JP6549551B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、副燃焼室内の混合気を点火装置で点火し、点火された混合気を火種として、主燃焼室内の混合気を燃焼させる内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の制御装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この内燃機関は、都市ガスなどのガスを燃料するタイプのものであり、主燃焼室及び副燃焼室と、主燃焼室及び副燃焼室にそれぞれ燃料ガスを供給する主燃料噴射弁及び副燃料供給弁と、副燃焼室内の燃料ガスを点火する点火プラグなどを備えている。
この制御装置は、位相角センサ及び筒内圧センサなどを備えており、以下に述べるように、ノッキングの抑制制御を実行する。具体的には、2つのセンサの検出信号に基づいて、大ノック、小ノック及び失火などを気筒ごとに判定し、所定サイクル数が経過する間において小ノックが発生したサイクル数とこの所定サイクル数との比を、ノッキング出現率SEVとして算出するとともに、その移動平均値である出現率平均値SEVaveを算出する。次いで、これと出現率目標値SEVsetとの偏差ΔSETを算出し、この偏差ΔSETにゲインK1を乗算することにより、補正値ΔIGNsevを算出する。
また、点火時期指令値IGNの移動平均値として、基準値IGNaveを算出し、これに補正値ΔIGNsevを加算して1次目標値IGNset1を算出する。以上により、この1次目標値IGNset1は、小ノックを抑制できるように算出される。さらに、所定サイクル数が経過する間の大ノックが発生したサイクル数Nmを算出し、これが所定値M以上であるときに、この値Nから値M−1を減算した値にゲインK2を乗算することにより、遅角量ΔIGNmを算出し、1次目標値IGNset1から遅角量ΔIGNmを減算することにより、2次目標値IGNset2を算出する。以上により、この2次目標値IGNset2は、大ノックを抑制できるように算出される。そして、この2次目標値IGNset2に基づき、点火時期指令値IGNが算出される。以上のように、点火時期指令値IGNを算出することによって、大ノック及び小ノックの発生が抑制される。
特開2010−84681号公報
上記特許文献1の制御装置によれば、大ノックの発生を抑制するために、1次目標値IGNset1を遅角量ΔIGNmだけ遅角している関係上、点火時期がMBTからその分遅角側にずれてしまうことで、燃焼効率の低下を招いてしまうおそれがある。
また、主燃焼室及び副燃焼室を備える内燃機関であって、車両に動力源として搭載された内燃機関の場合、その始動時、触媒を迅速に活性化させるために、点火時期の遅角制御が実行されるのが一般的であり、そのような場合にも、燃焼効率の低下や燃焼変動の増大などを招くおそれがある。
さらに、主燃焼室及び副燃焼室を備える内燃機関であって、車両に動力源として搭載され、リーンバーン運転される内燃機関の場合、排気通路のNOx浄化触媒におけるNOx浄化能力を回復させるために、空燃比をリーンバーン運転中よりもリッチ側に制御するリッチスパイク制御を実行するものが一般的である。そのような内燃機関の場合にも、空燃比をリーンバーン運転用の値とリッチスパイク制御用の値との間で切り換える際、燃焼変動を生じやすいとともに、排ガス特性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、主燃焼室及び副燃焼室を備える場合において、ノッキングや燃焼変動の発生を抑制しながら、燃焼効率を向上させることができ、排ガス特性を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、互いに連通する主燃焼室3c及び副燃焼室3dが気筒3aごとに設けられ、主燃焼室3cへの燃料供給によって主燃焼室3c内に混合気を生成させるための主燃料供給装置(主燃料噴射弁6)と、副燃焼室3dへの燃料供給によって副燃焼室3d内に混合気を生成させるための副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)と、副燃焼室3d内の混合気を点火するための点火装置(点火プラグ8)とを備えた内燃機関3の制御装置1であって、所定の遅角条件が成立しているか否かを判定する遅角条件判定手段(ECU2、ステップ2,3)と、遅角条件判定手段の判定結果に基づき、所定の遅角条件が成立しているときに、点火装置(点火プラグ8)を介して、副燃焼室3d内の混合気の点火時期を、所定の遅角条件が成立していないときよりも遅角側に制御する遅角制御を実行する点火時期制御手段(ECU2、ステップ5)と、遅角制御が実行されるときに、主燃料供給装置(主燃料噴射弁6)を介して、主燃焼室3c内の混合気の空燃比を遅角制御の開始前の値に保持するとともに、副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)を介して、副燃焼室3d内の混合気の空燃比を遅角制御を実行していないときよりもリッチ側に制御する空燃比制御手段(ECU2、ステップ4)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、所定の遅角条件が成立しているか否かが判定され、所定の遅角条件が成立しているときに、点火装置を介して、副燃焼室内の混合気の点火時期を、所定の遅角条件が成立していないときよりも遅角側に制御する遅角制御が実行される。さらに、遅角制御が実行されるときに、主燃料供給装置を介して、主燃焼室内の混合気の空燃比が遅角制御の開始前の値に保持されるとともに、副燃料供給装置を介して、副燃焼室内の混合気の空燃比が遅角制御を実行していないときよりもリッチ側に制御されるので、遅角制御の実行中、点火時期をより遅角側に制御しながら、主燃焼室の空燃比を遅角制御の開始前の値に保持した状態で、副燃焼室内の混合気の着火性を確保でき、燃焼安定性を確保することができる。それにより、触媒が不活性状態にあるときなどの点火時期をより遅角側に制御する必要がある条件下でも、良好な燃焼効率及び燃焼安定性を確保でき、高い商品性を確保することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の制御装置1において、遅角条件判定手段は、内燃機関3の排気通路9の触媒(触媒装置10)が不活性状態にあると推定されるときに、所定の遅角条件が成立したと判定することを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の触媒が不活性状態にあると推定されるときに、遅角制御が実行されるので、良好な燃焼効率及び燃焼安定性を確保しながら、触媒を迅速に活性化させることができる。それにより、商品性を向上することができる。
請求項3に係る発明は、互いに連通する主燃焼室3c及び副燃焼室3dが気筒3aごとに設けられ、主燃焼室3cへの燃料供給によって主燃焼室3c内に混合気を生成させるための主燃料供給装置(主燃料噴射弁6)と、副燃焼室3dへの燃料供給によって副燃焼室3d内に混合気を生成させるための副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)と、副燃焼室3d内の混合気を点火するための点火装置(点火プラグ8)とを備えた内燃機関3の制御装置であって、内燃機関3におけるノッキングの発生の有無を判定するノッキング判定手段(ECU2、ステップ12,13)と、ノッキング判定手段の判定結果に基づき、ノッキングが発生したときに、副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)を介して、副燃焼室3d内の混合気の空燃比をノッキングが発生していないときよりもリッチ側に制御する空燃比制御手段(ECU2、ステップ14)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、内燃機関におけるノッキングの発生の有無が判定され、ノッキングが発生したときに、副燃料供給装置を介して、副燃焼室内の混合気の空燃比がノッキングが発生していないときよりもリッチ側に制御される。それにより、ノッキングが発生しているときには、副燃焼室内の混合気の燃焼速度をノッキングが発生していないときよりも上昇させることができ、燃焼重心位置を進角させることができる(後述する図6(a),(b)参照)ので、点火時期をノッキングの発生前よりも遅角側に制御することなく、ノッキングの発生を抑制することができる。その結果、ノッキングの発生を抑制しながら、燃焼効率を向上させることができる。
請求項4に係る発明は、互いに連通する主燃焼室3c及び副燃焼室3dが気筒3aごとに設けられ、主燃焼室3cへの燃料供給によって主燃焼室3c内に混合気を生成させるための主燃料供給装置(主燃料噴射弁6)と、副燃焼室3dへの燃料供給によって副燃焼室3d内に混合気を生成させるための副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)と、副燃焼室3d内の混合気を点火するための点火装置(点火プラグ8)とを備えた内燃機関3の制御装置であって、内燃機関3の運転状態に応じ、主燃料供給装置(主燃料噴射弁6)及び副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)を介して、気筒3a内の混合気全体の空燃比を理論空燃比以上の第1所定値から第1所定値よりも小さい第2所定値に切り換える空燃比切換制御を実行するとともに、空燃比切換制御を実行するときに、副燃料供給装置(副燃料噴射弁7)を介して、副燃焼室3d内の混合気の空燃比を空燃比切換制御の実行前よりもリッチ側に制御する空燃比制御手段(ECU2、ステップ23〜30)と、空燃比切換制御が実行されるときに、点火装置(点火プラグ8)を介して、副燃焼室3d内の混合気の点火時期を空燃比切換制御の実行前よりも遅角側に制御する点火時期制御手段(ECU2、ステップ25)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の運転状態に応じ、主燃料供給装置及び副燃料供給装置を介して、気筒内の混合気全体の空燃比を理論空燃比以上の第1所定値から第1所定値よりも小さい第2所定値に切り換える空燃比切換制御が実行される。そして、この空燃比切換制御が実行されるときに、副燃料供給装置を介して、副燃焼室内の混合気の空燃比が空燃比切換制御の実行前よりもリッチ側に制御されるので、空燃比切換制御の実行中、副燃焼室内の混合気を点火するときに、筒内ガス量の応答遅れに伴う着火性の悪化を回避できる。それにより、燃焼安定性を確保することができ、燃焼効率を向上させることができる。また、空燃比切換制御が実行されるときに、点火装置を介して、副燃焼室内の混合気の点火時期が空燃比切換制御の実行前よりも遅角側に制御されるので、混合気の燃焼温度の上昇に伴うNOx排出量の増大を回避でき、排ガス特性を向上させることができる。以上のように、空燃比切換制御の実行中において、燃焼安定性の確保と排ガス特性の向上と実現させることができ、商品性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る制御装置及びこれを適用した内燃機関の構成を模式的に示す図である。 内燃機関の副燃焼室周辺の概略的な構成を示す図1の部分拡大図である。 第1実施形態の制御装置によるエンジン制御処理を示すフローチャートである。 内燃機関における(a)点火時期と排気温度の関係、及び(b)点火時期と燃焼変動の関係を示す図である。 第2実施形態の制御装置によるエンジン制御処理を示すフローチャートである。 内燃機関における(a)副燃焼室の空燃比と燃焼速度の関係、及び(b)副燃焼室の空燃比と燃焼重心位置の関係を示す図である。 第3実施形態の制御装置によるエンジン制御処理を示すフローチャートである。 内燃機関における(a)点火時期とNOx排出量の関係、及び(b)副燃焼室の空燃比と燃焼安定性の関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の制御装置1は、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態を制御するものであり、ECU2を備えている。このECU2によって、後述するように、エンジン制御処理などが実行される。
このエンジン3は、ガソリンを燃料とするものであり、図示しない車両に動力源として搭載されている。エンジン3は、複数組の気筒3a及びピストン3b(1組のみ図示)を有する多気筒タイプのものであり、吸気弁及び排気弁(いずれも図示せず)が気筒3aごとに設けられている。エンジン3の運転中、吸気弁及び排気弁によって、気筒3a内への吸気動作と気筒3aからの排気動作がそれぞれ実行される。
エンジン3の吸気通路4には、上流側から順に、スロットル弁機構5及び主燃料噴射弁6(主燃料供給装置)が設けられている。スロットル弁機構5は、スロットル弁5a及びこれを開閉駆動するTHアクチュエータ5bなどを備えている。スロットル弁5aは、吸気通路4の途中に回動自在に設けられており、当該回動に伴う開度の変化によりスロットル弁5aを通過する空気の流量を変化させる。
また、THアクチュエータ5bは、ECU2に接続されたモータにギヤ機構(いずれも図示せず)を組み合わせたものであり、ECU2によって制御されることにより、スロットル弁5aの開度を変化させる。それにより、吸気行程中、気筒3a内に吸入される空気量が変更される。
一方、主燃料噴射弁6は、吸気通路4の吸気マニホールドに気筒3aごとに設けられており、ECU2に電気的に接続されているとともに、ECU2によって制御されることにより、燃料を吸気マニホールド内に噴射する。この主燃料噴射弁6から噴射された燃料は、吸気行程中の吸気弁の開弁に伴って、主燃焼室3c内に吸入され、混合気を生成する。
さらに、エンジン3の各気筒3aのピストン3bとシリンダヘッドとの間には、主燃焼室3c及び副燃焼室3dが形成されている。図1及び図2に示すように、副燃焼室3dは、主燃焼室3cの上側に設けられており、その上側には、副燃料噴射弁7(副燃料供給装置)及び点火プラグ8(点火装置)が配置されている。
副燃料噴射弁7は、その先端部の噴射口が副燃焼室3d内に臨むように設けられており、ECU2に電気的に接続されているとともに、ECU2によって制御されることにより、燃料を副燃焼室3d内に噴射する。それにより、混合気が副燃焼室3d内に生成される。
また、点火プラグ8は、その先端部の電極が副燃焼室3d内に臨むように設けられており、燃焼行程中、ECU2によって制御されることにより放電し、副燃焼室3d内の混合気を点火する。
さらに、副燃焼室3dの底壁部3eには、複数の連通孔3fが形成されており、これらの連通孔3fを介して、副燃焼室3dと主燃焼室3cは互いに連通している。それにより、上記のように、燃焼行程中、点火プラグ8によって副燃焼室3d内の混合気が点火された際、点火された混合気は、火種として連通孔3fを介して主燃焼室3c内に流入し、主燃焼室3c内の混合気を燃焼させる。
このエンジン3の場合、通常運転の実行中、エンジン3の運転域がストイキ運転域(高負荷域又は極低負荷域)にあるときには、気筒3a内の混合気全体の空燃比が理論空燃比になるように制御され、ストイキ運転されるとともに、それ以外のリーン運転域では、気筒3a内の混合気全体の空燃比が理論空燃比よりもリーン側の値になるように制御され、リーンバーン運転される。この場合、気筒3a内の混合気全体の空燃比とは、気筒3a内における総吸入空気量と、主燃料噴射弁10による燃料噴射量及び副燃料噴射弁11による燃料噴射量の総和との比を意味する。
一方、排気通路9には、触媒装置10が設けられている。この触媒装置10は、NOx浄化触媒と三元触媒を組み合わせたものであり、NOx浄化触媒は、排ガス中のNOxを酸化雰囲気下で捕捉するとともに、捕捉したNOxを還元雰囲気下で還元する。また、三元触媒は、ストイキ雰囲気下において、排ガス中のHC及びCOなどを酸化しかつNOxを還元することによって、排ガスを浄化する。
また、ECU2には、クランク角センサ20、触媒温センサ21、ノックセンサ22及びアクセル開度センサ23が電気的に接続されている。
このクランク角センサ20は、マグネットロータ及びMREピックアップで構成されており、図示しないクランクシャフトの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号及びTDC信号をECU2に出力する。
このCRK信号は、所定クランク角(例えば30゜)ごとに1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、各気筒3aのピストン3bが吸気行程のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、所定クランク角ごとに1パルスが出力される。
また、触媒温センサ21は、サーミスタで構成されており、触媒装置10の温度である触媒温Tcatを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
さらに、ノックセンサ22は、ピエゾ圧電素子及び振動板などを組み合わせて構成されており、エンジン3のシリンダブロックに固定されているとともに、ノッキング振動に応じた電圧値を示す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、ノックセンサ22の検出信号に基づき、ノッキングの発生の有無、ノッキングの強度及び発生周期などを判定する。
一方、アクセル開度センサ23は、車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、ECU2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述した各種のセンサ20〜23の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別し、その運転状態に応じて、以下に述べるように、各種の制御処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2が、遅角条件判定手段、点火時期制御手段及び空燃比制御手段に相当する。
次に、図3を参照しながら、エンジン制御処理について説明する。このエンジン制御処理は、主燃料噴射弁6、副燃料噴射弁7及び点火プラグ8の動作を制御することによって、エンジン3の運転状態を制御するものであり、ECU2によって、TDC信号の発生タイミングに同期して実行される。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、要求トルクTRQを算出する。この要求トルクTRQは、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じて、図示しないマップを検索することにより算出される。
次いで、ステップ2に進み、触媒暖機判定処理を実行する。この触媒暖機判定処理では、後述する触媒暖機制御処理の実行条件が成立しているか否かを判定し、その判定結果に基づいて、触媒暖機制御フラグF_CATactの値が設定される。
具体的には、下記の条件(a1)〜(a3)がいずれも成立しているときには、触媒暖機制御処理の実行条件が成立していると判定して、触媒暖機制御フラグF_CATactが「1」に設定され、それ以外のときには、触媒暖機制御フラグF_CATactが「0」に設定される。
(a1)エンジン3の始動直後からの運転時間が、副燃焼室内の温度が所定温度に達していると推定される時間以上であること。
(a2)触媒温Tcatが所定温度以下であること。
(a3)アクセル開度APが所定開度以下であること。
ステップ2に続くステップ3で、触媒暖機制御フラグF_CATactが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、触媒暖機制御処理の実行条件が成立しているときには、以下に述べるように、ステップ4〜5で、触媒装置10を迅速に活性化させるための触媒暖機制御処理を実行する。
具体的には、まず、ステップ4で、触媒暖機用の燃料噴射制御処理を実行する。この制御処理では、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて、両燃料噴射弁6,7の燃料噴射量及び噴射タイミングが決定されるとともに、決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射が実行される。
その際、主燃料噴射弁6による燃料噴射量は、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときと同じ値に決定される一方、副燃料噴射弁7による燃料噴射量は、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときよりも増量側の値に決定される。この理由については後述する。また、触媒暖機制御フラグF_CATact=1のときには、図示しない吸気制御処理において、スロットル弁5aの開度が触媒暖機用の値(エンジン3の運転状態に応じて設定される値)に制御される。
それにより、主燃焼室3c内の混合気の空燃比は、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときと同じような値に制御されるとともに、副燃焼室3d内の混合気の空燃比は、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときよりもリッチ側の値に制御される。その結果、副燃焼室3d内の混合気の着火性が高められる。
次いで、ステップ5に進み、触媒暖機用の点火時期制御処理を実行する。この制御処理では、副燃焼室3d内の混合気が、点火プラグ8によって触媒装置10を迅速に活性化するのに最適な点火時期で点火される。この場合、点火時期は、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときよりも遅角側の値に設定される。この理由については後述する。以上のように、ステップ5で、触媒暖機用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ3の判別結果がNOで、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときには、エンジン3の通常運転を実行すべきであると判定して、ステップ6に進み、通常時用の燃料噴射制御処理を実行する。
この制御処理では、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて、両燃料噴射弁6,7の燃料噴射量及び噴射タイミングが決定されるとともに、決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射が実行される。また、触媒暖機制御フラグF_CATact=0のときには、図示しない吸気制御処理において、スロットル弁5aの開度が通常時用の値(エンジン3の運転状態に応じて設定される値)に制御される。
それにより、主燃焼室3c内の空燃比は、理論空燃比付近又は理論空燃比よりもリーン側の値に制御され、副燃焼室3d内の空燃比は、主燃焼室3c内の混合気の着火に最適な値に制御されるとともに、気筒3a内の混合気全体の空燃比は、理論空燃比以上の値に制御される。
次いで、ステップ7に進み、通常時用の点火時期制御処理を実行する。この制御処理では、燃焼した副燃焼室3d内の混合気を火種として、主燃焼室3c内の混合気を適切に着火できるように、副燃焼室3d内の混合気が点火プラグ8によって点火される。以上のように、ステップ7で、通常時用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の制御装置1によれば、触媒暖機制御処理の実行条件が成立しているときには、ステップ4〜5で、触媒暖機制御処理が実行される。その際、前述したように、ステップ4の触媒暖機用の燃料噴射制御処理では、副燃料噴射弁7による燃料噴射量が、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときよりも増量側の値に制御され、ステップ5の触媒暖機用の点火時期制御処理では、点火プラグ8による点火時期が、触媒暖機制御処理の実行条件が不成立であるときよりも遅角側の値に制御される。
これは以下の理由による。すなわち、触媒装置10を迅速に活性化させるためには、排気温度を迅速に上昇させる必要がある。この場合、図4(a)に示すように、点火時期を遅角側に制御するほど、排気温度が上昇するので、触媒装置10を迅速に活性化させるために、点火時期を可能な限り遅角側に制御することが必要となる。
しかしながら、点火時期を遅角側に制御した場合、図4(b)に示すように、点火時期が遅角側であるほど、燃焼効率が低下し、燃焼変動が大きくなるという事象が発生する。これに対して、第1実施形態の制御装置1の場合、前述したように、副燃料噴射弁7による燃料噴射量が、触媒暖機制御処理を実行しないときよりも増量側の値に制御されるので、燃焼変動の発生を抑制しかつ燃焼効率を高めながら、点火時期を可能な限り遅角側に制御することができる。その結果、燃焼効率の低下を抑制しかつ燃焼安定性を確保しながら、触媒装置10を迅速に活性化させることができ、高い商品性を確保することができる。
なお、第1実施形態は、所定の遅角条件として、触媒暖機制御処理の実行条件を用いた例であるが、本発明の所定の遅角条件はこれに限らず、副燃焼室内の混合気の点火時期を遅角側に制御する必要がある条件であればよい。例えば、ノッキングが発生していることを所定の遅角条件としてもよい。
次に、第2実施形態に係る制御装置について説明する。この制御装置は、第1実施形態のエンジン3と同一のエンジンを制御するものであり、第1実施形態の制御装置1と比較すると、電気的及び機械的な構成は同一であるとともに、図5に示すエンジン制御処理の内容のみが異なっているので、以下、図5を参照しながら、このエンジン制御処理について説明する。
このエンジン制御処理は、前述した図3のエンジン制御処理と同様に、ECU2によって、TDC信号の発生タイミングに同期して実行される。なお、本実施形態では、ECU2がノッキング判定手段及び空燃比制御手段に相当する。
同図に示すように、まず、ステップ11で、前述したステップ1と同じ手法により、要求トルクTRQを算出する。
次いで、ステップ12に進み、ノック判定処理を実行する。このノック判定処理は、ノックセンサ22の検出信号に基づいて、ノッキングの発生を抑制するためのノック抑制制御処理の実行条件が成立しているか否かを判定するとともに、その判定結果に基づいて、ノック抑制制御フラグF_KNOCKの値を設定するものである。
この場合、ノック抑制制御処理の実行条件が成立しているときには、ノック抑制制御フラグF_KNOCKが「1」に設定され、それ以外のときには、ノック抑制制御フラグF_KNOCKが「0」に設定される。
ステップ12に続くステップ13で、ノック抑制制御フラグF_KNOCKが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、ノック抑制制御処理の実行条件が成立しているときには、以下に述べるように、ステップ14〜15で、ノック抑制制御処理を実行する。
具体的には、まず、ステップ14で、ノック抑制用の燃料噴射制御処理を実行する。この制御処理では、主燃料噴射弁6の燃料噴射量及び噴射タイミングが、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて決定されるとともに、決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、主燃料噴射弁6による燃料噴射が実行される。その際、主燃料噴射弁6による燃料噴射量は、ノック抑制制御処理の実行条件が不成立であるときと同じ値に設定される。
また、副燃料噴射弁7の燃料噴射量及び噴射タイミングは以下に述べる手法によって決定される。すなわち、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて、燃料噴射量の基本値を算出し、ノックセンサ22の検出信号に基づいて、ノック強度及びノック頻度を算出するとともに、この算出結果に基づいて、燃料噴射量の増量分を算出する。そして、この増量分を基本値に加算することによって、副燃料噴射弁7の燃料噴射量を算出し、この燃料噴射量及びエンジン回転数NEに応じて、副燃料噴射弁7の噴射タイミングが決定される。さらに、以上のように決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、副燃料噴射弁7による燃料噴射が実行される。
また、ノック抑制制御フラグF_KNOCK=1のときには、図示しない吸気制御処理において、スロットル弁5aの開度がノック抑制用の値(エンジン3の運転状態に応じて設定される値)に制御される。以上により、副燃料噴射弁7による燃料噴射量は、ノック抑制制御処理の実行条件が不成立であるときよりも増量され、副燃焼室3d内の空燃比はリッチ側に制御される。この理由については後述する。
次いで、ステップ15に進み、ノック抑制用の点火時期制御処理を実行する。この制御処理では、点火時期は、ノック抑制制御処理の実行条件が不成立であるときと同じ値に設定される。以上のように、ステップ15で、ノック抑制用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ13の判別結果がNOで、ノック抑制制御処理の実行条件が不成立であるときには、エンジン3の通常運転を実行すべきであると判定して、ステップ16に進み、前述したステップ6と同様に、通常時用の燃料噴射制御処理を実行する。その結果、主燃焼室3c内の空燃比は、理論空燃比付近又は理論空燃比よりもリーン側の値に制御され、副燃焼室3d内の空燃比は、主燃焼室3c内の混合気の着火に最適な値に制御されるとともに、気筒3a内の混合気全体の空燃比は、理論空燃比以上の値に制御される。
次いで、ステップ17に進み、前述したステップ7と同様に、通常時用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、第2実施形態の制御装置によれば、ノック抑制制御処理の実行条件が成立しているときには、ステップ14〜15で、ノック抑制制御処理が実行される。その際、前述したように、ステップ14のノック抑制用の燃料噴射制御処理では、副燃料噴射弁7による燃料噴射量が、ノック抑制制御処理の実行条件が不成立であるときよりも増量側に制御され、ステップ15のノック抑制用の点火時期制御処理では、点火プラグ8による点火時期が、ノック抑制制御処理の実行条件が不成立であるときと同じ値に制御される。
これは以下の理由による。一般的なエンジンの場合、点火時期を遅角側に制御するほど、ノッキングの発生を抑制できることが知られている。しかしながら、点火時期を遅角側に制御した場合、前述したように、燃焼効率が低下し、燃焼変動が大きくなるという事象が発生する。これに対して、本実施形態の制御装置の場合、副燃料噴射弁7による燃料噴射量が、ノック抑制制御処理を実行しないときよりも増量側の値に制御されることで、副燃焼室3d内の空燃比がリッチ側に制御される。
この場合、図6(a)に示すように、副燃焼室3d内の空燃比をよりリッチ側に制御するほど、混合気の燃焼速度が速くなることで、ノッキングの発生をより効果的に抑制でき、その結果的、図6(b)に示すように、副燃焼室3d内の空燃比をよりリッチ側に制御するほど、燃焼重心位置を進角側にすることができる。
その結果、点火時期をノッキングの発生前よりも遅角側に制御することなく、発生前の値に保持しながら、ノッキングの発生を抑制することができる。それにより、ノッキングの発生を抑制しながら、燃焼効率を向上させることができ、高い商品性を確保することができる。
次に、第3実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この制御装置は、第1実施形態のエンジン3と同一のエンジンを制御するものであり、第1実施形態の制御装置1と比較すると、電気的及び機械的な構成は同一であるとともに、図7に示すエンジン制御処理の内容のみが異なっているので、以下、図7を参照しながら、このエンジン制御処理について説明する。
このエンジン制御処理は、前述した図3のエンジン制御処理と同様に、ECU2によって、TDC信号の発生タイミングに同期して実行される。なお、本実施形態では、ECU2が空燃比制御手段及び点火時期制御手段に相当する。
同図に示すように、まず、ステップ21で、前述したステップ1と同じ手法により、要求トルクTRQを算出する。
次いで、ステップ22に進み、制御条件判定処理を実行する。この制御条件判定処理では、以下に述べるように、ストイキ運転条件フラグF_STOICH及び切換条件フラグF_CHANGEの値が設定される。
このストイキ運転条件フラグF_STOICHは、後述するストイキ運転制御処理の実行条件が成立しているか否かを表すものであり、具体的には、以下に述べるように設定される。すなわち、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて、図示しないマップを検索することにより、エンジン3の運転域を判定し、エンジン3の運転域がエンジン3をストイキ燃焼で運転すべきストイキ運転域にあるときには、ストイキ運転条件フラグF_STOICHが「1」に設定され、それ以外のリーンバーン燃焼で運転すべきリーン運転域にあるときには、ストイキ運転条件フラグF_STOICHが「0」に設定される。
一方、切換条件フラグF_CHANGEは、後述する運転切換制御処理の実行条件が成立しているか否かを表すものであり、具体的には、以下に述べるように設定される。すなわち、前回の制御タイミングと今回の制御タイミングとの間で、ストイキ運転条件フラグF_STOICHが「1」と「0」との間で切り換わった際、その切換タイミングから所定期間が経過するまでの間は「1」に設定され、それ以外のときには「0」に設定される。
ステップ22に続くステップ23で、切換条件フラグF_CHANGEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、運転切換制御処理の実行条件が成立しているときには、以下に述べるように、ステップ24〜25で、運転切換制御処理を実行する。
具体的には、まず、ステップ24で、運転切換用の燃料噴射制御処理を実行する。この制御処理では、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて、両燃料噴射弁6,7の燃料噴射量及び噴射タイミングが決定されるとともに、決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射が実行される。
その際、主燃料噴射弁6による燃料噴射量は、運転切換制御処理の実行条件が成立する前と同じ値に決定される一方、副燃料噴射弁7による燃料噴射量は、運転切換制御処理の実行条件の成立前よりも増量側の値に決定される。この理由については後述する。また、切換条件フラグF_CHANGE=1のときには、図示しない吸気制御処理において、スロットル弁5aの開度が運転切換用の値(エンジン3の運転状態に応じて設定される値)に制御される。
それにより、リーン運転制御処理からストイキ運転制御処理に切り換えるときの運転切換制御処理では、気筒3a内の混合気全体の空燃比は、理論空燃比よりもリーン側の第1所定値から理論空燃比(第2所定値)に変化するように制御されるとともに、副燃焼室3d内の空燃比は、リーン運転制御処理の実行中よりもリッチ側の値に制御される。これは、スロットル弁5aの応答遅れ特性に起因する筒内ガス量の応答遅れを補償して、副燃焼室3d内の混合気の着火性を高めるためである。
一方、これと逆に、ストイキ運転制御処理からリーン運転制御処理に切り換えるときの運転切換制御処理では、気筒3a内の混合気全体の空燃比は、理論空燃比から上述した第1所定値に変化するように制御され、主燃焼室3c内の空燃比は、理論空燃比からよりリーン側の値に変化するように制御されるとともに、副燃焼室3d内の空燃比は、リーン運転制御処理の実行中よりもリッチ側の値であって、ストイキ運転制御処理からリーン運転制御処理に切り換えるのに最適な値に制御される。その結果、副燃焼室3d内の混合気の着火性が高められる。
次いで、ステップ25に進み、運転切換用の点火時期制御処理を実行する。この制御処理では、副燃焼室3d内の混合気が、点火プラグ8によってノッキングを抑制するのに最適な点火時期で点火される。この場合、点火時期は、後述する理由により、運転切換制御処理の実行条件が不成立であるときよりも遅角側の値に設定される。以上のように、ステップ25で、運転切換用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ23の判別結果がNOで、運転切換制御処理の実行条件が不成立であるときには、ステップ26に進み、ストイキ運転条件フラグF_STOICHが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、ストイキ運転制御処理の実行条件が成立しているときには、以下に述べるように、ステップ27〜28で、ストイキ運転制御処理を実行する。
具体的には、まず、ステップ27で、ストイキ運転用の燃料噴射制御処理を実行する。この制御処理では、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて、両燃料噴射弁6,7の燃料噴射量及び噴射タイミングが決定されるとともに、決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射が実行される。
その際、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射量は、エンジン3のリーンバーン運転中よりも増量される。それにより、ストイキ運転制御処理の実行中は、気筒3a内の混合気全体の空燃比は、通常のリーンバーン運転中の空燃比よりもリッチ側の理論空燃比相当の値に制御される。
次いで、ステップ28に進み、ストイキ運転用の点火時期制御処理を実行する。この制御処理では、点火プラグ8によって、副燃焼室3d内の混合気の空燃比に応じて、最適な点火時期で点火される。以上のように、ステップ28で、ストイキ運転用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ26の判別結果がNOで、ストイキ運転制御処理の実行条件が不成立であるときには、以下に述べるように、ステップ29〜30で、リーン運転制御処理を実行する。
具体的には、まず、ステップ29で、リーン運転用の燃料噴射制御処理を実行する。この制御処理では、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQなどに応じて、両燃料噴射弁6,7の燃料噴射量及び噴射タイミングが決定されるとともに、決定された燃料噴射量及び噴射タイミングで、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射が実行される。
その際、両燃料噴射弁6,7による燃料噴射量は、エンジン3のリーンバーン運転に適した値に設定され、それによって、リーン運転制御処理の実行中は、気筒3a内の混合気全体及び主燃焼室3c内の空燃比は、理論空燃比よりもリーン側の値に制御される。
次いで、ステップ30に進み、リーン運転用の点火時期制御処理を実行する。この制御処理では、点火プラグ8によって、副燃焼室3d内の混合気の空燃比に応じて、最適な点火時期で点火される。以上のように、ステップ30で、リーン運転用の点火時期制御処理を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、第3実施形態の制御装置によれば、運転切換制御処理の実行条件が成立しているときには、ステップ24〜25で、運転切換制御処理が実行される。その際、前述したように、ステップ24の運転切換用の燃料噴射制御処理では、リーン運転制御処理からストイキ運転制御処理に切り換えるときに、主燃料噴射弁6による燃料噴射量は、運転切換制御処理の実行条件が成立する前と同じ値に決定される一方、副燃料噴射弁7による燃料噴射量は、運転切換制御処理の実行条件の成立前よりも増量側の値に決定される。さらに、ステップ25の運転切換用の点火時期制御処理では、副燃焼室3d内の混合気が、運転切換制御処理の実行条件が不成立であるときよりも遅角側の点火時期で点火される。
これは以下の理由による。すなわち、図8(a)に示すように、一般的なエンジンの場合、点火時期を遅角側に制御するほど、NOxの排出量を低減できることが知られているものの、点火時期を遅角側に制御した場合、燃焼効率が低下するおそれがある。これに対して、図8(b)に示すように、副燃焼室3d内の混合気の空燃比をよりリッチ側に制御するほど、混合気の燃焼安定性が高くなることが知られている。これに加えて、リーン運転制御処理からストイキ運転制御処理に切り換えるときに、スロットル弁5aの応答特性に起因する筒内ガス量の応答遅れが発生し、燃焼が不安定になるおそれがあるので、副燃焼室3d内の混合気の空燃比をよりリッチ側に制御することで、そのような筒内ガス量の応答遅れを補償し、副燃焼室3d内の混合気の着火性を高める必要がある。したがって、本実施形態の制御装置の場合、リーン運転制御処理からストイキ運転制御処理に切り換えるときの運転切換制御処理において、副燃料噴射弁7による燃料噴射量が、運転切換制御処理を実行しないときよりも増量側の値に制御され、副燃焼室3d内の空燃比がリッチ側に制御されるので、NOx排出量を抑制しながら、燃焼安定性を確保することができ、高い商品性を確保することができる。
なお、第3実施形態は、空燃比切換制御として、エンジン3をリーンバーン運転制御とストイキ運転制御との間で切り換える制御を実行した例であるが、本発明の空燃比切換制御はこれに限らず、気筒内の混合気全体の空燃比を理論空燃比以上の第1所定値と当該第1所定値よりも小さい第2所定値との間で切り換えるものであればよい。例えば、空燃比切換制御として、エンジン3を通常運転するために、空燃比を理論空燃比又はそれよりもリーンな値に制御する通常運転制御と、触媒装置10に吸着されたNOxを還元するために、空燃比を理論空燃比よりもリッチな値に制御する触媒再生制御との間で切り換える制御を実行してもよい。この場合でも、第3実施形態と同じ作用効果を得ることができる。
また、前述した第1〜第3実施形態の各々は、本発明の制御装置を車両用の内燃機関に適用した例であるが、本発明の制御装置は、これに限らず、船舶用の内燃機関や他の産業機器用の内燃機関にも適用可能である。
さらに、各実施形態は、内燃機関として、ガソリンを燃料とするものを用いた例であるが、本発明の内燃機関はこれに限らず、軽油や天然ガスなどを燃料とする内燃機関を用いてもよい。
一方、各実施形態は、主燃料供給装置として、主燃料噴射弁6を用いた例であるが、本発明の主燃料供給装置はこれに限らず、混合気を主燃焼室内に生成させることができるものであればよい。例えば、主燃料供給装置として、燃料を主燃焼室内に直接噴射する直噴タイプの燃料噴射弁を用いてもよい。
また、各実施形態は、副燃料供給装置として、副燃料噴射弁7を用いた例であるが、本発明の副燃料供給装置はこれに限らず、混合気を副燃焼室内に生成させることができるものであればよい。例えば、副燃料供給装置として、副燃焼室に連通する連通路と、この連通路に燃料を噴射/供給する装置とを用いてもよい。
さらに、各実施形態は、点火装置として、点火プラグ8を用いた例であるが、本発明の点火装置はこれに限らず、副燃焼室内の混合気を点火できるものであればよい。例えば、点火装置として、グロープラグなどを用いてもよい。
1 制御装置
2 ECU(遅角条件判定手段、点火時期制御手段、空燃比制御手段、ノッキング判 定手段)
3 内燃機関
3a 気筒
3c 主燃焼室
3d 副燃焼室
6 主燃料噴射弁(主燃料供給装置)
7 副燃料噴射弁(副燃料供給装置)
8 点火プラグ(点火装置)
9 排気通路
10 触媒装置(触媒)

Claims (4)

  1. 互いに連通する主燃焼室及び副燃焼室が気筒ごとに設けられ、当該主燃焼室への燃料供給によって当該主燃焼室内に混合気を生成させるための主燃料供給装置と、前記副燃焼室への燃料供給によって当該副燃焼室内に混合気を生成させるための副燃料供給装置と、当該副燃焼室内の混合気を点火するための点火装置とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    所定の遅角条件が成立しているか否かを判定する遅角条件判定手段と、
    当該遅角条件判定手段の判定結果に基づき、前記所定の遅角条件が成立しているときに、前記点火装置を介して、前記副燃焼室内の前記混合気の点火時期を、当該所定の遅角条件が成立していないときよりも遅角側に制御する遅角制御を実行する点火時期制御手段と、
    当該遅角制御が実行されるときに、前記主燃料供給装置を介して、前記主燃焼室内の混合気の空燃比を前記遅角制御の開始前の値に保持するとともに、前記副燃料供給装置を介して、前記副燃焼室内の混合気の空燃比を前記遅角制御を実行していないときよりもリッチ側に制御する空燃比制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記遅角条件判定手段は、前記内燃機関の排気通路の触媒が不活性状態にあると推定されるときに、前記所定の遅角条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 互いに連通する主燃焼室及び副燃焼室が気筒ごとに設けられ、当該主燃焼室への燃料供給によって当該主燃焼室内に混合気を生成させるための主燃料供給装置と、前記副燃焼室への燃料供給によって当該副燃焼室内に混合気を生成させるための副燃料供給装置と、当該副燃焼室内の混合気を点火するための点火装置とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    当該内燃機関におけるノッキングの発生の有無を判定するノッキング判定手段と、
    当該ノッキング判定手段の判定結果に基づき、前記ノッキングが発生したときに、前記副燃料供給装置を介して、前記副燃焼室内の混合気の空燃比を当該ノッキングが発生していないときよりもリッチ側に制御する空燃比制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 互いに連通する主燃焼室及び副燃焼室が気筒ごとに設けられ、当該主燃焼室への燃料供給によって当該主燃焼室内に混合気を生成させるための主燃料供給装置と、前記副燃焼室への燃料供給によって当該副燃焼室内に混合気を生成させるための副燃料供給装置と、当該副燃焼室内の混合気を点火するための点火装置とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態に応じ、前記主燃料供給装置及び前記副燃料供給装置を介して、前記気筒内の混合気全体の空燃比を理論空燃比以上の第1所定値から当該第1所定値よりも小さい第2所定値に切り換える空燃比切換制御を実行するとともに、当該空燃比切換制御を実行するときに、前記副燃料供給装置を介して、前記副燃焼室内の混合気の空燃比を当該空燃比切換制御の実行前よりもリッチ側に制御する空燃比制御手段と、
    前記空燃比切換制御が実行されるときに、前記点火装置を介して、前記副燃焼室内の前記混合気の点火時期を前記空燃比切換制御の実行前よりも遅角側に制御する点火時期制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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