JP4038185B2 - 数値制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、直線移動軸以外に回転軸を有する機械を制御する数値制御方法に関する。
金型等の自由曲面を加工する工作機械として、直線移動軸以外に回転軸を有する機械が使用されている。X,Y,Zの直線移動軸と、2つの回転軸を備えた5軸工作機械が知られている。回転軸を備えていることから、これらの回転軸の回転に伴って、工具を被加工物のワーク加工面に対して任意に傾けて加工することができる。工具が傾くことによって工具長補正量が変化することから、この工具長を補正しながら加工するようにされている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
又、X,Y,Zの直線移動軸と鉛直軸線周りの回転軸のC軸、該C軸に対して所定角度傾斜したB’軸周りに回転する部材を備えた5軸工作機械において、C軸の鉛直線軸からの傾き誤差、B’軸の傾斜角度誤差、及びB’,C軸の回転中心位置の誤差を補正するために、B’軸を所定角度に固定し、C軸周りに回転させ所定旋回角度毎の主軸先端位置を測定し、この測定データから回帰方程式より重回帰分析して旋回平面を求めて、C軸部材の軸方向ベクトルを求め、C軸を所定角度に固定し、B軸周りに回転させ所定旋回角度毎の主軸先端位置を測定し、この測定データから回帰方程式より重回帰分析して旋回平面を求めてB軸部材の軸方向ベクトルを求め、これら軸方向ベクトルの軸線周りに旋回した状態での主軸先端位置を求め、この主軸先端位置と誤差のない場合の主軸位置との差分を主軸頭位置誤差とし、主軸頭位置誤差の符号を反転させて補正値とし、NCプログラムの座標系をオフセットして主軸頭誤差補正を行うようにしたものが知られている(特許文献3参照)。
特開平3−109606号公報 特開平5−100723公報 特開2001−269839号公報
前述した特許文献1,2の工具長補正方法では、回転軸中心のずれや傾斜は考慮されていない。回転軸中心が本来の位置から乖離または傾斜している場合(加工プログラムを実行する制御系が認識している回転中心軸及びその方向と実際に回転中心軸及びその方向に誤差がある場合)は考慮されていない。また、主軸旋回中心が本来の位置から乖離または傾斜している場合においても、考慮されていない。
しかし、工作機械の製造上、回転軸中心を本来の位置、方向に、また主軸旋回中心を本来の位置、方向に正確に製造することは困難で誤差が発生する。前述した特許文献3では、回転軸の中心位置誤差、傾きの誤差を考慮し、主軸頭位置誤差補正を行っているが、この方法は、2つある一方の回転軸を固定し、他方を所定角度回転させた位置毎に主軸先端位置を測定して得られたデータに基づいて回帰方程式より重回帰分析して旋回平面を求めて軸方向ベクトルを求め、さらに、これらの軸方向ベクトルを旋回させた状態での主軸先端位置を求め、本来の主軸位置との差を主軸頭位置誤差として、NC座標系をこの主軸頭位置誤差に対応してオフセットするものであり、処理が複雑である。
さらに、特許文献3に記載された方法では、次のような問題点がある。
2つの回転軸の位置決めごとに、それらの回転軸を所定角度ずつ旋回させて測定し、それらの回転軸の実際の方向ベクトルを求めている。従って、回転軸の位置決めごとに測定のための時間がかかるという問題と、回転軸の移動を含めた連続加工には使用できないという問題がある。又、2つある回転軸の回転中心はお互いに交叉していることを前提としており、2つの回転中心の間に乖離がある場合を考慮していない。さらに、主軸回転中心と回転軸の間の誤差を考慮していないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、回転軸を含む機械を制御する数値制御方法において、回転軸中心が本来の位置から乖離または傾斜している場合や、主軸旋回中心が本来の位置から乖
離または傾斜している場合においても、簡単で精度の高い加工、かつ回転軸の移動を含めた連続加工ができる数値制御方法を提供することにある。
本願請求項1に係る発明は、直線移動軸と工具ヘッド回転用の第1回転軸と前記第1回転軸の上に第2回転軸を有する機械の数値制御装置による数値制御方法であって、
主軸旋回中心の機械誤差のない基準位置と実際の主軸旋回中心のずれ量による変換行列によって工具長ベクトルが補正された実工具長ベクトルV3を求め、
前記第2回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第2回転軸への指令位置による変換行列によって前記実工具長ベクトルV3を前記第2回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第2回転軸のずれが補正された実工具長ベクトルV5を求め、
前記第1回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第1回転軸への指令位置による変換行列によって前記実工具長ベクトルV5を前記第1回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第回転軸のずれが補正された実工具長ベクトルV7を求め、
前記実工具長ベクトルV7に指令位置ベクトルとワーク原点オフセットベクトルを加算し機械位置を求め、
前記求められた機械位置へ前記直線移動軸及び前記回転軸を移動させることを特徴とする数値制御方法である。
請求項2に係る発明は、直線移動軸とテーブル回転用の第1回転軸と前記第1回転軸の上に第2回転軸を有する機械の数値制御装置による数値制御方法であって、
テーブル座標系上における指令位置に前記テーブル座標系原点のオフセットを加算して機械座標系上指令位置を求め、
前記第2回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第2回転軸への指令位置による変換行列によって前記機械座標系上指令位置を前記第2回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第2回転軸のずれが補正された第2回転軸回転位置を求め、
前記第1回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第1回転軸への指令位置による変換行列によって前記第2回転軸回転位置を前記第1回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第1回転軸のずれが補正された第1回転軸回転位置を求め、
前記第1回転軸回転位置に工具長ベクトルを加算して機械位置を求め、
前記求められた機械位置へ前記直線移動軸及び前記回転軸を移動させることを特徴とする数値制御方法である。
請求項3に係る発明は、直線移動軸と工具ヘッド回転用の1つの回転軸とテーブル回転用の1つの回転軸を有する機械の数値制御装置による数値制御方法であって、
テーブル座標系上における指令位置に前記テーブル座標系原点のオフセットを加算して機械座標系上指令位置を求め、
前記テーブル回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記テーブル回転軸への指令位置による変換行列によって前記機械座標系上指令位置を前記テーブル回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記テーブル回転軸のずれが補正されたテーブル回転軸回転位置を求め、
前記工具ヘッド回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記工具ヘッド回転軸への指令位置による変換行列によって工具長ベクトルを前記工具ヘッド回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記工具ヘッド回転軸のずれが補正された工具長ベクトルを求め、
前記テーブル回転軸回転位置に工具長ベクトルを加算して機械位置を求め、
前記求められた機械位置へ前記直線移動軸及び前記回転軸を移動させることを特徴とする数値制御方法である。
本発明は、回転軸や主軸旋回軸にずれがあっても、そのずれを補正して機械位置が指令されることになるから、加工精度の高い制御を行うことができる。
回転軸を有する機械(工作機械)には、複数のタイプ(構成の差異)がある。各タイプの機械に対する本発明の適用の実施形態を、工具ヘッド回転形の機械、テーブル回転形の機械、工具ヘッド及びテーブル回転形の機械の、3つのタイプの機械に適用するものとし、以下この3つの実施形態の本発明の原理について説明する。
1.本発明の第1の実施形態(工具ヘッド回転形の機械)
本発明の第1の実施形態として、工具ヘッド回転式の機械であって、直交するX,Y,Z軸の直線移動軸と、工具ヘッドに回転軸としてA軸(X軸周り)とC軸(Z軸周り)を備え、C軸がマスタ軸となり、C軸上でA軸が動作し、かつ、A軸、C軸の回転角が「0」のとき、工具方向はZ軸方向である工具ヘッド回転形の機械について説明する。
なお、A軸、C軸の回転角が「0」のときの工具長ベクトルVt-H(0,0,h,1) T、ワーク原点オフセット量WO-H(WOx-H,WOy-H,WOz-H,1) Tは初期条件として与えられているものとする。また、以降、同次座標系で表し「T」は転置を意味する。
(1−1)ずれのない場合の機械位置の求め方
まず、回転軸中心や主軸旋回中心が位置ずれや傾きがなく本来の位置から乖離または傾斜がなく、ずれがない場合、すなわち、加工プログラム及び制御系が認識している回転軸中心や主軸旋回中心の位置及び方向と実際の位置と方向が一致している場合について説明する。
図1は、このずれのない場合での機械位置の算出を説明する説明図である。符号1は工具ヘッドで、符号2は工具である。
X,Y,Z軸の直線移動軸に対しては位置指令値P(x,y,z)及び回転軸のA軸、C軸に対しては位置指令R(a,c)が与えられたとき、機械位置Vm-H(X,Y,Z,1)は、次の1式によって求められる。
Vm-H=Mwo-H*Mp-H*Mc-H*Ma-H*Vt-H ……(1)
この1式において、Mwo-H,Mp-H,Mc-H,Ma-Hは変換マトリックスで、次の通りである。
Figure 0004038185
すなわち、マトリックスMwo-Hは初期条件として与えられているワーク原点オフセット量WO-H(WOx-H,WOy-H,WOz-H,1) Tによって決まるものであり、マトリックスMp-H,は、位置指令値P(x,y,z)によって求められる。マトリックスMc-H,は、回転軸C軸への指令cによってもとめられ、マトリックスMa-Hは回転軸A軸への指令aによって求められるものである。
図1に示すように、機械原点に設定されているワーク原点オフセット量WO-Hのベクトルを加算してワーク座標系原点位置を求め、さらに、該ワーク座標系原点位置からプログラム指令値P(x,y,z)に対応するベクトルを加算し、さらに、A軸,C軸の回転量が「0」のときの工具長ベクトルVt-H(0,0,h,1) TをA軸,C軸を回転指令a,cだけ回転させて得られた工具長ベクトルを加算することによって、機械位置Vm-H(X,Y,Z,1)が求まる。
(1−2)ずれ(回転中心軸、主軸旋回中心の位置の乖離、及び傾斜)の要素について
この第1の実施形態において発生するずれは、(i)C軸回転中心のずれ、(ii)A軸回転中心のずれ、(iii)主軸旋回中心のずれである。これらずれを表すにあたって、関連する事項を次の記号で表す。また図2は、このずれを有する機械の位置の算出を説明する説明図である。
As-H:A=0,C=0の時の実際の主軸旋回中心
Cs-H:A=0,C=0の時の本来の主軸旋回中心(基準位置)
Ac-H:実際のC軸回転中心
Cc-H:本来のC軸回転中心(基準位置)
Aa-H:実際のA軸回転中心
Ca-H:本来のA回転中心(基準位置)
また、本来のC軸回転中心(基準位置)Cc-Hの軸とA軸回転中心(基準位置)Ca-Hの軸は直交するものとしている。
(i)実際のC軸回転中心Ac-Hの本来のC軸回転中心(基準位置) Cc-Hに対するずれ (C軸のずれ)。
このずれを、実際のA軸回転中心Aa-Hから実際のC軸回転中心Ac-Hへの乖離距離のX,Y,Z軸各成分δac-H (δacx-H, δacy-H, δacz-H)と、C軸回転中心のこれらX,Y,Z軸の軸周りの回転ずれ(αc-H, βc-H, γc-H)で表す。
δac-H (δacx-H, δacy-H, δacz-H) :
実際のA軸回転中心Aa-Hから実際のC軸回転中心Ac-Hへの乖離距離のX,Y,Z各成分は、実際のA軸回転中心から実際のC軸回転中心へのベクトルであり、これは、本来のC軸回転中心Cc-Hと本来のA軸回転中心Ca-Hの交点から実際のC軸回転中心Ac-Hへのベクトルをδc-H (δcx-H, δcy-H, δcz-H)とすると、δac-H=−δa-H+δc-H である。(なお、δa-Hは後述する。)
(αc-H, βc-H, γc-H):
実際のC軸回転中心Ac-Hが本来のC軸回転中心Cc-Hから、X軸周りにαc-H、Y軸周りにβc-H、Z軸周りにγc-H回転して傾斜したずれを表す。
(ii)実際のA軸回転中心Aa-Hの本来のA軸回転中心(基準位置)Ca-Hに対するずれ( A軸のずれ)。
このずれを、X,Y,Z軸の直線軸方向のずれδa-H (δax-H, δay-H, δaz-H)と、A軸回転中心のこれらの軸周りの回転ずれ(αa-H, βa-H, γa-H)で表す。
δa-H (δax-H, δay-H, δaz-H) :
本来のA軸回転中心Ca-Hから実際のA軸回転中心Aa-Hへの乖離距離のX,Y,Z各成分 (本来のC軸回転中心Cc-Hと本来のA軸回転中心Ca-Hの交点から実際のA軸回転中心へのベクトル)。
(αa-H, βa-H, γa-H) :
実際のA軸回転中心Aa-Hが本来のA軸回転中心Ca-Hから、X軸周りにαa-H、Y軸周りにβa-H、Z軸周りにγa-H回転して傾斜した誤差を表す。
(iii)実際の主軸旋回中心As-Hの本来の主軸旋回中心(基準位置)Cs-Hに対するずれ (主軸のずれ)。
このずれを、X,Y,Z軸の直線軸方向のずれδs-H (δsx-H, δsy-H, δsz-H)と、主軸旋回中心のこれらの軸周りの回転ずれεs-H(αs-H, βs-H, γs-H)で表す。
δs-H (δsx-H, δsy-H, δsz-H) :
実際の主軸旋回中心As-Hから本来の主軸旋回中心Cs-Hへの乖離距離のX,Y,Z各成分 (A,C=0の時の工具先端から実際の主軸旋回中心As-H上を工具長分(h)延ばした位置から本来のC軸回転中心Cc-Hと本来のA軸回転中心Ca-H との交点へのベクトル)。
εs-H(αs-H, βs-H, γs-H) :
実際の主軸旋回中心As-Hが本来の主軸旋回中心Cs-Hから、X軸周りにαs-H、Y軸周りにβs-H、Z軸周りにγs-H回転して傾斜した誤差を表す。なお、以降も含めて、回転角を表すα, β, γの単位はラジアンである。
(1−3)ずれがある場合の機械位置の求め方
上述したC軸、A軸、主軸の3つのずれ(直線移動軸成分の乖離距離と回転量)の何れかが1つある場合、このずれを考慮して、機械位置を求める必要がある。図2はこれらずれを考慮して機械位置を求める説明図であり、図3は、ずれのみを表した説明図である。また、図4〜図6は、これらずれを考慮して機械位置を求める原理説明図である。
図4は回転軸A,Cが「0」である状態を示している。破線で示したベクトルは、本来の主軸旋回中心Cs-Hに沿った工具先端から本来のC軸回転中心Cc-Hと本来のA軸回転中心Ca-Hの交点P1までの実工具長ベクトルV1を表す。主軸の傾斜誤差εs-H(αs-H, βs-H, γs-H)によってこのベクトルはV2となる。さらに、主軸の直線軸方向の誤差δs-H (δsx-H, δsy-H, δsz-H)によって、このベクトルはV3となる。すなわち、ベクトルV3は、回転軸A,Cの回転角が「0」で、主軸のずれによる工具先端から工具長hの実工具長ベクトルを表すことになる。この実工具長ベクトルV3は、実際のA軸回転中心Aa-Hの本来のA回転中心Ca-Hに対するずれとA軸への回転指令aによって、図5に示すV5のベクトルに変わる。すなわち、図4で求めた、実工具長ベクトルV3は、A軸のずれδa-H (δax-H, δay-H, δaz-H)、(αa-H, βa-H, γa-H)によって、ベクトルV4に変わり、実際のA軸の回転中心はP2となる。そして、A軸への回転指令aだけ工具が回転すると、この回転後の実工具長ベクトルはV5となる。
さらに、この実工具長ベクトルV5は、実際のC軸中心Ac-Hの本来のC軸中心Cc-Hに対するずれとC軸への回転指令cによって、図6に示すベクトルV7となる。C軸のずれ、すなわち、実際のA軸回転中心Aa-Hから実際のC軸回転中心Ac-Hへの乖離距離のX,Y,Z軸、各成分δac-H (δacx-H, δacy-H, δacz-H)と、これらX,Y,Z軸の軸周り回転ずれ(αc-H, βc-H, γc-H)によりC軸の回転中心は、図6の点P3に移動し、実工具長ベクトルV5はベクトルV6に変わる。そして、点P3を中心にC軸回転指令値cだけ回転することにより、実工具長ベクトルはV7となる。そしてこの点P3が、ずれがある場合の機械位置となる。これにより、位置指令P(x,y,z)に対して、ずれ補正と回転軸のA,C軸への位置指令R(a,c)を実行したときの実工具長ベクトルV7を加えれば機械位置が求まることになる(図2参照)。
よって、ずれがある場合の機械位置Vm-H’は次の2式を演算することによって求められる。
Vm-H'=Mwo-H*Mp-H*Mc-H'*δac-H*Ma-H'*δa-H*δs-H*εs-H*Vt-H ……(2)
上記2式において、変換マトリックスMwo-H,Mp-Hは前述した通りであり他の要素は、次の通りである。
Figure 0004038185
上記2式を説明すると、初期設定されている工具長ベクトルVt-H(0,0,h,1) Tに主軸のX,Y,Z軸の回転誤差εs-Hの変換マトリックス、及び主軸ずれのX,Y,Z成分δs-Hをかけて図4に示す実工具長ベクトルV3を求め、さらに、A軸のX,Y,Z成分ずれδa-HとX,Y,Z軸周りの回転ずれ(αa-H, βa-H, γa-H)、及びA軸への回転指令aを含む変換マトリックスMa-H’をかけて図5に示す実工具長ベクトルV5を求める。
さらに、実際のA軸回転中心Aa-Hから実際のC軸回転中心Ac-Hへの乖離距離のX,Y,Zの各成分δac-Hの変換マトリックスと、C軸のX,Y,Z軸周りの回転ずれ(αc-H, βc-H, γc-H)とC軸への回転指令cを含む変換マトリックスMc-H’をかけて図6に示す実工具長ベクトルV7を求める。
そして図2に示すように、ワーク座標系原点から位置指令値P(x,y,z)のベクトルを加えるマトリックスMp-Hをかけ、さらに機械原点とワーク原点オフセットベクトルを加えるマトリックスMwo-H をかけることによって、ずれがある機械において、そのずれを補正した指令位置における機械位置Vm-H'が求められる。
2.本発明の第2の実施形態(テーブル回転形の機械)
本発明の第2の実施形態として、2軸の回転軸でワークを取り付けるテーブルが回転する機械の例を説明する。図7に示すように、直交するX,Y,Z軸の直線移動軸と、テーブル3の回転軸としてA軸(X軸周り)とC軸(Z軸周り)を備え、A軸がマスタ軸となり、A軸上でC軸が動作し、かつ、A軸の回転中心Ca-TとC軸の回転中心Cc-Tは直交するものとする。また、工具方向はZ軸方向とする。
この第2の実施形態の場合は、工具長ベクトルVt--T (0,0,h,1) T、ワーク原点オフセット量WO-T (WOx-T ,WOy-T ,WOz-T ,1) T、A軸の回転中心Ca-TとC軸の回転中心Cc-Tの交点ベクトルCo-T(Cox-T,Coy-T,Coz-T,1)Tが初期条件として与えられているものとする。
(2−1)ずれのない場合の機械位置の求め方
テーブル座標系(ワーク座標系)上のX,Y,Z座標に対する位置指令値P(x,y,z)、及び回転軸A,Cに対する位置指令R(a,c)が与えられているとき、機械位置Vm-T (X.Y.Z,1)は、次の3式によって求められる。
Vm-T=Mvt-T*Mad-T*Mcd-T*Mwo-T*P-T …………(3)
この3式における要素の各変換マトリックスは次の通りである。
Figure 0004038185
すなわち、図7に示すように、テーブル座標系(ワーク座標系)上で指令された位置P(x,y,z)のベクトルP-Tに機械座標原点からテーブル座標系(ワーク座標系)の原点までのワーク原点オフセットベクトルを加算するマトリックスMwo-Tをかけることによって、回転軸A,Cの回転がないときの指令位置が求まる。これに対して、C軸を指令位置cだけ回転させる変換マトリックスMcd-Tをかけることによって、C軸を指令cだけ回転させたときの指令位置が求まる。さらに、A軸を指令位置aだけ回転させる変換マトリックスMad-Tをかけることによって、A軸を指令aだけ回転させたときの指令位置が求まる。これに、工具長ベクトルを加算するマトリックスMvt-Tをかけることによって、機械位置Vm-Tが求まる。
この機械位置を求める3式とヘッド回転式における1式を比較し、1式における変換マトリックスMc-H,Ma-Hと3式における変換マトリックスMci-T,Mai-Tは、角度の符号が反転している。これは、指令角度に対してヘッドは指令された方向(回転軸ベクトルのベクトルの根元側からベクトル先端側を見たとき、時計方向がプラス回転)に回転するが、テーブルは逆方向に回転するためである。
(2−2)ずれ(回転中心軸、主軸旋回中心の位置の乖離、及び傾斜)の要素について
この第2の実施形態(テーブル回転形)においては、(i)C軸回転中心のずれ、(ii)A軸回転中心のずれがあるものとする。そこで、
Ac-T :実際のC軸回転中心
Cc-T :本来のC軸回転中心(基準位置)
Aa-T :実際のA軸回転中心
Ca-T :本来のA軸回転中心(基準位置)
とすると、
(i)C軸回転中心のずれ、
実際のC軸回転中心Ac-Tの本来のC軸回転中心(基準位置)Cc-Tに対するずれを直線移動軸X,Y,Z方向のずれδc-T(δcx-T, δcy-T, δcz-T)と、該各軸周りの回転ずれ(αc-T, βc-T, γc-T)で表す。
δc-T(δcx-T, δcy-T, δcz-T) :
実際のC軸回転中心Ac-Tから本来のC軸回転中心Cc-Tへの乖離距離のX,Y,Z各成分である。本来のC軸回転中心Cc-Tと本来のA軸回転中心Ca-Tの交点から実際のC軸回転中心へのベクトルとして表す。
(αc-T, βc-T, γc-T):
実際のC軸回転中心Ac-Tが本来のC軸回転中心Cc-Tから、X軸周りにαc-T、Y軸周りにβc-T、Z軸周りにγc-T回転して傾斜しているずれとして表す。
(ii)A軸回転中心のずれ
実際のA軸回転中心Aa-Tの本来のA軸回転中心(基準位置)Ca-Tに対するずれを、次のように表す。
δa-T (δax-T, δay-T, δaz-T) :
本来のA軸回転中心Ca-Tから実際のA軸回転中心Aa-Tへの乖離距離のX,Y,Z各成分で表す。本来のC軸回転中心Cc-Tと本来のA軸回転中心Ca-Tの交点から実際のA軸回転中心へのベクトルで表す。
(αa-T, βa-T, γa-T) :
実際のA軸回転中心Aa-Tが本来のA軸回転中心Ca-Tから、X軸周りにαa-T、Y軸周りにβa-T、Z軸周りにγa-T回転して傾斜いるずれとして表す。
なお、この第2の実施形態では、工具長ベクトルVt-Tに対するずれはないものとする。
(2−3)ずれがある場合の機械位置の求め方
この第2実施形態におけるずれのある機械の機械位置は、上述したずれのない場合の機械位置を求める3式に対応する計算式は次の4式となる。
Vm-T' =Mvt-T*Mad-T' *Mcd-T' *Mwo-T*P-T ………(4)
4式に示す要素の変換マトリックスは次の通りである。
Figure 0004038185
なお、指令位置P(x,y,z)のベクトルP-T、及びワーク原点オフセット量WO-T (WOx-T ,WOy-T ,WOz-T ,1) Tの変換マトリックスMwo-T、工具長ベクトルVt-T (0,0,h,1) TのマトリックスMvt-Tは、前述した通りである。
図8に示すように、テーブル座標系上における指令位置P(x,y,z)のベクトルP-T、にワーク原点オフセット量WO-Tのベクトルを加算して機械座標系上の指令位置を求める。そして、C軸のずれδc-T(δcx-T, δcy-T, δcz-T)、(αc-T, βc-T, γc-T)とC軸への指令cによる変換行列Mcd-T'をかけてC軸のずれを補正し、C軸を指令cだけ回転させた位置を求める。さらに、A軸のずれδa-T (δax-T, δay-T, δaz-T)、(αa-T, βa-T, γa-T)とA軸への指令aによる変換行列Mad-T'をかけてA軸のずれを補正しA軸を指令aだけ回転させた位置を求める。そして、工具長ベクトルVt-T (0,0,h,1) T、のマトリックスMvt-Tをかけて機械位置Vm-T'を求めるものである。
3.本発明の第3の実施形態(工具ヘッド及びテーブルが回転する機械)
本発明の第3の実施形態として、1軸の回転軸(C軸)でテーブル3を回転させ、他の1軸の回転軸(B軸)で工具ヘッド1を回転させる機械とし、C軸はZ軸周り、B軸はY軸周りの回転とする。また、回転軸位置がともに0(B,C=0)の場合の工具方向はZ方向とする。
この第3の実施形態においては、次のデータが初期条件として与えられている。
・工具長ベクトルVt-M(0,0,h,1) T
・ワーク原点オフセット量WO-M (WOx-M,WOy-M,WOz-M,1) T
・C軸の回転中心Cc-M (Ccx-M,Ccy-M,Ccz-M,1)T
(3−1)ずれがない場合の機械位置の求め方
この第3の実施形態においては、X,Y,Zに対するテーブル座標系上の位置指令値P(x,y,z)、および回転軸B,C軸に対する位置指令値R(b,c)が与えられたとき、次の演算を行って工具長補正をした機械位置Vm-M(x,y,z,1)Tを求める。
Vp-M=Mcd-M*Mwo-M*P-M …………(5)
Vv-M=Mb-M*Vt-M …………(6)
とすると、
Vm-M=Vp-M+Vv-M …………(7)
上記5〜7式における各要素は以下の通りである。
Figure 0004038185
すなわち、図9に示すように、テーブル座標系上の位置指令値P(x,y,z)を示すベクトルP-Mにワーク原点オフセット量WO-M (WOx-M,WOy-M,WOz-M,1) TのベクトルMwo-Mを加算し、さらに、C軸回転指令cの回転変換マトリックスMcd-Mをかけて、C軸を指令cだけ回転させた後の指令位置Vp-Mを求める(5式)。
また、工具長ベクトルVt-MにB軸を指令bだけ回転させる回転変換マトリックスMb-MをかけてB軸をbだけ回転させた工具長ベクトルVv-M を求める(6式)。
そして、上記7式に示すように、C軸を指令cだけ回転させた後の指令位置Vp-MにB軸をbだけ回転させた工具長ベクトルVv-Mを加算することによって、機械位置Vm-Mが求まる。
(3−2)ずれ(回転中心軸、主軸旋回中心の位置の乖離、及び傾斜)の要素について
この第3の実施形態(工具ヘッド及びテーブル回転形)において発生するずれを、(i)C軸回転中心のずれ、(ii)B軸回転中心のずれとする。そこで、
Ac-M :実際のC軸回転中心
Cc-M :本来のC軸回転中心(基準位置)
Ab-M :実際のB軸回転中心
Cb-M :本来のB軸回転中心(基準位置)
とすると、
(i)C軸回転中心のずれ、
実際のC軸回転中心Ac-Mの本来のC軸回転中心(基準位置)Cc-Mに対するずれを直線移動軸X,Y,Z方向のずれδc-M(δcx-M, δcy-M, δcz-M)と、該各軸周りの回転ずれ(αc-M, βc-M, γc-M)で表す。
δc-M(δcx-M, δcy-M, δcz-M):
実際のC軸回転中心Ac-Mから本来のC軸回転中心Cc-Mへの乖離距離のX,Y,Z各成分である。
(αc-M, βc-M, γc-M):
実際のC軸回転中心Ac-Mが本来のC軸回転中心Cc-Mから、X軸周りにαc-M、Y軸周りにβc-M、Z軸周りにγc-M回転して傾斜しているずれを表す。
(ii)B軸回転中心のずれ
実際のB軸回転中心Ab-Mの本来のB軸回転中心(基準位置)Cb-Mに対するずれを、次のように表す。
δb-M(δbx-M, δby-M, δbz-M) :
本来のB軸回転中心Cb- Mから実際のB軸回転中心Ab- Mへの乖離距離のX,Y,Z各成分で表す。
(αb-M, βb-M, γb-M) :
実際のB軸回転中心Ab-Mが本来のB軸回転中心Cb-Mから、X軸周りにαb-M、Y軸周りにβb-M、Z軸周りにγb-M回転して傾斜していることを表す。
また、工具長ベクトルVt-Mに対するずれはないものとする。
(3−3)ずれがある場合の機械位置の求め方
この第3実施形態におけるずれのある機械の機械位置は、上述したずれのない場合の機械位置を求める5〜7式に対応する計算式は次の8〜10式となる。
Vp-M'=Mcd-M'*Mwo-M*P-M …………(8)
Vv-M'=Mb-M'*δb-M*Vt-M …………(9)
Vm-M'=Vp-M'+Vv-M' …………(10)
上記8〜10式における各要素は以下の通りである。
Figure 0004038185
すなわち、図10に示すように、テーブル座標系上の位置指令値P(x,y,z)を示すベクトルP-Mにワーク原点オフセット量WO-M (WOx-M,WOy-M,WOz-M,1) Tのベクトルを加算するマトリックスMwo-Mをかけて機械座標系上の指令位置を求める。そして、C軸のずれδc-M(δcx-M, δcy-M, δcz-M)、(αc-M, βc-M, γc-M)とC軸への指令cによる変換マトリックスMcd-M'をかけてC軸のずれを補正し、C軸を指令cだけ回転させた位置Vp-M'を求める(8式)。
また、工具長ベクトルVt-MにB軸のX,Y,Z成分のずれのベクトルを加算するマトリックスδb-M をかけ、さらに、B軸の回転ずれを補正し、B軸を指令bだけ回転させる変換マトリックスMb-M'をかけてB軸の回転ずれを補正し、B軸を指令bだけ回転させた工具長ベクトルVv-M'を求める(9式)。
そして、上記10式に示すように、C軸を指令cだけ回転させた後の指令位置Vp-M'にB軸をbだけ回転させた工具長ベクトルVv-M'を加算することによって、機械位置Vm-M'が求まる。
(4)その他の機械の場合、
主軸旋回中心が基準位置からずれている場合については、工具ヘッド回転形の機械の場合にのみ説明したが、同様にテーブル回転形機械、および、工具ヘッドおよびテーブルが回転する機械に対しても適用することができるものである。
さらに、工具ヘッド回転形の機械の場合において主軸旋回中心が基準位置からずれている場合について述べたが、機構上主軸旋回中心が主軸の乗った回転軸の回転中心になく、図11に示すように、主軸旋回中心Cs-HがA軸回転中心Ca-Hと交差しない場合や、図12に示すように、テーブルが回転する機械において、C軸回転中心Cc-TとA軸回転中心Ca-Tが交差しない場合も、本発明は適用できるものである。
さらに、工具ヘッド回転形の機械の場合、および、テーブル回転形機械の場合において、回転軸間は直交しているとしたが、直交していない場合にも適用できる。
又、回転軸の構成について、上述した各実施形態では、工具ヘッド回転形の機械の場合はC,A軸、テーブル回転形機械の場合はA,C軸、および、工具ヘッドおよびテーブルが回転する機械の場合はC,B軸、としたが、他の軸構成の機械の場合にも適用できるものであり、又、当然、1つの回転軸しか備えないものにも適用できるものである。
さらに、回転軸位置=0の時、工具方向はZ軸方向としたが、他の軸方向の場合にも当然適用できるものである。
図13は上述したずれを補正して機械位置を求める各実施形態の方法を実施する数値制御装置のブロック図である。
CPU11は数値制御装置100を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステムプログラムを、バス20を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及び表示器/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データが格納される。CMOSメモリ14は図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置100の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。CMOSメモリ14中には、インターフェイス15を介して読み込まれた加工プログラムや表示器/MDIユニット70を介して入力された加工プログラム等が記憶される。また、ROM12には、本発明のずれ補正を実施するための上述した1〜10式の演算処理を行うソフトウェアも格納されている。
インターフェイス15は、数値制御装置100とアダプタ等の外部機器72との接続を可能とするものである。外部機器71側からは加工プログラム等が読み込まれる。また、数値制御装置100内で編集した加工プログラムは、外部機器72を介して外部記憶手段に記憶させることができる。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)16は、内蔵されたシーケンスプログラムで工作機械の補助装置(例えば、工具交換用のロボットハンドといったアクチュエータ)にI/Oユニット17を介して信号を出力し制御する。なお、PMCは機械側に設けられる場合がある。工作機械の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な信号処理をした後、CPU11に渡す。
表示器/MDIユニット70はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置であり、インターフェイス18はCRT/MDIユニット70のキーボードからの指令,データを受けてCPU11に渡す。
各軸の軸制御回路30〜33はCPU11からの各軸の移動指令量を受けて、各軸の指令をサーボアンプ40〜43に出力する。サーボアンプ40〜43はこの指令を受けて、各軸(直線移動軸のX,Y,Z軸及び回転軸)のサーボモータ50〜53を駆動する。各軸のサーボモータ50〜53は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路30〜33にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図13では、位置・速度のフィードバックについては省略している。
また、スピンドル制御回路60は主軸旋回指令を受け、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ61はスピンドル速度信号を受けて、主軸モータ62を指令された回転速度で回転させる。ポジションコーダ63は、主軸モータ62の回転に同期して帰還パルスをスピンドル制御回路60にフィードバックし、速度制御を行う。
上述した数値制御装置の構成は従来の数値制御装置の構成と差異はない。但し、前述したように、機械のずれを補正して指令位置を出力するソフトウエアが記憶手段内に格納され、回転軸中心の本来の位置からの乖離と傾斜のずれ、主軸旋回中心の本来の位置からの乖離と傾斜で表されるずれを補正して、移動指令を機械に出力する従来の数値制御装置にない機能が加わっているものである。
まず、機械に数値制御装置100を取り付ける際に、その機械のタイプに応じて、前述したずれを数値制御装置に設定登録する。すなわち、機械が工具ヘッド回転形の機械で回転軸をA,C軸を備えている第1の実施形態として説明した場合においては、C軸のずれ、δac-H (δacx-H, δacy-H, δacz-H)、(αc-H, βc-H, γc-H)、A軸のずれδa-H (δax-H, δay-H, δaz-H)、(αa-H, βa-H, γa-H)、主軸のずれδs-H (δsx-H, δsy-H, δsz-H)、εs-H(αs-H, βs-H, γs-H)を設定する。
又、テーブルが回転する第2の実施形態として説明した機械の場合には、C軸のずれδc-T(δcx-T, δcy-T, δcz-T)、(αc-T, βc-T, γc-T)、A軸のずれδa-T (δax-T, δay-T, δaz-T)、(αa-T, βa-T, γa-T)を設定する。又、第3の実施形態のとして説明した機械の場合には、C軸のずれδc-M(δcx-M, δcy-M, δcz-M)、(αc-M, βc-M, γc-M)、B軸のずれδb-M(δbx-M, δby-M, δbz-M)、(αb-M, βb-M, γb-M)を設定する。
これらずれ量を設定する方法としては、数値制御装置100内のCMOSメモリ14等に設けられたパラメータに設定する。又は、機械に予めこれらの誤差量を記憶しておき、機械を数値制御装置100に接続したとき、機械側に設けられたPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)からこのずれ量を送信し、この送り込まれてきたずれ量を設定するようにする。さらには、外部コンピュータからインターフェイス15等を介して、ずれ量を通信で受信しこれを設定するようにする。
そして、数値制御装置100には、接続した機械のタイプ、すなわち、工具ヘッド回転形の機械か、テーブル回転形の機械か、工具ヘッド及びテーブルが回転する機械か等の機械のタイプを設定しておく。なお、工具長、ワーク原点(ワーク原点オフセット)、さらには、テーブル回転形の機械の場合には、A軸の回転中心とC軸の回転中心の交点が設定、工具ヘッド及びテーブルが回転する機械の場合には、C軸回転中心位置が設定されているものとする。
図14は、数値制御装置100が実行する工具長補正の処理のフローチャートである。 まず、CPU11は、ずれ量が設定されているか否か判別し(ステップ1)、ずれ量が設定されていなければ、設定されている機械の構成(タイプ)を判別し(ステップ2)、工具ヘッド回転形の機械であれば前述した1式の演算処理を選択し(ステップ3)、以後プログラムで指令される位置指令に対して1式の演算を行って工具長補正処理がなされる。
又、テーブル回転形の機械であれば3式の演算処理を選択し(ステップ4)、工具ヘッド及びテーブルが回転する機械であれば5〜7式の演算処理を選択し(ステップ5)、以後プログラムで指令される位置指令に対して選択された演算処理を行って工具長補正処理がなされる。
又、ずれ量が設定されている場合には、機械の構成(タイプ)を判別し(ステップ6)、工具ヘッド回転形の機械であれば前述した2式の演算処理を選択し(ステップ7)、テーブル回転形の機械であれば4式の演算処理を選択し(ステップ8)、工具ヘッド及びテーブルが回転する機械であれば8〜10式の演算処理を選択し(ステップ9)、以後プログラムで指令される位置指令に対して選択された演算処理を行って工具長補正処理がなされる。
なお、この工具長補正の計算はブロック毎に行うことも可能であるが、補間周期で行うことや、数値制御装置内における他のタイミングで行うことも可能である。
A軸、C軸の回転軸を有する機械において、ずれのない場合での機械位置の算出を説明する説明図である。 同機械においてずれを有するときの機械位置算出の説明図である。 同機械においてずれ部分の拡大説明図である。 同機械において、主軸旋回中心のずれによる工具長ベクトルの変化の説明図である。 同機械において、A軸回転中心のずれとA軸への指令による工具長ベクトルの変化の説明図である。 同機械において、C軸回転中心のずれとC軸への指令による工具長ベクトルの変化の説明図である。 テーブルに回転軸A,C軸を有する機械において、ずれがない場合の機械位置の求め方の説明図である。 テーブルに回転軸A,C軸を有する機械において、ずれがある場合の機械位置の求め方の説明図である。 工具ヘッドとテーブルに回転軸を有する機械において、ずれがない場合の機械位置の求め方の説明図である。 工具ヘッドとテーブルに回転軸を有する機械おいて、ずれがある場合の機械位置の求め方の説明図である。 本発明が適用可能な主軸旋回中心がA軸回転中心と交差しない機械の説明図である。 本発明が適用可能なテーブルが回転する機械において、C軸回転中心とA軸回転中心が交差しない機械の説明図である。 各機械のずれを補正して工具長補正を行う数値制御装置の一実施形態の要部ブロック図である。 同数値制御装置の一実施形態が実行する工具長補正の処理フローチャートである。
符号の説明
1 工具ヘッド
2 工具
3 テーブル

Claims (3)

  1. 直線移動軸と工具ヘッド回転用の第1回転軸と前記第1回転軸の上に第2回転軸を有する機械の数値制御装置による数値制御方法であって、
    主軸旋回中心の機械誤差のない基準位置と実際の主軸旋回中心のずれ量による変換行列によって工具長ベクトルが補正された実工具長ベクトルV3を求め、
    前記第2回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第2回転軸への指令位置による変換行列によって前記実工具長ベクトルV3を前記第2回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第2回転軸のずれが補正された実工具長ベクトルV5を求め、
    前記第1回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第1回転軸への指令位置による変換行列によって前記実工具長ベクトルV5を前記第1回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第回転軸のずれが補正された実工具長ベクトルV7を求め、
    前記実工具長ベクトルV7に指令位置ベクトルとワーク原点オフセットベクトルを加算し機械位置を求め、
    前記求められた機械位置へ前記直線移動軸及び前記回転軸を移動させることを特徴とする数値制御方法。
  2. 直線移動軸とテーブル回転用の第1回転軸と前記第1回転軸の上に第2回転軸を有する機械の数値制御装置による数値制御方法であって、
    テーブル座標系上における指令位置に前記テーブル座標系原点のオフセットを加算して機械座標系上指令位置を求め、
    前記第2回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第2回転軸への指令位置による変換行列によって前記機械座標系上指令位置を前記第2回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第2回転軸のずれが補正された第2回転軸回転位置を求め、
    前記第1回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記第1回転軸への指令位置による変換行列によって前記第2回転軸回転位置を前記第1回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記第1回転軸のずれが補正された第1回転軸回転位置を求め、
    前記第1回転軸回転位置に工具長ベクトルを加算して機械位置を求め、
    前記求められた機械位置へ前記直線移動軸及び前記回転軸を移動させることを特徴とする数値制御方法。
  3. 直線移動軸と工具ヘッド回転用の1つの回転軸とテーブル回転用の1つの回転軸を有する機械の数値制御装置による数値制御方法であって、
    テーブル座標系上における指令位置に前記テーブル座標系原点のオフセットを加算して機械座標系上指令位置を求め、
    前記テーブル回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記テーブル回転軸への指令位置による変換行列によって前記機械座標系上指令位置を前記テーブル回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記テーブル回転軸のずれが補正されたテーブル回転軸回転位置を求め、
    前記工具ヘッド回転軸の機械誤差がない基準位置と実際の回転軸のずれ量と前記工具ヘッド回転軸への指令位置による変換行列によって工具長ベクトルを前記工具ヘッド回転軸に対する指令だけ回転させ、そのことによって前記工具ヘッド回転軸のずれが補正された工具長ベクトルを求め、
    前記テーブル回転軸回転位置に工具長ベクトルを加算して機械位置を求め、
    前記求められた機械位置へ前記直線移動軸及び前記回転軸を移動させることを特徴とする数値制御方法。
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