JP4079170B2 - シールリング - Google Patents
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Description
以下、図34,35を参照して、従来技術に係るシールリングについて説明する。
図34は従来技術に係るシールリングの平面的模式図であり、図35は従来技術に係るシールリングの装着した状態を示す模式的断面図である。
図示のシールリング100は、軸孔が設けられたハウジング200と、この軸孔に挿入された軸300との間の環状隙間をシールするためのものであり、軸300に設けられた環状溝301に装着されて使用されるものである。
シールリング100は樹脂材料から形成されるもので、軸300に設けられた環状溝301の側壁面をシールするための第1シール部101と、ハウジング200に設けられた軸孔の内周面をシールするための第2シール部102と、を備えている。
そして、密封対象流体側Oから非密封対象流体側Aに向けて、図35中矢印P方向に圧力がかかると、シールリング100は非密封対象流体側Aに押圧されるため、第1シール部101は環状溝301の側壁面を押圧し、また、第2シール部102は環状溝301に対向するハウジング200に設けられた軸孔の内周面を押圧し、それぞれの位置でシールする。
このようにして、密封対象流体の非密封対象流体側Aへの漏れを防止していた。
ここで、密封対象流体は、例えば潤滑油であり、特に自動車の自動変速機に利用される場合にはATFを指している。
また、シールリング100のリング本体には、図34に示すように、周方向の一ヶ所に組み込み性の向上等を目的として分離部S0が設けられている。
このような分離部S0の形態として様々なものが知られているが、周囲温度の変化によっても好適に対応することのできるものとして、2段ステップ状にカットされた、特殊ステップカットが知られている。
この特殊ステップカットによれば、円周方向の壁面同士がそれぞれ密着するため、密封対象流体の漏れを防止することができ、また、円周方向に垂直な面同士が円周方向に対して隙間を有しつつ、密封対象流体側と非密封対象流体側とを遮断する構成であるために、シールリングとハウジングの材質の違いによる線膨張係数の差異によって、シールリングが円周方向に相対移動したとしても、密封状態を維持しつつ隙間の分だけ寸法の変化量を吸収できるため、周囲の温度変化に対しても好適に密封性能を維持することができる。
このようなシールリング100においては、特に軸300がアルミニウム合金等の軟質材であるような場合に、シールリング100と軸300との相対回転による、第1シール部101と環状溝301の側壁面との間の摺動によって、特に、環状溝301の側壁面が摩耗してしまっていた。
これは、第1シール部101と環状溝301の側壁面との間には、潤滑油による潤滑膜が形成されにくいためであり、特に、潤滑油中に存在する異物がこれらの間にかみ込まれたり、摩耗粉の蓄積などが生じる場合には摩耗が激しくなっていた。また、シールリング100が高圧力・高回転下で使用された場合にも、シールリング100と軸300との相対回転により、第1シール部101と環状溝301の側壁面とが高温となってしまい、シールリング100が溶解してしまうこともある。
このような摩耗を低減させるための技術として、密封対象流体である潤滑油を第1シール部101と環状溝301の側壁面との間に供給させるための溝を設けることによって、潤滑膜を形成させて耐摩耗性を向上させる技術が知られている(例えば、日本特開平9−96363号公報)。
図36は従来技術に係るシールリングの模式図であり、図36Aは模式的一部平面図、図36Bは図36Aのbb断面図、図36Cは図36AのI方向から見た側面図である。
すなわち、図36に示すように、第1シール部101に密封対象流体側Oと非密封対象流体側Aとを連通するための連通溝101aを設けることによって、密封対象流体側Oの潤滑油を連通溝101aに漏れさせるようにして、第1シール部101が環状溝301の側壁面に対して摺接した際に、これらの間に潤滑膜を形成させてシール面の潤滑状態を改善して耐摩耗性の向上を図ったものである。
また、上記連通溝101aを設けることにより、潤滑膜の形成だけでなく、潤滑油中に存在する異物や摩耗により生じた摩耗粉が、第1シール部101と環状溝301の側壁面との間にかみ込まれないように非密封対象流体側Aに排出させる機能を持たせることにより、また、潤滑膜の形成によりシール面を冷却することにより、より一層耐摩耗性の向上を図ったものである。
しかしながら、上記のような従来技術に係るシールリングを用いても、環状溝301の側壁面の摩耗の発生が散見されており、本発明者の検討の結果、潤滑油中に存在する異物が摺動面間に介在することで、軟質金属の側壁面が摩耗することがわかった。
また、長期使用により摩耗が進行した場合、図37に示すように、環状溝301の側壁面は、第1シール部101が摺接される部分のみが摩耗するため、摩耗した分だけ、シールリング100は、環状溝301の側壁面の元の位置よりも内部側へと押し込まれていくことになる。
そして、連通溝101aの底面が、環状溝301の側壁面の摩耗されていない面まで達すると、図37中矢印Xに示すように、連通溝101aへの経路が遮断されることになり、潤滑油の供給がなされなくなり、異常摩耗が生じてしまうという不具合が発生する可能性がある。
ここで、図38,39に示すように、断面形状を台形にしたシールリング400も知られている。このシールリング400は、摺動フリクションを低減させるために、シール部402が線接触となる目的で構成されたものであり、環状溝301の上端縁でシール部402を形成する。
このシールリング400の場合には、環状溝の側壁面が傾斜しているかいないかの有無に拘わらず、特殊ステップカットにおける凸部と凹部との間の隙間Zからリークが発生してしまう。また、環状溝の傾き角度によって、リーク量が変わるため、安定したリーク特性が得られないという問題もある。
また、このシールリングにおいて、軸に軟質金属が適用された場合には、軸溝側面の摩耗量は少ないが、そのリーク量は、隙間T0により変化し、シールリングの外径の寸法公差とハウジング穴径の寸法公差によっては、隙間T0=0.2〜0.6mm程度の幅となり、その場合のリーク量は、200〜500cc/min(0.2〜0.5 l/min)程度となる場合がある。
一般的な特殊ステップカットの分離部を有するシールリングのリーク量は、100cc/min(0.1 l/min)以下であり、このような場合には、リーク量が過大なため、通常の油圧ポンプ容量では対応することが難しくなる。
また、このような場合に、油圧ポンプ容量を大きくして対応しても、油圧ポンプで生じる損失が大きくなってしまう。つまり、燃費が低下するという問題が発生してしまう。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回転摺動フリクションの低減を図りつつ、リーク量の低減を図り、長期にわたって安定したシール性能を維持する品質性に優れたシールリングを提供することにある。
同心的に相対回転自在に組付けられる2部材のうち、一方の部材に設けられた環状溝の非密封対象流体側の側壁面をシールする第1シール部と、
前記2部材のうち、他方の部材表面をシールする第2シール部と、
を備え、これらのシール部によって、前記2部材間の環状隙間をシールするシールリングであって、
リング本体には周方向の一ヶ所にて分離された分離部が設けられたシールリングにおいて、
前記第1シール部には、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に当接する線接触部が、前記分離部の一方側から他方側まで全周にわたって連続的に設けられ、
前記分離部の一方側に設けられた線接触部と、該分離部の他方側に設けられた線接触部とは、径方向に離れて設けられていることを特徴とする。
第1シール部を、環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に接触する線接触部としているので、摺動部の受圧面積を減らすことができる。従って、潤滑油による潤滑膜の形成を良好とすることができ、回転摺動フリクションの低減を図ることができる。また、仮に摺動部に異物が入り込んだとしても容易に排出させることできる。
さらに、線接触部が分離部において径方向に離れて設けられていることにより形成される隙間の大きさにより、密封対象流体の漏れ量(リーク量)を制御することが可能となる。
ここで、線接触部が分離部において径方向に離れて設けられていることにより形成される隙間とは、分離部の一方側に設けられた線接触部と、他方側に設けられた線接触部と、一方側の線接触部と該他方側の線接触部との間のリング本体の側面と、環状溝の非密封対象流体側の側壁面とによって形成される空間であり、この空間の径方向の断面の断面積の大きさを調整することにより、リーク量を調整することができる。
この空間が形成されるためには、分離部の一方側に設けられた線接触部と、他方側に設けられた線接触部とは、径方向に投影した場合に重なる領域を有することとなる。
この径方向に投影した場合に重なる領域を周方向に所定の長さとすることにより、前記空間を柱状とすることができ、すなわち、リーク経路が柱状となり、リーク経路の通油抵抗を大きくすることができる。従って、リーク量をより抑制することができる。
さらに、分離部の一方側に設けられた線接触部と、他方側に設けられた線接触部との径方向に投影した場合に重なる領域の周方向の長さを調整することによりリーク量を制御することができる。
また、線接触部が径方向に投影した場合に重なる領域を有しない場合、すなわち、分離部において、それぞれ周方向の分離端部まで設けられていない場合でも、分離部の一方側と他方側との線接触部が径方向に離れていれば、空間が形成されリーク経路は形成されるので、リーク量を調整することはできる。
また、線接触部は、シールリング本体の側面から、環状溝の非密封対象流体側の側壁面に向かって突出した略山状の形状をなすことも好適である。なお、シールリング本体とは、分離部を含んでいる。ここで、線接触という表現について説明する。線接触部においては、環状溝の非密封対象流体側の側壁面に対して、細長く連なったものとなるため、線接触と表現するもので、僅かに幅を有するものとなる。現実的に、線接触部が環状溝の非密封対象流体側の側壁面に接触する場合、僅かな幅を持った面で接触することとなり(線接触部に僅かな幅を持たせる場合もある)が、従来のようにリング本体の側面全面で接触させる場合と区別するためにも線接触という表現を用いるものである。
また、分離部の一方側に設けられた線接触部は、分離部の他方側に設けられた線接触部よりも他方の部材側に設けられ、一方の部材が、分離部の他方側から該他方側の分離端部を介して一方側に向けて回転するように組付けられることも好適である。
これにより、分離部の一方側と他方側との線接触部間に形成されるリーク経路の方向と一方の部材の回転方向とを逆方向に設定することができる。リーク経路の方向と一方の部材の回転方向とが逆方向とは、リング本体の他方の部材側において、分離部の一方側と他方側との線接触部で形成される開口が一方の部材の回転方向を向いているということである。
したがって、密封対象流体中に存在する異物が分離部の線接触部間に送り込まれることを防止することができ、異物が線接触部間と、一方の部材の環状溝の側壁面との間に介在することを防止することができるので、側壁面の摩耗を防止することが可能となる。
この場合に、リング本体の他方の部材側において、線接触部が設けられた前記一方側の分離端部に周方向に突出する第1の円弧状凸部が設けられると共に、前記他方側の分離端部に該第1の円弧状凸部と嵌合する第1の円弧状凹部が設けられ、かつ、該第1の円弧状凸部には周方向に突出する第2の円弧状凸部が設けられると共に、該第1の円弧状凹部に該第2の円弧状凸部と嵌合する第2の円弧状凹部を設けることも好適である。
ここで、第1の円弧状凸部は、一方の部材が分離部の他方側から分離端部を介して一方側に向けて回転するように組付けられた場合の該一方側の分離端部に設けられているということである。
これにより、分離部に方向性を持たせることができるので、一方の部材の回転方向に応じたシールリングの取り付け作業を、効率良く行うことが可能となる。
また、第2の円弧状凸部にまで線接触部が設けられていることが好ましい。
また、分離部の一方側の分離端部に周方向に突出する円弧状凸部が設けられるとともに、分離部の他方側の分離端部に該円弧状凸部と嵌合する円弧状凹部が設けられ、該円弧状凸部と該円弧状凹部とが嵌合するそれぞれの嵌合面のうち一方の面に、他方の面に線状に接触する突起を設けたことも好適である。
これにより、密封対象流体中に存在する異物が分離部に入り込んでしまったとしても、線状に接触している突起が異物を噛み込んでしまうようなことはない。仮に、異物を噛み込んでしまったとしても、線状に接触している部分に噛み込むこととなるので、異物は排出されやすい(噛み込み状態が解除されやすい)。この場合、突起の形状としては、例えば、他方の面に向かって肉厚が徐々に薄くなる断面略楔状であると好ましい。
したがって、密封対象流体中に存在する異物が分離部に入り込むようなことがあっても、異物が分離部に噛み込んでしまうようなことはなく、嵌合面での摩耗の発生を防止することが可能となる。また、異物が分離部に噛み込んでしまうことに起因する側壁面の摩耗の発生を防止することが可能となる。
ここで、他方の面に線状に接触する突起は、円弧状凸部と円弧状凹部とが嵌合するそれぞれの嵌合面のうち一方の面にのみ設けてもよいし、それぞれの嵌合面に設けてもよい。
前記嵌合面は、軸に略垂直であって周方向に延びる面であることも好適である。
また、前記線接触部には、
前記分離部の一方側から他方側まで連続的に設けられ、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に当接する第1の線接触部と、
前記第1の線接触部よりも前記環状溝の溝底側で、前記分離部の一方側から他方側まで連続的に設けられ、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に当接する第2の線接触部と、
が設けられ、
前記分離部の一方側に設けられた線接触部とは、前記第1の線接触部であり、前記分離部の他方側に設けられた線接触部とは、前記第2の線接触部であることも好適である。
上述したような分離部(合い口形状)の例としては、特殊ステップカットやステップカットを挙げることができる。
ここで、特殊ステップカットとは、シールリングにおける2つのシール面のいずれにもステップ状の分離部が形成される分離構造である。そして、分離部には、円周方向に伸びる分離面が含まれており、その分離端縁が、環状溝の非密封対象流体側の側壁面側に対するシール面において、ステップ状の分離部の一部として形成される。
一方、ステップカットとは、シールリングにおける2つのシール面のうち環状溝の非密封対象流体側の側壁面側に対するシール面側にステップ状の分離部が形成される分離構造である。そして、分離部には、円周方向に伸びる分離面が含まれており、その分離端縁が、ステップ状の分離部の一部として形成される。
また、同心的に相対回転自在に組付けられる2部材とは、例えば、軸孔が設けられたハウジングと、この軸孔に挿入された軸とをいう。そして、環状溝は、ハウジングと軸とのどちらかに設けられるものであるが、両方に設けられていてもよい。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用することができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図3は、図1に示すシールリングの3−3断面図であり、
図4は、図1に示すシールリングの4−4断面図であり、
図5は、図4のC部拡大図であり、
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るシールリングの変形例を示す平面図であり、
図7は、図6に示すシールリングの7−7断面図であり、
図8は、図6に示すシールリングの8−8断面図であり、
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図10は、分離部(図1に示すシールリングの3−3断面に相当する)断面図であり、
図11は、図1に示すシールリングの4−4断面に相当する断面図であり、
図12は、図11のH部拡大図であり、
図13は、本発明の第3の実施の形態において、問題点を説明するための概略図であり、
図14は、本発明の第3の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図15は、本発明の第3の実施の形態に係るシールリングの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図であり、
図16は、本発明の第4の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図17は、本発明の第4の実施の形態に係るシールリングの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図であり、
図18は、耐久試験装置の一例を示す概略図であり、
図19は、本発明の第5の実施の形態において、問題点を説明するための概略図であり、
図20は、本発明の第5の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図21は、本発明の第5の実施の形態に係るシールリングの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図であり、
図22は、分離部(図1に示すシールリングの3−3断面に相当する)断面図であり、
図23は、本発明の第5の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断上視図であり、
図24は、図23に示すシールリングのW部の拡大図であり、
図25は、本発明の第5の実施の形態において、リップ部が1箇所設けられた場合を示す一部破断斜視図であり、
図26は、本発明の第5の実施の形態において、リップ部が1箇所設けられた場合を示す一部破断上視図であり、
図27は、本発明の第6の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図28は、本発明の第6の実施の形態に係るシールリングの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図であり、
図29は、分離部(図1に示すシールリングの3−3断面に相当する)断面図であり、
図30は、本発明の第7の実施の形態に係るシールリングの平面図であり、
図31は、本発明の第7の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断斜視図であり、
図32は、図30に示すシールリングの32−32断面図であり、
図33は、図30に示すシールリングの33−33断面図であり、
図34は、従来技術に係るシールリングを示す図であり、
図35は、従来技術に係るシールリングを示す図であり、
図36は、従来技術に係るシールリングを示す図であり、
図37は、従来技術に係るシールリングを示す図であり、
図38は、従来技術に係るシールリングを示す図であり、
図39は、従来技術に係るシールリングを示す図である。
図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るシールリング1について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るシールリング1の平面図、図2は本実施の形態に係るシールリング1の装着した状態を示す一部破断斜視図、図3は図1に示すシールリング1の3−3断面図、図4は図1に示すシールリング1の4−4断面図、図5は図4のC部拡大図である。
シールリング1は、軸孔が設けられた他方の部材としてのハウジング80と、この軸孔に挿入された一方の部材としての軸70との間の環状隙間をシールするためのものであり、軸70に設けられた環状溝71に装着されて使用されるものである。
そして、シールリング1は樹脂材料から形成されるもので、軸70に設けられた環状溝71の非密封対象流体側Aの側壁面72をシールするための第1シール部4と、ハウジング80に設けられた軸孔の内周面81をシールするための第2シール部3と、を備えている。
そして、密封対象流体側Oから非密封対象流体側Aに向けて、図3中矢印P方向に圧力がかかると、シールリング1は非密封対象流体側Aに押圧されるため、第1シール部4は環状溝71の側壁面72を押圧し、また、第2シール部3は環状溝71に対向する軸孔の内周面81を押圧し、それぞれの位置でシールする。
このようにして、密封対象流体の非密封対象流体側Aへの漏れを防止していた。
ここで、密封対象流体は、例えば潤滑油であり、特に自動車の変速機に利用される場合にはATFを指している。
また、シールリング1のリング本体には、図に示すように、周方向の一ヶ所に組み込み性の向上等を目的として分離部2が設けられている。
このような分離部2の形態として様々なものが知られているが、本実施の形態においては、リーク量が少なく、周囲温度の変化によっても好適に対応することのできるものとして、図示のように、2段ステップ状にカットされた特殊ステップカットを採用した。すなわち、図示のように、第1シール部4側と第2シール部3側のいずれにも、ステップ状の分離部が形成されている。
この特殊ステップカットは、分離された部分を介して一方側の外周側に、凸部21と凹部22を左右(軸方向)一対に備え、他方側にも凹部24と凸部23を左右一対に備えるものである。そして、凸部21と凹部24が嵌合し、凹部22と凸部23が嵌合するように構成されている。
この特殊ステップカットによれば、円周方向に垂直な面同士が円周方向に対して隙間(図2中、凸部21の先端面21aとこれに対向する凹部24の対向面24aによって形成される隙間27、及び凸部23の先端面とこれに対向する凹部22の対向面によって形成される隙間28,及び内周側の隙間29)を有しつつ、密封対象流体側Oと非密封対象流体側Aとを遮断する構成である。
つまり、凸部21と凹部24は、第2シール部3と同心的な分離面25において摺接し、かつ軸に垂直な分離面26においても摺接するように構成されている。これにより、上述のような隙間27,隙間28及び隙間29を有していても、第2シール部3及び第1シール部4のいずれも分離部2によってシール面が途切れてしまう部分はない。
従って、リング本体が熱によって膨張して、隙間27,隙間28及び隙間29の間隔に変動が生じたとしても、密封状態を維持しつつ隙間の分だけ寸法の変化量を吸収できるため、周囲の温度変化に対しても密封性能を維持することができる。
そして、本実施の形態に係るシールリング1において、第1シール部4は、環状溝71の側壁面72に線状に接触する線接触部41により構成されている。
線接触部41は、シールリング1において分離部2が形成されていない領域においては、第2シール部3の非密封対象流体側Aから環状溝71の側壁面72側であって内径側(溝底側)に向かって傾斜する傾斜面42と、シールリング1の内周面5であって非密封対象流体側Aである角部から環状溝71の側壁面72側であって外径側(溝の開口部側)に向かって傾斜する傾斜面43とにより形成される山状形状部(突出部)により構成されている。
また、線接触部41は、凸部21において、第2シール部3の非密封対象流体側Aから環状溝71の側壁面72側であって溝底側に向かって傾斜する傾斜面42と、凸部21の分離面25の非密封対象流体側Aである角部47から外径側に延びて形成される、凸部21の非密封対象流体側A端面48の外径側端部から環状溝71の側壁面72側であって外径側に向かって傾斜する傾斜面44とにより形成される山状形状部(突出部)により構成されている。
また、線接触部41は、凹部24においては、凹部24の分離面25の非密封対象流体側Aである角部47から環状溝71の側壁面72側であって内径側に向かって傾斜する傾斜面45と、凹部24の内周面5であって非密封対象流体側Aである角部から環状溝71の側壁面72側であって外径側に向かって傾斜する傾斜面46とにより形成される山状形状部(突出部)により構成されている。
ここで、説明の便宜上、凸部21に設けられた線接触部41を線接触部41a、凹部24に設けられた線接触部41を線接触部41b、シールリング1において分離部2が形成されていない領域に設けられた線接触部41を線接触部41cとして説明する。
そして、線接触部41a,41b,41cは、第1シール部4において、連続的に設けられており、図に示すように、分離部2において線接触部41a,41bは、径方向に離れて設けられることにより、線接触部41a,41b間でリーク経路R(図2参照)を形成している。
ここで、図3を用いて、シールリングの分離部における線接触部の断面形状について説明する。
図3において、線接触部41a,41b間の径方向の長さをa、凸部21の非密封対象流体側A端面48の径方向長さをb、線接触部41から凸部21の非密封対象流体側A端面48までの軸方向の長さをc、寸法a,b及びcにより決定される断面部をS、第2シール部3から線接触部41a(または線接触部41b)までの径方向の長さをl、軸に垂直な面に対して傾斜面43がなす角度をθ1、軸に垂直な面に対して傾斜面42がなす角度をθ2、としている。
そして、寸法a,b及びcにより決定される断面部Sは、線接触部41a,41bと凸部21の非密封対象流体側A端面48と環状溝71の側壁面72とにより形成される空間の径方向の断面であり、すなわち、分離部2において線接触部41a,41bが径方向に離れて設けられることにより形成されるリーク経路の断面である。従って、この断面部Sの面積を適宜調整することにより、リーク量を制御することが可能となる。
断面部Sの面積を調整するということは、すなわち、寸法a,b及びcを調整することである。
寸法a,b及びcはリーク量を低減する観点からは小さい方が望ましいが、小さすぎると密封対象流体中の異物が通過することができなくなる。
従って、寸法b及びcは、0.1〜0.5mm、好ましくは、0.15〜0.3mmが適当である。また、異物の通過しやすさと、リーク量の低減とを考慮すると、寸法bと寸法cとを略等しくすることが望ましい。
また、寸法aを寸法bよりも若干大きくして、リーク経路側面にテーパをつけることによって、成形時の離型性を良好にしている。
また、寸法lは、軸とシールリングとの相対回転によって生じる引き摺りトルクを低減する上では小さいことが望ましいが、小さすぎると、線接触部41において、環状溝71の側壁面72に当接せずにハウジング80の軸孔と軸70との間の環状隙間に位置してしまう可能性があり、すなわち、シールリング側面と、環状溝71の側壁面72との線接触部分に隙間が生じてしまい、リーク量が増大する虞がある。
従って、ハウジング内径寸法をH、軸外径寸法をJ、j=0.1〜0.3mmとした場合に、
l=H−J+j
程度とするのが適当である。
また、シールリングが密封対象流体の圧力によりねじれて変形してしまう虞がある。シールリング側面の角度θ1及びθ2が小さすぎると、シールリングが密封対象流体の圧力によりねじれて変形してしまった場合に、線接触状態を保てなくなることが考えられる。また、シールリング側面の角度θ1及びθ2が大きすぎる場合には、シールリングの断面積が減少してしまうので、シールリングの成形が困難となってしまう。
従って、角度θ1及びθ2は、5〜20度とすることが望ましい。
ここで、図5は図4のC部の拡大図であり、線接触部41を拡大したものである。図に示すように、線接触部41の先端は径方向に所定の幅を持ち、その幅lsは、リーク量抑制と異物排出性を考慮して、0.05〜0.3mm、好ましくは、0.1〜0.2mmとするとよい。また、線接触部41の両端のR0.1以下に面取りされていることが好ましい。
本実施の形態では、図1,2に示すように、シールリング1において分離部2が形成されていない領域から凹部24にかけて、線接触部41はリング側面の外周側に位置する線接触部41cから内周側に位置する線接触部41bへ移行する移行部41dを経て設けられているが、これに限らず、凸部21と凹部24とに設けられた線接触部41a,41bが周上で重ならない、すなわち径方向に離れた状態で、線接触部41a,41bが、凸部21から凹部24まで全周にわたって連続的に設けられていればよく、移行部の位置や形状、また移行部の有無は問わない。
また、本実施の形態では、凸部21と凹部24とにおいて、それぞれ周方向の分離端部まで線接触部41が設けられることにより、径方向に投影した場合に凸部21と凹部24とに設けられた線接触部41a,41bがそれぞれ重なるようにしているが、これに限るものではない。
すなわち、凸部21と凹部24とにおいて、それぞれ周方向の分離端部まで線接触部が設けられていなくてもよく、分離部2の断面形状において、リーク経路を構成する断面部Sが形成されていればよい。また、径方向に投影した場合に凸部21と凹部24とに設けられた線接触部が重ならなくても、凸部21と凹部24とに設けられた線接触部が径方向に離れていれば、リーク経路は形成されるので、断面部Sが形成されたものとして、断面部Sを調整することにより、リーク量を制御可能である。
ここで、離型性の向上のため、図6〜8に示すように、内周側に径方向の面が平坦となる平坦面Mを設けてもよい。
図6は離型性を向上させたシールリング1Aを示す平面図、図7は図6に示すシールリング1Aの7−7断面図、図8は図6に示すシールリング1Aの8−8断面図である。
離型時に、この平坦面Mに離型用の突き出しピンを当接させることにより、線接触部41を構成する傾斜面に突き出しピンが当接することがないので、シールリングの形状を損なうことなく離型することが可能となる。
また、シールリング1を構成する材料としては、耐熱性樹脂と充填材からなる樹脂組成物を適用することができる。
ここで、耐熱樹脂としては、例えば、ポリシアノアリールエーテル系樹脂(PEN),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂,芳香族系熱可塑性ポリイミド樹脂,ポリアミド4−6系樹脂,ポリフェニレンサルファイド系樹脂,ポリテトラフロロエチレン系樹脂などの耐熱性,耐燃性,耐薬品性に優れ、優れた機械的性質を示す樹脂が挙げられる。
なお、充填材は、材料の機械的強度の向上、耐摩耗性の向上、低摩擦特性の付与等を目的に配合されるものであり、特に限定されるものではない。
このように構成されるシールリングにおいては、第1シール部4を、環状溝71の側壁面72に線状に接触する線接触部としているので、摺動部の受圧面積を減らすことができる。従って、潤滑油による潤滑膜の形成を良好とすることができ、回転摺動フリクションの低減を図ることができる。また、仮に摺動部に異物が入り込んだとしても容易に排出させることできる。
さらに、線接触部が分離部において径方向に離れて設けられていることにより形成される隙間の大きさにより、リーク量を制御することが可能となる。
線接触部が分離部において径方向に離れて設けられていることにより形成される隙間の大きさとは、上述した断面部Sであり、すなわち寸法a,b及びcを調整することにより、リーク量を制御することができる。
さらに、線接触部を径方向に投影した場合に凸部21と凹部24とに設けられた線接触部41a,41bがそれぞれ重なるように設けることにより、線接触部41a,41bと凸部21の非密封対象流体側A端面48と環状溝71の側壁面72とにより形成された空間が柱状となり、すなわち、リーク経路Rが柱状となり、この領域の通油抵抗を大きくすることができるので、よりリーク量を低減させることが可能となる。
また、この領域、すなわち線接触部を径方向に投影した場合に凸部21と凹部24とに設けられた線接触部41a,41bが重なる周方向の長さを調整することにより、リーク量を制御することができる。
例えば、従来技術の項で図41,42に示したシールリング400に対して同等のリーク経路断面積を設定した場合においても、リーク量をより少なくすることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図9〜図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るシールリング1Bについて説明する。図9は本実施の形態に係るシールリング1Bの装着した状態を示す一部破断斜視図、図10は分離部(図1に示すシールリング1の3−3断面に相当する)の断面図、図11は図1に示すシールリングの4−4断面に相当する断面図、図12は図11のH部拡大図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態に係るシールリング1に対して、断面形状を略矩形状とし、断面略矩形状のシールリングの非密封対象流体側Aの側面に、環状溝71の側壁面72に線状に接触する線接触部を設けたものである。なお、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態に係るシールリング1Bにおいて、第1シール部4は、断面略矩形状のシールリングの非密封対象流体側Aの側面から環状溝71の側壁面72に向かって突出して、側壁面72に線状に接触する線接触部41により構成されている。
シールリング1Bにおいて、線接触部41は、分離部2が形成されていない領域においては、第2シール部3の非密封対象流体側Aから内径側に長さlの位置に、環状溝71の側壁面72に向かって突出する山状形状部により構成されている。
また、線接触部41は、凸部21において、第2シール部3の非密封対象流体側Aから内径側に長さlの位置に、環状溝71の側壁面72に向かって突出する山状形状部により構成されている。
また、線接触部41は、凹部24においては、凹部24の分離面25の非密封対象流体側Aであって、シールリングの非密封対象流体側A側面から突出する山状形状部により構成されている。
ここで、第1の実施の形態と同様に、凸部21に設けられた線接触部41を線接触部41a、凹部24に設けられた線接触部41を線接触部41b、シールリング1Bにおいて分離部2が形成されていない領域に設けられた線接触部41を線接触部41cとして説明する。
そして、線接触部41a,41b,41cは、第1シール部4において、連続的に設けられており、図に示すように、分離部2において線接触部41a,41bは、径方向に離れて設けられることにより、線接触部41a,41b間でリーク経路R(図9参照)を形成している。
ここで、図10を用いて、シールリングの分離部における線接触部の断面形状について説明する。
図10において、線接触部41a,41b間の径方向の長さをa、凸部21の非密封対象流体側Aの側面において、内径側端部の角部47から線接触部41aの山状形状の立ち上がり(側面と山状形状部との境界)までの端面48の径方向の長さをb、線接触部41から凸部21の非密封対象流体側Aの端面48までの軸方向の長さをc、寸法a,b及びcにより決定される断面部をS、第2シール部3から線接触部41a(または線接触部41c)までの径方向の長さをl、としている。
そして、寸法a,b及びcにより決定される断面部Sの面積を適宜調整することにより、リーク量を制御することが可能となる。
断面部Sの面積を調整するということは、すなわち、寸法a,b及びcを調整することである。ここで、寸法a,寸法b,寸法c及び寸法lについては、第1の実施の形態と同様である。
図12は図11のH部の拡大図であり、線接触部41を拡大したものである。図に示すように、線接触部41の先端は径方向に所定の幅を持ち、その幅lsは、リーク量抑制と異物排出性を考慮して、0.05〜0.3mm、好ましくは、0.1〜0.2mmとするとよい。また、線接触部41の両端のR0.1以下に面取りされていることが好ましい。
また、線接触部41を構成する山状形状部のリング側面からの立ち上がりの角度βは、離型性を考慮すると、90度<β<180度、好ましくは、95度<β<120度が適当である。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、断面略矩形状のシールリングの側面に線接触部を設けたので、型の加工が簡易となり、第1の実施の形態の図6〜8に示したような平坦面を設けることなく離型性も向上する。
まず、比較例1として、数種類の充填材を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いて射出成形した断面略矩形状のシールリング100(従来技術の項で説明した図34,35に示すシールリング)を使用した。
そして、本実施例では、比較例1として成形されたシールリング100に追加工を施し、第1の実施の形態において図1〜5に示したシールリング1を得た。
ここで、シールリング1の各部の寸法は、シールリング外径=47.85mm,シールリング肉厚=1.9mm,シールリング高さ=2mm,l=0.6mm,θ1=約15度,θ2=約15度,b=0.25mm,c=0.25mm,ls=0.2mmに設定した。
また、比較例2として、比較例1として成形されたシールリング100に追加工を施したシールリング400(従来技術の項で説明した図38,39に示すシールリング)を使用した。
なお、シールリング外径、肉厚、高さは、本実施例,比較例1,2とも同じであり、また、分離部(合い口形状)は本実施例,比較例1,2とも特殊ステップカットである。
これら3種類のシールリングを用いて、耐久試験を行った。
条件としては、流入油温=80℃,油圧=1.3MPa,軸回転数=4000rpm,周速=10m/s,油種=ATF,軸側面の材質=ADC12,ハウジング材質=S45C,試験時間144時間とし、異物として24時間ごとに、JIS Z 8901 試験用ダスト 7種(関東ローム) 10mgをシールリング装着部直前の配管に投入した。
試験結果を表1に示す。なお、1000 cc/min=1l/minである。
表1に示されるように、本実施例は、比較例1よりアルミ軸摩耗深さが格段に少なく、また、比較例2と比べて、半分以下のリーク量で、同程度のアルミ軸摩耗深さを実現していることが確認された。
(第3の実施の形態)
以下に、本発明の第3の実施の形態に係るシールリング1Cについて説明する。
シールリングの取り扱い時において、例えばシールリングを搬送する際や、シールリングを2部材間の環状隙間に組み付ける際に、シールリングに打痕や圧痕などの傷がついてしまう場合がある。特に、分離部を有するシールリングにおいては、分離部の端部に傷がつく可能性がある。
図13は、問題点を説明するための概略図である。
例えば、第1の実施の形態に係るシールリング1においては、図13に示すI部に打痕や圧痕などの傷がついてしまった場合には、その傷がついてしまった部分から線接触部41a,41b間へ、密封対象流体中に存在する異物が侵入しやすくなってしまう。
シールリング1においては、分離部2において線接触部41a,41bは、径方向に離れて設けられることにより、線接触部41a,41b間でリーク経路Rを形成しており、このリーク経路Rと、軸の回転方向が同方向となった場合、すなわち、シールリングに対する軸の摺動方向が図13に示すJ方向である場合には、密封対象流体中に存在する異物が線接触部41a,41b間に送り込まれ易くなってしまう。
特に軸が軟質金属の場合であって、シールリングに対する軸の摺動方向が図13に示すJ方向である場合には、線接触部41a,41b間に送り込まれた異物がシールリング1の線接触部41a,41b間と、軸70の環状溝71の側壁面72との間に介在してしまうことにより側壁面72の摩耗が顕著となってしまうことが懸念される。
そこで、シールリング1の分離部2の構成においては、線接触部41a,41b間形成されるリーク経路Rと軸の回転方向とが逆方向、すなわち軸70の摺動方向が図13に示すK方向となるように構成されることが好ましい。すなわち、非密封対象流体側Aの側壁面72をシールするための凸部21が、軸70の摺動方向の下流側に位置するようにシールリングを装着するとよい。
ここで、シールリングは通常、複数個が一組で使用されるため、軸の回転方向に応じたシールリングの取り付け作業は、作業効率の低下を招くことが懸念される。
本実施の形態においては、分離部2の内周側の部分に対して外周側の部分を周方向に突出させた凸状部と、分離部の内周側の部分に対して外周側の部分を周方向に凹ませて該凸状部と嵌合する凹状部と、を設けることにより、第1の実施の形態に係るシールリング1に対して、分離部に方向性を持たせたシールリング1Cについて説明するものである。
図14は本発明の第3の実施の形態に係るシールリング1Cの装着した状態を示す一部破断斜視図、図15は本実施の形態に係るシールリング1Cの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態に係るシールリング1Cの分離部2において採用した特殊ステップカットは、リング本体の外周側において、分離部2の一方側をリング本体の内周側端部2cに対して周方向に突出した凸状部2aとし、他方側をリング本体の内周側端部2cに対して凹ませて凸状部2aが嵌合する凹状部2bとするものである。ここで、凸状部2aは第1の円弧状凸部を構成し、凹状部2bは第1の円弧状凹部を構成している。
そして、凸状部2aにおいては、第1の実施の形態に係るシールリング1同様、凸部21と凹部22を左右(軸方向)一対に備え、凹状部2bにおいては、凹部24と凸部23を左右一対に備えるものである。そして、シールリング1Cの外周側においては、凸部21と凹部24が嵌合し、凹部22と凸部23が嵌合するように構成されている。ここで、凸部21は第2の円弧状凸部を構成し、凹部24は第2の円弧状凹部を構成している。
本実施の形態に係るシールリング1Cにおいて、第1シール部4は、環状溝71の側壁面72に線状に接触する線接触部41により構成されている。これは、シールリング1と同様であり、線接触部41を構成する線接触部41a,41b,41cは、第1シール部4において連続的に設けられており、分離部2において線接触部41a,41bは、径方向に離れて設けられることにより、線接触部41a,41b間でリーク経路R(図14参照)を形成している。
ここで、シールリング1Cの分離部2における線接触部の断面形状においてもシールリング1と同様である。
従って、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
そして、本実施の形態の特徴としては、シールリングの装着の際に、シールリング1Cを軸70の回転方向に対応させて軸70の環状溝71に装着するものである。
すなわち、軸70の回転方向下流側に凸状部2aが位置し、かつ、凸状部2aにおいて線接触部41を構成する凸部21が、軸70に設けられた環状溝71の非密封対象流体側Aの側壁面72側に位置するように設けるものである。
このように、図14において、リング本体に対して軸70がK方向に回転する回転方向下流側に凸部21を設けることにより、線接触部41a,41b間のリーク経路Rの方向と軸の回転方向とが逆方向になる。リーク経路Rの方向と軸の回転方向とが逆方向とは、リング本体の内周側において、線接触部41a,41bで形成される開口が軸の回転方向であるK方向を向いているということである。
これにより、I部に打痕や圧痕などの傷がついた状態でシールリングが装着されたとしても、密封対象流体中に存在する異物が、軸の回転により線接触部41a,41b間に送り込まれることはない。
したがって、異物がシールリング1Cの線接触部41a,41b間と、軸70の環状溝71の側壁面72との間に介在することを防止することができるので、側壁面72の摩耗を防止することが可能となる。
さらに、シールリング1Cの分離部2においては、リング本体の外周側において、内周側端部2cに対して、突出した凸状部2aと、凹ませた凹状部2bとを設けることにより、第1の実施の形態に係るシールリング1のように、分離部が略対象形状ではなく、方向性を備えることとなり、シールリングの装着時には、凸状部2aを軸の回転方向下流側にして確実に装着することが可能となる。
ここで、凸状部2aにおいて突出した凸部21が非密封対象流体側Aとなるようにすることが好ましい。しかし、本実施の形態では、リング本体の外周側を凸状としているので、凹部22が非密封対象流体側Aになっても、線接触部間のリーク経路Rの方向と軸の回転方向とが逆方向になり、異物の侵入の防止及び側壁面72の摩耗の防止が可能となる。
したがって、凸状部2aを軸の回転方向下流側に装着することにより、確実に異物の侵入の防止及び側壁面72の摩耗の防止が可能となる。さらに、軸の回転方向に応じたシールリングの取り付け作業を、効率良く行うことが可能となる。
ここで、凸部21と凹部22(または、これにそれぞれ嵌合する凹部24と凸部23)においては、周方向の寸法差が大きいほど、すなわち凸部21が周方向に突出しているほど、密封対象流体のリーク量を少なくすることができるが、リーク量に対するこの部分の影響度は、第1の実施の形態で説明した断面部Sと比較すると小さいので、特に規定する必要はない。
また、シールリング1Cにおいても、図6〜8を用いて説明したシールリング1Aのように、内周側に径方向の面が平坦となる平坦面Mを設けることにより、離型性の向上を図ることが可能である。
(第4の実施の形態)
以下に、本発明の第4の実施の形態に係るシールリング1Dについて説明する。
図16は本発明の第4の実施の形態に係るシールリング1Dの装着した状態を示す一部破断斜視図、図17は本実施の形態に係るシールリング1Dの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図である。なお、上述した実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態では、第3の実施の形態に係るシールリング1Cに対して、第2の実施の形態で説明したシールリング1Bのように断面形状を略矩形状とし、断面略矩形状のシールリングの非密封対象流体側Aの側面に、環状溝71の側壁面72に線状に接触する線接触部を設けたものである。
すなわち、本実施の形態に係るシールリング1Dにおいては、断面賂矩形状であり、かつ、第3の実施の形態に係るシールリング1C同様、分離部2の内周側の部分に対して外周側を周方向に突出させた凸状部と、分離部の内周側の部分に対して外周側を周方向に凹ませて凸状部と嵌合する凹状部と、を設けることにより、第2の実施の形態に係るシールリング1Bに対して、分離部に方向性を持たせたものである。
まず、比較例として、実施例1と同様にして第1の実施の形態において図1〜5に示したシールリング1を得た。
そして、本実施例では、数種類の充填材を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いて射出成形した後、追加工を施すことにより、第3の実施の形態において図14〜15に示したシールリング1Cを得た。
なお、シールリングの各部の寸法は、本実施例,比較例とも同じで実施例1と同様である。
さらに、本実施例のシールリングにおいては、図14に示すI部に打痕を付与し、比較例のシールリングにおいては、図13に示すI部に打痕を付与した。
これら2種類のシールリングを用いて、耐久試験装置により耐久試験を行った。試料は、一度の試験で2個使用し、その試料間に油圧を供給した。
図18は、耐久試験装置の一例を示す概略図である。
図18に示す耐久試験装置90には、ハウジング91と、ハウジング91内周に回転自在に装着される軸93a,93bとが設けられている。
軸93a,93bの外周には、シールリングサンプルSを装着するリング溝92a,92bが設けられ、軸93aと軸93bとの間の空間が試験用の油が導入される油室94となっており、油圧導入口95から油室94に油圧が導入されるようになっている。
そして、シールリングサンプルSを軸93a,93bのリング溝92a,92bに装着し油圧をかけると、それぞれのシールリングサンプルSのリング側面S1が溝側面92c,92dに、リング外周面S2がハウジング91に押し付けられ油をシールする。
実施例1と同様の条件として行った試験結果を表2に示す。
表2に示されるように、本実施例は、比較例よりアルミ軸摩耗深さが格段に少なくできることが確認された。
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態に係るシールリング1Eについて説明する。
シールリングの使用時においては、密封対象流体中に存在する異物が分離部2に入り込んでしまうことが懸念されている。
図19は、問題点を説明するための概略図である。
例えば、第1の実施の形態に係るシールリング1において、異物が分離部2に入り込み、その状態が継続される、すなわち異物が分離部2に噛み込んでしまうようなことがあると、図19Bにおいてハッチングで示す面Qが異物により密封対象流体側Oに押されて線接触部41b(図19Aに示すT部)が側壁面72に接触しない状態となってしまい、その結果、密封対象流体中に存在する異物が、線接触部41b(図19Aに示すT部)と側壁面72との間に滞留してしまい、特に軸が軟質金属の場合には、側壁面72を摩耗させる不具合が生じる可能性がある。また、分離部2に噛み込まれた異物により面Qで過大な摩耗が生じる可能性がある。
本実施の形態においては、分離部2に異物が入り込んでしまった場合でも、異物を噛み込みにくく、また、異物を排出しやすい構成のシールリング1Eについて説明するものである。
図20は本発明の第5の実施の形態に係るシールリング1Eの装着した状態を示す一部破断斜視図、図21は本実施の形態に係るシールリング1Eの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図、図22は分離部(図1に示すシールリングの3−3断面に相当する)断面図、図23は本実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す一部破断上視図、図24は図23に示すシールリングのW部の拡大図である。なお、上述した実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態に係るシールリング1Eは、第1の実施の形態に係るシールリング1同様、ステップ状(特殊ステップカット)の分離部が形成されて、分離された部分を介して一方の側の外周側に、凸部21と凹部22を左右(軸方向)一対に備え、他方の側にも凹部24と凸部23を左右一対に備えるものである。そして、凸部21と凹部24が嵌合し、凹部22と凸部23が嵌合するように構成されている。ここで、凸部21は円弧状凸部を構成し、凹部24は円弧状凹部を構成している。
ここで、シールリング1Eの分離部2における線接触部の断面形状を図22に示しているが、各寸法については、シールリング1と同様である(図3参照)。
従って、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
そして、本実施の形態の特徴として、凸部21及び凸部23には、凸部と凹部とが嵌合する嵌合面のうち、軸に垂直な分離面26において、それぞれ対向面に向けて突出し該対向面に線状に接触する突起が設けられている。
この突起とは、図20,21に示すように、凸部21においては、凸部23に対向し軸に垂直な分離面26aにおいて、軸方向凸部23側に向けて離れるにしたがって肉厚が徐々に薄くなる断面略楔状のリップ部26bである。また、凸部23においては、凸部21に対向し軸に垂直な分離面26cにおいて、軸方向凸部21側に向けて離れるにしたがって肉厚が徐々に薄くなる断面略楔状のリップ部26dである。
そして、リップ部26b,26dは、それぞれ対向する分離面26c,26aの略径方向において略全域にわたって線状に接触するように設けられており、密封対象流体側Oから油圧Pがかかった場合には、リップ部26b,26dは、それぞれ分離面26c,26aに圧接されて線状に密封接触することとなる。
これにより、異物が分離部2に入り込んでしまったとしても、分離面26a,26c間は線状に接触しているので、分離面26a,26c間に異物が噛み込んでしまうことはない。仮に、異物を噛み込んでしまったとしても、線状に接触している部分に噛み込むこととなるので、異物は排出されやすい(噛み込み状態が解除されやすい)。
したがって、密封対象流体中に存在する異物が分離部2に入り込んでも、異物が分離部2に噛み込んでしまうようなことはなく、例えば、図19Bにおいてハッチングで示す面Qが異物により密封対象流体側Oに押されて線接触部41b(図19Aに示すT部)が側壁面72に接触しない状態となるようなこともない。
したがって、異物が線接触部41bと側壁面72との間に滞留することにより側壁面72を摩耗させる不具合を防止することが可能となる。また、異物が分離部2に噛み込まれることを防止することができるので、分離面26a,26c(図19Bで示した面Qに相当)で過大な摩耗の発生を防止することが可能となる。
ここで、本実施の形態では、リップ部26b,26dの突出高さ寸法dを0.15〜0.2mmとしている。寸法dは、密封対象流体中に存在する異物の大きさを考慮して設定されれば、この限りではない。
また、リップ部26b,26dの先端の角度θ3(図24A参照)は、成形性や耐久性を考慮すると、20〜120度、好ましくは、60〜90度とするとよい。
リップ部26b,26dの先端の形状は、R形状となっていてもよいが、型の加工性を考慮すると、図24Bに示すような平坦部を設けた略台形形状でもよく、この場合の角度θ4,θ5は、離型性を考慮すると、90〜180度、好ましくは、95〜120度とするとよい。平坦部の寸法fは、型の加工性及び異物の排出性を考慮すると、0.1〜0.5mm、好ましくは、0.15〜0.3mmとするとよい。
また、凸部21,23の周方向の先端から、リップ部26b,26dまでの周方向における寸法eは、特に限定されるものではないが、シール性を考慮した場合には、できるだけ小さい方が好ましく、0〜1mm、好ましくは、0〜0.5mmとするとよい。
図20,21に示すシールリングにおいては、凸部21及び凸部23それぞれに突起を設けているが、これに限らず、凸部21及び凸部23のいずれか一方に設けられていてもよい。図25,26は、凸部21のみにリップ部26bが設けられた場合を示している。
リップ部が1箇所であれば、噛み込んだ異物がリップ部間に滞留してしまうようなこともなく、異物の排出性がより向上する。また、組付け性を考慮した場合において、リップ部は1箇所の方がよい。
また、本実施の形態においては、軸に垂直な分離面26において、それぞれ対向面に向けて突出し該対向面に線状に接触する突起を設けたが、第2シール部3と同心的な分離面25においても、突起を設けて線状に接触するようにしてもよい。
また、シールリング1Eにおいても、図6〜8を用いて説明したシールリング1Aのように、内周側に径方向の面が平坦となる平坦面Mを設けることにより、離型性の向上を図ることが可能である。
なお、これまでの説明においては、第1の実施の形態に係るシールリング1同様のステップ状(特殊ステップカット)の分離部が形成されたシールリングについて説明したが、これに限らず、第3の実施の形態に係るシールリング1C同様のステップ状(特殊ステップカット)の分離部が形成されたシールリングにおいて、本実施の形態を適用しても好適である。
(第6の実施の形態)
以下、本発明の第6の実施の形態に係るシールリング1Fについて説明する。
図27は本発明の第6の実施の形態に係るシールリング1Fの装着した状態を示す一部破断斜視図、図28は本実施の形態に係るシールリング1Fの分離部の構成を説明するために分離部を離間させた状態を示す一部破断斜視図、図29は分離部(図1に示すシールリングの3−3断面に相当する)断面図である。なお、上述した実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施の形態では、第5の実施の形態に係るシールリング1Eに対して、第2の実施の形態で説明したシールリング1Bのように断面形状を略矩形状とし、断面略矩形状のシールリングの非密封対象流体側Aの側面に、環状溝71の側壁面72に線状に接触する線接触部を設けたものである。
すなわち、本実施の形態に係るシールリング1Fは、断面略矩形状であり、かつ、第5の実施の形態に係るシールリング1E同様、ステップ状(特殊ステップカット)の分離部が形成されて、分離された部分を介して一方の側の外周側に、凸部21と凹部22を左右(軸方向)一対に備え、他方の側にも凹部24と凸部23を左右一対に備えるものである。そして、凸部21と凹部24が嵌合し、凹部22と凸部23が嵌合するように構成されている。
ここで、シールリング1Fの分離部2における線接触部の断面形状を図29に示しているが、各寸法については、シールリング1Bと同様である(図11参照)。
なお、本実施の形態においては、第2の実施の形態に係るシールリング1B同様のステップ状(特殊ステップカット)の分離部が形成されたシールリングについて説明したが、これに限らず、第4の実施の形態に係るシールリング1D同様のステップ状(特殊ステップカット)の分離部が形成されたシールリングにおいて、本実施の形態を適用しても好適である。
まず、比較例として、数種類の充填材を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いて射出成形して、第2の実施の形態において図9〜12に示した断面略矩形状のシールリング1Bを使用した。
そして、本実施例では、比較例として成形されたシールリングに追加工を施し、第6の実施の形態において図27〜29に示したシールリング1Fを得た。
ここで、シールリング1Fの各部の寸法は、シールリング外径=47.85mm,シールリング肉厚=1.9mm,シールリング高さ=2mm,l=0.6mm,β=約116度,b=0.2mm,c=0.2mm,ls=0.2mm,d=0.2mm,θ4=θ5=120度,e=0.4mm,f=0.2mmに設定した。
なお、シールリングの各部の寸法は、本実施例,比較例とも同じである。
これら2種類のシールリングを用いて、耐久試験装置により耐久試験(摩耗加速試験)を行った。
本実施例においては、実施例2で説明した図18に示す耐久試験装置90を用いた。
条件としては、実施例1,2と同様であって、異物として24時間ごとに、JIS Z 8901 試験用ダスト 7種(関東ローム)10mgをシールリング装着部直前の配管に投入した。
さらに、本実施例では、シールリングの分離部の嵌合面、すなわち、分離面26a,26c間に、JIS Z 8901 試験用ダスト 7種 1mgを塗布した。
試料は、一度の試験で2個使用し、その試料間に油圧を供給した。そして、実施例、比較例ともに、10試料について試験を実施した(すなわち、試験回数は5回)。
実施例では、10試料中10の試料で摩耗深さは10μm以下となり、著しいアルミ軸側面の摩耗は見られなかった。一方、比較例では、10試料中8の試料で摩耗深さが10μm以下を保持したが、残る10試料中2の試料で著しい摩耗が発生した。
10試料中、実施例ではアルミ軸側面の摩耗深さが大きかった2つの試料の試験結果と、比較例では顕著な摩耗を示した2つの試料の試験結果とを表3に示す。
表3に示されるように、本実施例では、比較例に比べて顕著な摩耗発生の頻度を低減することが可能となり、耐摩耗性能の再現性の向上を図ることが可能となる。
(第7の実施の形態)
図30〜図33を参照して、本発明の第7の実施の形態に係るシールリング1Gについて説明する。
図30は本発明の第7の実施の形態に係るシールリング1Gの平面図、図31は本実施の形態に係るシールリング1Gの装着した状態を示す一部破断斜視図、図32は図30に示すシールリング1Gの32−32断面図、図33は図30に示すシールリングの33−33断面図である。なお、上述した実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略している。
上述した実施の形態では、第1シール部4は、環状溝71の側壁面72に線状に接触する1つの(1本の)線接触部41により構成していたが、本実施の形態では、2つの(2本の)線接触部により構成するものである。
すなわち、本実施の形態に係るシールリング1Gにおいて、第1シール部4は、断面略矩形状のシールリングの非密封対象流体側Aの側面から環状溝71の側壁面72に向かって突出して、側壁面72に線状に接触する2つの線接触部(第1の線接触部141及び第2の線接触部142)により構成されている。
第1の線接触部141は、分離部2の一方側である凸部21(先端面21aまたは先端面21a近傍)から、他方側である凹部24(対向面24aまたは対向面24a近傍)まで全周にわたって連続的に設けられている。
また、第2の線接触部142は、凸部21の内径側に設けられ分離部2の内周側の隙間29を構成する端部29aまたはその近傍(分離部2の一方側)から、凹部24の内径側に設けられ隙間29を構成する端部29bまたはその近傍(分離部2の他方側)まで全周にわたって連続的に設けられている。
そして、第1の線接触部141においては、図32に示すように、第2シール部3の非密封対象流体側Aから内径側に長さlの位置に、環状溝71の側壁面72に向かって突出する山状形状部(突出部)により構成されている。
そして、第2の線接触部142は、第1の線接触部141から内径側に長さaの位置に、第1の線接触部141と同様に環状溝71の側壁面72に向かって突出する山状形状部(突出部)により構成されている。また、第2の線接触部142は、本実施の形態においては、凹部24において、凹部24の分離面25の非密封対象流体側Aであって、シールリングの非密封対象流体側A側面から突出して設けられている。
ここで、第1の線接触部141と第2の線接触部142とにおいては、上述した実施の形態で説明した移行部41d(外周側に位置する線接触部から内周側に位置する線接触部へ移行する部分)が設けられることなく構成されている。
このように第1の線接触部141と第2の線接触部142とを構成することにより、これらの線接触部のうち径方向に横断する部分の長さ(環状溝71の側壁面72に接触している部分のうち径方向に接触している部分の長さ)を短くすることができるので、その分、線接触部へ異物が噛み込む確率を下げることができ、異物の侵入確率を下げることができる。したがって、接触状態のさらなる安定化を実現することができる。また、第1の線接触部141と第2の線接触部142とを、軸70に対して略同心的に設けるとより効果的である。
このように第1の線接触部141及び第2の線接触部142を設けることにより、分離部2において径方向に離れ、第1の線接触部141と第2の線接触部142との間でリーク経路R(図31参照)を形成する。
ここで、図32を用いて、シールリング1Gの分離部2における線接触部の断面形状について説明する。図32に示す断面において、シールリング1G本体に対する第1の線接触部141及び第2の線接触部142の寸法関係は、図10に示すシールリング1B本体に対する線接触部41a及び線接触部41bの寸法関係と同様である。
本実施の形態において、寸法a,b及びcにより決定される断面部Sは、第1の線接触部141及び第2の線接触部142と凸部21の非密封対象流体側A端面48と環状溝71の側壁面72とにより形成される空間の径方向の断面であり、すなわち、分離部2において第1の線接触部141及び第2の線接触部142が径方向に離れて設けられることにより形成されるリーク経路Rの断面である。従って、この断面部Sの面積を適宜調整することにより、リーク量を制御することが可能となる。
また、本実施の形態においては、軸とシールリングとの相対回転によって生じる引き摺りトルクを低減する上では、寸法(l+a)が小さいことが望ましい。しかしながら、寸法lが小さすぎると、第1の線接触部141において、環状溝71の側壁面72に当接せずにハウジング80の軸孔と軸70との間の環状隙間に位置してしまう可能性があり、すなわち、シールリング側面と、環状溝71の側壁面72との線接触部分に隙間が生じてしまい、リーク量が増大する虞がある。また、寸法aを小さくすることは、寸法bを小さくすることになるので、寸法aが小さすぎると異物が通過できなくなってしまう虞がある。寸法lについても、上述した実施の形態と同様の寸法とするとよい。
図33に示すL部は第1の線接触部141を指しているが、この部分の断面形状は、図12に示す断面形状と同様となる。また、第2の線接触部142の断面形状も同様の形状である。
以上のように本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態においても、分離部2において、第1の線接触部141及び第2の線接触部142は、それぞれ周方向の端部まで設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。また、径方向に投影した場合に第1の線接触部141及び第2の線接触部142がそれぞれ重なるように設けているが、これに限るものでもない。
分離部2において、径方向に投影した場合に第1の線接触部141と第2の線接触部142とが僅かに重ならない場合であっても、線接触部がそれぞれ内径側と外径側に設けられていることにより、リーク経路は形成されるので、断面部Sが形成されたものとして、断面部Sを調整することにより、リーク量を制御可能である。
また、径方向に投影した場合に線接触部が重ならない度合が上記の場合より大きくなった場合には、分離部2の一方側の第1の線接触部141及び第2の線接触部142の端部のうちいずれかの端部と、分離部2の他方側の第1の線接触部141及び第2の線接触部142の端部のうちいずれかの端部と、リング本体の側面(凸部21の非密封対象流体側A端面48)と、環状溝71の側壁面72とで形成される断面積が最小となる部分で、リーク量が決まることとなる。
また、第2の実施の形態に係るシールリング1の変形例として、第4,6の実施の形態を示した(第1の実施の形態に係るシールリングの変形例としては、第4,6の実施の形態)が、本実施の形態に係るシールリング1Gにおいても、これと同様に、第4,6の実施の形態で説明したような形状としても好ましい。これは、第4,6の実施の形態に係るシールリング1D,1Fにおいて、第1シール部4を、線接触部41にかえて、上述した第1の線接触部141及び第2の線接触部142により構成させると換言することもできる。
すなわち、シールリング1Gにおいて、シールリング1C,1Dのように、分離部2の内周側の部分に対して外周側の部分を周方向に突出させた凸状部と、分離部の内周側の部分に対して外周側の部分を周方向に凹ませて該凸状部と嵌合する凹状部と、を設けることにより、シールリング1Gに対して、分離部に方向性を持たせてもよい。
また、シールリング1Gにおいて、シールリング1E,1Fのように、凸部21及び凸部23に、凸部と凹部とが嵌合する嵌合面のうち、軸に垂直な分離面26において、それぞれ対向面に向けて突出し該対向面に線状に接触する突起を設けることにより、分離部2に異物が入り込んでしまった場合でも、異物を噛み込みにくく、また、異物を排出しやすい構成としてもよい。
比較例1,2のシールリングは、実施例1で説明した比較例1,2と同様のものを用いた。
また、数種類の充填材を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いて射出成形することにより、実施例として上記実施の形態において図30〜33に示したシールリング1Gとを得た。
ここで、シールリング1Gの各部の寸法、すなわち、シールリング外径、シールリング肉厚、シールリング高さなどは、実施例3で用いたシールリング1F(1B)と同様に設定した。
これら3種類のシールリングを用いて、実施例1と同様の条件として耐久試験を行った。試験結果を表4に示す。
表4に示されるように、本実施例は、比較例1よりアルミ軸摩耗深さが格段に少なく、また、比較例2と比べて、半分以下のリーク量で、同程度のアルミ軸摩耗深さを実現していることが確認された。
Claims (10)
- 同心的に相対回転自在に組付けられる2部材のうち、一方の部材に設けられた環状溝の非密封対象流体側の側壁面をシールする第1シール部と、
前記2部材のうち、他方の部材表面をシールする第2シール部と、
を備え、これらのシール部によって、前記2部材間の環状隙間をシールするシールリングであって、
リング本体には周方向の一ヶ所にて分離された分離部が設けられたシールリングにおいて、
前記第1シール部には、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に当接する線接触部が、前記分離部の一方側から他方側まで全周にわたって連続的に設けられ、
前記分離部の一方側に設けられた線接触部と、該分離部の他方側に設けられた線接触部とは、径方向に離れて設けられていることを特徴とするシールリング。 - 前記分離部の一方側に設けられた線接触部と、該分離部の他方側に設けられた線接触部とは、径方向に投影した場合に重なる領域を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のシールリング。
- 前記分離部の一方側に設けられた線接触部と、該分離部の他方側に設けられた線接触部と、該一方側の線接触部と該他方側の線接触部との間のリング本体と、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面とによって形成される空間の、径方向の断面の断面積の大きさにより、漏れ量を調整することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のシールリング。
- 前記線接触部は、リング本体の側面から、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に向かって突出した略山状の形状をなすことを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載のシールリング。
- 前記分離部の一方側に設けられた線接触部は、該分離部の他方側に設けられた線接触部よりも前記他方の部材側に設けられ、
前記一方の部材が、前記他方側から分離端部を介して前記一方側に向けて回転するように組付けられることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載のシールリング。 - リング本体の前記他方の部材側において、前記線接触部が設けられた前記一方側の分離端部に周方向に突出する第1の円弧状凸部が設けられると共に、前記他方側の分離端部に該第1の円弧状凸部と嵌合する第1の円弧状凹部が設けられ、かつ、
前記第1の円弧状凸部には周方向に突出する第2の円弧状凸部が設けられると共に、前記第1の円弧状凹部に該第2の円弧状凸部と嵌合する第2の円弧状凹部が設けられることを特徴とする請求の範囲第5項に記載のシールリング。 - 前記第2の円弧状凸部と前記第2の円弧状凹部とが嵌合するそれぞれの嵌合面のうち一方の面に、他方の面に線状に接触する突起を設けたことを特徴とする請求の範囲第6項に記載のシールリング。
- 前記分離部の一方側の分離端部に周方向に突出する円弧状凸部が設けられるとともに、該分離部の他方側の分離端部に該円弧状凸部と嵌合する円弧状凹部が設けられ、
前記円弧状凸部と前記円弧状凹部とが嵌合するそれぞれの嵌合面のうち一方の面に、他方の面に線接触する突起を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載のシールリング。 - 前記嵌合面は、軸に略垂直であって周方向に延びる面であることを特徴とする請求の範囲第8項に記載のシールリング。
- 前記線接触部には、
前記分離部の一方側から他方側まで連続的に設けられ、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に当接する第1の線接触部と、
前記第1の線接触部よりも前記環状溝の溝底側で、前記分離部の一方側から他方側まで連続的に設けられ、前記環状溝の非密封対象流体側の側壁面に線状に当接する第2の線接触部と、
が設けられ、
前記分離部の一方側に設けられた線接触部とは、前記第1の線接触部であり、前記分離部の他方側に設けられた線接触部とは、前記第2の線接触部であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第9項のいずれか1項に記載のシールリング。
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