JP2007261449A - 走行目標点設定装置、車線追従支援装置および車線逸脱防止装置 - Google Patents

走行目標点設定装置、車線追従支援装置および車線逸脱防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の逸脱回避制御や車線追従制御において基準となる走行目標点を的確に設定可能で、しかも自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定可能な走行目標点設定装置を提供する。
【解決手段】走行目標点設定装置1は、自車両の左右に車線位置LR、LLを検出する車線検出手段2と、車線位置LR、LLからオフセット距離Ror、Rolだけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置OR、OLを設定し、両方のオフセット位置の間を走行目標点設定範囲LIMとして設定する範囲設定手段3と、自車両の挙動が所定の目標挙動になるように算出した走行目標点設定位置に走行目標点GPを設定する走行目標点設定手段4とを備え、走行目標点設定手段4は、走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲LIM外に位置する場合は、走行目標点設定位置を走行目標点設定範囲内に補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、走行目標点設定装置、車線追従支援装置および車線逸脱防止装置に係り、特に、車線追従制御や逸脱回避制御の基準となる走行目標点を設定する走行目標点設定装置に関する。
近年、乗用車等の車両が走行レーンの左右いずれかの車線を逸脱することを予め防止するためのキープレーン技術の開発が進んでいる。このようなキープレーン技術としては、車線逸脱の可能性を判定して逸脱回避制御を行う車線逸脱防止装置や、自車両が現在走行中の走行レーンに沿って走行し車線に追従して走行するように自動的に制御を行うための車線追従支援装置の開発も進められている(例えば、特許文献1〜3等参照)。
初期の車線逸脱防止装置や車線追従支援装置では、自車両が、走行レーンの中央、すなわち自車両の左右に表示された車線間の中心線に沿って自動的に走行するように、或いは自車両前方の走行レーンの中央に設定された走行目標点に向かって自動的に走行するように制御が行われるものがほとんどであった。
また、特許文献4や特許文献5では、運転者の右寄りや左寄りを走行したいという好みに合わせるため、制御が作動していない走行時に走行レーンの車幅方向における自車位置を車線位置からの変位データとして収集して走行ラインの位置を習得する装置が提案されている。
特開平7−104850号公報 特開平7−129897号公報 特開2001−48035号公報 特開2001−39326号公報 特開2004−231096号公報
これらのキープレーン技術においては、通常、自車両前方の進行路をCCD(Charge Coupled Device)カメラ等で撮像した撮像画像中から自車両の左右に車線を検出し、車線位置に基づいて車線逸脱の可能性を判定し或いはそれに追従するように制御を行っている。しかしながら、左右の車線位置は必ずしも滑らかな直線状或いは曲線状に得られるとは限らず、例えば、図23に示すように、自車両MCの左右に車線位置LR、LLが不安定に検出される場合もある。
このような車線位置LR、LLを基準として、例えば車線位置LR、LLで区画された走行レーンL1の中央を走行するように車線追従制御を行った場合、自車両MCの前方に設定される自車両が走行すべき走行目標点GPの軌跡Lgpは、図24に示すように蛇行する。また、例えば右車線位置LRから一定距離隔てて走行するように車線追従制御を行った場合にも、図25に示すように、やはり走行目標点GPの軌跡Lgpは蛇行する。このように蛇行する走行目標点GPを目標にして走行すると、自車両MCの走行軌跡も左右に蛇行してしまい、走行の安定性が損なわれる。
このような現象は、前記のように左右の車線位置が滑らかな直線状或いは曲線状に得られない場合だけでなく、撮像装置のサンプリングサイクルごとに検出される車線位置のばらつき、すなわちあるサンプリングサイクルで例えば急に左右の車線位置の間隔が狭くなるように検出されることなどが原因となって生じることもある。
しかし、このような現象の発生を回避するために、例えば走行目標点GPを曖昧に設定したり、厳密には走行目標点GPに向かわないような制御を行うと、走行の安定性が損なわれるのみならず、逸脱回避制御や車線追従制御を的確に行えなくなり、走行の安全性が失われかねない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車両の逸脱回避制御や車線追従制御において基準となる走行目標点を的確に設定可能で、しかも自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定可能な走行目標点設定装置を提供し、また、それを用いた車線追従支援装置および車線逸脱防止装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、第1の発明は、
走行目標点設定装置において、
道路を含む自車両の進行路を撮像した画像中から自車両の左右に車線位置を検出する車線検出手段と、
前記車線検出手段により検出された左右の車線位置からそれぞれ所定のオフセット距離だけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置を設定して、一方のオフセット位置から他方のオフセット位置までの範囲を走行目標点設定範囲として設定する範囲設定手段と、
自車両の挙動が所定の目標挙動になるように自車両が走行すべき走行目標点を設定するための走行目標点設定位置を算出し、算出した走行目標点設定位置に前記走行目標点を設定する走行目標点設定手段とを備え、
前記走行目標点設定手段は、前記算出した走行目標点設定位置が前記走行目標点設定範囲外に位置する場合は、前記算出した走行目標点設定位置を前記走行目標点設定範囲内に補正し、補正した走行目標点設定位置に前記走行目標点を設定することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の走行目標点設定装置において、
前記目標挙動は自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしない車両挙動とし、
前記走行目標点設定手段は、前記目標挙動を満たす前記走行目標点設定位置を算出することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の走行目標点設定装置において、前記走行目標点設定手段は、自車両から前方に延びる中心線からの前記走行目標点の偏差が、前回のサンプリングサイクルにおける偏差を維持する位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする。
第4の発明は、第2の発明の走行目標点設定装置において、前記走行目標点設定手段は、前々回および前回のサンプリングサイクルにおけるそれぞれの自車両の実空間上の位置を結んだ直線上の位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする。
第5の発明は、第2の発明の走行目標点設定装置において、前記走行目標点設定手段は、前回のサンプリングサイクルにおける自車両のヨーレートを維持する位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明の走行目標点設定装置において、
前記目標挙動は、自車両の操舵角が現在までの操舵角の変化率を維持する挙動とし、
前記走行目標点設定手段は、前記目標挙動を満たす前記走行目標点設定位置を算出することを特徴とする
第7の発明は、第6の発明の走行目標点設定装置において、前記走行目標点設定手段は、自車両から前方に延びる自車両の中心線からの前記走行目標点の偏差が前回以前の所定回数のサンプリングサイクルにおける偏差の変化率を維持する位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明の走行目標点設定装置において、前記範囲設定手段は、装置の起動時または制御の再開時に設定した前記左右のオフセット距離をその後の前記走行目標点設定範囲の設定の基準として用いることを特徴とする。
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明の走行目標点設定装置において、前記範囲設定手段は、設定された条件に適合する走行目標点設定位置に走行目標点が設定されるように前記左右のオフセット距離をそれぞれ修正することを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明の走行目標点設定装置において、前記範囲設定手段は、所定期間連続して前記走行目標点設定範囲の幅が規定値以上となる場合、前記左右のオフセット距離を修正することを特徴とする。
第11の発明は、第9の発明の走行目標点設定装置において、前記範囲設定手段は、前記左右のオフセット距離のいずれかが予め設定した規定距離よりも小さく前記車線位置に接近している場合には、前記規定距離以上になるように前記オフセット距離をそれぞれ修正することを特徴とする。
第12の発明は、第11の発明の走行目標点設定装置において、前記範囲設定手段は、前記左右のオフセット距離をそれぞれ修正する際に、それぞれのオフセット位置が経過時間に従って走行レーンの中央に向かう方向に移動するように修正することを特徴とする。
第13の発明は、車線追従支援装置において、
第1から第12のいずれかの発明の走行目標点設定装置と、
前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して車線追従制御を行う制御装置とを備えることを特徴とする。
第14の発明は、車線追従支援装置において、
第9の発明の走行目標点設定装置と、
前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して車線追従制御を行う制御装置とを備え、
前記走行目標点設定装置の範囲設定手段は、左右のオフセット距離を互いに等しくなるように設定し、かつ、所定期間連続して前記走行目標点設定範囲の幅が規定値以上である場合にはそれぞれのオフセット距離を互いに等しくなるように修正することを特徴とする。
第15の発明は、車線追従支援装置において、
第9の発明の走行目標点設定装置と、
前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して車線追従制御を行う制御装置とを備え、
前記走行目標点設定装置の範囲設定手段は、運転者による操舵行為の介入から所定の期間中は前記走行目標点と車線位置との距離が当該車線位置と自車両との距離に一致するように左右のオフセット距離をそれぞれ修正することを特徴とする。
第16の発明は、車線逸脱防止装置において、
第1から第12のいずれかの発明の走行目標点設定装置と、
前記走行目標点設定装置の車線検出手段により検出された車線位置に基づいて自車両が車線を逸脱する可能性を判定し、車線逸脱の可能性があると判定した場合には、前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して逸脱回避制御を行う制御装置とを備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、従来例のように左右の車線位置等を基準として自車両前方のライン上に走行目標点を直接設定するのではなく、それらを基準として走行目標点を設定するための範囲である走行目標点設定範囲を設定する。また、走行目標点設定範囲は左右のオフセット距離を基準として設定される。
さらに、走行目標点は、自車両の挙動が目標となる挙動となる走行目標点設定位置を算出し、算出した走行目標点設定位置に設定される。そして、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲の外に位置する場合は、走行目標点設定位置を走行目標点設定範囲内の位置に補正する。
このように、走行目標点が、自車両の挙動が目標挙動となるように設定されるとともにオフセット距離に厳格に区画された走行目標点設定範囲内に常に設定されるから、車両の逸脱回避制御や車線追従制御における基準を的確に設定することが可能となる。
また、従来例のように不安定に検出された車線位置や走行レーンの中央にそって走行目標点が左右に移動して自車両の走行が蛇行することを回避することが可能となり、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように制御することが可能となる。
第2の発明によれば、目標挙動を自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしない車両挙動とし、目標挙動を満たす走行目標点設定位置を算出することで、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定することが可能となり、前記発明の効果がより有効に発揮される。
第3の発明によれば、自車両から前方に延びる中心線からの走行目標点の偏差を維持する位置を走行目標点設定位置として算出することで、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくならない車両挙動となるため、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定することが可能となり、前記発明の効果がより有効に発揮される。
第4の発明によれば、前々回および前回のサンプリングサイクルにおけるそれぞれの自車両の実空間上の位置を結んだ直線上の位置を走行目標点設定位置として算出することで、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくならない車両挙動となり、前記発明と同様に、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定することが可能となる。
第5の発明によれば、前回のサンプリングサイクルにおける自車両のヨーレートを維持する位置を走行目標点設定位置として算出することで、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくならない車両挙動となり、前記発明と同様に、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定することが可能となる。
第6の発明によれば、目標挙動を自車両の操舵角が現在までの操舵角の変化率を維持する挙動とし、目標挙動を満たす走行目標点設定位置を算出することで、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定することが可能となり、前記第1の発明の効果がより有効に発揮される。
第7の発明によれば、自車両から前方に延びる自車両の中心線からの走行目標点の偏差が前回以前の所定回数のサンプリングサイクルにおける偏差の変化率を維持する位置を走行目標点設定位置として算出することで、自車両の操舵角が現在までの操舵角の変化率を維持する挙動となるため、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように走行目標点を設定することが可能となり、前記発明の効果がより有効に発揮される。
第8の発明によれば、装置の起動時や制御の再開時に設定した左右のオフセット距離をその後の走行目標点設定範囲の設定の基準として用いることで、走行目標点設定範囲が安定して設定されるとともに、走行レーンの中央を走行する等の設定された条件に適合するように走行目標点設定範囲を設定し、走行目標点を設定することが可能となる。そのため、前記発明の効果をより的確に発揮することが可能となる。
第9の発明によれば、走行目標点設定範囲を区画する基準となるオフセット距離を修正できるように構成すれば、例えば走行レーンの道幅が拡大したり減少したりする場合にオフセット距離の修正を行うことで、設定された条件に適合するように走行目標点の設定位置を限定することが可能となり、より的確に走行目標点を設定することが可能となる。そのため、車両の逸脱回避制御や車線追従制御における基準をより的確に設定することが可能となり、前記各発明の効果がより有効に発揮される。
第10の発明によれば、所定期間連続して走行目標点設定範囲の幅が規定値以上となる場合に左右のオフセット距離を修正することで、設定された条件に適合するように走行目標点の設定位置を限定することが可能となり、より的確に走行目標点を設定することが可能となる。そのため、車両の車線追従制御における基準をより的確に設定することが可能となり、前記各発明の効果がより有効に発揮される。
第11の発明によれば、前記各発明の効果に加え、左右のオフセット距離のいずれかが予め設定した規定距離よりも小さく前記車線位置に接近している場合に規定距離以上になるようにオフセット距離をそれぞれ修正することで、自車両を車線位置の内側に移動させて隣接する走行レーンを走行する他の車両等との接触や衝突を確実に回避することが可能となり、走行の安全性が確保される。
第12の発明によれば、左右のオフセット距離をそれぞれ修正する際にそれぞれのオフセット位置が経過時間に従って走行レーンの中央に向かう方向に移動するように修正することで、スムーズに安定性良く自車両の挙動を修正することが可能となり、前記各発明の効果をより有効に発揮させることが可能となる。
第13の発明によれば、車線追従支援装置において、前記各発明の走行目標点設定装置の作用によって左右のオフセット距離を基準として走行目標点設定範囲が設定され、自車両の挙動が目標挙動となるように走行目標点設定位置が算出されその走行目標点設定位置に走行目標点が設定されるとともにオフセット距離に区画された走行目標点設定範囲内に常に設定されるため、車線追従制御における基準が的確に設定され、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように制御することが可能となる。
第14の発明によれば、走行目標点を走行レーンの中央に設定するように構成された車線追従支援装置において、前記の走行目標点設定装置の作用により走行目標点設定範囲の幅が規定値以上である状態が所定期間連続した場合には、左右のオフセット距離をそれぞれ道幅の半分になるように修正する。このように構成することで、設定された条件に適合するように走行目標点の設定位置を限定することが可能となり、より的確に走行目標点を設定することが可能となる。そのため、車両の車線追従制御における基準をより的確に設定することが可能となり、前記各発明の効果がより有効に発揮される。
第15の発明によれば、前記各発明の効果に加え、自車両の軌道を修正すべく運転者により操舵行為の介入が行われた場合には、車線追従制御を継続しつつ、走行目標点の位置を自車両との距離の変動に合わせて更新する。そのため、運転者がステアリングホイールの操舵の際に感じる違和感が軽減され、スムーズに自分の好みにあわせて自車両の軌道の修正等を行うことが可能となる。
第16の発明によれば、車線逸脱防止装置において、例えば、自車両が車線を逸脱する可能性があると判定された時点で最初に設定する走行目標点を車線に近い位置に設定し、徐々に走行レーンの中央側に移動させれば、ステアリングホイールが緩やかに転舵され、自車両のヨーレートや操舵トルクが緩やかに変化しながら自車両が走行レーンの中央側に引き戻されるようになる。そのため、運転者に対して強引に車両位置を引き戻されるような違和感を与えることなく車線逸脱を回避することが可能となる。
また、逸脱回避制御の制御動作中に例えば道幅が拡大、縮小するなどしても、前記走行目標点設定装置の作用によって自車両の挙動が目標挙動となるように設定されるとともにオフセット距離に厳格に区画された走行目標点設定範囲内に常に設定されるため、車両の逸脱回避制御における基準を的確に設定することが可能となる。
以下、本発明に係る走行目標点設定装置、車線追従支援装置および車線逸脱防止装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態として本発明に係る走行目標点設定装置について説明する。
本実施形態に係る走行目標点設定装置1は、図1に示すように、車線検出手段2と、範囲設定手段3と、走行目標点設定手段4と、メモリ5とを備えている。また、範囲設定手段3と走行目標点設定手段4には、車速センサや操舵角センサ、操舵トルクセンサ、ターンシグナル等のセンサ類Aが接続されており、センサ類Aから車速Vやステアリングホイールの操舵角δ、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクTH、ターンシグナル信号TS等が入力されるようになっている。
また、本実施形態では、センサ類Aには、特開2004−249812号公報に記載の車両運動モデル生成装置をベースに構成されたヨーレート推定装置が含まれる。ヨーレート推定装置は、車速Vや操舵角δ等からヨーレートγを推定し、走行目標点設定手段4等にヨーレートγの推定値を送信するようになっている。なお、走行目標点設定手段4等にヨーレートセンサを接続してヨーレートγの実測値を入力するように構成することも可能である。
本実施形態では、範囲設定手段3、走行目標点設定手段4および後述する車線検出手段2の検出手段26は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたマイクロコンピュータで構成されている。
車線検出手段2は、道路を含む自車両の進行路を撮像して得られた撮像画像上から車線を検出できるものであればよく、車線検出の手法は特定の手法に限定されない。本実施形態では、車線検出手段2は、特開2001−92970号公報に記載の車線認識装置をベースに構成されている。詳細な構成の説明は同公報に委ねるが、以下、簡単にその構成を説明する。
なお、本発明で車線とは、追い越し禁止線等の道路中央線や車両通行帯境界線、路側帯と車道とを区画する区画線等の道路面上に標示された連続線や破線をいう。また、走行レーンとは、車線と車線との間の車両が走行する車両通行帯をいう。
車線検出手段2は、図2に示すように、主に撮像手段21と、変換手段22と、画像処理手段25と、検出手段26とから構成されている。
撮像手段21は、ステレオカメラが用いられており、道路を含む自車両の進行路を撮像して一対の画像を出力するように構成されている。本実施形態では、メインカメラ21aおよびサブカメラ21bにはCCDカメラが用いられている。メインカメラ21aとサブカメラ21bは、例えばルームミラーに車幅方向に所定の間隔をあけて取り付けられている。運転者に近い方のカメラが図3に示すような基準画像Tを撮像するメインカメラ21a、遠い方のカメラが図示しない比較画像を撮像するサブカメラ21bとされている。
メインカメラ21aとサブカメラ21bから出力されてきた一対のアナログ画像は、変換手段22であるA/Dコンバータ22a、22bでそれぞれ画素ごとに256階調のグレースケールの輝度階調の輝度値を有するデジタル画像に変換されて画像補正部23に出力される。画像補正部23では、基準画像Tと比較画像に対してメインカメラ21aとサブカメラ21bの取付位置の誤差に起因するずれやノイズの除去等を含む輝度値の補正等の画像補正が行われるようになっている。基準画像Tと比較画像は、画像データメモリ24に格納され、同時に画像処理手段25に送信されるようになっている。
画像処理手段25のイメージプロセッサ25aでは、ステレオマッチング処理とフィルタリング処理により画像補正部23から出力された基準画像Tおよび比較画像のデジタルデータに基づいて基準画像Tの各画素または複数画素から構成するブロックからなる各設定領域について実空間における距離を算出するための視差dpを算出するようになっている。この視差dpの算出については、本願出願人により先に提出された特開平5−114099号公報に詳述されている。以下、その要点を簡単に述べる。
イメージプロセッサ25aは、基準画像Tについて4×4画素の画素ブロックごとにその16画素の輝度特性に基づいて1つの視差dpを算出するようになっている。具体的には、比較画像を水平方向に延在する4画素幅の水平ラインに分割し、基準画像Tの1つの画素ブロックを取り出してそれに対応する比較画像の水平ライン上を1画素ずつ水平方向、すなわちi方向にシフトさせながら下記(1)式で求められるシティブロック距離CBが最小となる水平ライン上の画素ブロック、すなわち基準画像Tの画素ブロックと似た輝度値特性を有する比較画像上の画素ブロックを探索するようになっている。
CB=Σ|p1ij−p2ij| …(1)
なお、p1ijは基準画像T上の、p2ijは比較画像上の座標(i,j)の画素の輝度値を表す。座標は、基準画像Tの画像平面の左下隅を原点とし、水平方向をi座標軸、垂直方向をj座標軸とした場合の画素ブロックの左下隅の画素のi座標およびj座標を表す。また、比較画像については基準画像Tの原点に予め対応付けられた画素を原点として同様にi座標、j座標を取る。
イメージプロセッサ25aは、このようにして特定した比較画像上の画素ブロックともとの基準画像T上の画素ブロックとのずれ量を算出し、そのずれ量を視差dpとして基準画像T上の画素ブロックに割り付けるようになっている。
この視差dpは、前記メインカメラ21aおよびサブカメラ21bの一定距離の離間に由来する基準画像Tおよび比較画像における同一物体の写像位置に関する水平方向の相対的なずれ量であり、メインカメラ21aおよびサブカメラ21bの中央位置から物体までの距離Lと視差dpとを三角測量の原理に基づいて一義的に対応付けることができる。
イメージプロセッサ25aで算出された基準画像Tの各画素ブロックの視差dpに基づく距離Lは画像処理手段25の距離データメモリ25bに格納されるようになっている。以下の検出手段26における処理では、もともと1つの画素ブロックであった16個の画素が独立のものとして扱われ、各画素はそれぞれ距離Lの情報を有するものとして処理されるようになっている。また、距離データメモリ25bに保存されている各画素(i,j)に距離Lijが割り付けられた画像を距離画像という。なお、以下の検出手段26における処理で、画素ブロックを16個の独立した画素として扱わず、画素ブロックのまま扱うように構成することも可能である。
検出手段26は、画像データメモリ24から基準画像Tの各画素の輝度値p1ijの情報を読み出し、また、距離データメモリ25bから距離画像の各画素の距離Lijの情報を読み出してそれらに基づいて画像上に車線を検出するようになっている。
具体的には、検出手段26は、基準画像T上の1画素幅の水平ライン上を1画素ずつオフセットしながら探索し、基準画像Tの各画素の輝度値p1ijに基づいて各画素の輝度微分値すなわちエッジ強度が閾値以上に大きく変化する等の条件を満たす画素を検出する。その際、基準画像Tに対応する距離画像に割り付けられた各画素の距離Lijの情報に基づいて検出された画素が道路面上にない場合は除外するようになっている。
検出手段26は、探索を行う水平ラインを基準画像Tの下側から上向きに1画素幅ずつオフセットさせながら順次画素の検出を行う。このようにして、検出手段26は、図4に示すように、基準画像T上で自車両の右側に右車線位置LRを、左側に左車線位置LLをそれぞれ検出し、さらに基準画像T上のそれぞれの車線を変換して実空間におけるそれらの位置を認識するようになっている。
また、検出手段26は、検出された画素を画素間の間隔や方向性からグループ化して、車線が追い越し禁止線や路側帯と車道とを区画する区画線等のような連続線で表された標示であるか、車線変更可能を表す車両通行帯境界線等のような破線で表された標示であるかを区別して検出することができるようになっている。
なお、画素の探索は、基準画像T上に探索エリアを設定して行われるようになっている。すなわち、今回の検出処理では、前回の検出処理で検出された車線位置に基づいてその車線位置を含む基準画像T上の一定の範囲に探索エリアを設定する。また、今回の検出で基準画像Tの下側から上向きに水平ラインを1画素幅ずつオフセットさせながら順次画素の検出を行う際に、ある水平ラインで前記条件を満たす画素が検出されなかった場合には、次の水平ラインでは探索エリアを拡大して探索を行うようになっている。
検出手段26は、検出した右車線位置LRおよび左車線位置LLの情報等をメモリ5に保存するとともに、範囲設定手段3に出力するようになっている。
範囲設定手段3は、設定された条件に適合するように自車両が走行すべき走行目標点を設定するための走行目標点設置範囲を設定するようになっている。なお、走行目標点とは、自車両前方の自車両から目標距離だけ離れた地点に定められる自車両が走行すべき点をいう。
範囲設定手段3は、走行目標点設置範囲の設定のための基準となるデータの取り込みを行うようになっている。
具体的には、範囲設定手段3は、図5に示すように、車線検出手段2から送信されてきた右車線位置LRおよび左車線位置LLの情報に基づいて右車線位置LRおよび左車線位置LLと自車両MCを仮想的な実空間上に配置する。そして、自車両MC前方の自車両MCから設定された距離だけ前方の車幅方向に延びるラインP上において、設定された条件に適合するように右車線位置LRおよび左車線位置LLからそれぞれ所定距離Ror、Rolだけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置OR、OLを設定するようになっている。また、範囲設定手段3は、左右の車線位置LR、LLと自車両MCの配置にあわせて自車両MCと右車線位置LRとの距離Rを検出するようになっている。
本実施形態では、自車両MCからラインPまでの距離として、自車両MCが現在の車速Vで所定時間走行した場合の走行距離に一定距離を加算した距離が設定されるようになっている。また、以下、前記所定距離Ror、Rolをオフセット距離Ror、Rolといい、範囲設定手段3は、これらのオフセット距離Ror、Rolを走行目標点設置範囲の設定のための基準となるデータとしてメモリ5に保存するようになっている。
前記図5では、設定された条件として自車両MCが左右を車線位置LR、LLで区画された走行レーンL1の中央を走行するという条件が設定された場合が示されている。この条件の場合、左右のオフセット距離Ror、Rolは互いに等しくラインPにおける道幅の半分の距離に設定され、左右のオフセット位置OR、OLは走行レーンL1の中央の同一位置に設定される。
また、範囲設定手段3は、図6に示すように、車線検出手段2により検出された車線位置LR、LLがカーブしている場合でも、同様にして左右のオフセット距離Ror、Rolおよび左右のオフセット位置OR、OLを設定し、オフセット距離Ror、Rolを走行目標点設置範囲の設定のための基準となるデータとしてメモリ5に保存するようになっている。
なお、図6では、設定された条件として自車両MCが右車線位置LRから特定距離離れた位置を走行するという条件が設定された場合を示している。この条件の場合、左右のオフセット位置OR、OLは右車線位置LRから前記特定距離だけ離れた同一位置に設定され、右オフセット距離Rorが前記特定距離に、また左オフセット距離RolはラインPにおける道幅から前記特定距離を減じた差分の距離に設定される。
なお、本実施形態では、範囲設定手段3は、自車両の車線変更時や右左折時、或いは他の装置から中断指示があった場合などには走行目標点の設定が中断されるようになっている。そして、本装置による走行目標点の設定が再開された際に、前記と同様にして設定された条件に適合するようにオフセット距離Ror、Rol等が設定され、オフセット距離Ror、Rolが基準データとしてメモリ5に保存するようになっている。
範囲設定手段3は、各サンプリングサイクルごとに、車線検出手段2から送信されてくる左右の車線位置LR、LLの情報に基づいて左右の車線位置LR、LLと自車両MCとを仮想的な実空間上に配置し、前記走行目標点設置範囲の設定のための基準となるデータであるオフセット距離Ror、Rolに基づいて自車両MC前方のラインP上において、右車線位置LRおよび左車線位置LLからそれぞれオフセット距離Ror、Rolだけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置OR、OLを設定するようになっている。
そして、範囲設定手段3は、このようにして各サンプリングサイクルごとに設定される右オフセット位置ORから左オフセット位置OLまでの範囲を走行目標点設定範囲として設定するようになっている。
装置の起動時や走行目標点設定の再開時などには、左右のオフセット位置OR、OLは走行レーンL1上の同一位置に設定されるため、走行目標点設定範囲の幅は0になる。また、検出された左右の車線位置LR、LL間の道幅がずっと一定であるという理想的な状況においても走行目標点設定範囲の幅は0になる。
また、図7に示すように道幅が拡大する走行レーンL1において、範囲設定手段3が、図示しない自車両の前方のラインPが図中P1で示される道幅が拡大する手前の領域にある段階で、ラインP1上に例えば道幅の半分の距離に等しい左右のオフセット距離Ror1、Rol1を基準データとして取り込んだとする。この段階では左右のオフセット位置OR1、OL1は走行レーンL1の中央の同一位置に設定され、走行目標点設定範囲の幅は0である。
さらに自車両が前進し、前方のラインPが図中P2で示されるように道幅が拡大した領域に入ると、自車両前方のラインP2上で右車線位置LRおよび左車線位置LLからそれぞれ基準データとしてのオフセット距離Ror1、Rol1だけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置OR1、OL1が設定される。そのため、左右のオフセット位置OR1、OL1はそれぞれ軌跡Lor1、Lol1をたどり、左右のオフセット位置OR1、OL1の間に幅が0より大きい走行目標点設定範囲LIMが設定される。
また、例えば図8に示すように走行レーンL1の道幅が減少する場合も同様である。すなわち、範囲設定手段3が図示しない自車両の前方のラインP3上で例えば道幅の半分の距離に等しい左右のオフセット距離Ror2、Rol2を基準データとして取り込んだとする。この段階では走行目標点設定範囲の幅は0である。
さらに自車両が前進して前方のラインPが図中P4で示されるように道幅が縮小した領域に入ると、自車両前方のラインP4上で右車線位置LRおよび左車線位置LLからそれぞれ基準データとしてのオフセット距離Ror2、Rol2だけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置OR2、OL2が設定される。そのため、左右のオフセット位置OR2、OL2はそれぞれ軌跡Lor2、Lol2をたどり、左右のオフセット位置OR2、OL2の間に幅が0より大きい走行目標点設定範囲LIMが設定される。なお、この場合、左右のオフセット位置OR2、OL2の左右の位置関係が逆転するが、処理上は何ら問題はない。
一方、本実施形態では、範囲設定手段3は、基準データである左右のオフセット距離Ror、Rolをそれぞれ修正することができるようになっている。
本実施形態では、図7のラインP2上や図8のラインP4上のように、所定のサンプリングサイクルの期間中連続して走行目標点設定範囲LIMの幅が規定値以上であり、その期間中の走行目標点設定範囲LIMの幅のばらつきが所定の範囲内である場合には、自動的に基準データとしての左右のオフセット距離Ror、Rolを設定された条件に適合するようにそれぞれ修正するようになっている。この他にも、例えば、他の装置から修正指示があった場合に基準データとしての左右のオフセット距離Ror、Rolの修正を行うように構成することも可能である。
範囲設定手段3は、例えば、前記図7のラインP2上や図8のラインP4上に示したように、走行目標点設定範囲LIMの幅が規定値以上であり幅のばらつきが所定の範囲内である状態が所定期間連続した場合には、図9のラインP5上や図10のラインP6上に示すように、設定された条件に適合するようにすなわち図9や図10の場合には自車両が走行レーンL1の中央を走行するという条件に適合するように基準データである左右のオフセット距離Ror1、Rol1或いは図10の場合は左右のオフセット距離Ror2、Rol2を修正する。
具体的には、新たな基準データとして拡大した道幅の半分の距離をそれぞれ左右のオフセット距離Ror3、Rol3を設定し、新たな左右のオフセット位置OR3、OL3を設定するようになっている。図10の場合は新たな基準データとして拡大した道幅の半分の距離をそれぞれ左右のオフセット距離Ror4、Rol4を設定し、新たな左右のオフセット位置OR4、OL4を設定するようになっている。新たな左右のオフセット位置OR3、OL3やオフセット位置OR4、OL4はそれぞれ走行レーンL1上の同一位置に設定されるため、走行目標点設定範囲LIMの幅は再び0となる。
修正されて新たに設定された左右のオフセット距離Ror、Rolは基準データとしてメモリ5に保存するようになっている。
なお、図7から図10および後述する図15では、左右の車線位置LR、LLが位置固定された系内をサンプリングサイクルごとに自車両が前進してラインPが移動するように表現されているが、範囲設定手段3が実際に設定する系は、自車両が原点に位置固定された系であり、サンプリングサイクルごとに左右の車線位置LR、LLが自車両の後方に移動する。
本実施形態に係る範囲設定手段3は、さらに、基準データとしての左右のオフセット距離Ror、Rolのいずれかが予め設定した規定距離よりも小さくなり、左右の車線位置LR、LLのいずれかに接近している場合には、規定距離よりも小さいオフセット距離が規定距離以上になるようにオフセット距離を修正し、他方のオフセット距離も修正するようになっている。
具体的には、範囲設定手段3は、図11(A)に示すように、例えば右オフセット距離Rorが予め設定した規定距離Rboundよりも小さくなって右車線位置LRに接近している場合には、図11(B)に示すように、右オフセット距離Rorを規定距離Rbound以上になるように修正する。
一方、左オフセット距離Rolも修正するようになっている。この場合、左オフセット距離Rolは、例えば過去に検出している道幅から左オフセット距離Rolを減算した距離が一定距離未満になっている場合も同様に前記一定距離以上になるように修正される。
このようにして修正され新たに設定された左右のオフセット距離Ror、Rolは基準データとしてメモリ5に保存するようになっている。また、このようにオフセット距離Ror、Rolを修正することで、後述するように走行目標点設定範囲LIM内に設定される走行目標点を車線位置から規定距離Rbound以上内側に移動させることができ、走行目標点を基準に走行する自車両を車線位置の内側に移動させて隣接する走行レーンを走行する他の車両等との接触や衝突を確実に回避することが可能となる。
なお、このように左右のオフセット距離Ror、Rolを1回のサンプリングサイクルで修正する代わりに、例えば、図12(A)〜図12(C)に示すように、規定距離Rboundよりも小さくなっているオフセット距離を各サンプリングサイクルごとに除々に拡大し、他方のオフセット距離も除々に短縮して、走行目標点を走行レーンL1の中央に向かう方向に移動させるように修正することも可能である。この場合、各サンプリングサイクルごとの各オフセット距離の移動量は、固定値とすることも可変値とすることも可能である。
このようにオフセット距離Ror、Rolを修正すれば、走行目標点設定範囲LIM内に設定される走行目標点を徐々に走行レーンL1の中央に向かう方向に移動させることができ、運転者に自車両が急激に走行レーンに引き戻されるような違和感を与えることを防止することが可能となる。
走行目標点設定手段4は、自車両の挙動が所定の目標挙動になるように自車両が走行すべき走行目標点を設定するための走行目標点設定位置を算出し、算出した走行目標点設定位置に走行目標点を設定するようになっている。また、走行目標点設定手段4は、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲LIMの外に位置する場合は、算出した走行目標点設定位置を走行目標点設定範囲LIM内に補正するようになっている。
本実施形態では、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしないことを自車両の目標挙動とし、さらに、自車両から前方に延びる自車両の中心線と自車両前方のラインPとの交点からの走行目標点の偏差が前回のサンプリングサイクルにおける偏差を維持する位置を走行目標点設定位置として算出するようになっている。
具体的には、走行目標点設定手段4は、図13に示すように、各サンプリングサイクルごとに、通常Z軸で示される自車両の中心線LcとラインPとの交点Piの座標を算出する。そして、そのサンプリングサイクルで設定した走行目標点GPの座標を算出して、交点Piと走行目標点GPとの偏差Rp-gを算出しメモリ5に記憶させる。この作業をサンプリングサイクルごとに行う。
そして、走行目標点設定手段4は、今回のサンプリングサイクルにおいては、メモリ5から前回のサンプリングサイクルにおける偏差Rp-gを読み出して、今回のラインPと自車両の中心線Lcとの交点Piから前回の偏差Rp-g分だけ離間した位置を走行目標点設定位置として算出し、走行目標点設置位置に走行目標点GPを設定するようになっている。
このようにして走行目標点GPを算出することで、自車両の操舵角が維持されるようになり、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしないことの目標挙動が満たされる。
また、図14の拡大図に示すように、今回のラインPと自車両の中心線Lcとの交点Piから前回の偏差Rp-g分だけ離間した位置Perrが走行目標点設定範囲LIMの範囲外となる場合には、走行目標点設定手段4は、走行目標点設置範囲LIM内の点で位置Perrに最も近い点、すなわち図14の場合には右オフセット位置ORを走行目標点設定位置とするように、算出した走行目標点設定位置を補正し、補正した走行目標点設置位置に走行目標点GPを設定するようになっている。
このように、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲LIMの外に位置する場合には、走行目標点設定範囲内で、自車両の挙動すなわち操舵角の変化が最も小さくなる位置に走行目標点GPが設定される。
なお、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしないことの目標挙動としては、この他にも、例えば、今回のサンプリングサイクルにおける自車両の位置が、前々回および前回のサンプリングサイクルにおけるそれぞれの自車両の実空間上の位置を結んだ直線上になるように走行目標点設定位置を算出するようにしても満たされる。この場合には、自車両の操舵角が現在の操舵角より小さくなるように変化する。
また、今回のサンプリングサイクルにおける自車両のヨーレートが、前回のサンプリングサイクルにおけるヨーレートに等しくなるように走行目標点設定位置を算出するようにしても良い。さらに、前回以前のサンプリングサイクルにて設定した各走行目標点GPの位置から近似曲線を算出し、算出した近似曲線の延長線と今回のラインPとの交点を走行目標点設定位置として算出しても良い。
また、自車両の操舵角が現在までの操舵角の変化率を維持することを目標挙動とするようにしても良い。
この場合、本実施形態のように各サンプリングサイクルごとに算出した偏差Rp-gをメモリ5に保存しておき、メモリ5から読み出した偏差Rp-gに基づいて前回以前の所定回数の偏差Rp-gの変化率を算出し、前回のサンプリングサイクルにおける偏差Rp-gからその変化率分拡大し或いは減少させて今回のサンプリングサイクルにおける偏差Rp-gを算出するように構成する。
なお、前記のいずれの場合も、図14に示した本実施形態の場合と同様に、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲LIMの範囲外となる場合には、走行目標点設置範囲LIM内の点で算出した走行目標点位置に最も近い点が正しい走行目標点設定位置として補正され、その補正した走行目標点設置位置に走行目標点GPが設定される。
また、走行目標点設定手段4は、車線検出手段2が左右の車線位置LR、LLのうち片側の車線位置しか検出できなかった場合には、前記基準となるオフセット距離Ror、Rolのうち検出できた方の車線位置に対応するオフセット距離を用いて走行目標点GPを設定するようになっている。
すなわち、走行目標点設定手段4は、前方のラインP上の検出できた車線位置からオフセット距離離間した位置を走行目標点設定位置として算出し、そこに走行目標点GPを設定するようになっている。
走行目標点設定手段4は、以上のようにして設定した走行目標点GPの座標等の情報を出力するようになっている。
次に、本実施形態に係る走行目標点設定装置1の作用について説明する。
以下、車線検出手段2により、前記従来例で示した図23のような右車線位置LRおよび左車線位置LLが検出された場合について説明する。
走行目標点設定装置1の範囲設定手段3は、図15に示すように、車線検出手段2から送信されてきた右車線位置LRおよび左車線位置LLの情報に基づいて右車線位置LRおよび左車線位置LLと自車両MCを仮想的な実空間上に配置する。
そして、自車両MC前方のラインP7上において、設定された条件に適合するようにオフセット距離Ror、Rolを設定し、右車線位置LRおよび左車線位置LLからそれぞれオフセット距離Ror、Rolだけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置OR、OLを設定する。オフセット距離Ror、Rolはそれぞれ基準データとしてメモリ5に保存される。
ラインP7上では左右のオフセット位置OR、OLは例えば走行レーンL1の中央の同一位置に設定される。この場合、走行目標点設定手段4は、ラインP7上では、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲LIM外に位置する場合には走行目標点設定位置を幅0の走行目標点設定範囲LIM内に補正するから、結局、オフセット位置OR、OLと同一の位置に走行目標点GPを設定する。
自車両MCがさらに前進し、前方のラインPが図中P8で示される左車線位置LLが左側に膨らんで検出されている領域に入ると、左車線位置LLから左オフセット距離Rolだけ離間した左オフセット位置OLが左側に移動した位置に設定される。一方、右車線LRは真っ直ぐのままであるから右オフセット位置ORは左右方向には移動しない。そのため、左オフセット位置OLと右オフセット位置ORとの間に幅が0ではない走行目標点設定範囲LIMが設定される。
走行目標点設定手段4は、本実施形態の場合は自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしないように、メモリ5から前回のサンプリングサイクルにおける偏差Rp-gを読み出して、今回のラインP8と自車両の中心線Lcとの交点Piから前回の偏差Rp-g分だけ離間した位置を走行目標点設定位置として算出する。
図15の場合、前回のサンプリングサイクルでは走行目標点GPは自車両MCの中心線の真正面にあったから偏差Rp-gは0である。そのため、今回のラインP8と自車両の中心線の交点の位置が走行目標点設定位置として算出される。ラインP8と自車両の中心線の交点の位置は右オフセット位置ORであり走行目標点設定範囲LIM内である。
従って、右オフセット位置ORと同一の位置に走行目標点GPが設定される。すなわち、走行目標点GPはそれまでの走行目標点GPの軌跡であるラインLgpの延長線上に設定される。以後も、走行目標点GPは軌跡ラインLgpの延長線上に設定され続ける。
続いて、自車両MCがさらに前進し、前方のラインPが図中P9で示される左車線位置LLが元の位置に戻り右車線位置LRが右側に膨らんで検出されている領域に入ると、今度は左オフセット位置OLはラインP7上における位置に戻り、右車線位置LRから右オフセット距離Rorだけ離間した右オフセット位置ORが右側に移動した位置に設定される。そのため、左オフセット位置OLと右オフセット位置ORとの間に幅が0ではない走行目標点設定範囲LIMが設定される。
走行目標点設定手段4は、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしないようにメモリ5から前回のサンプリングサイクルにおける偏差Rp-gを読み出すが、この場合も、前回のサンプリングサイクルでは走行目標点GPは自車両MCの中心線の真正面にあったから偏差Rp-gは0である。そのため、今回のラインP9と自車両の中心線の交点の位置が走行目標点設定位置として算出される。
ラインP9と自車両の中心線の交点の位置は左オフセット位置OLであり走行目標点設定範囲LIM内である。従って、今度は左オフセット位置OLと同一の位置に走行目標点GPが設定される。すなわち、走行目標点GPはやはりそれまでの走行目標点GPの軌跡であるラインLgpの延長線上に設定される。
以下、同様にして、ラインP10では走行目標点設定範囲LIM内の右オフセット位置ORの同一の位置、ラインP11では走行目標点設定範囲LIM内の左オフセット位置OLの同一の位置、ラインP12では幅0の走行目標点設定範囲LIM内の同一の位置にある左右のオフセット位置OR、OLの位置にそれぞれ走行目標点GPが設定される。そして、それらの走行目標点GPは、すべて滑らかなラインLgp上に設定される。
以上のように、本実施形態に係る走行目標点設定装置1によれば、従来例のように左右の車線位置等を基準として自車両前方のライン上に走行目標点を直接設定するのではなく、それらを基準として走行目標点を設定するための範囲である走行目標点設定範囲を設定する。また、走行目標点設定範囲は左右のオフセット距離を基準として設定される。
さらに、走行目標点は、自車両の挙動が目標となる挙動となる走行目標点設定位置を算出し、算出した走行目標点設定位置に設定される。そして、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲の外に位置する場合は、走行目標点設定位置を走行目標点設定範囲内の位置に補正する。
このように、走行目標点が、自車両の挙動が目標挙動となるように設定されるとともにオフセット距離に厳格に区画された走行目標点設定範囲内に常に設定されるから、車両の逸脱回避制御や車線追従制御における基準を的確に設定することが可能となる。
また、従来例のように不安定に検出された車線位置や走行レーンの中央にそって走行目標点が左右に移動して自車両の走行が蛇行することを回避することが可能となり、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように制御することが可能となる。
また、走行目標点設定範囲を区画する基準となるオフセット距離を修正できるように構成すれば、例えば走行レーンの道幅が拡大したり減少したりする場合にオフセット距離の修正を行うことで、設定された条件に適合するように走行目標点の設定位置を限定することが可能となり、より的確に走行目標点を設定することが可能となる。
さらに、オフセット距離が小さく一方の車線位置に接近した位置に走行目標点が設定されてしまう場合に、走行レーンの中央に向かう方向にオフセット距離を修正することで、自車両を車線位置の内側に移動させて隣接する走行レーンを走行する他の車両等との接触や衝突を確実に回避することが可能となり、走行の安全性が確保される。
[第2の実施の形態]
第2の実施形態では、前記第1の実施形態に係る走行目標点設定装置1を用いた車線追従支援装置について説明する。本実施形態に係る車線追従支援装置は、車線追従制御を常時行いながら運転者の好みに合わせて走行レーン内での走行位置を変更可能とするものである。
車線追従支援装置10は、図16に示すように、前記走行目標点設定装置1と制御装置11とを備えている。走行目標点設定装置1は、検出した左右の車線位置LR、LLの座標や設定した走行目標点の座標等の情報を制御装置11に送信するようになっている。また、制御装置11には、ステアリングサーボ機能を有する制御システムを含む応動部Bが接続されており、制御装置11は、応動部Bに信号を送信して車線追従制御を行うようになっている。
走行目標点設定装置1は、装置の起動時や走行目標点設定の中断後の再開時等には、第1の実施形態で述べたように、設定された条件に適合するようにオフセット距離Ror、Rolを基準データとして取り込み、それに基づいて走行目標点GPを設定するようになっている。
また、自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしないことを自車両の目標挙動とし、自車両から前方に延びる自車両の中心線と自車両前方のラインPとの交点からの走行目標点の偏差が前回のサンプリングサイクルにおける偏差を維持する位置を走行目標点設定位置として算出し、走行目標点GPを設定することは前記第1の実施形態の場合と同様である。
制御装置11は、制御手段12と、演算手段13と、応動部制御手段14と、計測手段15とを備えている。また、制御装置11には、前記第1の実施形態で述べたセンサ類Aが図示しないI/Oインターフェースを介して接続されており、車速Vやステアリングホイールの操舵角δ、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクTH、ターンシグナル信号TS、ヨーレートγ等が入力されるようになっている。
制御手段12は、制御装置11の前記各手段の動作タイミングや各部間の情報の流れを制御するとともに、走行目標点設定装置1の動作を制御するようになっている。
また、制御手段12は、装置の起動時や走行目標点設定の中断後の再開時等に、走行目標点設定装置1が設定された条件に適合するようにオフセット距離Ror、Rolを基準データとして取り込み、それに基づいて走行目標点GPを設定することを許容する。そして、通常の走行時には基準データとしてのオフセット距離Ror、Rolに基づいて設定され送信されてきた走行目標点GPの情報に基づいて演算手段13や応動部制御手段14の動作を制御するようになっている。
また、制御手段12は、操舵トルクセンサから入力される操舵トルクTHを常時監視し、運転者による操舵行為の介入があった場合には、操舵行為が継続している間およびその後の所定の期間については、運転者の操舵に合わせて走行目標点GPの設定位置を更新するように走行目標点設定装置1に更新信号を送信するようになっている。
具体的には、制御手段12は、操舵トルクセンサから入力される操舵トルクTHが、図17(A)に示すように予め設定された閾値を超えた場合に運転者による操舵行為の介入があったと判断するようになっている。制御手段12は、運転者による操舵行為の介入があったと判断すると、計測手段15であるカウンタに、前記所定の期間すなわち規定時間Tlapに相当するサンプリングサイクル数のカウントをセットするようになっている。例えば、規定時間Tlapを3秒に設定した場合、1サンプリングサイクルの所要時間が100ミリ秒であればカウント30がセットされ、1サンプリングサイクルの所要時間が10ミリ秒であればカウント300セットされるカウントは300となる。
さらに、制御手段12は、規定時間Tlapに相当するサンプリングサイクル数のカウントをセットすると、1サンプリングサイクルごとにカウンタ15のカウントを1ずつ減算させて経過時間を計測させるようになっている。しかし、制御手段12は、運転者による操舵行為の介入があると判断し続ける限り各サンプリングサイクルごとに規定時間Tlapに相当するサンプリングサイクル数のカウントをカウンタ15にセットし続けるから、カウンタ15のカウントは、図17(B)に示すように運転者の介入行為が継続する限り規定時間Tlapに相当するカウントが維持される。そして、操舵介入がなくなると減算が開始される。そのため、操舵介入がなくなった時点から規定時間Tlapの計測が開始されることになる。
制御手段12は、運転者による操舵行為の介入があったと判断すると、走行目標点設定装置1に更新信号を送信し、カウンタ15のカウントが0になるまで、すなわち運転者による操舵行為の介入が継続する継続時間Tcontiおよび操舵介入終了後から規定時間Tlapが経過するまでの期間Ttotalの間、走行目標点設定装置1に更新信号を送信し続けるようになっている。
走行目標点設定装置1の範囲設定手段3は、制御装置11の制御手段12から更新信号を受信する間、基準データとしての左右のオフセット距離Ror、Rolの設定を解除し、検出される自車両MCと右車線位置LRとの距離Rと一致するように右オフセット距離Rorを修正し、自車両MC前方のラインPにおける道幅から右オフセット距離Rorを減じた差分を左オフセット距離Rolとして設定するようになっている。
つまり、制御装置11の制御手段12から更新信号を受信する間、すなわち運転者による操舵行為の介入が継続する継続時間Tcontiおよび操舵介入終了後から規定時間Tlapが経過するまでの期間Ttotalの間は、走行目標点GPは、自車両前方のラインP上で右車線位置LRから距離Rだけ離れた位置に設定されるようにオフセット距離Ror、Rolが修正される。そして、自車両MCと右車線位置LRとの距離Rが変わると走行目標点GPの左右方向の位置も変わる。
走行目標点設定装置1は、制御装置11の制御手段12から更新信号が送信されている間も各サンプリングサイクルごとに走行目標点GPの設定を続行し、その座標を各サンプリングサイクルごとに制御装置11に送信し続ける。また、走行目標点設定装置1は、制御装置11の制御手段12からの更新信号の送信がなくなると、その直前のサンプリングサイクルにおける左右のオフセット距離Ror、Rolを基準データとして設定して保存し、以後は、制御装置11から後述する修正信号が送信されるまで、その左右のオフセット距離Ror、Rolを修正せずに基準データとして用いるようになっている。
なお、前記図11や図12に示した走行目標点設定装置1におけるオフセット距離の修正、すなわち左右のオフセット距離Ror、Rolのいずれかが規定距離Rboundよりも小さくなり走行目標点GPが車線位置LR、LLに接近している場合のオフセット距離の修正は随時行われる。
また、制御装置11の制御手段12は、前記図9や図10に示したように、走行目標点設定範囲LIMの幅が規定値以上であり幅のばらつきが所定の範囲内である状態が所定期間連続した場合には、走行目標点設定装置1に修正信号を送信するようになっている。
走行目標点設定装置1の範囲設定手段3は、制御装置1の制御手段12から修正信号を受信すると、図9や図10に示したように、設定された条件に適合するように基準データである左右のオフセット距離Ror、Rolを修正するようになっている。
演算手段13は、走行目標点設定装置1により走行目標点GPが設定されると、図18に示すように、自車両MCが走行目標点GPに向かう経路を円弧と仮定して自車両の走行ラインLを決定するようになっている。そして、図中矢印で示される自車両MCの進行方向と地点P上の走行目標点GPの位置から目標半径rとして走行ラインLの曲率半径を算出するようになっている。なお、前記円弧には目標半径rが無限大すなわち直線である場合も含まれる。
また、演算手段13は、算出した走行ラインLの目標半径rと車速Vと自車両の車両特性パラメータに基づいて目標半径rを実現するための目標操舵角δestを算出するようになっている。
応動部制御手段14は、例えば二輪モデルに基づいて操舵角センサにより実測される操舵角の実測値δreすなわち実操舵角δreと車速Vと自車両の車両特性パラメータから車体すべり角βを算出するようになっている。そして、ヨーレート推定装置やヨーレートセンサにより推定または実測されるヨーレートγ、前記車体すべり角β、実操舵角δre、車速Vおよび車両特性パラメータに基づいてセルフアライニングトルクTsaを算出する。そして、算出したセルフアライニングトルクTsaにゲイン値を乗算し、第1電動パワステ指示トルク電流It1を算出するようになっている。
さらに、応動部制御手段14は、操舵角センサで実測される実操舵角δreが、演算手段13により算出された目標操舵角δestになるようにPD制御により第2電動パワステ指示トルク電流It2を算出して、前記第1電動パワステ指示トルク電流It1に加算し、制御指示トルク電流Itを算出するようになっている。
応動部制御手段14は、このようにして自車両が走行ラインLを走行するように算出した制御指示トルク電流Itの値を応動部Bであるステアリングサーボ機能を有する制御システムに信号として送信するようになっている。ステアリングサーボ機能を有する制御システムは、送信されてきた制御指示トルク電流Itの値に基づいて制御指示トルク電流を発生させ、電動パワーステアリングを自動操舵するようになっている。
演算手段13による目標操舵角δestの算出および応動部制御手段14による制御指示トルク電流Itの算出は、各サンプリングサイクルごとに行われる。
なお、制御手段12は、走行目標点設定装置1から車線位置LR、LLの情報が送信されてこない場合や自車両が右左折や車線変更をする場合、自車両が車線を跨ぐ状態が継続される場合、ステアリングホイールの過大な操舵行為があった場合等には車線追従制御の制御動作を中断するようになっている。この場合、制御手段12は、制御装置11の各手段の動作を停止するとともに、走行目標点設定装置1に中断信号を送信して、範囲設定や走行目標点設定を中断させる。
以上のように、本実施形態に係る車線追従支援装置10によれば、運転者による操舵行為の介入が検出されない場合には、走行目標点設定装置1の作用によって左右のオフセット距離を基準として走行目標点設定範囲が設定され、自車両の挙動が目標挙動となるように設定されるとともにオフセット距離に区画された走行目標点設定範囲内に常に設定されるため、車線追従制御における基準が的確に設定され、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように制御することが可能となる。
また、自車両の軌道を修正すべく運転者により操舵行為の介入が行われた場合には、車線追従制御を継続しつつ、走行目標点の位置を自車両との距離Rの変動に合わせて更新する。そのため、運転者がステアリングホイールの操舵の際に感じる違和感が軽減され、スムーズに自分の好みにあわせて自車両の軌道の修正等を行うことが可能となる。
なお、前記第1の実施形態に係る走行目標点設定装置1を用いた車線追従支援装置を、本実施形態のように運転者の好みに合わせて走行レーン内での走行位置を変更可能とするものではなく、例えば、走行レーンの中央に固定された位置を走行する車線追従支援装置とすることも可能である。この場合、車線追従支援装置を構成する走行目標点設定装置1では、基準データとしての左右のオフセット距離Ror、Rolは取り込みの段階から互いに等しい値になるように設定され、修正される際にも互いに等しい値になるように修正される。
また、前記図9や図10に示したように、走行目標点設定範囲LIMの幅が規定値以上であり幅のばらつきが所定の範囲内である状態が所定期間連続した場合に、車線追従支援装置を構成する制御装置から走行目標点設定装置1に修正信号を送信し、走行目標点設定装置1が修正信号を受信すると、図9や図10に示したように、設定された条件に適合するように基準データである左右のオフセット距離Ror、Rolを修正することは前記第2の実施形態と同様に行われる。
[第3の実施の形態]
第3の実施形態では、前記第1の実施形態に係る走行目標点設定装置1を用いた車線逸脱防止装置について説明する。本実施形態に係る車線逸脱防止装置は、自車両が車線を逸脱する可能性があると判定した場合に、逸脱回避制御を作動させて自動的に車両を走行中の走行レーンに引き戻すものである。
車線逸脱防止装置20は、図19に示すように、前記走行目標点設定装置1と制御装置21とを備えている。走行目標点設定装置1は、検出した左右の車線位置LR、LLの座標や設定した走行目標点の座標等の情報を制御装置21に送信するようになっている。また、制御装置21には、ステアリングサーボ機能を有する制御システムを含む応動部Bが接続されており、制御装置21は、応動部Bに信号を送信して逸脱回避制御を行うようになっている。
制御装置21は、制御手段22と、走行軌跡推定手段23と、逸脱判定手段24と、演算手段25と、応動部制御手段26と、計測手段27とを備えている。また、制御装置21には、前記第1の実施形態で述べたセンサ類Aが図示しないI/Oインターフェースを介して接続されており、車速Vやステアリングホイールの操舵角δ、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクTH、ターンシグナル信号TS、ヨーレートγ等が入力されるようになっている。
制御手段22は、制御装置21の前記各手段の動作タイミングや各部間の情報の流れを制御するとともに、走行目標点設定装置1の動作を制御するようになっている。なお、本実施形態に係る車線逸脱防止装置20では、制御手段22は、走行目標点設定装置1の車線検出手段2は常時作動させるが、範囲設定手段3および走行目標点設定手段4については自車両が車線を逸脱する可能性があると判定した場合に限り作動させるようになっている。
走行軌跡推定手段23は、仮想的に実空間を設定し、走行目標点設定装置1から常時送信されてくる右車線位置LRおよび左車線位置LLの情報に基づいて各サンプリングサイクルごとに左右の車線位置LR、LLと自車両MCを実空間上に配置するようになっている。また、走行軌跡推定手段23は、センサ類Aから入力される自車両の現在の車速Vとヨーレートγ或いは車速Vと操舵角δに基づいて自車両の旋回曲率から走行軌跡Lestを算出するようになっている。
逸脱判定手段24は、走行軌跡推定手段23により算出された走行軌跡Lestと、自車両の車幅と、左右の車線位置LR、LLに基づいて自車両が車線を逸脱する可能性があるかないかを判定するようになっている。
具体的には、逸脱判定手段24は、図20に示すように、車線検出手段2から送信されてきた右車線位置LRおよび左車線位置LLの情報に基づいて右車線位置LRおよび左車線位置LLを仮想的な実空間上に配置し、走行軌跡推定手段23が算出した自車両MCの走行軌跡Lestを当てはめる。また、自車両の車幅を考慮して走行軌跡Lestを中心とした自車両の右端および左端の軌跡LestR、LestLを特定するようになっている。
また、自車両前方の第1の距離、すなわち例えば前方約10mに自車両の車幅方向と平行にすなわちX軸方向に第1の判断ラインPKを設定し、自車両前方の第2の距離、すなわち例えば前方約18mに自車両の車幅方向と平行に第2の判断ラインPEを設定する。
この状態で、逸脱判定手段24は、まず、第1の判断ラインPKの地点で自車両MCから見て自車両の右端の軌跡LestRが右車線位置LRより外側にあるか或いは自車両の左端の軌跡LestLが左車線位置LLより外側にある場合には、車線逸脱の可能性があると判定する。逸脱判定手段24は、続いて、第2の判断ラインPEの地点で自車両の右端の軌跡LestRが右車線位置LRより外側或いは左端の軌跡LestLが左車線位置LLより外側にある場合には、車線逸脱の可能性があると判定する。
そして、逸脱判定手段24は、これら2つの判断結果が共に車線逸脱の可能性有りと判定された場合に、最終的に自車両MCが車線を逸脱する可能性があると判定するようになっている。逸脱判定手段24は、以上のようにして自車両MCが車線を逸脱する可能性があると判定すると、回避信号を制御手段22に送信する。
制御手段22は、逸脱判定手段24から回避信号を受信すると、走行目標点設定装置1に回避信号を送信して範囲設定手段2と走行目標点設定手段3を起動させる。また、計測手段27であるカウンタに予め設定された制御動作時間に相当するサンプリングサイクル数のカウントをセットするようになっている。例えば、制御動作時間を6秒に設定した場合、1サンプリングサイクルの所要時間が100ミリ秒であればセットされるカウントは60となり、1サンプリングサイクルの所要時間が10ミリ秒であればセットされるカウントは600となる。
また、制御手段22は、各サンプリングサイクルごとにカウンタ27のカウントを1ずつ減算させるようになっており、カウントが0になるまで走行目標点設定装置1に回避信号を送信し続けるようになっている。
走行目標点設定装置1は、制御手段22から回避信号を受信すると、その間、範囲設定手段3と走行目標点設定手段4を起動させる。
範囲設定手段3は、設定された条件に適合するようにオフセット距離Ror、Rolを基準データとして取り込む。本実施形態では、前記条件として、図21に示すように、起動時には自車両MCが逸脱する可能性がある方の車線位置から自車両の車幅の半分に相当する距離だけ離間した位置に左右のオフセット位置OR、OLが設定されるようにオフセット距離Ror、Rolを設定する。また、各サンプリングサイクルごとに自車両MCが逸脱する可能性がある方の車線位置に対応するオフセット距離を一定量ずつ増大させ、他方のオフセット距離を同じ量ずつ減少させるように設定されている。
図21に示した例では、自車両MCが逸脱する可能性がある方の車線位置とは右車線位置LRであり、各サンプリングサイクルごとにオフセット距離Rorを一定量ずつ増大させ、オフセット距離Rolを同じ量ずつ減少させる。
走行目標点設定手段4は、自車両が走行すべき走行目標点GPを設定するための走行目標点設定位置を算出し、算出した走行目標点設定位置に走行目標点GPを設定する。そして、算出した走行目標点設定位置が走行目標点設定範囲LIM外に位置する場合は、算出した走行目標点設定位置を走行目標点設定範囲LIM内に補正し、補正した走行目標点設定位置に走行目標点GPを設定する。
前記条件の場合、起動時には左右のオフセット位置OR、OLは同一の位置に設定されるから走行目標点設定範囲LIMの幅は0であり、走行目標点GPはオフセット位置OR、OLは同一の位置に設定される。また、各サンプリングサイクルごとのオフセット距離Ror、Rolの増加、減少の際、道幅が一定であればオフセット位置OR、OLは同一の位置に設定されるから同様に走行目標点GPはオフセット位置OR、OLは同一の位置に設定される。
しかし、道幅の拡大、縮小等で走行目標点設定範囲LIMの幅が0より大きくなる場合には、走行目標点設定範囲LIM内の自車両の操舵角が現在の操舵角より大きく変化しない位置に走行目標点設定位置が算出され、走行目標点GPが設定されることは前記第1の実施形態の場合と同様である。
また、各サンプリングサイクルごとのオフセット距離Ror、Rolの増加、減少の際、走行目標点設定範囲LIMの幅が規定値以上であり幅のばらつきが所定の範囲内である状態が所定期間連続した場合には、左右のオフセット距離Ror、Rolが修正される。
このようにして、設定された走行目標点GPの情報は制御装置21に各サンプリングサイクルごとに送信される。
演算手段25が設定された走行目標点GPに基づいて各サンプリングサイクルごとに走行ラインLを決定し、応動部制御手段26がそれに基づいて制御指示トルク電流Itを算出して、応動部Bであるステアリングサーボ機能を有する制御システムに信号として送信することは、第2の実施形態の場合と同様である。
以上のように、本実施形態に係る車線逸脱防止装置20によれば、自車両が車線を逸脱する可能性があると判定された時点で最初に設定する走行目標点GPを車線に近い位置に設定し、徐々に走行レーンの中央側に移動させるため、図22に示すように、ステアリングホイールが緩やかに転舵され、自車両のヨーレートや操舵トルクが緩やかに変化しながら自車両が走行レーンの中央側に引き戻されるようになる。そのため、運転者に対して強引に車両位置を引き戻されるような違和感を与えることなく車線逸脱を回避することが可能となる。
また、逸脱回避制御の制御動作中に例えば道幅が拡大、縮小するなどして、走行目標点設定範囲の幅が0より大きくなっても、走行目標点設定装置の作用によって自車両の挙動が目標挙動となるように走行目標点が設定されるとともにオフセット距離に区画された走行目標点設定範囲内に常に設定されるため、自車両が走行レーン内を滑らかに安定性良く走行できるように制御することが可能となる。
なお、前記第2の実施形態に係る車線追従支援装置と第3の実施形態に係る車線逸脱防止装置とを組み合わせて実施することも可能である。また、車線追従制御や逸脱回避制御を行っている旨を表示させ、或いは音声によって運転者に知らせるための表示装置を設けることも可能である。
第1の実施形態に係る走行目標点設定装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る車線検出手段の構成を示すブロック図である。 基準画像の一例を示す図である。 基準画像上に検出された右車線および左車線を示す図である。 実空間上に特定される車線位置、自車両、オフセット距離およびオフセット位置を表す図である。 実空間上に特定される車線位置、自車両、オフセット距離およびオフセット位置を表す図である。 道幅が拡大する走行レーンにおけるオフセット距離、オフセット位置および走行目標点設定範囲を表す図である。 道幅が減少する走行レーンにおけるオフセット距離、オフセット位置および走行目標点設定範囲を表す図である。 道幅が拡大する走行レーンにおけるオフセット距離の修正を説明する図である。 道幅が減少する走行レーンにおけるオフセット距離の修正を説明する図である。 オフセット距離が規定距離より小さくなった場合のオフセット距離の修正を説明する図であり(A)は修正前、(B)は修正後を表す。 オフセット距離が規定距離より小さくなった場合のオフセット距離の修正を説明する図であり(A)は修正前、(B)は修正途中、(C)は修正後を表す。 走行目標点設定範囲内に設定される走行目標点を表す図である。 走行目標点設定範囲内に設定される走行目標点を表す図である。 不安定に検出された走行レーン内に設定される走行目標点の軌跡を表す図である。 第2の実施形態に係る車線追従支援装置の構成を示すブロック図である。 (A)は操舵トルクの例を示すグラフであり、(B)は計測手段のカウントの時間変化を表すグラフである。 決定された走行ラインを表す図である。 第3の実施形態に係る車線逸脱防止装置の構成を示すブロック図である。 実空間上に特定される走行軌跡、左右の車線位置および第1、第2の判断ラインを説明する図である。 走行目標点設定装置の範囲設定手段の起動時に設定されるオフセット距離を表す図である。 第3の実施形態に係る車線逸脱防止装置により実現される自車両の軌跡を表す図である。 不安定に検出された左右の車線位置を表す図である。 図23の車線位置の中央を走行する場合に設定される走行目標点の軌跡を表す図である。 図23の右車線位置に沿って走行する場合に設定される走行目標点の軌跡を表す図である。
符号の説明
1 走行目標点設定装置
2 車線検出手段
3 範囲設定手段
4 走行目標点設定手段
10 車線追従支援装置
11 制御装置
20 車線逸脱防止装置
21 制御装置
γ ヨーレート
T 基準画像
LR、LL 車線位置
MC 自車両
GP 走行目標点
R 距離
Ror、Rol オフセット距離
OR、OL オフセット位置
L1 走行レーン
LIM 走行目標点設定範囲
Rbound 規定距離
Lc 自車両の中心線
Pi 交点
Rp-g 偏差
B 応動部
Ttotal 期間

Claims (16)

  1. 道路を含む自車両の進行路を撮像した画像中から自車両の左右に車線位置を検出する車線検出手段と、
    前記車線検出手段により検出された左右の車線位置からそれぞれ所定のオフセット距離だけ内側に離間した位置に左右のオフセット位置を設定して、一方のオフセット位置から他方のオフセット位置までの範囲を走行目標点設定範囲として設定する範囲設定手段と、
    自車両の挙動が所定の目標挙動になるように自車両が走行すべき走行目標点を設定するための走行目標点設定位置を算出し、算出した走行目標点設定位置に前記走行目標点を設定する走行目標点設定手段とを備え、
    前記走行目標点設定手段は、前記算出した走行目標点設定位置が前記走行目標点設定範囲外に位置する場合は、前記算出した走行目標点設定位置を前記走行目標点設定範囲内に補正し、補正した走行目標点設定位置に前記走行目標点を設定することを特徴とする走行目標点設定装置。
  2. 前記目標挙動は自車両の操舵角を現在の操舵角より大きくしない車両挙動とし、
    前記走行目標点設定手段は、前記目標挙動を満たす前記走行目標点設定位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の走行目標点設定装置。
  3. 前記走行目標点設定手段は、自車両から前方に延びる中心線からの前記走行目標点の偏差が、前回のサンプリングサイクルにおける偏差を維持する位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする請求項2に記載の走行目標点設定装置。
  4. 前記走行目標点設定手段は、前々回および前回のサンプリングサイクルにおけるそれぞれの自車両の実空間上の位置を結んだ直線上の位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする請求項2に記載の走行目標点設定装置。
  5. 前記走行目標点設定手段は、前回のサンプリングサイクルにおける自車両のヨーレートを維持する位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする請求項2に記載の走行目標点設定装置。
  6. 前記目標挙動は、自車両の操舵角が現在までの操舵角の変化率を維持する挙動とし、
    前記走行目標点設定手段は、前記目標挙動を満たす前記走行目標点設定位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の走行目標点設定装置。
  7. 前記走行目標点設定手段は、自車両から前方に延びる自車両の中心線からの前記走行目標点の偏差が前回以前の所定回数のサンプリングサイクルにおける偏差の変化率を維持する位置を前記走行目標点設定位置として算出することを特徴とする請求項6に記載の走行目標点設定装置。
  8. 前記範囲設定手段は、装置の起動時または制御の再開時に設定した前記左右のオフセット距離をその後の前記走行目標点設定範囲の設定の基準として用いることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の走行目標点設定装置。
  9. 前記範囲設定手段は、設定された条件に適合する走行目標点設定位置に走行目標点が設定されるように前記左右のオフセット距離をそれぞれ修正することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の走行目標点設定装置。
  10. 前記範囲設定手段は、所定期間連続して前記走行目標点設定範囲の幅が規定値以上となる場合、前記左右のオフセット距離を修正することを特徴とする請求項9に記載の走行目標点設定装置。
  11. 前記範囲設定手段は、前記左右のオフセット距離のいずれかが予め設定した規定距離よりも小さく前記車線位置に接近している場合には、前記規定距離以上になるように前記オフセット距離をそれぞれ修正することを特徴とする請求項9に記載の走行目標点設定装置。
  12. 前記範囲設定手段は、前記左右のオフセット距離をそれぞれ修正する際に、それぞれのオフセット位置が経過時間に従って走行レーンの中央に向かう方向に移動するように修正することを特徴とする請求項11に記載の走行目標点設定装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の走行目標点設定装置と、
    前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して車線追従制御を行う制御装置とを備えることを特徴とする車線追従支援装置。
  14. 請求項9に記載の走行目標点設定装置と、
    前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して車線追従制御を行う制御装置とを備え、
    前記走行目標点設定装置の範囲設定手段は、左右のオフセット距離を互いに等しくなるように設定し、かつ、所定期間連続して前記走行目標点設定範囲の幅が規定値以上である場合にはそれぞれのオフセット距離を互いに等しくなるように修正することを特徴とする車線追従支援装置。
  15. 請求項9に記載の走行目標点設定装置と、
    前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して車線追従制御を行う制御装置とを備え、
    前記走行目標点設定装置の範囲設定手段は、運転者による操舵行為の介入から所定の期間中は前記走行目標点と車線位置との距離が当該車線位置と自車両との距離に一致するように左右のオフセット距離をそれぞれ修正することを特徴とする車線追従支援装置。
  16. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の走行目標点設定装置と、
    前記走行目標点設定装置の車線検出手段により検出された車線位置に基づいて自車両が車線を逸脱する可能性を判定し、車線逸脱の可能性があると判定した場合には、前記走行目標点設定装置が設定した前記走行目標点を走行するように応動部に信号を送信して逸脱回避制御を行う制御装置とを備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。
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