JP5043290B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質、その製造方法、およびそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質、その製造方法、およびそれを用いた非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、高容量型の非水電解質二次電池に関する。
移動体通信機器、携帯電子機器の主電源として利用されているリチウムイオン電池は、起電力が高く、高エネルギー密度である特長を有している。ここで用いられる正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガンスピネル(LiMn24)等やこれらの混合物がある。これらの活物質はリチウムに対し4V以上の電圧を有している。
また、上記の酸化物とは別に、リン酸塩からなる活物質が提案されている。例えば特許文献1においてはLiMePO4が提案されている。また、特許文献2においてはLiMePO4Fが提案されている。さらに、特許文献3や非特許文献1においてはLi2MePO4Fが開示されている。
チッ素原子を導入した活物質は特許文献4に記載されているが、いずれも酸化物に関するものであり、リン酸塩化合物に関しては開示も示唆もない。特許文献4には、シリコン、ゲルマニウムおよび錫の少なくとも1種の原子と酸素原子とチッ素原子とを含む化合物を負極材料として用いることが開示されている。この負極材料は、一般式:Mxyz(MはSi、GeおよびSnの少なくとも1種の原子、x、yおよびzはそれぞれ1.4<x<2.1、1.4<y<2.1および0.9<z<1.6)で表される。
この発明の目的は、高容量の負極材料を作成することにある。特許文献4記載の負極材料においては、シリコンとチッ素とからなるチェア型6員環で構成される擬似平面がマトリックス状に広がり、その平面間(層間)にシリコン−酸素−シリコン結合が架橋するように存在して1次元のトンネル状部分を形成している。そして、このトンネル状部分がリチウムのドープ・脱ドープサイトとなり、得られる負極材料は大きな容量を発揮する。
したがって、特許文献4の実施例に示されている負極材料は、Nを有する酸素窒化物であるSi22O、Ge22OまたはSn22Oからなるマトリックスとしての結晶構造が重要である。なお、特許文献4には、上記負極材料の電子導電性に関する開示や示唆は無く、実施例においては導電助剤として炭素材料が単純に混合されている。
米国特許第6,514,640号公報 米国特許第6,387,568号公報 特開2003−229126号公報 特開平11−102705号公報 J.Solid State Chem.142,1(1999)
ところが、LiFePO4に代表されるリチウムイオン電池用正極活物質のリン酸塩化合物は、酸化物系の従来の材料に比べ高温加熱時などの酸素の発生が少なく、安全性や信頼性が高いといった特徴を有する一方、組成からも明らかなように単純な無機塩であり電池活物質として求められる材料の電子伝導性はきわめて低い。そのため、LiCoO2などの酸化物を電池に用いる場合のように、導電助剤としてアセチレンブラックや黒鉛などの導電性の高い材料を混合して電極を得ることも考えられるが、リン酸塩系の化合物の電子伝導性は極めて低いため、導電助剤を単純に混合するだけでは不十分であり、粒子を微細化して比表面積を増大させたり、活物質表面を黒鉛質材料で被覆したりといった工夫がなされる。
しかし、これらの工夫の結果として、活物質の充填量の低下による容量の低下や、工程数の増加(粉砕や表面被覆)によるコストアップという新たな問題が生じる。
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく、導電性の高い活物質材料を提案し、容量の高い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、組成式:LixMePO4zy(0≦x≦2、0<y≦1.2、0<z≦1、MeはFe、Co、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種の原子)で表される非水電解質二次電池用正極活物質を提案する。リン酸塩にチッ素を導入することにより、リン酸塩表面の酸素配列が変化し、電導に関与するキャリアーが発生して正極活物質の抵抗率が低下する。そのため、LiCoO2などの酸化物を活用する場合と同様の簡便な工程で導電剤を添加することができる。
また、本発明は、上記非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法にも関する。この製造方法は、リン酸塩化合物を還元性雰囲気下で加熱した後、アンモニアガスと反応させることにより、チッ素原子を含むリン酸塩からなる非水電解質二次電池用正極活物質を合成する工程を含み、前記非水電解質二次電池用正極活物質が、組成式:LixMePO4zy(0≦x≦2、0<y≦1.2、0<z≦1、MeはFe、Co、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種の原子)で表される。
前記還元性雰囲気はアルゴン、チッ素、一酸化炭素および水素よりなる群から選択される少なくとも1種のガスを含み、前記加熱温度は300〜1500℃であるのが有効である。
さらに本発明は、上記非水電解質二次電池用正極活物質を正極に含む非水電解質二次電池を提供する。
本発明に係る非水電解質二次電池用活物質によれば、従来のリン酸塩活物質が抱えていた課題、すなわち独自の導電性向上策によって引起される容量低下やコストアップを回避することができる。
参考試験電池1で用いたLiFePO4-zyの充放電カーブを示す図である。 本発明の試験電池1で用いたLiCoPO4zyの充放電カーブを示す図である。 参考例1において作製した円筒型電池の概略縦断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係る非水電解質二次電池用活物質はチッ素原子含有リン酸塩からなり、これを得るためには、リン酸塩にチッ素原子を導入する必要がある。上述したように、リン酸塩表面の酸素配列を変化させ、リン酸塩特有の問題(高抵抗)を回避するために、チッ素原子の導入が不可欠だからである。
本発明におけるチッ素原子含有リン酸塩の組成は、組式:LixMePO4zy(0≦x≦2、0<y≦1.2、0<z≦1、MeはFe、Co、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種の原子)で表されることが好ましい。
もちろん、本発明の効果を損なわない範囲で、不可避不純物などの上記以外の元素を含んでいてもよい。
ここで、本発明におけるチッ素原子含有リン酸塩の合成に使用するリン酸塩化合物(酸化物やリチウム含有酸化物)の種類、反応条件を種々変化させ、MeとF、Nの比率を分析した結果、0<y≦1.2および0<z≦1が好ましいことがわかった。また、リチウム原子に関しては、原材料に含まれる量に依存するが、従来知られてLiMePO4やLi2MePO4F等から、0≦x<2が適当と考えられる。
ここで、Nの原子比であるyの上限を1.2としたのは、1.2を超えると、得られる活物質の持つ放電容量が低下する傾向にあるからである。
また、上記のチッ素原子含有リン酸塩化合物の製造方法としては、リン酸塩化合物を還元性の雰囲気下で加熱した後、アンモニアガスと反応させる必要がある。なお、このときの還元性雰囲気のガスとしてはアルゴン、チッ素、一酸化炭素および水素から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、加熱温度は300〜1500℃であることが好ましい。300℃未満では反応時間が長く、一方、1500℃を超えると必要以上の高温となり、いずれの場合もコストアップになる。コストおよび導入するチッ素の量などから、350〜1000℃であるのが好ましい。
また、リチウム原子を含有するリン酸塩化合物を、その表面酸化物を水素ガス雰囲気下で還元した後、アンモニアガスと反応させてもよい
ただし、得られた導電性の材料が上述の加熱によって焼結している場合、その焼結体をそのまま活物質として二次電池に利用することは困難な場合がある。
この場合、例えば、前記焼結体を溶剤など存在化で機械的に粉砕して乾燥すれば、活物質として利用し易い。
さらに、本発明に係る活物質を、メタノールやブタノールなどのアルコール類の有機還元剤共存下、またはアンモニアガスなどの雰囲気下、400℃以下で加熱処理し、その粒子表面にある余剰の酸素、アンモニアガスに由来するチッ素やアンモニアなどの吸着種を除去することができる。これにより、得られる粉末状の活物質の抵抗率が低下する。この場合の有機還元剤としては、アルコール類のほかに、ケトン類、エステル類、アミン類などでもよい。
以上のような方法によってチッ素原子をリン酸塩化合物の表面から導入することで、当該リン酸塩化合物の表面の酸素配列に変化を与え、電導に関与するキャリアーを発生させることで抵抗率を低下させることができるものと考えられる。また、チッ素原子の導入量の多い場合は全体のマトリックスを変化させ結晶構造を変化させたことによることも考えられる。
上記活物質を正極あるいは負極の少なくともいずれかに含むことにより、高い安全性・電池特性を保ちつつ高容量な非水電解質二次電池を実現化できる。その際の、正極における正極合剤、導電剤、結着剤および集電体、負極における負極合剤、導電剤、結着剤および集電体、セパレータ、ならびに非水電解液としては、従来公知のものを適宜使用することができる。また、電池の形状や、各構成要素の製造方法も特に限定はされない。
図3に、円筒型電池の概略縦断面図を示す。
正極板および負極板がセパレータを介して複数回渦巻状に巻回された極板群4が電池ケース1内に収納されている。そして、正極板からは正極リード5が引き出されて封口板2に接続され、負極板からは負極リード6が引き出されて電池ケース1の底部に接続されている。電池ケースやリード板は、耐有機電解液性の電子伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属またはそれらの合金が用いられる。特に、電池ケースはステンレス鋼板、Al−Mn合金板を加工したもの、正極リードはアルミニウム、負極リードはニッケルが最も好ましい。また、電池ケースには、軽量化を図るため各種エンジニアリングプラスチックスおよびこれと金属の併用したものを用いることも可能である。
極板群4の上下部にはそれぞれ絶縁リング7が設けられている。そして、電解液を注入し、封口板を用いて電池ケースを密封する。このとき、安全弁を封口板に設けることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほかに電池ケースの内圧上昇の対策として、電池ケースに切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法、封口板亀裂方法またはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは、独立に接続させてもよい。
また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤の中あるいは電解質の中に含ませることができる。内圧を上げる化合物としてはLi2CO3、LiHCO3、Na2CO3、NaHCO3、CaCO3およびMgCO3などの炭酸塩などがあげられる。キャップ、電池ケース、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流もしくは交流の電気溶接、レーザー溶接または超音波溶接など)を用いることができる。また、封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。
これらの要素を組み合わせることにより、本発明の非水電解質二次電池を構成することができる。
以下に本発明の実施例を示す。
《実験例1》
(1)LiFePO4-zy
原材料として、リン酸塩化合物であるLiFePO4を用いた。特開2000−294238号公報記載の技術に基づき、粉砕したリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)とシュウ酸鉄二水和物(FeC22・H2O)と炭酸リチウム(Li2CO3)とを、モル比2:2:1で混合し、チッ素雰囲気下、600℃で24時間焼成することによって、粉末状のLiFePO4を得た。
つぎに、LiFePO4粉末を石英製の反応管に入れ、チッ素ガス雰囲気下で700℃に加熱した。その後、アンモニアガスを流し、10時間反応させることによって、組成式:LiFePO4-zyで表される活物質材料を得た。なお、zは分析では正確には求められなかったが、Oの一部がNで置換されており、約0.2であった。また、yは0.2程度であった。
上記のようにして得た活物質60重量部に対し、導電助剤であるアセチレンブラック(AB)を30重量部、および結着剤であるPVdF(ポリフッ化ビニリデン)を10重量部を混合し、得られた混合物をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)で希釈してアルミフォイル製の集電体上に塗布した。その後、減圧下60℃で30分乾燥し、15×20mm2に切断し、さらに減圧下110℃、14時間乾燥し、厚み190μmの参考試験電極1を得た。
これに対し、PVdFの混合量は10重量部の一定とし、ABを10重量部、5重量部または2重量部、活物質を80重量部、85重量部または88重量部とした以外は、参考試験電極1と全く同様の条件で参考試験電極2〜4を得た。
また、実験例1で作製した活物質にメタノールを加えてチッ素ガス雰囲気下300℃で10分間反応させた以外は、参考試験電極1と全く同様の条件で参考試験電極5を得た。
(2)LiCoPO4zy
また、特開2003−229126号公報記載の技術に基づき、Co34とP25とLiFとを、モル比2:3:6で混合し、得られた混合物を真空中850℃で48時間焼成することによって、LiCoPO4Fを得た。
このLiCoPO4Fを原材料として上記と同様の方法でLiCoPO4zyを得、これを活物質として用いた以外は、参考試験電極1と全く同様の条件で試験電極を得た。なお、zは分析では正確には求められなかったが、yは0.2程度であった。
(3)Li2CoPO4
さらに、また、特開2003−229126号公報記載の技術に基づき、Li2Co3とCoOとP25とをモル比1:2:1で混合し、大気中500℃で12時間仮焼成した後、780℃で48時間本焼成し、LiCoPO4を作成した。
その後、LiCoPO4と化学量論比のLiFとを混合し、得られた混合物を真空中780℃で72時間焼成することによって、Li2CoPO4Fを得た。
このLi2CoPO4Fを原材料として上記と同様の方法でLi2CoPO4zyを得、これを活物質として用いた以外は、参考試験電極1と全く同様の条件で試験電極を得た。なお、zは分析では正確には求められなかったが、yは0.2程度であった。
(4)その他の活物質
また、比較例として、LiFePO4、原材料であるLiCoPO4FまたはLi2CoPO4Fを活物質として用い、参考試験電極1と同様にして、比較試験電極1〜3を得た。
[評価]
これら参考試験電極1〜5、試験電極1および2、ならびに比較試験電極1〜3に対し、対極にはステンレススチール上に圧着したリチウム金属を用いた。セパレータはポリエチレン製のポーラスフィルム、電解液としてはEC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)を3対7の比率で混合した溶媒に1.0MのLiPF6を溶解したものを用いた。
以上の手順で組み立てた参考試験電池1〜5、試験電極1および2、ならびに比較試験電池1〜3を用い、充放電試験を行った。
充放電は0.17mA/cm2の電流密度で所定の電圧領域の間で充放電を繰り返した。ここで、図1に、参考試験電池1で得られた活物質の電気化学特性を示した。電気化学測定は前述した方法で行い、対極としてリチウムメタルを使用した。図1より、この活物質はチッ素原子を導入する前のLiFePO4の挙動とほぼ同じ電位で充放電が可能であることがわかった。また、参考試験電池2〜5で用いた活物質に関しても図1に示した結果とほぼ同様であった。
また、図2に試験電池で得られた活物質の電気化学特性を示した。電気化学測定は前述した方法で行い、対極としてリチウムメタルを使用した。図2より、この活物質はチッ素原子を導入する前のLiCoPO4Fの挙動とほぼ同じ電位、すなわち4.8V付近で平坦部を持つ充放電が可能であることがわかった。また、試験電池で用いた活物質に関しても図2に示した結果とほぼ同様であった。
比較試験電池1では、3.4V、比較試験電池2および3は4.8V付近に放電電圧の平坦部がある(チッ素化によって平坦電位は大きな変化はなかった。)。容量に関しては、比較試験電池1が比較試験電池2および3に比べて大きく、比較試験電池2と3とを比較するとほぼ同等であった。
《実験例2》
つぎに、本発明に係る活物質を用いれば、導電性が向上することによって導電助剤の必要量の削減が期待できるが、これを評価するために、上記で得られた活物質を用い(表1参照)、導電助剤であるアセチレンブラック(AB)の量を変化させた以外は上記参考試験電極1と同様の方法で参考試験電極6〜10、試験電極3および4、ならびに比較試験電極4〜9と、参考試験電池6〜10、試験電池3および4、ならびに比較試験電池4〜9を作製し、導電助剤の減量に伴う容量の比較を行った。
なお、参考試験電池6〜10は上記参考試験電池1〜5と同じであり、比較試験電池4は比較試験電池1と同じである。
表1に結果を示した。上記した電気化学特性の評価方法を用い、加える導電助剤であるアセチレンブラックの量を減量して評価を行った。放電容量は導電助剤を10%添加した場合の容量を100としたときの比較値で示した。
Figure 0005043290
表1より、本発明に係る活物質は、飛躍的に導電助剤を減量しても容量を維持できることがわかった。結果として、この活物質を非水電解質二次電池に適用した場合、体積あたりの容量が導電助剤の減量によって増加することができる。
参考例1
ここでは、図3に示す構造を有する円筒型電池を作製した。
正極板は、以下のように作製した。正極活物質粉末(LiFePO4-zy、y=0.2)100重量部に対し、導電剤の炭素粉末2重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂3重量部を混合した。これらを脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを得、アルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布し、乾燥・圧延した後、所定の大きさに切断した。
負極の活物質に黒鉛を用いた。黒鉛とスチレンブタジエンゴム系結着剤とを重量比で100:5の割合で混合したものを銅箔の両面に塗着、乾燥、圧延した後所定の大きさに切断して得た。セパレータとしてはポリプロピレン製の不織布を用いた。また、有機電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の体積比1:3の混合溶媒に、LiPF6を1.0モル/リットル溶解したものを使用した。作製した円筒型電池は直径14.1mm、高さ50.0mmであった。
このようにして作製した円筒型電池(参考試験電池11)について4.0Vの定電圧充電を行い、放電は100mAの定電流で2.5Vまで放電した。このとき得られた放電容量は400mAhであった。
また、正極活物質としてLiFePO4を用いた以外は参考試験電池11と同様にして作製した比較試験電池10の場合には、放電容量が120mAhと低かった。
《実験例
本実験例においては、本発明に係るチッ素原子を含有するリン酸塩におけるチッ素原子の量について検討した。
表2に示す原材料を用い、種々の合成条件でチッ素原子を導入し、本発明に係る活物質を合成した。なお、表2中にて原材料にLiFePO 4 を用いた場合は、参考例である。合成条件およびチッ素原子の導入量(y値)を表2に示した。なお、活物質の導電性を示す抵抗率の絶対値は、粉体の物性によって大きな誤差を生じる傾向にあった。そのため、各実験例および参考例において、未処理の原材料の抵抗率を100として、相対値で抵抗率を求めた。
Figure 0005043290
表2から、本発明に係る活物質の抵抗率は約2桁低下していることがわかる。特に、yが0.11〜1.1が好ましいことがわかる。
さらに、ESCAを用いて上記実験および参考例における活物質の表面元素分析を行った。その結果、以下のように組成が、層状に異なって徐々に変化していることが確認された。
すなわち、表面層は主としてチッ化物であり、当該表面層から内部にかけてチッ素含有量が次第に減少する一方、酸素含有量が増加する酸チッ化物が見受けられた。さらに、表面も内部も酸チッ化物で構成されているもの、また、チッ素がほとんど観測されず、未処理の原材料から酸素の含有量が減少しているものなども見受けられた。実験および参考例における活物質は、これらの単独物または混合物であった。
本発明に係る非水電解質二次電池は、移動体通信機器や携帯電子機器の主電源などに好適である。
1 電池ケース
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極リード
6 負極リード
7 絶縁リング

Claims (5)

  1. 組成式:LixMePO4zy(0≦x≦2、0<y≦1.2、0<z≦1、MeはFe、Co、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種の原子)で表される非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. リン酸塩化合物を還元性雰囲気下で加熱した後、アンモニアガスと反応させることにより、チッ素原子を含むリン酸塩からなる非水電解質二次電池用正極活物質を合成する工程を含み、
    前記非水電解質二次電池用正極活物質が、組成式:LixMePO4zy(0≦x≦2、0<y≦1.2、0<z≦1、MeはFe、Co、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種の原子)で表されることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記還元性雰囲気が、アルゴン、チッ素、一酸化炭素および水素よりなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む請求項2記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記加熱温度が300〜1500℃である請求項2記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質を、正極に含む非水電解質二次電池。
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