JP4029327B2 - レーザ溶接の品質評価方法及び品質評価装置 - Google Patents

レーザ溶接の品質評価方法及び品質評価装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接の品質即ち接合の良否を評価する品質評価方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ溶接とは、レーザ発振器から発せられるレーザ光を被溶接品(ワーク)に照射し、ワークの一部を溶融させた後固化した溶接ビードによりワーク同士を溶接する接合法である。熱源の種類によりアーク溶接、電子ビーム溶接及びレーザ溶接等に分類され、熱源の移動の有無によりスポット溶接及びライン溶接に分類され、2つのワークの位置関係により重ね溶接及び突合せ溶接等に分類される。
【0003】
ここで、下金属板の上に上金属板を重ね、上金属板の表面に沿ってレーザ光を移動させて両金属板を溶接(接合)する場合を考える。溶接ビードにより両金属板が確実に溶接されたかどうかは外観から判断することは困難であるため、溶接中又は溶接後に、接合の良否を評価することがある。
【0004】
従来の品質評価方法(例えば、特許文献1参照)は、重ねレーザ溶接において、時間的制約を受けずに溶接品質を評価するために、溶接終了後、被溶接材の溶接ビードを含めた熱影響変色部の幅を測定している。測定した幅を予め設定した基準値と比較し、熱影響変色部の幅が基準値以内の時溶接品質を良否を評価している。
【0005】
熱影響変色部は黒変しており、CCDカメラ等の撮像素子で観察できる。下金属板と上金属板との接触状態の良否に応じて上金属板から下金属板への熱伝導が異なり、それによって熱影響変色部の幅が変化することを利用している。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−58170号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例には以下の点で改良の余地がある。まず、測定に画像処理を利用しており、熱影響部とそれ以外の部分(溶接ビード、熱影響変色部の更に両外側の部分)との間の輝度差が小さいため、熱影響変色部の幅が正確に検出できるとは言い難い。また、CCDカメラを高温の溶接ビード及び熱影響変色部の直上方に配置することは困難であり、溶接の終了後に品質を評価している。これでは、評価に時間要し、リアルタイムで評価することはできない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、2枚の金属板を重ね合わせレーザ光を照射して重ね溶接する際、溶接ビードによる接合の良否を、正確にしかもリアルタイムで評価できる品質評価方法及び品質評価装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、重ね溶接において、レーザ光が照射され材料が溶融している部分(溶融部分)及びその両側の隣接する部分(隣接部分)の違いに注目した。溶融部分ではレーザ光の熱により金属板の一部が溶融し、キーホール内に溶融金属が流れ込み、溶接終了後固化して溶接ビードとなる。
【0010】
これに対して、隣接部分では金属材料は溶融せず、所定温度以上になると酸化し、溶接終了後縞模様状の熱影響部となる。酸化するためには隣接部分が所定温度であることが必要である。上金属板から下金属板に熱が伝導し、それによって上金属板の温度が低下する。そして、熱伝導度は上金属板と下金属板との接触状態により変わる。
【0011】
本願の第1発明による品質評価方法は、下金属板の上に重ねた上金属板の表面にそって、レーザ光を照射する溶接トーチを移動させ、両金属板をレーザ光で溶融させた後その溶融部分を固化させて溶接ビードとすることで両金属板を接合するレーザ溶接において、溶接の品質を評価する方法であって、溶接時に上金属板の表面の溶融部分の両側に隣接して形成され溶融部分から熱的影響を受けて所定温度以上となる一対の隣接部分の少なくとも一方における熱情報を検出する検出工程と;検出された熱情報に基づき隣接部分の幅を求め、予め準備した基準値と比較することにより接合の良否を判定する判定工程と;から成り、前記基準値は、前記下金属板及び前記上金属板と同じ材料、板厚の下試験片及び上試験片について、両者の隙間がゼロとなるように密着させること以外は該下金属板及び該上金属板をレーザ溶接するときと同じ条件でレーザ溶接した場合に形成される隣接部分の幅を、該下金属板及び該上金属板における前記隣接部分の幅を求めるときと同じように、予め求めたものであることを特徴とする。
【0012】
この品質評価方法において、上金属板から下金属板への熱伝導度は上金属板と下金属板との接触状態に関連し、熱伝導度が変わると隣接部分の幅が変わる。よって、隣接部分の幅を調べることにより、両金属板の接触状態即ち溶接の良否を評価することができる。
【0013】
請求項2の品質評価方法は、請求項1において、検出工程と判定工程とを併行して行う。
【0014】
本願の第2発明によるレーザ溶接の品質評価装置は、下金属板の上に重ねた上金属板の表面にそって、レーザ光を照射する溶接トーチを移動させ、両金属板をレーザ光で溶融させた後その溶融部分を固化させて溶接ビードとすることで両金属板を接合するレーザ溶接において、溶接の品質を評価する装置であって、溶接時に上金属板の表面の溶融部分の両側に隣接して形成され溶融部分から熱的影響を受けて所定温度以上となる一対の隣接部分の少なくとも一方における熱情報を検出する赤外線センサと;検出された熱情報に基づき隣接部分の幅を求め、予め準備した基準値と比較することにより接合の良否を判定する信号処理部と;から成り、前記基準値は、前記下金属板及び前記上金属板と同じ材料、板厚の下試験片及び上試験片について、両者の隙間がゼロとなるように密着させること以外は該下金属板及び該上金属板をレーザ溶接するときと同じ条件でレーザ溶接した場合に形成される隣接部分の幅を、該下金属板及び該上金属板における前記隣接部分の幅を求めるときと同じように、予め求めたものであることを特徴とする。
【0015】
この品質評価装置において、上金属板から下金属板への熱伝導度は上金属板と下金属板との接触状態に関連し、熱伝導度が変わると隣接部分の幅が変わる。よって、赤外線センサ及び信号処理部で隣接部分の幅を調べることにより、両金属板の接触状態即ち溶接の良否を評価することができる。
【0016】
請求項4の品質評価装置は、請求項3において、赤外線センサは上金属板から離れた位置に配置され、赤外線センサと上金属板の上方に配置された保護ガラスとが光ファイバで接続されている。請求項5の品質評価装置は、請求項4において、保護ガラスは、熱遮蔽部と熱透過部とを持ち、熱透過部に光ファイバが接続されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
<レーザ溶接の品質評価方法>
▲1▼金属板、レーザ光
金属には鋼及びアルミニウム等が含まれる。上金属板の材料と下金属板の材料とは同じであることが望ましい。金属板の望ましい厚さは0.5から1.2mmである。上金属板の板厚と下金属板の板厚とは同じでも、異なっても良い。
【0018】
上金属板と下金属板とは側縁で溶接されても良いし、その他の部分で溶接されても良い。金属板全体が平坦でも良いし、溶接される部分が残りの部分に対して屈曲していても良い。
【0019】
金属板が鋼板のプレス加工品である場合、溶接される部分全体を完全に平面状に加工することは困難であり、特定部分に僅かな湾曲部が生ずることがある。湾曲部が存在すると両鋼板間の接触状態が変化し、隙間が大きい部分の接合が不良となり易い。本発明はこのような場合の品質評価に特に有効である。
【0020】
レーザ光は光であるが、単一の波長しか持たずかつ位相差がないため極めて小さな光に集光でき、電子ビームと同等にパワー密度を上げることができる。また、大気中を伝送可能で、かつ大気圧中で種々のガスを利用して溶接できる。代表的なレーザとしてYAGレーザや、CO2レーザがある。両者は出力と波長が主に異なる。最大出力はCO2レーザの方が大きく、波長はCO2レーザの方が長い。YAGレーザは光ファイバで伝送できる特長がある。何れも赤外域であるため、金属の表面で良く反射される。YAGレーザもCO2レーザも連続発振される場合とパルス発振される場合とがある。
【0021】
レーザ光を照射する溶接トーチは上金属板の表面に沿って移動される。移動軌跡は直線状でも曲線状でも良い。その際、溶接トーチの移動速度、出力は金属板の材料及び板厚や溶入深さ等を考慮して決める。
<2>検出工程
溶接時においては、上金属板と下金属板との接触状態により上金属板の隣接部分から下金属板への熱伝導度が変わり、それに伴って同隣接部分の温度が変わり、所定温度以上となる隣接部分の幅が変化する。このため、溶接時に隣接部分の熱情報に基づいて所定温度以上となる隣接部分の幅を求めることにより、上金属板と下金属板との接触状態の良否、すなわち接合の良否を判断することができる。
したがって、検出工程では、溶接時に上金属板の表面の溶融部分の両側に隣接して形成され溶融部分から熱的影響を受けて所定温度以上となる一対の隣接部分の少なくとも一方における熱情報を検出する。検出は隣接部分とそれ以外の部分との温度差が大きい溶接時に行う。尚、溶接の終了後、溶融部分が溶接ビードになり、隣接部分が熱影響部になる。
<3>判定工程
判定工程では、上記検出工程で検出した隣接部分の熱情報に基づき隣接部分(所定温度以上となっている部分)の幅を求め、これを予め準備した隣接部分の幅に関する基準値と比較する。基準値は、下金属板及び上金属板と同じ材料、板厚の下試験片及び上試験片を準備し、接触面を研磨して隙間ゼロの状態で密着させて溶接し、その際形成される隣接部分の幅を測定することにより求める。
【0022】
溶接不良の態様には引けや分離がある。「引け」とは、上金属板から下金属板にかけて溶接ビードが形成されているが、上金属板と下金属板とは密着していない。また、上金属板に露出した上端部及び下金属板に露出した下端部にくぼみが形成されている。これに対して、「分離」とは、上金属板及び下金属板にそれぞれ溶接ビードが形成されているが、両方の溶接ビードは繋がっていない。また、上金属板に露出した上端部及び下金属板に露出した下端部にくぼみが形成されている。何れも、溶接前に上金属板と下金属板とを重ねてセットした際、両金属板間に所定値以上の隙間が存在することに起因して発生すると考えられ、本発明により評価できる。
<レーザ溶接の品質評価装置>
▲1▼赤外線センサ
赤外線センサは、金属板から発せられる赤外線を主とする熱線のエネルギを捕らえて測温するセンサである。種々のタイプのものがあり、赤外線の持つ熱効果によってセンサが暖められ、温度の上昇により生ずる素子の電気的変化を検知する加熱型のものが望ましいが、光電変換型のものでも良い。上金属板の隣接部分等の熱は光ファイバにより上金属板から離れた赤外線センサに導くことができ、その際赤外線センサの入力部に特定波長のみを透過する光学フィルタを配置することができる。
【0023】
また、上金属板の上方に保護ガラスを配置し、該保護ガラスと赤外線センサとを光ファイバで接続することもできる。保護ガラスは、溶接時に飛散するスパッタの光ファイバへの付着を防止すると共に、溶融分から光ファイバへの熱放射を阻止するようになっていることが望ましい。
▲2▼信号処理回路
信号処理回路は例えば、各赤外線センサから入力される信号に基づき、二次元平面に横長のイメージ像を形成し、このイメージ像の長さを、基準値に対応するイメージ像の長さと比較する。そして前者が後者よりも大きいときはその旨の信号又は警告を発する。警告等が発せられたときは、溶接トーチの出力を下げる、又は移動速度を遅くする等の対策を施す。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を基にして説明する。
(品質評価装置)
図1に示すように、この実施例では下鋼板10と上鋼板12とをレーザ溶接により溶接し、溶接の良否を赤外線センサ25,26及び信号処理回路30で評価する。下鋼板10及び上鋼板12はプレス加工され板厚は共に0.7mmであり、両鋼板間の隙間は角部にスペーサを介在させることにより0.1mmにセットされている。
【0025】
図1及び図2に示すように、溶接トーチ15の背後で、上鋼板12の上方に保護ガラス20が配置され、上鋼板12から離れた位置に配置された一対の赤外線センサ25及び26に光ファイバ27で接続されている。保護ガラス20は横長形状を持ち、長さ方向の中央部のマスク(遮蔽部)21と、その両側の一対の透過部22及び23とを含む。
【0026】
マスク21は後述する溶融部分41aの幅と等しい幅を持ち、溶融部分41aから光ファイバ27への熱放射を遮断している。各透過部22及び23はそれぞれ隣接部分42a及び43aと同じ幅を持ち、隣接部分42a及び43aからの熱放熱を透過させる。マスク21と透過部22及び23との間には下方に延びる一対のバリヤ24が形成されている。
【0027】
一対の赤外線センサ25及び26の出力部は信号処理回路30に接続され、その入力部(受光部)に所定の波長のみを取り出す光学フィルタ28が取り付けられている。
(品質評価方法)
次に、上記品質評価装置による品質評価について説明する。図1において、レーザ溶接時、レーザ光を照射する溶接トーチ15を上鋼板12の表面に沿って線状に移動させる。その際、保護ガラス20を溶接トーチ15の後方に配置し、共に移動させる。下鋼板10及び上鋼板12のうちレーザ光が照射され溶融している溶融部分41aにキーホールが形成され、その周囲の材料がキーホール内に流入する。図3に示すように、溶融部分41aは固化すると溶接ビード41bになり、隣接部分42a、43aは熱影響部42b、43bになる。
【0028】
赤外線センサ25及び26により、隣接部分42a及び43aの熱放射の情報を検出する。以上が検出工程に対応する。
そして、赤外線センサ25及び26により得られる隣接部分42a及び43aの熱放射の情報を信号処理回路30において幅情報に変換する。その結果、図4中yで示すように、溶融部分41a及び一対の隣接部分42a、43aの幅の合計はw2であった。
【0029】
上記幅w2を予め準備しておいた基準値w1と比較する。基準値は、下鋼板10及び上鋼板12と同じ板厚の下試験片及び上試験片(不図示)を作成し、下試験片の上面及び上試験片の下面を研磨して隙間ゼロの状態で密着させる。その上で、溶接トーチ15により上記溶接と同じ条件で溶接を行い、その際の隣接部分42a及び43aの熱放射を赤外線センサ25及び26で調べ、信号処理回路30により幅の情報に変換したものである。その結果、図4中xで示すように、溶融部分及び一対の隣接部分の幅の合計はw1であった。
【0030】
このように、下鋼板10と上鋼板12とを溶接する際の溶融部分41a及び隣接部分42a,43aの幅の合計w2は、下試験片と上試験片とを溶接する際の溶融部分及び隣接部分の幅の合計w1よりも大きい。よって、この溶接は不良と判定する。以上が判定工程に対応する
【0031】
図5に溶接終了後の横断面の顕微鏡写真を示す。図5(b)は、両鋼板10及び12の顕微鏡写真である。これから判るように、下鋼板10にも上鋼板12にも、溶接ビード41b及び熱影響部42b、43bが形成されている。しかし、下鋼板10と上鋼板12とは厚さ方向に離れており、それぞれの溶接ビード41b及び熱影響部42b、43bはつながっていない(前記「分離」に相当)。
【0032】
一方、図5(a)は両試験片の顕微鏡写真である。上試験片と下試験片とは溶接ビードにより接合され、溶接ビードの幅は下方に進むにつれて漸増している。また、溶接ビードの両側で上試験片及び下試験片に亘って形成された熱影響部の幅は、全体的にほぼ一定となっている。溶接ビード及び熱影響部以外の部分では下試験片と上試験片とは密着している。
【0033】
このように、図4に示した溶融部分41a並びに隣接部分42及び43の幅の合計による品質評価と、実際の金属組織とが対応していることが確認された。
(効果)
上述したように、本実施例では、上鋼板12に近接して配置しマスク21と透過部22及び23とを持つ保護ガラス20を溶接トーチ15と共に移動させ、上鋼板12から離れた位置に赤外線センサ25及び26を配置した。これにより以下の効果が得られる。
【0034】
第1に、上鋼板12の隣接部分42a及び43aの幅と隣接部分の幅に関する基準値との大小関係を正確に判断することができる。これは、保護ガラス20が長手方向中間部のマスク21と、その両側の透過部22及び23と、バリヤ24とを備えることによる。両側の透過部22及び23は隣接部分42a及び43aの熱を透過するが、中間部のマスク21は溶融部分41aの熱を遮断する。その結果、主に隣接部分42a及び43aの熱が透過部22及び23を通して光ファイバ27に伝達され、透過する熱情報に基づき隣接部分42a及び43aの幅の正確な測定が可能になる。
【0035】
第2に、隣接部分42a及び43aの幅と、隣接部分の幅に関する基準値との大小関係をリアルタイムで比較することができる。これも、保護ガラス20がマスク21と、透過部22及び23と、バリヤ24とを備えることによる。レーザ光の照射時、溶融部分41から保護ガラス20に向かって上方に飛散するスパッタは、バリヤ24により側方への飛散を抑制され、透過部22及び23に衝突することが防止される。その結果、レーザ光の照射時に溶接トーチ15の後方で隣接部分42及び43の熱情報を検出し、リアルタイムで接合の良否を評価できる。
【0036】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明の品質評価方法及び品質評価装置によれば、2枚の金属板を重ね合わせレーザ光を照射して重ね溶接する際、接合の良否を正確にしかもリアルタイムで評価することができる。
【0037】
請求項2の品質評価方法によれば、溶接と同時に(リアルタイムで)品質評価を行うことができる。請求項4の品質評価装置によれば、熱情報を上金属板から離れた赤外線センサで検出することができる。請求項5の品質評価装置によれば、熱情報をより正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(品質評価方法及び品質評価装置)を示す斜視説明図である。
【図2】上記品質評価装置を構成する保護ガラス及び赤外線センサを示す模式図である。
【図3】溶接ビード及び熱影響部の拡大断面図である。
【図4】信号処理回路における信号処理を説明する説明図である。
【図5】(a)は試験片による接合状態を示す顕微鏡写真、(b)実施例の鋼板による接合状態を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
10:下鋼板 12:上鋼板
15:溶接トーチ 20:保護ガラス
21:マスク 22,23:透過部
27:光ファイバ 28:光学フィルタ
30:信号処理回路 41a:溶融部分
41b:溶接ビード 42a,43a:隣接部分
42b,43b:熱影響部

Claims (5)

  1. 下金属板の上に重ねた上金属板の表面にそって、レーザ光を照射する溶接トーチを移動させ、両該金属板を該レーザ光で溶融させた後その溶融部分を固化させて溶接ビードとすることで両該金属板を接合するレーザ溶接において、溶接の品質を評価する方法であって、
    溶接時に前記上金属板の表面の前記溶融部分の両側に隣接して形成され該溶融部分から熱的影響を受けて所定温度以上となる一対の隣接部分の少なくとも一方における熱情報を検出する検出工程と、
    検出された前記熱情報に基づき前記隣接部分の幅を求め、予め準備した基準値と比較することにより接合の良否を判定する判定工程と、から成り、
    前記基準値は、前記下金属板及び前記上金属板と同じ材料、板厚の下試験片及び上試験片について、両者の隙間がゼロとなるように密着させること以外は該下金属板及び該上金属板をレーザ溶接するときと同じ条件でレーザ溶接した場合に形成される隣接部分の幅を、該下金属板及び該上金属板における前記隣接部分の幅を求めるときと同じように、予め求めたものであることを特徴とするレーザ溶接の品質評価方法。
  2. 前記検出工程と前記判定工程は併行して行う請求項1に記載の品質評価方法。
  3. 下金属板の上に重ねた上金属板の表面にそって、レーザ光を照射する溶接トーチを移動させ、両該金属板を該レーザ光で溶融させた後その溶融部分を固化させて溶接ビードとすることで両該金属板を接合するレーザ溶接において、溶接の品質を評価する装置であって、
    溶接時に前記上金属板の表面の前記溶融部分の両側に隣接して形成され該溶融部分から熱的影響を受けて所定温度以上となる一対の隣接部分の少なくとも一方における熱情報を検出する赤外線センサと、
    検出された前記熱情報に基づき前記隣接部分の幅を求め、予め準備した基準値と比較することにより接合の良否を判定する信号処理部と、から成り、
    前記基準値は、前記下金属板及び前記上金属板と同じ材料、板厚の下試験片及び上試験片について、両者の隙間がゼロとなるように密着させること以外は該下金属板及び該上金属板をレーザ溶接するときと同じ条件でレーザ溶接した場合に形成される隣接部分の幅を、該下金属板及び該上金属板における前記隣接部分の幅を求めるときと同じように、予め求めたものであることを特徴とするレーザ溶接の品質評価装置。
  4. 前記赤外線センサは前記上金属板から離れた位置に配置され、該赤外線センサと該上金属板の上方に配置された保護ガラスとが光ファイバで接続されている請求項3に記載の品質評価装置。
  5. 前記保護ガラスは、熱遮蔽部と熱透過部とを持ち、該熱透過部に前記光ファイバが接続されている請求項4に記載の品質評価装置。
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