JP4060221B2 - 除菌装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納空間に収納した除菌対象物を除菌し得る除菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業着や衣服及び作業靴等を除菌する場合には、図5に示す如く、薬剤を入れた容器1と、容器1に照射する紫外線ランプ2と、空気を流通させるファン3とにより構成された除菌手段を、更衣ロッカー4の収納空間5の上部に設置し、紫外線ランプ2で容器1の薬剤をガス化してファン3により拡散させ、作業着、白衣等の衣服A及び作業靴B等の対象物を除菌するものがある。
【0003】
図中、6は更衣ロッカー4の扉を、7は上部に左右に亘って設けられたハンガー等を吊るすための丸棒を、8はプラスチック製あるいはステンレス製等の網状又は棒材を隙間を持たせて配列した通気性を有する上部棚を、9は前記上部棚8と同様の構成を有して設けられた下部棚を、10は紫外線ランプ2を制御する制御器を、11は更衣ロッカー4の背面に形成された開閉可能な排気口を示している。ここで、除菌手段を備えた除菌ロッカーには、例えば、先行出願1の如きものがある。
【0004】
【先行出願1】
実願2002−4281号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような除菌手段を通常の更衣ロッカー4に配置して、作業着、白衣等の衣服Aを除菌しようとすると、更衣ロッカー4内の上部、中部、下部では、均一に除菌できないことがわかった。すなわち、更衣ロッカー4に従来例の除菌手段を取り付けて除菌する場合には、ファン能力が大きいほど、更衣ロッカー4の換気口や隙間から除菌ガスが激しく流出するため、除菌の最低必要濃度までに達することができず、一方、ファン能力が小さいほど、更衣ロッカー4内の上部と下部に大きな濃度差を生じるため、下部が除菌の最低必要濃度に達するまでに最低30分以上必要となり、均一に除菌できないという問題があった。
【0006】
又、完全密閉できる構造の更衣ロッカー4に作業着、白衣等の衣類Aを入れて除菌しようとすると、作業着、白衣等の衣類Aの除菌対象物が障害となり、更衣ロッカー4内の上部と下部に大きな除菌濃度差を生じるため、通常の更衣ロッカー4の場合と略同様に、更衣ロッカー4の下部が除菌の最低必要濃度に達するまでに時間がかかり、均一に除菌できず、ファン3を単純に上向き、横向き、下向きに変更しただけでは解決できないという問題があった。更に、除菌手段を更衣ロッカー4に配置して除菌する際には、時間をかけることにより除菌は可能になるが、時間の経過と共に除菌ガスが蓄積されるため、更衣ロッカー4の上部だけが安全な濃度を超える虞れがあった。
【0007】
本発明は、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化して除菌対象物を好適に除菌し得る除菌装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の目的を達成するためになしたもので、本発明は、更衣ロッカーと同じ大きさを備える除菌室の収納空間の上方に配置される除菌装置であって、
二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかを収容し且つ上方を開放した容器と、該容器の上方に対向配置させる紫外線ランプと、前記容器の側方に配置して風向を上方から下方に向ける排気ファンと、前記容器を交換可能に配置すると共に紫外線ランプ並びに排気ファンを固定するケース本体とを備え、
前記ケース本体は、容器の側方で排気ファンと対称な位置で下面に向けて形成される空気取込口を備えて、前記空気取込口から容器と紫外線ランプの間を介して排気ファンへ向かう気流を形成し、
前記ケース本体の空気取込口から排気ファンへ向かう方向の両側部は、容器の周囲を外気に露出させるよう壁面を取り除いて構成されたことを特徴とする除菌装置、に係るものである。
【0014】
除菌装置により除菌対象物を除菌する際には、容器に紫外線を照射することにより容器中の薬剤をガス化して除菌ガスを発生させ、同時に空気取込口から排気ファンまで気流を形成して容器と紫外線ランプの間を通過させることにより、除菌ガスを収納空間に拡散させる。このとき、空気取込口から生じる気流は、容器周囲の露出部分から空気を取り込んで、容器と紫外線ランプの間に発生した除菌ガスを確実に流出させる。又、気流の流れ方向によっては、容器周囲の露出部分から除菌ガスを流出させる。
【0015】
このように、本発明によれば、容器と紫外線ランプの間に空気を流通させるよう空気取込口から排気ファンまで気流を形成すると共に、容器の周囲を外気に露出させて気流方向と異なる方向から空気を流通させるので、容器と紫外線ランプの間に発生した除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させて、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化し、除菌対象物を好適に除菌することができる。又、作業着、白衣等の除菌対象物が障害となっても、空気取込口から排気ファンまでに形成された気流、及び容器の周囲の露出部分により除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させるので、除菌ガスは収納空間の隅々に到達して除菌対象物の障害に影響を最小限にすることができる。更に、除菌ガスは収納空間の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。
【0016】
本発明において、ケース本体は、空気取込口が下面に形成される取込ダクトを備えると、下方から上方へ向かって空気を取り込むので、上下方向の空気の流れを生じて、収納空間の上部、中部、下部の除菌ガス濃度を速やかに均一化し、結果的に、除菌対象物を確実に除菌することができる。
【0017】
本発明において、排気ファンは、風向が上方から下方に向かうよう構成されると、上方から下方へ向かって除菌ガスを流出させるので、上下方向の空気の流れを更に生じて、収納空間の上部、中部、下部の除菌ガス濃度を速やかに均一化し、結果的に、除菌対象物を一層確実に除菌することができる。
【0018】
本発明において、容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、除菌対象物を確実に除菌し得ると共に、脱臭及び防虫処理することができる。
【0019】
本発明において、更衣ロッカーと同じ大きさを備える除菌室の収納空間の上方に除菌装置を配置した際には、除菌ガスを発生させることにより、除菌室本体の収納空間で除菌ガスの速やかな流れを生じさせると共に重力による拡散を利用するので、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を短時間で均一化し、除菌対象物を好適に除菌することができる。又、作業着、白衣等の除菌対象物が障害となっても、除菌装置の除菌ガスの速やかな流れ、及び重力による拡散により除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させるので、除菌ガスは収納空間の隅々に到達して除菌対象物の障害に影響を最小限することができる。更に、除菌ガスは収納空間の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図4は本発明を実施する除菌装置の形態例を示すものである。
【0023】
本実施例の除菌装置13は、上方を開放したプラスチックもしくは金属製の筒状の容器14と、容器14の上方に所定の間隔を介して対向配置される紫外線ランプ15と、容器14に隣接して排気口16を形成する排気ファン17と、排気ファン17に隣接して配置される制御部18とを備え、ケース本体19により、容器14は交換可能に配置されると共に、紫外線ランプ15、排気ファン17及び制御部18を固定している。
【0024】
容器14は、直径5〜15cmの口径を有して内部に2×10ppmから3×10ppmの濃度の二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかの薬剤を収容している。ここで、薬剤の濃度は特に5×10ppmから1×10ppmの濃度が好ましく、薬剤の種類は二酸化塩素以外のものでもよい。
【0025】
紫外線ランプ15は、2W〜15Wの棒状のランプを使用している。ここで、紫外線ランプ15のワット数は4W〜8Wが好ましい。
【0026】
排気ファン17は、毎分1×10回転〜5×10回転で回転する羽根により風向が上方から下方に向かうよう回転軸を上下方向に配置しており、羽根の周囲には、軸線の長さ方向で2cm〜5cmの筒状の外周体17aを備えている。ここで、排気ファン17のファン能力は、毎分2×10回転〜3×10回転が好ましい。
【0027】
制御部18は、タイマ機能を備えており、紫外線ランプ15の照射時間及び排気ファン17の駆動時間を制御しており、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持するよう設定されている。ここで、制御部18は、濃度検出機能を備えてもよいし、他の機能を設けてもよい。
【0028】
ケース本体19は、容器14の側方で排気ファン17と略対称な位置に空気取込口20を形成するよう取込ダクト21を形成し、取込ダクト21には下面に空気取込口20を配している。又、ケース本体19の空気取込口20から排気ファン17へ向かう方向の両側部は、容器14の周囲外気に露出させるよう壁面を取り除いている。更に、ケース本体19の取込ダクト21と容器14の間には、容器14と紫外線ランプ15の間に気流を好適に流し得るよう、容器14の高さと略等しい高さの案内段部22を形成している。ここで、ケース本体19に配置される容器14は、ケース本体19に形成された載置部23に載置されると共に周囲部24,25により挟み込まれて固定されており、容器14の薬剤が無くなった際に交換し得るようにしている。又、ケース本体19の排気ファン17の周囲位置には、気流を下方に誘導し得る誘導部26を配している。
【0029】
以下、本発明の殺菌装置の実施の形態例の作用を説明する。
【0030】
除菌装置13により除菌対象物を除菌する際には、予め除菌装置13を更衣ロッカー等の収納空間の上部に設置しておき、作業着、白衣等の衣服A及び作業靴B等の除菌対象物を収納空間に配置して準備する。除菌対象物を配置した後には、制御部18によって紫外線ランプ15を点灯すると共に排気ファン17を駆動し、紫外線ランプ15から容器14に紫外線を照射することにより容器14中の薬剤をガス化して除菌ガスを発生させ、又、同時に排気ファン17によって空気取込口20から排気口16まで気流を形成して容器14と紫外線ランプ15の間を通過させることにより、除菌ガスを収納空間の下方に拡散させる。
【0031】
このとき、空気取込口20から排気口16に向かう気流は、容器14周囲の露出部分から空気を取り込んで、容器14と紫外線ランプ15の間に発生した除菌ガスを確実に流出させる。又、気流の流れ方向によっては、容器14周囲の露出部分から除菌ガスを流出させる。
【0032】
このように、本発明の除菌装置13によれば、容器14と紫外線ランプ15の間に空気を流通させるよう排気ファン17により空気取込口20から排気口16まで気流を形成すると共に、容器14の周囲を外気に露出させて気流方向と異なる方向から空気を流通させるので、容器14と紫外線ランプ15の間に発生した除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させて、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化し、除菌対象物を好適に除菌することができる。又、作業着、白衣等の除菌対象物が障害となっても、空気取込口20から排気口16までに形成された気流、及び容器14の周囲の露出部分により除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させるので、除菌ガスは収納空間の隅々に到達して除菌対象物の障害に影響を最小限にすることができる。更に、除菌ガスは収納空間の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。更に又、除菌装置13は持ち運び可能に構成されるので、除菌が終了した後は、更衣ロッカーから取り外し得るので、更衣ロッカーを広く使用することができ、又、他の更衣ロッカーに設置して使用するので、一台の除菌装置13で複数の更衣ロッカーに使い回しすることができる。
【0033】
ここで、空気取込口20から排気口16までの気流の両側を開放するよう容器14の周囲を外気に露出させる場合の作用を明瞭に示すために、容器14の周囲を外気に露出させた実施例と、容器14の周囲を外気と遮蔽した比較例(空気取込口20から排気口16までの気流のみ)とを上部、中部、下部の濃度で対比した。表1には実施例、表2には比較例を示し、数値は二酸化塩素の濃度(ppm)を示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004060221
【0035】
【表2】
Figure 0004060221
【0036】
結果において、初め表1と表2の対比を予想すると、容器14の周囲を外気と遮蔽して空気取込口20から排気口16までの気流のみ(比較例)とした場合の方が、除菌ガスの送風が効率的になると思われたが逆の結果になった。すなわち、容器14の周囲を外気に露出させた実施例が、表1に示す如く、除菌ガスの立ち上がり濃度(15分後)が高く、更衣ロッカーに速やかに拡散して均一化した(60分後、120分後)。従って、容器14の周囲を外気に露出させた実施例が、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化することができる。
【0037】
ここで、除菌ガスを発生させる条件は、容器14内の薬剤の濃度が2×10ppmから3×10ppm、紫外線ランプ15のワット数が2W〜15W、排気ファン17のファン能力が毎分1×10回転〜5×10回転の場合に好適であり、容器14内の薬剤の濃度が5×10ppm〜1×10ppm、紫外線ランプ15のワット数が4W〜8W、排気ファン17のファン能力は、毎分2×10回転〜3×10回転の場合に最も好適である。一方、容器14内の薬剤の濃度が2×10ppmより小さい、もしくは紫外線ランプ15のワット数が2Wより小さい場合は、除菌を為し得る濃度の除菌ガスを発生させることができず、容器14内の薬剤の濃度が2×10ppmより大きい、もしくは紫外線ランプ15のワット数が15Wより大きい場合いは、安全な濃度を維持できなくなる虞れがある。更に排気ファン17のファン能力が毎分1×10回転より小さい場合は、除菌ガスを十分に拡散させることができず、毎分5×10回転より大きい場合は、除菌ガスが更衣ロッカーの換気口や隙間から流出する。
【0038】
本発明の除菌装置13において、ケース本体19は、空気取込口20が下面に形成される取込ダクト21を備えると、下方から上方へ向かって空気を取り込むので、水平方向の流れに加えて上下方向の空気の流れを生じて、収納空間の上部、中部、下部の除菌ガス濃度を速やかに均一化し、結果的に、除菌対象物を確実に除菌することができる。
【0039】
ここで、ケース本体19に取込ダクト21を形成した場合の作用を明瞭に示すために、取込ダクト21を形成した実施例と、取込ダクト21のない比較例(ケース本体19のみ)とを上部、中部、下部の濃度で対比した。表3には実施例、表4には比較例を示し、数値は二酸化塩素の濃度(ppm)を示す。
【0040】
【表3】
Figure 0004060221
【0041】
【表4】
Figure 0004060221
【0042】
結果において、取込ダクト21を形成した実施例が、表3に示す如く、除菌ガスの立ち上がり濃度(15分後)が高く、更衣ロッカーに速やかに拡散して均一化した(60分後、120分後)。従って、取付ダクトを形成した実施例が、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化することができる。
【0043】
又、本発明の除菌装置13において、排気ファン17は、風向が上方から下方に向かうよう構成されると、上方から下方へ向かって除菌ガスを流出させるので、水平方向の流れに加えて上下方向の空気の流れを更に生じて、収納空間の上部、中部、下部の除菌ガス濃度を速やかに均一化し、結果的に、除菌対象物を一層確実に除菌することができる。ここで、回転ファンの外周体17aの長さは2cm〜5cmが好ましく、外周体17aの長さが5cmより大きい場合及び2cmより小さい場合は除菌ガスが立ち上がり濃度(15分後)が低い。
【0044】
容器14に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、除菌対象物を確実に除菌し得ると共に、脱臭及び防虫処理することができる。
【0045】
図3、図4は本発明の実施の除菌装置を用いた除菌室の形態例を示すものである。
【0046】
本実施例の除菌室27は、除菌室本体28に開閉ドア29を備えて更衣ロッカーと略同じ大きさに形成されており、除菌室本体28の収納空間30の上方に網状の上部棚31を介して、先の除菌装置13を配置している。ここで、図3は、収納空間30の上部に左右に亘って設けられた丸棒32を備えて、作業着、白衣等の衣服Aを除菌対象物とし得るように構成された例を示し、図4は、収納空間30の中部、下部に網状の中部棚33及び下部棚34を備えて、作業靴Bやタオル等の小物Cを除菌対象物とし得るように構成された例を示している。
【0047】
除菌室本体28に備えられた開閉ドア29は、除菌室本体28に対して完全密閉可能になるよう、開閉ドア29の外周にゴムパッキン(図示せず)を配置しており、除菌室本体28は角部に数mmの空気流通孔の隙間Sのみを備えている。ここで、空気流通孔の隙間Sは除菌室本体28を製造する際に生じる隙間Sでもよい。
【0048】
以下、本発明の除菌装置を用いた除菌室の実施の形態例の作用を説明する。
【0049】
除菌室27により除菌対象物を除菌する際には、予め除菌装置13を衣服A、作業靴B、小物C等の除菌対象物を収納空間30に配置して準備する。除菌対象物を配置した後には、先の除菌装置13を駆動させて除菌ガスを収納空間30の下方に拡散させる。
【0050】
このように、本発明の除菌室27によれば、除菌室本体28の収納空間30の上方に配置された先の除菌装置13から除菌ガスを発生させることにより、除菌室本体28の収納空間30で水平方向及び上下方向へ向かって除菌ガスの速やかな流れを生じさせる共に重力による拡散を利用するので、収納空間30の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を短時間で均一化し、除菌対象物を好適に除菌することができる。又、作業着、白衣の衣類A、作業靴B、小物C等の除菌対象物が障害となっても、除菌装置13の除菌ガスの水平方向及び上下方向への速やかな流れ、及び重力による拡散により除菌ガスを滞りなく収納空間30に流出させるので、除菌ガスは収納空間30の隅々に到達して除菌対象物の障害に影響を最小限することができる。更に、除菌ガスは収納空間30の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。
【0051】
ここで、除菌室27の除菌の作用を除菌試験として示す。除菌試験の条件としては、除菌室27の収納空間30の中央部に金網棚を設け、白衣生地及び食パンの除菌対象物を無菌シャーレに入れてオープン状態で載置した。なお、白衣生地及び食パンの除菌対象物は、無菌的にサンプリングし且つ均一に汚している。表5には結果を示し、数値は一般細菌数(個/g)を示す。又、二酸化塩素ガスの濃度測定値は、15分で1.0ppm、3時間で6.0ppmであった。
【0052】
【表5】
Figure 0004060221
【0053】
結果において、白衣生地及び食パンの除菌対象物において優れた除菌効果を示すことが明らかである。又、処理時間は1時間以上で除菌効果を生じるが、3時間処理することが好ましい。
【0054】
続いて、除菌室27の作用を明瞭に示すために除菌室本体28に先の除菌装置13を備えた実施例と、除菌室本体28に容器14及び紫外線ランプ15並びに排気ファン17の除菌手段を備えた比較例(除菌装置13のケース本体19がない状態)とを上部、中部、下部の濃度で比較して示す。除菌室本体28の内部空間には5着の白衣を懸吊して試験した。表6には実施例、表7には比較例を示し、数値は二酸化塩素の濃度(ppm)を示す。
【0055】
【表6】
Figure 0004060221
【0056】
【表7】
Figure 0004060221
【0057】
結果において、実施例が、表6に示す如く、除菌ガスの立ち上がり濃度(15分後)が高く、除菌室27に速やかに拡散して均一化した(120分後)。従って、実施例が、収納空間30で除菌ガスの濃度を速やかに均一化することができる。
【0058】
本発明の除菌室27によれば、除菌室本体28の開閉ドア29を完全密閉可能に構成すると共に、角部に空気流通孔を形成すると、除菌ガスが収納空間30の隅々まで確実に到達し得る対流を形成するので、収納空間30の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を更に短時間で均一化し、除菌対象物を最も好適に除菌することができる。又、密閉状態及び角部の空気流通孔により、除菌ガスは収納空間30の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。
【0059】
ここで、完全密閉可能な開閉ドア29及び角部の空気流通路を形成した場合の作用を明瞭に示すために、先の除菌室27の実施例と、通常の更衣ロッカーの比較例とを上部、中部、下部の濃度で対比した。表8には実施例、表9には比較例を示し、数値は二酸化塩素の濃度(ppm)を示す。
【0060】
【表8】
Figure 0004060221
【0061】
【表9】
Figure 0004060221
【0062】
結果において、取込ダクト21を形成した実施例が、表8に示す如く、除菌ガスの立ち上がり濃度(15分後、30分後)が高く、除菌室27に速やかに拡散して均一化した(120分後、180分後)。従って、取付ダクトを形成した実施例が、収納空間30の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化することができる。
【0063】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、除菌対象物はIC等の電気部品、果物等の食品でも良いこと、空気流路にエアーフィルタを備えて除菌し得るようにしてもよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏し得る。
【0065】
本発明によれば、容器と紫外線ランプの間に空気を流通させるよう空気取込口から排気ファンまで気流を形成すると共に、容器の周囲を外気に露出させて気流方向と異なる方向から空気を流通させるので、容器と紫外線ランプの間に発生した除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させて、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を速やかに均一化し、除菌対象物を好適に除菌することができる。又、作業着、白衣等の除菌対象物が障害となっても、空気取込口から排気ファンまでに形成された気流、及び容器の周囲の露出部分により除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させるので、除菌ガスは収納空間の隅々に到達して除菌対象物の障害に影響を最小限することができる。更に、除菌ガスは収納空間の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。
【0066】
本発明において、ケース本体は、空気取込口が下面に形成される取込ダクトを備えると、下方から上方へ向かって空気を取り込むので、上下方向の空気の流れを生じて、収納空間の上部、中部、下部の除菌ガス濃度を速やかに均一化し、結果的に、除菌対象物を確実に除菌することができる。
【0067】
本発明において、排気ファンは、風向が上方から下方に向かうよう構成されると、上方から下方へ向かって除菌ガスを流出させるので、上下方向の空気の流れを更に生じて、収納空間の上部、中部、下部の除菌ガス濃度を速やかに均一化し、結果的に、除菌対象物を一層確実に除菌することができる。
【0068】
本発明において、容器に入れる薬剤を、二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかにすると、除菌対象物を確実に除菌し得ると共に、脱臭及び防虫処理することができる。
【0069】
本発明において、更衣ロッカーと同じ大きさを備える除菌室の収納空間の上方に除菌装置を配置した際には、除菌装置から除菌ガスを発生させることにより、除菌室本体の収納空間で除菌ガスの速やかな流れを生じさせると共に重力による拡散を利用するので、収納空間の上部、中部、下部で除菌ガスの濃度を短時間で均一化し、除菌対象物を好適に除菌することができる。又、作業着、白衣等の除菌対象物が障害となっても、除菌装置の除菌ガスの速やかな流れ、及び重力による拡散により除菌ガスを滞りなく収納空間に流出させるので、除菌ガスは収納空間の隅々に到達して除菌対象物の障害に影響を最小限することができる。更に、除菌ガスは収納空間の上部、中部、下部で速やかに均一化するので、短時間で除菌して除菌ガスが蓄積することを防止し、除菌ガスの濃度を安全な濃度に確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除菌装置の実施の形態例を示す斜視図である。
【図2】本発明の除菌装置の実施の形態例を示す縦断面図である。
【図3】本発明を適用する除菌室の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用する除菌室の他の例を示す斜視図である。
【図5】ロッカーに従来の除菌手段を用いた状態を示す概略図である。
【符号の説明】
13 除菌装置
14 容器
15 紫外線ランプ
17 排気ファン
19 ケース本体
20 空気取込口
21 取込ダクト
27 除菌室
28 除菌室本体
29 開閉ドア
30 収納空間

Claims (1)

  1. 更衣ロッカーと同じ大きさを備える除菌室の収納空間の上方に配置される除菌装置であって、
    二酸化塩素溶液又は二酸化塩素を溶存させたゲル状固形物のいずれかを収容し且つ上方を開放した容器と、該容器の上方に対向配置させる紫外線ランプと、前記容器の側方に配置して風向を上方から下方に向ける排気ファンと、前記容器を交換可能に配置すると共に紫外線ランプ並びに排気ファンを固定するケース本体とを備え、
    前記ケース本体は、容器の側方で排気ファンと対称な位置で下面に向けて形成される空気取込口を備えて、前記空気取込口から容器と紫外線ランプの間を介して排気ファンへ向かう気流を形成し、
    前記ケース本体の空気取込口から排気ファンへ向かう方向の両側部は、容器の周囲を外気に露出させるよう壁面を取り除いて構成されたことを特徴とする除菌装置。
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