JP4118390B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りラジアルタイヤ、より詳細には乗用車やトラック及びバスなどの車両の用途に供する空気入りラジアルタイヤに関し、特に、走行方向を横切る向きに傾斜部分、例えば轍などの凹部分を有する路面を高速走行する際に発生する、ドライバが予測し得ないタイヤの複雑な挙動、いわゆるワンダリング現象を抑制して直進走行安定性を向上させた空気入りラジアルタイヤ、なかでも小さな偏平率を有する高性能ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りラジアルタイヤ、特に高性能ラジアルタイヤは、最近の車両の高出力化に伴い、車両旋回時に生じる車両の遠心力に見合う横力を発生させるために大きな横剛性を有すること、また高速走行時の駆動・制動性能、操縦安定性などが高度に優れていることが必要であるため、偏平率を小さくしてサイドウォール部高さを抑えトレッド部の接地幅を成るべく広くするタイヤ形状を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
高性能ラジアルタイヤは、平坦路面走行では優れた操縦安定性を発揮する反面、轍の凹部などのような傾斜面を有する路面を高速走行する場合、タイヤには路面の凹部の傾斜度合いに応じて不均一な力が作用する結果、複雑な挙動を示す。
【0004】
例えば小さな偏平率を有するタイヤ、特に偏平率が60%以下の乗用車用ラジアルタイヤは、傾斜路面を走行するタイヤの正面又は背面を示す図18を参照して、傾斜路面Isからタイヤ20が受ける登り勾配方向(矢印にて示す向き)のキャンバースラストFcによりタイヤ20の回転軸心X−X方向分力の横力Fyを発生し、この横力Fyにより傾斜路面Isを駆け登る力を車両に作用させるので、直進走行安定性を損なう。一般に傾斜路面Isの勾配が同一の場合、偏平率が小さいタイヤ程横力Fyの値は大きい。
なお力Fはタイヤ20への負荷荷重Wに対する傾斜路面Isに垂直な反力成分である。
【0005】
傾斜路面Isを走行するタイヤ20にキャンバースラストFcが発生する理由は次の通りである。すなわち図18に示すタイヤ20を断面として、その要部を図19に拡大して示すように、走行中のタイヤ20はその回転軸心X−Xに対し垂直方向に作用する負荷荷重Wにより傾斜路面Isの登り勾配上方側であればある程路面Isにより一層強く押圧され、登り勾配下方側では寧ろ路面Isから浮き気味となる。
【0006】
その結果、タイヤ20への垂直負荷荷重Wの下で、傾斜路面Isの登り勾配上方側を押圧するタイヤ20のサイドウォール部21の撓み変形量は登り勾配下方側サイドウォール部21の撓み変形量に比し著しく大きく、この登り勾配上方側の大きな撓み変形は矢印A方向に向くカーカスプライの倒れ込み変形をもたらし、この変形に伴い倒れ込み変形するカーカスプライに近いベルト22部分には矢印B方向の曲げ変形が生じるため、曲げ変形するベルト22部分を覆うトレッドゴム23部分にせん断変形が生じる。その結果タイヤ20のトレッドゴム23には全体として傾斜路面Isを登る、矢印C方向へ向くせん断力が発生し、このせん断力の接地面全体における合力がキャンバースラストFcに他ならない、ということである。
【0007】
つまり上述したように、走行中のタイヤ20のトレッド部が傾斜路面Isに多少なりとも乗り上げるとタイヤ20には傾斜路面Isの登り勾配向きのキャンバースラストFcが発生し、その横力Fy成分によりドライバの意図とは無関係に高速走行中の車両は急速に傾斜路面Isを駆け登る挙動を示す、いわゆるワンダリング現象を呈し、車両の直進走行安定性が著しく損なわれることになる。
【0008】
このワンダリング改善のためトレッド部の端縁部に面取りを施したり、多数本のサイプ(スリット)加工を施し、これによりキャンバースラストFcの低減を図ることが提案されているが、いずれも糊塗的な対策手段に過ぎず、特に偏平率60%以下の高性能ラジアルタイヤでは全く不十分なものと言わざるを得ず、高性能ラジアルタイヤに相応しい高度に優れた直進走行安定性を発揮できるタイヤが望まれているのが現状である。
【0009】
従ってこの出願の請求項1〜に記載した発明は、轍のように両側に登り勾配の傾斜面を有する凹部が形成されている路面走行でのワンダリング現象の発生を抑制して高速での直進走行安定性に優れる空気入りラジアルタイヤ、特に偏平率が60%以下の高性能ラジアルタイヤの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための一の手段としては、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状トレッド部とを有し、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとをえ、トレッド部の最外側にトレッドゴムを有する空気入りラジアルタイヤにおいて、
上記タイヤの最大負荷能力に対応する空気圧を充てんしたタイヤを前記最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷の下で平板に垂直に押圧したトレッド部の接地状態で、トレッド部のトレッドゴムを、タイヤ赤道面を含み接地幅Wcの30%幅をタイヤ回転軸方向にもつ中央領域と、その両側のショルダ領域との3領域に分けた、その中央領域の少なくとも一部領域に、タイヤの転動下で路面との間で擦れ合い接触し、非接地域では周囲トレッドゴム表面からの段下がり部を有し、かつ上記トレッド部の接地状態における上記段下がり部のタイヤ回転軸方向幅Aの上記接地幅Wcに対する比A/Wcの値0.05以上とすることがある。
【0011】
ここに上記のタイヤの最大負荷能力とは、下記する諸規格に記載された該当タイヤ種類毎の「空気圧−負荷能力表」に掲載されている負荷能力(kg)のうちの最大負荷能力(太字記載)又は1軸当り負荷能力(kg)から算出される値を指し、最大負荷能力に対応する空気圧は上記「空気圧−負荷能力表」に掲載されている空気圧(kPa又はkgf/cm2)又は充てん空気圧(bar)の値を用いるものとする。
また、上記規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格に従うものとし、例えば日本では日本自動車タイヤ協会のJATMA YEAR BOOK(1998年版)、アメリカ合衆国ではTHE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK 1998 、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical OrganisationのSTANDARDS MANUAL 1998 によるものとする。
上記接地幅もまたこれら規格、例えばJATMA YEAR BOOK(1998年版)の「一般情報」のうちの「2.用語の定義」に記載されている「接地幅」の定義に従う。なおタイヤに空気圧を充てんし荷重を負荷するため用いるリムは、同じく上記規格に記載されている「タイヤの適用リム」の表に掲載されている該当タイヤ種類毎、タイヤサイズ毎の適用リムである。
【0012】
以上のような空気入りラジアルタイヤにおいては、前記最大負荷能力に対応する空気圧を充てんした無荷重のタイヤにおける上記段下がり部とそれに最も近いトレッドゴム表面との間の段差量が0.1〜1.0mmの範囲内とすることが好適に適合する。
この段差量は、上記空気圧充てんのタイヤの回転軸心を含む平面による断面にて、段下がり部に最も近いトレッドゴム表面輪郭曲線の曲率半径のうち最も大きな曲率半径をもつ円弧で内挿した、タイヤ半径方向外側に向け凸をなす1個の曲率半径をもつ仮想曲線と段下がり部表面輪郭線との間の距離と定める。
【0013】
これらをさらに発展させた構成は、前記トレッドゴムの中央領域にトレッド周方向溝を備え、該溝に沿う少なくとも一方側で該溝に連結する段下がり部を有するものである。
【0014】
また前記目的を達成するため、この出願の請求項1に記載した発明は、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状トレッド部とを有し、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとをえる空気入りラジアルタイヤにおいて、
上記タイヤの最大負荷能力に対応する空気圧を充てんしたタイヤを前記最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷の下で平板に垂直に押圧したトレッド部の接地状態で、トレッド部のトレッドゴムを、タイヤ赤道面を含み接地幅Wcの30%幅をタイヤ回転軸方向に有する中央領域と、その両側のショルダ領域との3領域に分けた、その中央領域の少なくとも一部領域が、タイヤの回転軸方向に延びる複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方をえ、かつ上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方をえる領域のタイヤ回転軸方向幅Bの上記接地幅Wcに対する比B/Wcの値が0.05以上であり、さらには、トレッド部に回転方向指定のトレッドパターンを有し、タイヤへの無荷重の下で、上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方は、その切込み縁を通るトレッドゴム表面の法線を含む面に対し3°以上の角度で傾斜させ、その傾斜をそれぞれ切込み底からトレッドゴム表面に向けタイヤの回転方向と同じ方向としてなる空気入りラジアルタイヤである。
【0015】
ここで、上記のタイヤの最大負荷能力、最大負荷能力に対応する空気圧、接地幅及びタイヤに空気圧を充てんし荷重を負荷するため用いるリムとは全て先に述べた規格に従うものとする。
また複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方とは、複数本の細溝のみの場合、複数本のサイプのみの場合及び複数本の細溝と複数本のサイプとの混在の場合の三通りの場合が存在することを指し、以下同じである。
【0016
また、上記のように傾斜させた複数本の細溝及びサイプに関する実施上の発展形態として、請求項に記載したように、上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方に直交する平面による断面にて、細溝及びサイプの少なくとも一方が分断するトレッドゴム陸部の該分断に沿う鈍角側縁が面取り部を有するタイヤがより一層有利である。
【0017
請求項1および2に係る発明に共通して、これらをさらに発展させた構成は、請求項に記載した発明のように、前記トレッドゴムの中央領域にトレッド周方向溝を備え、該溝に沿う少なくとも一方側で該溝に連結開口する上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方を有するものである。
【0018
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る技術的課題の解決手段例を図1〜図10に基づき説明する。
図1は、その一例になる空気入りラジアルタイヤを示す左半断面図であり、
図2は、図1に示すタイヤトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図であり、
図3は、図2のIII − III線に沿うタイヤトレッド部の拡大断面図であり、
図4は、図3に示すトレッド部の変形例を示す拡大断面図であり、
図5は、他の変形例を示す拡大断面図であり、
図6は、図2〜図5に示すタイヤトレッド部とは異なるトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図であり、
図7は、図6VII − VII線に沿うタイヤトレッド部の拡大断面図であり、
図8は、図7に示すトレッド部の変形例を示す拡大断面図であり、
図9は、さらに他のトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図であり、
図10は、図9X − X線に沿うタイヤトレッド部の拡大断面図であり、
図11は、この発明に係るタイヤの実施形態を示すものであり、図6及び図9に示す接地形状を有するトレッド部のタイヤ赤道面と平行な平面による要部の一部断面図であり、
図12は、図11に示す要部の変形例になる、要部の一部断面図である。
【0019
図1において、空気入りラジアルタイヤ1(以下タイヤ1という)は、一対のビード部2(片側のみ示す)と、一対のサイドウォール部3(片側のみ示す)と、一対のサイドウォール部3にトロイド状をなして連なるトレッド部4とを有するとともに、各ビード部3内に埋設したビードコア5相互間にわたり上記各部2、3、4を補強する1プライ以上、図示例は2プライ6−1、6−2のラジアル配列コードのゴム被覆になるカーカス6と、カーカス6の外周でトレッド部を強化するベルト7とをえ、さらにベルト7の外周側にトレッドゴム8を有する。
図示例は乗用車用タイヤ1であり、カーカス6には有機繊維コード、例えばポリエステルコードを適用し、ベルト7には2層のスチールコード交差層と最外層にはナイロンコードの螺旋巻回になるキャッププライとを適用する。
【0020
タイヤ1を規格が定める適用リム(図示省略)に組み付け、これに規格が定める最大負荷能力に対応する空気圧を充てんし、タイヤ1と適用リムとの組立体(図示省略)を表面が平面をなす平板に対し静止させた状態で垂直方向に最大負荷能力の70%に相当する荷重Wの負荷の下で平板に押圧する。
【0021
そのときしかるべき手段、例えばトレッドゴム表面8tに遅乾性の塗料を塗布し、ケント紙のように比較的高い引張強度をもち紙厚が比較的厚い紙でかつ塗料の転写可能な紙を平板上に固定する手段を用い、トレッドゴム表面8tの接地状態をあたかもプリントしたように正確に再現させ得る、いわゆるフットプリントを採る。このフットプリントの転写部分を縁取りしたのが図2、図6及び図9に示す接地形状転写図である。まず図2、図6及び図9を用いて説明する。
【0022
以下述べるところは図1に示すトレッドゴム表面8tの接地形状転写図をタイヤ1に当てはめ用いることとし、換言すればこれらの図はいずれもタイヤ1の真上からのトレッド部4の接地面透視図と見て、荷重Wの負荷の下の接地状態におけるトレッド部4は、図2及び図6に示すところで、タイヤ赤道面E寄り両側にそれぞれ1本の直状のトレッド周方向中央溝11と、その両側に1本宛の直状のトレッド周方向側方溝12とを有し、図9に示すところで、タイヤ赤道面E上に1本の直状のトレッド周方向中央溝13と、図2及び図6と同様に1本宛の直状のトレッド周方向側方溝12とを有する。図示例はいずれも直状溝であるがジグザグ状溝、湾曲状溝であっても良い。
【0023
トレッド部4はさらに中央溝11、13の両側で互いに「ハ」の字状に末広がりをなして延び側方溝12に開口する傾斜溝14と、傾斜溝14から枝分かれし傾斜溝14と同じ向きに延び側方溝12に開口する傾斜枝溝15と、側方溝12に開口しそこからトレッド部4の端に開口する複数本の傾斜溝16とを有する。
傾斜溝16は傾斜溝14及び傾斜枝溝15と同じ向きに傾斜する。
【0024
以上から明らかなように、これらの例のタイヤ1は回転方向指定のトレッドパターンを有し、図2、図6及び図9ではタイヤ1での回転方向を矢印Dにて示す。
なお図2、図6及び図9は接地形状転写図であるからタイヤ1の荷重負荷転動では図2、図6及び図9の下方が接地の踏込み側であり上方が蹴出し側となる。
【0025
ここでJATMA規格が定義するトレッド部4の接地幅Wcは、平板との接触面におけるタイヤ1の軸方向最大直線距離であり、この接地幅Wcを図2、図6及び図9に示す。ここでタイヤ赤道面Eを含みタイヤ回転軸(図示省略)方向に接地幅Wcの30%幅をもつ領域を中央領域Rcと定め、その両側領域をショルダ領域Rsと定め、トレッドゴム8を3領域に分ける。
図1ではタイヤ1を適用リム(図示省略)に組み付け、これに前に述べた最大負荷能力に対応する空気圧を充てんしたとしたものとして中央領域Rcに相当する領域RcUを示した。最後尾の符号Uは無荷重状態を意味し、以下同じである。
【0026
まず図2〜図5を参照して、中央領域Rcの少なくとも一部領域A(図2の例は一部領域)に、最大負荷能力に対応する空気圧を充てんしたタイヤ1のトレッドゴム表面8tからの段下がり部9を設けるものとし、段下がり部9の幅Aの接地幅Wcに対する比A/Wcの値は0.05以上とする。比A/Wcの値の上限は言うまでもなく0.3である。
【0027
図3に示す段下がり部9は図2に示すように中央領域Rcに配置した2本の中央溝11に挟まれる全領域幅AUにわたり設けた例(中央溝11に沿う一方側で該溝11に連結させて設けた例)、図4に示す段下がり部9は2本の中央溝11に代わり図9に例示する中央溝13の両側に設けた例(中央溝13に沿う両方側で該溝13に連結させて設けた例)であり、このときの段下がり部9の幅AUは中央溝13を跨ぐ幅とする。そして図5に示す段下がり部9は溝が存在しない部位のトレッドゴム8に設けた例である。
【0028
これら段下がり部9は、図2に示すように、タイヤ赤道面Eに沿う向きの接地長さ方向での両端部が、段下がり部9に隣り合うトレッドゴム8の表面の接地長さより短い接地長さを有する。
換言すれば段下がり部9はタイヤ1の最大負荷能力の70%に相当する荷重Wの負荷の下で路面(平板)と必ず接触するものとする一方、接地長さ方向での両端部長さが隣り合うトレッドゴム8の表面の接地長さより短いので、タイヤの荷重W負荷転動の下で路面との間で必ず擦れ合い接触する。この擦れ合い接触はタイヤ1の進行方向(転動方向)とは逆向きの力、すなわちタイヤ1に対し制動力をもたらす。換言すれば段下がり部9は制動力発生領域となる。
【0029
なぜならトレッドゴム8の溝11〜16を除く陸部の一部に段下がり部9が存在すると、段下がり部9はそのタイヤ半径が残余陸部のタイヤ半径より小さく、従って動的負荷半径(規格による)が小さいので、転動距離も段下がり部5を除く残余陸部のそれに比しより短くなる性質、すなわち(残余陸部の転動距離)−(段下がり部9の転動距離)=ΔDi(プラス値)となる性質を有し、しかもタイヤ1の転動距離は残余陸部が支配するので、結局段下がり部9は路面との間で引きずられ擦れ合い接触し、進行方向と逆方向の制動力をタイヤ1に作用させるからである。
【0030
この点で段下がり部9は先に述べた空気圧充てんタイヤ1への荷重Wの負荷の下で必ず路面と接触する部分を有することが重要であり、この意味合いで段下がり部9は段下がり陸部を形成するものである。
【0031
次に図6〜図8を参照して、中央領域Rcの少なくとも一部領域(図6の例は一部領域)にタイヤ1の回転軸方向に延びる複数本の細溝又は複数本のサイプ又は複数本の細溝と複数本のサイプとの混在のいずれかを配設する。これら複数本の細溝、複数本のサイプ、複数本の細溝と複数本のサイプいずれかをえる領域のタイヤ1の回転軸方向幅Bの接地幅Wcに対する比B/Wcの値は0.05以上とする。比B/Wcの値の上限は言うまでもなく0.3である。
図6では細溝10の例を示し、以下この細溝10を代表として説明する。
【0032
図7に示す細溝10は、図6に示すように中央領域Rcに配置した2本の中央溝11に挟まれる全領域幅BUにわたり設けた例(各中央溝11の一方側で該溝11に連結開口させて設けた例)、そして図8に示す幅BUをもつ細溝10は溝が存在しない部位のトレッドゴム8に設けた例である。図6〜図8に示す細溝10は互いに隣り合う細溝10により陸部をトレッド周方向に分断した陸部9aを形成する。
【0033
次に図9及び図10を参照して、細溝10はタイヤ赤道面E上の1本の直状の中央溝13に連結開口して該溝13の両側に張り出す配置になり、この場合の細溝10を備える領域幅Bは図9に示すようにタイヤ回転軸方向両端間の距離である。図示例の細溝10はタイヤ回転軸方向に揃う配置になるが、互い違いの配置とすることもできる。いずれの場合も領域幅B内の細溝10による分断陸部9aは中央溝13の両側に位置することになる。
【0034
以上述べた領域幅Bに細溝10を設けることにより、先に述べた空気圧を充てんしたタイヤ1の荷重W負荷転動下で、接地時に細溝10が閉じることにより実質上分断陸部9aの周長が短くなり転動速度が低下することから領域幅Bは制動力発生領域として働き、タイヤ1に制動力を作用させる。しかしより大きな制動力を発生させるためには、図11、図12に基づき以下述べるような手段を細溝10に施すのが有効である。
【0035
図11は、先に述べた空気圧充てんタイヤ1の無荷重におけるトレッド部4の領域幅Bにおける一部断面図であり、図11において、細溝10の切り込み縁を通るトレッドゴム表面8tの法線VLを含む面に対し細溝10を傾斜角度αで傾斜させ、かつ細溝10の傾斜方向は細溝10の切り込み底10bからトレッドゴム表面8tに向けタイヤ回転方向Dと同じ方向とする。このときは回転方向指定のトレッドパターンを有するタイヤ1が適合する。
【0036
図12は、図11に示す傾斜角度αをもつ細溝10が形成する分断陸部9aそれぞれが、分断陸部9aの分断に沿う鈍角側縁に面取り部Y(丸にて囲んだ部分)を有することを示し、図示例の面取り部Yは断面が半径rの円弧になり、その他図示は省略したが断面が直線である場合、複数曲率半径の円弧からなる複合曲線である場合及び曲線と直線との複合曲線である場合のいずれもが適合する。この面取り部Yは細溝10の傾斜角度α=0°の場合でも設けることが可能で、そのときはタイヤの荷重Wの負荷転動時に後から接地する蹴出し側分断陸部9aの細溝10縁に面取り部Yを設ける。以上から明らかなように面取り部Yを設けるのは回転方向指定のトレッドパターンを備えるタイヤ1である。
【0037
図13は、図11に示すトレッド部4の平坦路面Sへの前記接地状態をあらわす説明図であり、図13において、タイヤ1への空気圧充てん荷重無負荷状態での細溝10(二点鎖線で示す)は、タイヤ1への荷重Wの負荷により実線で示すように傾斜角度αの値が増加するように、換言すれば分断陸部9aの傾斜度合いが増加するように倒れ込み変形しようとする。
【0038
しかしこの場合も部分荷重ΔW(ΣΔW=W)が作用する各分断陸部9aのトレッドゴム表面8tは接地面Sとの間の摩擦接触により動きが拘束されるため分断陸部18の倒れ込み変形はこの拘束の範囲内のところで抑制される。この抑制は接地面Sに対し鈍角をなす細溝壁面の溝縁10e近傍ほど大きく、この抑制の反力としてのせん断力Sbが分断陸部9aにもたらされ、せん断力Sbの方向は図13に矢印で示すようにタイヤ1の回転方向Dと逆向きである。結局各分断陸部9aの合計せん断力ΣSbはタイヤ1に対する制動力となり、領域幅B内のトレッドゴム8は制動力発生領域となる。
【0039
図14は、図12に示すトレッド部4の平坦路面Sへの前記接地状態をあらわす説明図であり、図14において、トレッド部4の分断陸部9a(二点鎖線で示す)はタイヤ1への負荷荷重Wがもたらす接地圧により実線で示すような潰れ変形を生じる。ところが所定配合になる加硫ゴム、ここではトレッドゴム8は非圧縮性の特性を有しているので、潰れ変形時に接地面Sでも拡張しようとする傾向を有し、この拡張傾向は分断陸部9aの細溝10の溝縁部において特に顕著である。
【0040
しかし部分荷重ΔW(ΣΔW=W)が作用する各分断陸部9aのトレッドゴム表面8tは接地面Sとの間の摩擦接触により動きが拘束されるため拡張変形は抑制される。その結果分互いに隣り合う二本の細溝10の溝縁近傍で互いに向かい合う、タイヤ赤道面Eに平行な反対方向のせん断力Scrが分断陸部9aに働く。
【0041
しかしトレッド部4の接地状態で、分断陸部9aの鈍角をなす一方の細溝壁面の溝縁にのみ面取り部Yを有し、他方の細溝壁面の溝縁が鋭角部を有する場合は、面取り部Yのゴム潰れ反力が鋭角部のゴム潰れ反力に比し低減して相互に反対方向のせん断力Scrの均衡が崩れ、面取り部Y側の破線矢印で示すせん断力Scrが鋭角部側の実線矢印で示すせん断力Scrに比しより低減し、これにより各分断陸部9aは全体としてタイヤ1の回転方向Dとは反対向きのせん断力を発生する。このせん断力は細溝10の傾斜角度α=0°の場合でもやや小さくなるが発生する。このせん断力もまた制動力としてタイヤ1に作用し、結局この種の制動力と細溝10に傾斜角度αを付すことによる制動力との和として領域幅B内にトレッドゴム8の制動力発生領域が形成されることになる。
【0042
さて先に説明したように、小さな偏平率をもつ従来タイヤ20、特に60%以下の偏平率をもつタイヤ20は、図18、図19に示すような登り勾配の傾斜路面ISを走行する場合に、タイヤ20への垂直負荷荷重Wにより傾斜路面ISの登り勾配上方になればなる程より強くトレッドゴム23が傾斜路面ISに押圧され、登り勾配下方では寧ろ傾斜路面ISから浮き気味にさえなる。その結果荷重W負荷の下で傾斜路面ISを走行するタイヤ20には登り勾配方向に横力Fyが作用することは先に述べた通りである。この傾斜路面IS上のトレッド部踏面23tの接地状態に相当する接地形状図を図20に示す。
【0043
図20は、先に記述した空気圧を充てんしたタイヤ20を最大負荷能力の70%に相当する荷重W負荷の下、キャンバー角度10°で平板に押圧したときの接地部縁取り図である。
図20に示す接地部縁取り図と同じ条件下でのタイヤ20の水平平坦路面の接地状態を同じくフットプリントの接地部縁取り図として図21に示す。図20、図21に示す符号Eはタイヤ赤道面上の線に相当する赤道線である。
図20に示す接地部縁取り図はオーバーオールで見て概ね台形形状をなし、しかも殆どタイヤ赤道線Eから片側のトレッド部踏面23tのみが接地しているありさまを示す一方、図21に示す接地部縁取り図はオーバーオールで見てタイヤ赤道線Eを中心軸とする概ね長円形形状をなしているのが分かる。
【0044
上述したトレッド部4の接地状態はタイヤ1の場合でも同様であり、よって荷重W負荷の下で傾斜路面IS を走行するタイヤ1にも登り勾配方向に横力Fy(図18、図19参照)が作用するのも同様であるが、傾斜路面IS 走行タイヤ1には、図2に示すフットプリント最外側縁取りを連ねる線図である図15及び図6、図9それぞれに示すフットプリント最外側縁取りを連ねる線図である図16を参照して、段下がり部9の領域幅Aのトレッドゴム8に発生する制動力Fxb、細溝10の領域幅Bのトレッドゴム8に発生する制動力Fxbそれぞれが作用し、これら制動力Fxbは、図15、16に示す線図の図形の重心(図心)を通りタイヤ1の半径方向に延びる軸Z周りに矢印の向きの復元モーメントMzを生起させる点においてタイヤ1は従来タイヤ20と著しく異なる。
【0045
この復元モーメントMzは横力Fyを相殺するように働き、横力Fyのベクトル量を低減するか、ほぼゼロとするか、場合により僅かにマイナスとし、これによりタイヤ1は傾斜路面Isにトレッド部4の一部が乗り上げてもドライバの意図に反してタイヤ1が傾斜路面Isを駆け登る程の挙動を示すことはなく、その結果轍路面のような凹部が形成された路面の直進走行安定性は顕著に改善される。
【0046
ここに中央領域Rcの範囲を定めるための前記空気圧、前記荷重Wの条件は実車における使用条件に近い条件として設定したものであり、中央領域Rcの幅を接地幅Wcの30%としたのは、中央領域Rcが接地幅Wcの30%を超えるとタイヤが傾斜面を転動するとき、図15、16を参照して、中央領域Rcも片接地状態を呈する結果、中央領域Rcから発生する制動力Fxbの着力点がタイヤ赤道線Eに対し登り勾配側に距離をもつようになり、復元モーメントMzを減殺することになる理由に基づく。また領域幅A、Bの接地幅Wcに対する比A/Wcの値及び比B/Wcの値をそれぞれ0.05以上としたのは、0.05未満では十分な制動力Fxbを得ることができないからである。比A/Wcの値及び比B/Wcの値それぞれの上限値は0.3であることは勿論である。
【0047
また段下がり部9とそれに最も近いトレッドゴム表面8tとの間の段差量δ(図3〜図5参照)は実用上0.1〜1.0mmの範囲内が適合し、段差量δが0.1mm未満では十分な制動力Fxbを得ることができず、また1.0mmを超えると段下がり部9の十分な接地を得ることができずさらに接地すらしなくなるので、いずれも不可である。この段差量δの測定は、図3〜図5を参照して、段下がり部9に最も近いトレッドゴム表面8tの輪郭曲線の曲率半径R1、R2のうち最も大きな曲率半径をもつ円弧で内挿した、タイヤ1の半径方向外側に向け凸をなす1個の曲率半径Rをもつ仮想曲線(図では2点鎖線で示す)と段下がり部表面輪郭線との間の距離による。
【0048
また面取り部Yの曲率半径r及び細溝10への最大切落し高さは0.5〜3mmの範囲内が適合する。なぜなら0.5mm未満では実際上先に述べた効果を得ることができず、3mmを超えると分断陸部9aの接地面積が減少し過ぎて却って効果が減殺され過ぎ、いずれも不可である
【0049
法線VLを含む面に対する細溝10の傾斜角度αは0°でも制動力Fxbを発生させることができ、この制動力Fxbによる復元モーメントMzをタイヤ1に作用させることができるが、より大きな制動力Fxbと復元モーメントMzとを得るには細溝10の傾斜角度αを3°以上とするのが有効である。傾斜角度αの値が大きい程良好な結果を得ることができる反面、値が大き過ぎるとタイヤ製造時の加硫成形工程における釜抜け性に問題が生じるので、上限は30°に止めるのが良い。
【0050
さらに段下がり部9及び細溝10をタイヤ1の回転軸方向へ互いに離隔させ複数箇所設けることができるが、そのときは一例として図4、図9、10に示すようにトレッド周方向溝13を介して設けるのが良い。それは複数の段下がり部9又は細溝10に挟まれるトレッドゴム表面8tには駆動方向のせん断力が発生し、これが制動力Fxbを減殺するので、この不具合を回避するためである。
なお制動力Fxb発生源領域A、Bは、タイヤの車両への装着姿勢で外側乃至内側が任意であるタイヤ1の場合はタイヤ赤道面Eの両側に等分に振り分けるのが好ましく(図1〜図10に示したもの)、外側指定乃至内側指定タイヤ1の場合は中央領域Rcの範囲内でタイヤ赤道面Eから偏らせ、成るべく傾斜路面Isでのトレッド部4の接地図形の重心からの距離を長くするのが得策である。
【0051
以上述べたところを要約すれば、トレッド部4の中央領域Rcの少なくとも一部領域A、Bのトレッドゴム8に制動力Fxb発生源領域を形成することにより、登り勾配の傾斜路面Isを転動するタイヤ1に横力Fyを減殺する復元モーメントMzを作用させることができ、これにより登り勾配傾斜路面Isを安定して走行することができ、凹部形成路面での直進走行安定性に優れるタイヤ1を得ることができるということである。
【0052
【実施例】
乗用車用ラジアルプライタイヤで、サイズが235/45ZR17であり、構造は図1に従い、2プライのラジアル配列ポリエステルコードのゴム被覆になるカーカス6と、2層のスチールコード交差層とナイロンコードのキャッププライ層とのベルト7とを備える。トレッド部4の接地幅Wcは187mm、中央領域Rcの幅は55mmである。
【0053
比較例のタイヤは、図2に示すフットプリントに対応するトレッドパターンを備え、段下がり部9の領域幅A=20mmとし、
実施例のタイヤは、図6に示すフットプリントに対応するトレッドパターンを備え、領域幅B=20mmとし、図11に示す傾斜細溝10を有し、その溝幅は1.0mmであり、傾斜角度α=10°とし、
実施例のタイヤは、図6に示すフットプリントに対応するトレッドパターンを備え、領域幅B=20mmとし、図12に示す傾斜細溝10を有し、その溝幅は1.0mmであり、傾斜角度α=10°とし、面取り部Yの断面はr=2.0mmとし、
実施例のタイヤは、図9に示すフットプリントに対応するトレッドパターンを備え、図10に示す中央溝13と細溝10とを備え、中央溝13の幅は11.6mm、その両側の細溝10の長さ=10mm×2とし、細溝10の溝幅=1.0mmとした。
【0054
上記のフットプリントはいずれも、JATMA規格(1998年版)が定める適用リムのうちの標準リム8JJにタイヤ1を組み付け、これにJATMA規格(1998年版)に記載されている最大負荷能力650kg(質量)に対応する空気圧240kPa を充てんし、最大負荷能力650kg(質量)の70%に相当する荷重450kgf を負荷したときのトレッド部4の接地形状であり、接地幅Wcはこれより求めた。
【0055
実施例および比較例のタイヤに対し、図17に示すフットプリントに対応するトレッドパターンを備え、領域幅A(段下がり部9)及び領域幅B(細溝10)を有していない他は全て実施例および比較例のタイヤに合わせた従来例タイヤを準備し、実施例、比較例および従来例のグループにつき、諸元を含む段下がり部9の有無、諸元を含む細溝10の有無、諸元を含む面取り部Yの有無及び対応フットプリント図面番号を表1に示す。
【0056
【表1】
Figure 0004118390
【0057
実施例1〜3、比較例および従来例のタイヤを供試タイヤとし、前記リム及び空気圧を用いて下記2項目の試験を下記試験条件の下で実施した。
(1)キャンバースラストFcの測定:フラットベルト式室内試験機を用い、ベルト速度を60km/hとし、このベルトに各供試タイヤをキャンバー角度5°の下で最大負荷能力650kgの70%に相当する荷重450kgf で押圧し、キャンバースラストFcを測定した。測定結果は比較例を100とする指数にてあらわすものとした。値は小なる程良い。
(2)実車による直進走行安定性のテスト:個々の供試タイヤを国産乗用車2500ccクラスのFR車の全輪に装着し、前席に2名乗車し轍を形成した乾燥アスファルトのテスト路面を100km/hの速度で走行したときのワンダリング現象発現度合い、すなわち直進走行安定性をテストドライバのフィーリングにより10点満点で評価した。評点は大きいほど良い。
以上の2項目のテスト結果を表1の下側に示す。
【0058
表1に示すテスト結果から、実施例1〜のタイヤいずれも、従来例のタイヤに比しキャンバースラストFc発生量が著しく低減し、実車による乾燥轍路面走行試験における直進走行安定性が格段に優れていることがわかり、実施例1〜のタイヤそれぞれを詳細に比較すれば、キャンバースラストFc低減及び直進走行安定性向上について、細溝10の傾斜効果が大きく、分断陸部9a面取り部Yの効果はさらに一層大きく、これらに加え領域幅Bに中央溝13を設ける効果が最良であることがわかる。
【0059
【発明の効果】
この出願の請求項1〜に記載した発明によれば、轍に代表されるような両側に登り勾配の傾斜面を有する凹部が形成されている路面走行でのワンダリング現象の発生が抑制され、その結果高速での直進走行安定性に優れる、特に偏平率が60%以下の高性能ラジアルタイヤと呼ばれる空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る技術的課題の解決手段例を示すタイヤの左半断面図である。
【図2】 図1に示すトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図である。
【図3】 図2のIII − III線に沿うトレッド部の拡大断面図である。
【図4】 図3に示すトレッド部の変形例を示す拡大断面図である。
【図5】 トレッド部の他の変形例を示す拡大断面図である。
【図6】 図2〜図5に示すトレッド部と異なるトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図である。
【図7】 図6VII − VII線に沿うトレッド部の拡大断面図である。
【図8】 図7に示すトレッド部の変形例を示す拡大断面図である。
【図9】 さらに他のトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図である。
【図10】 図9X − X線に沿うトレッド部の拡大断面図である。
【図11】 この発明に係るタイヤの実施形態を示すものであって、図6及び図9に示す接地形状を有するトレッド部のタイヤ赤道面と平行な平面による要部の一部断面図である。
【図12】 図11に示す要部の変形例になる、要部の一部断面図である。
【図13】 図11に示すトレッド部の平坦路面への接地状態の説明図である。
【図14】 図12に示すトレッド部の平坦路面への接地状態の説明図である。
【図15】 傾斜路面走行タイヤの図2に示すフットプリント最外側縁取り線図である。
【図16】 傾斜路面走行タイヤの図、図に示すフットプリント最外側縁取り線図である。
【図17】 従来タイヤのトレッド部のフットプリントによる接地形状転写図である。
【図18】 傾斜路面を走行するタイヤの正面図又は背面図である。
【図19】 図8に示すタイヤの部分拡大断面図である。
【図20】 図18及び図19に示すタイヤをキャンバー角度10°で平板に押圧したトレッド部のフットプリントの接地部縁取り図である。
【図21】 図20に示すタイヤを平板へ垂直に押圧したトレッド部のフットプリントの接地部縁取り図である。
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
4t 踏面
5 ビードコア
6 カーカス
6−1、6−2 カーカスプライ
7 ベルト
8 トレッドゴム
8t トレッドゴム表面
9 段下がり部
9a 分断陸部
10 細溝
10b 細溝の切り込み底
11、13 トレッド周方向中央溝
12 トレッド周方向側方溝
14、16 傾斜溝
15 傾斜枝溝
E タイヤ赤道面
Wc 接地幅
Rc 中央領域
Rs ショルダ領域
D タイヤ回転方向
δ 段下がり部の段差量
Y 面取り部
VL 垂線
α 細溝の垂線VLに対する傾斜角度
S 傾斜路面
S 平板表面
Fc キャンバースラスト
Fy 横力
Scr、Sb せん断力
Fxb タイヤへの制動力
Z 図形の重心を通るタイヤ半径方向軸
Mz 復元モーメント

Claims (3)

  1. 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状トレッド部とを有し、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとをえる空気入りラジアルタイヤにおいて、
    上記タイヤの最大負荷能力に対応する空気圧を充てんしたタイヤを前記最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷の下で平板に垂直に押圧したトレッド部の接地状態にて、
    トレッド部のトレッドゴムを、タイヤ赤道面を含み接地幅(Wc)の30%幅をタイヤ回転軸方向に有する中央領域と、その両側のショルダ領域との3領域に分けた、その中央領域の少なくとも一部領域が、タイヤの回転軸方向に延びる複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方をえ、
    かつ上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方をえる領域のタイヤ回転軸方向幅(B)の上記接地幅(Wc)に対する比(B/Wc)の値が0.05以上であり、
    トレッド部に回転方向指定のトレッドパターンを有し、タイヤへの無荷重の下で、上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方は、その切込み縁を通るトレッドゴム表面の法線を含む面に対し3°以上の角度で傾斜させ、その傾斜をそれぞれ切込み底からトレッドゴム表面に向けタイヤの回転方向と同じ方向としてなる空気入りラジアルタイヤ。
  2. 上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方に直交する平面による断面にて、細溝及びサイプの少なくとも一方が分断するトレッドゴム陸部の該分断に沿う鈍角側縁が面取り部を有する請求項に記載した空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記トレッドゴムの中央領域にトレッド周方向溝をえ、該溝に沿う少なくとも一方側で該溝に連結開口する上記複数本の細溝及びサイプの少なくとも一方を有する請求項1もしくは2に記載した空気入りラジアルタイヤ。
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