JPH10154529A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JPH10154529A
JPH10154529A JP8314041A JP31404196A JPH10154529A JP H10154529 A JPH10154529 A JP H10154529A JP 8314041 A JP8314041 A JP 8314041A JP 31404196 A JP31404196 A JP 31404196A JP H10154529 A JPH10154529 A JP H10154529A
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secondary battery
electrolyte
battery
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光利 田中
Koichi Kondo
浩一 近藤
Hiroshi Ishizuka
弘 石塚
Mikihiko Kato
三紀彦 加藤
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FUJI FILM SELLTEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で良好な充放電サイクル特性を有する
非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
を含む正極(5)及び負極(4)、リチウム塩を含む非
水電解質(6)、セパレーター(3)から成る非水電解
質二次電池に於いて、該非水電解質がピロリドン又はピ
ロリドン誘導体を含むことを特徴とする非水電解質二次
電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電サイクル特
性に優れた高容量非水電解質二次電池に関し、特に充放
電サイクル性に優れた電解液と、放電容量の大きな負極
材料を用いた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非水電解質の組成が、リチウムイ
オン二次電池等の非水電解質二次電池の充放電サイクル
安定性の改良に、大きく影響することが知られいる。電
解質溶媒もしくは添加剤の工夫により電池性能の向上を
ねらったものとして、例えばジオキソランが特開昭60
−91565号等に、ピリジン、ピロリン等が特開昭4
8−20842号、特開平3−57169号等に記載さ
れている。
【0003】更に特開平8−64240号公報では、特
定量の環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとエーテル
からなる混合溶媒にリチウム塩としてトリフルオロメタ
ンスルホン酸リチウムを用いたものが提案されている。
また、特開平8−130036号公報では、負極に高放
電容量の金属の複合酸化物を用い、非水電解質にエチレ
ンカーボネートと鎖状炭酸エステル等の混合溶媒を用い
ることが提案されている。
【0004】これらの提案は有る程度の改良効果を示す
ものの、サイクル安定性と高放電容量の二次電池を実現
するには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高放
電容量と充放電サイクル安定性の両立をはかり、高容量
かつサイクル安定性の優れた非水二次電池を提供するこ
とである。
【0006】本発明者らは、非水電解液の特定の溶媒組
成、特にピロリドン又はピロリドン誘導体の添加が上記
課題の解決に著しい効果のあることを発見し本発明に至
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、リチウ
ムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、
リチウム塩を含む非水電解質、セパレーターから成る非
水電解質二次電池に於いて、該非水電解質がピロリドン
またはピロリドン誘導体を含むことを特徴とする非水電
解質二次電池を提供することにより解決された。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、以下の形態を
用いることができるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0009】(1)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な
材料を含む正極及び負極、リチウム塩を含む非水電解
質、セパレーターを有する非水電解質二次電池に於い
て、該非水電解質がピロリドンまたはピロリドン誘導体
を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
【0010】(2)該ピロリドンまたはピロリドン誘導
体が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする項
1に記載の非水電解質二次電池。
【0011】
【化2】 … 一般式(1)
【0012】式中Rは水素原子または炭素数1から6の
無置換又は置換されたアルキル基、アルケニル基を示
す。
【0013】(3)一般式(1)で記載される化合物の
Rが水素原子または炭素数1から3の無置換のアルキル
基またはアルケニル基であることを特徴とする項2に記
載の非水電解質二次電池。
【0014】(4)該非水電解質が含有するピロリドン
またはピロリドン誘導体の添加量が、約0.1体積%以
上、約10体積%以下であることを特徴とする項1〜3
のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
【0015】(5)該非水電解質の含水率が1ppm以上5
0ppm以下、かつ遊離酸分がHFとして2ppm以上100ppm
以下であることを特徴とする項4に記載の非水電解質二
次電池。
【0016】(6)該非水電解質が、有機溶媒として少
なくとも環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステル、リチウ
ム塩としてLiPF6及びLiBF4を含むことを特徴とする項5
に記載の非水電解質二次電池。
【0017】(7)該非水電解質中の環状炭酸エステル
の含有量が5体積%以上40体積%以下、鎖状炭酸エステ
ルの含有量が60体積%以上95体積%以下であることを特
徴とする項6に記載の非水電解質二次電池。
【0018】(8)該負極材料の少なくとも一種が、一
般式(2)で示されることを特徴とする項1〜7のいず
れか1項に記載の非水電解質二次電池。
【0019】 M1 2 p4 q6 … 一般式(2) (式中、M1 、M2 は相異なりSi、Ge、Sn、P
b、P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種、
4 はLi,Na,K,Rb,Cs,Mg,Ca,S
r,Baから選ばれる少なくとも一種、M6 はO、S、
Teから選ばれる少なくとも一種、p 、q は各々0.0
01〜10、r は1.00〜50の数字を表す。)
【0020】以下、本発明の一実施形態について、詳細
に説明する。本実施形態の電解質に用いられるピロリド
ンまたはピロリドン誘導体は、下記一般式(1)で表さ
れる化合物である。
【0021】
【化3】 … 一般式(1)
【0022】式中Rは水素原子または炭素数1から6の
無置換又は置換されたアルキル基、アルケニル基を示
す。置換基Rの置換基としてはハロゲン原子、メチル
基、エチル基等が挙げられる。好ましい置換基Rとして
は、水素原子又は炭素数1から6のアルキル基又はアル
ケニル基、特に好ましいRとしては、水素原子又は炭素
数1から3が挙げられる。
【0023】電解質に用いられる具体的な化合物として
は、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピ
ロリドン、N−イソプロピル、N−n−プロピルピロリ
ドン、N−ブチルピロリドン、N−ブチルピロリドン、
N−イソブチルピロリドン、N−ビニルピロリドン等が
挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0024】電解質に含まれるピロリドンまたはピロリ
ドン誘導体は、電解質に対し、0.1体積%以上、10
体積%以下の範囲で用いるのが好ましい。0.1体積%
未満ではサイクル安定効果が低下し、10体積%を越え
ると放電容量が低下する欠点がある。より好ましいピロ
リドンまたはピロリドン誘導体の添加量は0.2〜8体
積%であり、特に好ましくは0.3〜7体積%である。
【0025】ピロリドンの二次電池での使用に関して
は、例えば特開平5−315006号等でN−メチルピ
ロリドンを電極作製時の溶媒として用いることが知られ
ている。これらは、電極の結着剤にフッ素樹脂、特にポ
リビニリデンフルオライド(PVDF)の溶媒としてN
−メチルピロリドンを使用するものである。N−メチル
ピロリドンを含む電極合剤を塗布した後、乾燥するのが
通常であるから、N−メチルピロリドンは電極中には全
く残留していないか、残留していたとしても微量であ
る。従って、電極中に残留した溶媒が電解液に溶け込
み、本実施形態と同様の効果をもたらすことは期待でき
ない。
【0026】電解質が含有する水分量はできるだけ少な
いのが望ましい。含水量は50ppm以下が好ましく、2
0ppm以下がより好ましく、12ppm以下が特に好まし
い。水分量の下限は低いことが望ましいが1ppm以下に
制御するのは困難である。含水量を少なくするには、電
解質を作製するときに用いる有機溶媒や支持電解質を予
め充分に脱水しておくとともに、作製時の雰囲気を低湿
の状態に保つことが必要である。電解質作製時の雰囲気
は、露点をマイナス30℃以下、より好ましくはマイナ
ス40℃以下、更に好ましくはマイナス50℃以下、特
に好ましくはマイナス55℃以下に設定するのがよい。
作製した電解質は同じ低湿の雰囲気下で保存するのが好
ましい。水分量は通常のカールフィッシャー水分測定装
置等で測定することができる。
【0027】電解質の遊離酸分は100ppm以下が好ま
しく、80ppm以下がより好ましく、60ppm以下が特に
好ましい。下限は低いことが好ましいが、2ppm以下に
することはコスト的に困難である。電解質の遊離酸分は
HFで表す。HFは支持電解質の原料として未反応分が
持ち込まれる場合と、支持電解質が水分の存在下で分解
して生成する場合とがある。従って、支持塩の精製と水
分の除去が遊離酸分を減少させるのに効果的である。遊
離酸分は、ブロムチモールブルーを指示薬とし、0.1
規定NaOH水溶液を用いて中和滴定して測定する方法
等により決めることができる。
【0028】電解質の電解溶媒として環状炭酸エステルと鎖
状炭酸エステルを併用するのが好ましい。
【0029】環状炭酸エステルとしては、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、1、2-ブチレンカー
ボネート、2、3-ブチレンカーボネート、1、2-ペンテンカ
ーボネート、2、3-ペンテンカーボネートを挙げることが
できる。これらの中でエチレンカーボネートが特に好ま
しい。
【0030】鎖状炭酸エステルとしては、炭素数が3〜
8である鎖状の炭酸エステルを用いることができる。そ
の中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカー
ボネートが好ましい。特に好ましいのは、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネートである。ジメチルカー
ボネートとジエチルカーボネートは併用してもよい。
【0031】非水電解質での各溶媒の混合比率は、環状
炭酸エステルが5〜30体積%、鎖状炭酸エステルが6
0〜90体積%、ピロリドン類が0.1〜10体積%で
ある場合が好ましい。より好ましくは環状炭酸エステル
が10〜28体積%、鎖状炭酸エステルが67〜88体
積%、ピロリドン類が0.2〜8体積%の混合比率であ
る。特に好ましくは環状炭酸エステルが15〜26体積
%、鎖状炭酸エステルが71〜85体積%、ピロリドン
類が0.3〜7体積%の場合である。
【0032】非水電解質には、更に次の環状エーテルを
用いてもよい。例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテ
トラヒドロフラン、1、3-ジオキソラン、1、3-ジオキサ
ン、1、4-ジオキサン、トリオキサン及びこれらの誘導体
を挙げることができる。より好ましくは1、3-ジオキソラ
ン、1、3-ジオキサン、1、4-ジオキサンが挙げられる。
【0033】更に、他にγ-ブチロラクトン、ギ酸メチ
ル、酢酸メチル、1、2-ジメトキシエタン、ジメチルスル
ホキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン
酸トリエステル、トリメトキシエタン、スルホラン、3-
メチル-2-オキサゾリジノン、エチルエーテル、1、3-プ
ロパンサルトン等の非プロトン性の有機溶媒を加えるこ
とができる。
【0034】非水電解質に使用できるリチウム塩として
は、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、L
iCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiS
bF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウ
ム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、ク
ロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどの
Li塩を挙げることが出来、これらの一種または二種以
上を混合して使用することができる。なかでもLiBF
4またはLiPF6の使用が好ましい。更にはLiBF4
とLiPF6を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0035】支持塩の濃度は、特に限定されないが、電
解液1リットル当たり0.2〜3モルが好ましい。これ
らの電解質を電池内に添加する量は、特に限定されない
が、電極材料の量や電池のサイズにより適宜きめること
ができる。
【0036】以下、本実施形態の非水電解質二次電池を
作るための他の材料と製造方法について詳述する。非水
電解質二次電池に用いられる正・負極は、正極合剤ある
いは負極合剤を集電体上に塗設して作ることが出来る。
正極あるいは負極合剤には、それぞれ正極活物質あるい
は負極材料のほか、それぞれに導電剤、結着剤、分散
剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤
を含むことができる。
【0037】負極材料は、電池組み込み時に主として非
晶質であることが好ましい。ここで言う主として非晶質
とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°か
ら40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物で
あり、結晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ
値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の
内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見
られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍
以下であることが好ましく、さらに好ましくは100倍
以下であり、特に好ましくは5倍以下であり、最も好ま
しくは、結晶性の回折線を有さないことである。
【0038】負極材料は下記一般式(2)で表されるこ
とが好ましい。 M12 p4 q6 r … 一般式(2) 式中、M1 、M2 は相異なりSi、Ge、Sn、Pb、
P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種であ
り、好ましくはSi、Ge、Sn、P、B、Alであ
り、特に好ましくはSi、Sn、P、B、Alである。
4 はLi,Na,K,Rb,Cs,Mg,Ca,S
r,Baから選ばれる少なくとも一種であり、好ましく
はK,Cs,Mg,Caで、特に好ましくはCs,Mg
である。M6 はO、S、Teから選ばれる少なくとも一
種であり、好ましくはO、Sであり、特に好ましくはO
である。p 、q は各々0.001〜10であり、好まし
くは0.01〜5であり、特に好ましくは0.01〜2
である。rは1.00〜50であり、好ましくは1.0
0〜26であり、特に好ましくは1.02〜6である。
1 、M2 の価数は特に限定されることはなく、単独価
数であっても、各価数の混合物であっても良い。またM
1 、M2 、M4 の比はM2 およびM4 がM1 に対して
0.001〜10モル当量の範囲において連続的に変化
させることができ、それに応じM6 の量(一般式(2)
において、r の値)も連続的に変化する。
【0039】上記に挙げた化合物の中でも、M1 がSn
である場合が好ましく、一般式(3)で表される。
【0040】 SnM3 p5 q7 r … 一般式(3) 式中、M3 はSi 、Ge 、Pb 、P、B、Alから選ば
れる少なくとも一種であり、好ましくはSi 、Ge 、
P、B、Alであり、特に好ましくはSi 、P、B、A
lである。M5 はLi,Na,K,Rb,Cs,Mg,
Ca,Sr,Baから選ばれる少なくとも一種であり、
好ましくはCs、Mgで、特に好ましくはMgである。
7 はO、Sから選ばれる少なくとも一種であり、好ま
しくはOである。p 、q は各々0.001〜10であ
り、好ましくは0.01〜5であり、さらに好ましくは
0.01〜1.5であり、特に好ましくは0.7〜1.
5である。r は1.00〜50であり、好ましくは1.
00〜26であり、特に好ましくは1.02〜6であ
る。
【0041】負極材料の例を以下に示すが、これらに限
定されるものではない。SnAl0.40.50.5
0.13.65、SnAl0.40.50.5 Na0.2
3.7 、SnAl0.40.30.5 Rb0.23.4 、Sn
Al0.40.50.5 Cs0.43.65、SnAl0.4
0.50.50.1 Ge0.053.85、SnAl0.40.5
0.50.1 Mg0.1 Ge0.023.83、SnAl0.4
0.40.43.2 、SnAl0.30.50.22.7
SnAl0.30.50.22.7 、SnAl0.40.5
0.3 Ba0.08Mg0.083.26、SnAl0.40.4
0.4 Ba0.083.28、SnAl0.40.50.5
3.6 、SnAl0.40.50.5 Mg0.13.7
【0042】SnAl0.50.40.5 Mg0.10.2
3.65、SnB0.50.5 Li0.1 Mg0.10.2
3.05、SnB0.50.50.1 Mg0.10.23.05
SnB0.50.50.05Mg0.050.13.03、SnB
0.50.50.05Mg0.10.23.03、SnAl0.4
0.50.5 Cs0.1 Mg0.10.23.65、SnB
0.50.5 Cs0.05Mg0.050.13.03、SnB0.5
0.5 Mg0.10.13.05、SnB0.50.5 Mg
0.10.23 、SnB0.50.5 Mg0.10.06
3.07、SnB0.50.5 Mg0.10.143.03、SnP
Ba0.083.58、SnPK0.13.55、SnPK0.05
0.053.58、SnPCs0.13.55、SnPBa0.08
0.083.54、SnPK0.1 Mg0.10.23.55、S
nPK0.05Mg0.050.13.53、SnPCs0.1 Mg
0.10.23.55、SnPCs0.05Mg0.050.1
3.53
【0043】Sn1.1 Al0.40.20.6 Ba0.08
0.083.54、Sn1.1 Al0.40.20.6 Li0.1
0.1 Ba0.10.13.65、Sn1.1 Al0.40.4
0.4 Ba0.083.34、Sn1.1 Al0.4 PCs0.05
4.23、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23、Sn1.4 Al
0.50.30.4 Cs0.23.5 、Sn1.2 Al0.4
0.20.6 Ba0.083.68、Sn1.2 Al0.40.2
0.6 Ba0.080.083.64、Sn1.2 Al0.40.2
0.6 Mg0.04Ba0.043.68、Sn1.2 Al0.40.3
0.5 Ba0.083.58、Sn1.3 Al0.30.30.4
Na0.23.3 、Sn1.3 Al0.20.40.4 Ca
0.23.4 、Sn1.3 Al0.40.40.4 Ba0.2
3.6 、Sn1.4 Al0.4 PK0.24.6 、Sn1.4 Al
0.2 Ba0.1 PK0.24.45、Sn1.4 Al0.2 Ba
0.2 PK0.24.6 、Sn1.4 Al0.4 Ba0.2 PK
0.2 Ba0.10.24.9 、Sn1.4 Al0.4 PK0.3
4.65、Sn1.5 Al0.2 PK0.24.4 、Sn1.5
0.4 PK0.14.65、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05
4.63、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.10.2
4.63
【0044】SnSi0.5 Al0.10.20.1 Ca
0.43.1 、SnSi0.4 Al0.20.42.7 、Sn
Si0.5 Al0.20.10.1 Mg0.12.8 、SnS
0.6 Al0.20.22.8 、SnSi0.5 Al0.3
0.40.23.55、SnSi0.5 Al0.30.40.5
4.30、SnSi0.6 Al0.10.10.33.25、S
nSi0.6 Al0.10.10.1 Ba0.22.95、Sn
Si0.6 Al0.10.10.1 Ca0.22.95、SnS
0.6 Al0.40.2 Mg0.13.2 、SnSi0.6
0.10.30.13.05、SnSi0.6 Al0.2 Mg
0.22.7 、SnSi0.6 Al0.2 Ca0.22.7 、S
nSi0.6 Al0.20.23 、SnSi0.60.2
0.23 、SnSi0.8 Al0.22.9 、SnSi0.8
Al0.30.20.23.85、SnSi0.80.2
2.9 、SnSi0.8 Ba0.22.8 、SnSi0.8 Mg
0.22.8 、SnSi0.8 Ca0.22.8 、SnSi
0.80.23.1
【0045】Sn0.9 Mn0.30.40.4 Ca0.1
0.12.95、Sn0.9 Fe0.30.40.4 Ca0.1
Rb0.12.95、Sn0.8 Pb0.2 Ca0.10.9
3.35、Sn0.3 Ge0.7 Ba0.10.93.35、Sn
0.9 Mn0.1 Mg0.10.93.35、Sn0.2 Mn0.8
Mg0.10.93.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1
0.93.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.10.93.35
【0046】上記焼成されて得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出できる。
【0047】負極材料への軽金属挿入量は、その軽金属
の析出電位に近似するまででよいが、例えば、負極材料
当たり50〜700モル%が好ましいが、特に、100
〜600モル%が好ましい。その放出量は挿入量に対し
て多いほど好ましい。軽金属の挿入方法は、電気化学
的、化学的、熱的方法が好ましい。電気化学的方法は、
正極活物質に含まれる軽金属を電気化学的に挿入する方
法や軽金属あるいはその合金から直接電気化学的に挿入
する方法が好ましい。化学的方法は、軽金属との混合、
接触あるいは、有機金属、例えば、ブチルリチウム等と
反応させる方法がある。電気化学的方法、化学的方法が
好ましい。該軽金属はリチウムあるいはリチウムイオン
が特に好ましい。
【0048】以上示したような一般式(2)、(3)で
示される化合物を主として負極材料に用いることによ
り、より充放電サイクル特性の優れた、かつ高い放電電
圧、高容量で安全性が高く、高電流特性が優れた非水電
解質二次電池を得ることができる。特に優れた効果を得
ることができるのはSnを含有し且つSnの価数が2価
で存在する化合物を負極材料として用いる場合である。
Snの価数は化学滴定操作によって求めることができ
る。例えばPhysics and Chemistry of Glasses Vol.8 N
o.4 (1967)の165頁に記載されている方法で分析する
ことができる。また、Snの固体核磁気共鳴(NMR)
測定によるナイトシフトから決定することも可能であ
る。例えば、幅広測定において金属Sn(0価のSn)
はSn(CH34 に対して7000ppm付近と極端
に低磁場にピークが出現するのに対し、SnO(=2
価)では100ppm付近、SnO2 (=4価)では−
600ppm付近に出現する。このように同じ配位子を
有する場合ナイトシフトが中心金属であるSnの価数に
大きく依存するので、119 Sn−NMR測定で求められ
たピーク位置で価数の決定が可能となる。
【0049】負極材料に各種化合物を含ませることがで
きる。例えば、遷移金属(Sc、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、ランタノ
イド系金属、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、P
t、Au、Hg)や周期表17族元素(F、Cl)を含
ませることができる。また電子伝導性を挙げる各種化合
物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパント
を含んでもよい。添加する化合物の量は0〜20モル%
が好ましい。
【0050】一般式(2)、(3)で示される酸化物を
主体とする複合酸化物の合成法は焼成法、溶液法いずれ
の方法も採用することができる。
【0051】例えば焼成法について詳細に説明する。M
1 化合物、M2 化合物とM4 化合物(M1 、M2 は相異
なりSi、Ge、Sn、Pb、P、B、Al、Sb、M
4 はMg,Ca,Sr,Ba)を混合し、焼成せしめれ
ばよい。Sn化合物としてはたとえばSnO、SnO
2 、Sn23 、Sn34 、Sn713・H2 O、S
815、水酸化第一錫、オキシ水酸化第二錫、亜錫
酸、蓚酸第一錫、燐酸第一錫、オルト錫酸、メタ錫酸、
パラ錫酸、弗化第一錫、弗化第二錫、塩化第一錫、塩化
第二錫、ピロリン酸第一錫、リン化錫、硫化第一錫、硫
化第二錫、等を挙げることができる。
【0052】Si化合物としてはたとえばSiO2 、S
iO、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン等の有
機珪素化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン等のアルコキシシラン化合物、トリクロロハイド
ロシラン等のハイドロシラン化合物を挙げることができ
る。
【0053】Ge化合物としてはたとえばGeO2 、G
eO、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテ
トラエトキシド等のアルコキシゲルマニウム化合物等を
挙げることができる。
【0054】Pb化合物としてはたとえばPbO2 、P
bO、Pb23 、Pb34 、硝酸鉛、炭酸鉛、蟻酸
鉛、酢酸鉛、四酢酸鉛、酒石酸鉛、鉛ジエトキシド、鉛
ジイソプロポキシド等を挙げることができる。
【0055】P化合物としてはたとえば五酸化リン、オ
キシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、
トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリ
ン酸、ピロリン酸第一錫、リン酸ホウ素等を挙げること
ができる。
【0056】B化合物としてはたとえば三二酸化ホウ
素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、炭化ホウ素、ほう
酸、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリ
プロピル、ほう酸トリブチル、リン化ホウ素、リン酸ホ
ウ素等を挙げることができる。
【0057】Al化合物としてはたとえば酸化アルミニ
ウム(α−アルミナ、β−アルミナ)、ケイ酸アルミニ
ウム、アルミニウムトリ−iso−プロポキシド、亜テ
ルル酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ホウ化アルミ
ニウム、リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、乳
酸アルミニウム、ほう酸アルミニウム、硫化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、ホウ化アルミニウム等を挙げる
ことができる。
【0058】Sb化合物としてはたとえば三酸化二アン
チモン、トリフェニルアンチモン等を挙げることができ
る。
【0059】Mg,Ca,Sr,Ba化合物としては、
各々の酸化塩、水酸化塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、アルミニウム化合物等を挙げることができる。
【0060】焼成条件としては、昇温速度として昇温速
度毎分4℃以上2000℃以下であることが好ましく、
さらに好ましくは6℃以上2000℃以下である。特に
好ましくは10℃以上2000℃以下である。焼成温度
としては250℃以上1500℃以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは350℃以上1500℃以下で
あり、特に好ましくは500℃以上1500℃以下であ
る。焼成時間としては0.01時間以上100時間以下
であることが好ましく、さらに好ましくは0.5時間以
上70時間以下であり、特に好ましくは1時間以上20
時間以下である。降温速度としては毎分2℃以上107
℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは4℃以
上107 ℃以下であり、特に好ましくは6℃以上107
℃以下であり、特に好ましくは10℃以上107 ℃以下
である。
【0061】上記の昇温速度とは「焼成温度(℃表示)
の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達す
るまでの温度上昇の平均速度であり、降温速度とは「焼
成温度(℃表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)
の50%」に達するまでの温度降下の平均速度である。
【0062】降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼成
炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよ
い。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版 1
987)217頁記載のgun法・Hammer−An
vil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマス
プレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超
急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンド
ブック(丸善 1991)172頁記載の単ローラー
法、双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融
する材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物
を連続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の
場合には融液を攪拌することが好ましい。
【0063】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられ
る。
【0064】一般式(2)、(3)で示される化合物の
平均粒子サイズは0.1〜60μmが好ましく、1.0
〜30μm が特に好ましく、2.0〜20μm がさらに
好ましい。所定の粒子サイズにするには、良く知られた
粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミ
ル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊
星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用い
られる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶
媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことが出来
る。所望の粒径とするためには分級を行うことが好まし
い。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級
機、水ひなどを必要に応じて用いることができる。分級
は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0065】二次電池に用いるリチウム含有遷移金属酸
化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合
物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1
種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合
して合成することが好ましい。
【0066】より好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物
(ここで遷移金属とは、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Niから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が
0.3〜2.2になるように混合して合成することが好
ましい。
【0067】特に好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極材料は、Lix QOy (ここでQは主として、その
少なくとも一種がCo、Mn、Ni、V、Feを含む遷
移金属、x=0.2〜1.2、y=1.4〜3)である
ことが好ましい。Qとしては遷移金属以外にAl、G
a、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、
Bなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0
〜30モル%が好ましい。
【0068】さらに好ましいリチウム含有金属酸化物正
極材料としては、Lix CoO2 、Lix NiO2 、L
x MnO2 、Lix Coa Ni1-a2 、Lix Co
b 1-bz 、Lix Cob Fe1-b2 、Lix Mn
24 、Lix Mnc Co2- c4 、Lix Mnc Ni
2-c4 、Lix Mnc 2-c4 、Lix Mnc Fe
2-c4 (ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜
0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.9
6、z=2.01〜2.3)が挙げられる。
【0069】最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極材料としては、Lix CoO2、Lix NiO2
Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a2 、Lix
24 、Lix Cob 1-bz (ここでx=0.0
2〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.9
8、z=2.01〜2.3)が挙げられる。
【0070】ここで、上記のx値は、充放電開始前の値
であり、充放電により増減する。
【0071】正負電極合剤に用いられる導電剤として使
用出来る導電性の炭素化合物としては、構成された電池
において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれ
ば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭コーク
ス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温
焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト
類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチ
ェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、
サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスファル
トピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピッ
チ、ポリアセン等を挙げることが出来る。これらの中で
は、グラファイトやカーボンブラックが好ましい。
【0072】炭素系以外の導電剤として、金属繊維等の
導電性繊維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金
属粉類、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィス
カー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物等を単独また
はこれらの混合物を必要に応じて含ませることが出来
る。
【0073】導電剤の合剤(負極合剤または正極合剤)
層への添加量は、負極材料または正極材料に対し6〜5
0重量%であることが好ましく、特に6〜30重量%で
あることが好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、6〜2
0重量%であることが特に好ましい。
【0074】電極合剤を保持するための結着剤として
は、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマ
ーを一種またはこれらの混合物を用いることが出来る。
好ましい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチル
セルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリ
ビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ
(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体
等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラ
フルロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロ
ロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリ
デンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロ
プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPD
M)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹
脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセ
テート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステ
ル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオ
プレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリ
エステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン
樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョ
ン(ラテックス)あるいはサスペンジョンを挙げること
が出来る。特にポリアクリル酸エステル系のラテック
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
【0075】これらの結着剤は単独または混合して用い
ることが出来る。その結着剤の添加量は、少ないと電極
合剤の保持力・凝集力が弱くまたサイクル性が悪く、多
すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重
量あたりの容量が減少し、さらに導電性が低下し、容量
は減少する。結着剤の添加量は、特に限定されないが、
1〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が好ま
しい。
【0076】負極合剤または正極合剤ペーストの調整
は、水系で行うことが好ましい。合剤ペーストの調整
は、まず活物質および導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉
体のサスペンジョンまたはエマルジョン(ラテックス)
状のもの)および水を加えて混練混合し、引続いて、ミ
キサー、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリミ
キサー、ペイントシェイカー、サンドミル等の攪拌混合
機、分散機で分散して行うことが出来る。
【0077】調整された正極活物質や負極活物質の合剤
ペーストは、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮
されて、主に用いられる。塗布は種々の方法で行うこと
が出来るが、例えば、リバースロール法、ダイレクトロ
ール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン
法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及び
スクイーズ法を挙げることが出来る。ブレード法、ナイ
フ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、
0.1〜100m/分の速度で実施されることが好まし
い。この際、合剤ペーストの液物性、乾燥性に合わせ
て、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層
の表面状態を得ることが出来る。その塗布層の厚み、長
さや巾は、電池の大きさにより決められるが、塗布層の
厚みは、乾燥後圧縮された状態で、1〜2000μmが
特に好ましい。
【0078】ペレットやシートの水分除去のための乾燥
又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利
用することができ、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電
子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いること
が出来る。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特
に100〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池
全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極
合剤や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすること
が充放電サイクル性の点で好ましい。
【0079】シート状の電極合剤の圧縮は、一般に採用
されているプレス方法を用いることが出来るが、特に金
型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧
は、特に限定されないが、10kg/cm2 〜3t/c
2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、
0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜
200℃が好ましい。
【0080】正極及び負極の支持体即ち集電体は、材質
として、正極にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケ
ル、チタン、またはこれらの合金であり、負極には銅、
ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金
であり、形態としては、箔、エキスパンドメタル、パン
チングメタル、金網である。特に、正極にはアルミニウ
ム箔、負極には銅箔が好ましい。
【0081】二次電池に使用できるセパレータは、イオ
ン透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の
薄膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマ
ー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイ
ミド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いら
れ、形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用い
られる。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプ
ロピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロン
の混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムである
ものが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚み
が5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい
【0082】図1は、シリンダー型電池の一例を示す断
面図である。電池の形状はボタン、コイン、シート、シ
リンダー、角などのいずれにも適用できる。電池は、ペ
レット、シート状あるいはセパレーター3と共に巻回し
た電極シート4、5を電池缶2に挿入し、缶と電極を電
気的に接続し、電解液6を注入し封口して形成する。リ
ング11を備えた内部フタ体10がポリプロピレン製ガ
スケット1を介して電池缶2の上部口に嵌合し、正極端
子を兼ねる正極キャップ8を上部に露出させる。この
時、安全弁(防爆弁体)7を封口板として用いることが
できる。更に電池の安全性を保証するためにPTC(正
温度係数)素子9を用いるのが好ましい。
【0083】有底電池外装缶は材質としてニッケルメッ
キを施した鉄鋼板、ステンレス鋼板(SUS304、S
US304L,SUS304N、SUS316、SUS
316L、SUS430、SUS444等)、ニッケル
メッキを施したステンレス鋼板(同上)、アルミニウム
またはその合金、ニッケル、チタン、銅であり、形状と
して、真円形筒状、楕円形筒状、正方形筒状、長方形筒
状である。特に、外装缶が負極端子を兼ねる場合は、ス
テンレス鋼板、ニッケルメッキを施した鉄鋼板が好まし
く、外装缶が正極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼
板、アルミニウムまたはその合金が好ましい。
【0084】該シート状の合剤電極は、巻いたり、折っ
たりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電
解質を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。この
とき、安全弁を封口板として用いることが出来る。安全
弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつ
けても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒュー
ズ、バイメタル、PTC素子等が用いられる。また、安
全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に
切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板
亀裂方法を利用することが出来る。また、充電機に過充
電や過放電対策を組み込んだ回路を具備させても良い。
【0085】電解質は、全量を1回で注入してもよい
が、2段階以上に分けて行うことが好ましい。2段階以
上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成で
も、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリ
チウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘
度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解
した溶液を注入)でも良い。また、電解質の注入時間の
短縮等のために、電池缶を減圧(好ましくは500〜1
torr 、より好ましくは400〜10 torr )したり、
電池缶に遠心力や超音波をかけることを行ってもよい。
【0086】缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や
合金を用いることが出来る。例えば、鉄、ニッケル、チ
タン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウム等の金属
あるいはそれらの合金が用いられる。キャップ、缶、シ
ート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は
交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いる
ことが出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従
来から知られている化合物や混合物を用いることが出来
る。
【0087】二次電池に使用できるガスケットは、材質
として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セ
ルロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、
耐有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリ
マーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好ま
しい。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合
ポリマーであることが好ましい。
【0088】電池は必要に応じて外装材で被覆される。
外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テープ、金属フ
ィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース等がある。
また、外装の少なくとも一部に熱で変色する部分を設
け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良い。
【0089】電池は必要に応じて複数本を直列及び/ま
たは並列に組み電池パックに収納される。電池パックに
は正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ及び/ま
たは電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路(各電池
及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等をモニタ
ーし、必要なら電流を遮断する機能を有す回路)を設け
ても良い。また電池パックには、組電池全体の正極及び
負極端子以外に、各電池の正極及び負極端子、組電池全
体及び各電池の温度検出端子、組電池全体の電流検出端
子等を外部端子として設けることもできる。また電池パ
ックには、電圧変換回路(DC−DCコンバータ等)を
内蔵しても良い。また各電池の接続は、リード板を溶接
することで固定しても良いし、ソケット等で容易に着脱
できるように固定しても良い。さらには、電池パックに
電池残存容量、充電の有無、使用回数等の表示機能を設
けても良い。
【0090】電池は様々な機器に使用される。特に、ビ
デオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッキ、モニ
ター内蔵ムービーカメラ、コンパクトカメラ、一眼レフ
カメラ、レンズ付きフィルム、ノート型パソコン、ノー
ト型ワープロ、電子手帳、携帯電話、コードレス電話、
ヒゲソリ、電動工具、電動ミキサー、自動車等に使用さ
れることが好ましい。
【0091】
【実施例】以下に具体例を挙げ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0092】〔正極合剤ペーストの作成〕正極活物質の
LiCoO2 を次のようにして作った。炭酸リチウムと
四酸化三コバルトとを3:2のモル比で混合したものを
アルミナるつぼにいれ、空気中、毎分2℃で750℃に
昇温し4時間仮焼した後、さらに毎分2℃の速度で90
0℃に昇温しその温度で8時間焼成し、その後粉砕して
LiCoO2 の粒子粉末を作成した。作成したLiCo
2 粒子は、中心粒子サイズが5μm、洗浄品50gを
100mlの水に分散した時の分散液の電導度は0.6
mS/m、pHは10.1、窒素吸着法による比表面積
は0.42m2 /gであった。このLiCoO2 粒子2
00gとアセチレンブラック10gとを、ホモジナイザ
ーで混合し、続いて結着剤として2−エチルヘキシルア
クリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体
の水分散物(固形分濃度50重量%)8gと、濃度2重
量%のカルボキシメチルセルロース水溶液60gを加え
混練混合し、さらに水50gを加え、ホモジナイザーで
攪拌混合し、正極合剤ペーストを作成した。
【0093】〔負極合剤ペーストの作成〕SnGe0.1
0.50.58Mg0.10.13.35を次のようにして作
った。一酸化錫6.7g、ピロリン酸錫10.3g、三
酸化二硼素1.7g、炭酸カリウム0.7g、酸化マグ
ネシウム0.4g、二酸化ゲルマニウム1.0gを乾式
混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下1
5℃/分で1100℃まで昇温し、1100℃で12時
間焼成した後、10℃/分で室温にまで降温し焼成炉よ
り取り出したものを集め、ジェットミルで粉砕して上記
の粒子粉末を作成した。この粒子は、平均粒径が4.5
μm 、CuKα線を用いたX線回折法において2θ値で
28°付近に頂点を有するブロードなピークを有する物
であり、2θ値で40°以上70°以下には結晶性の回
折線は見られなかった。この粒子粉末200gと導電剤
(人造黒鉛)30gをホモジナイザーで混合し、さらに
結着剤として濃度2重量%のカルボキシメチルセルロー
ス水溶液50gと、ポリフッ化ビニリデン10gとを加
え混合したものに水30gを加えさらに混練混合し、負
極合剤ペースト(F−1)を作成した。ポリフッ化ビニ
リデンは約0.1μmの微粒子を用いた。
【0094】負極合剤ペーストF−2は、市販の石油コ
ークス(日本ペトロレーム社製、PC−R)を230g
用い、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶
液50gと、ポリフッ化ビニリデン10gとを加え混合
したものに水30gを加えさらに混練混合して作った。
【0095】〔正極および負極電極シートの作成〕上記
で作成した正極合剤ペーストをブレードコーターで厚さ
30μmのアルミニウム箔集電体の両面に、塗布量40
0g/m2 、圧縮後のシートの厚みが280μmになる
ように塗布し、乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成
型し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作成し
た。さらにドライボックス(露点;−50℃以下の乾燥
空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極
シートを作成した。
【0096】同様に、負極合剤ペーストF−1とF−2
を20μmの銅箔集電体に塗布し、上記正極シート作成
と同様の方法で、圧縮後のシートの厚みが90μmであ
る負極シートA、Bをそれぞれ作成した。
【0097】〔電解質調製〕アルゴン雰囲気で、200
ccの細口のポリプロピレン容器に80mlの炭酸ジエ
チル(DEC)をいれ、これに液温が30℃を越えない
ように注意しながら、20mlの炭酸エチレン(EC)
を少量ずつ溶解した。次にこの混合溶媒に、支持塩とし
て0.469gのLiBF4 ,14.43gのLiPF
6 を液温が30℃を越えないように注意しながら、上記
の順番で、上記混合溶媒に少量ずつ溶解した。得られた
電解質は比重1.135で無色透明の液体であった。水
分は10ppm(京都電子製 商品名MKC−210型
カールフィシャー水分測定装置で測定)、遊離酸分は2
0ppm(ブロムチモールブルーを指示薬とし、0.1
規定NaOH水溶液を用いて中和滴定して測定)であっ
た。この電解質を比較用の電解質1とする。
【0098】更にDECとECの後に、ピロリドン類を
下表1に従って混合する以外は電解質1と同様にして電
解質2〜21を作った。電解質は、添加されるピロリド
ン類の量に特徴がある。尚、電解質の調製は、十分に脱
水した薬品及び容器を用い、ドライブース(露点マイナ
ス60℃の乾燥空気)内で行った。下表1において支持
塩は電解質1と同じものは併用(LiBF4 とLiPF
6 を併用)と記載、組成の異なるものは表の下に記載し
た。
【0099】
【表1】 電解質の組成 電解質 DEC量 EC量 添加溶媒種 添加量 支持塩 水分量 遊離酸分 の番号 ml ml ml ppm ppm 1 80 20 な し 0 併用 7 20 2 80 20 N-メチルヒ゜ロリト゛ン 0.01 併用 7 20 3 80 20 同 上 0.1 併用 7 20 4 79.8 19.9 同 上 0.3 併用 7 20 5 79.6 19.9 同 上 0.5 併用 7 20 6 78 19.5 同 上 2.5 併用 7 20 7 77.6 19.4 同 上 5.0 併用 7 20 8 76 19 同 上 7.0 併用 7 20 9 74.5 18.5 同 上 10.0 併用 7 20 10 95 5 同 上 0.1 併用 7 20 11 70 30 同 上 0.1 併用 7 20 12 78 19.5 N-エチルヒ゜ロリト゛ン 2.5 併用 7 20 13 79.6 19.9 同 上 0.5 併用 7 20 14 78 19.5 N-n- 2.5 併用 7 20 フ゜ロヒ゜ルヒ゜ロリト゛ン 15 78 19.5 ピロリドン 2.5 併用 7 20 16 78 19.5 N-メチルヒ゜ロリト゛ン 2.5 単独*1 7 20 17 78 19.5 同 上 2.5 併用 60 120 18 72 18 同 上 13 併用 7 20 19 80 20 な し 0 単独*1 7 20 20 80 20 N-メチルヒ゜ロリト゛ン 0.01 単独*1 7 20 21 78 19.5 ピロリン 0.01 併用 7 20 単独*1は、LiPF6 のみを15.19g用いた。
【0100】〔シリンダー電池の作成〕図1に示すよう
に、正極シート5、微孔性ポリプロピレンフィルム製セ
パレーター、負極シートA(4)およびセパレーター3
の順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体
を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底
円筒型電池缶2に収納した。さらに電解質6として表1
に記載の電解質を電池缶2内に注入した。正極端子を有
する電池蓋8、PTC素子9、防爆弁体7等を重ね、ガ
スケット1を介してかしめて円筒型電池を作成した。
【0101】上記の方法で作成した電池について、電流
密度5mA/cm2 、充電終止電圧4.1V、放電終止
電圧2.8Vの条件で充放電し、放電容量およびサイク
ル寿命を求めた。
【0102】それぞれの電池のサイクル性(充放電1回
目に対する300回目容量の割合)を表2に示す。放電
容量は、電池番号1と22を100としたときの相対値
を表す。
【0103】
【表2】 電池番号 負極シート 電解質番号 放電容量 サイクル性 1 (比較電池) A 1 100 68 2 同 上 A 2 100 69 3 (本実施例電池) A 3 100 82 4 同 上 A 4 100 84 5 同 上 A 5 100 86 6 同 上 A 6 100 87 7 同 上 A 7 100 86 8 同 上 A 8 100 84 9 同 上 A 9 99 83 10 同 上 A 10 100 81 11 同 上 A 11 100 82 12 同 上 A 12 100 87 13 同 上 A 13 100 86 14 同 上 A 14 100 87 15 同 上 A 15 100 87 16 同 上 A 16 99 82 17(比較電池) A 17 96 69 18 同 上 A 18 92 79 19 同 上 A 19 100 67 20 同 上 A 20 100 69 21 同 上 A 21 99 68 22 同 上 B 1 100 69 23(本実施例電池) B 6 99 89 24 同 上 B 16 99 86 25(比較電池) B 19 99 68
【0104】電解質は、表1に示すように、炭酸ジエチ
ル(DEC)と炭酸エチレン(EC)と添加溶媒種の合
計量が100mlである。したがって、各成分の量が体
積%を表す。電池番号1〜9、18(電解質1〜9、1
8)は、それぞれN−メチルピロリドンの量が異なる。
図2に、N−メチルピロリドンの量に対する放電容量と
サイクル性の関係をグラフで表す。N−メチルピロリド
ンを電解質に添加した電池2〜9、18は、添加しない
電池1(電解質1)よりもサイクル性が大きく、良好な
結果が得られた。ただし、N−メチルピロリドンが0.
01体積%以下の電池2(電解質2)はサイクル性が小
さく、13体積%以上の電池18(電解質18)は放電
容量が小さいので、電池としての特性は良くない。
【0105】電池12〜15(電解質12〜15)は、
N−メチルピロリドン(電池6)の代わりに、同量のN
−エチルピロリドン、N−n−プロピルピロリドン、ピ
ロリドンをそれぞれ電解質に添加したものである。電池
6、12〜15は、ピロリドン類の種類を変えても、同
程度の放電容量及びサイクル性が得られる。これらのピ
ロリドン類を添加した場合にも、N−メチルピロリドン
の場合と同様に、サイクル性が大きくなり良好である。
ピロリドン類の代わりにピロリンを添加した電池21
(電解質21)は、サイクル性が悪い。
【0106】ピロリドンまたはピロリドン誘導体(以
下、ピロリドン類という)は、少なすぎるとサイクル性
が小さくなり、多すぎると放電容量が小さくなる。好ま
しくは、ピロリドン類が約0.1体積%以上、約10体
積%以下である。より好ましくは、ピロリドン類が0.
2〜8体積%であり、特に好ましくは0.3〜7体積%
である。
【0107】電池3、10、11(電解質3、10、1
1)は、N−メチルピロリドンの量が同じであり、DE
C量とEC量の比が異なる。DEC量が95体積%の電
池10(電解質10)は、サイクル性が小さい。DEC
量が多すぎると、サイクル性が小さくなる。電解質の混
合比率は、鎖状炭酸エステル(DEC)が60〜90
%、環状炭酸エステル(EC)が5〜30体積%、ピロ
リドン類が0.1〜10体積%の場合が好ましい。より
好ましくは、鎖状炭酸エステル(DEC)が67〜88
体積%、環状エステル(EC)が10〜28体積%、ピ
ロリドン類が0.2〜8体積%である。特に好ましく
は、鎖状炭酸エステル(DEC)が71〜85体積%、
環状炭酸エステル(EC)が15〜26体積%、ピロリ
ドン類が0.3〜7体積%である。
【0108】電池17は、電解質17の水分量が60p
pmであり、遊離酸分が120ppmである。電池6
は、電解質6の水分量が7ppmであり、遊離酸分が2
0ppmである。電解質の水分量および遊離酸分が少な
い方が放電容量およびサイクル性が大きく、良好な結果
が得られた。電解質の水分量は50ppm以下が好まし
く、遊離酸分は100ppm以下が好ましい。ただし、
水分量を1ppm以下に制御することは困難であり、遊
離酸分を2ppm以下に制御することはコスト的に困難
である。電解質は、水分量が1ppm以上50ppm以
下、かつ遊離酸分が2ppm以上100ppm以下であ
ることが好ましい。
【0109】電池16は、電解質16に支持塩としてL
iPF6 のみを用いた。それに対し、電池6は、電解質
6に支持塩としてLiBF4 とLiPF6を併用した。
LiBF4 とLiPF6 を併用した方が、サイクル性お
よび放電容量が大きくなり良好な結果が得られた。電解
質は、支持塩としてLiBF4 とLiPF6 を含むこと
が好ましい。
【0110】
【発明の効果】本発明のように、ピロリドンまたはピロ
リドン誘導体を含む電解液を用いると放電容量とサイク
ル性の両立した非水二次電池を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例に使用したシリンダー型電池の断
面図を示す。
【図2】N−メチルピロリドンの添加量に対する放電容
量とサイクル性の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン製ガスケット 2 負極端子を兼ねる負極缶(電池缶) 3 セパレーター 4 負極シート 5 正極シート 6 非水電解液 7 防爆弁体 8 正極端子を兼ねる正極キャップ 10 内部フタ体 11 リング
フロントページの続き (72)発明者 石塚 弘 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムセルテック株式会社内 (72)発明者 加藤 三紀彦 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムセルテック株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
    を含む正極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セ
    パレーターから成る非水電解質二次電池に於いて、該非
    水電解質がピロリドンまたはピロリドン誘導体を含むこ
    とを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 該ピロリドンまたはピロリドン誘導体
    が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求
    項1に記載の非水電解質二次電池。 【化1】 … 一般式(1) 式中Rは水素原子または炭素数1から6の無置換又は置
    換されたアルキル基、アルケニル基を示す。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で記載される化合物のRが
    水素原子または炭素数1から3の無置換のアルキル基ま
    たはアルケニル基であることを特徴とする請求項2に記
    載の非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 該非水電解質が含有するピロリドンまた
    はピロリドン誘導体の添加量が、約0.1体積%以上、
    約10体積%以下であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 該非水電解質の含水率が1ppm以上50ppm
    以下、かつ遊離酸分がHFとして2ppm以上100ppm以下
    であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二
    次電池。
  6. 【請求項6】 該非水電解質が、有機溶媒として少なく
    とも環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステル、リチウム塩としてLi
    PF6及びLiBF4を含むことを特徴とする請求項5に記載の
    非水電解質二次電池。
  7. 【請求項7】 該非水電解質中の環状炭酸エステルの含有量
    が5体積%以上40体積%以下、鎖状炭酸エステルの含有量が
    60体積%以上95体積%以下であることを特徴とする請求
    項6に記載の非水電解質二次電池。
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