JP4270668B2 - 電子カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば時間的にほぼ連続した複数の静止画像からなる連写画像を撮影するいわゆる連写機能や1回のレリーズ動作に対して露出や合焦などの撮影条件を異ならせながら複数の画像を撮影するいわゆるブラケット撮影機能などを有する電子カメラに係り、特に、複数の画像を撮影する際に必要とするバッファメモリの容量を小さくして、さらなる筐体の小型化やコスト低減などを実現する電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体像を撮像光学系により固体撮像素子、たとえばCCD二次元イメージセンサ上に結像して電気信号に変換し、これにより得られた静止画像の画像データを半導体メモリや磁気ディスクのような記録媒体に記録する、いわゆる電子カメラが広く普及しつつある。
【0003】
この種の電子カメラの多くは、静止画像の撮影だけでなく、動画像として時間的にほぼ連続した複数の静止画像からなる連写画像を撮影するいわゆる連写機能を有している。
【0004】
このように、時間的にほぼ連続した複数の静止画像を撮影することにより、未熟練のユーザでもシャッターチャンスを確実に捉えることが可能となる。
【0005】
また、最近の電子カメラは、その時の撮影状況に応じて露出、焦点調整および色処理を自動制御するオート機能を有しており、さらに、たとえばオート機能やユーザ自らにより設定される撮影条件を基本条件として、1回のレリーズ動作に対して撮影条件を異ならせながら複数の画像を撮影するいわゆるブラケット撮影機能を有するものも存在する。
【0006】
このように、1回のレリーズ動作に対して撮影条件を異ならせながら複数の画像を撮影することにより、たとえばオート機能やユーザ自らにより設定される撮影条件などに比べて、その時の撮影状況により適した撮影条件での撮影を補うことなどが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような連写機能やブラケット撮影機能を備えることにより複数の画像を短時間に連続して撮影する電子カメラでは、これら複数の画像データを一時的に記憶するバッファメモリを備えることが必須である。これは、電子カメラに取り外し自在に装着される記録媒体(メモリカード)に撮影した画像の画像データを記録するのに非常に長い時間を要するためであり、たとえば特開平10−200841号(特願平9−797号)のデジタルカメラにおいても、最終的にフラッシュメモリに記録される画像を一時的に記憶するためのDRAMを備えている。
【0008】
しかしながら、連写機能やブラケット撮影機能を作動させる際の連続撮影枚数を多く確保するためには、その枚数の増加に比例してバッファメモリの容量を大きくしていかなければならないため、大幅なコストアップを招いたり、筐体の小型化を阻害するといった問題があった。
【0009】
この発明はこのような実情を考慮してなされたものであり、複数の画像を撮影する際に必要とするバッファメモリの容量を小さくして、さらなる筐体の小型化やコスト低減などを実現する電子カメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、この発明の電子カメラは、1回のレリーズ動作に対して撮影条件を異ならせた複数の画像データを生成するブラケット撮影モードを有する電子カメラであって、光電変換により被写体像から画像データを生成する電子的撮像手段と、前記電子的撮像手段により生成された画像データを圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段により圧縮された複数の画像データを一時的に記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された画像データを取り外し自在に装着される記録媒体に記録する記録手段と、前記記録手段による前記画像データの前記記録媒体への記録の開始を指示する開始指示手段とを具備し、前記記録手段は、前記ブラケット撮影モードが設定されている場合、前記開始指示手段による記録開始の指示に応答して、撮影条件の値の順序と一致させるように、前記一時記憶手段に記憶された複数の画像データを撮影順序とは異なる順序で前記記録媒体に記録することを特徴とする。
【0015】
通常、ブラケット撮影機能では、ユーザがシャッターチャンスとして捉えた瞬間を重要視し、オート機能やユーザ自らにより設定される撮影条件を1回目の撮影に適用するようにしている。そして、その後に、この撮影条件を中央値としてプラス方向およびマイナス方向に撮影条件をずらしながら撮影を進めていく。したがって、撮影順序と一致させた順序で画像データを記録媒体に記録しようとすると、再生時の順序が撮影条件の値の順序(マイナスからプラスへの昇順またはプラスからマイナスへの降順)と一致しなくなり、たとえば電子カメラが備えるLCDを用いた画像の相互比較が難しくなる。それに対して、この発明の電子カメラにおいては、あえて撮影順序と異ならせ、たとえば撮影条件の値の順序と一致させて画像データを記録媒体に記録することにより、画像の相互比較を容易とし、不要な画像データの選択などを行ない易くする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施形態に係る電子カメラの外観図である。図1に示すように、この電子カメラは、大きく分けて、カメラ本体1とレンズ鏡筒2とからなる。
【0018】
このカメラ本体1には、光学ファインダ3のほか、操作部としてレリーズボタン4、カメラモードボタン5、撮影モードボタン6、記録開始ボタン7、消去ボタン8および十字キーボタン9が設けられ、さらに、表示部として後述するカラー液晶ディスプレイ(LCD)25が設けられている。
【0019】
次に、図2を用いてこの実施形態に係る電子カメラの内部の詳細な構成を説明する。
【0020】
図2において、被写体光はレンズ鏡筒2に設けられた撮像レンズ11を通過した後、絞り12により光量が制御される。撮像レンズ11はAFモータ13により駆動され、絞り12は絞りモータ14により駆動される。撮像レンズ11および絞り12を通過した被写体光はカメラ本体1内に導かれ、カラー固体撮像素子であるCCD二次元カラーイメージセンサ(以下、単にCCDという)15に入射する。これによって、CCD15の撮像面上に被写体像が結像される。
【0021】
CCD15は、光電変換を行なう複数の画素を二次元のマトリクス状に配列して撮像面を構成し、さらに撮像面にカラーフィルタを配置したものであり、CCDドライバ16によって駆動制御されることにより、撮像面に結像された被写体像に対応した信号電荷を蓄積する。撮像面に蓄積された信号電荷は、画素信号と呼ばれる電気信号としてCCD15から読み出される。
【0022】
CCD15から読み出された画素信号は、A/D変換器17によりCDS(相関二重サンプリング)その他の処理が施されてデジタル信号に変換された後、AE(自動露出)処理部18、AF(自動焦点調整)処理部19および画像処理部20に入力される。
【0023】
AE処理部18では、A/D変換器17より出力されるデジタル化された画素信号を受け、各画素からの画素信号の累積加算を主体とする演算処理を行ない、この累積加算値に基づき被写体の明るさに応じたAE評価値を求める。
【0024】
AF処理部19では、A/D変換器17より出力されるデジタル化された画素信号を受け、たとえば1画面分の画素信号の高周波成分をハイパスフィルタにより抽出し、これに対して累積加算等の演算処理を行なうことによって高域側の輪郭成分量に対応するAF評価値を算出する。
【0025】
画像処理部20では、A/D変換器17より出力されるデジタル化された画素信号を受け、この画素信号に対してオートホワイトバランス、輝度、色信号生成その他の色処理を施すことにより、所定フォーマットのカラー画像信号を生成する。
【0026】
画像処理部20により生成されたカラー画像信号は圧縮部21に導かれ、圧縮(符号化)処理が施されて記録媒体27への記録に適した形態に変換される。この圧縮処理の方式としては、たとえばJPEG方式などが用いられるが、これに限られるものではない。そして、圧縮部21により圧縮処理が施された画像データは、たとえばDRAMからなるバッファメモリ22に一時的に記憶される。
【0027】
このように、バッファメモリ22に一時的に記憶させる前に画像データに圧縮(符号化)処理を施す点がこの発明の電子カメラの特徴とする点であり、これにより、必要とするバッファメモリ22の容量を小さくすることができ、筐体の小型化やコスト低減を実現することを可能とする。
【0028】
バッファメモリ22から読み出されるカラー画像信号は伸長部23により伸長(復号化)処理が施された後、表示処理部24に導かれ、ここで表示出力に適した形態に変換される。表示処理部24により表示出力に適した形態に変換されたカラー画像信号は、TFT方式などのカラー液晶ディスプレイ(LCD)25に供給され、画像として表示される。
【0029】
バッファメモリ22にはさらに記録/再生処理部26が接続され、この記録/再生処理部26は、記録媒体27に対して画像データを記録したり、記録媒体27から画像データを再生する処理を行なう。この記録媒体27は、たとえばカード型フラッシュメモリのような半導体メモリにより構成されたメモリカードが一般的に使用されるが、メモリカードに限られるものではなく、たとえばハードディスクやフロッピーディスクのような磁気記録媒体等、種々の形態のものを使用できる。また、再生時の画像データはバッファメモリ22に一時記憶され、伸長部23により伸長処理が施された後、表示処理部24を経てカラー液晶ディスプレイ25で適宜表示される。
【0030】
システムコントローラ28は、AE処理部18およびAF処理部19の処理結果と操作部30からの指令とに基づいて各部を制御するものであり、CPUを用いて構成される。具体的には、システムコントローラ28は、CCDドライバ16、A/D変換器17、画像処理部20、圧縮部21、バッファメモリ22、伸長部23、表示処理部24、記録再生処理部26、AFモータ13および絞りモータ14を駆動するモータドライバ41,42の制御を行なう。
【0031】
すなわち、システムコントローラ28は、AE処理部18で得られたAE評価値に基づいてモータドライバ42を制御し、絞りモータ14を介して絞り12を制御することで光量を制御したり、さらにはCCDドライバ16を介してCCD15の電荷蓄積時間を制御することにより、自動露出(AE)処理を行なう。また、システムコントローラ28は、AF処理部19で得られたAF評価値に基づいてモータドライバ41を制御し、AFモータ13を介して撮像レンズ11を光軸方向に移動させて自動焦点調整(AF)処理を行なう。
【0032】
操作部30は、カメラのユーザによる操作に基づいて各種の動作を行なわせるための指令信号を発生してシステムコントローラ28に伝達する。より具体的には、この操作部30には、撮影指示のためのスイッチとして、レリーズスイッチ31が設けられている。
【0033】
また、この操作部30には、撮影モードや再生モード等、この電子カメラの動作モードを指示するためのカメラモードスイッチ32と、通常撮影モードやブラケット撮影モード等、この電子カメラの撮影モードを指示するための撮影モードスイッチ33と、バッファメモリ22に記憶された画像データを記録媒体27に記録する処理を開始させるための記録開始スイッチ34と、バッファメモリ22に記憶された画像データの中の不要な画像データを指示するための消去スイッチ35と、たとえば画質(圧縮率)の選択や表示画像の切り換えなどを行なうための十字キースイッチ36とが設けられている。
【0034】
図1との対応を説明すると、レリーズスイッチ31は、レリーズボタン4の押下によりオン状態となるスイッチであり、このレリーズスイッチ31のオンにより画像の撮影が指示される。この指示に基づき、システムコントローラ28による制御で撮影された画像の画像データは、画像処理および圧縮処理が施された後にバッファメモリ22に一時的に記憶され、連写撮影等の場合は記録開始スイッチ34のオンにより記録媒体27に記録される。
【0035】
カメラモードスイッチ32は、カメラモードボタン5の押下によりオン状態となるスイッチであり、このカメラモードスイッチ32のオンによりシステムコントローラ28による制御でこの電子カメラの動作モードの設定が行なわれる。この動作モードとしては、たとえば撮影を行なうための撮影モードと記録媒体27に記録された画像を再生するための再生モードとが存在する。
【0036】
撮影モードスイッチ33は、撮影モードボタン6の押下によりオン状態となるスイッチであり、この撮影モードスイッチ33のオンによりシステムコントローラ27による制御でこの電子カメラの撮影モードの設定が行なわれる。この撮影モードとしては、たとえば1回のレリーズ動作に対して1つの画像データを生成する通常撮影モードと、レリーズ動作の継続中に連続して複数の画像データを生成する連写撮影モードと、1回のレリーズ動作に対して撮影条件を異ならせた複数の画像データを生成するブラケット撮影モードとが存在する。さらに、このブラケット撮影モードには、露出を異ならせるAEBモードと合焦を異ならせるAFBモードとが存在する。
【0037】
記録開始スイッチ34は、記録開始ボタン7の押下によりオン状態となるスイッチであり、連写撮影等の場合はこの記録開始スイッチ34のオンにより、バッファメモリ22に記憶された画像データの記録媒体27への記録を開始させることができる。なお、この記録開始スイッチ34は、撮影モードが連写撮影モードおよびブラケット撮影モードのいずれかである時にのみ有効であり、通常撮影モードの時には、通常の電子カメラと同様に、バッファメモリ22に記憶された画像データは自動的に記録媒体27への記録が開始される。
【0038】
消去スイッチ35は、消去ボタン8の押下によりオン状態となるスイッチであり、この消去スイッチ35のオンにより、連写撮影やブラケット撮影により撮影された複数の画像の中から不要な画像を指示することができる。
【0039】
そして、十字キースイッチ36は、十字キーボタン9の押下により動作するスイッチであり、これにより、たとえば画質(圧縮率)の選択や表示画像の切り換えなどを行なうことなどができる。
【0040】
次に、図3乃至図5および図7に示すフローチャート、ならびに、図6に示す概念図を用いて、この実施形態の電子カメラの連写撮影に関する動作手順を説明する。なお、これらの動作の制御は、システムコントローラ28によって行なわれる。
【0041】
まず、カメラモードスイッチ32によりこの電子カメラの動作モードの設定が行なわれる(図3のステップA1)。ここで、再生モードが設定されると(図3のステップA2のNO)、記録媒体27に記録された画像データの再生処理を実行する(図3のステップA3)。
【0042】
一方、撮影モードが設定されると(図3のステップA2のYES)、今度は撮影モードスイッチ33によりこの電子カメラの撮影モードの設定が行なわれる(図3のステップA4)。ここで、連写撮影モードが設定されると(図3のステップA5のYES)、レリーズ動作の継続中に連続して複数の画像データを生成する連写撮影処理を実行する(図3のステップA6)、また、ブラケット撮影モードが設定されると(図3のステップA7のYES)、1回のレリーズ動作に対して撮影条件を異ならせた複数の画像データを生成するブラケット撮影処理を実行し(図3のステップA8)、通常撮影モードが設定されると(図3のステップA7のNO)、1回のレリーズ動作に対して1つの画像データを生成する通常撮影処理を実行する(図3のステップA9)。
【0043】
連写撮影モードが設定されると、まず、レリーズスイッチ31がオンかどうかを調べ(図4のステップB1)、レリーズスイッチ31がオンであれば(図4のステップB1のYES)、画像の撮影を行ない(図4のステップB2)、この撮影により得られる画像データを圧縮する(図4のステップB3)。そして、この圧縮後の画像データをバッファメモリ22に一時的に記憶させる(図4のステップB4)。すなわち、従来の電子カメラと異なり、圧縮後の画像データをバッファリングするわけである。これにより、バッファメモリ容量を小さくでき、コスト低減や筐体の小型化を可能とし、また、この連写撮影における連続撮影枚数の制限を大幅に緩和することができるようになる。
【0044】
次に、バッファメモリ22に所定量以上の空き容量が存在するかどうかとレリーズスイッチ31がオンのままかどうかとを調べ(図4のステップB5,図4のステップB6)、バッファメモリ22に所定量以上の空き容量が存在し、かつレリーズスイッチ31がオンのままであるとき(図4のステップB5のNO,図4のステップB6のNO)、図4のステップB2からの処理を繰り返す。
【0045】
一方、バッファメモリ22に所定量以上の空き容量が存在しないか、またはレリーズスイッチ31がオフとなったとき(図4のステップB5のYES,図4のステップB6のYES)、1コマ分の画像データをバッファメモリ22から読み出して伸長処理を施し(図4のステップB7,図4のステップB8)、この伸長処理後の画像データの画像をカラー液晶ディスプレイ(LCD)25に表示させる(図4のステップB9)。
【0046】
また、この画像の表示中、消去スイッチ35がオンになったかどうかを調べ(図4のステップB10)、消去スイッチ35がオンになったとき(図4のステップB10のYES)、この画像データに対して消去指示がなされたことを記憶する(図4のステップB11)。このように、ユーザが不要とする画像データを事前に記憶することにより、画像データを記録媒体27に記録する際に費やされる時間を短縮する。
【0047】
次に、記録開始スイッチ34がオンになったかどうかを調べ(図4のステップB12)、記録開始スイッチ34がオンになっていないとき(図4のステップB12のNO)、今度は十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされたかどうかを調べる(図4のステップB13)。ここで、十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされていないときは(図4のステップB13のNO)、図4のステップB10からの処理を繰り返し、また、十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされたときは(図4のステップB13のYES)、さらに次のコマが存在するかどうかを調べる(図4のステップB14)。そして、次のコマが存在するとき(図4のステップB14のNO)、図4のステップB7からの処理を繰り返す。
【0048】
一方、記録開始スイッチ34がオンになったか、または十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされた際に次のコマが存在しなかったとき(図4のステップB12のYES,図4のステップB13のYES〜図4のステップB14のNO)、バッファメモリ22に記憶された画像データを記録媒体27に記録する処理(カード記録処理)へと進む(図4のステップB15)。
【0049】
このカード記録処理では、まず、消去指示がなされたコマ以外の1コマ分の画像データをバッファメモリ22から読み出す(図5のステップC1)。次に、記録媒体27にこの読み出した画像データを記録するだけの空き容量が存在するかどうかを調べる(図5のステップC2)。ここで、記録媒体27に画像データを記録するだけの空き容量が存在しないとき(図5のステップC2のYES)、記録媒体27の交換を促すメッセージをカラー液晶ディスプレイ(LCD)25に表示し(図5のステップC3)、記録媒体27が交換されるまで待機する(図5のステップC4)。
【0050】
そして、バッファメモリ22から読み出した画像データを記録媒体27に記録し(図5のステップC5)、すべてのコマが終了するまで図5のステップC1からの処理を繰り返す(図5のステップC6)。
【0051】
このように、圧縮後の画像データをバッファリングすることにより、バッファメモリ容量を小さくでき、コスト低減や筐体の小型化を可能とし、また、この連写撮影における連続撮影枚数の制限を大幅に緩和する。さらに、ユーザが不要とする画像データを事前に記憶することにより、画像データを記録媒体に記録する際に費やされる時間を短縮する。
【0052】
次に、ブラケット撮影モードが設定された場合であるが、ブラケット撮影機能では、ユーザがシャッターチャンスとして捉えた瞬間を重要視しており、このため、図6に示すように、オート機能やユーザ自らにより設定される撮影条件を1回目の撮影に適用し、その後に、この撮影条件を中央値としてプラス方向およびマイナス方向に撮影条件をずらしながら撮影を進めている(図6の(a))。そこで、この実施形態の電子カメラでは、ブラケット撮影モードで複数の画像データを生成したときに、これらをあえて撮影順序と異ならせ、露出などの撮影条件の値の順序と一致させて画像データを記録媒体に記録するようにする(図6の(b))。これは、再生時の順序を撮影条件の値の順序と一致させることにより、画像の相互比較を容易とし、不要な画像データの選択などを行ない易くするためである。
【0053】
ブラケット撮影モードが設定されると、まず、レリーズスイッチ31がオンかどうかを調べ(図7のステップD1)、レリーズスイッチ31がオンであれば(図7のステップD1のYES)、中央値となる露出値(ここでは、AEBモード(露出)によるブラケット撮影を例に説明する。)を設定した後(図7のステップD2)、画像の撮影を行ない(図7のステップD3)、この撮影により得られる画像データを圧縮する(図7のステップD4)。そして、この圧縮後の画像データをバッファメモリ22に一時的に記憶させる(図7のステップD5)。前述の連写撮影と同様、圧縮後の画像データをバッファリングすることにより、バッファメモリ容量を小さくでき、コスト低減や筐体の小型化を可能とする。
【0054】
次に、ブラケット撮影で撮影すべき予定枚数に達したかどうかを調べ(図7のステップD6)、撮影すべき予定枚数に達していないときは(図7のステップD6のNO)、露出値を変更した後(図7のステップD7)、図7のステップD3からの処理を繰り返す。
【0055】
一方、撮影すべき予定枚数に達していたときには(図7のステップD6のYES)、1コマ分の画像データをバッファメモリ22から読み出して伸長処理を施し(図7のステップD8,図7のステップD9)、この伸長処理後の画像データの画像をカラー液晶ディスプレイ(LCD)25に表示させる(図7のステップD10)。このとき、撮影順ではなく、アンダー露出の順で画像データをバッファメモリ22から読み出していく。これにより、再生時の順序を撮影条件の値の順序と一致させることにより、画像の相互比較を容易とし、不要な画像データの選択などを行ない易くすることを可能とする。
【0056】
また、この画像の表示中、消去スイッチ35がオンになったかどうかを調べ(図7のステップD11)、消去スイッチ35がオンになったとき(図7のステップD11のYES)、この画像データに対して消去指示がなされたことを記憶する(図7のステップD12)。前述の連写撮影と同様、ユーザが不要とする画像データを事前に記憶することにより、画像データを記録媒体27に記録する際に費やされる時間を短縮する。
【0057】
次に、記録開始スイッチ34がオンになったかどうかを調べ(図7のステップD13)、記録開始スイッチ34がオンになっていないとき(図7のステップD13のNO)、今度は十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされたかどうかを調べる(図7のステップD14)。ここで、十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされていないときは(図7のステップD14のNO)、図7のステップD11からの処理を繰り返し、また、十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされたときは(図7のステップD14のYES)、さらに次のコマが存在するかどうかを調べる(図7のステップD15)。そして、次のコマが存在するとき(図7のステップD15のNO)、図7のステップD8からの処理を繰り返す。
【0058】
一方、記録開始スイッチ34がオンになったか、または十字キースイッチ35によるコマ送り指示がなされた際に次のコマが存在しなかったとき(図7のステップD13のYES,図7のステップD14のYES〜図7のステップD15のNO)、バッファメモリ22に記憶された画像データを記録媒体27に記録する処理(カード記録処理)へと進む(図7のステップD16)。
【0059】
このように、ブラケット撮影モードで生成した複数の画像データをあえて撮影順序と異ならせ、露出などの撮影条件の値の順序と一致させて画像データを記録媒体に記録することにより、再生時の順序を撮影条件の値の順序と一致させ、画像の相互比較を容易とし、不要な画像データの選択などを行ない易くする。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、画像データを圧縮してからバッファメモリに記憶するため、画像データをそのままの状態でバッファメモリに記憶する場合と比較して、必要とするバッファメモリの容量を小さくすることができ、筐体の小型化やコスト低減を実現することを可能とする。
【0061】
また、ユーザが不要とする画像データを事前にメモリカードなどの記録媒体に記録しないようにできるため、画像データを記録媒体に記録する際に費やされる時間を短縮することを可能とする。
【0062】
さらに、ブラケット撮影時、あえて撮影順序と異ならせ、たとえば撮影条件の値の順序と一致させて画像データを記録媒体に記録することにより、画像の相互比較を容易とし、不要な画像データの選択などを行ない易くする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る電子カメラの外観を示す図。
【図2】同実施形態の電子カメラの内部の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電子カメラの連写撮影に関する動作手順を説明するための第1のフローチャート。
【図4】同実施形態の電子カメラの連写撮影に関する動作手順を説明するための第2のフローチャート。
【図5】同実施形態の電子カメラの連写撮影に関する動作手順を説明するための第3のフローチャート。
【図6】同実施形態の電子カメラのブラケット撮影時の撮影順序と記録順序との関係を例示する図。
【図7】同実施形態の電子カメラのブラケット撮影に関する動作手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…カメラ本体
2…レンズ鏡筒
3…光学ファインダ
4…レリーズボタン
5…カメラモードボタン
6…撮影モードボタン
7…記録開始ボタン
8…消去ボタン
9…十字キーボタン
11…撮像レンズ
12…絞り
13…AFモータ
14…絞りモータ
15…CCD(固体撮像素子)
16…CCDドライバ
17…A/D変換器
18…自動露光処理部
19…自動焦点調整処理部
20…画像処理部
21…圧縮部
22…バッファメモリ
23…伸長部
24…表示処理部
25…カラー液晶ディスプレイ(LCD)
26…記録/再生処理部
27…記録媒体
28…システムコントローラ
30…操作部
31…レリーズスイッチ
32…カメラモードスイッチ
33…撮影モードスイッチ
34…記録開始スイッチ
35…消去スイッチ
36…十字キースイッチ
Claims (2)
- 1回のレリーズ動作に対して撮影条件を異ならせた複数の画像データを生成するブラケット撮影モードを有する電子カメラであって、
光電変換により被写体像から画像データを生成する電子的撮像手段と、
前記電子的撮像手段により生成された画像データを圧縮する圧縮手段と、
前記圧縮手段により圧縮された複数の画像データを一時的に記憶する一時記憶手段と、
前記一時記憶手段に記憶された画像データを取り外し自在に装着される記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録手段による前記画像データの前記記録媒体への記録の開始を指示する開始指示手段と、
を具備し、
前記記録手段は、前記ブラケット撮影モードが設定されている場合、前記開始指示手段による記録開始の指示に応答して、撮影条件の値の順序と一致させるように、前記一時記憶手段に記憶された複数の画像データを撮影順序とは異なる順序で前記記録媒体に記録することを特徴とする電子カメラ。 - 前記一時記憶手段に記憶された画像データの消去を指示する消去指示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
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1999
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