JP4078698B2 - 非水二次電池用負極材料とその製造方法および電池 - Google Patents
非水二次電池用負極材料とその製造方法および電池 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高放電電位、高容量でサイクル性、保存性が良く、且つ安全性に優れた新規な非水二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非水二次電池用負極材料としては、リチウム金属やリチウム合金が代表的であるが、それらを用いると充放電中にリチウム金属が樹枝状に成長したいわゆるデンドライトが発生し、内部ショートの原因あるいはデンドライト自体の持つ高い活性のため、発火などの危険をはらんでいた。
【0003】
これに対し、リチウムを可逆的に挿入・放出可能な焼成炭素質材料が実用化されるようになってきた。この炭素質材料の欠点は、それ自体が導電性を持つので、過充電や急速充電の際に炭素質材料の上にリチウム金属が析出する事があり、結局樹枝状金属を析出させてしまうことになる。これを避けるために、充電器を工夫したり、正極活物質を少なくして過充電を防止する方法を採用したりしているが、後者の方法では、活物質あたりの量が限定されるのでそのため放電容量も限定されてしまう。また炭素質材料は密度が比較的小さいため、体積当たりの容量が低いという二重の意味で放電容量が制限されてしまうことになる。
【0004】
一方、リチウム金属、リチウム合金、炭素質材料以外で高放電容量の期待できる負極材料として、特開平5−174818号公報、同6−60867号公報、同6−275267号公報、同6−325765号公報、同6−338324号公報、EP−615296号等には、負極材料にSn、V、Si、B、Zrなどを含む複合酸化物を用いることが提案されている。これらの複合酸化物は、ある種のリチウムを含む遷移金属化合物の正極と組合せにより、3〜3.6V級で放電容量の大きな非水二次電池を与え、実用領域でデンドライト発生がほとんどなく極めて安全性が高いものである。しかし、更なるサイクル性の向上を実現する為には、脆性物質である該複合酸化物の物理強度を一段と強いものにすることが望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高い放電電圧、良好な充放電サイクル特性を持ち、更に安全性が優れ、高エネルギー密度を有する非水二次電池を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、錫、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、珪素から選ばれる元素の少なくとも1種を含有する酸化物に窒素を導入して成るオキシナイトライド化合物であり、該化合物の窒素/酸素の原子比が0.01〜30%であることを特徴とする非水二次電池用負極材料。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい形態を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)錫、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、珪素から選ばれる元素の少なくとも1種を含有する酸化物に窒素を導入して成るオキシナイトライド化合物であり、該化合物の窒素/酸素の原子比が0.01〜30%であることを特徴とする非水二次電池用負極材料。
(2)下記一般式(1)で表されるSnを含むオキシナイトライド化合物を負極とする項1記載の負極材料。
一般式(1) SnMpAqOrNs
(式中、MはAl、B、P、Si、Geの群から選ばれる元素の少なくとも1種を、Aは周期律表第一族元素、第二族元素の群から選ばれる元素の少なくとも一種を表し、pは0.2以上、3以下の数、qは0以上0.2以下の数、rは1以上6以下の数、sは0.005以上、0.6以下の数を表す。)
(3)下記一般式(2)で表されるSnを含むオキシナイトライド化合物を負極とする項2記載の負極材料。
一般式(2) SnSip1Bp2Pp3Alp4AqOrNs
(Aは周期律表第一族元素、第二族元素の群から選ばれる元素の少なくとも一種を表し、式中、p1、p2,p3はそれぞれ0以上、2以下でその合計が0.2以上3以下の数であり、qは0以上0.2以下の数、rは1以上6以下の数、sは0.005以上、0.6以下の数を表す。)
(4)項1〜3のいずれかに記載の該負極材料が、非晶質構造を有することを特徴とする非水二次電池用負極材料。
(5)項1〜3のいずれかに記載の該負極材料を含有する負極シートの上に、さらに水不溶性の粒子と結着剤から構成される保護層を有することを特徴とする非水二次電池。
(6)該酸化物と窒化物とを溶融して調整してなる、項1記載の負極材料の製造方法。
(7)該酸化物を窒素及び/もしくはアンモニアガス雰囲気下で加熱して成る、請求項1記載の負極材料の製造方法。
【0008】
以下、本発明について詳述する。
本発明に於けるオキシナイトライド化合物の一般的な性質については、作花著「オキシナイトライドガラス」内田老鶴圃、ニューガラスハンドブック編集委員会編「ニューガラスハンドブック」に記載されている。
本発明の化合物は錫、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、珪素から選ばれる元素の少なくとも1つを含有するが、このなかでも錫、鉛を含有するものが好ましく、錫を含有するものが最も好ましい。
本発明の化合物は上記の元素以外に任意の元素を含むことができるが、このなかでも、燐、朋素、アルミニウム、ジルコニウムの他、アルカリ、アルカリ土類金属が好ましく用いられる。
【0009】
基礎酸化物に対して窒素置換の割合は任意であるが、窒素/酸素の原子比で 0.01〜30%、好ましくは1〜15%の窒素が含有する。
【0010】
本発明で言う負極材料は電池組み込み時に主として非晶質である。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下であることが好ましく、さらに好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であり、最も好ましくは 結晶性の回折線を有さないことである。
【0011】
本発明のオキシナイトライド化合物は基礎酸化物(窒素を含有しない酸化物を基礎酸化物という)と窒化物との溶融により調製することも出来るし、また窒化物と基礎酸化物の原料とを混合し一工程で溶融して調製することも出来る。また基礎酸化物ガラスの粉体をアンモニアガス中で加熱して調製することも出来る。
【0012】
本発明の基礎酸化物は、溶融法、溶液法のいずれの方法も採用することができる。以下、溶融法を例にとって合成法を詳細に説明する。溶融法では、目標組成となるように配合された酸化物あるいは化合物をよく混合した後、溶融して非晶質複合酸化物を得るのが好ましい。溶融法での原料となる化合物、溶融の条件について以下に述べる。
【0013】
Sn化合物としては、例えば、SnO、水酸化第一錫、亜錫酸、蓚酸第一錫、燐酸第一錫、オルト錫酸、メタ錫酸、パラ錫酸、弗化第一錫、塩化第一錫、臭化第一錫、沃化第一錫、セレン化錫、テルル化錫、ピロリン酸第一錫、リン化錫、硫化第一錫等を挙げることができる。
【0014】
周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素の化合物としては、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、酢酸やシュウ酸等の有機酸の塩、塩酸や燐酸等の無機酸の塩を挙げることができる。Mg化合物を例として挙げると、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、蓚酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、錫酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、ホウフッ化マグネシウム、リン酸マグネシウムなどを用いることができる。
【0015】
Al化合物としては、例えば、酸化アルミニウム(α−アルミナ、β−アルミナ)、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムトリ−iso−プロポキシド、亜テルル酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ホウ化アルミニウム、リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ほう酸アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ホウ化アルミニウム等を挙げることができる。
B化合物としては、例えば、三二酸化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、炭化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、リン化ホウ素、リン酸ホウ素等を挙げることができる。
P化合物としては、例えば、五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸、ピロリン酸第一錫、リン酸ホウ素等を挙げることができる。
Si化合物としては、酸化ケイ素を挙げることができる。
【0016】
基礎酸化物の原料と窒化物とを混合して一工程で溶融し、N元素を含む酸化物を得る場合の窒化物としては任意のものが使用できるが、例えば窒化朋素、窒化アルミニニウム、窒化珪素、窒化マグネシウム、窒化リチウム、Si2 ON2 などが挙げられる。
【0017】
溶融条件としては、昇温速度として昇温速度毎分1℃以上200℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは3℃以上200℃以下である。とくに好ましくは5℃以上200℃以下であり、かつ溶融温度としては500℃以上1700℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは600℃以上1600℃以下であり、とくに好ましくは700℃以上1500℃以下であり、かつ溶融時間としては1時間以上100時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは1時間以上70時間以下であり、とくに好ましくは1時間以上20時間以下であり、かつ降温速度としては毎分2℃以上107 ℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは5℃以上107 ℃以下であり、特に好ましくは10℃以上107 ℃以下である。
本発明における昇温速度とは溶融温度(℃表示)の50%から、溶融温度(℃表示)の80%に達するまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降温速度とは溶融温度(℃表示)の80%から、溶融温度(℃表示)の50%に達するまでの温度降下の平均速度である。
降温は焼成炉中で冷却してもよくまた溶融炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版1987)217頁記載のgun法・Hammer−Anvil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンドブック(丸善1991)172頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷却してもよい。溶融する材料の場合には、溶融中に原料を供給しつつ溶融物を連続的に取り出してもよい。融液は攪拌することが好ましい。
【0018】
基礎酸化物ガラスを溶融する際のガス雰囲気は不活性ガスを主体とする。不活性ガスとしては例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられる。これらの不活性ガスに加えて溶融物の酸化還元状態を制御する為のガスを流すことも好ましい。これらのガスとしては、水蒸気、水素、二酸化炭素、一酸化炭素があり、これらの組合せで用いられる。
機能元素としてSnを含有する基礎酸化物ガラスの溶融においては、特に溶融温度での雰囲気ガスの酸素分圧を10-9から10-14 atm、好ましくは10-10 から10-12 atmとすることが好ましい。
基礎酸化物ガラスと窒化物とを再溶融する際のガス雰囲気は、不活性ガスが好ましく、特に窒素ガスが好ましい。
【0019】
基礎酸化物ガラスの融液上の雰囲気ガスをアンモニアガスとすることで、基礎酸化物ガラスに窒素元素を導入することも出来る。この場合、融液を攪拌することが好ましい。
【0020】
次に溶液法について述べる。溶液法で基礎酸化物ガラス粉末を調製するには、ゾルゲル法でバルクガラスを調製した後、これを粉砕してガラス粉末を得ることも出来るし、また反応で直接酸化物粉体を得ることも出来る。
溶液法による基礎酸化物の調製法については特願平9−148144号、及び特願平9−270220号に記載されている。
【0021】
溶液法で用いる場合の好ましい原料としては、例えばテトラエトキシ錫、ジイソプロピル錫、ジエトキシ錫、ジエトキシ鉛、ジイソプロピル鉛、ジエトキシ亜鉛、テトラメトキシ珪素、トリメトキシホウ素、トリメトキシホスフィン、セシウムアルコキサイド等のアルコキサイドの他、塩化錫、塩化鉛、塩化亜鉛、水ガラス等の塩も用いることができる。
【0022】
本発明のオキシナイトライド化合物の調製法として基礎酸化物ガラス粉末をアンモニアガス雰囲気下で加熱する調製法を取る場合、基礎酸化物は溶融法で調製しても良いが、溶液法で調製したものがより好ましい。
【0023】
本発明で示される化合物の平均粒子サイズは0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。粉砕した粒子を所望の粒径とするために、分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0024】
本発明で示される化合物粒子は、真空中または窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等の不活性ガス中でアニール処理することができる。アニール処理の温度は、100℃以上で粉砕した粒子同志が融着を起こす温度以下であることが好ましく、更に好ましくは200〜600℃であり、最も好ましくは300〜500℃である。
【0025】
一般式(1)から(3)で示される化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
SnSiAl0.2O3.N0.06、SnSi1.2Al0.2O3.6N0.07、SnSi1.2P0.1B0.1Al0.2O3.6N0.07、SnSiB0.25Al0.2O3.6N0.07、SnSi0.63P0.25B0.38Al0.25O3.7N0.07、SnSiP0.1B0.1Al0.4O3.9N0.07、SnSiB0.25Al0.2Zr0.05O3.67N0.073、SnSiB0.26Al0.20Li0.10O3.6N0.07 、SnSiB0.25Al0.2Mg0.1O3.7N0.07 、SnSi1.2P0.1B0.1Al0.1Zr0.05O3.9N0.08 、SnSi0.2B0.4Al0.4Mg0.2O3.7N0.05 、SnP0.6Al0.6Li0.2O3.6N0.07 、SnSiB0.25Al0.3Li0.2O3.8N0.11 、SnSiB0.25Al0.2Zr0.05Li0.05O3.6N0.11 、SnSi1.2B0.25Mg0.05O3.7N0.11、ZnSi1.2Zr0.05O3.4N0.1、ZnSi1.2Mg0.05O3.3N0.10、ZnSi1.2B0.1Li0.2O3.5N0.1、PbSiB0.3O3.4N0.034、PbSiB0.1Al0.1O0.33N0.03
【0026】
本発明の負極材料には軽金属、特にリチウムを挿入して用いることができる。リチウムの挿入方法には、電気化学的方法、化学的方法、熱的方法等がある。好ましい方法野一つは電気化学的方法であり、例えば集電体の負極合剤の未塗布部や負極合剤層上にリチウムを主体とした金属の小片を貼り付け、電解液と接触させることによって挿入できる。特に電池内で電気化学的にリチウムを挿入する方法が好ましい。リチウムを主体とした金属の小片は、厚みが5〜200μmの箔を短冊状等の小片にして貼り付けるのが好ましい。
【0027】
リチウムの挿入は、リチウムを対極としたときに0.01Vまで挿入することができ、より好ましくは0.05Vまで挿入できる。特に好ましい方法は、負極材料の有する不可逆容量を補償するためにリチウムを部分的に挿入する方法であり、リチウムを対極としたときに0.3Vまで挿入する方法である。
より具体的なリチウムの挿入量としては、負極材料1g当たり0.005g〜0.5g、より好ましくは0.03g〜0.2g、特に好ましくは0.06g〜0.15gである。負極材料が金属酸化物の場合は、金属酸化物中の機能元素1グラム原子当たりの当量で0.5〜5.0当量であり、さらに好ましくは1〜4.5当量であり、特に好ましくは1.2〜4.2当量である。1.2当量よりも少ないリチウムを負極材料に予備挿入した場合には電池容量が低く、また4.2当量より多くのリチウムを予備挿入した場合にはサイクル性劣化があり、それぞれ好ましくない。
リチウム挿入量は、負極シート上に重ね合せるリチウムの量によって任意に制御することが可能である。リチウムを主体とした金属としてはリチウム金属を用いることが好ましいが、純度90重量%以上のものが好ましく、98重量%以上のものが特に好ましい。負極シート上のリチウムの重ね合せパターンとしてはシート全面に重ね合わせることが好ましいが、負極材料に予備挿入されたリチウムはエージングによって徐々に負極材料中に拡散するため、シート全面ではなくストライプ、枠状、円板状のいずれかの部分的重ね合わせも好ましい。ここで言う重ね合せとは負極合剤および補助層を有するシート上に直接リチウムを主体とした金属箔を圧着することを意味する。
負極シートにおける金属箔重ね合せの被覆率は10〜100%が好ましいが、15〜100%がより好ましく、20〜100%が特に好ましい。20%以下の場合は、リチウムの予備挿入が不均一となる場合もあり好ましくない。さらに、均一性の観点からリチウムを主体とした金属箔の厚さは5〜150μmであることが好ましく、5〜100μmがさらに好ましく、10〜75μmが特に好ましい。
リチウムを主体とした金属箔の切断、貼り付け等のハンドリング雰囲気は露点−30℃以下−80℃以上のドライエアー又はアルゴンガス雰囲気下が好ましい。ドライエアーの場合は−40℃以下−80℃以上がさらに好ましい。また、ハンドリング時には炭酸ガスを併用してもよい。特にアルゴンガス雰囲気の場合は炭酸ガスを併用することが好ましい。
【0028】
本発明の負極材料へのLi予備挿入のもう一つの好ましい方法は、特願平9−179943号記載の金属リチウムの含チッソ溶媒溶液で負極材料を処理する方法である。特に液体アンモニア溶液が好ましく用いられる。
【0029】
以下、本発明の負極材料を用いて、非水二次電池を作るための他の材料と、製造方法について詳述する。
本発明の非水二次電池に用いられる正・負極は、正極合剤あるいは負極合剤を集電体上に塗設して作ることが出来る。正極あるいは負極合剤には、それぞれ正極活物質あるいは負極材料のほか、それぞれに導電剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤を含むことができる。これらの電極は、円盤状、板状であってもよいが、柔軟性のあるシート状であるとより好ましい。
【0030】
以下に本発明の電極合剤に使用される材料について説明する。
本発明で用いられる正極活物質は、リチウム含有遷移金属酸化物が好ましい。リチウム含有遷移金属酸化物は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の化合物である。
より好ましくは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至2.2の化合物である。なお主として存在する遷移金属に対し30モルパーセント未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを含有していても良い。
さらに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物は、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a O2 、Lix Cob V1-b Oz 、Lix Cob Fe1-b O2 、Lix Mn2 O4 、Lix Mnc Co2-c O4 、Lix Mnc Ni2-c O4 、Lix Mnc V2-c O4 、Lix Mnc Fe2-c O4 (ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)である。
最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物としては、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a O2 、Lix Mn2 O4 、Lix Cob V1-b Oz (x=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3)があげられる。なおxの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0031】
本発明で用いる正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成することができるが、特に焼成法が好ましい。また、溶液法で構成成分が均一に混合した先駆体を焼成することにより合成するのも好ましい。焼成の為の詳細は、特開平6−60,867号の段落35、特開平7−14,579号等に記載されており、これらの方法を用いることができる。焼成によって得られた正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
更に、遷移金属酸化物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法としては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウム、あるいは金属リチウムの液体アンモニア溶液と遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方法であっても良い。
【0032】
本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましい。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上であることが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下であることが更に好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2 /gが好ましく、特に0.2m2 /g〜1m2 /gが好ましい。また正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
【0033】
本発明の正極活物質を焼成によって得る場合、焼成温度としては500〜1500℃であることが好ましく、さらに好ましくは700〜1200℃であり、特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時間としては4〜30時間が好ましく、さらに好ましくは6〜20時間であり、特に好ましくは6〜15時間である。
【0034】
本発明で用いられる正極活物質あるいは負極材料の表面を、用いられる正極活物質や負極材料と異なる化学式を持つ酸化物で被覆することができる。この表面酸化物は、酸性にもアルカリ性にも溶解する化合物を含む酸化物が好ましい。さらに電子伝導性の高い金属酸化物が好ましい。例えば、PbO2 、Fe2 O3 、SnO2 、In2 O3 、ZnOなどやまたはこれらの酸化物にドーパント(例えば、酸化物では原子価の異なる金属、ハロゲン元素など)を含ませることが好ましい。特に好ましくは、SiO2 、SnO2 、Fe2 O3 、ZnO、PbO2 である。これらの表面処理に使用される金属酸化物の量は、該正極活物質・負極材料当たり、0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%が特に好ましく、0.3〜3重量%が最も好ましい。
また、このほかに、正極活物質や負極材料の表面を改質することができる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤により処理、キレート化剤で処理、導電性高分子、ポリエチレンオキサイドなどにより処理することが挙げられる。
【0035】
本発明の合剤に使用される導電剤は、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭コークス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスファルトピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピッチ、ポリアセン等の炭素材料、金属繊維等の導電性繊維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉類、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物等を挙げる事ができる。黒鉛では、アスペクト比が5以上の平板状のものを用いると好ましい。これらの中では、グラファイトやカーボンブラックが好ましく、粒子の大きさは、0.01μm以上、20μm以下が好ましく、0.02μm以上、10μm以下の粒子がより好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。併用する場合は、アセチレンブラック等のカーボンブラック類と、1〜15μmの黒鉛粒子を併用すると好ましい。
導電剤の合剤層への添加量は、負極材料または正極材料に対し1〜50重量%であることが好ましく、特に2〜30重量%であることが好ましい。カーボンブラックやグラファイトでは、3〜20重量%であることが特に好ましい。
【0036】
本発明では電極合剤を保持するために結着剤を用いる。結着剤の例としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマー等が挙げられる。好ましい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンを挙げることが出来る。特にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの結着剤は、微小粉末を水に分散したものを用いるのが好ましく、分散液中の粒子の平均サイズが0.01〜5μmのものを用いるのがより好ましく、0.05〜1μmのものを用いるのが特に好ましい。
これらの結着剤は単独または混合して用いることが出来る。結着剤の添加量が少ないと電極合剤の保持力・凝集力が弱い。多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が好ましい。
【0037】
充填剤は、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
イオン導電剤は、無機及び有機の固体電解質として知られている物を用いることができ、詳細は電解液の項に記載されている。
圧力増強剤は、電池の内圧を上げる化合物であり、炭酸リチウム等の炭酸塩が代表例である。
【0038】
本発明で使用できる集電体は正極はアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金であり、負極は銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金である。集電体の形態は箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、もしくは金網である。特に、正極にはアルミニウム箔、負極には銅箔が好ましい。
【0039】
実施例に於いても示したように、非晶質含窒素複合酸化物である本発明の負極材料を用いることにより、高容量で且つサイクル性の良い電池をつくることができる。しかしながら、これらの高容量の電池は、強制放電等の誤使用により起因した外部短絡等により異常電流が流れ、内部温度の著しい上昇や内容物の噴出や電池缶の破裂などの事故を起こすことがある。これらを防止するため、安全弁の組み込みや、PTCなどの電流遮断素子の組み込みなどの工夫がされているが、発熱に対しては本質的な解決になっていない。本発明に於いては、安全性の向上のために上記の負極材料と以下に記載するセパレーターとを組み合わせて用いるのが好ましい。
【0040】
セパレーターとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔または隙間のある材料が用いられる。更に安全性向上のためには、80℃以上で上記の隙間を閉塞して抵抗をあげ、電流を遮断する機能を持つことが必要である。これらの隙間の閉塞温度は90℃以上180℃以下、より好ましくは110℃以上170℃以下である。
隙間の作り方は、材料によって異なるが公知のいずれの方法であっても良い。多孔質フィルムの場合には、孔の形状は通常円形や楕円形で、大きさは0.05μmから30μmであり、0.1μmから20μmが好ましい。更に、延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であっても良い。布の場合は、隙間は繊維間の空隙であり、織布、不織布の作り方に依存する。これらの隙間のしめる比率すなわち気孔率は20%から90%であり、35%から80%が好ましい。
【0041】
本発明のセパレーターは、5μm以上100μm以下、より好ましくは10μm以上80μm以下の微多孔性のフィルム、織布、不織布などの布である。
本発明のセパレーターは、エチレン成分を少なくとも20重量%含むものが好ましく、特に好ましいのは30%以上含むものである。エチレン以外の成分としては、プロピレン、ブテン、ヘキセン、フッ化エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アセタール化ビニルアルコールがあげられ、プロピレン、フッ化エチレンが特に好ましい。
微多孔性のフィルムは、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマーやエチレン−ブテン共重合ポリマーからなるものが好ましい。さらに、ポリエチレンとポリプロピレン、ポリエチレンとポリ4フッ化エチレンを混合溶解して作ったものも好ましい。
不織布や織布は、糸の径が0.1μmから5μmで、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン1共重合ポリマー、エチレン−メチルブテン共重合ポリマー、エチレン−メチルペンテン共重合ポリマー、ポリプロピレン、ポリ4フッ化エチレン繊維糸からなるものが好ましい。
これらのセパレーターは、単一の材料であっても、複合材料であっても良い。特に、孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層したもの、微多孔フィルムと不織布、微多孔フィルムと織布、不織布と紙など異なる形態の材料を複合したものが特に好ましい。
本発明のセパレーターは、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維や、二酸化珪素、ゼオライト、アルミナやタルクなどの無機物の粒子を含んでいても良い。更に空隙や表面を界面活性剤で処理して親水化したものでも良い。
【0042】
次に本発明における正負電極の構成について説明する。正負電極は集電体の両面に電極合剤を塗布した形態であることが好ましい。この場合、片面あたりの層数は1層であっても2層以上から構成されていても良い。片面あたりの層の数が2以上である場合、正極活物質(もしくは負極材料)含有層が2層以上であっても良い。より好ましい構成は、正極活物質(もしくは負極材料)を含有する層と正極活物質(もしくは負極材料)を含有しない層から構成される場合である。
正極活物質(もしくは負極材料)を含有しない層には、正極活物質(もしくは負極材料)を含有する層を保護するための保護層、分割された正極活物質(もしくは負極材料)含有層の間にある中間層、正極活物質(もしくは負極材料)含有層と集電体との間にある下塗り層等があり、本発明においてはこれらを総称して補助層と言う。
【0043】
保護層は正負電極の両方または正負電極のいずれかにあることが好ましい。負極において、リチウムを電池内で負極材料に挿入する場合は負極は保護層を有する形態であることが望ましい。保護層は、少なくとも1層からなり、同種又は異種の複数層により構成されていても良い。また、集電体の両面の合剤層の内の片面にのみ保護層を有する形態であっても良い。これらの保護層は、水不溶性の粒子と結着剤等から構成される。結着剤は、前述の電極合剤を形成する際に用いられる結着剤を用いることが出来る。水不溶性の粒子としては、種種の導電性粒子、実質的に導電性を有さない有機及び無機の粒子を用いることができる。水不溶性粒子の水への溶解度は、100PPM 以下、好ましくは不溶性のものが好ましい。
保護層に含まれる粒子の割合は2.5重量%以上、96重量%以下が好ましく、5重量%以上、95重量%以下がより好ましく、10重量%以上、93重量%以下が特に好ましい。
【0044】
水不溶性の導電性粒子としては、金属、金属酸化物、金属繊維、炭素繊維、カーボンブラックや黒鉛等の炭素粒子を挙げることが出来る。これらの水不溶導電性粒子の中で、アルカリ金属特にリチウムとの反応性が低いものが好ましく、金属粉末、炭素粒子がより好ましい。粒子を構成する元素の20℃における電気抵抗率としては、5×109 Ω・m以下が好ましい。
【0045】
金属粉末としては、リチウムとの反応性が低い金属、即ちリチウム合金を作りにくい金属が好ましく、具体的には、銅、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、チタン、タングステン、タンタルが好ましい。これらの金属粉末の形は、針状、柱状、板状、塊状のいずれでもよく、最大径が0.02μm以上、20μm以下が好ましく、0.1μm以上、10μm以下がより好ましい。これらの金属粉末は、表面が過度に酸化されていないものが好ましく、酸化されているときには還元雰囲気で熱処理することが好ましい。
【0046】
炭素粒子としては、従来電極活物質が導電性でない場合に併用する導電材料として用いられる公知の炭素材料を用いることが出来る。具体的には電極合剤を作る際に用いられる導電剤が用いられる。
【0047】
実質的に導電性を持たない水不溶性粒子としては、テフロンの微粉末、SiC、窒化アルミニウム、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、フォルステライト、ステアタイトを挙げることが出来る。これらの粒子は、導電性粒子と併用してもよく、導電性粒子の0.01倍以上、10倍以下で使うと好ましい。
【0048】
正(負)の電極シートは正(負)極の合剤を集電体の上に塗布、乾燥、圧縮する事により作成する事ができる。
合剤の調製は正極活物質(あるいは負極材料)および導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉体のサスペンジョンまたはエマルジョン状のもの)、および分散媒を加えて混練混合し、引続いて、ミキサー、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシェイカー、サンドミル等の攪拌混合機、分散機で分散して行うことが出来る。分散媒としては水もしくは有機溶媒が用いられるが、水が好ましい。このほか、適宜充填剤、イオン導電剤、圧力増強剤等の添加剤を添加しても良い。分散液のpHは負極では5〜10、正極では7〜12が好ましい。
【0049】
塗布は種々の方法で行うことが出来るが、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、スライド法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることが出来る。エクストルージョンダイを用いる方法、スライドコーターを用いる方法が特に好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤ペーストの液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることが出来る。電極層が複数の層である場合にはそれらの複数層を同時に塗布することが、均一な電極の製造、製造コスト等の観点から好ましい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められる。典型的な塗布層の厚みは乾燥後圧縮された状態で10〜1000μmである。
塗布後の電極シートは、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風の作用により乾燥、脱水される。これらの方法は単独あるいは組み合わせて用いることが出来る。乾燥温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜260℃の範囲が好ましい。乾燥後の含水量は2000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましい。
電極シートの圧縮は、一般に採用されているプレス方法を用いることが出来るが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、10kg/cm2 〜3t/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好ましい。
【0050】
電解液は一般に支持塩と溶媒から構成される。リチウム二次電池における支持塩はリチウム塩が主として用いられる。
本発明で使用出来るリチウム塩としては、例えば、LiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、LiOSO2 Cn F2n+1で表されるフルオロスルホン酸(nは6以下の正の整数)、LiN(SO2 Cn F2n+1)(SO2 Cm F2m+1)で表されるイミド塩(m,nはそれぞれ6以下の正の整数)、LiN(SO2 Cp F2p+1)(SO2 Cq F2q+1)(SO2 Cr F2r+1)で表されるメチド塩(p,q,rはそれぞれ6以下の正の整数)、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどのLi塩を上げることが出来、これらの一種または二種以上を混合して使用することができる。なかでもLiBF4 及び/あるいはLiPF6 を溶解したものが好ましい。
支持塩の濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり0.2〜3モルが好ましい。
【0051】
本発明で使用できる溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。これらのなかでは、カーボネート系の溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートを混合して用いるのが特に好ましい。環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。また、非環状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。
本発明で使用できる電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネートを適宜混合した電解液にLiCF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4 および/またはLiPF6 を含む電解液が好ましい。特にプロピレンカーボネートもしくはエチレンカーボネートの少なくとも一方とジメチルカーボネートもしくはジエチルカーボネートの少なくとも一方の混合溶媒に、LiCF3 SO3 、LiClO4 、もしくはLiBF4 の中から選ばれた少なくとも一種の塩とLiPF6 を含む電解液が好ましい。これら電解液を電池内に添加する量は特に限定されず、正極材料や負極材料の量や電池のサイズに応じて用いることができる。
【0052】
また、電解液の他に次の様な固体電解質も併用することができる。
固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。
無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5 NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3 PO4 −(1-x)Li4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン化合物などが有効である。
【0053】
有機固体電解質では、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステルポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料が有効である。さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有機固体電解質を併用する方法も知られている。
【0054】
また、放電や充放電特性を改良する目的で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピリジン、ピロリン、ピロール、トリフェニルアミン、フェニルカルバゾール、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンとN, N’−置換イミダリジノン、エチレングリコールジアルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、ピロール、2−メトキシエタノール、AlCl3 、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリエチレンホスホルアミド、トリアルキルホスフィン、モルホリン、カルボニル基を持つアリール化合物、12−クラウン−4のようなクラウンエーテル類、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルホリン、二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニウム塩、三級スルホニウム塩などを挙げることができる。特に好ましいのはトリフェニルアミン、フェニルカルバゾールを単独もしくは組み合わせて用いた場合である。
【0055】
また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる。
【0056】
電解液は、水分及び遊離酸分をできるだけ含有しないことが望ましい。このため、電解液の原料は充分な脱水と精製をしたものが好ましい。また、電解液の調整は、露点がマイナス30℃以下の乾燥空気中もしくは不活性ガス中が好ましい。電解液中の水分及び遊離酸分の量は、0.1〜500ppm、より好ましくは0.2〜100ppmである。
【0057】
電解液は、全量を1回で注入してもよいが、2回以上に分けて注入することが好ましい。2回以上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成でも、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の短縮等のために、電池缶を減圧したり、電池缶に遠心力や超音波をかけることを行ってもよい。
【0058】
本発明で使用できる電池缶および電池蓋は材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス鋼板(SUS304、SUS304L、SUS304N、SUS316、SUS316L、SUS430、SUS444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッキを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合金が好ましい。電池缶の形状はボタン、コイン、シート、シリンダー、角などのいずれでも良い。
電池缶の内圧上昇の対策として封口板に安全弁を用いることができる。この他、電池缶やガスケット等の部材に切り込みをいれる方法も利用することが出来る。この他、従来から知られている種々の安全素子(例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等)を備えつけても良い。
【0059】
本発明で使用するリード板には、電気伝導性をもつ金属(例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウム等)やそれらの合金を用いることが出来る。電池蓋、電池缶、電極シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることが出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来から知られている化合物や混合物を用いることが出来る。
【0060】
本発明で使用できるガスケットは、材質として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好ましい。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポリマーであることが好ましい。
【0061】
以上のようにして組み立てられた電池は、エージング処理を施すのが好ましい。エージング処理には、前処理、活性化処理及び後処理などがあり、これにより高い充放電容量とサイクル性に優れた電池を製造することができる。前処理は、電極内のリチウムの分布を均一化するための処理で、例えば、リチウムの溶解制御、リチウムの分布を均一にするための温度制御、揺動及び/または回転処理、充放電の任意の組み合わせが行われる。活性化処理は電池本体の負極に対してリチウムを挿入させるための処理で、電池の実使用充電時のリチウム挿入量の50〜120%を挿入するのが好ましい。後処理は活性化処理を十分にさせるための処理であり、電池反応を均一にするための保存処理と、判定のための充放電処理当があり、任意に組み合わせることができる。
【0062】
本発明の電池は必要に応じて外装材で被覆される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テープ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良い。
【0063】
本発明の電池は必要に応じて複数本を直列及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体の電流検出端子等を外部端子として設けることもできる。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらには、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数等の表示機能を設けても良い。
【0064】
本発明の電池は様々な機器に使用される。特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッキ、モニター内蔵ムービーカメラ、デジタルカメラ、コンパクトカメラ、一眼レフカメラ、レンズ付きフィルム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
【0065】
【実施例】
以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
負極材料の合成
下記組成の原料バッチを高純度アルミナ製ルツボに入れ、アルゴン/炭酸ガス/水素で1100℃に於ける酸素分圧が10-12 atmとなるように調節した雰囲気ガスを流しつつ、1100℃まで昇温し更に純窒素雰囲気下で10時間溶融した後、10℃/分で室温まで冷却して黄色透明のガラス塊を得た。
【0066】
Sn0 107.8g
SiO2 48.1g
Al2 O3 5.1g
B2 O3 7.0g
これを粗粉砕した後、ジェットミルで平均粒径約20μmの粉体とした。この酸化物ガラス1kgを窒化ホウ素18gと混合し、アルミナ製ルツボに充填し、純チッ素雰囲気下で1000℃で3時間溶融した後、10℃/10分で降温した。
得られたガラスを分析した結果、窒素原子が酸素原子に対して約2%含有されていた。
このガラスを粗粉砕した後、ジュットミルで平均粒径8μmの粉体とし、これを負極材料として以下によりコイン電池を作製した。
【0067】
負極材料を下記組成の塗布液とし、10μ厚の銅集電体シート上に塗布した。
負極材料 85重量%
グラファイト 6重量%
PVDF 9重量%
N−メチルピロリドン 9重量%
得られた負極シートを、15mmΦに打ち抜き、対極としてLi−Al合金電極を用い、1M−LiPF6 を含むEC/DC(1:1)電解質溶液を用いたコイン電池Aを作成した。
また比較用として、窒化ホウ素の代わりに酸化ホウ素を添加して再溶融したサンプルについても同様にしてコイン電池Bを作製した。
【0068】
これらのコイン電池を0.75mA/cm2 の定電流密度にて、0.05〜0.9Vの範囲で充放電試験を行なった(試験はすべて放電からはじめた。)。その結果を表1に示した。
尚、表1に示す略号は、(a)第1回目放電容量(負極材料1g当りmAh)、(b)放電平均電圧(V)、(c)充放電サイクル性(第一回目の放電容量の60%の容量になるサイクル数)をそれぞれ示した。
【0069】
【0070】
この結果から基礎酸化物ガラスをチッ化ホウ素との溶融させることで窒素原子を含有せしめた本発明の負極材料は、窒素を含まないものに対して、放電容量と放電電圧は同等で、サイクル性に優れた特性を示すことがわかる。
【0071】
実施例2
テトラメトキシシラン0.05モル、ジイソプロピル錫(IV)0.05モル、及びDMF5mlを混合し、これにメタノール5ml、水5ml及び0.001%のアンモニア水1mlの混合液を、攪拌しつつゆっくり滴下した。
この液を40℃に保温して8時間放置し、その後更に70℃まで昇温して8時間放置して熟成させた後、得られた含水ゲルをデカンテーションで分離し、次いで濾過し3回水洗した。120℃で12時間、300℃で3時間乾燥させて得られた塊状のガラスを粉砕機により、平均粒径が約10ミクロンの粉体に粉砕した。
【0072】
同様に、表−2に示すゾル形成化合物を用い、同様の工程でそれぞれのガラス粉末を得た。これらをアルミナ製の皿に入れ、電気炉の挿入し減圧した後、アンモニアガスを50ml/分の流速で流しつつ400℃まで昇温し、この温度で10時間保った。所要時間の後、窒素ガスに切り換えて10℃/分の割合で室温まで降温し、炉から取り出した。得られた粉末の窒素含有量を表−2に示した。
【0073】
【表1】
【0074】
得られた粉末を負極活物質として、正極がLiCoO2 (82重量%)と鱗片状黒鉛(8重量%)、アセチレンブラック(4重量%)、テトラフルオロエチレン(6重量%)とから成り、LiCoO2 を200mg含む13mmΦのペレットであること以外は実施例1と同様にしてコイン電池を作製した。
また比較用として、それぞれの組成で上記のアンモニア処理を行わないものを負極材料として負極材料とした電池を作成した。
【0075】
これらのコイン電池を0.75mA/cm2 の定電流密度にて、3.86〜3.0Vの範囲で充放電試験を行なった(試験はすべて充電からはじめた。)。その結果を表−3に示した。ここで、サイクル性の指標として充放電を500回繰り返した後の容量維持率(500回目の容量/初回の容量)を示した。
【0076】
【表2】
【0077】
本発明になるアンモニア処理により、ゾルゲル法で調製した酸化物ガラスに窒素原子が含有されること、この窒素導入により電池性能のうちサイクル性が向上することがわかる。
【0078】
【発明の効果】
以上から、本発明の錫、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、珪素から選ばれる元素の少なくとも1種を含有する酸化物に窒素を導入して成るオキシナイトライド化合物であり、該化合物の窒素/酸素の原子比が0.01〜30%である負極材料を用いた電池は、充放電サイクル時の容量維持率が高いことが明らかにされた。
Claims (7)
- 錫、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、珪素から選ばれる元素の少なくとも1種を含有する酸化物に窒素を導入して成るオキシナイトライド化合物であり、該化合物の窒素/酸素の原子比が0.01〜30%であることを特徴とする非水二次電池用負極材料。
- 下記一般式(1)で表されるSnを含むオキシナイトライド化合物を負極とする請求項1記載の負極材料。
一般式(1) SnMpAqOrNs
(式中、MはAl、B、P、Si、Geの群から選ばれる元素の少なくとも1種を、Aは周期律表第一族元素、第二族元素の群から選ばれる元素の少なくとも一種を表し、pは0.2以上、3以下の数、qは0以上0.2以下の数、rは1以上6以下の数、sは0.005以上、0.6以下の数を表す。) - 下記一般式(2)で表されるSnを含むオキシナイトライド化合物を負極とする請求項2記載の負極材料。
一般式(2) SnSip1Bp2Pp3Alp4AqOrNs
(Aは周期律表第一族元素、第二族元素の群から選ばれる元素の少なくとも一種を表し、式中、p1、p2,p3はそれぞれ0以上、2以下でその合計が0.2以上3以下の数であり、qは0以上0.2以下の数、rは1以上6以下の数、sは0.005以上、0.6以下の数を表す。) - 請求項1〜3のいずれかに記載の該負極材料が、非晶質構造を有することを特徴とする非水二次電池用負極材料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の該負極材料を含有する負極シートの上に、さらに水不溶性の粒子と結着剤から構成される保護層を有することを特徴とする非水二次電池。
- 該酸化物と窒化物とを溶融して調整してなる、請求項1記載の負極材料の製造方法。
- 該酸化物を窒素及び/もしくはアンモニアガス雰囲気下で加熱して成る、請求項1記載の負極材料の製造方法。
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