JP4069335B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの燃料噴射制御装置に係り、詳しくは車両の加減速時の燃料噴射制御技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
通常、車両に搭載されたエンジンのエンジン制御においては、運転者がアクセルペダルを操作し、その操作量又はその操作量に相関するパラメータ(要求負荷)に応じて燃料噴射量を可変することで出力を制御し、これにより車両の走行状態を制御するようにしている。
【0003】
しかしながら、この場合、アクセルペダルを急に大きく操作するようなときには、これに応じて燃料噴射量が急激に増減することになり、故にエンジン負荷が大きく変動し、車体側にその変動が伝達されて加速ショック或いは減速ショックが発生するという問題がある。
【0004】
そこで、アクセル急開時には、そのときのアクセル開度を実際のアクセル開度よりも小さく認識するようにし、その小さく認識したアクセル開度に合わせて燃料を噴射することでエンジントルク変化を抑制することが考えられている。この場合、変速段が1速段のとき、即ちギヤ比が最も大きいときにエンジンのトルク変化が大きいことから、変速段がどのような変速段にあっても当該1速段のときに合わせてアクセル開度を認識し燃料噴射量を抑制するようにして加速時のトルクショックを防止している。
【0005】
また、アクセル急閉時には、加速時と反対に、そのときのアクセル開度を実際のアクセル開度よりも大きく認識するようにし、燃料噴射を継続させてトルクが急激に低下することを抑制するようにして減速ショックを防止することが考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術のように、アクセル急開閉時においてショックが発生しないよう変速段が1速段である場合を基準に燃料量を設定するようにしていると、変速段が2速段以上であってギヤ比が小さい場合において、例えば、アクセル急開時には加速不良を起こし、アクセル急閉時には不必要に燃料を供給してしまうという問題がある。
【0007】
また一方で、特公平4−54816号公報に開示されるように、加速時において燃料噴射量を決定する燃料噴射パルス幅を減少させることでショックを低減するとともに変速段に応じて該減少量を補正するという技術が知られているが、この技術では、加減速ショックの低減のみを目的としており、補正量はショックを発生しない程度に変速段毎に予め設定したものを使用するようにしている。故に、当該公報に開示された技術においても、上記の如くアクセル急開時には加速不良を起こす虞があり、アクセル急閉時には不必要に燃料を供給してしまう虞があり好ましいものではない。
【0008】
本発明は上述した事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、車両の加減速時において加減速ショックなく且つ加速不良や燃料消費量の悪化のないエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明によれば、第1の燃料量設定手段により要求負荷検出手段からの出力に基づいて第1の燃料量が設定されるとともにギヤ比検出手段により変速機のギヤ比が検出されており、要求負荷検出手段により要求負荷の変化が検出されると、許容エンジントルク設定手段により駆動トルクが所定の許容駆動トルクとなるよう上記ギヤ比情報に応じて許容エンジントルクが設定され、さらに第2の燃料量設定手段により該許容エンジントルクに応じた第2の燃料量が設定される。そして、上記第1の燃料量と上記第2の燃料量とが比較され、第1の燃料量が第2の燃料量よりも大きいときには、燃料噴射手段によって所定期間に亘り第2の燃料量に基づいて燃料が噴射される。
【0010】
これにより、要求負荷の変化量が大きいような場合であって、第1の燃料量が第2の燃料量よりも大きいような場合には、駆動トルクが所定の許容駆動トルクとなるようギヤ比に応じて燃料噴射量が過不足なく適正に設定されることになり、車両の加減速時において加減速ショックが低減されるとともに、加速時には加速不良が好適に防止され、減速時には燃料消費量の悪化が好適に防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1を参照すると、車両に搭載されたディーゼルエンジンの燃料噴射系の概略構成が示されており、また、図2を参照すると、本発明に係る当該ディーゼルエンジンの燃料噴射制御系の制御ブロック図が示されており、以下、これらの図に基づいて本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置の構成を説明する。
【0013】
なお、ここでは、燃料噴射系がコモンレール型である4気筒ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)を例に説明する。
【0014】
図1に示すように、ディーゼルエンジン本体(図示せず)には、各気筒毎に燃料噴射弁2が設けられており、これら燃料噴射弁2の入力ポートは、それぞれ燃料パイプ4を介してコモンレール6に接続されている。また、コモンレール6には燃料パイプ7が接続されており、該燃料パイプ7は高圧ポンプ8及び低圧ポンプ10を介して燃料タンク12に接続されている。
【0015】
一方、燃料噴射弁2の出力ポートからは互いに合流するようにして返戻パイプ14が延びており、該返戻パイプ14も燃料タンク12に接続されている。そして、燃料噴射弁2、高圧ポンプ8、低圧ポンプ10は、電子コントロールユニット(ECU)20の出力側に電気的に接続されている。
【0016】
また、燃料パイプ7のうち低圧ポンプ10と高圧ポンプ8との間の部分からは、分岐して返戻パイプ16が延びており、該返戻パイプ16はリリーフ弁17を介して上記返戻パイプ14に接続されている。
【0017】
これにより、イグニションキー(図示せず)が操作されてECU20からモータ駆動信号が低圧ポンプ10及び高圧ポンプ8に出力されると、これら低圧ポンプ10及び高圧ポンプ8がそれぞれ作動し、燃料が燃料タンク12からコモンレール6内に供給されて該コモンレール6内で一定圧に保持され貯留される。そして、クランク角に応じて各気筒毎にECU20から燃料噴射弁2に向けて作動信号が供給されると、コモンレール6に貯留された燃料が燃料噴射弁2から燃焼室内に一定圧でそれぞれ噴射される。また、余剰となった燃料は返戻パイプ14を通って燃料タンク12に返戻される。
【0018】
そして、図2に示すように、ECU20のうち本発明の燃料噴射制御装置の入力側には、エンジンの出力を制御するアクセルペダル(図示せず)に接続されアクセル開度(要求負荷)θacを検出するアクセルポジションセンサ(APS,要求負荷検出手段)22、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転センサ24、車両の速度(車速)Vhを検出する車速センサ26及び上記コモンレール6内の圧力(コモンレール圧)Pcを検出するコモンレール圧センサ28が接続されており、出力側には、上述したように燃料噴射弁2が接続されている。
【0019】
詳しくは、同図に示すように、アクセル開度情報θacとエンジン回転速度情報Neは目標燃料量Qt設定部30に供給されるようにされており、該目標燃料量Qt設定部30の出力信号が燃料変化量ΔQt演算部(第1の燃料量設定手段)32を経て比較部34、燃料量Q設定部36、燃料噴射量TQ設定部38(以上、燃料噴射手段)に供給されるようにされている。
【0020】
また、エンジン回転速度情報Neと車速情報Vhとがギヤ比Gr演算部(ギヤ比検出手段)40に供給されるようにされており、該ギヤ比Gr演算部40の出力信号が許容エンジントルクΔTea演算部(許容エンジントルク設定手段)42、許容燃料変化量ΔQa演算部(第2の燃料量設定手段)44を経て上記比較部34に入力されるようにされている。
【0021】
また、コモンレール圧情報Pcについては上記燃料噴射量TQ設定部38に供給されるようにされており、最終的に燃料噴射量TQ設定部38の出力信号が燃料噴射弁2に供給されるようにされている。
【0022】
なお、当該エンジンはトランスミッションを介して車両の駆動輪(共に図示せず)に接続されており、該トランスミッションは例えば前進5速段で構成されている。
【0023】
以下、このように構成されたエンジンの燃料噴射制御装置の作用及び効果について説明する。
【0024】
図3及び図4を参照すると、当該燃料噴射制御装置の処理手順、即ち車両の加減速時における燃料制御(加減速時燃料制御)の制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下当該フローチャートに基づき本発明に係る燃料噴射制御装置の作用効果を説明する。
【0025】
ステップS10では、先ず、上記各センサよりエンジン回転速度情報Ne、アクセル開度情報θac、車速情報Vh及びコモンレール圧情報Pcを読込む。
【0026】
そして、ステップS12では、上記目標燃料量Qt設定部30において、アクセル開度情報θacとエンジン回転速度情報Neとから目標燃料量Qt(n)を設定する。つまり、該ステップS12では、アクセルペダル操作終了時点でのアクセル開度情報θacに基づき、加減速時に目標となる燃料量、即ち目標燃料量Qt(n)を例えば予め得られたマップ等から設定する。以降、添字(n)は今回のルーチン実行によって得られた値であることを示す。
【0027】
目標燃料量Qt(n)が設定されたら、次のステップS14では、燃料変化量ΔQt演算部32において、一実行周期前、即ち前回のルーチン実行時の燃料量Q(n-1)と上記目標燃料量Qt(n)とに基づき次式(1)より燃料変化量(第1の燃料量)ΔQt(n)を演算する。
【0028】
ΔQt(n)=Qt(n)−Q(n-1) …(1)
ステップS16では、ギヤ比Gr演算部40において、エンジン回転速度情報Neと車速情報Vhとから次式(2)より現在のギヤ比Grを演算により求める。
【0029】
Gr={Ne・60・2・π・Rw}/{1000・Vh} …(2)
ここに、πは円周率、Rwは車両のタイヤ半径である。
【0030】
そしてさらに、このように演算により求めたギヤ比Grに基づき、現在の変速段を例えば下表1より決定する。つまり、上式(2)から求まるギヤ比Grはタイヤの空気圧等に応じて変化するため、演算されたギヤ比Grが各変速段毎に設定された許容範囲内にあるか否かを判別するようにし、これにより上記トランスミッションの変速段を一義に決定し、ギヤ比Grを各変速段の固有の値(1速段であれば例えばGr=13.3等)に固定する。
【0031】
【表1】
Figure 0004069335
次のステップS18では、上式(2)から演算されたギヤ比Grが上記表1に示すギヤ比Grの範囲内にあり、値Gr1(ここでは、16.5)未満であるか否か、即ち演算されたギヤ比Grが値Gr1以上となっていないかどうかを判別する。
【0032】
ステップS18の判別結果が偽(No)で、演算されたギヤ比Grが値Gr1(上記16.5)以上である場合には、上式(2)より、エンジン回転速度Neが過剰に大きくなっており、即ちエンジンが空ぶかし状態にあると判断でき、このような場合には、変速段がニュートラル段に有ると判定する。そして、変速段がこのようにニュートラル段に有る場合には、問題となるようなショックが発生することはないので、そのまま当該ルーチンを抜ける。
【0033】
一方、ステップS18の判別結果が真(Yes)で、演算されたギヤ比Grが値Gr1未満であって、上記表1に示す範囲内である場合には、次にステップS20に進む。
【0034】
ステップS20では、許容エンジントルクΔTea演算部42において、上記表1に基づき決定された変速段に対応する固有のギヤ比Gr(1速段であれば例えばGr=13.3等)に基づいて次式(3)より許容エンジントルクΔTeaを演算する。
【0035】
ΔTea=ΔTvh/Gr …(3)
ここに、ΔTvhは、加減速時にショックが生じないよう実験等により予め設定された許容駆動トルク(所定の許容駆動トルク)である。
【0036】
通常、加減速時に発生するショックは駆動トルクが急激に大きく変化することにより生ずるものであるため、本発明では、このようにして、先ず駆動トルクを所定の許容駆動トルクΔTvhを超えないようにしている。そしてさらに、該許容駆動トルクΔTvhの範囲内となるよう、最大限許容される許容エンジントルクΔTeaをギヤ比Grに応じて設定するようにしているのである。これにより、変速段が如何なる位置であっても、変速段に拘わらずエンジントルクが常に過不足なく良好なものとされる。
【0037】
次のステップS22では、許容燃料変化量ΔQa演算部44において、上記許容エンジントルクΔTeaに基づいて許容燃料変化量(第2の燃料量)ΔQa(n)を演算する。
【0038】
ここで、図5を参照すると、コモンレール型のディーゼルエンジンにおける燃料量QとエンジントルクTeと関係が示されているが、このように、コモンレール型のディーゼルエンジンでは、エンジン回転速度Neに拘わらず、燃料量QとエンジントルクTeとは比例関係となっている。つまり、燃料量Qの増加に応じてエンジントルクTeが一定の増加率、即ちトルク係数Kで増加するようにされている。
【0039】
故に、許容燃料変化量ΔQa(n)と許容エンジントルクΔTeaも比例関係にあり、許容燃料変化量ΔQa(n)は次式(4)より容易に演算される。
【0040】
ΔQa(n)=ΔTea/K …(4)
このように許容燃料変化量ΔQa(n)が算出されたら、ステップS24では、比較部34において、上記ステップS14で求めた燃料変化量ΔQt(n)と当該許容燃料変化量ΔQa(n)とを比較する。実際には、加速、減速に応じて燃料変化量ΔQt(n)の符号は異なるため、ここでは燃料変化量ΔQt(n)の絶対値|ΔQt(n)|と許容燃料変化量ΔQa(n)との比較を行う。
【0041】
ステップS24の判別結果が真(Yes)で、|ΔQt(n)|がΔQa(n)より大の場合には、次にステップS26に進み、燃料量Q設定部36において、加速状態にあって燃料変化量ΔQt(n)の値が正であるか否か、或いは減速状態にあって燃料変化量ΔQt(n)の値が負であるか否かを判別する。
【0042】
該ステップS26の判別結果が真(Yes)で、加速状態にあって燃料変化量ΔQt(n)の値が正と判定された場合には、ステップS28に進み、次式(5)より燃料量Q(n)を演算する。
【0043】
Q(n)=Q(n-1)+ΔQa(n) …(5)
一方、ステップS26の判別結果が偽(No)で、減速状態にあって燃料変化量ΔQt(n)の値が負と判定された場合には、ステップS30に進み、次式(6)より燃料量Q(n)を演算する。
【0044】
Q(n)=Q(n-1)−ΔQa(n) …(6)
つまり、ステップS24の判別結果が真(Yes)で、燃料変化量ΔQt(n)が許容燃料変化量ΔQa(n)を超える程急激な変化をしているような場合には、燃料変化量ΔQt(n)に応じた燃料噴射を行うと加速ショック或いは減速ショックが発生する虞があるため、この場合には、ステップS28、ステップS30を実行し、一実行周期(当該ルーチンの実行周期)当たりの燃料変化量(増加量または減少量)を許容燃料変化量ΔQa(n)に抑えるようにする。
【0045】
これにより、次のステップS32では、最終的に燃料噴射量TQ設定部38において、燃料噴射量TQ(n)が上記燃料量Q(n)とコモンレール圧Pcとに基づき設定され、該当する燃料噴射弁2に向けて出力されることになるが、燃料噴射弁2から噴射される燃料が徐々に変化することとなり、加速時及び減速時におけるショックが低減される。
【0046】
一方、ステップS24の判別結果が偽(No)で、燃料変化量ΔQt(n)の絶対値|ΔQt(n)|が許容燃料変化量ΔQa(n)以下の場合には、加速ショックや減速ショックが発生する虞はないと判断でき、この場合には、ステップS36に進み、次式(7)に基づいて通常通り燃料量Q(n)を演算する。
【0047】
Q(n)=Q(n-1)+ΔQt(n) …(7)
そして、ステップS34では、加減速が開始されてから所定時間(所定期間)t1経過したか否かが判別される。判別結果が偽(No)で未だ所定時間t1が経過していない場合には、ステップS10に戻り、当該ルーチンを繰り返し実行する。
【0048】
一方、ステップS34の判別結果が真(Yes)で加減速の開始から所定時間t1が経過したと判定された場合には、当該燃料制御を終了する。
【0049】
つまり、加減速の開始から所定時間t1が経過した場合には、もはやショックは発生しないと判断し、上記許容燃料変化量ΔQa(n)ずつの増減を止めるようにし、目標燃料量Qt(n)に基づいて通常通り燃料変化量ΔQt(n)ずつ燃料の増減を行うようにする。
【0050】
以上説明したように、本発明のエンジンの燃料噴射制御装置では、許容駆動トルクΔTvhを予め設定しておき、該許容駆動トルクΔTvhに基づいてギヤ比Grに応じた最適な許容エンジントルクΔTeaを求めるようにしており(ステップS20)、さらに該許容エンジントルクΔTeaに基づいて許容燃料変化量ΔQa(n)を設定するようにしている(ステップS22)。
【0051】
故に、図6を参照すると、上記燃料制御に基づき車両の加減速を行った場合の燃料量Qの時間変化がタイムチャートで示されており、目標燃料量Qtが破線で、変速段が例えば1速段のときの燃料量Qが実線で、また4速段である場合の燃料量Qが2点鎖線でそれぞれ示されているが、同図に示すように、車両の加速時に変速段が1速段である場合には、加速開始(t0)から所定時間t1が経過するまで燃料量Qが実行周期毎に許容燃料変化量ΔQa1(n)ずつ緩やかに増加することとなり、一方、変速段が4速段である場合には、所定時間t1が経過するまで燃料量Qが実行周期毎に許容燃料変化量ΔQa4(n)ずつ比較的大きく増加することになる。
【0052】
従って、1速段のようにギヤ比Grが大きい場合には、燃料噴射量が極めて小さく絞られて急加速することなく加速ショックが良好に防止される一方、4速段のようにギヤ比Grが小さい場合には、燃料噴射量が比較的大きなものとされ、加速ショックが防止されるのみならず、高速走行での加速時等において車両が加速不良なく良好に加速されることになる。
【0053】
また、車両の減速時に変速段が1速段である場合には、燃料量Qが実行周期毎に許容燃料変化量ΔQa1(n)ずつ緩やかに減少し、一方、変速段が4速段である場合には、燃料量Qが実行周期毎に許容燃料変化量ΔQa4(n)ずつ比較的大きく減少する。
【0054】
故に、1速段のようにギヤ比Grが大きい場合には、燃料噴射量がゆっくりと絞られて減速ショックが良好に防止されることになる一方、4速段のようにギヤ比Grが小さい場合には、燃料噴射量が比較的大きく減少させられ、減速ショックが防止されるのみならず、無駄な燃料消費が抑制されて燃料消費量の低減が図られる。
【0055】
ところで、上記実施形態においてはコモンレール型のディーゼルエンジンを例に説明したが、本発明はエンジンの駆動力で駆動される分配型の燃料噴射ポンプを有したディーゼルエンジンにも適用可能である。
【0056】
但し、当該分配型の燃料噴射ポンプを有したディーゼルエンジンでは、位置制御型のポンプを例にとって説明すると、図7に示すように、スリーブポジションSPとエンジントルクTeとの関係において、トルク係数Kがエンジン回転速度Ne(例えば、Ne1,Ne2,Ne3,Ne4)に応じて異なった値(K1,K2,K3,K4)となっている(図中には代表としてK1,K4のみ表示)。故に、この場合には、上記トルク係数Kの代わりにエンジン回転速度Neに応じてこれらの値(K1,K2,K3,K4)を用いるようにする。これにより上記同様の効果が得られることになる。
【0057】
また、分配型の燃料噴射ポンプが時間制御型のポンプである場合であっても、燃料噴射量調整部制御パラメータを横軸にとるようにすれば、図7と同様のトルク係数を定義することができる。
【0058】
また、ここでは、ディーゼルエンジンの場合について説明したが、上記の如く燃料量Q(若しくは燃料噴射量調整部制御パラメータ)とエンジントルクTeとの関係においてトルク係数を求めることができるようなエンジンであれば、エンジンは如何なるタイプのエンジンであってもよく、ディーゼルエンジンに限らずガソリンエンジンであっても同様の効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1のエンジンの燃料噴射制御装置によれば、要求負荷情報に基づいて第1の燃料量を設定するとともに、要求負荷の変化が検出されたときには、駆動トルクが所定の許容駆動トルクとなるようギヤ比情報に応じて許容エンジントルクを設定し、該許容エンジントルクに応じた第2の燃料量を設定するようにし、第1の燃料量が第2の燃料量よりも大きいときには所定期間に亘り第2の燃料量に基づいて燃料を噴射するようにしている。
【0060】
従って、要求負荷の変化量が大きいような場合であって、第1の燃料量が第2の燃料量よりも大きいような場合には、駆動トルクが所定の許容駆動トルクとなるようギヤ比に応じて燃料噴射量を過不足なく適正に設定することができる。故に、車両の加減速時において加減速ショックを低減することができるのみならず、加速時において加速不良を確実に防止でき、減速時において燃料消費量の悪化を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載されたディーゼルエンジンの燃料噴射系の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係るディーゼルエンジンの燃料噴射制御系を示す制御ブロック図である。
【図3】本発明に係る車両の加減速時における燃料制御の制御ルーチンを示すフローチャートの一部である。
【図4】図3のフローチャートに続く、燃料制御の制御ルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図5】コモンレール型のディーゼルエンジンの燃料量QとエンジントルクTeとの関係を示す図である。
【図6】図3及び図4の制御ルーチンに基づき車両の加減速を行った場合の燃料量Qの時間変化を示すタイムチャートであって、本発明の作用効果を説明する図である。
【図7】分配型の燃料噴射ポンプを有したディーゼルエンジンのスリーブポジションSPとエンジントルクTeとの関係を示す図である。
【符号の説明】
2 燃料噴射弁
6 コモンレール
12 燃料タンク
20 電子コントロールユニット(ECU)
22 アクセルポジションセンサ(APS,要求負荷検出手段)
24 エンジン回転センサ
26 車速センサ
28 コモンレール圧センサ
30 目標燃料量Qt設定部
32 燃料変化量ΔQt演算部(第1の燃料量設定手段)
34 比較部(燃料噴射手段)
36 燃料量Q設定部(燃料噴射手段)
38 燃料噴射量TQ設定部(燃料噴射手段)
40 ギヤ比Gr演算部(ギヤ比検出手段)
42 許容エンジントルクΔTea演算部(許容エンジントルク設定手段)
44 許容燃料変化量ΔQa演算部(第2の燃料量設定手段)

Claims (1)

  1. 運転者の要求する要求負荷を検出する要求負荷検出手段と、
    前記要求負荷検出手段からの出力に基づいて第1の燃料量を設定する第1の燃料量設定手段と、
    変速機のギヤ比を検出するギヤ比検出手段と、
    前記要求負荷検出手段により要求負荷の変化が検出されたとき、駆動トルクが所定の許容駆動トルクとなるよう前記ギヤ比検出手段からのギヤ比情報に応じて許容エンジントルクを設定する許容エンジントルク設定手段と、
    前記許容エンジントルク設定手段により設定される許容エンジントルクに応じた第2の燃料量を設定する第2の燃料量設定手段と、
    前記第1の燃料量設定手段により設定される第1の燃料量と前記第2の燃料量設定手段により設定される第2の燃料量とを比較し、前記第1の燃料量が前記第2の燃料量よりも大きいとき、前記要求負荷の変化が検出された後所定期間に亘り前記第2の燃料量に基づいて燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
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