JP4061980B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動モータが発生するトルクをステアリング機構に伝達して操舵補助する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、電動モータが発生するトルクをステアリング機構に与えて操舵補助する電動パワーステアリング装置では、付加機能としてステアリングホイールの回転位置(絶対舵角)に応じた信号を出力する絶対舵角センサが設けられており、この絶対舵角センサの検出信号に応じた目標電流値が設定され、この目標電流値に基づいて電動モータの駆動制御が行われるようになっている。また、最近の車両では、絶対舵角センサによって検出される絶対舵角に基づいて、エンジンの駆動力および/または車輪の制動力を制御して、車両の姿勢の安定を図るといったこと(スタビリティ・コントロール)が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、絶対舵角センサは高価であるため、この絶対舵角センサを備えた電動パワーステアリング装置はコストが高いという問題があった。
【0004】
そこで、この発明の目的は、絶対舵角センサを用いずにステアリング機構(ステアリングホイール)の絶対舵角を検出可能な構成の電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、操作部材(11)の操作に応じて電動モータ(M)を制御し、この電動モータからの発生トルクをステアリング機構(12,13,14)に与えて操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、上記電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段(23,211)と、車両の車輪の回転速度に基づいて、上記ステアリング機構の中立位置を検出する中立位置検出手段(212)と、この中立位置検出手段によって検出された中立位置および上記モータ回転角検出手段によって検出される回転角に基づいて、上記ステアリング機構の絶対舵角を検出する絶対舵角検出手段(212)と、上記操作部材に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段(22)とを含み、上記中立位置検出手段は、車両の左右車輪の回転速度が零よりも大きく、かつ、その左右車輪の回転速度がほぼ同じであり、さらに、上記操舵トルク検出手段によって検出される操舵トルクがほぼ零である時の上記ステアリング機構の舵角を中立位置として検出するものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0008】
この発明によれば、車両の車輪の回転速度(車輪速)に基づいて、ステアリング機構の中立位置が検出される。そして、その検出された中立位置とモータ回転角検出手段によって検出される電動モータの回転角とに基づいて、ステアリング機構の絶対舵角が検出される。したがって、高価な絶対舵角センサを必要としないから、この絶対舵角センサを備えた電動パワーステアリング装置よりもコストを安くできる。また、絶対舵角センサを配置するスペースが不要となる。
【0010】
ステアリング機構の中立位置は、車両直進状態でのステアリング機構の舵角であり、車両直進状態では、左右車輪の車輪速が零よりも大きく、かつ、左右車輪の車輪速がほぼ等しい。したがって、左右車輪の回転速度が零よりも大きく、かつ、左右車輪の回転速度がほぼ同じであれば、車両直進状態であると判断して、この時のステアリング機構の舵角を中立位置とすることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、前記ステアリング機構は、ラックバー(14)を備え、該ラックバーに前記電動モータからの発生トルクが減速機(15)を介して機械的に伝達されることを特徴とする、請求項1記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、上記絶対舵角検出手段は、上記中立位置検出手段によって上記ステアリング機構の中立位置が検出された時に上記モータ回転角検出手段によって検出されている回転角を基準回転角として、この基準回転角からの上記電動モータの回転角の変化量に基づいて、上記ステアリング機構の絶対舵角を算出するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置である。
【0013】
電動モータの発生トルクをステアリング機構に伝達して操舵補助を達成する構成では、電動モータの回転角とステアリング機構の舵角(相対舵角)とが対応している。たとえば、電動モータの回転が一定の減速比で減速されてステアリング機構に伝達される場合、電動モータの回転角とステアリング機構の舵角との間には、
モータ回転角×(1/減速比)=ステアリング機構の舵角
の関係が成立する。
【0014】
したがって、請求項3に記載のように、ステアリング機構の絶対舵角は、ステアリング機構が中立位置にある時の電動モータの回転角を基準回転角として、この基準回転角からの電動モータの回転角変化量に基づいて算出することができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、操作部材の操作に応じて電動モータを制御し、この電動モータからの発生トルクをステアリング機構に与えて操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、上記ステアリング機構の舵角変化に応じた検出信号を出力する舵角変化検出手段(23,211;24)と、車両の車輪の回転速度に基づいて、上記ステアリング機構の中立位置を検出する中立位置検出手段(212;217)と、この中立位置検出手段によって検出された中立位置および上記舵角変化検出手段から出力される検出信号に基づいて、上記ステアリング機構の絶対舵角を検出する絶対舵角検出手段(212;217)と、上記操作部材に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段(22)とを含み、上記中立位置検出手段は、車両の左右車輪の回転速度が零よりも大きく、かつ、その左右車輪の回転速度がほぼ同じであり、さらに、上記操舵トルク検出手段によって検出される操舵トルクがほぼ零である時の上記ステアリング機構の舵角を中立位置として検出するものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0016】
この発明によれば、高価な絶対舵角センサを用いずに、ステアリング機構の絶対舵角を検出することができる。
【0017】
なお、上記舵角変化検出手段は、ステアリング機構の舵角変化量を直接的に検出して、その検出した舵角変化量に応じた信号を出力するもの(24)であってもよいし、電動モータの(相対的な)回転角を検出し、その検出した回転角に応じた信号を出力するもの(23,211)であってもよい。
【0018】
車両の左右車輪の回転速度の差が零に近い所定値以下であるということは、左右車輪の車輪速がほぼ等しいということであるから、左右車輪の回転速度の差が上記所定値以下であり、操舵トルク検出手段によって検出される操舵トルクがほぼ零である状態は、車両が直進している状態と判断することができ、この時のステアリング機構の回転位置を中立位置とすることができる。
【0019】
さらに、請求項5に記載のように、前記ステアリング機構は、ラックバー(14)を備え、該ラックバーに前記電動モータからの発生トルクが減速機(15)を介して機械的に伝達されてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、この発明の一実施形態(第1の実施形態)に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール11からステアリングシャフト12に加えられた操舵トルクなどに基づいて、電子制御ユニット21が電動モータM(たとえば、ブラシレスモータ)を駆動制御するように構成されている。ステアリングシャフト12に加えられた操舵トルクは、ピニオンギヤ13を介してラックバー14に伝達されて、このラックバー14を車両の幅方向(ラックバー14の長手方向)に直線運動させ、さらに、そのラックバー14の直線運動は、図示しないタイロッドやナックルアームなどによって舵取り用の前左右車輪の転舵力に変換される。また、ラックバー14には、電動モータMの発生トルクが操舵補助力として減速機15を介して機械的に伝達されるようになっている。
【0023】
操舵トルクを検出するために、ステアリングシャフト12に関連して、トルクセンサ22が設けられている。具体的には、ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11側に結合された入力軸とピニオンギヤ13が設けられた出力軸とをトーションバーで連結した構成となっており、トルクセンサ22は、ステアリングホイール11が操作された時にトーションバーに生じる捩れの方向および大きさを操舵トルクとして検出する。トルクセンサ22が検出した操舵トルクを表す信号は、電子制御ユニット21に与えられるようになっている。
【0024】
また、電動モータMがブラシレスモータである場合、電動モータMの回転角(ロータの回転位置)を検出するための回転角センサ23が電動モータMに付設されている。回転角センサ23は、たとえば、ロータの回転位置に応じた信号を出力するレゾルバ、またはロータが一定角度回転する度にパルス信号を出力するロータリエンコーダで構成されている。この回転角センサ23の出力信号も、電子制御ユニット21に与えられるようになっている。
【0025】
電子制御ユニット21には、さらに、車両に搭載されている他のコントローラとの間に構築されたCAN(Controller Area Network)等のインターフェースを介して、車両の走行速度(車速)を表す車速信号および車両の各車輪の回転速度(車輪速)を表す車輪速信号が入力されている。
【0026】
電子制御ユニット21は、マイクロコンピュータなどを含む構成であって、このマイクロコンピュータによるプログラム処理によって、回転角センサ23の出力信号に基づいてモータ回転角を検出する回転角検出部211、およびステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)の回転位置である絶対舵角を検出する絶対舵角検出部212の各機能を実現するようになっている。
【0027】
また、電子制御ユニット21は、トルクセンサ22によって検出される操舵トルク、車速および絶対舵角検出部212によって検出される絶対舵角に基づいて、電動モータMに供給すべき電流値であるモータ目標電流値を演算するモータ目標電流演算部213と、電動モータMに実際に供給されている駆動電流(モータ電流)を検出するモータ電流検出回路214と、モータ目標電流演算部213によって演算されたモータ目標電流値とモータ電流検出回路214によって検出されたモータ電流との偏差を求める減算部215と、この減算部215で求められる偏差および回転角検出部211によって検出されるモータ回転角に基づいて電動モータMに流れる電流を制御する電流制御部216とを備えており、モータ目標電流演算部213によって演算されたモータ目標電流値に基づいて電動モータMをフィードバック制御する。モータ目標電流演算部213、減算部215および電流制御部216の各機能は、マイクロコンピュータによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される。
【0028】
絶対舵角検出部212は、車輪速信号、トルクセンサ22の検出信号および回転角検出部211の出力信号に基づいて絶対舵角を検出する。
【0029】
具体的には、車両のイグニッションキースイッチがオンにされると、絶対舵角検出部212は、まず、ステアリングホイール11の中立位置(車両直進状態でのステアリングホイール11の回転位置)を検出する。車両直進状態では、各車輪の車輪速が零よりも大きく、かつ、左右車輪の車輪速がほぼ等しい(カーブ走行中は、外側の車輪の車輪速が内側の車輪の車輪速よりも大きくなる。)。また、車両直進状態では、ステアリングホイール11の操作は行われないから、操舵トルクはほぼ零である。そこで、絶対舵角検出部212は、これらの各条件が満たされた時、つまり各車輪速が零より大きく、左右の車輪の車輪速がほぼ等しく、さらに操舵トルクがほぼ零であれば、車両直進状態と判断し、この時のステアリングホイール11の回転位置を中立位置とする。
【0030】
ステアリングホイール11の中立位置の検出後、絶対舵角検出部212は、その検出したステアリングホイール11の中立位置と、その後に回転角検出部211によって検出されるモータ回転角とに基づいて、ステアリングホイール11の中立位置からの回転角に相当する絶対舵角を検出する。すなわち、電動モータMの回転は、減速機15によって一定の減速比(たとえば、7〜30)で減速されてラックバー14に伝達されることから、電動モータMとステアリングシャフト12との間には、
モータ回転角×(1/減速比)=ステアリングシャフト12の回転角
の関係があるので、絶対舵角は、ステアリングホイール11が中立位置にある時のモータ回転角を基準回転角として、この基準回転角からのモータ回転角変化量に(1/減速比)を乗じることにより算出できる。こうして検出された絶対舵角は、モータ目標電流演算部213に与えられるとともに、車両姿勢安定のためにエンジンの駆動力および/または車輪の制動力を制御するコントローラにCAN等のインターフェースを介して伝達される。
【0031】
以上のように、この実施形態の電動パワーステアリング装置では、車輪速、操舵トルクおよびモータ回転角に基づいて、ステアリングホイール11の絶対舵角が検出される。したがって、高価な絶対舵角センサを必要としないから、この絶対舵角センサを備えた電動パワーステアリング装置よりもコストを安くできる。また、絶対舵角センサを配置するスペースが不要な分、ステアリングシャフト12の近傍のスペースに余裕ができる。
【0033】
図2は、この発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。この図2において、図1に示す各部に相当する部分には、図1の場合と同一の参照符号を付している。また、その同一の参照符号を付した部分については、上述の実施形態の場合とそれぞれ同様な機能を有するので、以下では、それらの部分についての詳細な説明を省略する。
【0034】
この実施形態では、ステアリングホイール11に関連して、たとえば、車両のイグニッションキースイッチのオン直後のステアリングホイール11の回転位置を基準として、ステアリングホイール11の舵角(相対舵角)を検出する相対舵角センサ24が設けられている。そして、電子制御ユニット210において、車速、車輪速、操舵トルクおよび相対舵角センサ24によって検出される相対舵角に基づいて、ステアリングホイール11の絶対舵角が検出され、この検出された絶対舵角に基づいて電動モータMの制御が行われるようになっている。
【0035】
具体的に説明すると、電子制御ユニット210は、マイクロコンピュータが実行するプログラム処理によって実現される絶対舵角検出部217を有しており、この絶対舵角検出部217に、CAN等のインターフェースを介して入力される車速信号および車輪速信号、トルクセンサ22の検出信号、ならびに相対舵角センサ24の検出信号が与えられるようになっている。
【0036】
絶対舵角検出部217は、車速が予め定める速度(たとえば、5km/h)以上になると、ステアリングホイール11の中立位置を検出する。この中立位置の検出は、上述した第1の実施形態の場合と同様な手法で行われる。すなわち、左右車輪の車輪速の差が零に近い所定値(たとえば、0.1km/h)以下であり、かつ、操舵トルクが零に近い所定値(たとえば、0.2Nm)以下であれば、車両が直進している状態であると判断し、この時のステアリングホイール11の回転位置を中立位置とする。左右車輪の車輪速の差が零に近い所定値以下であるという条件は、左右の車輪の車輪速がほぼ等しいという条件と実質的に同じであり、また、操舵トルクが零に近い所定値以下であるという条件は、操舵トルクがほぼ零であるという条件と実質的に同じであるから、この実施形態における中立位置の検出手法は、第1の実施形態における中立位置の検出手法と実質的に同じであると言える。
【0037】
中立位置の検出後、絶対舵角検出部217は、予め定められた制御周期で、相対舵角センサ24の検出信号を取り込み、その取り込んだ検出信号が表す相対舵角を、中立位置検出時に相対舵角センサ24が検出した相対舵角(舵角中点)を基準とした絶対的な舵角に変換する。すなわち、相対舵角センサ24によって検出された相対舵角から中立位置検出時の相対舵角を差し引くことにより、ステアリングホイール11の中立位置を基準とした舵角である絶対舵角を求める。そして、この制御周期ごとに取得した絶対舵角を、モータ目標電流演算部213に与えるとともに、CAN等のインターフェースを介して車両姿勢安定のためのコントローラに与える。
【0038】
以上のように、この実施形態の構成によっても、高価な絶対舵角センサを用いることなく絶対舵角を検出することができ、第1の実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
【0040】
また、車速が予め定める速度以上になると、ステアリングホイール11の中立位置を検出するとしたが、車輪速が予め定める回転速度以上になると、ステアリングホイール11の中立位置の検出を行うようにしてもよい。車輪速と車速との間には一定の関係があるから、車速が予め定める速度以上であるという条件を車輪速が予め定める回転速度以上であるという条件に代えても、ステアリングホイール11の中立位置を良好に検出することができる。
【0041】
ステアリングホイール11の中立位置を検出する手法としては、第1または第2の実施形態で説明した手法以外に、たとえば、トルクセンサ22によって検出される操舵トルクの時間微分値が所定値以下であり、かつ、ステアリングホイール11の舵角の時間微分値(舵角速度)が所定値以下である時は、車両直進状態と判断し、この時のステアリングホイール11の回転位置を中立位置とすることが考えられる。しかし、トルクセンサ22の出力信号にはノイズ成分などの不安定要素が多く含まれるため、この手法では、中立位置の検出に先立って、トルクセンサ22の出力信号から不安定要素を排除する処理(たとえば、平均化処理)を行う必要が生じ、中立位置の検出に時間がかかってしまう。これに対し、第1または第2の実施形態の検出手法において、とくに操舵トルクが零に近い所定値以下であるという条件または操舵トルクがほぼ零であるという条件が省かれる場合には、ステアリングホイール11の中立位置を短時間で検出できるから、ステアリングホイール11の操作開始直後から良好な操舵補助および車両姿勢安定制御を行うことができる。
【0042】
図3は、車両駐車時に行われる中立位置戻し制御について説明するためのフローチャートである。
【0043】
たとえば、車庫入れや幅寄せのためにステアリングホイール11が一方に切り込まれ、そのステアリングホイール11が切り込まれた状態のまま、車両が駐車される場合がある。このような場合、その車両を発進させた時に、運転者の予定しない方向に車両が進んでしまうおそれがある。とくに、駐車後に運転者が車両を一旦離れた場合、運転者は車両を発進させる際に車両が直進すると思い込んでしまうため、車両の発進方向が運転者の予定しない方向となってしまう。
【0044】
そこで、上述した第1または第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置が搭載された車両では、駐車時に、その電動パワーステアリング装置によって、ステアリングホイール11(ステアリングシャフト12、ピニオンギヤ13およびラックバー14などで構成されるステアリング機構)を中立位置に戻すための中立位置戻し制御が行われることが好ましい。
【0045】
たとえば、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置による中立位置戻し制御は、電子制御ユニット21(図1参照)に備えられたマイクロコンピュータが車両の駐車状態を検出したことに応答して(ステップS1でYES)、その駐車状態の検出の直後に行われる(ステップS2)。
【0046】
車両が駐車されたことは、たとえば、CAN等のインターフェースを介して電子制御ユニット21に入力される車速信号、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を検出するシフト位置センサの検出信号、およびハンドブレーキのオン/オフを検出するハンドブレーキセンサの検出信号に基づいて検出される。すなわち、電子制御ユニット21のマイクロコンピュータは、車速が零になって、シフトレバーの位置がパーキング位置にされ、さらにハンドブレーキがオンにされた(ハンドブレーキがかけられた)状態を車両の駐車状態として検出する。
【0047】
車両の駐車状態を検出したマイクロコンピュータは、その後、絶対舵角検出部212によって検出されるステアリングホイール11の絶対舵角が零になるように電動モータMを制御する。これにより、ステアリングホイール11が中立位置に戻されて、舵取り用前左右車輪が車両直進時の方向に向けられる。ゆえに、たとえ駐車後に運転者が車両を一旦離れたような場合であっても、その車両を発進させた時に、車両が運転者の予定しない方向に進むといったおそれがない。
【0048】
図4は、電子制御ユニット21(210)および電動モータMの駆動電流を生成するためのモータ駆動回路の配置例を概念的に示す図である。電子制御ユニット21は、トルクセンサ22の信号出力回路(トルクセンサ回路)とともに、トルクセンサ22に取り付けられたセンサ回路ハウジング221内に収容されている。一方、モータ駆動回路は、パワー素子や大容量電解コンデンサ、リレーなどを含む回路であり、電子制御ユニット21から独立して、電動モータMのハウジングに取り付けられたドライバハウジング25内に収容されている。そして、電子制御ユニット21とモータ駆動回路とは、モータ駆動回路内のパワー素子のオン/オフを制御するための信号(アナログ電気信号)を伝送するアナログ信号線26で電気的に接続されている。
【0049】
モータ駆動回路は、そのサイズを縮小することが困難であるため、モータ駆動回路を電子制御ユニット内に含めた構成では、電子制御ユニットを収容した部分(センサ回路ハウジング221に相当する部分)の小型化が困難である。これに対し、上記の構成では、モータ駆動回路が電子制御ユニット21から独立しているので、センサ回路ハウジング221の小型化を実現でき、トルクセンサ22の近傍に空きスペースを作ることができる。
【0050】
また、モータ駆動回路は、車種(電動モータのサイズ)に応じて容量を変える必要があるため、モータ駆動回路を電子制御ユニット内に含めた構成では、車種に応じた電子制御ユニットを用意する必要があるが、モータ駆動回路を電子制御ユニット21から独立させた構成では、車種にかかわらず、共通の電子制御ユニット21を用いることができるという利点もある。
【0051】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもでき、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態(第1の実施形態)に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図2】この発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図3】中立位置戻し制御について説明するためのフローチャートである。
【図4】電子制御ユニットおよびモータ駆動回路の配置例を概念的に示す図である。
【符号の説明】
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13 ピニオンギヤ
14 ラックバー
15 減速機
21 電子制御ユニット
22 トルクセンサ
23 回転角センサ
24 相対舵角センサ
210 電子制御ユニット
211 回転角検出部
212 絶対舵角検出部
213 モータ目標電流演算部
216 電流制御部
217 絶対舵角検出部
M 電動モータ
Claims (5)
- 操作部材の操作に応じて電動モータを制御し、この電動モータからの発生トルクをステアリング機構に与えて操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、
上記電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、
車両の車輪の回転速度に基づいて、上記ステアリング機構の中立位置を検出する中立位置検出手段と、
この中立位置検出手段によって検出された中立位置および上記モータ回転角検出手段によって検出される回転角に基づいて、上記ステアリング機構の絶対舵角を検出する絶対舵角検出手段と、
上記操作部材に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを含み、
上記中立位置検出手段は、車両の左右車輪の回転速度が零よりも大きく、かつ、その左右車輪の回転速度がほぼ同じであり、さらに、上記操舵トルク検出手段によって検出される操舵トルクがほぼ零である時の上記ステアリング機構の舵角を中立位置として検出するものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ステアリング機構は、ラックバーを備え、該ラックバーに前記電動モータからの発生トルクが減速機を介して機械的に伝達されることを特徴とする、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
- 上記絶対舵角検出手段は、上記中立位置検出手段によって上記ステアリング機構の中立位置が検出された時に上記モータ回転角検出手段によって検出されている回転角を基準回転角として、この基準回転角からの上記電動モータの回転角の変化量に基づいて、上記ステアリング機構の絶対舵角を算出するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 操作部材の操作に応じて電動モータを制御し、この電動モータからの発生トルクをステアリング機構に与えて操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、
前記ステアリング機構の舵角変化に応じた検出信号を出力する舵角変化検出手段と、
車両の車輪の回転速度に基づいて、上記ステアリング機構の中立位置を検出する中立位置検出手段と、
この中立位置検出手段によって検出された中立位置および上記舵角変化検出手段から出力される検出信号に基づいて、上記ステアリング機構の絶対舵角を検出する絶対舵角検出手段と、
上記操作部材に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段とを含み、
上記中立位置検出手段は、車両の左右車輪の回転速度が零よりも大きく、かつ、その左右車輪の回転速度がほぼ同じであり、さらに、上記操舵トルク検出手段によって検出される操舵トルクがほぼ零である時の上記ステアリング機構の舵角を中立位置として検出するものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ステアリング機構は、ラックバーを備え、該ラックバーに前記電動モータからの発生トルクが減速機を介して機械的に伝達されることを特徴とする、請求項4記載の電動パワーステアリング装置。
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