JP6404976B2 - ピストンリング - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に使用されるピストンリングに関する。
自動車の内燃機関等に用いられるピストンリングは、例えばピストン外周面のリング溝に設けられ、ピストンリングの外周面がボア内周面に摺接し、且つ、ピストンリング1の側面2b側がリング溝の側面に当接してシール面となることで、燃焼室側からクランク室側へのブローバイガスの防止機能を有する。このようなピストンリングは、合口部を有する割りリング形状であるため、合口部におけるブローバイガスを抑制することが求められる。これに対して、特許文献1のように、合口形状を特殊な構造とすることで、ブローバイガスを抑制することが検討されている。
特開2012−163118号公報
しかしながら、特許文献1に記載のピストンリングについては、オイル消費量の軽減について着目されていない。そのため、オイル消費量の軽減について改善の余地があった。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、ブローバイガスの抑制とオイル消費量の軽減とを両立することができるピストンリングを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るピストリングは、互いに対向する内周面及び外周面と、前記内周面と前記外周面との間を接続する一対の側面と、を有する環状の本体部と、前記本体部に形成された合口部とを有する樹脂製のピストンリングであって、前記合口部は、前記一対の側面の少なくとも何れか及び外周面から見てステップ形状であり、前記外周面は、前記一対の側面のうちの一方の側面側から他方の側面側に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有する。
上記のピストンリングによれば、樹脂製であることで、従来の金属製のピストンリングと比較して比重が小さいため、リングの浮き上がりが起こりにくく、ピストンリングによる側面シール性を高めることができる。また、ピストンリングの合口部が一対の側面の少なくとも何れか及び外周面から見たときにステップ形状を有しているため、ピストンに対して取り付けた際に、一対の側面の間に形成される流通面積が小さくなり、ガス量が低減する。したがって、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。また、ピストンリングは、外周面がテーパ面を有しているため、ピストンリングの外周面によるオイル掻き効果が高められ、オイル消費量を低減することができる。
ここで、前記テーパ面は、前記外周面のうち前記一方の側面側の一部に設けられ、前記外周面から連続して形成されるステップ形状の段差部の前記外周面側の端部は、前記テーパ面とは異なる位置に設けられる態様とすることができる。外周面から連続して形成されるステップ形状の段差部の外周面側の端部がテーパ面とは異なる位置に設けられることで、外周面側の端部付近でのブローバイガスの移動が抑制されるため、ブローバイガスの抑制効果が高められる。
また、前記テーパ面は、前記外周面のうち前記一方の側面側の一部に設けられ、前記外周面のうち、前記他方の側面側の一部に、前記他方の側面側から前記一方の側面側に向かうにつれて外径が大きくなる逆テーパ面を有する態様とすることができる。このように、逆テーパ面を有する構成とすることで、ピストンリングの外周面によるオイルの掻き効果が高められ、オイル消費量の低減効果がさらに高められる。
また、前記外周面のうち、前記テーパ面と前記逆テーパ面との間に平坦面を有し、前記外周面から連続して形成されるステップ形状の段差部の前記外周面側の端部は、前記平坦面に設けられる態様とすることができる。このように、ステップ形状の段差部の端部が平坦面に設けられる構成とすることで、ステップ形状の段差部の端部の外方において一対の側面の間にガスの流通経路が設けられることを防ぐことができ、ブローバイガスをさらに抑制することができる。
また、前記他方の側面と前記外周面とがなす角部に切欠部を有する態様とすることができる。切欠部が設けられていることで、ピストンリングの外周面によるオイルの掻き効果が高められ、オイル消費量の低減効果がさらに高められる。
また、前記切欠部は、前記合口部とは異なる位置に設けられている態様とすることができる。合口部とは異なる位置に切欠部を設ける構造とすることで、合口部付近の強度を維持しながら、オイル消費量の低減を実現することができる。
また、前記本体部に沿って、前記切欠部が断続的に設けられている態様とすることができる。切欠部を断続的に設けることで、本体部全周に対して切欠部が占める割合を制御可能な構成となる。この場合、ピストンリングの側面シール性を適切な範囲に制御することが可能となる。
また、前記他方の側面は凸状の湾曲面を有している態様とすることができる。他方の側面が凸状の湾曲面を有していることで、他方の側面において、側面シール性を低減することができ、オイル消費量の低減効果を高めることができる。
また、前記他方の側面は凹部を有している態様とすることができる。他方の側面が凹部を有していることで、他方の側面において、側面シール性を低減することができ、オイル消費量の低減効果を高めることができる。
また、前記内周面と、前記外周面と、前記一方の側面、前記他方の側面、前記合口部の合わせ面、の少なくとも一面に、表面処理膜が設けられている態様とすることができる。表面処理膜が設けられていると、表面処理膜により耐摩耗性が向上する。
本発明によれば、ブローバイガスの抑制とオイル消費量の軽減とを両立することができるピストンリングが提供される。
本発明の一実施形態に係るピストンリングを示す斜視図である。 合口部の構造を説明する斜視図である。 図3(A)は、合口部の平面図であり、図3(B)は、合口部の正面図である。 図4(A)は、本体部の断面図であり、図1のIV−IV断面図に相当する。また、図4(B)は、合口端部の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。 図5(A)及び図5(B)は、内周面の形状の変更例を示すものである。 図6(A)は、ピストンリング1Aの合口端部の概略断面図であり、図1のA−A断面図に相当する図6(B)は、ピストンリング1Aの合口端部12の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。 ピストンリング1Bの本体部の概略断面図である。 図8(A)は、ピストンリング1Bの合口端部の概略断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。図8(B)は、ピストンリング1Bの合口端部の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。 図9は、ピストンリング1Cの本体部の断面図である。 図10(A)は、ピストンリング1Cにおける合口部の平面図であり、図10(B)は、ピストンリング1Cにおける合口部の正面図である。 図11(A)は、ピストンリング1Cの合口端部の概略断面図であり、図11のA−A断面図に相当する。図11(B)は、ピストンリング1Cの合口端部の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。 ピストンリング1Cに対して、切欠部21の配置を変更したピストンリング1Dの平面図である。 ピストンリング1Eの本体部の断面図である。 図14(A)は、ピストンリング1Fの底面図であり、図14(B)は、ピストンリング1Fの本体部の側面図である。 図15(A)は、ピストンリング1Gの本体部の断面図であり、図15(B)は、ピストンリング1Gの底面図である。 ピストンリング1Hの合口部の構造を説明する斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るピストンリングを示す斜視図である。図1に示すピストンリング1は、例えば自動車等の内燃機関においてピストン外周面のリング溝に設けられる。ピストンリング1は、外周面2dがボア内周面に摺接し、且つ、ピストンリング1の側面2b側がリング溝の側面に当接してシール面となることで、燃焼室側からクランク室側へのブローバイガスの防止機能を有する。また、本実施形態に係るピストンリング1は、ピストンの外周面に取り付けられるファーストリング(燃焼室側から数えて1番目のリング)及びセカンドリング(燃焼室側から数えて2番目のリング)のいずれにも利用することができる。
ピストンリング1は、環状の本体部2と、本体部2の一部に形成された合口部3と、を備えている。本体部2は、幅方向の端面である一対の側面2a,2bと、厚さ方向の端面である内周面2c及び外周面2dと、によって、断面は厚さ方向が長辺且つ幅方向が短辺となる略矩形状をなしている。ただし、後述のように外周面2dが傾斜しているため、側面2a及び側面2bの長さは互いに異なる。また、断面形状は上記の形状に限定されない。なお、ピストンリング1は、側面2aが燃焼室側となり、側面2bがクランク室側となるように、ピストンに対して取り付けられる。一対の側面2a,2bは、それぞれ内周面2cと外周面2dとの間を接続するように設けられる。
合口部3は、環状の本体部2の両端部に設けられた合口端部11,12を含む。合口端部11,12は、ピストンリング1をリング溝に装着する前の状態において、所定の間隔をもって対向した状態となっている。
図2及び図3は合口部3の構造を説明する図である。図2は、合口部3の構造を説明する斜視図であり、図3(A)は、合口部3の平面図(側面2a側から見た図)であり、図3(B)は、合口部3の正面図(外周面2d側から見た図)である。ピストンリング1において、合口部3は、所謂トリプルステップ形状を呈している。トリプルステップ形状とは、合口部3を三方向から見た際にステップ形状を呈しているものである。本実施形態のピストンリング1の場合、上側の側面2a側から見たとき、下側の側面2b側から見たとき、及び、外周面2d側から見たときに、合口部3がステップ形状となっている。
より具体的には、図2,図3に示すように、合口端部11及び合口端部12の対向面は、本体部2の内周面2c側の略半分における対向面11a,12aと比較して、本体部2の外周面2d側の略半分では、側面2a側において合口端部12が合口端部11側に突出し、側面2b側において合口端部11が合口端部12側に突出するように凹凸が形成されている。
具体的には、本体部2の外周面2d側の略半分且つ側面2a側の略半分(図2において略上半分となる部分)において、合口端部12には対向面12aよりも合口端部11側に突出する第1突出部13が設けられる一方、合口端部11には、第1突出部13を受ける第1受け部14が設けられる。第1突出部13の先端面13aと、第1受け部14の受け面14aとが対向する。また、本体部2の外周面2d側の略半分且つ側面2b側の略半分(図2において略下半分となる部分)において、合口端部11には対向面11aよりも合口端部12側に突出する第2突出部15が設けられる一方、合口端部12には、第2突出部15を受ける第2受け部16が設けられる。第2突出部15の先端面15aと、第2受け部16の受け面16aとが対向する。
この結果、側面2a側から見たときには、図3(A)に示すように、対向面11a,12aが設けられる位置と、第1突出部13の先端面13a及び第1受け部14の受け面14aが設けられる位置と、が本体部2の長手方向に沿って互いに異なるため、ステップ形状となる。また、外周面2d側から見たときには、図3(B)に示すように、第1突出部13の先端面13a及び第1受け部14の受け面14aが設けられる位置と、第2突出部15の先端面15a及び第2受け部16の受け面16aが設けられる位置と、が本体部2の長手方向に沿って互いに異なるため、ステップ形状となる。さらに、側面2b側から見たときも、図2に示すように、対向面11a,12aが設けられる位置と、第2突出部15の先端面15a及び第2受け部16の受け面16aが設けられる位置と、が本体部2の長手方向に沿って互いに異なるため、ステップ形状となる。各面でのステップ形状の段差となる領域(ステップの割位置)は、それぞれ略中央付近となっている。このように、本実施形態に係る合口部3は、トリプルステップ形状を呈している。なお、図2及び図3に示すように、対向面11aと対向面12aとの間、第1突出部13の先端面13aと第1受け部14の受け面14aとの間、及び、第2突出部15の先端面15aと第2受け部16の受け面16aとの間にはそれぞれ空隙が設けられている。
図4(A)は、ピストンリング1の本体部2の概略断面図であり、図1のIV−IV断面図に相当する。また、図4(B)は、ピストンリング1の合口端部12の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。
本実施形態に係るピストンリング1は、図2及び図4に示すように、上方の側面2a(一方の側面)側から下方の側面2b(他方の側面)側に向かうにつれて、外周面2dの径が大きくなるテーパ面(テーパフェース)を有するテーパ形状を呈している。図4(A)では、ピストンリング1の本体部2の断面を示している。このように、ピストンリング1においては、外周面2dの全面がテーパ面となっている。したがって、図2に示すように、合口部3周辺もテーパ面となっている。具体的には、図4(B)に示すように、合口端部12では、第1突出部13の外周面2d側がテーパ面となる。同様に、合口端部11では、第2突出部15の外周面2d側もテーパ面となる。テーパ面を有しているピストンリング1では、ピストンリング1の外径が最も大きい領域が、ボア内周面と接した状態で摺動する。本実施形態のピストンリング1の場合には、側面2bと外周面2dとにより形成される角部31において最も径が大きくなっている。したがって、ピストンリング1を取り付けた場合には、この側面2bと外周面2dとの角部31がボア内周面と接した状態で摺動する。このような構成とすることで、シリンダのボア内周面との接触面積が小さくなるため、オイルの初期馴染み性が高められる。また、ピストンリング1とボア内周面との接触面積が小さくなることで、接触面圧が高められ、ボア内周面に付着するオイルを良好に掻き取ることができる。
テーパ面により構成される外周面2dの傾斜角θ(図4参照:ピストンリングの軸方向に対する外周面2dの角度)は、1°〜10°とすることができる。このように、外周面2dがテーパ面を含み、その傾斜角θを1°〜10°とすることで、ピストンリング1の外周面2dによるオイルの掻き取り効果が高められ、オイル消費量を低減することができる。
また、ピストンリング1は、図2及び図4に示すように、本体部2の内周面2cにピストンリング1の内側に配置されるコイルバネを収容するバネ溝2eが設けられる。このバネ溝2e内に収容されるコイルバネは、ピストンリング1をピストン外周面のリング溝に取り付けて、シリンダのボア内に挿入した際に、ピストンリング1を半径方向外方に押圧するために設けられる。本実施形態のピストンリング1では、バネ溝2eは、内周面2cの中央(側面2a及び側面2bからの距離が等しい領域)付近ではなく、図4に示すように、中央付近よりも側面2b側、すなわち、クランク室側に近付いた位置に設けられる。バネ溝2eを設ける位置は、ピストンの動作時にバネ溝2eに取り付けられたコイルバネがピストンリング1と離間しない範囲で適宜変更することができる。バネ溝2eが設けられる位置を中央付近よりも側面2b側(クランク室側)に移動させることで、テーパ面を有するピストンリング1の外周面2dとボア内周面との密着性を高めた状態でピストンリング1を摺動させることが可能となる。
なお、ピストンリング1を半径方向外方に押圧するための手段として、コイルバネではなく板バネを用いてもよい。また、ピストンリング1を半径方向外方に押圧する機能を有していればバネの形状は上記に限定されない。また、バネの形状に応じて内周面2cの形状は適宜変更することができる。また、バネの形状が同一であっても、バネによる半径方向外方への押圧力を受け止めることが可能な範囲で、ピストンリング1の内周面2cの形状は適宜変更することができる。
図5は、内周面2cの形状の変更例を示すものである。図5(A)に示す変更例では、内周面2cと側面2aとの接続部分が切り欠かれ、ピストンリング1の内側に設けられるコイルバネ5と当接するバネ当接面2fを形成している。ピストン外周面のリング溝6に対して、コイルバネ5及びバネ当接面2fを設けたピストンリング1を取り付けてシリンダのボア内に挿入すると、図5(A)に示すように、コイルバネ5はバネ当接面2fが設けられている側(ここでは、側面2a側)へ移動した状態で、バネ当接面2fを押圧する状態となる。なお、バネ当接面は、内周面2cと側面2bとの接続部分に設けられていてもよい。図5(B)では、バネ当接面2fが側面2b側に設けられている例を示している。この場合、ピストン外周面のリング溝6に対して、コイルバネ5及びバネ当接面2fを設けたピストンリング1を取り付けてシリンダのボア内に挿入すると、図5(B)に示すように、コイルバネ5はバネ当接面2fが設けられている側(ここでは、側面2b側)へ移動した状態で、バネ当接面2fを押圧する状態となる。このように、内周面2cの形状は、適宜変更することができる。
上記のピストンリング1は樹脂製である。本実施形態において、ピストンリング1が樹脂製であるとは、ピストンリング1を構成する材料に含まれる樹脂の割合が50%以上であることをいう。ピストンリング1を構成する樹脂は特に限定されないが、高強度耐熱樹脂を選択することができる。高強度耐熱樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリフェニレンサルファイド(PPS)等に代表されるスーパーエンジニアリングプラスチックを例示することができる。また、さらに耐熱性の高いポリベンゾイミダゾール(PBI)も使用できる。そのほか、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、及び、液晶ポリマー(LCP)等を用いることもできる。上記の材料は射出成形が可能であり、本実施形態のピストンリング1のような複雑形状の合口部も容易に形成することができる。なお、ピストンリング1の製造方法は射出成形に限定されず、例えば、樹脂粉末をリング状に圧縮成形した後に合口部を薄刃カッターで形成してもよい。
なお、上記のピストンリング1の構成材料を、カーボン繊維又はガラス繊維を含む繊維強化樹脂とすることで、さらに耐熱性を高めると共に強度を高めることができる。また、ピストンリング1に用いられる樹脂材料に対して、充填材等を添加してもよい。充填材としては、例えば、モリブデン、金属粉(Cu、Fe)、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブロンズ、マイカ、酸化亜鉛(ZnO)、タルクなどが挙げられる。
なお、上記のピストンリング1の外周面2dには、耐摩耗性を高めるための皮膜(表面処理膜)が形成されていてもよい。耐摩耗性を高めるための皮膜の材料は特に限定されないが、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、硬質クロムめっき、複合分散めっき、金属の窒化物や炭化物等を用いることができる。また、外周面2dへの皮膜の形成方法は特に限定されず、例えば、無電解めっき及び電気めっき、物理蒸着(PVD)を用いることができる。
また、皮膜(表面処理膜)は、外周面2dとは異なる面に設けられていてもよい。すなわち、ピストンリング1の側面2a,2b、内周面2c、外周面2d、合口部3の合わせ面(合口端部11において合口端部12と対向する面、又は、合口端部12において合口端部11と対向する面)の少なくとも一面に皮膜が設けられていてもよい。この場合、皮膜が設けられている面は、耐摩耗性が高められる。
上記のピストンリング1は、樹脂製であることで、従来の金属製のピストンリングと比較して比重が小さいため、リングの浮き上がりが起こりにくく、ピストンリングによる側面シール性を高めることができる。また、樹脂製のピストンリング1は、弾性率が小さいことから、リング溝内をピストンリング1が移動した場合の追従性も高い。そして、ピストンリング1の合口部3がトリプルステップ形状を有しているため、ピストンに対して取り付けた際に、側面2a側(燃焼室側)から側面2b側(クランク室側)の間に形成されるガスの流通面積を小さくすることができ、ガス量を減らすことができる。したがって、上記のピストンリング1によれば、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。また、ピストンリング1は、外周面2dがテーパ面を有しているため、ピストンリング1の外周面2dによるオイル掻き取り効果が高められ、オイル消費量を低減することができる。外周面2dが全体的にボア内周面と当接した状態で摺動する構成である場合、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することができるが、オイル消費量の観点からは改善の余地があった。これに対して、外周面2dがテーパ面を有していることで、オイルの掻き取り性能を高めることで、オイル消費量を低減することができる。
なお、外周面2dの全面をテーパ面とするのではなく、外周面2dの角部31近傍において、外周面2dとボア内周面とが当接する領域を大きくするように、角部31近傍はテーパ面とせず、ボア内周面(すなわち、ピストンリングの軸方向)と平行とする(θ=0°とする)構成としてもよい。
(変形例−1)
次に、本実施形態の変形例に係るピストンリングについて、説明する。まず、図6に第1変形例に係るピストンリング1Aを示す。図6(A)は、ピストンリング1Aの合口端部11の概略断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。図6(A)では、合口端部11の第2突出部15が断面で示されている。また、図6(B)は、ピストンリング1Aの合口端部12の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。また、図6(B)では、合口端部12の第1突出部13が断面で示されている。
第1変形例に係るピストンリング1Aは、ピストンリング1と比較して、以下の点が相違する。まず、ピストンリング1Aは、ピストンリング1と同様に外周面2dがテーパ形状を呈しているが、外周面2d全面がテーパ面となっているのではなく、側面2a側の一部(図6では略半分)のみがテーパ面となっていて、側面2b側の残りの部分は、傾斜していない(θ=0°)。なお、図6では、ピストンリング1Aの合口端部11,12周辺を示しているが、本体部2においても、同様に側面2a側の一部のみがテーパ形状となっている。
そして、突出部と受け部とにより形成されて外周面2dに連続して形成されるステップ形状の段差部(割位置)が、側面2aと側面2bとの間の中央付近から側面2b側に移動されている。すなわち、図6(A)に示すように、第1受け部14の幅(ピストンリング1Aの幅方向の長さ)が第2突出部15よりも大きくなっている。また、図6(B)に示すように、第1突出部13の幅(ピストンリング1Aの幅方向の長さ)が第2受け部16よりも大きくなっている。その結果、ステップ形状の段差部の外周面2d側の端部は、前記テーパ面とは異なる位置に設けられる。
上記のピストンリング1Aの構造を採用すると、ピストンリング1と比較して、ブローバイガスをさらに抑制することができる。ピストンリング1は、上述したように、トリプルステップ形状の合口部3を採用することで、ブローバイガスを抑制することを実現している。しかしながら、外周面2dの全面をテーパ面とすることで、外周面2dと側面2bとによる角部31のみがボア内周面と当接する構造となる。この場合、図2に示すように、第2突出部の先端面15aと、第2受け部16の受け面16aとの対向面の付近で側面2a側から側面2b側へのガスの移動経路が形成される。図4(B)では、ピストンリング1を取り付けた際のボア内周面Wの配置を破線で示しているが、矢印Aで示す部分にガスの移動経路が形成されてしまう。その結果、僅かながらブローバイガスが発生する可能性がある。
これに対して、変形例に係るピストンリング1Aでは、ステップ形状の段差部(割位置)を側面2b側に移動し、外周面2d側の端部がテーパ面とは異なる位置に設けられる構成としている。その上で、ピストンリング1Aでは、外周面2dのテーパ面を側面2a側のみに形成している。この結果、第1突出部13及び第1受け部14側の外周面2dは一部テーパ面となっているが、第2突出部15及び第2受け部16側の外周面2dは、テーパ面ではなく、ボア内周面に当接する状態となる。
上記の構造を有するピストンリング1Aでは、ピストンリング1と同様に合口部3がトリプルステップ形状を有しているため、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。また、ピストンリング1Aにおいても、外周面2dの一部がテーパ面となっているため、ピストンリング1の外周面2dによるオイルの掻き取り効果が高められ、オイル消費量を低減することができる。さらに、ステップ形状の段差部(割位置)と、段差部よりも側面2b側の第2突出部15及び第2受け部16の外周面2dは、傾斜していないため、ボア内周面に当接することから、第2突出部の先端面15aと、第2受け部16の受け面16aとの対向面の付近ではガスの移動経路は形成されず、ブローバイガスの抑制効果が高められる。
(変形例−2)
図7及び図8に第2変形例に係るピストンリング1Bを示す。図7は、ピストンリング1Bの本体部2の概略断面図である。また、図8(A)は、ピストンリング1Bの合口端部11の概略断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。図8(A)では、合口端部11の第2突出部15が断面で示されている。また、図8(B)は、ピストンリング1Bの合口端部12の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。また、図8(B)では、合口端部12の第1突出部13が断面で示されている。
第2変形例に係るピストンリング1Bは、ピストンリング1と比較して、以下の点が相違する。まず、ピストンリング1Bは、ピストンリング1と同様に外周面2dがテーパ面を含んでいるが、外周面2d全面がテーパ面であるのではなく、側面2a側の一部のみがテーパ面となっている。また、ピストンリング1Aでは、側面2b側の残りの部分は傾斜していない(θ=0°)のに対して、ピストンリング1Bでは、残りの部分は、傾斜していない領域と、逆テーパ形状(θ<0°)である逆テーパ面とを有する。
具体的には、図7に示すように、ピストンリング1Bの外周面2dは、側面2a側から側面2b側に向かうにつれて、テーパ面2d、平坦面2d、及び逆テーパ面2dがこの順となるように配置される。テーパ面2dは、ボア内周面Wに対する傾斜角θを1°〜20°とすることができる。テーパ面2dの幅(ピストンリング1Bの幅方向の長さ)は、ピストンリング1Bの幅に対して30%〜50%とすることができる。また、平坦面2dは、ボア内周面Wに対して当接して摺動する領域であり、ピストンリング1の軸方向に沿って延びる面である。平坦面2dの幅(ピストンリング1Bの幅方向の長さ)は、ピストンリング1Bの幅に対して0%〜40%とすることができる。すなわち、平坦面2dは、テーパ面2dと逆テーパ面2dとの間に設けられていなくてもよい。なお、平坦面2dを設ける場合、好ましい平坦面2dの幅は、ピストンリング1Bの幅に対して3%〜40%である。さらに、逆テーパ面2dは、側面2b側に向かうにつれて外周面2dの径が小さくなる領域である。逆テーパ面2dは、ボア内周面Wに対する傾斜角θを10°〜70°とすることができる。好ましい傾斜角θは、10°〜50°である。ただし、θ<θであることが好ましい。逆テーパ面2dの幅(ピストンリング1Bの幅方向の長さ)は、ピストンリング1Bの厚さに対して30%〜50%とすることができる。
また、合口部3付近においては、図8(A)及び図8(B)に示すように、ステップ形状の段差部(割位置)が中央付近の平坦面2dとなるように設けられる。すなわち、第1受け部14と第2突出部15との境界の外周面2d、及び、第1突出部13と第2受け部16との境界の外周面2dは、平坦面2dとなっている。したがって、第1突出部13及び第1受け部14の外周面2dは、テーパ面2d及び平坦面2dから構成され、第2突出部15及び第2受け部16の外周面2dは、接領域2d及び逆テーパ面2dから構成される。
上記の構造を有するピストンリング1Bでは、ピストンリング1と同様に合口部3がトリプルステップ形状を有しているため、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。また、ピストンリング1Bにおいては、外周面2dの一部がテーパ面2dとなっているため、ピストンリング1の外周面2dによるオイルの掻き効果のうち特に燃焼室側へのオイルの掻き上げを抑制する効果が高められる。また、ステップ形状の段差部(割位置)の外周面2d側は平坦面2dとなるため、外周面2dの外側を利用したガスの移動を抑制することができるため、ピストンリング1よりもブローバイガスの抑制効果が高められる。さらに、外周面2dにおいて平坦面2dよりも側面2b側に逆テーパ面2dが形成されていると、ピストンリング1Bの外周面2dによるオイルの掻き取り効果のうち特にクランク室側へのオイルの掻き下げを促進する効果が高められる。したがって、ピストンリング1Bにおいても、ブローバイガスの抑制とオイル消費量の軽減とを両立することが可能となる。上記の効果は、テーパ面2dにおけるボア内周面Wに対する傾斜角θと、逆テーパ面2dにおけるボア内周面Wに対する傾斜角θと、がθ<θの関係を満たしている場合に顕著である。ただし、θ≧θの関係を満たしている場合であっても、逆テーパ面が設けられることで、オイル消費量の軽減効果は高められる。
(変形例−3)
図9、図10及び図11に第3変形例に係るピストンリング1Cを示す。図9は、ピストンリング1Cの本体部2の断面図である。図10(A)は、ピストンリング1Cにおける合口部3の平面図(側面2a側から見た図)であり、図10(B)は、ピストンリング1Cにおける合口部3の正面図(外周面2d側から見た図)である。図11(A)は、ピストンリング1Cの合口端部11の概略断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。また、図11(B)は、ピストンリング1Cの合口端部12の概略断面図であり、図1のB−B断面図に相当する。
第3変形例に係るピストンリング1Cは、第2変形例に係るピストンリング1Bと比較して、以下の点が相違する。ピストンリング1Cには、図9の仮想線にて示されるように、側面2bと外周面2dとがなす角部32に切欠部21(アンダーカット)が設けられている。すなわち、切欠部21は、側面2b側且つ外周面2d側の本体部2の一部に設けられている。切欠部21は、第2変形例に係るピストンリング1Bの外周面2dのうちの逆テーパ面2d及び逆テーパ面2dから連続する平坦面2dの一部に対応する位置に形成される。したがって、ピストンリング1Cの外周面2dには、テーパ面2dと平坦面2dの一部とが存在する状態となっている。
切欠部21は、ピストンリング1Cの射出成型時から形成されていてもよい。また、例えば、切削用、研削用、又は研磨用の治具等によって、側面2b側且つ外周面2d側の本体部2の一部を切り欠くことで切欠部21を形成してもよい。
切欠部21は、外周面2d側を向く第1面21aと、側面2bを向く第2面21bとを有している。第1面21aと第2面21bとがなす角度は、例えば、直角(90°)とすることができるが、特に限定されない。また、第1面21aと第2面21bとの境界部分の形状についても特に限定されない。また、切欠部21の深さ(ピストンリング1Cの幅方向に沿った第1面21aの長さ、及び、ピストンリング1Cの厚さ(半径)方向に沿った第2面21bの長さ)は適宜変更することができる。例えば、ピストンリング1Cでは、ピストンリング1Cの幅方向に沿った第1面21aの長さは、ピストンリング1Cの幅に対して約1/5〜略半分程度であり、ピストンリング1Cの半径方向に沿った第2面21bの長さは、ピストンリング1Cの厚さ(本体部2の厚さ)に対して約1/5〜略半分程度である。
なお、切欠部21は、合口部3を構成する合口端部11,12にも設けられていてもよい、すなわち、ピストンリング1Cの全周にわたって形成されていてもよい。ただし、第3変形例で説明するピストンリング1Cでは、合口部3においては、切欠部21が形成されていない、インターラプト型となっている。具体的には、図10(A)及び図10(B)に示すように、本体部2の角部31に沿って形成される切欠部21は、合口端部11及び合口端部12に到達する前に終端される。この結果、平面視において、合口端部11及び合口端部12と、切欠部21とは互いに重ならない状態となっている。したがって、ピストンリング1Cにおける合口端部11及び合口端部12の形状は、ピストンリング1Bと同様となる。具体的には、図11(A)及び図11(B)に示すように、ピストンリング1Cにおいても、第1突出部13及び第1受け部14の外周面2dは、テーパ面2d及び平坦面2dから構成され、第2突出部15及び第2受け部16の外周面2dは、接領域2d及び逆テーパ面2dから構成される。
上記の構造を有するピストンリング1Cでは、ピストンリング1と同様に合口部3がトリプルステップ形状を有しているため、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。また、ピストンリング1Cにおいては、外周面2dの一部がテーパ面2dとなっているため、ピストンリング1の外周面2dによるオイルの掻き取り効果のうち特に燃焼室側へのオイルの掻き上げを抑制する効果が高められる。また、ステップ形状の段差部(割位置)の外周面2d側は平坦面2dとなるため、外周面2dの外側を利用したガスの移動を抑制することができ、ピストンリング1よりもブローバイガスの抑制効果が高められる。さらに、外周面2dにおいて平坦面2dよりも側面2b側には、合口部3を除いて切欠部21が形成されている。したがって、切欠部21により、ピストンリング1Cの外周面2dによるオイルの掻き取り効果のうち特にクランク室側へのオイルの掻き下げを促進する効果が高められる。したがって、ピストンリング1Cにおいても、ブローバイガスの抑制とオイル消費量の軽減とを両立することが可能となる。
なお、テーパ面2dと逆テーパ面2dとの間に平坦面2dが設けられていない場合であっても、ステップ形状の段差部(割位置)の外周面2d側をテーパ面2dと逆テーパ面2dとの境界部分にすることで、外周面2dの外側を利用したガスの移動を抑制することができ、ピストンリング1よりもブローバイガスの抑制効果を高めることができる。
なお、切欠部21が、合口部3を構成する合口端部11,12を含むピストンリング1Cの全周にわたって形成されている場合、図11(A)及び図11(B)に仮想線で示すように切欠部21が形成される。ただし、合口端部の突出部に対して切欠部21が形成されると、図11(A)に示す合口端部11の第2突出部15のように、突出部の強度が低下する可能性が考えられる。したがって、合口端部11,12に対しても切欠部21を設ける場合には、例えば、切欠部21の深さを変更する等により合口端部11,12の各部の強度が低下しないようにすることが好ましい。
図12は、第3変形例に係るピストンリング1Cに対して、切欠部21の配置を変更したピストンリング1Dの平面図である。ピストンリング1Cのように切欠部21を本体部2の全周に設けることに代えて、図12のピストンリング1Dのように、本体部2に沿って複数の切欠部21を離間して設ける構成としてもよい。このようなピストンリング1Dの場合、隣接する切欠部21の間に、切欠部21が設けられていない領域が形成される。つまり、ピストンリング1Dでは、切欠部21が断続的に設けられている状態となる。ピストンリング1C又はピストンリング1Dに設けられる切欠部21は、オイルの掻き下げを促進する効果を有する。一方で、切欠部21が設けられていると、外周面2dとボア内周面とが当接する領域(平坦面2d)が小さくなるため、側面シール性が低下する。上述したように、側面シール性が高いとオイルの掻き取り効果(特に掻き下げ効果)が低下する可能性が有る一方、側面シール性が低すぎると、ガスシール性も低下する可能性があり、ピストンリングとしての性能が低下することが考えられる。そこで、図12のように、複数の切欠部21を離間して断続的に設けることで、本体部2全周に対して切欠部21が占める割合を制御可能な構成とすることで、側面シール性を適切な範囲に制御することが可能となる。また、切欠部21が全周にわたって設けられている場合と比較して、ピストンリングの強度も高められる。
(変形例−4)
図13に第4変形例に係るピストンリング1Eを示す。図13は、ピストンリング1Eの本体部2の断面図である。
第4変形例に係るピストンリング1Eは、ピストンリング1と比較して、以下の点が相違する。すなわち、側面2bの形状が平坦ではなく、表面の一部が突出している略円弧状のバレルフェース形状となっている。
上述したように、樹脂製のピストンリングは、側面シール性が高い。一方、側面シール性が高いとオイルの掻き効果(特に掻き下げ効果)が低下する場合が生じる。これに対して、第3変形例に係るピストンリング1C,1Dでは、切欠部21を設けることで側面2bの面積を小さくし、側面シール性を低下させていた。これに対して、第4変形例に係るピストンリング1Eでは、側面2bの表面に凸状の湾曲面を設けて、バレルフェース形状とすることで、側面シール性を低下させている。
上記の構造を有するピストンリング1Eでは、合口部3がトリプルステップ形状を有しているため、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。また、ピストンリング1Eにおいては、外周面2dがテーパ面を含んでいるため、ピストンリング1の外周面2dによるオイルの掻き取り効果が高められる。したがって、ピストンリング1Eにおいても、ブローバイガスの抑制とオイル消費量の軽減とを両立することが可能となる。さらに、側面2bの形状が変更されていることで、側面シール性を低減することができる。これにより、ピストンリング1Eでは、オイルの掻き取り効果の低下が防がれている。
なお、側面2bの表面形状は、上述のバレルフェース形状に限定されない。例えば、ピストンリングの側面2bの表面に凹凸を設け、側面2bとピストンのリング溝との接触面積を小さくする構成とすることで、側面シール性を制御する構成としてもよい。ただし、側面2bの表面に凹凸を設ける場合、凹凸によって側面2bとリング溝との間の側面シール性が失われるとピストンリングとしての性能低下につながる。したがって、側面シール性が損なわれない範囲、すなわち、側面2bとリング溝とが当接した際にシール性が確保できる範囲で、凹凸の形状を変更することが好ましい。
(変形例−5)
図14に第5変形例に係るピストンリング1Fを示す。図14(A)は、ピストンリング1Fの底面図であり、図14(B)は、ピストンリング1Fの本体部の側面図(外周面2d側から見た図)である。
第5変形例に係るピストンリング1Fは、ピストンリング1と比較して、以下の点が相違する。すなわち、側面2bに1以上の凹部が設けられている。具体的には、ピストンリング1Fの側面2bには、内周面2c側と外周面2d側との間を貫通する凹部としての溝部22が形成されている。ピストンリング1Fの場合には、溝部22は、側面2b上の三箇所に分散して設けられている。つまり、ピストンリングの側面2bの表面に凹凸が形成されるように凹部(溝部22)を設けることで、側面シール性を制御している。
上述したように、樹脂製のピストンリングは、側面シール性が高い。一方、側面シール性が高いとオイルの掻き効果(特に掻き下げ効果)が低下する場合が生じる。この点について、第5変形例に係るピストンリング1Fでは、内周面2c側と外周面2d側との間を貫通する溝部22を設けることで側面2bの面積を小さくし、側面シール性を低下させている。また、溝部22の数等を変更することで、側面シール性の制御を行うことが可能となっている。
図15は、ピストンリング1Fに対して、側面2b側の凹部の形状及び配置を変更したピストンリング1Gを示している。図15(A)は、ピストンリング1Gの本体部の断面図であり、図15(B)は、ピストンリング1Gの底面図である。
ピストンリング1Gの場合には、側面2bに1以上の凹部23が設けられているが、凹部23は、内周面2c側と外周面2d側との間を貫通しておらず、内周面2c側のみに開口するように設けられている。このように、このように、ピストンリングの側面2bに凹部を設ける場合には、その形状は適宜変更することができる。なお、ピストンリング1Cのように、側面2b側に切欠部21が設けられている場合にも、切欠部21とは異なる位置の側面2bに対して凹部を形成することで、凹部による側面シール性の制御を行うことができる。
(変形例−6)
図16に第6変形例に係るピストンリング1Hを示す。図16は、ピストンリング1Hの合口部3の構造を説明する斜視図である。ピストンリング1Hは、ピストンリング1と比較して合口部3の構造を変更したものである。
上述のピストンリング1は、合口部3が、所謂トリプルステップ形状を呈していた。これに対して、第6変形例に係るピストンリング1Hは、合口部3を二方向から見た際にステップ形状を呈しているものである。ピストンリング1Hの場合、上側の側面2a側から見たとき、及び、外周面2d側から見たときに、合口部3がステップ形状となっている。
より具体的には、ピストンリング1Hにおいては、合口端部11及び合口端部12における本体部2の内周面2c側の略半分における対向面11a,12aが、側面2a側の略半分(図2において略上半分となる部分)に設けられている点がピストンリング1と相違する。また、ピストンリング1Hにおいては、本体部2の側面2b側の略半分(図16において略下半分となる部分)において、合口端部11には、対向面11aよりも合口端部12側に突出する第2突出部15が設けられると共に、合口端部12には、第2突出部15を受ける第2受け部16が設けられる。第2突出部15の先端面15aと、第2受け部16の受け面16aとが対向する。ピストンリング1Hでは、第2突出部15及び第2受け部16が、側面2b側において内周面2cから外周面2dにかけて形成されている点がピストンリング1と相違する。
なお、ピストンリング1Hにおいて、本体部2の外周面2d側の略半分且つ側面2a側の略半分(図16において略上半分となる部分)において、第1突出部13と第1受け部14が設けられ、第1突出部13の先端面13aと、第1受け部14の受け面14aとが対向する点は、ピストンリング1と同じである。
この結果、側面2a側から見たときには、対向面11a,12aが設けられる位置と、第1突出部13の先端面13a及び第1受け部14の受け面14aが設けられる位置と、が本体部2の長手方向に沿って互いに異なるため、ステップ形状となる。また、外周面2d側から見たときには、第1突出部13の先端面13a及び第1受け部14の受け面14aが設けられる位置と、第2突出部15の先端面15a及び第2受け部16の受け面16aが設けられる位置と、が本体部2の長手方向に沿って互いに異なるため、ステップ形状となる。一方、ピストンリング1Hの場合には、側面2b側から見たときには、第2突出部15及び第2受け部16しか見えないため、ステップ形状とならない。したがって、ピストンリング1Hにおいては、側面2a側及び外周面2d側から見たときにステップ形状となる形状を呈している。なお、ピストンリング1Hの場合、内周面2c側から見たときに、対向面11a,12aが設けられる位置と、第2突出部15の先端面15a及び第2受け部16の受け面16aが設けられる位置と、が本体部2の長手方向に沿って互いに異なるため、ステップ形状となる。したがって、ピストンリング1Hの合口部3の構造も、三方向(側面2b、内周面2c及び外周面2d)から見た際にステップ形状を呈している所謂トリプルステップ形状であるといえる。
このように、ピストンリング1Hの合口部3の構造は、一対の側面2a,2b及び外周面2dから見たときにステップ形状となっているのではなく、一方の側面(ここでは2a)及び外周面2dから見たときにステップ形状となっていて、他方の側面(ここでは2b)から見たときにはステップ形状となっていない。ピストンリング1Hの合口部3が上記のような構造であっても、ピストンに対して取り付けた際に、一対の側面の間に形成される流通面積が小さくなり、ガス量が低減する。したがって、ガスシール性が向上し、ブローバイガスを抑制することが可能となる。側面2a,2bのどちらから見たときにステップ形状となるかは適宜変更することができる。すなわち、側面2bから見たときにステップ形状となっていてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
(実施例1)
実施例1として、ポリエーテルエーテルケトンを射出成形することによって、合口部がトリプルステップ形状であり外周面が全面テーパ形状(図4参照)の実施例1に係るピストンリングを作成した。
(実施例2)
外周面の一部(クランク室側)を平坦面とした(図6参照)こと以外は実施例1のピストンリングと同じ方法で、実施例2に係るピストンリングを作成した。
(実施例3)
外周面にテーパ面(燃焼室側)と逆テーパ面(クランク室側)とが形成されると共にテーパ面と逆テーパ面との間に平坦面が形成され、ステップ形状の段差部の外周面側端部が平坦面に設けられた(図7,8参照)以外は、実施例1のピストンリングと同じ方法で、実施例3に係るピストンリングを作成した。
(実施例4)
外周面にテーパ面(燃焼室側)と逆テーパ面(クランク室側)とが形成され、ステップ形状の段差部の外周面側端部がテーパ面と逆テーパ面との接続部分に設けられたこと以外は、実施例1のピストンリングと同じ方法で、実施例3に係るピストンリングを作成した。実施例4に係るピストンリングは、実施例3のピストンリングにおいて平坦面の長さを0としたものに相当する。
(実施例5)
合口部以外の側面2b側且つ外周面側の本体部に切欠部を設けた(図9〜図11参照)以外は、実施例1のピストンリングと同じ方法で、実施例5に係るピストンリングを作成した。
(比較例1)
比較例1として、マルテンサイト系ステンレス鋼製のピストンリングを作成した。なお、比較例1のピストンリングは、合口部はストレート合口(隙間0.25m)であり、外周面はバレルフェース形状となっている。さらに、外周面には、CrN系の硬質皮膜が施されている。
(比較例2)
外周面形状がストレート形状であること以外は、実施例1と同じ方法で、比較例2に係るピストンリングを作成した。比較例2のピストンリングは、樹脂製である。
(性能評価)
水冷4サイクルの自然吸気式ガソリンエンジンを用いて、ブローバイ量及びオイル消費量の測定を行った。上記エンジンのピストンのトップリング用のリング溝に、評価対象(実施例1〜5,比較例1,2)のピストンリングを装着した。このとき、内周面側から約6Nの張力が働くようコイルバネを装着した。なお、セカンドリングは、オイルリングは、上記のエンジンのピストン溝に従前から装着されていたものを使用した。
運転条件は、4,000rpm、全負荷(WOT:Wide Open Throttle)条件とした。運転時間は10hrとした。上記の運転条件で運転した際のブローバイガス量及びオイル消費量をそれぞれ測定した。
実施例1〜5及び比較例1,2のピストンリングについて、合口形状、テーパ形状部分(テーパ面)の傾斜角θ1(°)、外周面が平坦面を有する場合の長さ(幅寸法に対する比率)、逆テーパ面の傾斜角θ2(°)を示すと共に、性能評価結果として、ブローバイガス量及びオイル消費量を表1に示す。測定結果については、比較例1のピストンリングを用いたときのブローバイガス量及びオイル消費量をそれぞれ100としたときの比率としている。
Figure 0006404976
1…ピストンリング、2…本体部、2a,2b…側面、2c…内周面、2d…外周面、3…合口部、11,12…合口端部。

Claims (8)

  1. 互いに対向する内周面及び外周面と、前記内周面と前記外周面との間を接続する一対の側面と、を有する環状の本体部と、前記本体部に形成された合口部とを有する樹脂製のピストンリングであって、
    前記合口部は、前記一対の側面の少なくとも何れか及び前記外周面から見てステップ形状であり、
    前記外周面は、前記一対の側面のうちの一方の側面側から他方の側面側に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有し、
    前記テーパ面は、前記外周面のうち前記一方の側面側の一部に設けられ、
    前記外周面から連続して形成されるステップ形状の段差部の前記外周面側の端部は、前記テーパ面とは異なる位置に設けられる、ピストンリング。
  2. 互いに対向する内周面及び外周面と、前記内周面と前記外周面との間を接続する一対の側面と、を有する環状の本体部と、前記本体部に形成された合口部とを有する樹脂製のピストンリングであって、
    前記合口部は、前記一対の側面の少なくとも何れか及び前記外周面から見てステップ形状であり、
    前記外周面は、前記一対の側面のうちの一方の側面側から他方の側面側に向かうにつれて外径が大きくなるテーパ面を有し、
    前記テーパ面は、前記外周面のうち前記一方の側面側の一部に設けられ、
    前記外周面のうち、前記他方の側面側の一部に、前記他方の側面側から前記一方の側面側に向かうにつれて外径が大きくなる逆テーパ面を有し、
    前記外周面のうち、前記テーパ面と前記逆テーパ面との間に平坦面を有し、
    前記外周面から連続して形成されるステップ形状の段差部の前記外周面側の端部は、前記平坦面に設けられる、ピストンリング。
  3. 前記他方の側面と前記外周面とがなす角部に切欠部を有する、請求項1または2に記載のピストンリング。
  4. 前記切欠部は、前記合口部とは異なる位置に設けられている、請求項に記載のピストンリング。
  5. 前記本体部に沿って、前記切欠部が断続的に設けられている、請求項又はに記載のピストンリング。
  6. 前記他方の側面は凸状の湾曲面を有している、請求項1〜のいずれか一項に記載のピストンリング。
  7. 前記他方の側面は凹部を有している、請求項1〜のいずれか一項に記載のピストンリング。
  8. 前記内周面と、前記外周面と、前記一方の側面、前記他方の側面、前記合口部の合わせ面、の少なくとも一面に、表面処理膜が設けられている、請求項1〜のいずれか一項に記載のピストンリング。
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