JP4092840B2 - 画像形成材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性光により可溶化する、いわゆるポジ型の画像形成層を有する画像形成材料及びその製造方法に関し、更に詳しくは半導体レーザー等の赤外線による露光で画像形成されるポジ型感光性平版印刷版等に適した画像形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成材料、とりわけポジ型感光性平版印刷版は、一般的にアルミ製の支持体上に、ノボラック樹脂をバインダーとした画像形成層を塗布して得られている。このような感光性平版印刷版は、印刷作業時でのクリーナー拭き作業により、次第に画像部の画像形成層が溶けたり、支持体から剥がれたりする場合がある。このような薬品への耐性を上げるため、バインダー樹脂としてアクリル樹脂系樹脂を併用することが知られている。しかし、その方法では耐薬品性の向上が充分とは言えなかった。また、感光性平版印刷版では、不必要な画像や削除訂正が必要な画像部が生じることがあって、修正することが必要となる。このような不要な画像部を除去する修正剤が、特開昭54−89806号や特公平5−2231号に記載されている。しかし、このような修正剤を用いても、塗られた修正液の周囲に線状にインクが付着する部分が生じる、いわゆる消去フリンジ汚れを完全に抑えることは出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感光性平版印刷版を用いた印刷作業時のクリーナー拭き作業による画像部の溶出、剥がれ、更には修正液使用で生じる消去フリンジ汚れを改善した画像形成材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の構成により達成された。
【0005】
1)支持体上に画像形成層を有し、該画像形成層がノボラック樹脂、赤外線吸収剤及び前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む化合物を含有し、レーザー露光により画像を形成することを特徴とする画像形成材料。
【0008】
)レーザー露光照射により露光部のアルカリ水性現像液への溶解性が変化することを特徴とする前記1)に記載の画像形成材料。
【0009】
)画像形成層中に分解することにより酸を発生する化合物及び酸の存在により分解する化合物を含有することを特徴とする前記1)に記載の画像形成材料。
【0010】
)画像形成層中に分解することにより酸を発生する化合物及び酸の存在により架橋する化合物を含有することを特徴とする前記1)に記載の画像形成材料。
【0013】
以下、本発明について詳述する。
一般式(1)において、Yで表されるカルボキシル基又はその塩で置換された基としては、具体的にはアルコキシ基、アリーロキシ基が挙げられる。以下に一般式(1)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0014】
【化3】
Figure 0004092840
【0015】
【化4】
Figure 0004092840
【0016】
【化5】
Figure 0004092840
【0017】
【化6】
Figure 0004092840
【0018】
一般式(1)の繰り返し単位は、樹脂中に1〜20mol%含まれていることが好ましく、さらに好ましくは1〜5mol%である。また画像形成層中に含まれる一般式(1)の繰り返し単位の含有量は、0.001〜0.01mmol/gである。一般式(1)の繰り返し単位に含まれるYとしては、スルホ基が好ましい。またYが酸基であるとき、塩の形で存在することが好ましい。これは画像形成層中に、酸分解性又は酸架橋性等の酸反応性の化合物を含むときに顕著で、好ましい。
【0024】
以下に、一般式(1)で示される繰り返し単位を含む化合物の比較化合物の例を記す。
【0025】
〔比較化合物R1の合成〕
100mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を25ml入れ、さらに窒素雰囲気下においてN−ヒドロキシフェニルアクリルアミド3.5g(0.023mol)、メタクリル酸メチル3.0g(0.030mol)、アクリロニトリル1.51g(0.023mol)、アゾビスイソブチロニトリル0.18gを溶解後、撹拌しながら温度を75℃に6時間保った。その後、ハイドロキノン0.004gを入れた後、エバポレーターにて減圧しながら80℃に保った。PGMが蒸留され始めたところで、減圧及び加熱をやめ、これを化合物R1のPGM溶液とした。
【0026】
以下、モノマーを下記表の組成に代えて、同様の方法で一般式(1)で示される繰り返し単位を含む化合物のC1〜Cを合成した。
【0027】
【表1】
Figure 0004092840
【0034】
本発明の赤外線吸収剤としては、波長700nm以上に吸収を持つ赤外線吸収剤、カーボンブラック、磁性粉等を使用することができる。特に好ましい赤外線吸収剤は700〜850nmに吸収ピークを有し、ピークでのモル吸光係数εが105以上の赤外線吸収剤である。
【0035】
赤外線吸収剤としては、シアニン系色素、スクワリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が挙げられる。
【0036】
又、赤外線吸収剤として、特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−103476号等に記載の化合物も挙げられる。
【0037】
本発明においては、赤外線吸収剤として、下記一般式(I)又は(II)で表されるシアニン染料が特に好ましい。
【0038】
【化9】
Figure 0004092840
【0039】
式中、Z1及びZ2は各々硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を表し、X1及びX2は各々置換基を有していてもよいベンゾ縮合環又はナフト縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、R3及びR4は各々置換基を表し、R3及びR4のどちらか一方はアニオン性解離性基を有する。R5、R6、R7及びR8は各々炭素原子数1〜3のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。Lは炭素原子数5〜13の共役結合の連鎖を表す。
【0040】
一般式(I)又は(II)で表されるシアニン色素は、前記一般式(I)又は(II)がカチオンを形成し、対アニオンを有するものを包含する。この場合、対アニオンとしては、Cl-、Br-、ClO4 -、BF4 -、t−ブチルトリフェニルホウ素等のアルキルホウ素等が挙げられる。
【0041】
一般式(I)及び(II)において、Lで表される共役結合の連鎖の炭素原子数(n)は、画像露光の光源として赤外線を放射するレーザーが使用される場合、該レーザーの発信波長に合わせて有効な値を選択することが好ましい。例えば、発信波長1060nmのYAGレーザーを使用する場合は、nは9〜13が好ましい。また、この共役結合部分は任意の置換基を有することができ、また、共役結合部分は複数の置換基により環を形成させてもよい。
【0042】
一般式(I)及び(II)において、X1で表される環及びX2で表される環には任意の置換基を有することができる。該置換基としてハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、−SO3M及び−COOM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子)から選ばれる基が好ましい。
【0043】
3及びR4は各々任意の置換基であるが、好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基若しくは炭素原子数1〜5のアルコキシ基;−((CH2n−O−)k−(CH2mOR(n及びmは各々1〜3の整数、kは0又は1、Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。);R3及びR4の一方が−R−SO3Mで他方が−R−SO3 -(Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金属原子を表す);又はR3及びR4の一方が−R−COOMで他方が−R−COO-(Rは炭素原子数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金属原子を表す。)である。R3及びR4は感度及び現像性の点から、R3及びR4の一方が−R−SO3 -又は−R−COO-、他方が−R−SO3M又は−R−COOMであることが好ましい。
【0044】
一般式(I)又は(II)で表されるシアニン色素は、画像露光の光源として半導体レーザーを使用する場合は750〜900nmにおいて、YAGレーザーを使用する場合は900〜1200nmにおいて吸収ピークを示し、ε>1×105のモル吸光係数を有するものが好ましい。
【0045】
一般式(I)又は(II)を含め、本発明に用いられる赤外線吸収剤の代表的具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
【化10】
Figure 0004092840
【0047】
【化11】
Figure 0004092840
【0048】
【化12】
Figure 0004092840
【0049】
【化13】
Figure 0004092840
【0050】
【化14】
Figure 0004092840
【0051】
【化15】
Figure 0004092840
【0052】
【化16】
Figure 0004092840
【0053】
【化17】
Figure 0004092840
【0054】
【化18】
Figure 0004092840
【0055】
【化19】
Figure 0004092840
【0056】
【化20】
Figure 0004092840
【0057】
【化21】
Figure 0004092840
【0058】
【化22】
Figure 0004092840
【0059】
【化23】
Figure 0004092840
【0060】
赤外線吸収剤の添加量は0.01〜10質量%で、好ましくは0.1〜5質量%である。
【0061】
これらの赤外線吸収剤は、勿論、公知の方法によって合成することができるが、下記のような市販品を用いることもできる。
【0062】
日本化薬:IR750(アントラキノン系);IR002、IR003(アルミニウム系);IR820(ポリメチン系);IRG022、IRG033(ジインモニウム系);CY−2、CY−4、CY−9、CY−10、CY−20三井東圧:KIR103、SIR103(フタロシアニン系);KIR101、SIR114(アントラキノン系);PA1001、PA1005、PA1006、SIR128(金属錯体系)
大日本インキ化学:Fastogen blue8120
みどり化学:MIR−101、1011、1021
その他、日本感光色素、住友化学、富士写真フイルム等の各社からも市販されている。
【0063】
本発明において、分解することにより酸を発生する化合物(以下、酸発生剤という)として、有機ハロゲン化合物が赤外線露光による画像形成における感度及び画像形成材料の保存性の面から好ましい。該有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン置換アルキル基を有するトリアジン類及びハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類が好ましく、ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類が特に好ましい。
【0064】
ハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類の具体例としては、特開昭54−74728号、同55−24113号、同55−77742号、同60−3626号及び同60−138539号等に記載の2−ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール系化合物が挙げられる。2−ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール系酸発生剤の好ましい化合物例を下記に挙げる。
【0065】
【化24】
Figure 0004092840
【0066】
上記ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリアジン類としては、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
【0067】
【化25】
Figure 0004092840
【0068】
一般式(III)において、Rはアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよいフェニルビニレン基又はアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)若しくはその置換体を表し、Xはハロゲン原子を表す。一般式(III)で表されるs−トリアジン系酸発生剤の化合物例を次に示す。
【0069】
【化26】
Figure 0004092840
【0070】
【化27】
Figure 0004092840
【0071】
本発明において酸発生剤の含有量は、その化学的性質及び本発明の画像形成材料の画像形成層の組成あるいは物性によって広範囲に変えることができるが、画像形成層の固形分の全質量に対して約0.1〜20質量%の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。
【0072】
本発明に用いられる酸の存在により分解する化合物(以下、酸分解化合物という)としては、具体的には特開昭48−89003号、同51−120714号、同53−133429号、同55−12995号、同55−126236号、同56−17345号に記載されているC−O−C結合を有する化合物、特開昭60−37549号、同60−121446号に記載されているSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60−3625号、同60−10247号に記載されているその他の酸分解化合物。さらにまた特開昭62−222246号に記載されているSi−N結合を有する化合物、特開昭62−251743号に記載されている炭酸エステル、特願昭60−251744号に記載されているオルト炭酸エステル、特開昭62−280841号に記載されているオルトチタン酸エステル、特開昭62−280842号に記載されているオルトケイ酸エステル、特開昭63−10153号に記載されているアセタール及びケタール、特開昭62−244038号に記載されているC−S結合を有する化合物などが挙げられる。
【0073】
上記のうち、前記特開昭53−133429号、同56−17345号、同60−121446号、同60−37549号、同63−10153号及び特願昭60−251744号に記載されているC−O−C結合を有する化合物、Si−O−C結合を有する化合物、オルト炭酸エステル、アセタール類、ケタール類及びシリルエーテル類が好ましい。
【0074】
それらの中でも、特開昭53−133429号に記載された主鎖中に繰り返しアセタール又はケタール部分を有し、現像液中でのその溶解度が酸の作用によって上昇する有機重合化合物、及び特開昭63−10153号に記載の下記構造単位
【0075】
【化28】
Figure 0004092840
【0076】
を有し、酸により分解し得る化合物が特に好ましい。
本発明に用いられる酸分解化合物の具体例としては、前記各公報及び明細書に記載された化合物を挙げることができる。また、該化合物の合成方法は、前記各公報及び明細書に記載されている。
【0077】
本発明において酸分解化合物として、−(CH2CH2O)n−基(nは2〜5の整数を表す)を有する化合物が、感度及び現像性のバランスの点から好ましい。また、該化合物のうちエチレンオキシ基の連鎖数nが3又は4の化合物が特に好ましい。上記−(CH2CH2O)n−基を有する化合物の具体例としては、ジメトキシシクロヘキサン、ベンズアルデヒド及びそれらの置換誘導体と、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコールのいずれかとの縮合生成物が挙げられる。
【0078】
また、本発明において酸分解化合物として、下記一般式(IV)で表される化合物が感度及び現像性の点から好ましい。一般式(IV)において、R、R1及びR2が表すアルキル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられ、スルホ基及びカルボキシル基はその塩を包含する。一般式(IV)で表される化合物のうち、m及びnが1又は2である化合物が特に好ましい。一般式(IV)で表される化合物は公知の方法で合成することができる。
【0079】
【化29】
Figure 0004092840
【0080】
本発明において、酸分解化合物の含有量は、画像形成層を形成する組成物の全固形分に対し、5〜70質量%が好ましく、特に好ましくは10〜50質量%である。酸分解化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0081】
本発明において、酸の存在に架橋する化合物(以下、酸架橋化合物という)としては、官能基としてアルコキシメチル基、メチロール基、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するアミノ化合物、例えばヘキサメチロールメラミン、メラミン誘導体(ヘキサメトキシメチル化メラミン(三井サイアナミッド(株)製サイメル300シリーズ(1)等))、ベンゾグアナミン誘導体(メチル/エチル混合アルキル化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイアナミッド(株)製サイメル1100シリーズ(2))等)、グリコールウリル誘導体(テトラメチロールグリコールウリル(三井サイアナミッド(株)製サイメル1100シリーズ(3))等)、また、官能基としてアルコキシメチル基、メチロール基、アセトキシメチル基等を有する少なくとも2置換の芳香族化合物、例えば1,3,5−トリアセトキシメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラアセトキシメチルベンゼン等が挙げられ、これらはPolym.Master.Sci.Eng.,64,241(1991)に記載の手法により合成することができる。
【0082】
酸架橋化合物として、上記に加えてレゾール樹脂及びフラン樹脂も使用することができる。さらに、以下に示す単量体を含む単量体から合成されるアクリル樹脂を使用することができる。
【0083】
N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ビニルベンジルアルコール、α−メチルビニルベンジルアルコール、ビニルベンジルアセテート、α−メチルビニルベンジルアセテート、ビニルフェネチルアルコール、α−メチルビニルフェネチルアルコール、ビニルフェネチルアセテート、α−メチルビニルフェネチルアセテートのいずれかを1〜50モル%、好ましくは5〜30モル%共重合体させる態様である。
【0084】
本発明の酸架橋化合物の含有量は、画像形成層を形成する組成物の全固形分に対し、5〜60質量%が好ましく、特に好ましくは10〜30質量%である。酸架橋化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0085】
本発明には紫外線吸収剤としては、公知の種々のものを用いることができ、例えばサルチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等が挙げられるが、これらの具体的な若干例を以下に示す。
【0086】
p−tert−ブチルフェニルサリシレート
p−オクチルフェニルサリシレート
フェニルサリシレート
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
2−ヒドロキシ−4−オクトキベンゾフェノン
2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール
2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−ベンゾトリアゾール
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α′ジメチルベンジルフェニル))−5−クロロベンゾトリアゾール
これらの紫外線吸収剤のうち好ましいものは、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系のものである。
【0087】
これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。紫外線吸収剤の添加量は、使用するレーザー光源(吸収波長、強度)を考慮して選択されるが、本発明においては、1m2当たり0.01〜10gの範囲とすることが好ましく、特に好ましくは0.1〜5gの範囲である。
【0088】
また本発明には可視画性染料として、画像形成層に下記一般式(V)〜(VIII)で表される化合物を含有することができる。
【0089】
【化30】
Figure 0004092840
【0090】
一般式(V)〜(VIII)において、R1〜R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルヒドロキシ基、アルキルオキシ基を表し、Xはハロゲン原子、アニオン分子、Yは硫黄原子、酸素原子を表す。
【0091】
1〜R3のアルキル基としては炭素数1〜5の直鎖或いは分岐のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜3である。又、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましく、アルキルヒドロキシ基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基が好ましく、アルキルオキシ基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基が好ましい。Xはハロゲン原子、アニオン分子であり、ハロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、又アニオン分子としてはスルホン酸、1/2ZnCl2等が好ましいが、特に制限はない。
【0092】
一般式(V)〜(VIII)で表される化合物の画像形成層への添加量は、固形分全体に対して0.1質量以上、10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量以上、5質量%以下である。
【0093】
これら一般式(V)〜(VIII)で表される化合物の露光波長の吸収極大は、可視画性を有するのに好ましい波長であればよく、本発明においては赤外露光系を対象としているのでこの領域の波長を吸収しない波長であれば制限はない。しかし400〜700nmの波長に感応することが、本発明の効果を奏する上で非常に好ましい。
【0094】
以下に一般式(V)〜(VIII)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明では特にこれらに限定されるものではない。
【0095】
【化31】
Figure 0004092840
【0096】
本発明のバインダーとして機能するノボラック樹脂としては、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841号に記載されているようなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂、特開昭55−127553号に記載されているような、p−置換フェノールとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデヒドとの共重縮合体樹脂等が挙げられる。
【0097】
画像形成層にはノボラック樹脂のほかに、アクリル樹脂を含有させることができる。該アクリル樹脂はアクリル酸、メタクリル酸、又はそれらのエステル類を構成単位とする重合体であり、好ましくは下記一般式(IX)で表される単量体単位を有する重合体である。ノボラック樹脂は画像形成層に対して20〜80質量%の範囲で含有させることが好ましく、アクリル樹脂は画像形成層に対して1〜50質量%の範囲で含有させることが好ましく、5〜30質量%の範囲がより好ましい。
【0098】
【化32】
Figure 0004092840
【0099】
一般式(IX)において、R1及びR2はそれぞれ、水素原子、メチル基やエチル基等のアルキル基又はカルボキシル基を表し、好ましくは水素原子である。R3は水素原子、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子又はメチル基、エチル基等のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。R4は水素原子、メチル基やエチル基等のアルキル基、フェニル基又はナフチル基を表す。
【0100】
Yは置換基を有するものも含むフェニレン基又はナフチレン基を表し、置換基としてはメチル基やエチル基等のアルキル基、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基等が挙げられるが、好ましくは置換基を有しないか、あるいはメチル基で置換されているものである。
【0101】
Xは窒素原子と芳香族炭素原子とを連結する2価の有機基で、nは0〜5の整数を表し、好ましくはnが0のときである。
【0102】
一般式(IX)で表される構造単位を有する重合体は、さらに具体的に、例えば下記(a)〜(f)で表すことができる。
【0103】
【化33】
Figure 0004092840
【0104】
(a)〜(f)において、R1〜R5はそれぞれ水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、m、n、l、k及びsはそれぞれの構造単位のモル%を表す。
【0105】
本発明の好ましい態様として、画像形成層がノボラック樹脂及びノニオン界面活性剤を含有する態様が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。ノボラック樹脂は画像形成層に対して20〜80質量%の範囲で含有させることが好ましく、ノニオン界面活性剤は画像形成層に対して、0.01〜10質量%の範囲で含有させることが好ましく、0.1〜1.0質量%の範囲がより好ましい。
【0106】
本発明の画像形成層には、フッ素系界面活性剤を0.001〜5質量%含有させることができる。経時による非画像部の汚れ発生防止の点から好ましい。フッ素系界面活性剤としては、例えば次のような化合物が挙げられる。
【0107】
【化34】
Figure 0004092840
【0108】
フッ素系界面活性剤としては市販品を用いることもでき、例えばサーフロン「S−381」、「S−382」、「SC−101」、「SC−102」、「SC−103」、「SC−104」(いずれも旭硝子(株)製)、フロラード「FC−430」、「FC−431」、「FC−173」(いずれもフロロケミカル−住友スリーエム(株)製)、エフトップ「EF352」、「EF301」、「EF303」(いずれも新秋田化成(株)製)、シュベゴーフルアー「8035」、「8036」(いずれもシュベグマン社製)、「BM1000」、「BM1100」(いずれもビーエム・ヒミー社製)、メガファック「F−171」、「F−177」(いずれも大日本インキ化学(株)製)等を挙げることができる。
【0109】
本発明におけるフッ素系界面活性剤のフッ素含有割合は、0.05〜2%、好ましくは0.1〜1%である。また、保護層への添加量は0.001〜10%が好ましい。上記のフッ素系界面活性剤は、1種又は2種以上を併用することができ、またその他の界面活性剤と併用することができる。
【0110】
本発明の画像形成層には、画像形成層の感脂性を向上するために親油性の樹脂を添加することができる。
【0111】
上記親油性の樹脂としては、例えば特開昭50−125806号に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、例えばtブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。
【0112】
本発明の画像形成材料は、画像形成層を形成する各成分を溶媒に溶解させて、適当な支持体の表面に塗布し乾燥することにより画像形成層を設けて製造することができる。
【0113】
使用し得る溶媒として、例えばメチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0114】
感光性組成物を支持体表面に塗布する際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、スプレー塗布、エアースプレー塗布、静電エアースプレー塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途により異なるが、例えば、固形分として0.05〜5.0g/m2の塗布量が好ましい。
【0115】
本発明の画像形成材料の処理には、従来の常法が適用される。すなわち、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光し、次いで水性現像液で現像処理することにより、原画に対してネガのレリーフ像を得ることができる。露光に好適な活性光の光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ストロボ、レーザー光等が挙げられるが、本発明の感光性組成物は、アルゴンイオンレーザー等の可視光レーザーに対して十分な感度を有しており、アルゴンイオンレーザー等の可視光レーザーを用い、デジタル化された情報に基づいて走査露光するのに好ましく用いられる。
【0116】
発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能である。この場合はマスク材料を使用せず、直接書き込みを行うことができる。
【0117】
レーザーの場合には、光をビーム状に絞り、画像データに応じた走査露光が可能であるため、マスク材料を使用せず、直接書き込みを行うのに適している。またレーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
【0118】
本発明で用いられるレーザー光源は、可視光領域に発振波長を有するものであれば一般によく知られている、YAGレーザー及びYAGレーザーの第2次高調波、ガラスレーザー等の固体レーザー、He−Neレーザー、CO2レーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザー、He−Cdレーザー等の気体レーザー、その他の放電励起分子レーザー、エキシマーレーザー、化学レーザー、色素レーザー、半導体レーザー等を使用することができる。その中でも、YAGレーザーの第2次高調波、He−Neレーザー、半導体レーザー、Arイオンレーザーが好ましい。
【0119】
半導体レーザーの中では、光学効率を大幅に低下させることなく焦点において、1/e2直径数μm〜数十μmに絞り込み易いものとして、いわゆるシングルモードレーザーダイオードを用いることが好ましい。レーザー以外の光源としては発光ダイオード(LED)が挙げられる。複数の発光素子を集積したアレイとして使用しやすいものは、LEDおよび半導体レーザーである。
【0120】
光源の波長として400〜550nm前後のものが求められるときは、半導体レーザーまたはYAGレーザーと非線形光学効果を有する素子を組み合わせて、半波長に変換することも可能である。
【0121】
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラム内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより、円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとFθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査および円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。円筒外面走査の場合、ドラムの回転速度を上げることにより走査速度を上げることは容易であるが、回転速度の上昇は記録材料に帯電を生じ易く、これによって埃が吸い寄せられ画像欠陥が発生する。複数の発行素子を同時に使用する、いわゆるマルチチャンネル露光の場合、円筒外面走査が最も適している。
【0122】
本発明の画像形成材料の現像処理に用いられる現像液は、公知のいずれのものであってもよいが、特定の有機溶媒とアルカリ剤と水とを必須成分として含有した液を用いることが好ましい。ここに特定の有機溶媒とは、現像液中に含有させたとき上述の感光性組成物層の非露光部(非画線部)を溶解または膨潤することができ、しかも通常(20℃)において水に対する溶解度が10質量%以下の有機溶媒をいう。このような有機溶媒としては上記のような特性を有するものでありさえすればよく、以下のもののみに限定されるものではないが、これらを例示するならば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レプリン酸ブチル等のカルボン酸エステル、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等のアルコール類、キシレン等のアルキル置換芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素などがある。これらの有機溶媒は一種以上用いてもよい。これらの有機溶媒の中では、エチレングリコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコールが特に有効である。またこれら有機溶媒の現像液中における含有量は、おおむね0.001〜20質量%であり、特に0.01〜10質量%のとき好ましい結果を得る。
【0123】
他方、現像液中に含有されるアルカリ剤としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第二または第三リン酸のナトリウムまたはアンモニウム塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。
【0124】
好ましいのはケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンである。アルカリ剤は単独で用いてもよいし、2種以上混合してもよい。これらアルカリ剤の現像液中における含有量は通常0.05〜8質量%で、好ましくは0.5〜6質量%である。
【0125】
また、保存安定性、耐刷性等をより以上に高めるためには、必要に応じて水溶性亜硫酸塩を現像液中に含有させることが好ましい。このような水溶性亜硫酸塩としては、亜硫酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩が好ましく、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウム等がある。これらの亜硫酸塩の現像液組成における含有量は通常0.05〜4質量%で、好ましくは0.1〜1質量%である。
【0126】
また、上述の特定の有機溶媒の水への溶解を助けるために一定の可溶化剤を含有させることもできる。このような可溶化剤としては、用いる特定の有機溶媒より水易溶性、低分子アルコール、ケトン類を用いるのがよい。また、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等も用いることができる。このようなアルコール、ケトン類としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシブタノール、エトキシブタノール、4−メトキシメチルブタノール、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましい。また、界面活性剤としては、例えばイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウム塩等が好ましい。これらアルコール、ケトン類等の可溶化剤の使用量について特に制限はないが、一般に現像液全体に対し約30質量%以下とすることが好ましい。
【0127】
【実施例】
実施例1
「支持体の作製」
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液で、1分間脱脂処理をおこなった後水洗し、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬し、中和し、更に水洗した。このアルミニウム板を1.0質量%の硝酸水溶液中において、温度25℃、電流密度10A/dm2、処理時間60秒の条件で交流電流により電解粗面化を行なった。
【0128】
次いで5%水酸化ナトリウム水溶液中で、温度60℃、10秒間のデスマット処理を行ない、その後20%硫酸溶液中で温度20℃、電流密度3A/dm2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理を行った。その後、80℃に保たれた1%酢酸アンモニウム水溶液中に30秒間浸漬し、水洗後80℃で3分間乾燥した。更に、85℃に保たれたカルボキシメチルセルロース(CMCと以下略す)の水溶液(濃度0.1質量%)に30秒浸漬した後、80℃で5分間乾燥し、支持体を作製した。
【0129】
〈製造例1〉ノボラック樹脂
300mlのセパラブルフラスコに、フェノール3.48g、メタクレゾール45.84g、パラクレゾール30.56g、ホルマリン(37%水溶液)32.1g、しゅう酸0.16gを仕込み、110℃の油浴で3時間加熱撹拌し反応させ、生成物を減圧乾燥してノボラック樹脂を得た。このようにして得られた樹脂の重量平均分子量は3700だった。
【0130】
〈製造例2〉酸分解化合物
1,1−ジメトキシシクロヘキサン58g、ジエチレングリコール85g、p−トルエンスルホン酸194mgおよびトルエン200mlを混合し、120℃で撹拌させながら11時間反応させた。反応終了後、反応によって生成したメタノールおよび反応溶剤を除去し、200mlの水で洗浄後、400mlの1%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したのち、中性になるまで飽和食塩水で洗浄した。得られた化合物を無水炭酸カリウムで脱水した後、減圧蒸留して目的の酸分解化合物を得た。
【0131】
(感光性組成物)
赤外線吸収剤(IR25) 1質量部
酸発生剤((III)−1) 3質量部
酸分解化合物(製造例2) 20質量部
ノボラック樹脂(製造例1) 73質量部
化合物C1 3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 700質量部
メチルエチルケトン 300質量部
前記作製した支持体上に、上記組成を有する感光液を乾燥質量が2.0g/m2になるようにワイヤーバーで塗布し、95℃雰囲気中90秒間乾燥させ画像形成材料を得た。
【0132】
得られた感光性平版印刷版を、半導体レーザー(吸収波長830nm、出力500mW)で画像露光を行った。レーザー半径はピークにおける強度の1/e2で13μmであった。また、解像度は走査方向、副走査方向とも2000dpi(dpiとは、1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)とした。画像露光後、所定濃度に水で希釈したコニカPS版用現像液SDR−1(コニカ(株)製)で30℃、30分間浸漬し現像させた後、水洗し乾燥を行った。
【0133】
感度評価
上記条件において、露光部が現像されるのに必要な露光エネルギー(mj/cm2)で評価した。
【0134】
耐薬品性
上記、感度評価画像により得られた画像を、ウルトラプレートクリーナー(大日精化(株)製)の原液に浸漬させ、水洗し、浸漬前の画像部との比較を目視にて評価を行った。画像部の侵食が僅かにあり、画像形成層下の支持体の砂目がやや露出した時間を測定した。
【0135】
消去性
幅0.5cm、長さ10cmの画像部を、消去液RP−1S(富士フイルム(株)製)にて消去し、水洗した。その後、版表面に整面液を塗布し、250℃、6分間加熱後、再び水洗し、現像インキSPO−1(コニカ(株)製)を版面に盛り付けた。この時の消去液跡の周囲に、インキの付着した汚れが認められるか確認した。
【0136】
○:汚れが認められない
△:目視では認められないが、ルーペを用いた場合、汚れが認められる
×:目視で汚れが認められる
実施例2〜
感光性組成物中の化合物C1をC2〜C4に置き換えた以外は、実施例1と同様の評価を実施した。
【0137】
比較例1
感光性組成物中の化合物C1をR1に置き換えた以外は、実施例1と同様の評価を実施した。
【0138】
比較例2
感光性組成物を下記の内容のものに置き換えた以外は、実施例1と同様の評価を実施した。
【0139】
赤外線吸収剤(IR25) 1質量部
酸発生剤((III)−1) 3質量部
酸分解化合物(製造例2) 20質量部
ノボラック樹脂(製造例1) 61質量部
化合物R1 15質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 700質量部
メチルエチルケトン 300質量部
比較例3
感光性組成物を下記の内容のものに換えた以外は、実施例1と同様の評価を実施した。
【0140】
赤外線吸収剤(IR25) 1質量部
酸発生剤((III)−1) 3質量部
酸分解化合物(製造例2) 20質量部
ノボラック樹脂(製造例1) 76質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 700質量部
メチルエチルケトン 300質量部
【0141】
【表5】
Figure 0004092840
【0142】
表5から、耐薬品性、消去性において実施例1〜、即ち本発明の試料が比較試料より優れていることが分かる。
【0143】
【発明の効果】
本発明によって、感光性平版印刷版を用いた印刷作業時のクリーナー拭き作業による画像部の溶出、剥がれ、更には修正液使用で生じる消去フリンジ汚れを改善することができた。

Claims (4)

  1. 支持体上に画像形成層を有し、該画像形成層がノボラック樹脂、赤外線吸収剤及び下記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む化合物を含有し、レーザー露光により画像を形成することを特徴とする画像形成材料。
    Figure 0004092840
    (式中、Aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xはアルキレンを表し、更にYはカルボキシル基又はその塩で置換された基、スルホ基又はその塩、ホスホノキシ基、ジアルキルホスホノキシ基、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基を表す。)
  2. レーザー露光照射により露光部のアルカリ水性現像液への溶解性が変化することを特徴とする請求項1に記載の画像形成材料。
  3. 画像形成層中に分解することにより酸を発生する化合物及び酸の存在により分解する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成材料。
  4. 画像形成層中に分解することにより酸を発生する化合物及び酸の存在により架橋する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成材料。
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