JP4086556B2 - 画像処理装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル信号で表される画像データに基づいて形成された画像を出力する画像処理装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、コピー機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナといった画像処理装置の複合機として構成された、いわゆるMFP(Multi Function Printer)と呼ばれる画像処理装置がある。このようなMFPの画像処理部に、SIMD(Single Instruction stream Multiple Data stream)型のプロセッサを使用することにより、高速、かつプログラマブルに画像を処理する技術が例えば特開平8-315126号公報に記載されている。
【0003】
ところで、MFPで用いられる画像処理は、2値化した画素データを周囲の複数の画素を参照して孤立した白(または黒)の画素を黒(または白)に補正して圧縮率を高めたり見やすい画像として像再生するいわゆる孤立点除去処理に代表される適応的な処理を含んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような画像処理を画像全域にわたる全ての画素に対して行う場合、これをSIMD型の演算処理部を用いた単一のソフトウェアによる並列処理で実現したものは、専用ハードウェアを用いて実現したものに比べて処理速度が劣るという問題がある。
【0005】
したがって、本発明は、SIMD型のプロセッサを用いた画像処理装置における画像処理の高速化を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、複数の要素プロセッサそれぞれに同一の命令を並列に実行させる並列処理手段を備え、前記並列処理手段を用いて所定の画像処理を行う画像処理装置であって、並列処理すべき複数の画素データのそれぞれを、対応する前記要素プロセッサに供給する供給手段と、各要素プロセッサに並列処理すべく供給された画素データが全て所定の値である場合、前記画像処理における特定の演算を実行すべきでないと判断する判断手段と、前記判断手段が前記特定の演算を実行すべきと判断したときにのみ、前記特定の演算を並列に実行するように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(画像処理装置の機能構成)
図1は、実施形態に係る画像処理装置の構成を機能的に示すブロック図である。
【0009】
図1において、画像処理装置1は、以下に示す5つのユニットを含む構成である。すなわち、5つのユニットとは、画像データ制御ユニット100、画像データを入力する画像データ入力ユニット101、画像を蓄積する画像メモリを制御して画像データの書き込み/読み出しを行う画像メモリ制御ユニット102、画像データに対し加工編集等の画像処理を施す画像処理ユニット103、そして、画像データを転写紙等に書き込む画像書込ユニット104、である。
【0010】
上記各ユニットは、画像データ制御ユニット100を中心に構成されている。つまり、画像データ入力ユニット101、画像メモリ制御ユニット102、画像処理ユニット103、画像書込ユニット104は、いずれも画像データ制御ユニット100に接続され、画像データ制御ユニット100によって統括的な制御を受ける。以下、これらの各ユニットの機能について説明する。
【0011】
画像データ制御ユニット100が行う処理は例えば次のとおりである。
【0012】
制御データバス(後述)とのインターフェース処理、全体システム制御、ローカルバス制御処理(後述するシステム・コントローラを起動させるためのROM、RAM、アクセス制御処理)、画像データ入力ユニット101とのインターフェース処理、画像メモリ制御ユニット102とのインターフェース処理、画像処理ユニット103とのインターフェース処理、画像書込みユニット104とのインターフェース処理、ネットワーク制御処理等。
【0013】
画像データ入力ユニット101が行う処理は例えば次のとおり。
【0014】
システム・コントローラ(後述)とのインターフェース制御処理、光学系による原稿反射光の読み取り処理、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等を用いた電気信号への変換処理、A/D変換器でのディジタル化処理、シェーディング補正処理(光源の照度分布むらを補正する処理)、読み取り系の濃度特性を補正する処理、ネットワークを介して入力されるPDL画像データのラスタライズ処理等。
【0015】
画像メモリ制御ユニット102が行う処理は例えば次のとおり。
【0016】
システム・コントローラ(後述)とのインターフェース制御処理、メモリ部への書き込み・読み出し処理、メモリ・モジュールへのアクセス制御処理(複数のユニットからのメモリ・アクセス要求の調停処理)等。
【0017】
画像処理ユニット103が行う処理は例えば次のとおり。
【0018】
色変換処理、色補正処理、MTF補正処理、平滑化処理、主走査方向の任意変倍処理、濃度変換(γ変換処理:濃度調整キーに対応)、単純二値化処理、各種擬似中間調処理、ドット配置位相制御処理(ジャギー補正)、孤立点除去処理、像域分離処理(色判定、属性判定、適応処理)、密度変換処理等。
【0019】
画像書込ユニット104が行う処理は例えば次のとおり。
【0020】
画像信号のパルス制御処理、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換処理等。
【0021】
(画像処理装置のハードウエア構成)
次に、本実施の形態に係る画像処理装置のハードウェア構成について説明する。この画像処理装置はMFP(ディジタル複合機)を構成する。
【0022】
図2は、実施形態に係る画像処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図2のブロック図において、画像処理装置1は、画像原稿の読み取りを行う読取ユニット201、PDL処理ユニット202、画像データ制御部203、画像処理プロセッサ204、作像ユニット(エンジン)205、メモリ制御部206、画像データ等を記憶するメモリモジュール207、ネットワーク制御部214、ワーキングメモリ216を備える。画像処理装置1はこの他に、制御用データバス208を介して、システムコントローラ209、ROM210、RAM211、操作パネル212を備えている。また、この画像処理装置1は、ネットワーク213を介してパーソナルコンピュータ215にも接続されている。
【0024】
上記した構成のうち、画像処理プロセッサ204は、画像に基づいて作成されたディジタル画像データを顕像して出力できるように処理し、プログラマブルに複数の画像形成動作を実現することができる。この画像処理プロセッサ204の構成については、後ほど詳細に説明する。
【0025】
また、画像データ制御部203は、画像データを伝送するデータバスと画像処理プロセッサ204による画像処理に用いられる処理ユニット間の画像データ伝送を一括して管理する。具体的には、読取ユニット201、PDL処理ユニット202、画像処理プロセッサ204、メモリ制御部206、作像ユニット205、ネットワーク制御部214との間のデータ伝送管理を行う。
【0026】
ここで、上記した各構成部と、図1に示した各ユニット100〜104との関係について説明する。
【0027】
読取ユニット201およびPDL処理ユニット202が、図1の画像データ入力ユニット101の機能を実現する。また、画像データ制御部203、システムコントローラ209、ROM210、RAM211、操作パネル212、ネットワーク制御部214が、画像データ制御ユニット100の機能を実現する。さらに、画像処理プロセッサ204、ワーキングメモリ216が、画像処理ユニット103の機能を実現する。また、作像ユニット205が画像書込ユニット104の機能を実現し、メモリ制御部206およびメモリモジュール207が画像メモリ制御ユニット102の機能を実現する。
【0028】
なお、システムコントローラ209は、制御用データバス208を介して接続されたROM210に記憶された制御プログラムに基づき動作するものであり、RAM211をワーク用メモリとして使用している。また、読取ユニット201、PDL処理ユニット202、画像データ制御部203、画像処理プロセッサ204、作像ユニット205、メモリ制御部206、ネットワーク制御部214、操作パネル212はそれぞれ、制御用データバス208を介してシステムコントローラ209によって動作が制御される。
【0029】
次に、各構成部の動作内容について説明する。
【0030】
原稿を光学的に読み取る読取ユニット201は、ランプとミラーとレンズ、受光素子から構成され、原稿に対するランプ照射の反射光をミラーおよびレンズにより受光素子(例えばCCD)に集光する。受光素子において電気信号に変換された画像データはディジタル信号に変換された後、読取ユニット201より出力(送信)される。
【0031】
PDL処理ユニット202は、ネットワーク213に接続されたパーソナルコンピュータ215より出力されたPDL画像データをビットマップ画像へラスタライズする。ネットワーク213を介して入力されたPDL画像データがネットワーク制御部214を介してPDL処理ユニット202に入力されると、PDL処理ユニット202は、入力されたPDL画像データに基づいたラスタライズを行ない、ビットマップ画像データを出力(送信)する。以上のように、読取ユニット201、 PDL処理ユニット202より出力(送信)された画像データは画像データ制御部203に入力(受信)される。
【0032】
画像データ制御部203は、読取ユニット201、 PDL処理ユニット202より受信した画像データを画像処理プロセッサ204、または、メモリ制御部206に出力する。
【0033】
画像データが画像データ制御部203によって画像処理プロセッサ204に出力されたときの動作は次のとおりである。
【0034】
画像処理プロセッサ204は、入力された画像データを、ワーキングメモリ216を用いながら所定の画像処理を行い、その画像処理後のデータを再度画像データ制御部203に出力する。画像データ制御部203に入力された画像データはメモリ制御部206に出力され、メモリ制御部206を介してメモリモジュール207に記憶される。
【0035】
画像処理プロセッサ204による1画面分の画像データの処理が終了し、1画面分の処理済みデータが、メモリモジュール207に記憶された後、メモリ制御部206は、メモリモジュール207から画像データを読み出し、読み出した画像データを画像データ制御部203を介して作像ユニット205に出力し、これによりプリント出力が得られる。また、メモリモジュール207から読み出した画像データを、画像データ制御部203を介してネットワーク制御部214に出力し、ネットワーク213を介してパーソナルコンピュータ215に出力させることもできる。
【0036】
画像データが画像データ制御部203によってメモリ制御部206に出力されたときの動作は次のとおりである。
【0037】
画像データ制御部203より、メモリ制御部206に入力された画像データは、メモリモジュール207に記憶される。次に、メモリ制御部206は、メモリモジュール207より、記憶された画像データを読み出し、画像データ制御部203を介して、画像処理プロセッサ204に出力する。画像処理プロセッサ204では、入力された画像データを処理し、処理後の画像データは、再度画像データ制御部203、メモリ制御部206を介して、メモリモジュール207に記憶される。画像処理プロセッサ204による1画面分の画像データの処理が終了し、1画面分の処理済みデータが、メモリモジュール207に記憶された後、メモリ制御部206は、メモリモジュール207に対する画像データを読み出し、読み出された画像データを画像データ制御部203を介して、作像ユニット205に出力し、これによりプリント出力が得られる。あるいは、メモリモジュール207より読み出した画像データを、画像データ制御部203を介してネットワーク制御部214に出力し、ネットワーク213を介してパーソナルコンピュータ215に出力させることもできる。
【0038】
上記動作例は、読取ユニット201、 PDL処理ユニット202より出力された画像データに対する処理を画像処理プロセッサ204が行い、1画面分の処理済み画像データがメモリモジュール207に記憶された後、メモリモジュール207より、処理済画像データを読み出し、作像ユニット205、あるいは、ネットワーク制御部214に出力する例を示したが、処理済み画像データの記憶が1画面分終了する前に、処理済みの画像データをメモリモジュール207から読み出して処理を開始するように制御してもよい。
【0039】
続いて、別の動作例について説明する。これは、メモリモジュール207に画像データを記憶させることなく行われる。
【0040】
読取ユニット201、 PDL処理ユニット202より画像データ制御部203が受信した画像データは、画像データ制御部203より、画像処理プロセッサ204に出力される。画像処理プロセッサ204は、入力された画像データに所定の処理を行い、画像データ制御部203に出力する。画像処理プロセッサ204から画像データ制御部203に入力された画像データは、画像データ制御部203を介して作像ユニット205、ネットワーク制御部214に出力される。
【0041】
メモリモジュール207に処理済みの画像データ1画面分を記憶する場合の動作例としては、1枚の原稿について複数枚を複写する場合に、読取ユニット201を1回だけ動作させ、読取ユニット201により読み取った画像データをメモリモジュール207に記憶し、記憶された画像データを複数回読み出すという方法がある。メモリモジュール207に画像データを記憶させない動作例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合がある。読み取り画像データに対する処理済みデータを直接作像ユニット205に出力すればよいので、メモリモジュール207にアクセスする必要はない。
【0042】
なお、本装置の全体の動作は、操作パネル212より入力された、画像処理装置が行うべき処理に基づいてシステムコントローラ209により制御される。操作パネル212からは、処理の種類(複写、送信、画像読込、プリント等)および処理の枚数等を入力することができる。
【0043】
図3は、図2に示した画像処理プロセッサ204の構成を示す図である。
【0044】
図3に示すように、画像処理プロセッサ204は、FIFOメモリ301および307と、演算処理ユニット300とで構成される。演算処理ユニット300は、制御処理部305、外部メモリインターフェース306、そして図2で示したSIMDプロセッサ308を備えた構成である。SIMDプロセッサ308は図示の如く、入力レジスタ302、出力レジスタ304、SIMD型のデータ演算処理部303を含む。なお、SIMDとは、複数のデータに対し単一の命令を並列に実行させるもので、本実施形態では、128個の要素プロセッサ(PE)によりデータ演算処理部303が構成されている。この構成については後ほど詳しく説明する。
【0045】
FIFOメモリ301は、読取ユニット201またはPDL処理ユニット202から入力される画像データ1ラスタ分(7168画素)の容量を有するファーストイン・ファーストアウトのメモリであり、書込みと読出しがそれぞれ独立に制御される。画像データ制御部203のデータバスA(図2参照)を介して入力された画像データは、FIFOメモリ301に入力され、データ演算処理部303が有するPEの数(128個)と等しいレジスタ数で構成された入力レジスタ302に128個分の画像データとして56分割して入力される。
【0046】
FIFOメモリ301から入力レジスタ302に入力された画像データは、データ演算処理部303および外部メモリインターフェース306に出力される。データ演算処理部303に入力された画像データは、データ演算処理部303にて所定の処理が行われ、処理後の画像データが、出力レジスタ304および外部メモリインターフェース306に出力される。なお、外部メモリインターフェース306には、データ演算処理部303で処理された中間データを出力することも可能な構成となっている。
【0047】
出力レジスタ304は、入力レジスタ302と同様に、データ演算処理部303が有するPE数と等しいレジスタ数で構成されている。出力レジスタ304の出力画像データは、画像データ1ラスタ分の容量を有するFIFOメモリ307に入力される。FIFOメモリ307は、書込みと読出しがそれぞれ独立に制御されるファーストイン・ファーストアウトのメモリである。FIFOメモリ307より出力される画像データ信号は、データバスB(図2参照)を介して画像データ制御部203に出力される。
【0048】
さらに、SIMDプロセッサ308および外部メモリインターフェイス306は、図2に示した制御用データバス208に接続された制御処理部305と接続されている。制御処理部305は、データ演算処理部303のPEに対する命令の供給、各PEのステータスの判断、各PEに接続されたメモリ、レジスタへのデータの入出力等の制御および外部メモリインターフェース306を制御し、SIMDプロセッサ308の内部メモリやレジスタとワーキングメモリ216間のデータ制御を行うものである。なお、制御処理部305とSIMDプロセッサ308は互いに異なる処理を独立に実行することが可能である。
【0049】
次に、図4を用いて、制御処理部305および演算処理ユニット300の構成を詳しく説明する。
【0050】
図4に示すように、制御処理部305は、制御プロセッサ401と、その制御プロセッサ401およびSIMDプロセッサ308の動作を制御するプログラムが格納されたプログラムメモリ402と、データメモリ403とで構成される。
【0051】
一方、SIMDプロセッサ308は、前述したように、例えば128個のPE(PE0〜PE127)404により構成されている。図4に示したように、PE0〜PE127の各PEは、8ビットの演算ユニット(ALU)405、8ビットのレジスタ16本から構成される汎用レジスタ406、ALUの演算動作を実施するか否かを制御するマスクレジスタ407、演算途中のデータを格納するPEレジスタ408、出力レジスタ409、入力レジスタ410、2Kバイトの容量を有するメモリ411で構成される。
【0052】
ALU405、PEレジスタ408はそれぞれ、隣接するPEにおける同一構成要素と相互に接続されており、データの入出力が可能な構成となっている。また、出力レジスタ409、入力レジスタ410もそれぞれ、隣接するPEの同一構成要素と接続されており、これによって128段のシフトレジスタとして動作する。この128段のシフトレジスタとして動作する、すべてのPEにおける入力レジスタ410の接続構成が、図3における入力レジスタ302に相当するものである。同様に、この128段のシフトレジスタとして動作する、すべてのPEにおける出力レジスタ409の接続構成が、図3における出力レジスタ304に相当するものである。
【0053】
また、各PEにおけるメモリ411は、外部メモリインターフェース306およびデータバスC(図2参照)を介してワーキングメモリ216に接続される。
【0054】
なお、外部メモリインターフェース306、ならびに、PEを構成するALU405、汎用レジスタ406、マスクレジスタ407、PEレジスタ408、出力レジスタ409、入力レジスタ410、メモリ413はそれぞれ、そのPEにおける任意のブロック間でデータの入出力が可能な構成となっている。例えば、メモリ411とPEレジスタ408との間でのデータ入出力、PEレジスタ408と外部メモリインターフェース306との間でのデータ入出力が可能である。
【0055】
各PEに対する命令の供給は、制御プロセッサ401より、命令供給バス413を介して各PEに同一内容で与えられ、全てのPEが同一の命令に従った動作を行うように制御されるが、各PEに与える処理対象のデータを異ならせることにより、各PEが、異なる処理対象データに対する演算処理を並列に行うように制御される。例えば、画像データ1ラスタ中の128画素の内容を各画素ごとにPEレジスタ408に配置し、同一の命令コードでPEレジスタ408に対する演算処理をさせれば、1画素ずつ逐次処理するよりも短時間で128画素分の処理結果を得ることができる。
【0056】
上記したように隣接するPE間で入出力可能な構成となっているので、各PEのALU405における演算結果およびPEレジスタ408の内容は、隣接PEのおよびALU405の演算結果およびPEレジスタ408の内容を参照した演算処理によって求めることができる。さらに、各PEのメモリ411および、入力レジスタ410、出力レジスタ409、PEレジスタ408、マスクレジスタ407、汎用レジスタ406は、メモリ/レジスタアクセスバス414を介して制御プロセッサ401に接続され、メモリ、および、各レジスタデータの入出力が、制御プロセッサ401により制御される。
【0057】
また、制御プロセッサ401は、制御用データバス208を介して、図2に示したシステムコントローラ209と制御データの入出力が可能である。さらに、制御プロセッサ401の動作を制御するプログラムメモリ402およびデータメモリ403には、制御用データバス208を介してシステムコントローラ209よりアクセスが可能であり、 システムコントローラ209により、画像処理ユニット300で行う処理内容に応じて、制御プロセッサ401の動作を制御するプログラムメモリ402の書き換えが可能な構成となっている。
【0058】
(画像処理の概要)
図5は、実施形態における画像処理装置が実行する画像処理の概要を示すフローチャートである。このフローチャートに対応するプログラムは制御処理部305におけるプログラムメモリ402に記憶されており、制御プロセッサ401およびSIMDプロセッサ308によって実行されるものである。
【0059】
読み取りユニット201でシェーディング補正された1ラスタ7168画素の画像信号は、SIMDプロセッサ308のPEの数に等しい128画素に分割して処理される。
【0060】
したがって、先ず制御プロセッサ401は、図2の読取ユニット201によりCCDにて読み取られた画像信号を8ビットの画像信号として、画像データ制御部203を介して画像処理プロセッサ204のFIFOメモリ301に入力し、入力レジスタ302、外部メモリインターフェース306を介してワーキングメモリ216に記憶する(ステップS1)。
【0061】
次に、輝度信号から濃度信号に対数変換する(ステップS2)。次に、対数変換された濃度データが操作パネル212からの入力に従って濃度調整のための濃度変換処理が施される(ステップS3)。同様に、操作パネル212の入力に基づき設定された画像モード等の指定に従って、画像信号に対して空間フィルター処理を行う(ステップS4)。
【0062】
続いて擬似中間調処理を行うステップS5では、誤差拡散処理、組織ディザ処理、単純2値化処理等を選択的に行う。ステップS6は孤立点除去処理を行うステップであり、先の擬似中間調処理で単純2値化処理が選択された場合に対してその2値化結果に対する処理である。
【0063】
更に、必要に応じてその他の処理を実行し、ステップS7で、記録信号またはJBIG等2値信号を圧縮するための信号として2値化された1ラスタ分の画像信号を外部のワーキングメモリ216に転送して1ラスタ7168画素の処理が終了する。以上のラスタ処理を4960ラスタ分繰返せば(ステップS8)、A4サイズ1ページの処理が終了する。
【0064】
(孤立点除去処理の内容)
次に、上記したステップS6における孤立点除去処理について、図6〜8を用いて説明する。
【0065】
まず、ステップS5で擬似中間調処理によって2値化された1ラスタ7168画素の画像信号は、1ビットの画像信号として、外部メモリインターフェース306を介してワーキングメモリ216に記憶されている。外部ワーキングメモリ216には常に5ラスタ分の画像信号が記憶されており、処理の終了に従って、順次新たなラスタ信号が更新される。
【0066】
図6は、処理対象の画像データを模式的に示す図である。同図において、503が今処理するラスタの画像信号Cであり、502は1ラスタ前のデータB、504は1ラスタ後のデータD、501は2ラスタ前のデータA、そして、505は2ラスタ後のデータEを示している。7168画素の各ラスタの画像信号は、PE数に対応する128画素毎の56個のバンドに分割されたかたちで図示されている。
【0067】
すなわち、バンドC-1は今処理すべきラスタの先頭から128個の画素(第0〜127画素)を示し、バンドC-2は今処理すべきラスタの2番目のバンドとして第128〜255画素のデータを表している。今、これら1バンド128画素の各画素データを、128組の各PEに1画素毎に担当させて処理するとすれば、図7に示すように、バンド2に属する第128画素はPE0が担当し、第129画素はPE1、第130画素はPE2、…、が担当することになる。
【0068】
ステップS6で行う孤立点除去処理のための注目画素位置*に対する参照画素位置の例を図8に示す。各PEはこの注目画素*を中心に、PEの配列方向に前後2画素とラスタ方向に前後2ラスタの合計25画素を参照する処理となる。
【0069】
図7に示したバンド2を例にして述べれば、PE2が担当する第130画素が注目画素である場合、この第130画素を中心に第128画素から第132画素を参照することになる。この場合には参照すべきいずれの画素も同じバンド2に属しているので、特にそのデータの参照に困難なところはない。
【0070】
次に、PE1が担当する第129画素が注目画素である場合を考える。この場合には、この第129画素を中心に第127画素から第131画素を参照することになる。ところが、これらの画素のうち、第127画素はバンド2ではなくバンド1に属しているので、直接その画素データを参照することができないのである。この問題は、PE0, PE126, PE127が担当する画素が注目画素である場合にも同様に発生する。したがって、端部に位置するPE0, PE1, PE126, PE127が担当する画素が注目画素である場合には、その他のPEに対する処理とは一部異なるプログラムによって処理する必要がある。
【0071】
図9は、孤立点除去処理における各PEのメモリ411の一部を模式的に示した図である。
【0072】
同図において、An(1)は、n番目のPE(PEn)における内部メモリ411に、バンド1(すなわちA-1)のPEnが担当する画素データが格納されていることを示している。また、An(2)は、n番目のPE(PEn)における内部メモリ411に、バンド2(すなわちA-2)のPEnが担当する画素データが格納されていることを示している。ここで例えば、nが2の場合には、An(2)は、PE2が担当するラスタデータAのバンド2の画素、すなわち、7168画素中の第130画素のデータを表している。ここでは図7で説明したように1ラスタを56のバンドに分割して処理するので、5ラスタ分の画像データが各PEの内部メモリ411内にそれぞれ56*5(=280)バイトの領域に格納されることになる。
【0073】
図10は、ステップS6における1ラスタの画像信号に対する孤立点除去処理を示すフローチャートである。
【0074】
まず、処理中のバンドを示す変数(バンドカウンタ)mを1に初期化し、PEnが担当するラスタデータEのバンドm(すなわちバンド1)の画素データであるEn(m)、すなわち、En(1)を、外部ワーキングメモリ216から、対応するPEnが担当する入力レジスタ410に入力する(ステップS11)。ここで、図7におけるA、B、C、Dの各ラスタ画像データは先行する4ラスタを処理した際に既に入力されているものとする。
【0075】
次に、ステップS12で、これから処理するバンドmの次のバンド(m+1)の第EのラスタデータEn(m+1)を内部メモリ411に入力する。すなわち、現在処理するバンドCの後端部のPE126、PE127が処理に必要とする画像データをここで入力する。なお、m=56の場合のみ後端部PEが処理に必要な画像データが存在しないが、バンド55までは処理すべきバンドに対してその後のバンドデータが5ラスタ分各PEの内部メモリ411に格納されていることになる。また、これらのデータはバンド毎に順次1ラスタ分保持して行くので、m=1のバンドを除いて前端部のPE0およびPE1が処理に必要となる1バンド前の画像データも全て各PEの内部メモリに保持されていることになる。
【0076】
ステップS13では、各PEが処理しようとする128画素すべてのデータCn(m)に対し、128画素すべてが最低値(すなわち0)であるか128画素すべてが最高値(すなわち1)であるかを調べる。孤立点除去処理は、注目画素位置の2値データが周辺24画素すべての2値データと異なる場合にその注目画素位置の2値データを反転させる処理であるが、これとは別に、少なくとも並列に処理すべき同一ラスタ上の連続する128個の2値データがすべて0かすべて1の場合には、他の隣接画素の状態に関わらず、この128個のデータには孤立点はないだろうと推測される。
【0077】
そこで、このような場合には現在の注目画素は孤立点除去の処理対象画素ではないと判断して、以下説明する如く注目画素に対して所定数の周辺画素に依存した演算であるステップS14〜S22の処理をスキップして、ステップS23で注目画素値Cn(m)をそのまま処理結果として外部ワーキングメモリ216に出力する。
【0078】
ステップS13で処理対象画素がある場合には、ステップS14に進む。
【0079】
ステップS14では、図8に示した参照画素位置のうち担当するPEの内部メモリ411に格納されているデータP13, P23, P43, P53、すなわち、An(m)、Bn(m)、Dn(m)、En(m)の2値データを加算し、PEレジスタPERに格納する。
【0080】
ステップS15は、各PEの番号によって異なる処理を実行するための判断ステップであり、SIMDプロセッサ308は、単一のプログラム上で各PE番号との比較を行うことが可能で、PE毎に異なる処理の実行が可能である。
【0081】
先に説明したように、端部に位置するPE0, PE1, PE126, PE127以外のPEに対してはステップS15からステップS16に進み、他の周辺の画素データを順次加算する。
【0082】
すなわち、n番目のPEに対して1画素前のPEが担当する画素データAn-1(m)、Bn-1(m)、Cn-1(m)、Dn-1(m)、En-1(m)をPERに加算する。同様に、n番目のPEに対して2画素前のPEが担当する画素データAn-2(m)、Bn-2(m)、Cn-2(m)、Dn-2(m)、En-2(m)をPERに加算する。また、同様にn番目のPEに対して1画素後のPEが担当する画素データAn+1(m)、Bn+1(m)、Cn+1(m)、Dn+1(m)、En+1(m)をPERに加算する。さらに、同様にn番目のPEに対して2画素後のPEが担当する画素データAn+2(m)、Bn+2(m)、Cn+2(m)、Dn+2(m)、En+2(m)をPERに加算する。
【0083】
SIMDプロセッサ308は、左右に3組離れたPEが担当するレジスタ等にアクセス可能なため、PE2からPE126までの124組のPEは全て同一のステップS16を実行できる。
【0084】
次に、ステップS15で分岐されるPE0の処理ステップS17を説明する。図11は、ステップS17で行われる処理を示すフローチャートである。
【0085】
PE0に対してn-1のPEはPE127であり、今1画素前の画像データをステップS16で処理すれば、1バンド前のPE127が担当する画素データではなく、同じバンド内のPE127が担当する画素を参照することになってしまう。そこで、PE0はステップS17aで、1画素前のPEが担当する1バンド前の画素データ、すなわち、An-1(m-1)、Bn-1(m-1)、Cn-1(m-1)、Dn-1(m-1)、En-1(m-1)をPERに加算する。同様に、2画素前のPEが担当する1バンド前の画素データ、すなわち、An-2(m-1)、Bn-2(m-1)、Cn-2(m-1)、Dn-2(m-1)、En-2(m-1)をPERに加算する。続くステップS17bは、1画素後および2画素後の画素に対する演算であり、先に述べたステップS16と同様の処理を実行する。
【0086】
次に、ステップS15で分岐されるPE1の処理ステップS18を説明する。図12は、ステップS18で行われる処理を示すフローチャートである。
【0087】
PE1に対してn-2のPEはPE127であり、今2画素前の画像データをステップS16で処理すれば、同じバンド内のPE127が担当する画素を参照することになってしまう。そこで、PE1はステップS18aで、2画素前のPEが担当する1バンド前の画素データ、An-2(m-1)、Bn-2(m-1)、Cn-2(m-1)、Dn-2(m-1)、En-2(m-1)をPERに加算する。続くステップS18bは、1画素前、1画素後、および2画素後の画素データに対する演算を、先に述べたステップS16と同様に実行する。
【0088】
次に、ステップS15で分岐されるPE126の処理ステップS19を説明する。図13は、ステップS19で行われる処理を示すフローチャートである。
【0089】
PE126に対してn+2のPEはPE0であり、今2画素後の画像データをステップS16で処理すれば、同じバンド内のPE0が担当する画素データを参照することになってしまう。そこで、PE126はステップS19aで、2画素後のPEが担当する1バンド後の画素データ、すなわち、An+2(m+1)、Bn+2(m+1)、Cn+2(m+1)、Dn+2(m+1)、En+2(m+1)をPERに加算する。続くステップS19bは、1画素後、1画素前、および2画素前の画素データに対する演算を、先に述べたステップS16と同様に実行する。
【0090】
次に、ステップS15で分岐されるPE127の処理ステップS20を説明する。図14は、ステップS20で行われる処理を示すフローチャートである。
【0091】
PE127に対してn+1のPEはPE0であり、今2画素後の画像データをステップS16で処理すれば、同じバンド内のPE0が担当する画素データを参照することになってしまう。そこで、PE127はステップS20aで、2画素後のPEが担当する1バンド後の画素データ、すなわち、An+2(m+1)、Bn+2(m+1)、Cn+2(m+1)、Dn+2(m+1)、En+2(m+1)をPERに加算する。同様に、1画素後のPEが担当する1バンド後の画素データ、すなわち、An+1(m+1)、Bn+1(m+1)、Cn+1(m+1)、Dn+1(m+1)、En+1(m+1)をPERに加算する。続くステップS20bは、1画素後、1画素前、および2画素前の画素に対する演算を、先に述べたステップS16と同様に実行する。
【0092】
各PE番号に従う処理が終わった後、各PEレジスタには注目画素の周辺24画素の2値データが加算された値を保持している。そこで、ステップS21で、各注目画素データCn(m)がその周辺画素データから孤立しているか否か、すなわち、注目画素Cn(m)だけが1で、その周辺24画素が全て0(PER=0)の場合か、または、注目画素Cn(m)だけが0で、その周辺24画素が全て1(PER=24)の場合、にあたるかどうかを判定する。
【0093】
ステップS21で孤立点が検出されたときは、ステップS22に進み、注目画素データCn(m)を0から1または1から0に反転させる。次に、ステップS23で、注目画素データCn(m)を出力する。ここでは、内部メモリ411に格納してある注目画素データCn(m)が孤立点であってもこの値を書き換えないで、処理の結果のみを反転して出力する。
【0094】
ステップS12〜S23の一連の処理をバンド数分になるまで繰返して(ステップS24)、1ラスタの処理が終了する。
【0095】
ステップS25では、1ラスタ分の処理が終了する度に、各PEが担当する内部メモリ411に格納された最も古いラスタデータ、すなわち、AのデータをBのデータで更新し、同様にBのデータをCのデータで、CのデータをDのデータで、DのデータをEのデータで更新する。これにより、次のラスタを処理する際に、新たなEラスタのデータがステップS11、ステップS12で順次1バンド毎に入力される。
【0096】
以上の処理によれば、ステップS13で、いま並列処理すべき128個の画素データの中に孤立点除去の対象となる画素が存在するかどうかを調べ、存在しないと判断したときは、その注目画素に対する孤立点除去処理が省略される。そのために処理の高速化を図ることができる。
【0097】
(対数変換処理の内容)
図15は、ステップS2における対数変換処理を示すフローチャートである。上述の孤立点除去処理と同様に対数変換処理も1ラスタ7168画素を128画素毎56バンドに分割し、バンドデータ128画素が並列に処理される。
【0098】
まず、バンドカウンタmを1にセットし(ステップS31)、輝度信号An(m)を外部ワーキングメモリ216から各PEが担当する任意のレジスタに入力する(ステップS32)。
【0099】
輝度信号An(m)は最も明るい値255から最も暗い値0までの8ビットの値をとり得るが、一般に対数変換処理では、最も明るい値255を0、最も暗い値0を255として一意に濃度信号に変換する。本実施形態においては、PDLユニット202からはPDL画像データとしてラスタデータに変換された輝度信号がSIMDプロセッサ308に入力されるが、一般にはPDL画像中には背景の白い部分、図形中の黒いベタ画像等で輝度値255あるいは0の値を広い範囲で有している。
【0100】
そこで、このような画像信号に対して、ステップS33で、全てのPEが処理しようとする128個の画像信号An(m)が全て0あるいは255であることを検出した場合には、ステップS35に進み、一意的に輝度信号An(m)のビット反転した値を濃度値Dn(m)として、その後ステップS36に移る。なお、ステップS33で、8ビットの中間値をとる画素がある場合には、ステップS34に進み、通常どおりの対数変換処理を実行する。この通常どおりの対数変換の方式としては、例えば、輝度値An(m)を変数とする多項式近似演算を行う方式、輝度値An(m)を閾値と比較し、数点の折れ線近似による変換方式、内部メモリを用いたLUT変換方式等が知られている。ステップS34ではいずれの方式を用いてもよい。
【0101】
ステップS36では、濃度値Dn(m)を処理結果として外部ワーキングメモリ216に出力する。上記処理を56回繰返して(ステップS37)、1ラスタ7168画素に対する対数変換処理が終了する。
【0102】
このような処理によれば、とりわけPDL画像信号に対しては大部分の場合でステップS35による簡易な処理となるため、対数変換処理を極めて高速に処理することが可能となった。
【0103】
(擬似中間処理の内容)
図16は、ステップS5における擬似中間調処理を示すフローチャートである。
【0104】
この擬似中間調処理も上述の孤立点除去処理、対数変換処理と同様、1ラスタ7168画素を128画素毎56バンドに分割し、バンドデータ128画素が並列に処理される。
【0105】
まず、バンドカウンタmを1にセットし(ステップS41)、濃度信号An(m)を外部ワーキングメモリ216から各PEが担当する任意のレジスタに入力する(ステップS42)。濃度信号An(m)は最も明るい値0から最も暗い値255までの8ビットの値をとり得るが、一般に擬似中間調処理では、最も明るい値0を0、最も暗い値255を1として一意に2値化される。本実施形態では、PDLユニット202からはPDL画像データとしてラスタデータに変換された画像信号がSIMDプロセッサ308に入力されるが、一般にPDL画像中には背景の白い部分、図形中の黒いベタ画像等で濃度値255あるいは0の値を広い範囲で有している。
【0106】
そこで、このような画像信号に対して、ステップS43で、全てのPEが処理しようとする128個の画像信号An(m)が全て0あるいは255であることを検出した場合には、ステップS45に進み、一意的に8ビットの濃度信号An(m)のMSBを1ビットの2値化データDn(m)とし、ステップS46に移る。なお、ステップS43で、8ビットの中間値をとる画素がある場合には、ステップS44に進み、通常どおりの擬似中間調処理を実行する。この擬似中間調処理の方式としては、例えば組織ディザ法、乱数ディザ法、誤差拡散法等が知られている。ステップS44ではいずれの方式を用いてもよい。
【0107】
ステップS46では、2値化データDn(m)を処理結果として外部ワーキングメモリ216に出力する。上記処理を56回繰返して(ステップS47)、1ラスタ7168画素に対する対数変換処理が終了する。
【0108】
このような処理によれば、とりわけPDL画像信号に対しては大部分の場合でステップS45による簡易な処理となるため、擬似中間調処理を1ページにわたって極めて高速に処理することが可能となった。
【0109】
なお、ここでは濃度信号の2値化データに対する場合の例を示したが、もちろんこの他の多値化データにも適用可能であり、例えば2ビット4値または3ビット8値の多値化処理の場合には、入力信号255に対しては、それぞれ入力信号の上位2ビットまたは3ビットの信号が多値化信号として得られることはいうまでもない。
【0110】
(他の実施形態)
本発明は、上述の孤立点除去処理に類似したスムージング処理にも適用することができる。
【0111】
また、かかるスムージング処理等において注目画素の周辺画素を参照して注目画素に補正処理を加える場合、上述の実施形態では今処理しようとする128個の画素に対してのみその値を評価してその後の特定の演算を実行する/しないを判断するようにしたが、処理の目的に応じ、例えば、隣接する1ラスタ前の128画素の状態をも加味して上記の判断を行うようにしてもよい。
【0112】
また、例えば多値画像信号に対する処理である空間フィルター処理に対しても本発明を適用することができる。
【0113】
例えば、3×3の空間フィルターの場合、少なくとも参照する3ラスタの画像信号がすべて0またはすべて255の場合、あらゆる空間フィルターの処理結果は一意に0または255である。また、例えばラプラシアンフィルターの場合、ラプラシアンを演算し、全てのPEでその値が0の場合には、対象画像信号の変化がなく均一な画像領域であると判断し、その時点からの演算を中止することで、以降の不要な処理を省くことも可能である。したがって、この場合にも、とりわけPDL画像に対しては上述の実施形態と同様に処理の高速化が図れる。
【0114】
また、本発明は、カラー画像処理の中の黒文字処理にも適用することができる。
【0115】
黒文字処理とは、画素が黒色で、かつ、それが文字の一部を構成しているかどうかを判断して、その判断結果に応じて例えば黒色単色で記録信号を構成する処理をいう。この処理において、各画素信号が黒色であるか否かを先行して判断し、並列に動作するSIMDの各PEが担当する画素がすべて黒色以外であれば、後続して行われる文字判定の処理は不要である。一般には1ページを構成する黒い文字の領域は高々10%以下の画素数であるから、この場合においても、本発明を適用することで、並列に動作する各PEが担当する画素がすべて黒と判断された場合にのみ、それ以降の文字判定のための処理を行うようにすればよいので、極めて高速に黒文字処理を行うことができる。
【0116】
また、上述の実施形態では、適用する各画像処理の内部で、その画像処理に係る特定の演算を実行する/しないの判断を行っているが、例えば、各画像処理を行う前に、あらかじめ代表的に特定のを実行する/しないの判断を行い、各画像処理をその判断結果に基づき動作させるようにしてもよい。そうすれば、わざわざ各画像処理の中で特定の演算を実行する/しないを判断する処理を行わせる必要がなくなり、さらに画像処理全体の高速化を図ることができる。
【0117】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【0118】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(図10(図11〜14を含む。)、図15、図16の、少なくとも1つ以上のフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータがその供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0119】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の特許請求の範囲には、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0120】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0121】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD等)、光磁気ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。
【0122】
その他、プログラムの供給方法としては、インターネットを介して本発明のプログラムをファイル転送によって取得する態様も含まれる。
【0123】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介して暗号化を解く鍵情報を取得させ、その鍵情報を使用することで暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0124】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0125】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、SIMD型のプロセッサを用いた画像処理装置における画像処理の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像処理装置の構成を機能的に示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】実施形態における画像処理プロセッサの構成を示す図である。
【図4】実施形態における制御処理部および演算処理ユニットの構成を示す図である。
【図5】実施形態における画像処理装置が実行する画像処理の概要を示すフローチャートである。
【図6】処理対象の画像データを模式的に示す図である。
【図7】実施形態におけるSIMDプロセッサにおけるバンドデータの取り扱いを説明するための図である。
【図8】孤立点除去処理において参照される画素について説明するための図である。
【図9】孤立点除去処理における各PEのメモリの一部を模式的に示した図である。
【図10】実施形態における孤立点除去処理を示すフローチャートである。
【図11】実施形態における周辺画素データの加算手順を示すフローチャートである。
【図12】実施形態における周辺画素データの加算手順を示すフローチャートである。
【図13】実施形態における周辺画素データの加算手順を示すフローチャートである。
【図14】実施形態における周辺画素データの加算手順を示すフローチャートである。
【図15】実施形態における対数変換処理を示すフローチャートである。
【図16】実施形態における擬似中間調処理を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. 複数の要素プロセッサそれぞれに同一の命令を並列に実行させる並列処理手段を備え、前記並列処理手段を用いて所定の画像処理を行う画像処理装置であって、
    並列処理すべき複数の画素データのそれぞれを、対応する前記要素プロセッサに供給する供給手段と、
    各要素プロセッサに並列処理すべく供給された画素データが全て所定の値である場合、前記画像処理における特定の演算を実行すべきでないと判断する判断手段と、
    前記判断手段が前記特定の演算を実行すべきと判断したときにのみ、前記特定の演算を並列に実行するように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記判断手段は、各要素プロセッサに供給された画素データのいずれもが最高値、またはいずれもが最低値であるときに、前記特定の演算を実行すべきでないと判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記所定の画像処理は、孤立点除去処理、対数変換処理、擬似中間処理、スムージング処理、空間フィルタ処理、黒文字処理の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記特定の演算は、注目画素に対して所定数の周辺画素に依存した演算であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 複数の要素プロセッサそれぞれに同一の命令を並列に実行させる並列処理手段を備え、前記並列処理手段を用いて所定の画像処理を行う画像処理装置の制御方法であって、
    並列処理すべき複数の画素データのそれぞれを、対応する前記要素プロセッサに供給する供給ステップと、
    各要素プロセッサに並列処理すべく供給された画素データが全て所定の値である場合、前記画像処理における特定の演算を実行すべきでないと判断する判断ステップと、
    前記判断ステップで前記特定の演算を実行すべきと判断したときにのみ、前記特定の演算を並列に実行するように制御する制御ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  6. 複数の要素プロセッサそれぞれに同一の命令を並列に実行させる並列処理手段を備え、前記並列処理手段を用いて所定の画像処理を行う画像処理装置を制御するためのプログラムであって、
    並列処理すべき複数の画素データのそれぞれを、対応する前記要素プロセッサに供給する供給ステップ、
    各要素プロセッサに並列処理すべく供給される画素データが全て所定の値である場合、前記画像処理における特定の演算を実行すべきでないと判断する判断ステップ、
    前記判断ステップで前記特定の演算を実行すべきと判断したときにのみ、前記特定の演算を実行するように制御する制御ステップ、
    を実行させるプログラム。
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