JP4060941B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,プラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」と称する。)などの被処理面に形成された絶縁膜をエッチングしてコンタクトホールを形成する場合には,一般的にプラズマエッチング装置が使用されている。例えば,平行平板型のプラズマエッチング装置を例に挙げて説明すると,該エッチング装置の処理室内には,ウェハを載置するサセプタを兼ねた下部電極が配置されており,さらにこの下部電極の載置面と対向して上部電極が設けられている。また,下部電極上には,ウェハを吸着保持するための静電チャックが設けられている。さらに,下部電極には,処理室内に搬入されたウェハを静電チャックの所定位置に載置し,かつ静電チャック上のウェハをリフトアップするための複数のリフターピンが内装されている。また,このリフターピンは,異常放電の発生防止の観点から絶縁性材料より構成されている。
【0003】
ここで,上記エッチング装置でのエッチング処理工程について説明する。まず,リフターピンが下部電極に対して相対的に上昇した状態で,処理室の外部から搬入されたウェハをリフターピン上に搭載する。その後,下部電極を上昇させて,該リフターピンを下部電極に対して相対的に降下させることにより,ウェハを静電チャック上に載置する。次いで,静電チャックに内装された電極に高圧直流電圧を印加し,その電極を覆う絶縁体に生じたクーロン力(静電気力)により,静電チャック上に載置されたウェハを吸着保持する。その後,上部電極と下部電極に高周波電力を印加して処理室内に導入された処理ガスを解離させてプラズマを生成し,該プラズマによりウェハにエッチング処理を施す。そして,所定のエッチング処理が終了した後,上記高周波電力の供給を停止する。
【0004】
また,エッチング処理が終了した後は,まず静電チャック内の電極への高圧直流電圧の供給を停止する。その後,下部電極を降下させて,上記リフターピンを下部電極に対して相対的に上昇させることにより,リフターピン上のウェハをリフトアップし,処理済みのウェハを処理室外に搬出する。また,該ウェハの搬出後には,再び未処理のウェハが処理室内に搬出され,上述した工程が繰り返されることにより,順次エッチング処理が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のエッチング装置では,所定のエッチング処理終了後,静電チャック内の電極に対する高圧直流電圧の供給を停止しても,静電チャックの絶縁体とウェハに残留電荷が生じるため,それら静電チャックとウェハとが吸着した状態が維持される。そして,その状態でウェハをリフトアップすると,上記残留吸着の影響により,ウェハを静電チャックからスムーズに離すことができず,ウェハが離れる瞬間に該ウェハがリフターピン上で揺れたり,跳ね上がったりする。このように,ウェハのリフトアップ時に,ウェハがリフターピン上で動いてしまうと,リフターピン上での位置が定まらなくなり,搬送不良を引き起こす原因となる。
【0006】
特に,上述したエッチング装置では,絶縁性のリフターピンを採用しているため,リフターピンとウェハとの間での異常放電の発生を防止することができる反面,ウェハに生じた残留電荷を該リフターピンを介してグランドに流すことができず,上記ウェハの揺れや跳ね上がりを防止することができないという問題がある。もちろん,導電性材料から成るリフターピンを採用すれば,ウェハに生じた残留電荷をリフターピンを介してグランドに流すことができ,ウェハの揺れや跳ね上がりを抑制できるが,上述の如くウェハとリフターピンとの間で放電が生じて,ウェハが損傷するという問題がある。さらに,最近の半導体デバイスには,超高集積化および超多層化した超微細な素子が形成されているため,上記放電による影響も非常に大きいものとなる。
【0007】
本発明は,従来の技術が有する上記のような問題点に鑑みて成されたものであり,被処理体に生じる残留電荷を解消し,絶縁性の支持部材を採用した場合でも,リフトアップ時に被処理体の揺れや跳ね上がりを抑制することが可能な,新規かつ改良されたエッチング方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,請求項1に記載の発明のように,処理室内に配置された静電チャック上に被処理体を載置し,静電チャックに対して電力を印加して被処理体を保持した後,被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において,プラズマ処理を施した後,処理室内にガスを導入する工程と,静電チャックへの電力の供給を停止する工程と,被処理体を支持する支持部材を静電チャックに対して相対的に上昇させて,被処理体を静電チャックから分離する工程とを含むことを特徴とするプラズマ処理方法が提供される。
【0009】
かかる構成によれば,処理終了後,処理室内に処理ガスとは異なる除電用のガスを導入するため,静電チャックへの電極の印加を停止した後に被処理体に残留電荷が生じても,該残留電荷を解消することができる。その結果,支持部材を,例えば請求項4に記載の発明のように,絶縁性材料から構成しても,被処理体のリフトアップ時には,被処理体の残留電荷はすでに解消されているため,支持部材上で被処理体が揺れたり,跳ね上がったりすることを防止でき,被処理体の損傷や搬送不良の発生を防止することができる。また,静電チャックへの電力の供給を停止する前に,処理室内にガスを導入するため,処理室内に上記ガスを短時間に導入しても,静電チャック上の被処理体の位置がずれることがない。
【0010】
また,例えば請求項2に記載の発明のように,処理室内の圧力雰囲気が実質的に100mTorr〜500mTorrとなるようにガスを導入すれば,上述した被処理体の残留電荷を効果的に除電することができると共に,プラズマ処理中の処理室内の圧力雰囲気は,通常10mTorr〜100mTorr程度であるため,処理室内へのガスの導入を短時間で完了することができる。その結果,プラズマ処理後に,本発明の如く処理室内にガスを導入する工程を加えても,スループットの低下を最小限に止めることができる。また,上述の如く,処理時の処理室内の圧力と,ガス導入時の該圧力との差が小さいので,新たな処理を行う際の処理室内の真空引きを短時間で行うことができ,迅速に処理を開始することができる。
【0011】
また,ガスとして,例えば請求項3に記載の発明のように,不活性ガス,例えばN2や,HeやArやKrなどの希ガスや,これらの混合ガスを採用すれば,被処理体の残留電荷を除去することができると共に,処理室内を汚染することなく,被処理体に連続してプラズマ処理を施すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に,添付図面を参照しながら,本発明にかかるプラズマ処理方法をエッチング方法に適用した実施の一形態について,詳細に説明する。
【0013】
(1)エッチング装置の構成
まず,図1〜図3を参照しながら,本実施の形態のエッチング方法が適用されるエッチング装置100について説明する。
図1に示すエッチング装置100の処理室102は,接地された導電性の処理容器104内に形成されている。また,処理室102内には,ウェハWを載置するサセプタを兼ねた導電性の下部電極106が配置されている。この下部電極106には,昇降軸108を介して駆動モータM110が接続されており,該駆動モータM110の作動により,同図中の往復矢印の如く,下部電極106を上下動自在に移動させることができる。
【0014】
また,下部電極106上には,ウェハWを吸着保持するための静電チャック112が設けられている。この静電チャック112は,図2に示すように,電極を構成する導電性の薄膜112aを絶縁性材料,例えばポリイミド系樹脂112bで挟持した構成を有しており,その薄膜112aに高圧直流電源114から高圧直流電圧を印加するとクーロン力が生じ,このクーロン力によって静電チャック112上に載置されたウェハWが吸着保持される。
【0015】
また,下部電極106には,図2に示すように,ウェハWの支持部材としての複数本のリフターピン116が内装されている。このリフターピン116は,絶縁性材料,例えばポリイミドやセラミックスから構成されているため,処理時にリフターピン116とウェハWとの間や,リフターピン116間で異常放電が生じることを防止できる。その結果,ウェハWに形成された各種素子の損傷を防止することができるため,歩留りの向上を図ることができる。さらに,リフターピン116の周辺に形成されている各種部材の損傷も防止することができるため,エッチング装置100の寿命の延長を図ることができる。また,リフターピン116は,図示の例では,所定位置に固定されており,下部電極106の上下動により,リフターピン116上に搭載されたウェハWを静電チャック112上に載置したり,または静電チャック112上のウェハWをリフトアップすることができるように構成されている。
【0016】
また,静電チャック112上のウェハWの周囲には,例えばシリコンから成る内側部材118aと,例えば石英から成る外側部材118bから構成されるフォーカスリング118が配置されている。さらに,下部電極106の周囲には,多数の貫通孔120aを備えた絶縁性のバッフル板120が取り付けられている。また,下部電極106には,整合器122を介してバイアス用高周波電力を出力する高周波電源124が接続されている。
【0017】
また,図1に示すように,下部電極106の載置面と対向して,上部電極126が配置されている。さらに,図示の例では,上部電極126の上部には,冷媒循環路128aを備えた冷却プレート128が配置されており,この冷却プレート128と上部電極126は,絶縁支持部材130によって処理容器104に固定されている。また,上部電極126の下部電極106側周縁部には,例えば石英製のシールドリング132が取り付けられている。さらに,このシールドリング132の上端部と,処理室102の天井壁との間には,フッ素系樹脂から成る絶縁リング134が設けられている。また,上部電極126には,図示の例では,冷却プレート128と,整合器136を介してプラズマ生成用高周波電力を出力する高周波電源138が接続されている。
【0018】
また,冷却プレート128内には,拡散孔140aを備えた拡散部材140が内装されている。この拡散部材140には,ガス供給管142が接続されており,さらにそのガス供給管142には,バルブ144を介して分岐管146,148が接続されている。また,分岐管146には,バルブ150と流量調整バルブ(マスフローコントローラ)MFC152を介して処理ガス,例えばCF4を供給するガス供給源154が接続されている。さらに,分岐管148には,バルブ156と流量調整バルブMFC158を介して,本実施の形態にかかる不活性ガス,例えばN2ガスを供給するガス供給源160が接続されている。もちろん,ガス供給源160から供給されるN2ガスは,処理ガスの添加ガスや,処理室102内のパージガスとしても使用することができる。
【0019】
また,上部電極126には,多数のガス吐出孔126aが形成されており,このガス吐出孔126aを介して,上述した拡散部材140内の拡散孔140aと,処理室102内が連通している。従って,ガス供給源154,160から供給される各ガスを,ガス吐出孔126aから処理室102内に均一に吐出することができる。
【0020】
また,図1に示すように,処理容器104内の下方には,真空ポンプなどの真空引き機構P162と連通する排気管164が接続されている。従って,真空引き機構P162の作動により,バッフル板120の貫通孔120aを介して,処理室102内を,例えば10mTorr程度の減圧度にまで真空引きすることができる。さらに,図示の例では,処理容器104の内壁面に,バッフル板120と排気管164との間の排気経路内の圧力雰囲気を検出するセンサ166が設けられている。また,上述した駆動モータM110と,高圧直流電源114と,高周波電源124,138と,バルブ150,156と,流量調整バルブ152,158と,真空引き機構P162と,センサ166は,それぞれコントローラC168に接続されている。従って,コントローラC168は,センサ166により検出された圧力情報や予め設定された条件などに基づいて,上記各機構を適宜制御するように構成されている。
【0021】
また,図1に示す例では,処理室102の内部側壁面にロードロック室170内と連通するゲートバルブ172が接続されている。該ロードロック室170内には,ロードロック室170内のウェハWを処理室102内に搬入し,また処理室102内のウェハWをロードロック室170へ搬出する搬送アームなどの搬送機構174が配置されている。
【0022】
(2)エッチング処理工程
次に,図4に示すタイミングチャートを参照しながら,本実施の形態にかかるエッチング処理工程について説明する。
なお,同図中の線a〜線gは,それぞれ次のタイミング等を表している。
線a:上部電極126への高周波電力の供給タイミング
線b:下部電極106への高周波電力の供給タイミング
線c:処理室102内への処理ガス(CF4)の供給タイミング
線d:処理室102内への不活性ガス(N2)の供給タイミング
線e:処理室102内の減圧雰囲気の変化
線f:リフターピン116の昇降タイミング
線g:静電チャック112への高圧直流電圧の供給タイミング
また,同図には,静電チャック112上へのウェハWの載置時のリフターピン116の昇降タイミング等は,省略されている。
【0023】
(A)処理室内へのウェハの搬入〜エッチング処理工程
始めに,図1に示す処理室102内へのウェハWの搬入から,該ウェハWにエッチング処理を施すまでの各工程について説明する。
まず,ゲートバルブ172を開放した後,ロードロック室170内の搬送機構174上で保持されたウェハWを,その搬送機構174の作動により,処理室102内に搬入する。この際,下部電極106は,所定の処理位置よりも相対的に下方の搬送位置に配置されているため,図3に示すように,リフターピン116が静電チャック112の上面に対して相対的に上方に突き出た状態となる。従って,上記搬送機構174の作動により処理室102内に搬入されたウェハWは,同図に示すように,リフターピン116上に受け渡される。その後,搬送機構174は,処理室102内から退避して,ゲートバルブ172が閉じられる。
【0024】
また,リフターピン116上にウェハWが搭載されると,下部電極106は,駆動モータM110の作動により,上記搬送位置よりも相対的に上方の処理位置にまで上昇する。従って,この下部電極106の上昇により,ウェハWを搭載するリフターピン116は,静電チャック112の上面に対して相対的に降下し,図2に示すように,ウェハWが静電チャック112上に載置される。その後,図4に示すように,静電チャック112の薄膜112aに対して高圧直流電源114から高圧直流電圧,例えば1.5kV〜2.0kVの電圧を印加すると,ウェハWが静電チャック112の載置面に吸着保持される。
【0025】
同時に,図1に示す真空引き機構P162の作動により処理室102内を真空引きすると共に,ガス供給源154から供給されるCF4を処理室102内に導入し,処理室102内の圧力雰囲気を例えば20mTorrに設定,維持する。この後,図4に示すように,上部電極126に対して例えば周波数が27.12MHzで,パワーが2kWの高周波電力を印加すると共に,下部電極106に対して例えば周波数が800kHzで,パワーが1kWの高周波電力を印加することにより,処理室102内に高密度プラズマを生成する。そして,このプラズマにより,ウェハWにエッチング処理を施し,ウェハWのSiO2膜層に所定のコンタクトホールを形成する。
【0026】
(B)エッチング処理の終了〜ウェハWの搬出工程
次に,エッチング処理終了後からウェハWの搬出に至るまでの各工程について説明する。
上述の如く,ウェハWに所定のエッチング処理を施した後,図4に示すように,上部電極126と下部電極106への各高周波電力の供給を停止すると共に,処理室102への処理ガスの供給も停止する。この際,本実施の形態では,同図に示すように,静電チャック112の薄膜112aへの高圧直流電圧の供給は,そのまま続けられる。従って,エッチング処理の終了と同時に,薄膜112aへの電力供給を停止するのとは異なり,この段階では,ウェハWに残留電荷が帯電することがない。さらに,ウェハWが静電チャック112によって保持されているので,次工程で処理室102内にN2を導入し,処理室102内の減圧雰囲気を上昇させた場合でも,ウェハWの位置がずれることがない。
【0027】
また,図4に示すように,上記上部電極126と下部電極106への電力の供給および処理ガスの供給の停止と同時に,処理室102内にガス供給源160から本実施の形態にかかるN2を導入する。この際,処理室102内の減圧雰囲気をセンサ166によって検出し,その処理室102内の減圧雰囲気が実質的に100mTorr〜500mTorr,好ましくは100mTorr〜200mTorrになるように,コントローラC168によってN2の供給量や排気量を調整する。
【0028】
次いで,上記N2の導入によって処理室102内が所定の減圧雰囲気になってから所定時間経過後,静電チャック112の薄膜112aへの電力供給を停止する。この際,処理室102内には,すでに本実施の形態にかかる不活性ガスとしてのN2が所定状態で拡散しているため,上記薄膜112aへの電力供給を停止により生じたウェハWの残留電荷を迅速かつ確実に除去することができる。すなわち,薄膜112aには,通常,正の電荷が印加されているため,該電力の供給を停止した後には,ウェハWに負の残留電荷が生じるが,発明者らの知見によれば,処理室102内に上述の如く減圧雰囲気が100mTorr〜500mTorrとなるように不活性ガスを導入すれば,上記ウェハWの負の残留電荷がその不活性ガス中に放出され,または不活性ガス中の正の電荷を帯びたガス分子と反応して中和されることが見出されている。その結果,後述するウェハWのリフトアップ時には,ウェハWの残留電荷を実質的に除去することができる。
【0029】
次いで,図4に示すように,図1中の駆動モータM110の作動により,下部電極106を上述した処理位置から搬送位置にまで降下させて,リフターピン116を静電チャック112の吸着面に対して相対的に上方に突き出させることにより,静電チャック112上に載置されていたウェハWをリフトアップする。この際,ウェハWに生じる残留電荷は,上述の如くすでに除去されているため,本実施の形態の如くリフターピン116が絶縁性材料から構成されていても,ウェハWがリフターピン116上で揺れたり跳ね上がったりすることを抑制することができ,ウェハWを静電チャック112からスムーズに離すことができる。
【0030】
また,同時に,図1に示すゲートバルブ172が開放され,ロードロック室170内の搬送機構174が処理室102内に侵入した後,該搬送機構174によりリフターピン116上に搭載された処理済みのウェハWが処理室102内からロードロック室170内に搬出される。この際,本実施の形態にかかるエッチング方法では,上述の如く不活性ガス導入後の処理室102内の減圧雰囲気が実質的に100mTorr〜500mTorrに設定されるため,通常のロードロック室170内の減圧雰囲気と実質的に同一であり,特に処理室102内の減圧雰囲気を変化させなくても,ゲートバルブ172を開放することができる。その結果,ウェハWの残留電荷を除去した後に,迅速に処理済みのウェハWをロードロック室170内に搬出することができる。さらに,処理室102内の減圧雰囲気が上記100mTorr〜500mTorr程度に設定されているので,未処理のウェハWを処理室102内に搬入した後の真空引きを迅速に行うことができる。その結果,スループットの低下を最小限に止めることができる。
【0031】
本実施の形態にかかるエッチング方法は,以上のように構成されており,処理室102内に不活性ガスを導入してウェハWに生じた残留電荷を除去した後に,ウェハWを静電チャック112から離し,リフトアップするので,そのリフトアップ時にウェハWと静電チャック112との間での残留吸着の発生を抑制することができる。その結果,リフターピン116が絶縁性材料から構成され,ウェハWの残留電荷を逃がす電気的な経路が形成されていなくても,ウェハWのリフトアップ時にウェハWが揺れたり,跳ね上がったりすることを防止できるため,処理済みのウェハWを確実に搬出することができる。また,不活性ガス導入時の処理室102内の圧力雰囲気は,100mTorr〜500mTorrに設定されるので,処理室102内への不活性ガスの導入を短時間で行うことができると共に,ゲートバルブ172の開放や,未処理のウェハWが処理室102内に搬入された後の処理室102内の真空引きを迅速に行うことができ,スループットが実質的に低下することがない。
【0032】
【実施例】
次に,上記エッチング装置100でのリフトアップ時のウェハWの揺れと,処理室102内の圧力雰囲気との関係についての実施例を説明する。まず,ウェハWの揺れ判定の測定条件について説明すると,ウェハWは,8インチのシリコン基板上に1μmのSiO2膜層が形成されたものを使用し,このウェハWに対して上記実施の形態で説明した条件で2分間エッチング処理を施した。また,エッチング装置100の設定条件は,N2導入時の処理室102内の圧力のみを50mTorrと,100mTorrと,300mTorrと,500mTorrの各圧力雰囲気に変化させ,その他の条件は,上記実施の形態と略同一に設定した。また,ウェハWの揺れの判定は,目視して行い,上記各圧力条件下で,それぞれ3回行った。
【0033】
その結果,次の表に示す関係を得た。
【0034】
【表1】
Figure 0004060941
【0035】
すなわち,処理室102内の圧力雰囲気を50mTorrに設定した場合には,ウェハWの搬出に支障が出る明らかな揺れが認められたが,同圧力雰囲気を100mTorr,300mTorr,500mTorrのいずれかに設定した場合には,ウェハWの搬出に影響しない軽度の揺れしか認められなかった。従って,処理室102内の圧力雰囲気を,本実施例の如く100mTorr〜500mTorrの範囲内に設定すれば,ウェハWの残留電荷を解消し,リフトアップ時のウェハWの揺れや跳ね上がりの発生を抑制することができる。
【0036】
以上,本発明の好適な実施の形態および実施例について,添付図面を参照しながら説明したが,本発明はかかる構成に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において,当業者であれば,各種の変更例および修正例に想到し得るものであり,それら変更例および修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0037】
例えば,上記実施の形態において,上部電極と下部電極に供給する高周波電力を,図4に示すように,エッチング処理終了後に処理時の電力から急激に停止した構成を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されるものではなく,例えば図5に示すように,上記高周波電力を処理時の電力から段階的に低下させた後,その供給を停止する構成を採用しても,本発明を実施することができる。また,例えば,上部電極または下部電極に供給する高周波電力のみを,上述の如く段階的に低下させる構成を採用しても,本発明を実施することができる。
【0038】
また,上記実施の形態において,上部電極と下部電極にそれぞれ高周波電力を印加するエッチング装置を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されるものではなく,上部電極または下部電極のみに高周波電力を印加するプラズマ処理装置にも本発明を適用することができる。さらに,処理室内に磁界を形成させる磁石を備えたプラズマ処理装置にも,本発明を適用することができる。また,本発明は,上述したエッチング装置に限られず,例えばアッシング装置や,スパッタリング装置や,CVD装置などの各種プラズマ処理装置にも適用することができる。さらに,被処理体としては,被処理面にSiO2膜層が形成されたウェハのみならず,各種材料膜層が形成されたウェハや,LCD用ガラス基板も採用することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば,絶縁性材料から成る支持部材を採用しても,所定の処理プロセスの終了後に揺れや跳ね上がを生じさせることなくスムーズに静電チャック上から被処理体を持ち上げることができる。その結果,支持部材上の被処理体の配置位置を,常時所定位置に位置決めすることができるので,被処理体の搬出を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なエッチング装置を示す概略的な断面図である。
【図2】図1に示すエッチング装置の上部電極付近を表す概略的な要部拡大断面図であり,ウェハを静電チャック上に吸着した状態を示している。
【図3】図1に示すエッチング装置の上部電極付近を表す概略的な要部拡大断面図であり,ウェハを静電チャック上からリフトアップした状態を示している。
【図4】図1に示すエッチング装置に適用されるエッチング方法のタイミングチャートを表す概略的な説明図である。
【図5】図1に示すエッチング装置に適用される他のエッチング方法のタイミングチャートを表す概略的な説明図である。
【符号の説明】
100 エッチング装置
102 処理室
106 下部電極
112 静電チャック
116 リフターピン
124,138 高周波電源
126 上部電極
126a ガス吐出孔
144,150,156 バルブ
152,158 流量調整バルブ
154,160 ガス供給源
162 真空引き機構
174 搬送機構
W ウェハ

Claims (2)

  1. 処理室内に配置された静電チャック上に被処理体を載置し、前記静電チャックに対して電力を印加して前記被処理体を保持した後、前記被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において、
    前記プラズマ処理を施した後、電極への電力の供給を停止し、前記処理室内に不活性ガスを導入する工程と、
    前記不活性ガスの導入から所定期間経過後、前記静電チャックへの前記電力の供給を停止する工程と、
    前記静電チャックへの前記電力の供給を停止後、前記被処理体を支持する支持部材を前記静電チャックに対して相対的に上昇させて、前記被処理体を前記静電チャックから分離する工程と、を含み、
    前記処理室内に不活性ガスを導入する工程は、前記不活性ガスにより前記処理室内の圧力雰囲気を100mTorr〜500mTorrにする工程であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記支持部材は、絶縁性材料から構成されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
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