JP3899612B2 - 印刷版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ネガ又はポジ型の感光層を有する印刷版の組成物に関し、更に詳しくは、半導体レーザー等による赤外線による露光で画像形成が可能な、平版印刷版用等として適した画像形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性光の照射によって可溶化するポジ型の感光層として、酸発生剤と酸分解性化合物とを含有する感光層を有する画像形成材料が知られている。即ち、米国特許3,779,779号明細書には、オルトカルボン酸又はカルボン酸アミドアセタール基を有する化合物を含有する感光性組成物が、特開昭53−133429号公報には、主鎖にアセタール又はケタール基を有する化合物を含有する感光性組成物が、また、特開昭60−37549号公報には、シリルエーテル基を有する化合物を含有する組成物が開示されている。しかしながら、これらはいずれも紫外線に感度を有し、紫外線による露光によってアルカリ可溶化して非画像部となるもので、安価でコンパクトな半導体レーザーのような赤外線による画像露光はできない。かつ、感度が十分ではない。赤外線によって画像形成する方法として、米国特許5,340,699号明細書に記載はあるが、十分な感度を有するものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、赤外線による露光で画像形成が可能な高感度で、しかも経時劣化の少ない印刷版を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の構成によって達成される。
【0005】
(1) 支持体上に、酸の存在下でアルカリ可溶性となる酸分解物、アルカリ可溶性樹脂、赤外吸収性酸発生剤を含有した層を設け、該赤外吸収性酸発生剤がシアニン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、キノンイミン系色素又はキノンジイミン系色素の何れかに一般式−R−X(Xはハロゲン原子、Rは炭素数1〜10である、置換基としてハロゲン原子、酸性基又は塩基性基が導入されていても良いアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基)で表される置換基を有する構造であることを特徴とする印刷版。
【0006】
(2) 支持体上に、酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂と架橋しアルカリに対する溶解性を低減させる架橋剤及び/又は酸によりアルカリに対し不溶化させる化合物(不溶化剤)、アルカリ可溶性樹脂、赤外吸収性酸発生剤を含有する層を設け、該赤外吸収性酸発生剤がシアニン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、キノンイミン系色素又はキノンジイミン系色素の何れかに一般式−R−X(Xはハロゲン原子、Rは炭素数1〜10である、置換基としてハロゲン原子、酸性基又は塩基性基が導入されていても良いアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基)で表される置換基を有する構造であることを特徴とする印刷版。
【0007】
(3) 酸分解物が一般式(1)で表されることを特徴とする(1)記載の印刷版。
【0008】
【化6】
Figure 0003899612
【0009】
(式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基で互いに結合して環状となっていてもよい。)
(4) 前記一般式(1)で表される酸分解物が下記式で表されることを特徴とする(3)記載の印刷版。
【0010】
【化7】
Figure 0003899612
【0011】
(5) 酸分解物が一般式(2)で表される繰り返し構造単位を有していることを特徴とする(1)記載の印刷版。
【0012】
【化8】
Figure 0003899612
【0013】
(式中、R5、R6、R7は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基で互いに結合して環状となっていてもよい。また、R7はアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基であり、n,mは1以上の整数である。)
(6) 前記一般式(2)の酸分解物が下記式で表されることを特徴とする(5)記載の印刷版。
【0014】
【化9】
Figure 0003899612
【0015】
(7) 前記架橋剤がメチロール基またはアセチル化メチロール基を有していることを特徴とする(2)記載の印刷版。
【0017】
) 赤外吸収性酸発生剤が一般式(3)で表される構造であることを特徴とする(1)〜()の何れか1項記載の印刷版。
【0018】
【化10】
Figure 0003899612
【0019】
印刷版にはいわゆるポジ型、ネガ型のタイプがあるが、本発明の(1)によっては前者が、(2)によっては後者のタイプの印刷版が得られる。
【0020】
以下、本発明について詳述する。
【0021】
赤外吸収性酸発生剤
本発明の画像形成材料の感光層に用いられる赤外吸収性酸発生剤としては、波長700nm以上に吸収を持つ赤外吸収色素に酸発生能を付与することで達成される。具体的には、赤外吸収色素に酸発生能のある置換基の導入や、カチオン骨格とカウンターアニオンからなる塩構造の赤外吸収色素の場合、カウンターアニオンを酸発生能のあるものに交換するなどの手段があげられる。
【0022】
このとき用いられる赤外吸収色素としては、ピークでのモル吸光係数εが105以上であるものがこのましく、上記の赤外吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が挙げられる。
【0023】
また、上記赤外吸収色素として、特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−103476号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0024】
本発明に好ましく用いられる赤外吸収色素の代表的母体構造例を以下に挙げるがこれらに限定されない。
【0025】
【化11】
Figure 0003899612
【0026】
【化12】
Figure 0003899612
【0027】
【化13】
Figure 0003899612
【0028】
【化14】
Figure 0003899612
【0029】
【化15】
Figure 0003899612
【0030】
【化16】
Figure 0003899612
【0031】
【化17】
Figure 0003899612
【0032】
【化18】
Figure 0003899612
【0033】
【化19】
Figure 0003899612
【0034】
【化20】
Figure 0003899612
【0035】
【化21】
Figure 0003899612
【0036】
【化22】
Figure 0003899612
【0037】
これらの色素は勿論、公知の方法によって合成することができるが、下記のような市販品を用いることもできる。日本化薬:IR750(アントラキノン系);IR002,IR003(アルミニウム系);IR820(ポリメチン系);IRG022,IRG033(ジインモニウム系);CY−2,CY−4,CY−9,CY−10,CY−20、三井東圧:KIR103,SIR103(フタロシアニン系);KIR101,SIR114(アントラキノン系);PA1001,PA1005,PA1006,SIR128(金属錯体系)、大日本インキ化学:Fastogen blue8120、みどり化学:MIR−101,1011,1021、その他、日本感光色素、住友化学、富士写真フィルム等の各社からも市販されている。
【0038】
このような色素に酸発生能を付与するために酸発生能のある置換基の導入が行われるが、このような置換基として一般式−R−X(X:ハロゲン原子、R:炭素数〜10であるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環で置換基としてハロゲン原子、酸性基、塩基性基等が導入されていても良い)で表される置換基が挙げられ、これらの置換基は、少なくとも1種以上含んでいればよく、2種以上を複数個含んでいても良い。
【0039】
本発明の赤外吸収性酸発生剤は、その化学的性質及び本発明の画像形成材料の感光層の組成あるいは物性によって広範囲に変えることができるが、該感光層の固形分の全重量に対して0.1〜10重量%の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。酸発生剤としては、公知の赤外吸収能のないものを感度向上のため別途添加しても良い。添加量としては0.01〜10重量%で、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0040】
酸分解物
本発明の画像形成材料の感光層に用いられる酸で分解し得る結合を少なくとも1つ有する化合物(以下「本発明の酸分解物」という)としては、具体的には、特開昭48−89003号、同51−120714号、同53−133429号、同55−12995号、同55−126236号、同56−17345号の明細書中に記載されているC−O−C結合を有する化合物、特開昭60−37549号、同60−121446号の明細書中に記載されているSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60−3625号、同60−10247号の明細書中に記載されているその他の酸分解化合物。さらにまた特開昭62−222246号の明細書中に記載されているSi−N結合を有する化合物、特開昭62−251743号の明細書中に記載されている炭酸エステル、特開昭62−209451号の明細書中に記載されているオルト炭酸エステル、特開昭62−280841号の明細書中に記載されているオルトチタン酸エステル、特開昭62−280842号の明細書中に記載されているオルトケイ酸エステル、特開昭63−10153号の明細書中に記載されているアセタール及びケタール、特開昭62−244038号の明細書中に記載されているC−S結合を有する化合物などを用いることができる。
【0041】
上記のうち、前記特開昭53−133429号、同56−17345号、同60−121446号、同60−37549号各公報及び特開昭62−209451号、同63−10153号各明細書に記載されているC−O−C結合を有する化合物、Si−O−C結合を有する化合物、オルト炭酸エステル、アセタール類、ケタール類及びシリルエーテル類が好ましい。
【0042】
それらの中でも、特開昭53−133429号公報に記載された主鎖中に繰り返しアセタール又はケタール部分を有し、現像液中でのその溶解度が酸の作用によって上昇する有機重合化合物、及び特開昭63−10153号公報に記載の化合物が特に好ましい。
【0043】
本発明の酸分解物の好ましい化合物としては前記一般式(1)の化合物を挙げることができる。
【0044】
更に好ましいものとしては、前記一般式(2)の化合物がある。
【0045】
本発明の酸分解化合物の含有量は、感光層を形成する組成物の全固形分に対し、5〜70重量%が好ましく、特に好ましくは10〜50重量%である。本発明の酸分解化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】
架橋剤及び不溶化剤
酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂と架橋しアルカリに対する溶解性を低減する架橋剤、としてはメチロール基またはメチロール基の誘導体、メラミン樹脂、フラン樹脂、イソシアネート、ブロックドイソシアネート(保護基を有すイソシアネート)などがあげられるが、メチロール基またはアセチル化メチロール基を有している架橋剤が望ましい。不溶化剤とは、酸によりアルカリに対し不溶化させうる化合物で、シラノール化合物、カルボン酸とその誘導体、カチオン金属性の二重結合をもつ化合物、芳香族基を有する2級又は3級アルコール、メチロール、アルコキシメチル基、アセトキシメチル基を有する芳香族、アミノプラスト、脂環式又は芳香環式アルコールがある。
【0047】
アルカリ可溶性樹脂
本発明のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂やヒドロキシスチレン単位を有する重合体や下記一般式(4)で表される構造単位を有する重合体、その他公知のアクリル樹脂等を挙げる事ができる。該ノボラック樹脂としては、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841号公報に記載されているようなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹脂、特開昭55−127553号公報に記載されているような、p−置換フェノールとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデヒドとの共重縮合体樹脂等が挙げられる。
【0048】
ヒドロキシスチレン単位を有する重合体としては、例えば特公昭52−41050号公報に記載されているポリヒドロキシスチレンやヒドロキシスチレン共重合体などを挙げることができる。
【0049】
下記一般式(4)で表される構造単位を有する重合体とは、該構造単位のみの繰り返し構造を有する単独重合体、あるいは該構造単位と他のビニル系単量体の不飽和二重結合を開裂せしめた構造で示される構造単位1種以上とを組み合わせた共重合体である。
【0050】
【化23】
Figure 0003899612
【0051】
上記一般式(4)において、R1及びR2はそれぞれ、水素原子、メチル基やエチル基等のアルキル基又はカルボン酸基を表し、好ましくは水素原子である。R3は水素原子、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子又はメチル基、エチル基等のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。R4は水素原子、メチル基やエチル基等のアルキル基、フェニル基又はナフチル基を表す。Yは置換基を有すものも含むフェニレン基又はナフチレン基を表し、置換基としてはメチル基やエチル基等のアルキル基、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、カルボン酸基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、スルホン酸基、シアノ基、ニトロ基、アシル基等が挙げられるが、好ましくは置換基を有しないか、あるいはメチル基で置換されているものである。
【0052】
Xは窒素原子と芳香族炭素原子とを連結する2価の有機基で、nは0〜5の整数を表し、好ましくはnが0のときである。
【0053】
前記一般式(4)で表される構造単位を有する重合体は、さらに具体的に、例えば(a)〜(h)で表すことができる。
【0054】
【化24】
Figure 0003899612
【0055】
(a)〜(h)において、R1〜R5はそれぞれ水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、Xはアルキル基又はハロゲン原子を表す。またm、n、l、k及びsはそれぞれの構造単位のモル%を表す。また、ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体、及び前記一般式(4)で表される構造単位を有する重合体は併用することもできる。
【0056】
更に、本発明の感光性組成物には、該感光性組成物の感脂性を向上するために親油性の樹脂を添加することができる。前記親油性の樹脂としては、例えば、特開昭50−125806号公報に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、例えばt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。
【0057】
本発明の画像形成材料の感光層には必要に応じて、更に上記以外の色素、顔料、増感剤等を含有させることができる。本発明の感性層は、前記各成分を溶解する下記の溶媒に溶解させて、これらを適当な支持体の表面に塗布乾燥させることにより感性層を設けて本発明の画像形成材料とすることができる。
【0058】
上記溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これら溶媒は、単独であるいは2種以上混合して使用する。
【0059】
顔料
本発明の画像形成材料の感光層に、顔料を必要に応じ添加しても良い。顔料としては、公知の有機および無機の顔料があげられるが、これらは、朝倉書店の色材工学ハンドブックや誠文堂新光社の顔料便覧に記載の顔料が特に制限なく使われる。
【0060】
また、現像後の可視画性を得るには有色であること、出来れば高濃度が得られることが望ましい。この中で、特にフタロシアニンまたはカーボンブラックを含有しているものが耐刷性及び現像後の可視画性を得るのに好適である。
【0061】
塗布方法
塗布方法は、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等が可能である。塗布量は用途により異なるが、例えば、感光性平版印刷版についていえば固形分として0.5〜5.0g/m2が好ましい。
【0062】
支持体
本発明の感光層を設ける支持体は、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等が挙げられる。このうち好ましいのはアルミニウム板である。本発明を感光性平版印刷版に適用するとき、支持体として、砂目立て処理、陽極酸化処理及び必要に応じて封孔処理等の表面処理等が施されているアルミニウム板を用いることが好ましい。これらの処理には公知の方法を適用することができる。
【0063】
砂目立て処理の方法としては、例えば機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法としては、例えばボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各種方法を単独あるいは組合わせて用いることができる。電解によりエッチングするには、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機の酸を単独ないし2種以上混合した浴を用いて行われる。砂目立て処理の後、必要に応じてアルカリあるいは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和して水洗する。
【0064】
陽極酸化処理は、電解液として、硫酸、クロム酸、シュウ酸、リン酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して行われる。形成された陽極酸化被膜量は1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2であり、特に好ましくは25〜40mg/dm2である。陽極酸化被膜量は、例えばアルミニウム板をリン酸クロム酸浴液(リン酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1lの水に溶解して作製)に浸漬し、酸化被膜を溶解し、板の被膜溶解前後の重量変化測定から求められる。封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例として挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対して、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0065】
露光
本発明の画像形成材料には波長700nm以上の光源を用い画像露光を行う。光源としては、半導体レーザー、He−Neレーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられる。出力は50mW以上が適当であり、好ましくは100mW以上である。
【0066】
現像液
本発明の画像形成材料の現像に用いられる現像液としては、水系アルカリ現像液が好適である。水系アルカリ現像液(以下、本発明の現像液という。)は例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液が挙げられる前記アルカリ金属塩の濃度は0.05〜20重量%の範囲で用いるのが好適であり、より好ましくは、0.1〜10重量%である。本発明の画像形成方法において、現像液には、必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤やアルコール等の有機溶剤を加えることができる。有機溶剤としては、プロピレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジンアルコール、n−プロピルアルコール等が有用である。
【0067】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0068】
赤外吸収性酸発生剤Aの合成
下記化合物aを3.6g、化合物bを0.9g及びCH3COONaを0.8gとり、氷酢酸20mlに加え、次いで無水酢酸15ml中に60%HClO4水溶液1.7gを混合したものを加え、15分還流した後、室温まで冷却した。
【0069】
これに50mlの水を加え、生成物をデカンテーションで分離した。これをメタノールから再結晶して、1.5gの下記に示す赤外吸収性酸発生剤Aを得た。
【0070】
【化25】
Figure 0003899612
【0071】
支持体の作製
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を5%苛性ソーダ水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/1lの塩酸水溶液中で温度25℃、電流密度60A/dm2、処理時間30秒の条件で電解エッチング処理を行った。
【0072】
次いで、5%苛性ソーダ水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20%硫酸溶液中で温度20℃、電流密度3A/dm2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理を行った。更に、30℃の熱水で20秒間、熱水封孔処理を行い、平版印刷版材料用支持体のアルミニウム板を作製した。
【0073】
次にこのアルミニウム板に下記組成の感光性組成物塗布液を回転塗布機を用いて塗布し、90℃で4分間乾燥した。
【0074】
酸分解物Aの合成
シクロヘキサノン(0.5モル)、フェニルセロソルブ(1.0モル)及びp−トルエンスルホン酸80mgを撹拌しながら100℃で1時間反応させ、その後150℃まで徐々に温度を上げ、更に150℃で4時間反応させた。反応により生成するメタノールはこの間に留去した。
【0075】
冷却後、テトラヒドロフラン500ml及び無水炭酸カリウム2.5gを加えて撹拌し濾過した。濾液から溶媒を減圧留去し、更に150℃、高真空下で低沸点成分を留去し、粘調な油状の酸分解物Aを得た。
【0076】
実施例1
前記支持体上に下記組成の感光層塗布液を乾燥後の膜厚が2g/m2になるように塗布し100℃で2分間乾燥して画像形成材料を得た。
【0077】
Figure 0003899612
この画像形成材料を、半導体レーザー(波長830nm、出力500mW)で感光層表面に画像露光を行った。レーザー光径はピークにおける強度の1/e2で13μmであった。また、解像度は走査方向、副走査方向とも2000DPIとした。さらに、ポジPS版用現像液SDR−1(コニカ(株)製)を水で容積比6倍に希釈した25℃の現像液に30秒間浸漬し、非画像部を除去した後、水洗し平版印刷版を製造した。光学顕微鏡観察によりレーザー走査線1本で生成される非画像部ラインの平均線幅が13μmが十分抜けるところを感度とした。また、保存性は25℃において1年静置したものの感度測定を行ない評価した。
【0078】
比較例1
実施例1の感光層塗布液の組成を下記に変えた以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0079】
Figure 0003899612
【0080】
【化26】
Figure 0003899612
【0081】
プロピレングルコールモノメチルエーテル 1000重量部
実施例2
前記支持体上に下記組成の感光層塗布液を乾燥後の膜厚が2g/m2になるように塗布し100℃で2分間乾燥して画像形成材料を得た。
【0082】
Figure 0003899612
この画像形成材料を、半導体レーザー(波長830nm、出力500mW)で感光層表面に画像露光を行った。レーザー光径はピークにおける強度の1/e2で13μmであった。また、解像度は走査方向、副走査方向とも2000DPIとした。
【0083】
次いで、赤外線ヒーターを用い感光層を120℃で30秒間熱処理した。さらに、ポジPS版用現像液SDR−1(コニカ(株)製)を水で容積比6倍に希釈した25℃の現像液に30秒間浸漬し、非画像部を除去した後、水洗し平版印刷版を製造した。
【0084】
光学顕微鏡観察によりレーザー走査線1本で生成される画像部ラインの平均線幅が13μmとなるところを感度とした。また、保存性は25℃において1年静置したものの感度測定を行ない評価した。
【0085】
比較例2
実施例2の感光層塗布液の組成を下記に変えた以外は実施例2と同様の実験を行った。
【0086】
Figure 0003899612
以上の結果を下記表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0003899612
【0088】
表1から明らかなごとく、本発明内の実施例1及び2は感度、保存性(保存後の感度)ともに、比較例より優れていることがわかる。
【0089】
【発明の効果】
本発明により、赤外線による露光で画像形成が可能な高感度で、しかも経時劣化の少ない印刷版を提供することが出来る。

Claims (8)

  1. 支持体上に、酸の存在下でアルカリ可溶性となる酸分解物、アルカリ可溶性樹脂、赤外吸収性酸発生剤を含有した層を設け、該赤外吸収性酸発生剤がシアニン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、キノンイミン系色素又はキノンジイミン系色素の何れかに一般式−R−X(Xはハロゲン原子、Rは炭素数1〜10である、置換基としてハロゲン原子、酸性基又は塩基性基が導入されていても良いアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基)で表される置換基を有する構造であることを特徴とする印刷版。
  2. 支持体上に、酸の存在下でアルカリ可溶性樹脂と架橋しアルカリに対する溶解性を低減させる架橋剤及び/又は酸によりアルカリに対し不溶化させる化合物(不溶化剤)、アルカリ可溶性樹脂、赤外吸収性酸発生剤を含有する層を設け、該赤外吸収性酸発生剤がシアニン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、キノンイミン系色素又はキノンジイミン系色素の何れかに一般式−R−X(Xはハロゲン原子、Rは炭素数1〜10である、置換基としてハロゲン原子、酸性基又は塩基性基が導入されていても良いアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基)で表される置換基を有する構造であることを特徴とする印刷版。
  3. 酸分解物が一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1記載の印刷版。
    Figure 0003899612
    (式中、R1、R2、R3、R4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基で互いに結合して環状となっていてもよい。)
  4. 前記一般式(1)で表される酸分解物が下記式で表されることを特徴とする請求項3記載の印刷版。
    Figure 0003899612
  5. 酸分解物が一般式(2)で表される繰り返し構造単位を有していることを特徴とする請求項1記載の印刷版。
    Figure 0003899612
    (式中、R5、R6、R7は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基で互いに結合して環状となっていてもよい。また、R7はアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基であり、n,mは1以上の整数である。)
  6. 前記一般式(2)の酸分解物が下記式で表されることを特徴とする請求項5記載の印刷版。
    Figure 0003899612
  7. 前記架橋剤がメチロール基またはアセチル化メチロール基を有していることを特徴とする請求項2記載の印刷版。
  8. 赤外吸収性酸発生剤が一般式(3)で表される構造であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の印刷版。
    Figure 0003899612
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