JP4063169B2 - 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備える車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備える車両 Download PDF

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Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置は、車両周囲の状況(障害物)を検出し、その時点における潜在的リスクポテンシャルを求めている(例えば、特許文献1参照)。この車両用運転操作補助装置は、算出したリスクポテンシャルに基づいて操舵補助トルクを制御することにより、不慮の事態に至ろうとする操舵操作を抑制する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開平10−211886号公報 特開平10−166889号公報 特開平10−166890号公報
このような車両用運転操作補助装置にあっては、どの障害物を反力制御の対象としているかを運転者が容易に理解できるようにしながら、自車両周囲のリスクポテンシャルを車両操作機器の操作反力として確実に運転者に伝達することが望まれている。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両の前方領域を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された前方領域の画像から、車線境界を検出する車線境界検出手段と、画像における2本の垂直線が車線境界とそれぞれ交わる交点までの、2本の垂直線の長さを検出する車線境界距離検出手段と、車線境界距離検出手段によって検出される2本の垂直線の長さに基づいて、自車両が車線境界上の2点に接触するまでの余裕時間をそれぞれ算出する余裕時間算出手段と、余裕時間算出手段によって算出される2つの余裕時間に基づいて、車両操作機器の操作反力を制御する操作反力制御手段とを備え、2本の垂直線は、車線境界を検出するために設定された2つの車線境界検出方向に対応する画像における2つの水平方向位置からそれぞれ鉛直方向に延びる線である。
撮像手段によって撮像される自車両前方領域の画像において、2本の垂直線と車線境界との交点までの垂直線の長さを検出し、それらの長さに基づいて自車両が車線境界上の2点に接触するまでの余裕時間を算出する。これにより、自車両前方領域の画像からのみ車線境界に対する余裕時間を算出し、車両操作機器の操作反力制御を行うことができる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。
前方カメラ20は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50へと出力する。前方カメラ20による検知領域は自車両正面に対して水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。
車速センサ30は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ50に出力する。操舵角センサ40は、ステアリングホイール62の操舵角を検出する。検出された操舵角はコントローラ50に出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、車両用運転操作補助装置1の全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ30から入力される自車速と、前方カメラ20から入力される車両周辺の画像情報とから、自車両周囲の障害物状況を検出する。なお、コントローラ50は、前方カメラ20から入力される画像情報を画像処理することにより、自車両周囲の障害物状況を検出する。
コントローラ50は、検出した障害物状況に基づいて各障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出し、リスクポテンシャルに応じた車両操作機器の反力制御を行う。コントローラ50において実行する画像処理および画像処理認識結果を用いた反力制御については、後述する。
操舵反力制御装置60は、車両の操舵系に組み込まれ、コントローラ50からの指令に応じてサーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61は、操舵反力制御装置60からの指令値に応じて発生させるトルクを制御し、運転者がステアリングホイール62を操作する際に発生する操舵反力を任意に制御することができる。
アクセルペダル反力制御装置80は、コントローラ50からの信号に応じてサーボモータ81で発生させるトルクを制御する。サーボモータ81は、アクセルペダル操作反力制御装置80からの指令値に応じて発生させるトルクおよび回転角を制御し、運転者がアクセルペダル82を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。
アクセルペダル反力制御を行わない場合の、通常のアクセルペダル反力特性は、例えばアクセルペダル操作量が大きくなるほどアクセルペダル反力Fがリニアに増加するように設定されている。通常のアクセルペダル反力特性は、例えばアクセルペダル82の回転中心に設けられたねじりバネ(不図示)のバネ力によって実現することができる。
ブレーキペダル反力制御装置90は、コントローラ50からの指令に応じて、ブレーキブースタ91で発生させるブレーキアシスト力を制御する。ブレーキブースタ91は、ブレーキペダル反力制御装置90からの指令値に応じて発生させるブレーキアシスト力を制御し、運転者がブレーキペダル92を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。ブレーキアシスト力が大きいほどブレーキペダル操作反力は小さくなり、ブレーキペダル92を踏み込みやすくなる。
次に第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。その動作の概略を以下に述べる。
コントローラ50は、自車両周囲に存在する障害物、例えばレーンマーカに対するリスクポテンシャルを算出する。そして、リスクポテンシャルに応じて操舵反力、アクセルペダル反力およびブレーキペダル反力を制御し、車両前後方向および左右方向の反力制御を行う。
ここで、例えば自車両の周囲360°の範囲に存在する障害物に対してそれぞれリスクポテンシャルを算出する場合を考える。この場合、自車両周囲の全障害物に対するリスクポテンシャルを前後方向および左右方向の成分毎に積分することにより、前後方向および左右方向の総合的なリスクポテンシャルを算出できる。前後方向および左右方向の総合的なリスクポテンシャルに応じた反力制御量により、前後/左右の連続的な反力制御を行うことができる。
ただし、このように自車両周囲に存在する全ての障害物を検出し、各障害物に対するリスクポテンシャルを総合して前後/左右の反力制御を行った場合、実際に反力制御の対象となっている障害物が何であるかを、運転者が理解しづらくなってしまう。また、前後方向および左右方向の総合的なリスクポテンシャルを算出するための処理が複雑になるとともに、前後方向および左右方向における反力制御のバランスを適切に設定することが困難である。
そこで、第1の実施の形態においては、自車両の前方に障害物を検出するための2方向を設定し、設定した障害物検出方向上に存在する障害物に対するリスクポテンシャルをそれぞれ算出する。そして、2つの障害物に対するリスクポテンシャルを比較し、前後方向および左右方向の反力制御量のバランスを適切に設定する。
第1の実施の形態においては、前方カメラ20からの画像情報に基づいて2つの障害物検出方向上に存在するレーンマーカを検出する。そして、障害物検出方向、すなわち車線境界検出方向上に存在するレーンマーカに対する自車両のリスクポテンシャルに応じて、車両前後方向および左右方向の反力制御を行う。
以下に、第1の実施の形態において、どのように反力制御量、すなわち操舵反力制御、アクセルペダル反力制御およびブレーキペダル反力制御を行う際の反力制御指令値を決定するかについて、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
−コントローラ50の処理フロー(図3)−
まず、ステップS110で走行状態を読み込む。ここでは、車速センサ30によって検出される自車速V、および操舵角センサ40によって検出される操舵角STRを読み込む。ステップS120では、前方カメラ20によって検出される自車両前方領域の画像情報を読み込む。
ステップS130では、車線境界検出方向を決定する。具体的には、図4に示すように、2つの車線境界検出方向の中心線を決定する中心角θcと、中心線と各検出方向とがなす開き角αとをそれぞれ算出する。具体的には、ステップS110で検出した自車速Vと操舵角STRから自車両のおよその進行方向を推定し、自車両正面に対する進行方向にほぼ一致する角度を中心角θcとする。自車両の進行方向は操舵角STRに比例し、自車速Vにほぼ反比例するため、操舵角STRが大きくなるほど中心角θcは大きくなり、反対に自車速Vが大きくなるほど中心角θcは小さくなる。
開き角αは、自車速Vに応じて決定する。図5に、自車速Vと開き角αの関係を示す。開き角αは、操舵角STRが微小角度だけ変化したときに予測される自車両の進行方向の変化を示している。自車速Vが大きくなるほど操舵角STRの変化に対する進行方向の変化は小さいため、図5に示すように、自車速Vが大きくなるほど開き角αは小さくなるよう設定される。
コントローラは、算出した中心角θcと開き角αとから、自車両正面に対する2つの車線境界検出方向θL、θRを決定する。図4に示す走行状況においては、右側の車線境界検出方向θR=θc+α、左側の車線境界検出方向θL=α−θcで表される。
ステップS140では、ステップS120で読み込んだ自車両前方領域の画像情報に画像処理を施し、レーンマーカ、すなわち車線境界を認識する。つづくステップS150では、自車両前方領域の画像情報を用いて、自車両から2つの車線境界検出方向上にあるレーンマーカまでの距離Dを算出する。ここで、右側の車線境界検出方向上のレーンマーカまでの距離DをDR、左側の車線境界検出方向上のレーンマーカまでの距離DをDLとする。以下に、前方カメラ20の画像を用いて自車両とレーンマーカとの距離DL、DRを検出する方法について説明する。
図6は、前方カメラ20によって検出される自車両前方領域の画像(カメラ画面)である。図6に示すカメラ画面において、水平方向にX軸、鉛直方向にY軸をとる。コントローラ50は、カメラ画面上で、ステップS130で設定した2つの車線境界検出方向θL、θRに対応するX座標XL、XRを決定する。そして、コントローラ50は、X座標値XL、XRにおける水平エッジの画面下端からの上下位置、すなわちレーンマーカのY座標値YL、YRをそれぞれ算出し、自車両からレーンマーカまでの距離DL、DRを算出する。
2つの車線境界検出方向θL、θRに対応するX座標XL、XRは、以下の(式1)(式2)を用いて設定することができる。
XL=k・θL ・・・(式1)
XR=k・θR ・・・(式2)
(式1)(式2)において、kは角度θL、θRをカメラ画面のX座標に変換するための定数である。
レーンマーカまでの距離DL、DRを算出する方法について、図7,8を用いてより詳細に説明する。ここでは、自車両前方のレーンマーカ位置60までの距離Dを算出する場合を例として説明する。図7は、自車両とレーンマーカ位置60との位置関係を示す側面図である。図8は、前方カメラ20のカメラ画面を示す。レーンマーカ位置60は、図8に示すカメラ画面において座標値X0の垂直線とレーンマーカとの交点として表される。カメラ画面における座標値X0の垂直線の長さ、すなわちレーンマーカ位置60のY座標値YEを用いて、自車両からレーンマーカまでの距離Dを算出することができる。
レーンマーカ位置60までの距離Dを算出する際に用いるパラメータは、以下の通りである。
Hc:前方カメラ20の取付高さ(m、固定値)。
D0:車体の前端と前方カメラ20の取付位置との前後方向距離(m、固定値)。
DC:前方カメラ20からレーンマーカ位置60までの距離(m)。
Y0:カメラ画面内で無限遠点(水平方向)を示すY座標値(固定値)。
YE:カメラ画面内でのレーンマーカ位置60のY座標値。
dY:カメラ画面内における、レーンマーカ位置60の無限遠点に対する相対Y座標値。
Hc、D0,Y0は固定値であり、予めコントローラ50のメモリに記憶されている。距離DC、およびY座標値dYは、それぞれ以下の(式3)(式4)で表される。
DC=D+D0 ・・・(式3)
dY=Y0−YE ・・・(式4)
ここで、前方カメラ20のY座標値1当たりの角度分解能Δθ(rad)を用いると、図7および図8に示す幾何学的関係より、以下の(式5)が成立する。
dY=Hc/DC/Δθ ・・・(式5)
(式3)〜(式5)を整理すると、以下の(式6)を得る。
D=HC/(Y0−YE)/Δθ−D0 ・・・(式6)
カメラ画面から求められるY座標値Y0,YEを用いて、(式6)よりレーンマーカ位置60までの距離Dを算出することができる。コントローラ50は、図6に示すX座標XL、XRにおいて上述したようにレーンマーカまでの距離DL、DRを算出する。
ステップS160では、ステップS150で算出した距離DL、DRを用いて、2つの車線境界検出方向上のレーンマーカに対する余裕時間TTC(Time To Contact)をそれぞれ算出する。コントローラ50は、レーンマーカまでの距離D(DL、DR)を自車速Vで除することにより、以下の(式7)から余裕時間TTCを算出することができる。
TTC=D/V ・・・(式7)
余裕時間TTCは、レーンマーカに対する現在の自車両の接近度合を示す物理量である。余裕時間TTCは、自車両が距離Dにあるレーンマーカに到達するまでの時間を示す値であり、レーンマーカは道路に固定されているので、距離Dを自車速Vで除することにより算出できる。ここで、2つの車線境界検出方向において右側のライン上に存在するレーンマーカに対する余裕時間TTCをTTCR、左側のライン上に存在するレーンマーカに対する余裕時間TTCをTTCLとする。
ステップS170では、ステップS160で算出した左右の余裕時間TTCR、TTCLを比較し、左右いずれのレーンマーカに対する余裕時間TTCが小さいかを判定する。右側のレーンマーカに対する余裕時間TTCRが左側のレーンマーカに対する余裕時間TTCLよりも小さい場合は、ステップS180へ進む。
ステップS180では、小さい方の右側の余裕時間TTCRに基づいて、左右方向のリスクポテンシャルRPlateralを算出する。図9に、余裕時間TTCと左右方向リスクポテンシャルRPlateralとの関係を示す。図9に示すように、余裕時間TTCが小さくなり自車両とレーンマーカとの接近度合が大きくなるほど、左右方向リスクポテンシャルRPlateralが大きくなる。余裕時間TTCが所定値TTC1よりも小さいときは、左右方向リスクポテンシャルRPlateralは所定値RPmに固定される。
つづくステップS190では、大きい方の左側の余裕時間TTCLが所定値T0よりも小さいか否かを判定する。左側の余裕時間TTCLが所定値T0よりも小さい場合は、ステップS200へ進む。ステップS200では、左側の余裕時間TTCLに基づいて前後方向のリスクポテンシャルRPlongitudinalを算出する。図10に、余裕時間TTCと前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalとの関係を示す。図10に示すように、余裕時間TTCが小さくなり自車両とレーンマーカとの接近度合が大きくなるほど、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalが大きくなる。余裕時間TTCが所定値TTC2よりも小さいときは、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalは所定値RPnに固定される。
ステップS190が否定判定され、大きい方の左側の余裕時間TTCLが所定値T0以上の場合は、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalは算出しない。すなわち、余裕時間TTCが所定値T0以上の場合には自車両とレーンマーカとの接近度合が小さいと判断し、前後方向の反力制御は行わないこととする。ここで、所定値T0は例えば7秒程度に設定する。
一方、ステップS170で、左側のレーンマーカに対する余裕時間TTCLが右側のレーンマーカに対する余裕時間TTCR以下であると判定されると、ステップS210へ進む。ステップS210では、小さい方の左側の余裕時間TTCLに基づいて、左右方向のリスクポテンシャルRPlateralを算出する。ここでは、ステップS180と同様に図9のマップを用いて、左側の余裕時間TTCLに応じた左右方向リスクポテンシャルRPlateralを算出する。
つづくステップS220では、大きい方の右側の余裕時間TTCRが所定値T0よりも小さいか否かを判定する。右側の余裕時間TTCRが所定値T0よりも小さい場合は、ステップS230へ進む。ステップS230では、右側の余裕時間TTCRに基づいて前後方向のリスクポテンシャルRPlongitudinalを算出する。ここでは、ステップS200と同様に図10を用いて、右側の余裕時間TTCRに応じた前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出する。ステップS220が否定判定され、大きい方の右側の余裕時間TTCRが所定値T0以上の場合は、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalは算出せず、前後方向の反力制御を行わないようにする。
ステップS240では、ステップS200またはステップS230で算出した前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalに基づいて、前後方向制御指令値、すなわちアクセルペダル反力制御装置80へ出力する反力制御指令値FAと、ブレーキペダル反力制御装置90へ出力する反力制御指令値FBとを算出する。前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalに応じて、リスクポテンシャルが大きいほど、アクセルペダル82を戻す方向へ制御反力を発生させ、また、ブレーキペダル92を踏み込みやすい方向へ制御反力を発生させる。これにより、運転者の操作をアクセルペダル操作からブレーキペダル操作へと促す。
図11に、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalとアクセルペダル反力制御指令値FAとの関係を示す。図11に示すように、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalが大きくなるほど、アクセルペダル反力が大きくなるようにアクセルペダル反力制御指令値FAが増加する。前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalが所定値RPmax以上となると、最大のアクセルペダル反力を発生させるようにアクセルペダル反力制御指令値FAを最大値FAmaxに固定する。
図12に、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalとブレーキペダル反力制御指令値FBとの関係を示す。図12に示すように、所定値RPmax以上で前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalが大きくなるほど、ブレーキペダル反力を小さく、すなわちブレーキアシスト力を大きくするようにブレーキペダル反力制御指令値FBが小さくなる。
なお、ステップS190またはステップS220が否定判定された場合は前後方向の反力制御は行わず、アクセルペダル82およびブレーキペダル92にはそれぞれの操作量に応じた通常のペダル反力が発生する。
ステップS250では、ステップS180またはステップS210で算出した左右方向リスクポテンシャルRPlateralから、左右方向制御指令値、すなわち操舵反力制御装置60へ出力する操舵反力制御指令値FSを算出する。左右方向リスクポテンシャルRPlateralに応じて、リスクポテンシャルが大きいほどステアリングホイール62を中立位置へと戻す方向へ大きな操舵反力を発生させる。
図13に、左右方向リスクポテンシャルRPlateralと操舵反力制御指令値FSとの関係を示す。図13に示すように、左右方向リスクポテンシャルRPlateralが大きくなるほど操舵反力制御指令値FSが大きくなり、ステアリングホイール62を中立位置へ戻す方向の操舵反力が大きくなる。なお、図13において、右側の車線境界検出方向上に存在するレーンマーカに対する左右方向リスクポテンシャルRPlateralはプラスの領域に示し、左側の車線境界検出方向上に存在するレーンマーカに対する左右方向リスクポテンシャルRPlateralはマイナスの領域に示している。
ステップS260では、ステップS240で算出した前後方向制御指令値FA、FBをアクセルペダル反力制御装置80およびブレーキペダル反力制御装置90に出力し、ステップS250で算出した左右方向制御指令値FSを操舵反力制御指令値60に出力する。これにより、今回の処理を終了する。
図14(a)(b)に、第1の実施の形態の作用を説明するための図を示す。図14(a)は自車両が直線路を走行している状態を示し、図14(b)は自車両がカーブ路を走行している状態を示している。
図14(a)に示す走行状況において、自車両は自車線の左寄りを直進している。自車両の進行方向はほぼ自車両正面であるため、中心角θcは0となり、開き角αは自車両正面に対して左右にα°である。中心角θcと開き角αによって設定された2つの車線境界検出方向上には、自車両右側および左側のレーンマーカが存在する。そこで、コントローラ50はそれぞれのレーンマーカに対する余裕時間TTCR、TTCLを算出する。
図14(a)に示すように自車両は自車線の左寄りを走行しているため、左側のレーンマーカに対する余裕時間TTCLが右側のレーンマーカに対する余裕時間TTCRよりも小さくなる。したがって、コントローラ50は、左側の余裕時間TTCLに基づいて左右方向リスクポテンシャルRPlateralを算出し、左右方向リスクポテンシャルRPlateralに応じて操舵反力を制御する。また、右側の余裕時間TTCRが所定値T0よりも小さい場合、コントローラ50は、余裕時間TTCRに基づいて前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出し、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalに応じてアクセルペダル反力制御およびブレーキペダル反力制御を行う。
これにより、左側のレーンマーカに対応する操舵反力が発生し、また、右側のレーンマーカに対応するアクセルペダル反力およびブレーキペダル反力が発生する。このように前後および左右のバランスを適切に設定した操作反力が発生し、運転者の運転操作を適切な方向へ促す。なお、図14(a)に示すような走行状況においては右側の余裕時間TTCRが比較的大きいため、車両前後方向の反力制御量は小さくなる。したがって、反力制御を行うことによって運転者のアクセルペダル操作およびブレーキペダル操作を妨げるほどの操作反力は発生しない。
図14(b)に示す走行状況において、自車両はカーブ路走行中に自車線から逸脱しようとしている。自車両の進行方向はほぼ自車両正面であるため、中心角θcは0となり、開き角αは自車両正面に対して左右にα°である。中心角θcと開き角αによって設定された2つの車線境界検出方向上には、自車線左側のレーンマーカが存在する。そこで、コントローラ50は2つの車線境界検出方向上のレーンマーカに対する余裕時間TTCR、TTCLをそれぞれ算出する。
図14(b)に示すように自車両は右カーブから左側に逸脱しようとしているため、左側の余裕時間TTCLが右側の余裕時間TTCRよりも小さくなる。したがって、コントローラ50は、左側の余裕時間TTCLに基づいて左右方向リスクポテンシャルRPlateralを算出し、左右方向リスクポテンシャルRPlateralに応じて操舵反力を制御する。また、右側の余裕時間TTCRが所定値T0よりも小さい場合、コントローラ50は、余裕時間TTCRに基づいて前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出し、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalに応じてアクセルペダル反力制御およびブレーキペダル反力制御を行う。これにより、自車両に近い左側の車線境界検出方向上のレーンマーカに対応する操舵反力が発生し、また、自車両から遠い右側の車線境界検出方向上のレーンマーカに対応するアクセルペダル反力およびブレーキペダル反力が発生する。
したがって、図14(b)に示すように自車両がカーブから逸脱しようとしている場合には、ステアリングホイール62を戻す方向に操舵反力が発生し、運転者の運転操作を適切な方向へ促す。このとき、右側の余裕時間TTCRが比較的大きい場合は車両前後方向の反力制御量は小さい。自車両が前進をつづけてレーンマーカに一層接近すると、左側の余裕時間TTCLおよび右側の余裕時間TTCRがともに小さくなり、車両左右方向および前後方向の反力制御量が大きくなる。これにより、自車両がカーブから逸脱しないように操舵反力を発生させるとともに、運転者による減速操作を促す。このように前後および左右の反力制御のバランスを適切に設定して反力制御を行う。
図15および図16に、第1の実施の形態による他の作用を説明するための図を示す。ここでは、自車両が坂道を走行する場合に、前方カメラ20の画像から検出されるレーンマーカまでの距離に基づく前後方向反力制御の作用について説明する。図15(a)〜(e)は、自車両が上り坂を走行する場合の前方カメラ20のカメラ画面の変化および前後方向制御指令値の変化を示す。図16(a)〜(e)は、自車両が下り坂を走行する場合の前方カメラ20のカメラ画面の変化および前後方向制御指令値の変化を示す。
図15(a)に示すように、自車両が平坦な道路から上り坂に進入する場合、前方カメラ20のカメラ画面における無限遠点(水平方向)は、矢印で示すようにカメラ画面の上方へ移動する。これにより、カメラ画面における車線境界検出方向上のレーンマーカのY座標値が増加する。上述したように、レーンマーカのY座標値はカメラ画面の下端から算出され、カメラ画面における無限遠点のY座標値Y0は固定値である。従って、レーンマーカのY座標値および無限遠点のY座標値を用いて算出される、自車両から車線境界検出方向上のレーンマーカまでの距離Dが増加し、レーンマーカまでの余裕時間TTCも増加する。余裕時間TTCの増加により前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalが減少するため、前後方向制御指令値が減少する。
したがって、自車両が上り坂に進入する場合は、道路勾配に応じてカメラ画面の画像状態が変化し、前後方向制御指令値が自動的に減少する。これにより、アクセルペダル82を操作する際に発生するアクセルペダル反力が減少し、自車両が上り坂に進入する際に加速を促すことができる。なお、上述したように、2つの車線境界検出方向上のレーンマーカに対する余裕時間TTCがともに所定値T0未満の場合のみ、前後方向反力制御を行う。
図15(b)に示すように自車両が上り坂に進入した後は、道路勾配に対して自車両の車体が平行になるため、カメラ画面における無限遠点は矢印で示すようにカメラ画面のほぼ中間に復帰する。これに伴って、上り坂進入時に増加したレーンマーカのY座標値が、道路勾配の影響を受けない値、すなわち通常の値に復帰する。これにより、上り坂進入時に減少していた前後方向制御指令値は、自車両が平坦な道路を走行する場合と同様な通常の値に復帰する。
したがって、図15(b)および図15(c)に示すように自車両が上り坂の途中を走行している場合は、道路勾配の影響を受けることなくレーンマーカのY座標値が算出される。これにより、自車両が平坦な道路を走行している場合と同様に、レーンマーカまでの正確な距離Dを用いて前後方向制御指令値が算出される。
図15(d)に示すように自車両が上り坂から抜け出す場合、前方カメラ20のカメラ画面における無限遠点は矢印で示すようにカメラ画面の下方へ移動する。これに伴い、レーンマーカまでのY座標値が低下し、レーンマーカに対する余裕時間TTCが減少する。このように、自車両が上り坂から抜け出す場合は、道路勾配の変化に応じてカメラ画面の画像状態が変化し、前後方向制御指令値が自動的に増加する。これにより、アクセルペダル82を操作する際に発生するアクセルペダル反力が増加し、上り坂から平坦な道路へ移行する際に自車両の減速を促すことができる。
図15(e)に示すように自車両が上り坂を抜け出した後は、カメラ画面における無限遠点が矢印で示すようにカメラ画面のほぼ中間に復帰し、レーンマーカまでのY座標値が通常の値に復帰する。これにより、レーンマーカまでの正確な距離Dを用いて前後方向制御指令値が算出され、上り坂から抜け出すときに増加した前後方向制御指令値は通常の値に復帰する。
一方、図16(a)に示すように自車両が平坦な道路から下り坂に進入する場合は、前方カメラ20のカメラ画面における無限遠点が矢印で示すようにカメラ画面の下方へ移動する。これに伴ってレーンマーカのY座標値が低下し、レーンマーカまでの余裕時間TTCが減少して前後方向制御指令値が自動的に増加する。これにより、アクセルペダル反力が増加し、下り坂に進入する際に自車両の減速を促すことができる。
図16(b)に示すように自車両が下り坂に進入した後は、カメラ画面における無限遠点が矢印で示すようにほぼ中間に復帰する。これにより、レーンマーカのY座標値が通常の値に復帰し、下り坂進入時に増加した前後方向制御指令値は、レーンマーカまでの正確な距離Dから算出される通常の値に復帰する。
従って、図16(b)および図16(c)に示すように自車両が下り坂の途中を走行している場合は、道路勾配の影響を受けることなくレーンマーカのY座標値が算出される。これにより、平坦な道路を走行する場合と同様にレーンマーカまでの正確な距離Dを用いて前後方向制御指令値が算出される。
図16(d)に示すように自車両が下り坂から抜け出す場合は、カメラ画面における無限遠点が矢印で示すようにカメラ画面の上方へ移動する。これに伴って、レーンマーカまでのY座標値が増加し、レーンマーカまでの余裕時間TTCが増加して前後方向制御指令値が自動的に減少する。これによりアクセルペダル反力が減少し、下り坂から抜け出す際に自車両の加速を促すことができる。
図16(e)に示すように自車両が下り坂を抜け出した後は、カメラ画面における無限遠点が矢印で示すようにカメラ画面のほぼ中間に復帰し、レーンマーカまでのY座標値が通常の値に復帰する。これにより、レーンマーカまでの正確な距離Dを用いて前後方向制御指令値が算出され、下り坂から抜け出すときに減少した前後方向制御指令値は通常の値に復帰する。
なお、以上説明した道路勾配による反力制御指令値の変化は、前後方向だけでなく左右方向の反力制御指令値にも当てはまる。
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、前方カメラ20の画像に画像処理を施して車線境界を認識し、図6に示すように前方画像において2本の垂直線が車線境界とそれぞれ交わる交点までの2本の垂直線の長さYL、YRを検出する。垂直線の長さYL、YRを用いて上述した(式6)より車線境界上の2点までの距離DL、DRを算出することができる。そしてコントローラ50は、距離DL、DRを用いて自車両が車線境界上の2点に接触するまでの余裕時間TTCL、TTCRをそれぞれ算出し、余裕時間TTCL、TTCRに基づいて車両操作機器の操作反力を制御する。これにより、自車両から車線境界までの距離を検出するセンサ等を設けることなく、前方カメラ20からの画像情報のみに基づいて車線境界までの距離Dを検出することができる。
(2)図15および図16を用いて説明したように、自車両が坂道に進入するとき、あるいは坂道から抜け出すときは、自車線の道路勾配の変化により前方カメラ20のカメラ画面において無限遠点が上下方向に移動する。カメラ画面における無限遠点のY座標値Y0を固定値とすることにより、自車両が坂道に進入または抜け出すときに算出される自車両から車線境界までの距離Dが道路勾配の変化に応じて変化し、余裕時間TTCおよび反力制御指令値が自動的に変化する。これにより、図15(a)に示すように自車両が上り坂に進入する場合は前後方向制御指令値が減少して運転者の加速を促すとともに、アクセルペダル反力の変化に対して運転者が敏感になっている状況で運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。また、図15(d)に示すように自車両が上り坂から抜け出す場合は前後方向制御指令値が増加し、運転者の減速を促すことができる。一方、図16(a)に示すように自車両が下り坂に進入する場合は前後方向制御指令値が増加して運転者の減速を促すとともに、アクセルペダル反力の変化に対して運転者が鈍感になっている状況で運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。
(3)コントローラ50は、自車両に対する2つの車線境界検出方向上のレーンマーカまでの距離DL、DRを検出し、それぞれのレーンマーカに対する余裕時間TTCL、TTCRを算出する。そして、算出した余裕時間TTCL、TTCRのうち、小さい方の第1の余裕時間に基づいて左右方向リスクポテンシャルRPlateralを算出し、車両左右方向の反力制御を行う。また、大きい方の第2の余裕時間に基づいて前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出し、車両前後方向の反力制御を行う。これにより、簡単な手法により車両前後方向および左右方向の反力制御を両立させるとともに、前後方向および左右方向の反力制御のバランスを適切に設定することができる。
(4)コントローラ50は、大きい方の第2の余裕時間が所定値T0よりも小さい場合に、車両前後方向の反力制御を行う。これにより、自車両とレーンマーカとの接近度合が大きい場合には、操舵角を戻すように操舵反力制御を行うとともに減速操作を促し、運転者の運転操作を適切な方向へ導くことができる。
(5)コントローラ50は、自車両の走行状態に応じて自車両の前方に2つの車線境界検出方向を設定するので、自車両周囲のレーンマーカを適宜検出し、走行状況に応じた操作反力制御を行うことができる。なお、自車両正面に対する車線境界検出方向のなす角度θR、θLは、(式1)(式2)に表すように、前方カメラ20のカメラ画面における水平方向位置、すなわちX座標値XL、XRに対応する。
(6)コントローラ50は、自車速Vに応じて自車両の進行方向に対する車線境界検出方向の開き角α、すなわちカメラ画面におけるX座標値XL、XRの間隔を設定する。これにより、自車速Vから予測される自車両の進行方向に応じて2つの車線境界検出方向を設定し、自車両の走行に影響を与えるレーンマーカを適切に検出することができる。
(7)コントローラ50は、自車速Vおよび操舵角STRに基づいて自車両の概略の進行方向を推定し、進行方向に応じて2つの車線境界検出方向の中心角θc、すなわちカメラ画面におけるX座標値XL、XRの中心を設定する。これにより、自車両周囲のレーンマーカを検出するための車線境界検出方向を適切に設定することができる。なお、上記実施の形態においては自車速Vおよび操舵角STRに基づいて中心角θcを設定したが、いずれか一方に基づいて中心角θcを設定することもできる。ただし、自車速Vおよび操舵角STRの両方を用いることにより、自車両の進行方向をより正確に推定することができる。
《第2の実施の形態》
つぎに、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
前方カメラ20によって撮像される自車両前方領域の画像は、自車両の車両状態に応じて変化する。すなわち、前方カメラ20は自車両に固定されているため、道路に対する自車両の姿勢が変化すると、前方カメラ20によるカメラ画面の画像も自車両の姿勢に伴って変化する。
図17に、自車両が右カーブを走行しているときの前方カメラ20のカメラ画面の画像を示す。図17のカメラ画面において、自車両がロールした場合のレーンマーカおよび無限遠点(水平方向)を実線で示し、自車両がロールしていない場合のレーンマーカおよび無限遠点を点線で示す。
自車両が図17に示すような右カーブを走行するとき、カーブに伴って自車両には左向きの横加速度が発生し、自車両は左、すなわち反時計回りにロールする。これによって、図17に示すように前方カメラ20のカメラ画面では、点線で示すロールしていないときの画像に対して、実線で示すように画像が時計回りに回転する。その結果、2つの車線境界検出方向上のレーンマーカ位置のY座標値がそれぞれ変化する。具体的には、車線境界検出方向に対応するX座標値XL、XRにおけるレーンマーカ位置のY座標値YL、YRが、それぞれ以下のように変化する。
・YL → YL’(増加)
・YR → YR’(減少)
自車両に発生するロール角に応じてレーンマーカの各検出座標値YL、YRが変化すると、各車線境界検出方向上のレーンマーカまでの距離DL、DRが変化する。これにより、余裕時間TTCL、TTCRが変化して、前後方向および左右方向の反力制御指令値も変化する。図17に示すような状況においては、Y座標値YLの増加に伴って前後方向制御指令値、とくにアクセルペダル反力制御指令値FAが減少する。また、Y座標値YRの減少に伴って左右方向制御指令値FSが増加する。
そこで第2の実施の形態においては、前方カメラ20の画像情報から算出するレーンマーカまでの距離Dおよび余裕時間TTCを、カーブを走行する場合等に自車両に発生するロール角に応じて補正する。以下に、自車両がロールする場合の補正方法について詳細に説明する。
自車両に発生するロール角φを算出するために、まず、自車両に発生する横加速度YGを算出する。自車両が旋回中の横加速度YGは、操舵角STRおよび自車速Vの2乗の積に比例する。従って、横加速度YGは定数k1を用いて以下の(式8)より推定することができる。
YG=k1・STR・V ・・・(式8)
自車両に発生するロール角φの大きさは、横加速度YGの大きさにほぼ比例する。従って、ロール角φは定数k2を用いて以下の(式9)より算出することができる。
φ=k2・YG
=k2・k1・STR・V ・・・(式9)
(式9)により算出したロール角φを用いて、カメラ画面から得られる各レーンマーカの検出座標値YL’、YR’を補正し、ロール角φの影響を排除したレーンマーカのY座標値YL、YRを算出する。補正したレーンマーカのY座標値YL、YRを以下の(式10)(式11)に示す。
YL=YL’−XL・φ ・・・(式10)
YR=YR’+XR・φ ・・・(式11)
カメラ画面から検出したY座標値YL’、YR’を(式10)(式11)に代入し、補正したY座標値YL、YRを用いて、上述した第1の実施の形態と同様に(式6)からレーンマーカまでの距離DL、DRを算出することができる。
ここでは、自車両が反時計回りにロールすることによって左側の車線境界検出方向上のレーンマーカのY座標値YL’が増加し、右側の車線境界検出方向上のレーンマーカのY座標値YR’が減少する場合を例として説明した。ただし、反対に自車両が右、すなわち時計回りにロールする場合も同様に、レーンマーカのY座標値YL、YRを補正することができる。すなわち、カメラ画面におけるレーンマーカの検出座標値YL’が減少し、検出座標値YR’が増加する場合は、検出座標値YL’にX座標値XLとロール角φとの積を加算し、検出座標値YX’からX座標値XRとロール角φとの積を減算することにより、レーンマーカのY座標値を補正することができる。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、自車両の車両状態の変化によるカメラ画面の画像状態から、車線境界検出方向上のレーンマーカに対する余裕時間TTCを補正する。具体的には、コントローラ50は、自車速Vと操舵角STRから自車両に発生するロール角φを算出し、ロール角φによるカメラ画面の画像状態の変化に基づいてレーンマーカに対する余裕時間TTCを補正する。これにより、車両状態によらず、正確な余裕時間TTCを算出することができる。
(2)コントローラ50は、図17に示すように自車両に発生するロール角φに応じて、カメラ画面の画像における2本の垂直線の長さYL、YRを補正することにより、レーンマーカに対する余裕時間TTCL、TTCRを補正する。すなわち画像における2本の垂直線の長さYL、YRを補正して自車両からレーンマーカまでの距離DL、DRを補正し、ロール角φによらずに正確な余裕時間TTCL、TTCRを算出することができる。
《第3の実施の形態》
つぎに、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第3の実施の形態による車両運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第1の実施の形態において図15(a)〜(e)および図16(a)〜(e)を用いて説明したように、前方カメラ20による画像を用いてレーンマーカまでの距離Dを算出する場合、道路勾配の変化にカメラ画面におけるレーンマーカのY座標値が変化し、前後方向制御指令値が自動的に変化する。
第3の実施の形態においては、道路勾配の変化によって車両前後方向の反力制御指令値が変化しないようにする。具体的には、自車両が上り坂あるいは下り坂から抜け出すときに、道路勾配に応じて前後方向制御指令値が自動的に変化しないようにする。なお、自車両が上り坂あるいは下り坂に進入する場合は、道路勾配に応じて前後方向制御指令値を自動的に変化させる。
自車線の道路勾配に応じて前後方向制御指令値が変化しないようにするために、コントローラ50は前方カメラ20による画像から算出するレーンマーカまでの距離Dを補正する。上述した第1の実施の形態においては、図8に示すカメラ画面における無限遠点のY座標値Y0を固定値とした。第3の実施の形態においては、自車両が上り坂あるいは下り坂から抜け出す場合に、カメラ画面における無限遠点のY座標値Y0を道路勾配に応じて変更する。なお、レーンマーカまでの距離Dの補正は、上述した図3のフローチャートのステップS150における車線境界距離算出の処理において実行される。
そこで、コントローラ50は、前方カメラ20による画像に画像処理を施し、カメラ画面内の2本あるいは3本のレーンマーカ(車線境界)を検出する。そして、検出した道路境界が道路遠方で交差すると想定されるカメラ画面上の仮想点、すなわち消失点を算出し、消失点のY座標値をカメラ画面における無限遠点のY座標値Y0とする。このように、コントローラ50は道路勾配によるカメラ画像の画像状態の変化に応じて、無限遠点のY座標値を算出する。
コントローラ50は、算出した無限遠点のY座標値Y0と車線境界検出方向上のレーンマーカのY座標値とから、(式6)によりレーンマーカまでの距離Dを算出する。これにより、道路勾配の影響を受けない正確なレーンマーカまでの距離Dを算出することができる。その結果、自車両が上り坂あるいは下り坂から抜け出す際に、図15(d)(e)、図16(d)(e)に示すように、前後方向制御指令値が道路勾配の変化の影響を受けない通常の値となる。
このように、レーンマーカまでの距離Dを道路勾配に応じて補正することにより、道路勾配によらずに正確な距離Dを算出することができる。これにより、自車両が上り坂あるいは下り坂から抜け出す場合に自動的に前後方向制御指令値が変化しないようにすることができる。すなわち、自車両が上り坂から抜け出すときにアクセルペダル反力が自動的に増加して減速を促すことや、自車両が下り坂から抜け出すときにアクセルペダル反力が自動的に減少して加速を促すことがなく、運転者による運転操作を妨げることがない。
一方、自車両が上り坂あるいは下り坂に進入する際には、道路勾配に応じて前後方向制御指令値が自動的に変化するので、上り坂に進入する場合は自車両の加速を促し、下り坂に進入する場合は自車両の減速を促すことができる。
このように、以上説明した第3の実施の形態においては以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ50は、自車線の道路勾配の変化を検出し、道路勾配の変化に応じて2本の車線境界検出方向上のレーンマーカに対する余裕時間TTCを補正する。これにより、道路勾配によらず、レーンマーカに対する正確な余裕時間TTCに基づいて反力制御を行うことができる。なお、コントローラ50は、前方カメラ20のカメラ画面における画像状態の変化から自車線の道路勾配を推定することができる。
(2)コントローラ50は、自車両が上り坂または下り坂から抜け出すときにレーンマーカに対する余裕時間TTCを補正する。具体的には、自車両が上り坂から抜け出すときは、図15(d)に示すようにカメラ画面における無限遠点のY座標値を道路勾配に応じて変更し、変更した無限遠点のY座標値を用いて2本の垂直線の長さYL、YR、すなわちレーンマーカまでの距離DL、DRを補正する。また、自車両が下り坂から抜け出すときには、図16(d)に示すようにカメラ画面において上方に移動した無限遠点のY座標値を用いて、レーンマーカまでの距離DL、DRを補正する。これにより、道路勾配によらずレーンマーカまでの正確な距離DL、DRを検出することができ、正確な余裕時間TTCL、TTCRを算出することができる。また、自車両が上り坂または下り坂から抜け出すときにカメラ画像の状態変化によって前後方向制御指令値が自動的に変化することがなく、運転者による運転操作を妨げることがない。
一方、自車両が上り坂あるいは下り坂に進入する場合は、図15(a)、図16(a)に示すように道路勾配の変化によるカメラ画像の状態変化によって前後方向制御指令値が自動的に変化する。これにより、自車両が上り坂に進入する場合は前後方向制御指令値を減少して自車両の加速を促すことができるとともに、自車両が下り坂に進入する場合は前後方向制御指令値を増加して自車両の減速を促すことができる。
《第4の実施の形態》
つぎに、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。
上述した第3の実施の形態においては、自車両が上り坂あるいは下り坂から抜け出す際に、道路勾配に応じて前後方向制御指令値が自動的に変化しないように、レーンマーカまでの距離Dを補正した。第4の実施の形態では、自車両が上り坂あるいは下り坂に進入する場合も、前方カメラ20の画像から算出するレーンマーカまでの距離Dを補正し、道路勾配に応じて前後方向制御指令値が自動的に変化しないようにする。
コントローラ50は、上述した第3の実施の形態と同様に、道路勾配に応じてカメラ画面の無限遠点のY座標値Y0を変更する。そして、変更した無限遠点のY座標値Y0と車線境界検出方向上のレーンマーカのY座標値とを用いて、(式6)より自車両からレーンマーカまでの距離Dを算出する。
これにより、図15(a)〜(e)、図16(a)〜(e)に示すように、自車両が上り坂あるいは下り坂に進入する際、および上り坂あるいは下り坂から抜け出す際に、前後方向制御指令値が道路勾配の変化の影響を受けない通常の値となる。
このように、レーンマーカまでの距離Dを道路勾配に応じて補正することにより、道路勾配によらずに正確な距離Dを算出することができる。これにより、自車両が上り坂あるいは下り坂に進入する場合、および抜け出す場合に、自動的に前後方向制御指令値が変化しないようにすることができる。すなわち、道路勾配が変化した場合でも、自車両が平坦な道路を走行している場合と同様に、レーンマーカまでの正確な距離Dに応じた前後方向制御指令値を発生させることができる。
このように、以上説明した第4の実施の形態においては以下のような作用効果を奏することができる。
コントローラ50は、自車両が坂道に進入するとき、または坂道から抜け出すときにレーンマーカに対する余裕時間TTCを補正する。具体的には、自車両が坂道に進入するとき、または坂道から抜け出すときは、図15(a)〜(e)、図16(a)〜(e)に示すように道路勾配に応じてカメラ画面における無限遠点のY座標値を変更し、2本の垂直線の長さYL、YR、すなわちレーンマーカまでの距離DL、DRを補正する。これにより、道路勾配によらずレーンマーカまでの正確な距離DL、DRを検出することができ、正確な余裕時間TTCL、TTCRを算出することができる。また、自車両が坂道に進入または抜け出すときにカメラ画像の状態変化によって前後方向制御指令値が自動的に変化することがなく、常にレーンマーカに対する正確な余裕時間TTCを用いて反力制御を行うことができる。
《第5の実施の形態》
つぎに、本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第5の実施の形態による車両運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第5の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態と同様に自車両前方の2つの車線境界検出方向上に存在するレーンマーカまでの距離Dを、前方カメラ20の画像から算出する。そして、それぞれのレーンマーカに対する余裕時間TTCR、TTCLに応じて車両左右方向および前後方向の反力制御を行う。ただし、第5の実施の形態においては、2本の車線境界検出方向において同一のレーンマーカを検出した場合のみ、車両前後方向の反力制御を行う。
以下に、第5の実施の形態において、どのように車両左右方向および前後方向の反力制御指令値を決定するかについて、図18を用いて説明する。図18は、第5の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
−コントローラ50の処理フロー(図18)−
ステップS310〜S380における処理は、第1の実施の形態の図3のフローチャートを用いて説明したステップS110〜S180における処理と同様である。ステップS380で、小さい方の右側の余裕時間TTCRに基づいて左右方向リスクポテンシャルRPlateralを算出した後、ステップS390へ進む。
ステップS390では、2本の車線境界検出方向上で検出しているレーンマーカが同一であるか否かを判定する。例えば図19(b)に示すように、2本の車線境界検出方向上に同じレーンマーカが存在する場合は、ステップS400へ進む。ステップS400では、大きい方の左側の余裕時間TTCLに基づいて前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出する。ここでは、上述した第1の実施の形態と同様に、図10のマップを用いて前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出する。一方、図19(a)に示すように、2本の車線境界検出方向上のレーンマーカが異なる場合は、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出しない。なお、2本の車線境界検出方向上のレーンマーカが同一であるか否かは、例えば前方カメラ20による検出画像に画像処理を施し、検出したレーンマーカが連続するかを判別することによって判断することができる。
ステップS370で、左側の余裕時間TTCLが右側の余裕時間TTCR以下であると判定されると、ステップS410へ進む。ステップS410では左側の余裕時間TTCLに基づいて、図9により左右方向リスクポテンシャルRPlateralを算出する。つづくステップS420では2本の車線境界検出方向上のレーンマーカが同一であるか否かを判定する。2本の車線境界検出方向において同一のレーンマーカを検出している場合は、ステップS430へ進む。ステップS430では、右側の余裕時間TTCRに基づいて、図10により前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalを算出する。一方、2本の車線境界検出方向上で検出されるレーンマーカが異なる場合は、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalは算出しない。
つづくステップS440〜S460における処理は、図3のフローチャートに示すステップS240〜S260における処理と同様である。
図19(a)(b)に、第5の実施の形態の作用を説明するための図を示す。図19(a)は自車両が直線路を走行している状態(ヨー角小)を示し、図19(b)は自車両が直線路から逸脱しようとしている状態(ヨー角大)を示している。
図19(a)に示す走行状況において、自車両は自車線の左寄りを直進している。自車両の進行方向はほぼ自車両正面であるため、中心角θcは0となり、開き角αは自車両正面に対して左右にα°である。中心角θcと開き角αによって設定された2つの車線境界検出方向上には、自車両右側および左側のレーンマーカが存在する。そこで、コントローラ50はそれぞれのレーンマーカに対する余裕時間TTCR、TTCLを算出する。
コントローラ50は、算出した左右の余裕時間TTCR、TTCLのうち、小さい方の左側の余裕時間TTCLに基づいて左右方向のリスクポテンシャルRPlateralを算出する。そして、左右方向のリスクポテンシャルRPlateralに応じて操舵反力制御を行う。このとき、図19(a)に示すように左右の車線境界検出方向上に存在するレーンマーカは同一ではないので、前後方向リスクポテンシャルRPlongitudinalは算出せず、前後方向反力制御は行わない。このように、左右の車線境界検出方向において異なるレーンマーカが検出される場合は、左右方向の反力制御のみを行う。
図19(b)に示すように、自車両のヨー角が大きく自車両が自車線から逸脱しようとしている走行状況においては、2つの車線境界検出方向上で同一のレーンマーカが検出される。そこで、コントローラ50は、小さい方の左側の余裕時間TTCLに基づいて左右方向のリスクポテンシャルRPlateralを算出し、左右方向リスクポテンシャルRPlateralに応じて操舵反力制御を行う。また、大きい方の右側の余裕時間TTCRに基づいて前後方向のリスクポテンシャルRPlongitudinalを算出し、前後方向のリスクポテンシャルRPlongitudinalに応じてアクセルペダル反力制御およびブレーキペダル反力制御を行う。
このように、自車両が自車線から逸脱しようとしている場合には、操舵角を戻すとともに減速操作を促すように自車両の左右方向および前後方向の反力制御を行う。図19(b)に示す走行状況から自車両がより一層レーンマーカに接近すると、左右方向および前後方向の反力制御量が増加し、自車両が自車線から逸脱しない方向へと運転操作を促す。
このように、以上説明した第5の実施の形態においては、つぎのような作用効果を奏することができる。
コントローラ50は、2つの車線境界検出方向上に存在するレーンマーカが同一であるかを判別し、同一のレーンマーカを検出している場合に車両前後方向の反力制御を行う。これにより、図19(b)に示すように自車両が自車線から逸脱しようとしている場合に、操舵角を戻すとともに減速操作を促して運転者の運転操作を適切な方向へ促すことができる。また、2つの車線境界検出方向で検出されるレーンマーカが異なる場合は車両前後方向の反力制御を行わないので、例えば左右の車線境界検出方向において自車両の右側および左側のレーンマーカを検出している状態で、自車線の車線幅が減少して余裕時間TTCR、TTCLが小さくなった場合でも、アクセルペダル反力の増加により運転者の運転操作を妨げることがない。
上記第2の実施の形態においては、自車両に発生するロール角φに応じて、前方カメラ20の画像から得られるレーンマーカまでの距離Dを補正した。また、上記第3および第4の実施の形態においては、自車線の道路勾配に応じて前方カメラ20の画像から得られるレーンマーカまでの距離Dを補正した。自車両に発生するロール角φに応じた補正方法、および自車線の道路勾配に応じた補正方法を組み合わせて、前方カメラ20の画像から得られるレーンマーカまでの距離Dを補正することもできる。
すなわち、コントローラ50は、前方カメラ20の画像から得られるレーンマーカまでの距離D、さらには余裕時間TTCを、車両状態によって変化する画像の状態に基づいて補正する。これにより、レーンマーカまでの距離Dを車両状態によらずに算出し、また、車両操作機器の反力制御により運転者による運転操作をより適切な方向へ促すことができる。
上記第1から第5の実施の形態においては、アクセルペダル反力制御装置80およびブレーキペダル反力制御装置90を用いて車両の前後方向の運動を制御するように構成したが、これには限定されず、例えばいずれか一方のみを用いることもできる。また、上記第1および第2の実施の形態では、ブレーキブースタ91によってエンジンの負圧を利用してブレーキアシスト力を発生させているが、これには限定されず、例えばコンピュータ制御による油圧力を用いてブレーキアシスト力を発生させることもできる。
本発明による車両用運転操作補助装置を備える車両は、図2に示す構成には限定されない。
以上説明した第1から第5の実施の形態においては、撮像手段として前方カメラ20を用い、車線境界検出手段、車線境界距離検出手段、余裕時間算出手段、補正手段、判定手段、車線境界位置設定手段としてコントローラ50を用いた。左右方向操作反力制御手段として操舵反力制御装置60を用い、前後方向操作反力制御手段としてアクセルペダル反力制御装置80およびブレーキペダル反力制御装置90を用いた。また、車両状態検出手段として車速センサ30,操舵角センサ40およびコントローラ50を用い、走行状態検出手段として車速センサ30および操舵角センサ40を用いた。ただし、これらには限定されず、前方カメラ20からの画像信号に画像処理を施す装置をコントローラ50とは独立して設けることもできる。また、車両状態、例えば自車両に発生するロール角φや自車線の道路勾配を直接検出するセンサを設けることもできる。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 第1の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 自車両に対する車線境界検出方向を示す図。 自車速と車線境界検出方向の開き角との関係を示す図。 前方カメラによって得られる自車両前方領域のカメラ画面を示す図。 自車両からレーンマーカ検出位置までの位置関係を示す側面図。 カメラ画面におけるレーンマーカ検出位置を示す図。 小さい方の余裕時間と左右方向リスクポテンシャルとの関係を示す図。 大きい方の余裕時間と前後方向リスクポテンシャルとの関係を示す図。 前後方向リスクポテンシャルに対するアクセルペダル反力制御指令値の特性を示す図。 前後方向リスクポテンシャルに対するブレーキペダル反力制御指令値の特性を示す図。 左右方向リスクポテンシャルに対する操舵反力制御指令値の特性を示す図。 (a)(b)第1の実施の形態の車両用運転操作補助装置による作用を説明するための図。 (a)〜(e)第1,第3および第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の他の作用を説明するための図。 (a)〜(e)第1,第3および第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の他の作用を説明するための図。 自車両にロールが発生する前後におけるカメラ画面の画像状態を示す図。 第5の実施の形態における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 (a)(b)第5の実施の形態の車両用運転操作補助装置による作用を説明するための図。
符号の説明
20:前方カメラ
30:車速センサ
40:操舵角センサ
50:コントローラ
60:操舵反力制御装置
80:アクセルペダル反力制御装置
90:ブレーキペダル反力制御装置

Claims (14)

  1. 自車両の前方領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された前記前方領域の画像から、車線境界を検出する車線境界検出手段と、
    前記画像における2本の垂直線が前記車線境界とそれぞれ交わる交点までの、前記2本の垂直線の長さを検出する車線境界距離検出手段と、
    前記車線境界距離検出手段によって検出される前記2本の垂直線の長さに基づいて、前記自車両が前記車線境界上の2点に接触するまでの余裕時間をそれぞれ算出する余裕時間算出手段と、
    前記余裕時間算出手段によって算出される2つの前記余裕時間に基づいて、車両操作機器の操作反力を制御する操作反力制御手段とを備え
    前記2本の垂直線は、前記車線境界を検出するために設定された2つの車線境界検出方向に対応する前記画像における2つの水平方向位置からそれぞれ鉛直方向に延びる線であることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
    前記車両状態検出手段によって検出される前記車両状態の変化による前記画像の状態から、前記余裕時間を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車両状態検出手段は、前記自車両に発生するロール角を検出し、
    前記補正手段は、前記自車両の前記ロール角による前記画像の状態変化に基づいて前記余裕時間を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記車両状態検出手段によって検出される前記ロール角に応じて、前記画像における前記2つの垂直線の長さを補正することにより、前記余裕時間を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車両状態検出手段は、自車線の道路勾配の変化を検出し、
    前記補正手段は、前記車両状態検出手段によって検出される前記道路勾配の変化に応じて前記余裕時間を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項5に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記自車両が坂道に進入するとき、および坂道から抜け出すときに、前記画像における前記2本の垂直線の長さを補正することにより、前記余裕時間を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項5に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記自車両が坂道から抜け出すときに、前記画像における前記2本の垂直線の長さを補正することにより、前記余裕時間を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力制御手段は、前記自車両の左右方向の運転操作に関わる車両操作機器の操作反力を制御する左右方向操作反力制御手段と、前記自車両の前後方向の運転操作に関わる車両操作機器の操作反力を制御する前後方向操作反力制御手段とを備え、
    前記左右方向操作反力制御手段は、前記余裕時間算出手段で算出した前記余裕時間のうち、小さい方の第1の余裕時間に基づいて、前記左右方向の前記操作反力を制御し、
    前記前後方向操作反力制御手段は、前記余裕時間算出手段で算出した前記余裕時間のうち、大きい方の第2の余裕時間に基づいて、前記前後方向の前記操作反力を制御することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  9. 請求項8に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記前後方向操作反力制御手段は、前記第2の余裕時間が所定値よりも小さい場合に、前記前後方向の前記操作反力を制御することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車線境界距離検出手段が1つの車線境界に対して前記2本の垂直線の長さを検出しているかを判定する判定手段をさらに備え、
    前記前後方向操作反力制御手段は、前記判定手段によって前記2本の垂直線の長さを検出するための前記車線境界が同一であると判定された場合に、前記前後方向の前記操作反力を制御することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    前記走行状態検出手段による検出結果に応じて、前記画像において前記2本の垂直線の前記水平方向位置をそれぞれ設定する車線境界検出位置設定手段をさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  12. 請求項11に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車線境界検出位置設定手段は、前記走行状態検出手段によって検出される自車速に応じて、2つの前記水平方向位置の間隔を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車線境界検出位置設定手段は、前記走行状態検出手段によって検出される自車速および操舵角の少なくともいずれかに応じて、2つの前記水平方向位置の中心を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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