JP4056300B2 - デジタルカメラ及びその画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静止画又は動画を記録できるデジタルカメラ及びその画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のデジタルカメラの斜視図である(特開平9−322043号参照)。カメラ本体(1)には、対物レンズ(30)及びシャッタ釦(10)が周知の如く設けられているとともに、側面にメモリカード(9)が挿入される開口(11)が開設されている。
カメラ本体(1)の前面には、機能切換釦(15)が設けられ、撮影者が該機能切換釦(15)を押さずにシャッタ釦(10)を押すと、メモリカード(9)には被写体の静止画像が記録される。
撮影者が、機能切換釦(15)を押した後にシャッタ釦(10)を押すと、メモリカード(9)には被写体の動画が記録される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデジタルカメラでは、録画動作に関する釦としてシャッタ釦(10)と機能切換釦(15)の2つの操作すべき釦をカメラ本体(1)に配備している。このため、撮影者は動画を撮影するには2つの釦を操作する必要があり、操作が面倒であるとともに、カメラ本体(1)を小型化しにくい問題があった。
本発明の目的は、静止画と動画の何れを撮影する場合でも1つの釦を操作するだけで済むデジタルカメラを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
デジタルカメラは、シャッタ釦と、対物レンズから取り込まれた被写体のデジタル画像を格納可能な画像メモリ又はメモリカードと、シャッタ釦の操作に応じて、被写体のデジタル画像を画像メモリ又はメモリカードに格納させる制御回路とを具えている。
制御回路には、シャッタ釦の押圧操作からの経過時間を計測するタイマー機能と、経過時間と押圧操作時間のしきい値t1、及びt1よりも長いt2とを比較する比較手段があり、制御回路は、シャッタ釦の押圧開始に伴って、被写体画像を最初は静止画、次に連写画像として記録し、制御回路は、連写画像記録中にてシャッタ釦の押圧操作時間がしきい値t1以内であれば、画像メモリ又はメモリカードに最初に格納した静止画像を残して、他の連写画像を消去する第1の記録動作と、連写画像記録中にてシャッタ釦の押圧操作時間がしきい値t1を越えれば、被写体画像を連写して画像メモリ又はメモリカード内に取り込み、押圧操作時間がしきい値t2以内であれば連写画像を画像メモリ又はメモリカード内に残す第2の記録動作と、シャッタ釦の押圧操作時間がしきい値t2を越えれば、被写体画像を動画として画像メモリ又はメモリカード内に取り込む第3の記録動作を行う。
【0005】
【作用及び効果】
撮影者が、シャッタ釦(10)の押圧操作から、しきい値t1以内にシャッタ釦(10)から指を離せば、画像メモリ(4)又はメモリカード(9)には静止画像が格納される。シャッタ釦(10)の押圧操作時間がしきい値t1を越えれば、画像メモリ(4)又はメモリカード(9)には動画が格納されたままとなる。即ち、シャッタ釦(10)の押圧時間を変えるだけで、静止画と動画を撮り分けることができ、操作が煩わしくない。またシャッタ釦(10)以外に記録用の釦を設ける必要がないから、カメラ本体(1)も小型化できる。
また、動画記録に於ける撮影開始部分のタイムラグを少なくできる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
図1(a)は、カメラ本体(1)の斜視図、図1(b)は、図1(a)を背後から見た斜視図である。カメラ本体(1)上には、シャッタ釦(10)、及びデジタル画像を格納可能なメモリカード(9)が挿入される開口(11)が設けられている。シャッタ釦(10)は指で押し込まれ、シャッタ釦(10)から指を離すと、シャッタ釦(10)は自動で元に戻る。撮った画像は、カメラ本体(1)の背面に設けられた液晶パネル(8)にて確認できる。本例にあっては、シャッタ釦(10)を操作するだけで、静止画と動画の何れも撮影できる点に特徴がある。
【0007】
図2は、本例のデジタルカメラの内部ブロック図である。対物レンズ(30)を含むオートフォーカス機構(3)は、デジタル信号処理回路(5)を介して、制御回路(2)に繋がっている。オートフォーカス機構(3)からの信号は、色補正やガンマ補正等の処理が行われた後に、制御回路(2)に出力される。制御回路(2)には、液晶パネル(8)に表示する文字や図形等、及び後記のしきい値が格納されるROM(21)、デジタル画像が格納される画像メモリ(4)が接続されている。制御回路(2)には、シャッタ釦(10)の押圧操作からの経過時間を計測するタイマー機能と、経過時間と押圧操作時間のしきい値t1を比較する比較手段(図示せず)がある。一般に制御回路(2)はマイクロコンピュータで構成されるから、このタイマー機能は該マイクロコンピュータ内のクロックを分周して形成している。制御回路(2)には、またD/Aコンバータ(80)を介して前記液晶パネル(8)、圧縮伸長回路(90)を介してメモリカード(9)が接続される。
尚、制御回路(2)に発振器を外付けしてタイマーを構成してもよい。
【0008】
図3は、オートフォーカス機構(3)の内部構成を示すブロック図である(特開平4−84572号参照)。被写体を向く対物レンズ(30)には、ラック(31)が設けられ、該ラック(31)はギア列(32)を介して、モータ(M)により、被写体に接近離間可能に設けられている。モータ(M)には駆動回路(35)から給電される。対物レンズ(30)からの光は、CCD(33)にて電気信号に変換され、アナログ信号処理回路(34)にてサンプリングホールドやゲイン調整が施された後に、ハイパスフィルタ(HPF)(36)にて高周波成分が取り出され、積分回路(37)で積分された後に、A/Dコンバータ(38)にてデジタル信号に変換される。該デジタル化された積分値は制御回路(2)、コンパレータ(69)の一方の端子、及びメモリ(39)に入力される。アナログ信号処理回路(34)からの画像信号は、A/Dコンバータ(68)にてデジタル変換されて、前記デジタル信号処理回路(5)にも供給される。
【0009】
コンパレータ(69)の他方の端子には、メモリ(39)によって前回の撮像時に撮られた高域成分の積分値であるレベルが入力されている。コンパレータ(69)は今回のレベルの方が大きい場合はハイの信号を駆動回路(35)に出力し、今回のレベルの方が小さい場合はローの信号を駆動回路(35)に出力する。駆動回路(35)は、CCD(33)にシャッタパルスを供給するとともに、コンパレータ(69)の出力信号に応じてモータ(M)に通電し、対物レンズ(30)を光軸Lに沿って動かす。
図4は、高域成分の積分値であるレベルと対物レンズ(30)の光軸上の位置の関係を示すグラフである。当初の対物レンズ(30)の位置を、図4の1の位置とする。メモリ(39)にはこのときのレベルが格納されている。駆動回路(35)は対物レンズ(30)を光軸Lに沿って2の位置に動かす。このときの高域成分のレベルは、1の位置のときのレベルよりも大きいから、コンパレータ(69)はハイの信号を駆動回路(35)に出力し、メモリ(39)には2の位置に於けるレベルが格納される。駆動回路(35)は更に対物レンズ(30)を同じ方向に動かし、コンパレータ(69)はデジタル値を比較し続ける。
【0010】
対物レンズ(30)が図4の4の位置に達すると、前の3の位置に於ける高域成分のレベルの方が大きいから、コンパレータ(69)はローの信号を出力する。駆動回路(35)は対物レンズ(30)を3の位置に戻し、該3の位置にてモータ(M)への通電を止める。これにより、高域成分のレベルが最も大きな位置にて、対物レンズ(30)が停止し、被写体の画像がCCD(33)上に合焦する。
当初の対物レンズ(30)の位置が、図4の4の位置であれば、対物レンズ(30)を5の位置に向かって動かせば、コンパレータ(69)はローの信号を出力するから、駆動回路(35)はモータ(M)を逆転させて対物レンズ(30)を3の位置に動かす。このようにして被写体画像をCCD(33)上に合焦させる方式は、山登り方式とも呼ばれる。
【0011】
撮影者は、通常に撮影するときは、被写体にオートフォーカス機構(3)の対物レンズ(30)を向けてシャッタ釦(10)を押して指を離す。オートフォーカス機構(3)は対物レンズ(30)を光軸に沿って移動させ、被写体画像をCCD(33)に合焦させる。制御回路(2)はデジタル画像を一旦画像メモリ(4)に格納するとともに、D/Aコンバータ(80)にてアナログ変換された画像を液晶パネル(8)に表示する。これとともに、デジタル画像を圧縮伸長回路(90)にて圧縮してメモリカード(9)に格納する。メモリカード(9)に格納することにより、画像が保存される。撮影者がメモリカード(9)内の画像の再生をカメラ本体(1)上の再生釦(図示せず)を操作して再生を指示すると、圧縮伸長回路(90)にてメモリカード(9)内の画像が伸長されてD/Aコンバータ(80)を介して液晶パネル(8)に表示される。
【0012】
(第1実施例)
本例にあっては、シャッタ釦(10)を押し続ける時間によって、静止画記録と動画記録の切り換えが行われる。図5は、静止画又は動画を記録する場合の動作を撮影者の操作手順に従って示す図であり、横軸に時間を示す。
図5の時点t0に於いて、撮影者がシャッタ釦(10)を押して録画を開始したとする。制御回路(2)はタイマー(6)を作動させる。前記のオートフォーカス動作の他に、オートホワイトバランス、オートアイリス等の動作が開始し、この動作はデジタルカメラの機種によって異なるものの、約0.2〜0.3秒である。
この動作が終了後に、制御回路(2)は画像メモリ(4)にデジタル画像を記録する。即ち、図5に示すように、1枚の静止画が記録された直後に、複数枚のデジタル画像が動画として記録される。
制御回路(2)には、録画時間のしきい値としてt1がROM(21)から入力され、t1はシャッタ釦(10)の押圧操作開始から動画を記録開始するまでの時間より長い。t1は例えば1−2秒程度であるが、この時間に限定されない。また、通常の撮影者がシャッタ釦(10)を押してから離すまでの時間は、1秒程度であり、動画記録が開始されるまでにシャッタ釦(10)から指が離れることは考えにくい。
【0013】
動画を記録中に撮影者がシャッタ釦(10)を押し続けた時間が時点Aに示す如く、しきい値t1よりも短かったとする。この場合は、制御回路(2)はタイマー(6)によって計測された時間がt1よりも短かったことを検知すると、画像メモリ(4)又はメモリカード(9)への画像の格納を中止し、最初に撮影した静止画を残して、他の動画画像を消去する。画像メモリ(4)は、例えばDRAMから構成され、DRAMのメモリセルは周知の如くコンデンサとMOS型トランジスタから構成されるから、制御回路(2)は残しておくべき画像の画素が格納されたメモリセルにはリフレッシュ電圧を供給し続け、電荷を保持し、画像を保持する。消去すべき画像の画素が格納されたメモリセルへのリフレッシュ電圧の供給を遮断すれば、コンデンサが放電して、最初に撮影した静止画以外の画像は消去される。
制御回路(2)は画像メモリ(4)内のデジタル画像をメモリカード(9)にも格納する。
【0014】
撮影者がシャッタ釦(10)を押し続ける時間が時点Bに示す如く、しきい値t1を越えたとする。この場合は、制御回路(2)はタイマー(6)によって計測された時間がt1よりも長いことを検知すると、画像メモリ(4)へ動画画像を格納し続ける。撮影者がシャッタ釦(10)から指を離すと、制御回路(2)は画像メモリ(4)又はメモリカード(9)への画像の格納を中止する。即ち、画像メモリ(4)又はメモリカード(9)には、最初に撮影された静止画に続けて、動画が記録される。
【0015】
尚、画像メモリ(4)又はメモリカード(9)には静止画と動画の両方が夫々記録されているが、最初に撮影された静止画を消去してもよく、この操作は液晶パネル(8)上のメニュー画面から選択できる。即ち、シャッタ釦(10)が例えば3秒以上押されており、動画を撮ることが明らかであるときは、タイマー(6)から計測時間情報を得た制御回路(2)は最初に撮影された静止画を自動的に消去する。
更に、制御回路(2)には、自動録画しきい値としてt1よりも長いts(例えば3秒)がROM(21)から入力され、シャッタ釦(10)が、自動録画しきい値ts以上押されているときは、シャッタ釦(10)から指を離しても録画を続ける。こうすれば、長時間の動画を記録する場合に、指が疲れなくて済む。動画を中止する場合には、再度シャッタ釦(10)を押す。
【0016】
メモリカード(9)には、圧縮伸長回路(90)によってJPEG形式に圧縮された静止画、或いはMPEG又はmotionJPEG形式に圧縮された動画などが格納される。圧縮処理は、例えばDCT(離散コサイン変換)にて不要な高域成分を除去する方式である。
【0017】
本例にあっては、静止画を記録する場合には、シャッタ釦(10)を押して直ぐに指を離せばよく、通常のカメラと同じ感覚で写真が撮れる。また、動画を撮影する場合には、一般のビデオカメラと同様に、画像を撮影したい時間だけシャッタ釦(10)を押し続ければよく、撮影者の操作感覚に適った操作ができる。また、静止画と動画の何れを撮影する場合でも、1つのシャッタ釦(10)を操作するだけで済むから、操作が煩わしくない。また、シャッタ釦(10)以外に記録用の釦を設ける必要がないから、カメラ本体(1)も小型化できる。
また、動画記録に於ける撮影開始部分のタイムラグを少なくできる。
【0018】
(第2実施例)
斯種デジタルカメラには、複数枚の静止画像を自動的に連続して撮影する連写機能を具えているものがある。本例にあっては、図6に示すように、しきい値として、t1とt1よりも長いt2の2つを設け、t1を前記同様に約1秒、t2を約2秒とする。t2は前記の自動録画しきい値tsよりも短い。制御回路(2)は、シャッタ釦(10)の押圧開始に伴って、オートフォーカス等の操作の後に、被写体画像を最初は静止画、次に連写画像として記録する。
撮影者が地点Aに示すように撮影開始からt1以内にシャッタ釦(10)から指を離せば、連写画像は消去されて、1枚の静止画のみが画像メモリ(4)内に記録される。制御回路(2)は、格納画像をメモリカード(9)にも格納する。
【0019】
撮影者が撮影開始からt1を越えてシャッタ釦(10)を押し続ければ、画像メモリ(4)には、最初に撮影された画像に加えて、連写された画像が格納される。地点Bに示すように撮影者が撮影開始からt2以内にシャッタ釦(10)から指を離せば、連写画像が画像メモリ(4)に格納される。制御回路(2)は、格納画像をメモリカード(9)にも格納する。このとき、最初に撮影された静止画を消去してもよい。
撮影者が撮影開始からt2を越えてシャッタ釦(10)を押し続ければ(地点C)、連写画像の後に、被写体画像を動画として画像メモリ(4)内に取り込む。制御回路(2)は、格納画像をメモリカード(9)にも格納する。このとき、最初に撮影された静止画又は連写画像を消去してもよい。
本例にあっても、シャッタ釦(10)が、自動録画しきい値であるts以上押されているときは、シャッタ釦(10)から指を離しても録画を続ける。
尚、これらの動作は液晶パネル(8)のメニューから選択できる。
【0020】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
制御回路(2)は、CPUに、ROM(21)からのしきい値を格納するキャッシュメモリを付随して構成したものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、カメラ本体の斜視図、(b)は、(a)を背後から見た斜視図である。
【図2】本例のデジタルカメラの内部ブロック図である。
【図3】オートフォーカス機構の内部構成を示すブロック図である。
【図4】高域成分の積分値であるレベルと対物レンズの光軸上の位置の関係を示すグラフである。
【図5】静止画又は動画を記録する場合の動作を撮影者の操作手順に従って示す図である。
【図6】別の実施例に於ける静止画又は動画を記録する場合の動作を撮影者の操作手順に従って示す図である。
【図7】従来のデジタルカメラの斜視図である。
【符号の説明】
(2) 制御回路
(4) 画像メモリ
(6) タイマー
(10) シャッタ釦
(30) 対物レンズ
Claims (1)
- シャッタ釦と、
対物レンズから取り込まれた被写体のデジタル画像を格納可能な画像メモリ又はメモリカードと、
前記シャッタ釦の操作に応じて、前記被写体のデジタル画像を前記画像メモリ又は前記メモリカードに格納させる制御回路とを具えたデジタルカメラに於いて、
前記制御回路には、前記シャッタ釦の押圧操作からの経過時間を計測するタイマー機能と、
経過時間と押圧操作時間のしきい値t1、及びt1よりも長いt2とを比較する比較手段があり、
前記制御回路は、前記シャッタ釦の押圧開始に伴って、被写体画像を最初は静止画、次に連写画像として記録し、
前記制御回路は、連写画像記録中にて前記シャッタ釦の押圧操作時間がしきい値t1以内であれば、前記画像メモリ又は前記メモリカードに最初に格納した静止画像を残して、他の連写画像を消去する第1の記録動作と、
連写画像記録中にて前記シャッタ釦の押圧操作時間がしきい値t1を越えれば、被写体画像を連写して前記画像メモリ又は前記メモリカード内に取り込み、押圧操作時間がしきい値t2以内であれば該連写画像を前記画像メモリ又は前記メモリカード内に残す第2の記録動作と、
前記シャッタ釦の押圧操作時間がしきい値t2を越えれば、被写体画像を動画として前記画像メモリ又は前記メモリカード内に取り込む第3の記録動作を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
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