JPH09226412A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JPH09226412A
JPH09226412A JP8034071A JP3407196A JPH09226412A JP H09226412 A JPH09226412 A JP H09226412A JP 8034071 A JP8034071 A JP 8034071A JP 3407196 A JP3407196 A JP 3407196A JP H09226412 A JPH09226412 A JP H09226412A
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internal combustion
driving force
combustion engine
force control
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Takeshi Ishizu
石津  健
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    • B60K28/00Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions
    • B60K28/10Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions responsive to conditions relating to the vehicle 
    • B60K28/16Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions responsive to conditions relating to the vehicle  responsive to, or preventing, skidding of wheels
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】全閉ストッパーが設けられたサブスロットルバ
ルブの開度を駆動輪のスリップ量に応じて閉方向に制御
してエンジン出力を低減する手段と、当該スロットル開
度制御によるエンジン出力低減の応答遅れを補うために
比例・微分制御により燃料カットを行うことでエンジン
出力を低減する手段とを併設した車両の、極低μ路面に
おける駆動輪のスリップ収束を早めて発進加速性能を確
保する。 【解決手段】スリップ量S(n) に応じた目標サブスロッ
トル開度θ* S(n)が“0”以下であるとき、全閉ストッ
パーによるサブスロットルバルブからの漏れ空気量に応
じたエンジントルクE1 から当該サブスロットルバルブ
が全閉になったと仮定されるときのエンジントルクE0
を減じて得た全閉時のエンジントルク定常偏差ΔET2
低減するために、必要な燃料カット気筒数N* 2CUTをト
ルクダウン関数f2 で算出設定することで、駆動輪のス
リップ収束を早める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪に係る駆動
力を制御する車両の駆動力制御装置に関し、特に内燃機
関(エンジン)への吸入空気量を調整すると共に燃料の
供給を停止又は減少させることにより、当該エンジンの
出力を制御することで当該各駆動輪への駆動力を制御可
能とする車両の駆動力制御装置に適する。
【0002】
【従来の技術】運転者がアクセルペダルを踏込んで車両
を加速しようとするとき、当該路面の摩擦係数状態(以
下,単にμとも記す)が運転者の想定しているμよりも
小さい(低い)場合には、駆動輪が必要以上にスリップ
して十分な加速性や走行安定性が得られないことがあ
る。このような状態を回避するために、駆動輪に伝達さ
れる駆動トルクを制御することによって、当該駆動輪の
タイヤと路面との間に作用する駆動力を当該路面μに応
じたものとして当該駆動輪のスリップを抑制し、車両の
加速性や走行安定性を確保しようとする駆動力制御装置
が種々に開発されている。
【0003】このような駆動力制御装置の制御対象機構
若しくはその制御量は様々であり、そのような駆動力制
御手段の一つにはスリップの発生している駆動輪に制動
力を付与して,より具体的にはホイールシリンダを強制
的に作動させることにより駆動力を制御しようとするも
の(以下、制動力制御式駆動力制御手段とも記す)があ
る。この駆動力制御手段では、駆動力制御の応答性に優
れるという反面、駆動輪にスリップが発生する度にホイ
ールシリンダが作動されるために、ブレーキパッドやブ
レーキシュー等の摩擦体が磨耗し易いという問題があ
る。
【0004】また、直接的に内燃機関(エンジン)の出
力を制御しようとする駆動力制御手段では、例えばエン
ジンの吸気系に設けられたスロットルバルブの開度をア
クチュエータによって制御するもの(以下、スロットル
開度制御式駆動力制御手段とも記す)もある。このよう
な駆動力制御手段では、スロットルバルブの開度制御に
より滑らかな駆動力制御特性を得られるものの、例えば
スロットルバルブを急速に閉方向に制御しても、エンジ
ン(或いは駆動系全般)のもつ回転慣性によって当該エ
ンジンの回転数は急速には低下しないから、当該エンジ
ンから駆動輪に与えられるエンジンブレーキによる制動
力,所謂バックトルクは駆動輪のスリップを急速に低減
するものにならない可能性もあり、従って十分な駆動力
制御の応答性を得られないという問題がある。
【0005】そこで、所謂昨今の燃焼状態を電子制御す
るエンジンにおいて、燃料の供給を強制的に停止又は減
少させることにより、前述したバックトルクを大きく且
つ速やかに得ようとする駆動力制御手段が考えられてい
る。このような駆動力制御手段としては、例えばエンジ
ンが複数の気筒を有し、その夫々の気筒への燃料噴射を
個別に電子制御できる場合には、目標とする駆動輪速度
に対する駆動輪速度のスリップ量を求め、このスリップ
量に応じて、つまり所望する駆動力(トルク)の低減量
に応じて、燃料供給を停止する気筒数を設定し、その気
筒には燃料供給を一時的に停止(以下、燃料カットとも
称する)して大きく且つ速やかなバックトルクにより駆
動輪のスリップを抑制或いは解消しようとするもの(以
下、燃料カット式駆動力制御手段とも記す)が考えられ
ている。
【0006】ちなみに、このような駆動力制御手段で
は、夫々、車両が或る車速以上で定常的に走行している
ときの目標駆動輪速度は非駆動輪速度(以下,単に従動
輪速度とも記す)に設定され、車両が発進するような場
合,つまり車速が或る所定値以下である場合には、当該
目標駆動輪速度は予め設定された所定値に設定されるよ
うになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような駆動力制御
装置のうち、互いの問題点をカバーすべく、例えば前記
スロットル開度制御式駆動力制御手段と燃料カット式駆
動力制御手段とを併設する場合について考察する。この
うち、前述のようにスロットル開度制御式駆動力制御手
段は、駆動力制御の応答性に劣るため、駆動力を低減す
べき制御の開始時に燃料カット式駆動力制御手段が有効
に作用するようにし、それ以後はスロットル開度制御式
駆動力制御手段により滑らかな駆動力特性が得られるよ
うにするのが好適であろう。そこで、例えば燃料カット
式駆動力制御手段では、スリップ量に対する比例成分と
それより位相の進んだ微分成分とから、例えば燃料カッ
ト気筒数を設定し、一方のスロットル開度制御式駆動力
制御手段では、スリップ量に対する比例成分とそれより
位相の遅れた積分成分とから、例えばスロットル開度の
閉量を設定することとしたとき、両者の特性を有効に作
用させるためには、例えば前者の微分成分を大きくし,
即ち微分ゲインを大きくし、後者の積分成分を大きく
し,即ち積分ゲインを大きくすればよいと考えられる。
ちなみに、通常の積雪路や圧接路のようにタイヤとの摩
擦係数状態(以下、単にμとも記す)が低い低μ路面で
は、比較的スムーズな発進加速時でも駆動輪には定常的
なスリップが発生するものであり、このような定常的な
スリップ発生時にまでエンジンへの燃料カットを行って
しまうと駆動輪への駆動力が小さくなりすぎて十分な加
速度を得ることができなくなってしまうので、前記比例
・微分制御による燃料カット式駆動力制御手段では、例
えばその比例ゲインを或る程度小さくして、駆動輪のス
リップが或る程度まで収束したら燃料カットを行わない
或いは僅かだけ行うようにし、それ以後のスリップ量の
微調整はスロットル開度制御式駆動力制御手段に委ねる
ようにしている。
【0008】一方、前記スロットル開度制御式駆動力制
御手段において、アクセルペダルによって操作されるス
ロットルバルブと当該駆動力制御手段によって開度制御
されるスロットルバルブとを兼用すると、例えば両者を
スロットルバルブを介して連動するようにした場合に
は、駆動力制御手段によってスロットルバルブが開度制
御されてしまうとアクセルペダルが運転者の意思に反し
て勝手に動いてしまうとか、両者が連動しないようにし
た場合には、駆動力制御手段によって開度制御されてし
まったスロットルバルブをアクセルペダルの踏込み量に
応じた開度に一致させるのが困難であるという問題が生
じる。そこで、アクセルペダルによって操作される第1
のスロットルバルブ(以下、メインスロットルバルブと
も記す)とは個別に、電動機等のアクチュエータによっ
て開度調整可能な第2のスロットルバルブ(以下、サブ
スロットルバルブとも記す)を、エンジンへの吸気系の
前後にメインスロットルバルブと直列に併設し、このサ
ブスロットルバルブの開度を当該スロットル開度制御式
駆動力制御手段で制御する場合もある。
【0009】ところで、所謂エンジンの冷機時(エンジ
ン全体の温度が定常状態まで上昇しておらず、従って前
記エンジン冷却液の温度も十分に上昇していない状態を
示す)では、周知のようにエンジン内部の潤滑剤,所謂
エンジンオイルの粘度が高く、従って粘性抵抗等による
エンジン回転力の摩擦損失(フリクションロス)が大き
いために、アイドル回転数を大きく(高く)して機関が
停止しないように,即ちエンジンがストールしないよう
に(或いはエンストしないように)する必要がある。勿
論、前述のようにエンジンの燃焼状態を電子制御する車
両にあっては、前記エンジン冷却液の温度を検出し、こ
の冷却液温度に応じて、例えばアイドルバルブの開度や
燃料噴射装置による燃料噴射量を管理或いは調整するな
どにより、所謂空燃比の燃料比率を大きくして、必要な
アイドル回転数が確保されるようにしている。従って、
前述のようにメインスロットルバルブとサブスロットル
バルブとを直列に併設する場合には、少なくともサブス
ロットルバルブが全閉されても当該冷機時のアイドル回
転数を維持するのに必要な吸入空気量が確保されるよう
に、例えば当該サブスロットルバルブに機械的な全閉ス
トッパーを設けて吸気系に吸入空気の流れる隙間を設け
ておく必要がある。ここでは、この吸入空気量の通過す
る隙間に相当するものもサブスロットルバルブの実際の
開度というように定義付けする。
【0010】すると、前述のように燃料カット式駆動力
制御手段が駆動力制御の開始時にのみ燃料カットを行
い、且つ前記サブスロットルバルブの開度を制御するス
ロットル開度制御式駆動力制御手段がそれ以後のサブス
ロットルバルブの開度制御を行うように両者を分担させ
たとき、例えば氷結路のようにタイヤとのμが極端に低
い極低μ路面での発進時に、直ぐに駆動輪に大幅なスリ
ップが生じ、これに対して燃料カット式駆動力制御手段
がエンジンへの燃料カットを行っても当該駆動輪のスリ
ップが十分に小さくならなかった場合には、その後、前
記スロットル開度制御式駆動力制御手段はスロットルバ
ルブ(特にサブスロットルバルブ)に全閉指令を出力す
ることとなろう。しかしながら、例えば前述のように微
分ゲインを大きく設定してスリップの増加時にのみエン
ジンへの燃料カットを行う燃料カット式駆動力制御手段
は、駆動輪のスリップはそれ以上増加していないものの
未だ駆動輪のスリップそのものが所定の状態まで収束し
ていなくてもエンジンの燃料カットを行わない或いは僅
かにしか行わなくなり、しかも前述のようにサブスロッ
トルバルブは全閉にされても(実際には全閉指令が出力
されているだけで実際のサブスロットルバルブ開度は全
閉とはならない)エンジンには空気が吸入されてしまう
ので、演算処理上で用いられる仮想のサブスロットルバ
ルブ全閉状態のエンジン出力と実際のエンジン出力との
間には定常的な偏差が発生している(勿論、実際のエン
ジン出力の方が大きい)。従って、このエンジン出力の
定常偏差,即ちサブスロットルの目標開度と実際の開度
との間に発生するエンジン出力の定常偏差に相当する駆
動力が駆動輪に付与され続け、しかも発進しようとする
路面が前述のような極低μ路面である場合には更にスリ
ップが収束しにくくなってしまうという問題がある。
【0011】この問題は、前記スロットル開度制御式駆
動力制御手段と制動力制御式駆動力制御手段とを併用す
る駆動力制御装置にあって、制動力制御式駆動力制御手
段が、車両発進時の初期にのみ制動力を付与するように
したものでも同様に発生する可能性がある。本発明は、
これらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、前述の
ような極低μ路面での燃料カットや制動力制御による駆
動力低減制御を、例えばサブスロットルに対して全閉指
令が出力されている間は、前記スロットルの目標開度と
実際の開度との間に発生するエンジン(内燃機関)出力
の定常偏差を補正する分だけ継続することにより駆動輪
スリップの収束を早め得る車両の駆動力制御装置を提供
することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る車両の駆動力制御装置
は、スロットル開度を調整して駆動輪のスリップ状態を
所定の状態に制御する場合に、当該スロットル開度の目
標値と実際のスロットル開度との間に発生する内燃機関
出力の定常偏差を、他の駆動力低減手段を用いて補償す
ることを特徴とするものである。
【0013】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
駆動力制御装置は、所定の目標駆動輪速度に対する駆動
輪のスリップ状態を検出する駆動輪スリップ状態検出手
段と、当該駆動輪スリップ状態検出手段で検出された駆
動輪のスリップ状態検出値の大きさに応じて、運転者に
よって操作される第1のスロットルバルブとは個別に設
けられた第2のスロットルバルブの開度を閉方向に制御
して内燃機関の出力を低減制御する第1の内燃機関出力
制御手段及び内燃機関への燃料の供給を停止又は減少す
ることにより当該内燃機関の出力を低減制御する第2の
内燃機関出力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置
において、前記第2の内燃機関出力制御手段は、前記第
1の内燃機関出力制御手段による第2のスロットルバル
ブの目標開度と当該第2のスロットルバルブの実際の開
度との間で発生する内燃機関出力の定常偏差に応じて当
該内燃機関への燃料供給の停止量又は減少量を設定する
内燃機関出力定常偏差補正手段を備えたことを特徴とす
るものである。
【0014】また、本発明のうち請求項3に係る車両の
駆動力制御装置は、前記内燃機関出力定常偏差補正手段
が、前記第1の内燃機関出力制御手段が第2のスロット
ルバルブに対して全閉指令を出力したときに、前記内燃
機関出力の定常偏差に応じた当該内燃機関への燃料供給
の停止量又は減少量を設定する手段であることを特徴と
するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】上記構成とした本発明のうち請求
項1に係る車両の駆動力制御装置では、例えば前述した
ようにメインスロットルバルブに直列に併設されたサブ
スロットルバルブのスロットル開度を調整することによ
り、内燃機関(エンジン)の出力を低減して駆動輪のス
リップ状態を所定の状態に制御する前記スロットル開度
制御式駆動力制御手段と、例えば前述のような燃料カッ
ト式駆動力制御手段や制動力制御式駆動力制御手段とを
併設した場合を想定している。そして、前記サブスロッ
トルバルブの全閉時のように、当該スロットル開度の目
標値と実際のスロットル開度との間に発生する内燃機関
出力の定常偏差、つまり演算処理上のサブスロットルバ
ルブの(エンジンに吸入される空気量が零であると考え
られる)全閉時のエンジン出力と、実際には全閉状態と
ならず所定量の空気がエンジンに吸入されているエンジ
ン出力との定常偏差に相当する駆動力を、他の駆動力低
減手段,つまり前記燃料カット式駆動力制御手段や制動
力制御式駆動力制御手段を用いて減少するように補償す
ることにより、前述のような極低μ路面における駆動輪
のスリップ収束を早めることができる。
【0016】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
駆動力制御装置では、例えば前述のような複数の気筒を
有する内燃機関(エンジン)の燃焼状態を電子制御可能
な車両にあって、当該エンジンの各気筒への燃料噴射を
停止又は減少可能として前記第2の内燃機関出力制御手
段を構成する。また、前記請求項1に係る車両の駆動力
制御装置と同様に、例えばメインスロットルバルブ(第
1のスロットルバルブ)とは個別のサブスロットルバル
ブ(第2のスロットルバルブ)のスロットル開度を閉方
向に調整することにより、内燃機関(エンジン)の出力
を低減する第1の内燃機関出力制御手段を構成する。そ
して、例えば少なくとも駆動輪速度センサ等で検出され
た駆動輪速度が、例えば所定の目標駆動輪速度に対して
どれ位の速度差でスリップしているかという駆動輪のス
リップ状態を前記駆動輪スリップ状態検出手段で検出
し、このスリップ状態検出値の大きさに応じて、前記第
1の内燃機関出力制御手段では、例えばこのスリップ状
態検出値の比例・積分値から、前述のように第2のスロ
ットルバルブの閉方向へのスロットル開度制御量を算出
設定し、そのスロットル開度制御量分だけ第2のスロッ
トルバルブを閉方向に制御すると共に、前記第2の内燃
機関出力制御手段では、例えば前記スリップ状態検出値
の比例・微分値から、前述のように燃料カットすべきエ
ンジンの気筒数を算出設定し、当該気筒数分だけ燃料カ
ットを実行することにより、駆動輪のスリップを抑制或
いは解消して所望の状態にすることが可能となる。
【0017】このとき、前記内燃機関出力定常偏差補正
手段は、例えば本発明のうち請求項3に係る車両の駆動
力制御装置のように、前記第1の内燃機関出力制御手段
が第2のスロットルバルブに対して全閉指令を出力した
ときに、例えば前記機械的全閉ストッパーによる第2の
スロットルバルブからの吸入空気量に相当する当該第2
のスロットルバルブの実際の開度と、例えば演算処理上
で全閉と考えられる第2のスロットルバルブの目標開度
との間で発生する内燃機関出力の定常偏差、即ち第2の
スロットルバルブからの漏れ空気がエンジンに吸入され
ているときのエンジン出力とエンジンには全く空気が吸
入されていないと考えられるときのエンジン出力との定
常的な偏差などに応じて、当該エンジン出力定常偏差に
相当する駆動力分だけ当該内燃機関への燃料供給の停止
量又は減少量を設定することにより、例えば当該第2の
内燃機関出力制御手段が前記比例・微分制御などにより
スリップ量の増加時にのみエンジンへの燃料カットを行
うものであり、本来はスリップ量の増加が終了している
極低μ路面での発進時にも適切な燃料カットを継続する
ことで、駆動輪へのバックトルクを大きくして当該駆動
輪のスリップを早期に収束することができる。
【0018】なお、前記第2のスロットルバルブの目標
開度や実際の開度に応じたエンジン出力は、単にスロッ
トルバルブからの吸入空気量のみならず、そのときのエ
ンジンのアイドル回転数やその直前のエンジン回転数、
或いはスロットル開度の変化速度、或いは前記燃料噴射
装置からの燃料噴射状態等によっても変化するはずであ
るから、例えばエンジンの燃焼状態を電子制御する車両
にあっては当該エンジン燃焼状態制御装置からそれらの
情報を読込み、更に正確にそれらのエンジン出力を算出
するようにしてもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明に係る駆動力制御装置の一実施例
が適用された車両を示す概略構成図であって、後輪駆動
車である場合を示している。図中、10FL,10FR
は、非駆動輪(従動輪)となる前左輪,前右輪を、10
RL,10RRは、駆動輪となる後左輪,後右輪を示
す。つまり、ここでは直列4気筒で構成されるエンジン
(内燃機関)20の出力は、既存のトルクコンバータ1
8を介して自動変速機14に伝達され、この自動変速機
14で自動的に選択されたギヤ比で減速されることによ
り駆動トルクが調整され、更にプロペラシャフト22、
ディファレンシャルギヤ24を介して後左右車軸12
L,12Rに分岐され、その回転駆動力が両後輪10R
L,10RRから路面に伝達される。
【0020】前記エンジン20の吸気管路36には、ア
クセルペダル37の踏込み量に応じて可動されるメイン
スロットルバルブ(第1のスロットルバルブ)39と、
ステップモータ45をアクチュエータとし、そのステッ
プ数に応じた回転角により開度が調整可能なサブスロッ
トルバルブ35が直列に併設されると共に、前記4つの
気筒の夫々に燃料を噴射する燃料噴射装置(以下,イン
ジェクタとも記す)21a〜21dとが設けられてい
る。このうち、インジェクタ21a〜21dは、後述す
るエンジンコントロールユニット31からの駆動信号に
応じてエンジン20の各気筒への燃料噴射のタイミング
及びその量を調整するものであり、当該エンジンコント
ロールユニット31からの要求駆動信号によっては各気
筒への燃料噴射を停止(燃料カット)することも可能で
ある。また、前記メインスロットルバルブ39は、アク
セルペダル37の踏込み量に機械的に連動するか、或い
は当該アクセルペダル37の踏込み量を検出する図示さ
れないアクセルセンサの踏込み量検出値に応じて、エン
ジンコントロールユニット31が電気的に調整制御し
て、その開方向へのスロットル開度が調整される。ま
た、前記サブスロットルバルブ35は、エンジンコント
ロールユニット31からの駆動信号によってステップモ
ータ45のステップ数(回転角)が調整制御され、この
回転角に応じて常時開のスロットル開度が閉方向に調整
される。なお、本実施例では、例えばこのサブスロット
ルバルブ35を用いて、車速自動調節機構等としてステ
ップモータ45の回転角をスロットルモータセンサ49
で検出し、所望される車速が達成されるように当該ステ
ップモータ45の回転角を前記エンジンコントロールユ
ニット31からの駆動信号によりフィードバック制御す
ることも可能としている。また、このエンジン20及び
その周囲には、前記エンジンコントロールユニット31
でエンジンの燃焼状態を電子制御するために必要な各種
のセンサが設けられており、具体的には吸気管路36に
は燃焼用の空気流量を検出するエアフローメータ41
が、排気管路38には排気中の酸素濃度を検出するO2
センサ40が、またシリンダブロックの外部にはエンジ
ン20内での所謂ノッキングを検出するノックセンサ4
4が、また図示されないクランク軸回りにはエンジン2
0の回転数N E を検出するエンジン回転数センサ47
が、またエンジン20を冷却する冷却液路の近傍には、
当該冷却液温度を検出する冷却液温度センサ43等が設
けられており、夫々の検出信号は、エンジンコントロー
ルユニット31や後述するトランスミッションコントロ
ールユニット34に向けて出力される。
【0021】また、前記自動変速機14では、トランス
ミッションコントロールユニット34からの制御信号又
は駆動信号によってアクチュエータユニット32が駆動
される。このトランスミッションコントロールユニット
34で制御される自動変速機14内のギヤ比は、周知の
ように、出力軸回転速度として代用され且つ車速センサ
48で検出される車速と前記スロットルセンサ42で検
出されたスロットル開度とを変数として、或いは前記エ
ンジン回転数センサ47で検出されたエンジン回転数を
参照としながら、運転状態に応じた最適な駆動トルクが
得られる車両減速比となるように制御される。ちなみ
に、本実施例のトランスミッションコントロールユニッ
ト34は、前記エンジンコントロールユニット31と相
互に情報の授受を行って前記エンジン20及び自動変速
機14の通常走行時における最適化制御を実施してい
る。
【0022】また、前記各車輪10FL〜10RRには
車輪速センサ28FL〜28RRが設けられており、各
車輪速センサ28FL〜28RRからは、当該車輪10
FL〜10RRの回転速度に応じたパルス信号が、その
車輪速VwFL〜VwRRとして後述するトラクション(駆
動力)コントロールユニット30に向けて出力される。
【0023】また、前記エンジンコントロールユニット
31は、図示されないマイクロコンピュータ等を内蔵し
て構成されており、例えば前記水温センサ43で検出さ
れた冷却液温度、エンジン回転数センサ47で検出され
たエンジン回転数NE 、スロットルセンサ42で検出さ
れたスロットル開度、スロットルモータセンサ49で検
出されたスロットルモータ回転角、O2 センサ40で検
出された排気中O2 濃度、ノックセンサ44で検出され
たノッキング状態、エアフローメータ41で検出された
燃焼用吸入空気流量等に基づいて、図示されない独自の
演算処理に応じ、或いは前記トランスミッションコント
ロールユニット34や後述するトラクションコントロー
ルユニット30からの要求信号や情報信号に応じて、イ
ンジェクタ21a〜21dのON/OFF及びそのタイ
ミングと燃料噴射量や、サブスロットルバルブ35のス
ロットル開度等を調整して空燃比を調整することで、エ
ンジン20の燃焼状態を制御することにより当該エンジ
ン20の回転数や出力を制御して、これによりスムーズ
な加速感や必要にして十分な減速感を得たり、図示され
ない点火プラグの点火時期やアイドル回転数等を車両の
状態に応じて最適制御したりする。
【0024】ちなみに、このエンジンコントロールユニ
ット31では、後述するトラクションコントロールユニ
ット30からの燃料カット要求信号及びサブスロットル
開度要求信号に応じて、要求される気筒のインジェクタ
21a〜21dによる燃料噴射を停止すると共にサブス
ロットルバルブ35の開度を閉方向に制御するが、前述
のように又は図2に示すように、このサブスロットルバ
ルブ35には、機械式全閉ストッパー35aが設けられ
ていて、当該エンジンコントロールユニット31が前記
ステップモータ45に対して当該サブスロットルバルブ
35の全閉に相当する全閉指令を出力しても、実際には
この全閉ストッパー35aにバルブ35が当接して完全
に全閉にはならないようになっている。これは、前述の
ようなエンジン冷機時のアイドル回転数を維持するに必
要な,つまり冷機時の耐エンスト回転数を維持するに必
要な吸入空気量を確保するためであり、その吸入空気量
は、例えばアイドル回転数やエンジン回転数、或いはス
ロットル開度の時間変化率、或いは直前の燃料噴射状態
等から得ることができる。
【0025】そして、前記トラクションコントロールユ
ニット30は、図3に示すように、マイクロコンピュー
タ84を内蔵して構成される。このマイクロコンピュー
タ84は、A/D変換機能等を有する入力インタフェー
ス回路84a、マイクロプロセサユニット(MPU)等
から構成される演算処理装置84b、ROM,RAM等
からなる記憶装置84c、及びD/A変換機能等を有す
る出力インタフェース回路84dを備えており、前記演
算処理装置84bは、前記各車輪速センサ28FL〜2
8RR及びエンジンコントロールユニット31からの各
信号値に応じて、当該エンジンコントロールユニット3
1への燃料カット目標気筒数N* CUT 出力値やサブスロ
ットルバルブ35への目標スロットル開度θ* S 出力値
を算出するなどの演算処理を実行する。また、前記記憶
装置84cは、演算処理装置84bの演算処理に必要な
処理プログラムを予め記憶していると共に、当該演算処
理装置84bの処理結果を逐次記憶する。
【0026】次に、前記トラクションコントロールユニ
ット30のマイクロコンピュータ84で実行される演算
処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。な
お、この演算処理では、特に通信のためのステップを設
けていないが、演算処理装置84bで算出された演算結
果は随時記憶装置84cに記憶され、記憶装置84cに
記憶されている情報は随時演算処理装置84bのバッフ
ァ等に伝達記憶されるようになっている。
【0027】そして、この演算処理は、例えば前記マイ
クロコンピュータ84の演算処理装置84bにおいて、
例えば5msec. 程度の所定サンプリング時間ΔT毎にタ
イマ割込み処理によって実行され、先ず、ステップS1
で、各車輪速センサ28FL〜28RRからの車輪速V
i (i=FL〜RR)を読込む。次にステップS2に
移行して、駆動輪である平均後輪速の比較対象となる車
体速を、非駆動輪(従動輪)である前左右輪10FL,
10FRの前左右輪速Vw FL,VwFRの平均値と等価で
あるとして、その平均前輪速(従動輪速)VwF を下記
6式に従って算出する。
【0028】 VwF =(VwFL+VwFR)/2 ……… (6) 次にステップS3に移行して、駆動輪である後左右輪1
0RL,10RRの後左右輪速VwRL,VwRRから、平
均後輪速(駆動輪速)VwR を下記5式に従って算出す
る。 VwR =(VwRL+VwRR)/2 ……… (5) 次にステップS4に移行して、例えば図5に示す駆動力
制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 −平均前輪速VwF
制御マップに従って、当該平均前輪速VwF に応じた駆
動力制御開始閾値Vw0 を算出設定する。ちなみに、こ
の制御マップでは、少なくとも平均前輪速VwF が所定
値VwF0以上の領域で、駆動力制御開始閾値Vw0 は当
該平均前輪速VwF より所定値S* だけ大きく且つ平均
前輪速VwF と同じ傾きで,即ち平均前輪速VwF に対
してリニアに増加するように設定されている。つまり、
この領域では駆動輪速度である平均後輪速VwR が当該
駆動力制御開始閾値Vw0 以上でないと駆動力制御が開
始されないことは容易に想定されようから、逆に平均前
輪速VwF に対して駆動力制御が開始されない駆動輪
速,つまり平均後輪速VwR が駆動力制御開始閾値Vw
0 以下である領域に相当する所定値S* が、本発明での
駆動輪の所定のスリップ状態,或いは目標とするスリッ
プ状態であることが分かる。
【0029】一方、前記平均前輪速VwF が前記所定値
VwF0以下の領域では、駆動力制御開始閾値Vw0 に相
当する平均後輪速VwR は所定値Vw00一定に維持され
る。この駆動力制御開始閾値の所定値Vw00は、これ以
下まで駆動輪速度である平均後輪速VwR を下げてしま
うと、例えば直結状態にあるエンジンがアイドル回転数
を維持できなくなってエンストしてしまうという境界値
であり、換言すればエンスト防止最小エンジン回転数と
いうことになろう。ちなみにここでは、当該エンスト防
止最小エンジン回転数に対応する駆動力制御開始閾値の
所定値Vw00を例えばエンジン冷機時に相当するアイド
ル回転数値等に応じて固定しているが、このエンスト防
止最小エンジン回転数は、例えば前述のように冷却液温
度に応じて可変制御されているから、前記エンジンコン
トロールユニットが可変制御しているエンスト防止最小
エンジン回転数に応じて駆動力制御開始閾値の所定値V
00を可変設定することも勿論可能である。そして、例
えばエンジンの暖機時には、小さく変更設定されている
エンスト防止最小エンジン回転数に応じて駆動力制御開
始閾値の所定値Vw00を小さくすれば、平均前輪速Vw
F を車体速と見なし、これに所定スリップ量S* を和し
て制御される領域が広くなり、その結果、駆動輪のスリ
ップは更に早期に収束されることとなろう。また、この
駆動力制御開始閾値の所定値Vw00は、自動変速機で設
定されているギヤ比にも応じて設定変更されるべきであ
る。即ち、ここでは車両の発進時のみを考慮して前記自
動変速機14のギヤ位置は、最も大きい減速比に相当す
る,所謂1速である場合を想定しているため、前記エン
スト防止最小エンジン回転数に相当する駆動力制御開始
閾値の所定値Vw00は、当該変速機の1速に相当する減
速比で一意に決定されている。しかしながら、例えば氷
雪路にあって、予め運転者が2速発進する場合や、自動
変速機を搭載する車両が前記駆動力制御開始閾値の所定
値Vw00より高い車速で走行していて2速以上に設定さ
れており、しかしながら制動等により車速は駆動力制御
開始閾値の所定値Vw00以下となったものの、自動変速
機側の応答遅れによって未だ2速以上にあり、然る後、
アクセルペダルを踏込んで急加速するような場合には、
この一意性が失われる。この変速機のギヤ比,つまり減
速比は、前記エンスト防止最小エンジン回転数から駆動
力制御開始閾値の所定値Vw 00を設定するための単なる
パラメータにしか過ぎないから、このような状況を想定
する場合には、例えば前記トランスミッションコントロ
ールユニットから現在のギヤ比を読込み、このギヤ比を
パラメータとして用いて駆動力制御開始閾値の所定値V
00が設定されるようにすればよい。
【0030】次にステップS5に移行して、前記駆動輪
速度である平均後輪速VwR が前記駆動力制御開始閾値
Vw0 以上であるか否かを判定し、当該平均後輪速Vw
R が駆動力制御開始閾値Vw0 以上である場合にはステ
ップS6に移行し、そうでない場合にはステップS7に
移行する。前記ステップS6では、前記平均後輪速Vw
R と平均前輪速VwF との偏差から、当該後輪10R
L,10RRの平均的なスリップ速度を、駆動輪スリッ
プ量の今回値S(n) として,下記7式に従って算出して
からステップS8に移行する。
【0031】 S(n) =VwR −VwF ……… (7) 前記ステップS8では、前記スリップ量の今回値S(n)
及び記憶装置84cに更新記憶されているスリップ量の
前回値S(n-1) 及び目標サブスロットル開度の前回値θ
* S(n-1)を用いて、目標サブスロットル開度の今回値θ
* S(n)を下記8式に従って算出してからステップS9に
移行する。
【0032】 θ* S(n)=θ* S(n-1)−KI ・S(n) −KP1・(S(n) −S(n-1) ) ……… (8) 但し、KI は積分ゲイン、KP1は比例ゲインであり、こ
こでは、前述のように比較的応答性の遅いスロットル開
度制御による駆動力制御の特性を生かすために、前記積
分ゲインKI は比較的大きな値に、また比例ゲインKP1
は比較的小さい値に設定する。これにより、前記8式か
ら明らかなように、スリップ量が存在しているうち、つ
まりスリップ量の今回値S(n) が正値であるうちは、目
標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を前回値θ*
S(n-1)よりどんどん小さくしてスリップの収束を促進す
ると共に、スリップ量の今回値S(n) から前回値S
(n-1) を減じた値が負値となる,即ちスリップ量そのも
のが小さくなっている場合に目標サブスロットル開度の
今回値θ* S(n)を前回値θ* S(n-1)より少しずつ大きく
設定して駆動輪速度である平均後輪速VwR をゆっくり
と復帰(リカバリー)するようにフィードバック制御し
ている。
【0033】そして、前記ステップS9では、下記9式
に従って、前記ステップS8で算出された目標サブスロ
ットル開度の今回値θ* S(n)とサブスロットル開度の最
大値θ* SMAXとの何れか小さい方を目標サブスロットル
開度の今回値θ* S(n)に決定してからステップS10に
移行する。 θ* S(n)=MIN(θ* S(n),θ* SMAX) ……… (9) 但し、式中のMINは最小値選出を示す。また、ここで
はサブスロットル開度の最大値θ* SMAXは開度100%
を示す。また、本来なら前記算出された目標サブスロッ
トル開度の今回値θ* S(n)とサブスロットル開度の最小
値θ* SMIN(=0%)との大小判定を行うべきであろう
が、本実施例では例え目標サブスロットル開度の今回値
θ* S(n)が“0”以下,つまり全閉以下となっても、前
記機械的全閉ストッパー25aによりサブスロットルバ
ルブ25は全閉にはならないし、また後述する第2目標
燃料カット気筒数N* 2CUTとの関係から、目標サブスロ
ットル開度の今回値θ* S(n)が“0”より大きくなった
ときに第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが“0気筒”
となり、それ以後は当該目標サブスロットル開度の今回
値θ* S(n)による駆動力フィードバック制御が滑らかに
展開されるようにするため、敢えて目標サブスロットル
開度の今回値θ* S(n)を“0”の最小値に設定しないこ
ととした。なお、その詳細については、ロジック全体の
作用の項で説明する。
【0034】また、前記ステップS10では、前記ステ
ップS7又はステップS8で算出されたスリップ量の今
回値S(n) 及びその微分値を用いて、下記10式に従っ
て第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTを算出してからス
テップS11に移行する。 N* 1CUT=INT(KP2・S(n) +KD ・(dS(n) /dt)) ………(10) 但し、式中のKP2は比例ゲインを、またKD は微分ゲイ
ンを夫々表し、INTは算出値の小数点以下を切り捨て
て整数化することは表す。また、式中のスリップ量の微
分値(dS(n) /dt)は、例えばスリップ量の今回値
(n) から前回値S(n-1) を減じた値を、前記所定サン
プリング時間ΔTで除して求めてもよい。更に、前述の
ように比較的応答性の速い燃料カット制御による駆動力
制御の特性を生かすために、前記微分ゲインKD は比較
的大きな値に、また比例ゲインK P2は比較的小さい値に
設定する。これにより、前記8式から明らかなように、
スリップ量が増加しているうち、つまり(dS(n) /d
t)が正値であるうちは、駆動輪スリップの初期であり
同時に前記スロットル開度制御が十分に応答していない
可能性があるから、第1目標燃料カット気筒数N* 1CUT
が大きく設定されるようにしてスリップの収束性を早
め、例えば前述のような通常の低μ路面で駆動輪スリッ
プは増加していない、つまり(dS(n) /dt)が
“0”か負値である場合であって、スリップ量の今回値
(n) が定常的に発生している場合には、当該低μ路面
での加速性を阻害しないように或いはエンジン出力が小
さくなり過ぎてエンストが発生しないように第1目標燃
料カット気筒数N* 1CUTが小さく設定されるようにフィ
ードバック制御している。また、この10式の意味する
ところは、スリップ量Sに対する比例・微分制御によっ
て目標燃料カット気筒数N* CU T を設定することによ
り、駆動輪である後輪10RL,10RRへの駆動力を
低減することであるから、この目標燃料カット気筒数N
* CUT は、当該後輪10RL,10RRへの駆動力低減
量,即ちトルクダウン量ΔTに応じたもの(=f1(Δ
T))となる。
【0035】前記ステップS11では、前記ステップS
8又はステップS9で設定された目標サブスロットル開
度の今回値θ* S(n)が“0”以下であるか否かを判定
し、当該目標サブスロットル開度の今回値θ* S(n)
“0”以下である場合にはステップS12に移行し、そ
うでない場合にはステップS13に移行する。前記ステ
ップS12では、下記11式に従って、前記サブスロッ
トルバルブ25が全閉(実際には全閉ではない)となっ
たときの吸入空気量(図では漏れ空気量とも記す)によ
るエンジントルク(出力)E1 と、サブスロットルバル
ブ25が本当に全閉になったと想定されるとき,つまり
吸入空気量が“0”のときのエンジントルク(出力)E
0 との偏差から、全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2
を算出してからステップS14に移行する。なお、ここ
では両エンジントルクE 1 及びE0 を定数的に取扱って
いるが、これらは前述のような要因,即ちエンジン回転
数や燃料噴射状態或いはスロットル開度の時間変化率等
に応じて変化するから、厳密を要する場合には、これら
の変数を認識しているエンジンコントロールユニットか
ら情報を得て更に正確な演算を行うようにしてもよい。
【0036】 ΔET2=E1 −E0 ………(11) また、前記ステップS14では、前記ステップS12で
算出された全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2を用い
て、下記12式に従って第2目標燃料カット気筒数N*
2CUTを算出してからステップS15に移行する。 N* 2CUT=f2 (ΔET2) ………(12) 但し、式中のf2 は、前記全閉時エンジントルク定常偏
差ΔET2を引数とするトルクダウン関数であり、これに
よって得られる第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは、
現在のエンジントルク(出力)を当該全閉時エンジント
ルク定常偏差ΔET2分だけ小さく補正するための燃料カ
ット気筒数であると言える。
【0037】一方、前記ステップS13では、第2目標
燃料カット気筒数N* 2CUTを“0”に設定してから前記
ステップS15に移行する。そして、前記ステップS1
5では、下記13式に従って、前記第1目標燃料カット
気筒数N* 1CUTと第2目標燃料カット気筒数N* 2CUT
の何れか大きい方を目標燃料カット気筒数N* CUT に設
定してからステップS16に移行する。
【0038】 N* CUT =MAX(N* 1CUT,N* 2CUT) ………(13) 但し、式中のMAXは最大値選出を示す。前記ステップ
S16では、前記目標燃料カット気筒数N* CUT
“0”以上であるか否か,即ち正値であるか否かを判定
し、当該目標燃料カット気筒数N* CU T が“0”以上で
ある場合にはステップS17に移行し、そうでない場合
にはステップS18に移行する。
【0039】前記ステップS17では、前記算出された
目標燃料カット気筒数N* CUT が正値である、即ち燃料
カットを行う気筒の数として妥当であると判断し、当該
目標燃料カット気筒数N* CUT をそのまま目標燃料カッ
ト気筒数N* CUT に設定してからステップS19に移行
する。一方、前記ステップS18では、前記算出された
目標燃料カット気筒数N* CU T が負値である、即ち燃料
カットを行う気筒の数としては妥当でないと判断し、当
該目標燃料カット気筒数N* CUT を“0”に設定してか
ら前記ステップS19に移行する。
【0040】そして、前記ステップS19では、前記算
出設定された目標燃料カット気筒数N* CUT 及び目標サ
ブスロットル開度θ* S(n)を前記エンジンコントロール
ユニット31への要求信号として出力してからステップ
S20に移行する。前記ステップS20では、前記目標
サブスロットル開度の今回値θ* S(n)を前回値θ*
S(n-1)として、またスリップ量の今回値S(n) を前回値
(n-1) として夫々記憶装置84cの所定記憶領域に更
新記憶してからメインプログラムに復帰する。
【0041】また、前記ステップS7では、前記サブス
ロットル開度の最大値θ* SMAXをサブスロットル開度の
前回値θ* S(n-1)として、また“0”とスリップ量の前
回値S(n-1) として夫々記憶装置84cの所定記憶領域
に更新記憶してからメインプログラムに復帰する。この
演算処理によれば、特にそのステップS4からステップ
S6にかけて、車両が或る車速以上,つまり車体速と等
価な従動輪速度である平均前輪速VwF が前記所定値V
F0以上で走行しているのか、又はそれよりも低い車速
で、例えば発進しようとしているのか、若しくは一旦十
分に減速した後に再び加速しようとしているのかなどが
判定され、夫々の状況に応じたスリップ量Sが算出設定
される。即ち、例えば車体速と等価な平均前輪速VwF
が前記所定値VwF0以上である場合の駆動力制御開始
(駆動輪速度)閾値Vw0 は、当該平均前輪速VwF
り所定スリップ量S* だけ大きな値であり、この駆動力
制御開始閾値Vw0 より平均後輪速VwR が小さい場合
にはステップS5からステップS7を経てメインプログ
ラムにリターンしてしまい、平均後輪速VwR が当該駆
動力制御開始閾値Vw0 以上である場合に限って、ステ
ップS6で平均後輪速VwR から平均前輪速VwF を減
じてスリップ量の今回値S(n) が算出される。従って、
このスリップ量の今回値S(n) は必ず前記所定スリップ
量S* 以上であり、少なくとも車両の加速時にはトラク
ションロスにより駆動輪に定常的なスリップが発生する
ものであるから、この所定スリップ量S* を、例えば通
常の中・高μ路面で想定される定常的な駆動輪,即ち平
均後輪速VwR のスリップ量に設定しておけば、スリッ
プ量の収束目標値は最も好適な値となるし、またそれよ
りもスリップ量が小さい場合には不要な駆動力制御を実
行しないですむと共に適度な不感帯となって制御のハン
チングを抑制防止することができる。
【0042】また、前記車体速と等価な平均前輪速Vw
F が前記所定値VwF0より小さい場合には、駆動力制御
開始(駆動輪速度)閾値Vw0 は、前記エンスト防止最
小エンジン回転数を満足する駆動輪速度,つまり所定値
Vw00に設定維持されるから、当該駆動輪速度である平
均後輪速VwR を当該駆動力制御開始閾値Vw0 (=V
00)まで低下させてもエンジンがストールする恐れは
ない。またこれにより、前記電子制御されるエンジンに
あって、当該エンスト防止最小エンジン回転数よりエン
ジン回転数が小さく(低く)なると、自動的にエンジン
の回転数を復帰させる(リカバリーする)ものであった
場合、例えば以下に説明する駆動力制御によって一旦エ
ンジンがストールしかけ、次いで当該リカバリー機能に
よってエンジン回転数が増加されるということを繰返す
恐れもなく、従って車両挙動が不安定になるということ
もない。勿論、前述のように、実際に可変制御されてい
るエンスト防止最小エンジン回転数(主として冷却液温
度に応じている)や変速機のギヤ比に応じて前記駆動力
制御開始の所定値Vw00を可変設定することとすれば、
平均前輪速VwF がそれに応じた所定値VwF0より小さ
い場合は勿論、それ以上である,前記定常的なスリップ
が発生している走行時にも最も好適な駆動力制御を行う
ことが可能となる。
【0043】次に、前記図4の演算処理による駆動力制
御の作用について、図6のタイミングチャートを用いて
説明する。ここで、前述のように車両が或る車速(例え
ば前記平均前輪速の所定値VwF0)以上で定常的に走行
している場合には、後輪10RL,10RRへの駆動力
は、当該平均後輪速VwR が、車体速と等価と考えられ
る平均前輪速VwF と所定スリップ量S* との和,つま
り駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値Vw0 になるよう
に、前記サブスロットル開度制御及び燃料カット制御の
組合せにより適正に制御されるので、その詳細な説明は
省略する。
【0044】このタイミングチャートは、この実施例の
車両が、氷結路のように路面μの極めて低い,所謂極低
μ路面において、停車状態から時刻t00で急発進しよう
とする場合をシミュレートしたものである。そして、図
6aには平均後輪速VwR 及び平均前輪速VwF の経時
変化を、同図bには平均後輪速の微分値としての平均後
輪加速度V'wR の経時変化を、同図cには目標サブスロ
ットル開度θ* S 及び前記サブスロットルバルブ25で
実際に達成された実サブスロットル開度θS の経時変化
を、同図dには目標燃料カット気筒数N* CUT (前記第
1目標燃料カット気筒数N* 1CUT及び第2目標燃料カッ
ト気筒数N* 2CUTを含む)及び前記エンジンコントロー
ルユニット31によって実際に燃料カットが実行された
実燃料カット気筒数NCUT の経時変化を夫々示すものと
し、以下は夫々の図面の詳細な引用を省略する。なお、
ここでは理解を容易化するために、ここに示すタイミン
グチャート中では、車体速と等価な平均前輪速VwF
前記所定値VWF0以上となることはなく、従って前記図
5の制御マップに従って、図4の演算処理のステップS
4で設定される駆動力制御開始閾値Vw0 は前記所定値
Vw00一定に維持されたものとする。
【0045】先ず、前記時刻t00までの間は、前記エン
ジンコントロールユニットによってエンジン回転数は、
前記エンスト防止最小エンジン回転数をアイドル回転数
として維持制御されており、勿論、これまでの目標サブ
スロットル開度θ* s は最大値θ* SMAXに、また目標燃
料カット気筒数N* CUT は“0”に設定維持され、実際
値もそれに一致している。そして、この時刻t00で、運
転者がアクセルペダルを大きく踏込んで急発進しようと
したため、これに遅れてエンジン回転数は大きく増加し
始め、それに伴うエンジン出力の増加により平均後輪加
速度V'wR も正の領域で大きく増加し、それより位相の
遅れた平均後輪速VwR も次第に増加していった。しか
しながら、この平均後輪加速度V'wR や平均後輪速Vw
R の増加は、車体の移動を伴うものではなく、単に極低
μ路面でスリップしているだけのものであったために、
車体速と等価な平均前輪速VwF は殆ど又は全く増加し
ない。従って、少なくとも平均後輪速VwR が前記駆動
力制御開始閾値Vw0 以上となる時刻t01までの間は、
図4の演算処理のステップS5からステップS7を経て
メインプログラムに復帰するフローが繰返されるだけ
で、目標サブスロットル開度θ* s も目標燃料カット気
筒数N* CUT もエンジンコントロールユニットに要求さ
れないから実サブスロットル開度θS は前記最大値θ
SMAXに維持され、実燃料カット気筒数NCUT は例えば
“0気筒”に相当する,つまり何れの気筒も燃料カット
を行わない状態が継続される。
【0046】次いで、前記時刻t01で平均後輪速VwR
が前記駆動力制御開始閾値Vw0 以上となると、その直
後に実行される図4の演算処理のステップS5からステ
ップS6に移行してスリップ量(の今回値)S(n) が算
出され、次のステップS7で目標サブスロットル開度
(の今回値)θ* S(n)が算出され、次のステップS8で
目標サブスロットル開度の最大値θ* SMAXとの比較によ
り何れか小さい方の値が目標サブスロットル開度θ*
S(n)に選出される。しかしながら、このときの目標サブ
スロットル開度θ* S(n)は、前述のようにその算出式で
ある前記8式が積分ゲインKI の大きな或いは比例ゲイ
ンKP の小さなものであるために、未だスリップ量S
(n) そのものが大きくない当該時刻t01の直後では、前
記最大値θ* SM AXより僅かに小さい値に止まり、その後
のスリップ量S(n) の増加に伴って急速に小さくなるこ
とが予想される。一方、この図4の演算処理では、次の
ステップS10で第1目標燃料カット気筒数N* 1CUT
算出される。この第1目標燃料カット気筒数N
* 1CUTは、前述のようにその算出式である前記10式が
微分ゲインKD の大きな或いは比例ゲインKP の小さな
ものであるために、図6bに示すように、既に平均後輪
加速度V'wR が正値の領域で十分に大きくなっている当
該時刻t01の直後で、例えば前記4気筒エンジンのうち
の“4気筒”というように設定されたものとする。そし
て、この図4の演算処理では、前記目標サブスロットル
開度θ* S(n)が未だ“0”より大きいためにステップS
11からステップS13に移行して第2目標燃料カット
気筒数N* 2CUTは“0(気筒)”に設定されるため、同
ステップS15では、それよりも大きい前記第1目標燃
料カット気筒数N* 1CUTが目標燃料カット気筒数N*
CUT に選出される。この目標燃料カット気筒数N* CUT
は正値であるため、同図4の演算処理ではステップS1
6からステップS17に移行して、その目標燃料カット
気筒数N* CUT をそのまま、また前記最大値θ* SMAX
り僅かに小さい目標サブスロットル開度θ* S(n)を、同
ステップS19でエンジンコントロールユニットに要求
出力した。その結果、エンジンコントロールユニットは
当該“4気筒”に相当する目標燃料カット気筒数N*
CUT に応じた気筒分の燃料カットを実行し、従って実燃
料カット気筒数NCUT は当該目標燃料カット気筒数N*
CUT に一致し、また実サブスロットル開度θS(n)は前記
目標サブスロットル開度θ* S(n)に一致した。
【0047】これにより、エンジン回転数はその増加率
が小さくなり、これに合わせて平均後輪加速度V'wR
増加率も小さくなったが、それらより位相の遅れた平均
後輪速VwR はその後も増加し続け、これにより図4の
演算処理のステップS8で算出され且つ同ステップS9
で選出される目標サブスロットル開度θ* S(n)は加速度
的に小さくなり、時刻t02で“0”以下となった。ま
た、このとき、図4の演算処理のステップS10で算出
される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、前述のよ
うに平均後輪加速度V'wR が未だ大きいままであるため
に、前記と同様に“4気筒”に相当する数値に設定され
続けていた。そして、同図4の演算処理では、この時点
で前記目標サブスロットル開度θ* S(n)が“0”以下と
なったためにステップS11からステップS12に移行
して、前述のようにして全閉時エンジントルク定常偏差
ΔET2が算出され、次のステップS13では、その定常
偏差ΔET2を補正するトルクダウン関数f2 に応じて第
2目標燃料カット気筒数N* 2CUTが算出設定される。し
かしながら、本実施例では定数的に処理される当該第2
目標燃料カット気筒数N* 2CUTは、少なくとも前記第1
目標燃料カット気筒数N* 1CUTより小さく、例えば“2
気筒”に相当する数値に設定されたものとすると、次の
ステップS15では当該第1目標燃料カット気筒数N*
1CUTが目標燃料カット気筒数N* CUT に選出される。そ
して、この目標燃料カット気筒数N* CU T と前記目標サ
ブスロットル開度θ* S(n)とが同ステップS19で出力
され、エンジンコントロールユニットでは実燃料カット
気筒数NCUT を目標燃料カット気筒数N* CUT に一致さ
せたが、実サブスロットル開度θS は目標サブスロット
ル開度θ* S と一致せず、前記機械的全閉ストッパーに
より制限される漏れ空気量に相当する所定開度θS0で規
制されてしまった。
【0048】この実サブスロットル開度の所定開度θS0
による漏れ空気量によりエンジンには所定のトルクが残
存していたが、しかしながら前記“4気筒”に相当する
実燃料カット気筒数NCUT は継続されていたために、エ
ンジン回転数はその後も増加率が小さくなり続け、やが
て減少に転じ、これに合わせて平均後輪加速度V'wR
増加率も小さくなり、やがてピークを迎えて減少に転
じ、更にその後の時刻t03で“0”となり、平均後輪速
VwR もこの時刻t03でピークを迎えて減少に転じた。
この間、主として平均後輪加速度V'wR に支配される第
1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、図4の演算処理の
ステップS10で前述と同様に“4気筒”に相当する値
に設定され続け、同ステップS12及びステップS14
で設定される他方の第2目標燃料カット気筒数N* 2CUT
は未だ“2気筒”に相当する値であり続けたために、同
ステップS15では目標燃料カット気筒数N* CUT に前
者の第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTが選出され続け
た。一方、図4の演算処理のステップS8で算出され且
つ主として平均後輪速VwR に支配される目標サブスロ
ットル開度θ* S(n)は、スリップ量S(n) の増加率が次
第に小さくなることもあって、当該平均後輪速VwR
減少する以前から次第にその減少率が小さくなり、前記
時刻t03では負値の領域での増加に転じた。しかしなが
ら実サブスロットル開度θS が前記所定開度θS0で規制
されることに変わりはなく、一方、実燃料カット気筒数
CUT は前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTからな
る目標燃料カット気筒数N* CUT に一致され続けたた
め、エンジンのバックトルクによって平均後輪速VwR
は減少を続け、これに伴って平均後輪加速度V'wR は負
値の領域での減少に転じた。
【0049】これにより、前記図4の演算処理のステッ
プS10で算出され且つ主として平均後輪加速度V'wR
に支配される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、当
該平均後輪加速度V'wR が相応の負値となる時刻t
04で、前記“4気筒”よりも小さい例えば“3気筒”に
相当する数値となり、一方の第2目標燃料カット気筒数
* 2CUTが未だ“2気筒”に相当する数値に設定され続
けたため、この時刻t04で目標燃料カット気筒数N*
CUT は当該第1燃料カット気筒数N* 1CUTである“3気
筒”が選出され、これを入力したエンジンコントロール
ユニットは実燃料カット気筒数NCUT をこれに一致させ
た。一方、同図4の演算処理のステップS8で算出され
且つ主として平均後輪速VwR に支配される目標サブス
ロットル開度θ * S(n)は、この間も当該平均後輪速Vw
R の減少に伴って、負値の領域で比較的大きく増加し続
けていたが、実サブスロットル開度θS は前記所定開度
θS0に規制されたままであった。なお、この間のエンジ
ン出力は、未だ後輪10RL,10RRをスリップさせ
るためだけに消費されており、当該後輪10RL,10
RRの平均後輪速VwR こそ、前記駆動力制御開始(駆
動輪速度)閾値Vw0 に近づき始めているが、その回転
慣性は、未だ車体を駆動させる程,安定収束しているわ
けではなく、結果的に車速速と等価な平均前輪速VwF
は殆ど増加していない。
【0050】これらによるエンジンのバックトルクによ
り、平均後輪加速度V'wR は負値の領域での減少率が次
第に小さくなり、やがて負値の領域での増加に転じた
が、その間も平均後輪速VwR は減少を継続していた。
これにより、前記主として平均後輪加速度V'wR に支配
される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTは、時刻t05
で遂に“0気筒”に相当する数値となり、一方で前記目
標サブスロットル開度θ * S(n)は未だ“0”以下であっ
たために、前述と同様に“2気筒”に相当する第2目標
燃料カット気筒数N* 2CUTが設定され続けており、その
結果、図4の演算処理のステップS15では、当該第2
目標燃料カット気筒数N* 2CUTが目標燃料カット気筒数
* CUT に設定され、これを入力したエンジンコントロ
ールユニットは実燃料カット気筒数NCUT をこれに一致
させた。そして、この後も、平均後輪速VwR は、前記
“2気筒”に相当する実燃料カット気筒数NCUT (=目
標燃料カット気筒数N* CUT =第2目標燃料カット気筒
数N* 2CUT)への燃料カットにより、緩やかではあるが
減少を継続し、平均後輪加速度V'wR も負値の領域で緩
やかに増加し続け、その結果、前記“2気筒”に相当す
る第1目標燃料カット気筒数N* 2CUTが目標燃料カット
気筒数N* CUT に設定され続けることとなり、平均後輪
速VwR のスリップ量は、極低μ路面としては比較的早
期に収束に向かうことになる。
【0051】この時刻t05の近傍から、前記駆動力制御
開始閾値Vw0 にゆっくりと近づいている平均後輪速V
R は、その回転慣性が安定して小さくなるために、当
該極低μ路面を或る程度グリップするに足る値となり、
車体速は、緩やかではあるが次第に増加し、これに伴っ
て平均前輪速VwF も緩やかに増加し始める。従って、
前記時刻t05以前から負の領域で増加している平均後輪
加速度V'wR は、車体質量を支えながら車体を駆動する
ことになるため、エンジンの出力トルクは車体を駆動す
るために消費されるようになるから、車体速と等価な平
均前輪速VwFは加速度的に大きくなることになる。こ
れにより、未だ目標燃料カット気筒数N * CUT には“2
気筒”に相当する前記第2目標燃料カット気筒数N*
2CUTが選出され続け、実燃料カット気筒数NCUT もこれ
に一致され続けてエンジントルクの低減制御は継続され
ているものの、車体速と等価な平均前輪速VwF は増速
を続け、具体的には当該平均前輪速VwF が前記駆動力
制御開始閾値Vw0 に相当する速度に到達する時刻t06
の以前から、平均後輪速VwR との偏差,即ちスリップ
量S(n) は当該極低μ路面で発生する定常的なスリップ
状態の範囲に収まるようになり、それが故にこの時刻t
06に至って平均後輪速VwR の減少率が加速度的に小さ
くなり、当該平均後輪加速度V'wR が“0”となる時刻
06で平均後輪速VwR も減少側のピークを迎えて増加
に転じた。
【0052】これにより、前記時刻t06以前から平均後
輪速VwR の平均前輪速VwF に対する偏差,即ちスリ
ップ量S(n) は加速度的に小さくなることになり、主と
して当該スリップ量S(n) に支配される前記目標サブス
ロットル開度θ* S(n)は、時刻t07で遂に正値に転じ
た。従って、図4の演算処理のステップS11からステ
ップS13に移行して前記第2目標燃料カット気筒数N
* 2CUTは“0(気筒)”に設定され、同ステップS10
で算出される一方の前記第1目標燃料カット気筒数N*
1CUTは、前記平均後輪加速度V'wR が未だ小さな値であ
り続けたために、“0気筒”に相当する数値に設定され
続け、従って目標燃料カット気筒数N* CU T も“0気
筒”となって実燃料カット気筒数NCUT もこれに一致さ
れることになった。この時点で、エンジンからのバック
トルクはなくなり、逆に前記所定開度θS0で規制される
実サブスロットル開度θS からの漏れ空気量による小さ
なエンジントルクが作用して平均後輪加速度V'wR は小
さいながらも正値の領域で増加することとなり、平均後
輪速VwR も僅かに増加し始めた。
【0053】この間及びこれ以後も、車体速に引張られ
る平均前輪速VwF は増加し続けていたために、平均後
輪速VwR とのスリップ量S(n) はますます小さくな
り、従って図4の演算処理のステップS8で算出設定さ
れる目標サブスロットル開度θ * S(n)は、時刻t08で実
質的に前記実サブスロットル開度の所定開度θS0以上と
なり、また目標燃料カット気筒数N* CUT 及び実燃料カ
ット気筒数NCUT は“0気筒”であり続けたため、エン
ジンの出力トルクは次第に増加して平均後輪加速度V'w
R も増加し、その結果、平均後輪速VwR も次第に増加
してゆく。但し、この時点での平均後輪速VwR と平均
前輪速VwF とのスリップ量S(n) は、当該極低μ路面
で定常的に発生するスリップ状態の範囲に十分収まって
いたため、前記増加する平均後輪加速度V'wR によって
車体速は滑らかに加速され、それに伴って平均前輪速V
F も滑らかに増加したため、これ以後は当該極低μ路
面での安定した加速が継続されたものと想定される。
【0054】以上より、後輪速センサ28RL,28R
R及び図4の演算処理のステップS1乃至ステップS3
及びステップS6が、本発明の車両の駆動力制御装置の
駆動輪スリップ状態検出手段に相当し、以下同様に、図
4の演算処理のステップS8及びステップS9及びステ
ップS19及びエンジンコントロールユニット31が第
1の内燃機関出力制御手段に相当し、図4の演算処理の
ステップS10乃至ステップS20及びエンジンコント
ロールユニット31が第2の内燃機関出力制御手段に相
当し、図4の演算処理のステップS11乃至ステップS
14が内燃機関出力定常偏差補正手段に相当する。
【0055】次に、本実施例の駆動力制御装置の有効性
を理解し易くするために、従来の駆動力制御装置の作用
について、図7のタイミングチャートを用いながら説明
する。この従来の駆動力制御装置は、前記図4の演算処
理のステップS11乃至ステップS15がなく、結果的
に前記第1目標燃料カット気筒数N* 1CUTがそのまま目
標燃料カット気筒数N* CUT として出力されたものであ
ると考えればよい。また、このタイミングチャートのシ
ミュレート条件は、前記図6のそれと同様であり、前述
と同様に、車体速と等価な平均前輪速VwF が前記所定
値VWF0以上となることはなく、従って駆動力制御開始
閾値Vw0 は前記所定値Vw00一定に維持されたものと
する。
【0056】このタイミングチャートに示す時刻t11
ら時刻t15までの時間の平均後輪速VwR ,平均前輪速
VwF ,平均後輪加速度V'wR ,目標サブスロットル開
度θ * S(n),実サブスロットル開度θS ,目標燃料カッ
ト気筒数N* CUT ,及び実燃料カット気筒数NCUT の経
時変化は、前記図6のタイミングチャートで目標サブス
ロットル開度θ* S(n)が時刻t02(図7では時刻t12
相当)で“0”以下となり、その結果、前記第2目標燃
料カット気筒数N* 2CUTが算出され始めることを除い
て、当該図6のタイミングチャートの時刻t01から時刻
05と同等又はほぼ同等であるために、その詳細な説明
を省略する。従って、この間のエンジン出力は、未だ後
輪10RL,10RRをスリップさせるためだけに消費
されており、当該後輪10RL,10RRの平均後輪速
VwR こそ、前記駆動力制御開始(駆動輪速度)閾値V
0 に近づき始めているが、その回転慣性は、未だ車体
を駆動させる程,安定収束しているわけではなく、結果
的に車速速と等価な平均前輪速VwF は殆ど増加してい
ない。
【0057】しかしながら、この時刻t15までのエンジ
ンのバックトルクにより、前述と同様に、平均後輪加速
度V'wR は負値の領域での減少率が次第に小さくなり、
やがて負値の領域での増加に転じ、その間も平均後輪速
VwR は減少を継続し、前記主として平均後輪加速度
V'wR に支配される第1目標燃料カット気筒数N* 1CUT
は、時刻t05で遂に“0気筒”に相当する数値となり、
ここでは前記第2目標燃料カット気筒数N* 2CUTは設定
されないので、この第1目標燃料カット気筒数N * 1CUT
が目標燃料カット気筒数N* CUT に設定され、実燃料カ
ット気筒数NCUTは、実際に何れの気筒にも燃料カット
を行わない“0気筒”となった。一方、前記目標サブス
ロットル開度θ* S(n)は、前述と同様に負値の領域で緩
やかに増加しているものの、実際の実サブスロットル開
度θS は前記所定開度θS0で規制されたままであり、前
記所定の漏れ空気量がエンジンに吸入されている。そし
て、実際のエンジンコントロールユニットは、前記大き
なアクセルペダルの踏込み量,即ちメインスロットル開
度及びエアフローメータによる吸入空気量に応じた燃料
噴射を継続することとなり、比較的小さな値ではあるが
エンジントルクは出力され続ける。これにより、前記時
刻t15以後、平均後輪加速度V'wR は負値の領域で加速
度的に増加し、これに伴って平均後輪速VwR の減少率
が小さくなる。すると、主としてこの平均後輪速VwR
に支配される目標サブスロットル開度θ * S(n)の増加率
が小さくなってしまうことになる。
【0058】このようにエンジンの出力トルクは次第に
大きくなってしまうから、平均後輪加速度V'wR は負値
の領域から“0”を経て、緩やかではあるが正値の領域
で増加し始め、これに伴って平均後輪速VwR もゆっく
りと増加し始める。しかしながら、この平均後輪速Vw
R と車体速に等価な平均前輪速VwF との間のスリップ
量S(n) は、当該極低μ路面で車体を駆動するほど小さ
なものではなく若しくは当該極低μ路面で定常的に発生
するスリップ状態ではないため、当該車体速と等価な平
均前輪速VwF は殆ど又は全く増加しない。そして、こ
の平均後輪速VwR と平均前輪速VwF とのスリップ量
(n) が定常的に発生したまま、車両が十分に発進加速
できない状態が継続される。勿論、主としてこのスリッ
プ量S(n ) に支配される目標サブスロットル開度θ*
S(n)は、負値の領域で殆ど変化しなくなることになり、
サブスロットルバルブへの要求信号は全閉指令であるに
も係わらず、前記漏れ空気量によるエンジントルクが出
力されたままの状態が維持されている。この定常的なス
リップ量S(n) こそ、前記図4の演算処理のステップS
12で算出される、サブスロットルバルブからの漏れ空
気量によるエンジントルクE1 からサブスロットルバル
ブが全閉であると仮定したときのエンジントルクE0
減じた全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2によるもの
であり、この全閉時エンジントルク定常偏差ΔET2を低
減するために必要な(第2)目標燃料カット気筒数N*
2CUTが前記トルクダウン関数f2 で求められ、この第2
目標燃料カット気筒数N* 2CUT分に相当する気筒に燃料
カットを実行することで、当該全閉時エンジントルク定
常偏差ΔET2に相当するスリップ量S(n) を収束させる
ことができる。これを実行しない前記従来例では、こう
した極低μ路面での十分な発進加速性能が得られなくな
ることもある。
【0059】なお、上記実施例においては、車体速とし
て非駆動輪、つまり従動輪の車輪速を用いたが、これに
限定されるものではなく、例えばアンチスキッド制御装
置に使用する擬似車速演算手段を適用して擬似車速を算
出し、この擬似車速を車輪速に変換して従動輪の車輪
速、即ち車体速として使用するようにしてもよい。
【0060】また、上記実施例においては、後輪駆動車
に本発明の駆動力制御装置を適用した場合について説明
したが、前輪駆動車や四輪駆動車にも本発明を適用する
ことができる。但し、四輪駆動車の場合には、非駆動輪
すなわち従動輪が原則的に存在しないので、前述したよ
うにアンチスキッド制御装置に使用する擬似車速演算手
段を適用するようにすればよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両の駆動
力制御装置によれば、例えばスリップ状態検出値の比例
・積分値から第2のスロットルバルブの閉方向へのスロ
ットル開度制御量を算出設定し、同じくスリップ状態検
出値の比例・微分値から燃料カットすべきエンジンの気
筒数を算出設定するようなものであった場合に、第2の
スロットルバルブに対して全閉指令が出力されたとき
に、例えば当該第2のスロットルバルブからの吸入空気
量に相当する当該第2のスロットルバルブの実際の開度
と、全閉と考えられる第2のスロットルバルブの目標開
度との間で発生する内燃機関出力の定常偏差、即ち第2
のスロットルバルブからの漏れ空気がエンジンに吸入さ
れているときのエンジン出力とエンジンには全く空気が
吸入されていないと考えられるときのエンジン出力との
定常的な偏差などに応じて、そのエンジン出力定常偏差
に相当する駆動力分だけ当該内燃機関への燃料供給の停
止量又は減少量を設定することにより、本来はスリップ
量の増加が終了している極低μ路面での発進時にも適切
な燃料カットを継続することで、駆動輪へのバックトル
クを大きくして当該駆動輪のスリップを早期に収束し
て、安定して発進や加速を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の駆動力制御装置を適用した車両
の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す駆動力制御装置で第2のスロットル
バルブが全閉指令に対して完全に全閉にならず、漏れ空
気が発生する説明図である。
【図3】図1に示すトラクションコントロールユニット
の一例を示すブロック図である。
【図4】図3のトラクションコントロールユニットで実
行される駆動力制御の演算処理の一実施例を示すフロー
チャートである。
【図5】車体速と等価な平均前輪速に応じて図4の演算
処理で設定される駆動力制御開始閾値の一例を示す制御
マップである。
【図6】図4の演算処理による駆動力制御の作用を説明
するタイミングチャートである。
【図7】従来の駆動力制御の作用を説明するタイミング
チャートである。
【符号の説明】
10FL,10FRは前左右輪 10RL,10RRは後左右輪(駆動輪) 14は自動変速機 18はトルクコンバータ 20はエンジン(内燃機関) 21a〜21dは燃料噴射装置 28FL〜28RRは車輪速センサ 30はトラクションコントロールユニット 31はエンジンコントロールユニット 34はトランスミッションコントロールユニット 35はサブスロットルバルブ 36は吸気管路 38は排気管路 39はメインスロットルバルブ 41はエアフローメータ 42はスロットル開度センサ 45はステップモータ(アクチュエータ) 84はマイクロコンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットル開度を調整して駆動輪のスリ
    ップ状態を所定の状態に制御する場合に、当該スロット
    ル開度の目標値と実際のスロットル開度との間に発生す
    る内燃機関出力の定常偏差を、他の駆動力低減手段を用
    いて補償することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 所定の目標駆動輪速度に対する駆動輪の
    スリップ状態を検出する駆動輪スリップ状態検出手段
    と、当該駆動輪スリップ状態検出手段で検出された駆動
    輪のスリップ状態検出値の大きさに応じて、運転者によ
    って操作される第1のスロットルバルブとは個別に設け
    られた第2のスロットルバルブの開度を閉方向に制御し
    て内燃機関の出力を低減制御する第1の内燃機関出力制
    御手段及び内燃機関への燃料の供給を停止又は減少する
    ことにより当該内燃機関の出力を低減制御する第2の内
    燃機関出力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置に
    おいて、前記第2の内燃機関出力制御手段は、前記第1
    の内燃機関出力制御手段による第2のスロットルバルブ
    の目標開度と当該第2のスロットルバルブの実際の開度
    との間で発生する内燃機関出力の定常偏差に応じて当該
    内燃機関への燃料供給の停止量又は減少量を設定する内
    燃機関出力定常偏差補正手段を備えたことを特徴とする
    車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記内燃機関出力定常偏差補正手段は、
    前記第1の内燃機関出力制御手段が第2のスロットルバ
    ルブに対して全閉指令を出力したときに、前記内燃機関
    出力の定常偏差に応じた当該内燃機関への燃料供給の停
    止量又は減少量を設定する手段であることを特徴とする
    請求項2に記載の車両の駆動力制御装置。
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