1と、ガス溶解用気液分離膜モジュール2と、ガス供給源4を有し、脱ガス用気液分離膜モジュール1の液側出口とガス溶解用気液分離膜モジュール2の液側入り口とは脱ガス水供給管8で連接され、脱ガス用気液分離膜モジュール1の液側入り口には超純水供給管7が、ガス溶解用気液分離膜モジュール2の液側出口には機能水供給管9がそれぞれ連接されている。また、ガス供給源4から延出され減圧弁5を備えるガス供給配管10は分岐して一方が有効ガス供給管12となってガス溶解用気液分離膜モジュール2のガス側21入り口に連接され、他方が流量調整機能付き圧力調整部6を備える掃引ガス供給管13となって脱ガス用気液分離膜モジュール1の液側11入り口に連接される。また、ガス溶解用気液分離膜モジュール2のガス側21出口には有効ガス排出管19b、脱ガス用気液分離膜モジュール1のガス側11出口には真空ポンプを備える真空引き配管19aがそれぞれ連接されている。
【0023】
超純水は超純水供給管7により脱ガス用気液分離膜モジュール1の液側に供給される。脱ガス用気液分離膜モジュール1ではガス側11が真空ポンプで−700mmHg程度に減圧され、且つガス供給源4から供給され減圧弁5及び流量調整機能付き圧力調整部6で所定の圧力及び微少流量に調整された有効ガスと同一の掃引ガスが流されているから、超純水中の窒素、酸素及び二酸化炭素などの溶存ガスはガス側11に引き込まれ超純水は効率よく脱ガスされる。
【0024】
脱ガスされた超純水は脱ガス水供給配管8を通ってガス溶解用気液分離膜モジュール2の液側に供給される。ガス溶解用気液分離膜モジュール2ではガス側21がガス供給源4からガス供給配管10及び有効ガス供給管12を通って供給され減圧弁5で所定の圧力、例えば0kg/cm2以上に調整された有効ガスが流されているから、超純水中に所定濃度の有効ガスが溶解され、水素溶解水又はオゾン溶解水などの機能水としてユースポイントに供給される。
【0025】
本実施の形態例によれば、有効ガスは窒素ガス以外の水素ガス及びオゾンガス等であるため、掃引ガスに窒素が使用されることはなく、このため、脱ガス工程では真空ポンプの容量もそのままで酸素、窒素及び二酸化炭素などの大気成分がほとんど除去でき脱ガス効率を向上させることができる。また、溶解工程では高濃度の有効ガスの溶解が可能となり、高純度の機能水が得られ、洗浄の際の窒素等の残存に伴う諸問題が解決される。得られる水素ガス溶解水又はオゾン溶解水は不純物汚染がないことからその水素又はオゾンの溶解濃度を高めて、それぞれの有効ガスの酸化還元電位を安定して得ることができ、特に電子部品部材類の枚葉式洗浄法では洗浄効果を上げることができる。また、脱ガス工程及びガス溶解工程で用いられるガスを同一供給源から同一配管で供給できるため、装置を簡略化、低コスト化できる。また、脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側が真空ポンプにより負圧となっていても、ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側が負圧になったり、所望の圧力に到達しないといったことがなく、所望のガス溶解濃度に相当するガス圧を確保できる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施の形態における機能水製造装置について、図2を参照して説明する。図2は第2の実施の形態例の機能水製造装置をブロック図で示す。図2中、図1と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、図1と異なる点について主に説明する。すなわち、図2の機能水製造装置20bにおいて図1と異なるところは、ガス供給源4から真空ポンプ3に至るガス供給系が直列に接続されている点である。すなわち、機能水製造装置20bはガス供給源4とガス溶解用気液分離膜モジュール2のガス側21入り口は減圧弁5を有するガス供給配管14(一次配管)で連接され、脱ガス用気液分離膜モジュール1のガス側11入り口とガス溶解用気液分離膜モジュール2のガス側21出口は流量調整機能付き圧力調整部6を備える掃引ガス供給配管15(二次配管)で連接されている。従って、脱ガス用気液分離膜モジュール1のガス側11に供給される掃引ガスは、ガス供給源4からのガスがガス溶解用気液分離膜モジュール2で超純水に有効ガスを溶解せしめた後、更に流量調整されたものである。
【0027】
本実施の形態例において、脱ガス用気液分離膜モジュール1における脱ガス及びガス溶解用気液分離膜モジュール2におけるガス溶解の作用などは第1の実施の形態例と同様である。第2の実施の形態例によれば、第1の実施の形態例と同様の効果を奏する。
【0028】
次に、本発明の第3の実施の形態における機能水製造装置について、図3を参照して説明する。図3は第3の実施の形態例の機能水製造装置をブロック図で示す。図3中、図2と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、図2と異なる点について主に説明する。すなわち、図3の機能水製造装置20cにおいて図2と異なるところは、ガス供給源を電気分解式ガス発生装置30とし、機能水は水素溶解水とした点である。すなわち、電気分解式ガス発生装置30は電解槽31と、電解用電源32を備えてなり、電解槽31には超純水供給配管7から分岐した電解用原料水(超純水)供給配管16が連接され、電解槽31の水素ガス生成槽とガス溶解用気液分離膜モジュール2のガス側21入り口は減圧弁を備える水素ガス供給配管18により連接されている。この場合、超純水に溶解させる水素ガスの溶存濃度を上げるには電解電流値を高めればよい。符号17は酸素ガス排出配管である。
【0029】
本実施の形態例において、脱ガス用気液分離膜モジュール1における脱ガス作用及びガス溶解用気液分離膜モジュール2におけるガス溶解作用などは第1の実施の形態例と同様である。第3の実施の形態例によれば、第1の実施の形態例と同様の効果を奏する他、手近にある超純水を水素ガスの原料とすることができ、水素ガスの供給が容易になる点で有利である。
【0030】
次に、本発明の第4の実施の形態における機能水製造装置について、図4を参照して説明する。図4は第4の実施の形態例の機能水製造装置をブロック図で示す。図4中、図2と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、図2と異なる点について主に説明する。すなわち、図4の機能水製造装置20dにおいて図2と異なるところは、1個の脱ガス用気液分離膜モジュール1の代わりに、複数の脱ガス用気液分離膜モジュール1、1、1を並列に配した脱ガス用気液分離膜モジュール群1Aとし、1個のガス溶解用気液分離膜モジュール2の代わりに、複数のガス溶解用気液分離膜モジュール2、2、2を並列に配したガス溶解用気液分離膜モジュール群2Aとした点である。
【0031】
本実施の形態例において、脱ガス用気液分離膜モジュール1における脱ガス作用及びガス溶解用気液分離膜モジュール2におけるガス溶解作用などは第1の実施の形態例と同様である。第4の実施の形態例によれば、第1の実施の形態例と同様の効果を奏する他、大流量の処理が可能となる。
【0032】
本発明の機能水製造装置においては、上記実施の形態例以外にも、適宜の設計変更が可能である。すなわち、流量調整機能付き圧力調整部6は、通常、減圧弁と該減圧弁の下流側に自動又は手動の流量調整弁を備えるが、これに限定されず、減圧弁を省略して自動又は手動の流量調整弁のみを備えるもの、減圧弁や流量調整弁を省略して配管の径を小さくすることで流量を調整するものなど使用できる。また、掃引ガスが連続又は不連続で供給される。
【0033】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
図2に示すような機能水製造装置を使用し、下記装置仕様及び運転条件で機能水を製造した。結果を表1に示す。
・超純水;通常の超純水製造装置で得られる超純水であり、20℃での溶存酸素濃度9ppm、溶存窒素濃度15ppm
・脱ガス用気液分離膜モジュール:中空糸構造の気液分離膜モジュール(「リキセル4”X−40メンブレン」ヘキスト社製)
ガス側真空度;−700mmHg 、掃引ガス流量:2.5NL/分
・ガス溶解用気液分離膜モジュール:中空糸構造の気液分離膜モジュール(「リキセル4”X−40メンブレン」ヘキスト社製)
ガス側圧力;0.2kgf/cm2
・流量調整機能付き圧力調整部;減圧弁と自動流量調整弁で行う
・有効ガス及び掃引ガス;水素ガス
・機能水流量;2.4m3/時間
・機能水圧力(ガス溶解用気液分離膜モジュール出口圧力);2.0kgf/cm2
(尚、水素ガスの溶解度は20℃、水素分圧760mmHg で1.62mg/L純水である。)
【0034】
比較例1
図5に示すような機能水製造装置を使用し、掃引ガスとして窒素ガスを使用し、有効ガスとして水素ガスを使用する以外は、実施例1と同様の方法で行った。図5中、図2と同一構成要素には同一符号を付した。また、4aは有効ガス供給源、4bは掃引ガス供給源である。結果を表1に示す。
【0035】
実施例2
有効ガス及び掃引ガスの水素ガスに代えてオゾンガスを使用し、ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側圧力を0.2kgf/cm2とした以外は、実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
(尚、オゾンの溶解度は15℃、オゾン分圧760mmHg で25.9mg/L純水である。)
【0036】
比較例2
図5に示すような機能水製造装置を使用し、掃引ガスとして窒素ガスを使用し、有効ガスとしてオゾンガスを使用する以外は、実施例2と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004119040
【0038】
表1より、掃引ガスと有効ガスを同一ガスとして脱ガス及びガス溶解を行えば、掃引ガスとして窒素を使用した従来例に比較して、同条件下、有効ガスが高濃度で溶解できる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、有効ガスは窒素ガス以外の水素ガス及びオゾンガス等であるため、掃引ガスに窒素が使用されることはなく、このため、脱ガス工程では真空ポンプの容量もそのままで酸素、窒素及び二酸化炭素などの大気成分がほとんど除去でき脱ガス効率を向上させることができる。また、溶解工程では高濃度の有効ガスの溶解が可能となり、高純度の機能水が得られ、洗浄の際の窒素等の残存に伴う諸問題が解決される。
【0040】
請求項2の発明によれば、水素ガス溶解水又はオゾン溶解水は不純物汚染がないことからその水素又はオゾンの溶解濃度を高めて、それぞれの有効ガスの酸化還元電位を安定して得ることができる。また、電子部品部材類の枚葉式洗浄法では特に洗浄効果を上げることができる。
【0041】
請求項3の発明によれば、脱ガス工程及びガス溶解工程で用いられるガスを同一供給源から同一配管で供給できるため、装置を簡略化、低コスト化できる。
【0042】
請求項4の発明によれば、脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側が真空ポンプにより負圧となっていても、ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側が負圧になったり、所望の圧力に到達しないといったことがない。また、脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側には真空ポンプの負荷とならないような微少流量のガスを流すことができ、ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側には、所望のガス溶解濃度に相当するガス圧を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例の機能水製造装置のブロック図を示す。
【図2】本発明の第2の実施の形態例の機能水製造装置のブロック図を示す。
【図3】本発明の第3の実施の形態例の機能水製造装置のブロック図を示す。
【図4】本発明の第4の実施の形態例の機能水製造装置のブロック図を示す。
【図5】比較例(従来例)で使用した機能水製造装置のブロック図を示す。
【符号の説明】
1 脱ガス用気液分離膜モジュール
2 ガス溶解用気液分離膜モジュール
3 真空ポンプ
4 ガス供給源
5 減圧弁
6 流量調整機能付き圧力調整部
7 超純水供給配管
8 脱ガス水供給配管
9 機能水供給配管
10、14 ガス供給配管
11、21 ガス側
12 (分岐された)有効ガス供給配管
13、15 掃引ガス供給配管
16 電解用原料水供給配管
17 酸素ガス排出配管
18 水素ガス供給配管
30 電気分解式ガス発生装置
31 電解槽
32 電解用電源

Claims (4)

  1. 純水又は超純水中の溶存ガスを掃引ガスが供給される脱ガス用気液分離膜にて除去し、次いで、脱ガスされた純水又は超純水中に有効ガスを溶解させて機能水を製造する方法において、前記掃引ガスと前記有効ガスが同一ガスであることを特徴とする機能水製造方法。
  2. 前記掃引ガスと前記有効ガスが、水素ガス又はオゾンガスであることを特徴とする請求項1記載の機能水製造方法。
  3. 純水又は超純水を脱ガスする少なくとも1本を備える掃引ガスが供給される脱ガス用気液分離膜モジュールと、前記脱ガス用気液分離膜モジュールの二次側に位置して脱ガスされた純水又は超純水に有効ガスを溶解させ機能水とする少なくとも1本を備えるガス溶解用気液分離膜モジュールと、前記脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側に前記掃引ガスを、前記ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側に前記有効ガスを同一ガスで供給するガス供給手段とを備えることを特徴とする機能水製造装置。
  4. 前記ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側入口と前記ガス供給手段は一次配管で、前記脱ガス用気液分離膜モジュールのガス側入口と前記ガス溶解用気液分離膜モジュールのガス側出口は二次配管でそれぞれ連接され、前記二次配管には流量調整可能な圧力調整手段が設置され、該圧力調整手段の前記ガス溶解用気液分離膜モジュール側のガス圧力よりも、前記脱ガス用気液分離膜モジュール側のガス圧力が低くなるように調整されることを特徴とする請求項3記載の機能水製造装置。
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