JP4690678B2 - 酸素吸収性樹脂組成物及び多層構造体 - Google Patents

酸素吸収性樹脂組成物及び多層構造体 Download PDF

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Description

本発明は、酸素吸収性を有し、かつ、持続したガスバリア性を有する酸素吸収性樹脂組成物および当該樹脂組成物からなる層を酸素吸収層として有する多層フィルム、多層容器等の多層構造体に関する。
ガス(酸素、炭酸ガス)バリア性に優れているエチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)が開発されて以来、EVOHは、ガラス製、金属製あるいは従来のプラスチック材料に代わって、食品、化粧品、工業薬品等の分野において、酸素を嫌う商品用の包装材料あるいは容器等のガスバリア性材料として広く利用されている樹脂である。その使用態様は、EVOHが吸湿性を有していること、そして吸湿するとガスバリア性が低下することから、EVOHにポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの疎水性の熱可塑性樹脂を被覆して用いるか、あるいはEVOHを中間層とし、熱可塑性樹脂を内層及び外層とする多層構造として用いるのが通常である。
EVOHは、そのガスバリア性を利用して包装材料などに広く使われているが、酸素を完全に遮断するわけではなく、一方で酸素を吸収する作用を有していないから、僅かな酸素の透過は避けられない。この透過した酸素に加えて、密封時すでに内部に存在している酸素、あるいは蓋をしばしば開閉して使用される特に食品容器においては、開閉時に新たに進入する酸素の除去が、食品分野を中心として問題とされるようになり、ガスバリア性樹脂に酸化性樹脂や酸化触媒を配合して、ガスバリア性と酸素吸収性とを持たせた材料の開発が盛んに行われている。
最近、ポリオレフィン系酸素吸収剤に関し、化学構造(単位構造)と酸素吸収能との関係、その添加剤等についての報告が出されている。これによると、ポリオレフィンの結合方法によって反応性が異なり、3級水素とアリル水素は冷蔵状態の低温においても空気中の酸素と反応して、ハイドロパーオキサイドを形成する。最も気になるのは、ポリマーが酸素と反応して発生する低分子量揮発性アルデヒド、ケトン、カルボン酸の悪臭である、旨報告している(例えば、非特許文献1参照)。
酸素吸収性を有する具体的樹脂組成物としては、スチレン‐イソプレン‐スチレントリブロック共重合体(炭素‐炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂:酸性化重合体と称される)とボロン酸1,3‐ブタンジオール基を有するトリブロック共重合体(相溶化剤)及び遷移金属からなる組成物をEVOHに配合した樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この樹脂組成物は、炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂が配合されていることによって、酸素吸収性(酸素掃去機能)の向上効果を有しているものの、炭素‐炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂が酸化分解されて、アルデヒド、ケトン、カルボン酸等臭気の原因となる揮発性物質が発生する危険性がある。しかも、積層するには接着剤を使用する必要がある。
また、上記臭気物質の透過を抑制するために、酸素吸収性バリア層と内層との間に臭気バリア層を設けた多層容器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この臭気バリア層の材料は、ガスバリア層として用いられているEVOHあるいは環状オレフィン樹脂で、特別な臭気バリア性材料が用いられているわけではない。従って、特許文献2の多層容器は、上記特許文献1と同様の問題を有しており、臭気バリア層が付加されているのであるから、容器の厚みが増し、製作費用も嵩むことになる。
また、酸素吸収剤として、ポリアミド(PA)とPA反応性の被酸化性ポリブタジエン又は被酸化性ポリエーテルとを含むポリアミド組成物、及びこのポリアミド組成物に酸化促進金属塩触媒を含むポリアミド組成物、並びにこのポリアミド組成物からなる酸素バリア性ポリアミド層の片側又は両側に熱可塑性樹脂層を設けた多層製品が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
Global Packaging News No.7 May,(1999) 特開2002‐146217 特開2004‐196337 特表2003‐531929
本発明の目的は、ガスバリア性及び酸素吸収性の向上、臭気の原因となる揮発性物質の発生がなく、また、接着剤を用いることなく積層化することができる酸素吸収性樹脂組成物を開発すること、また、当該酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層で構成された多層構造体、中でも多層フィルム、多層容器を開発することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行ったところ、EVOH中にポリアミドと被酸化性ポリジエン又は被酸化性ポリエーテルとの反応生成物を含有せしめた樹脂組成物を酸素吸収性ガスバリア層として構成することにより、格別臭気バリア層や接着剤層を設けることなく、良好なガスバリア性及び酸素吸収性を有し、かつ必要とする層間接着強度を有する多層構造体が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち。本発明は、下記1)〜7)記載の構成からなる酸素吸収性樹脂組成物、多層構造体、多層スクイーズ性容器及び多層フィルムを提供するものである。
1)A)エチレン‐ビニルアルコール共重合体55〜80重量%、(B)ポリアミドとポリアミド反応性の被酸化性ポリジエン又は被酸化性ポリエーテルとの反応生成物及び遷移金属塩を10〜35重量%、及び(C)カルボキシル基を有するエチレン系共重合体10〜30重量%からなることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
2)上記ポリアミド反応性の被酸化性ポリジエンがポリブタジエンを含む重合体であり、カルボキシル基を有するエチレン系共重合体がエチレン‐アクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸共重合体又はアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂である1)項記載の酸素吸収性樹脂組成物。
3)上記ポリアミドが非晶性ポリアミドまたは結晶性ポリアミドと非晶性ポリアミドとの混合物である1)項又は2)項記載の酸素吸収性樹脂組成物。
4)上記1項〜3項のいずれか1項記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる層を有することを特徴とする酸素吸収性多層構造体。
5)上記多層構造体の酸素吸収性樹脂組成物からなる層と少なくとも一方の隣接する層との層間接着強度(JISZ0238)が10g/15mm幅以上である4)項記載の酸素吸収性多層構造体。
6)低密度ポリエチレンからなる基材樹脂層と1)項〜3)項のいずれか1項記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層により構成され、内外層を基材樹脂層とするとともに、中間層として酸素吸収層を設けた2種3層又は基材樹脂層を酸素吸収層で挟んだサンドイッチ構造からなる層を設けた2種5層のものからなることを特徴とするスクイーズ性多層容器。
7)ポリメタキシリレンアジパミドからなる樹脂層をポリアミド6からなる樹脂層で挟んだサンドイッチ構造からなる外層と、1)項〜3)項のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる中間層と、ポリオレフィン系樹脂からなる内層とをラミネートにより積層したもの又は線状低密度ポリエチレンからなる内外層と、請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層とエチレン‐ビニルアルコール共重合体からなる酸素バリア層を積層した中間層とをインフレーション成形法により多層共押出しして積層したものからなることを特徴とする多層フィルム。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、上記(A)成分〜(C)成分、特に、(B)成分のポリアミドと被酸化性ポリジエンとの反応生成物+遷移金属塩と(A)成分のEVOHとの組合せ使用により、以下の如き優れた特性を得ることができる。
1)多層構造体に求められる、酸素透過性、酸素吸収性、光透過性等の特性をバランスよく有しており、好適な酸素吸収能力が発現される。
2)接着剤層を設けることなく、スクイーズ性容器に求められる層間接着強度(10g/15mm幅以上)が得られる。従って、層構成が簡略化される。
3)臭気の原因となる揮発物質が副生しない。従って、臭気バリア層が不要となり上記2)と同様に層構成が簡略化される。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分のエチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、特に限定されないが、一般にエチレン含有量が60mol%以下のエチレン‐酢酸ビニル共重合体をケン化度90%以上にケン化したEVOHが用いられる。
(B)成分は、ポリアミドとポリアミド反応性の被酸化性ポリジエン又は被酸化性ポリエーテルとの反応生成物と遷移金属塩からなるものである。被酸化性ポリジエン又はポリエーテルはポリアミドと反応しており、そのポリジエン又はポリエーテルは好ましくは酸変性されたものを用い、エポキシ基又は無水官能基を含み、ポリアミドのカルボキシル基又はアミノ末端基さらにはポリアミド骨格中のアミド基と反応している。
上記ポリアミドは、アミド結合を有するポリマーであればよく、カルボン酸とアミンとの脱水縮合反応により得られるもののほか、カルボン酸とイソシアネートとの反応により得られるアミド結合を有するポリマーを含むものである。
具体的には、ポリカプロアミド(ナイロン‐6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン‐11)、ポリラウロラクタム(ナイロン‐12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン‐6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン‐6,10)等の脂肪族ポリアミド単独重合体;カプロラクタム/ラウロラクタム共重合体(ナイロン‐6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン‐6/11)、カプロラクタム/ω‐アミノノナン酸共重合体(ナイロン‐6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミド共重合体(ナイロン‐6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンセバカミド共重合体(ナイロン‐6/6,6/6,10)等の脂肪族ポリアミド共重合体;ポリメタキシリレンアジパミド(MX‐ナイロン)、ヘキサメチレンテレフタラミド/ヘキサメチレンイソフタラミド共重合体(ナイロン‐6T/6I)等の芳香族ポリアミドまたはこれらの混合物を用いることができる。
特に非晶性のポリアミドまたは結晶性のポリアミドと非晶性のポリアミドとのブレンドが好適である。ここで、非晶性のポリアミドとは、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶融解熱量が1cal/g以下のものであり、ポリマーの結晶化がほとんど起こらないか、或いは結晶化速度が非常に小さい一群のポリアミド樹脂をいう。
被酸化性ポリジエンとしては、エポキシ官能化ポリブタジエン、エポキシ官能化ポリイソプレン、無水マレイン酸グラフト又は共重合化ポリブタジエン、無水マレイン酸グラフト又は共重合化ポリイソプレンなどが挙げられる。
また、被酸化性ポリエーテルとしては、アミン、エポキシ又は無水官能性ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、ポリスチレンオキシドなどが挙げられる。
さらに、(B)成分には酸化触媒として遷移金属塩が金属原子重量で5000ppm以下の範囲で添加されている。遷移金属塩はコバルト、鉄、ニッケル、さらには銅、チタン、クロム、マンガン、ルテニウムなどの遷移金属の無機塩、有機塩、または錯塩であり、特にカルボン酸塩、スルホン酸塩などの有機酸塩が好適であり、その具体例としては酢酸塩、ステアリン酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタン酸塩、ネオデカン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられる。
(C)成分は、カルボキシル基を含有するエチレン系共重合体であり、エチレン含有量65〜98モル%のエチレン系共重合体、エチレン含有率70〜98モル%、ケン化率20%以上のエチレン‐酢酸ビニル共重合体ケン化物であるか、あるいは、該ケン化物40重量%以上と60重量%以下との混合物である。具体的重合体としては、α‐オレフィンを用いてカルボキシル基またはカルボン酸無水物基を有する単量体の共重合により得られるエチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン‐メタクリル酸共重合体(EMA)、各種アイオノマーおよびこれらの金属塩等の共重合体が好適である。
この(C)成分、特にEAAが(A)成分のEVOHとブレンドされることにより、(B)成分単独で酸素吸収層を構成するよりも単位重量当たりの酸素吸収量を向上させ、低コストの酸素吸収性多層構造体を得ることができる。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分のブレンド比率は、30〜80重量%:10〜70重量%:10〜30重量%であり、好ましくは、50〜80重量%:15〜40重量%:10〜20重量%である。また、(B)成分中の遷移金属塩の使用量は金属原子換算で1〜5000ppmである。
なお、本発明の樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、各種公知の添加剤、着色剤、耐熱・耐候剤、帯電防止剤さらには酸化可能有機成分として炭素‐炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂またはポリメタキシリレンアジパミド(MX‐ナイロン)等適宜必要に応じて加えることは差し支えない。
そして、本発明における酸素吸収性樹脂組成物からなる層を有する多層構造体においては以下の層構成が特に好適である。
1)ブロー成形により形成されるスクイーズ性多層容器
イ)2種3層:内層側より、低密度ポリエチレン層/酸素吸収性樹脂組成物層/低密度ポリエチレン層であり、各層の肉厚は240:40:120(μm)とする。
ロ)2種5層:内層側より、低密度ポリエチレン層/酸素吸収性樹脂組成物層/低密度ポリエチレン層/酸素吸収性樹脂組成物層/低密度ポリエチレン層であり、各層の肉厚は200:16:40:24:120(μm)とする。
2)ドライラミネートにより形成されたフィルムから製袋された多層容器
イ)外層より、ナイロン6層/MXナイロン層/ナイロン6/酸素吸収性樹脂組成物層/ポリプロピレン層とする。
3)インフレーション成形により形成されたフィルムから製袋された多層容器
イ)外層より、線状低密度ポリエチレン層/酸素吸収性樹脂組成物層/EVOH層/接着剤層/線状低密度ポリエチレン層とする。
なお、上記各多層構造体において、適宜、再生樹脂からなるリプロ層または別途必要に応じてガスバリア層を設けることができる。そして、ブロー成形製の多層容器にあっては成形時に発生するバリを粉砕し、これを再生樹脂として再利用することができる。
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
各実施例及び比較例に記載の酸素吸収性樹脂組成物を酸素吸収層とし、低密度ポリエチレン層を前記酸素吸収層で挟み込んだサンドイッチ構造の中間層と、内外層を低密度ポリエチレンとする2種5層からなる多層容器を形成し、この多層容器および酸素吸収層の物性を、以下の測定法及び基準により評価した。
1)酸素透過度(バリア性)
多層容器を成形後常温にて3日間経過させ、温度および湿度を容器外部で30℃×
60%RH、容器内部で30℃×100%RHの環境下、容器1本当たりの酸素透過
度を酸素透過量測定装置(MOCON社製、Ox‐Tran 10/50)により測定し、その結果
を次の基準で評価した。
◎:0.05未満、○:0.05〜0.1未満、△:0.01〜0.3未満、
×:0.3以上(単位:cc/bottle・day・air)
2)副生成物透過量
1)と同一環境下、365日経過時における多層容器内に発生したアルデヒド化合
物をガスクロマトグラフィーにより測定した。評価は次の基準によった。
◎:1未満、○:1〜5未満、△:5〜10未満、×:10以上(単位:ppm)
3)接着強度
多層容器の胴部壁を15mm幅にて切除し、酸素吸収層と隣接する層とを引き剥が
し、そのときの強度を測定した。評価は次の基準によった。
◎:20以上、○:20未満〜10、△:10未満〜5、×:5未満(単位:g)
4)酸素吸収量
多層容器を成形後、直ちに酸素吸収層のみを剥がし取り、ガラス瓶中に水分と共に
入れ、55℃恒温槽中で放置した。経過時間毎にガラス瓶中の酸素、窒素の割合をガ
スクロマトグラフィーにより測定し、酸素濃度の減少率を計算し、ガラス瓶中の体積
から酸素吸収層が吸収した酸素量を1g当たりに換算した。評価は次の基準によった

◎:5以上、○:5未満〜1、△:1未満〜0.1、×:0.1未満(単位:cc
/g)
5)相溶化
酸素吸収層を有する多層のパリソンとして押出し、直径0.1mm以上のフィッシ
ュアイの数を測定した。評価は次の基準によった。
◎:0〜5、○:6〜10、△:11〜20、×:21以上(単位:m2
6)透明性
酸素吸収層の肉厚を0.4mmに調整した多層容器を成形後、直ちに酸素吸収層の
みを剥がし取り、空気中において、波長450nmにおける光の透過率を測定した。
評価は次の基準によった。
◎:50以上、○:50未満〜40、△:40未満〜30、×:30未満(単位:
%)
[実施例1]
下記(A)〜(C)成分からなるブレンド比率(A):(B):(C)=55:30:15(wt%)の樹脂組成物を調製した。
(A)成分:エチレン含有量29mol%、ケン化度99%のエチレン‐ビニルアルコール共重合体。(商品名:ソアノールD2908、日本合成化学(株)製)
(B)成分:ポリアミド(非晶性ポリアミドを含む)と無水マレイン酸変性
ポリブタジエンとの反応生成物。(商品名:Aegis、Honeywell社製)なお、反応生成物中には遷移金属触媒としてコバルトの有機酸塩が添加されている。
(C)成分:エチレン‐アクリル酸共重合体を用いた。(商品名:ノバテック A210M、日本ポリエチレン(株)製)
上記樹脂組成物を酸素吸収層とし、ブロー成形により低密度ポリエチレン層を前記酸素吸収層で挟み込んだサンドイッチ構造の中間層と、内外層を低密度ポリエチレンとする2種5層(外層側から低密度ポリエチレン層/酸素吸収層/低密度ポリエチレン層/酸素吸収層/低密度ポリエチレン層)からなる多層スクイーズ性容器を作成した。各層の肉厚は内層から200:16:40:24:120(μm)であった。また、層間接着強度は50(g/15mm幅)であった。
[実施例2〜実施例6]、[比較例1〜比較例6]
実施例1に記載の方法に準じて、後掲表1に示した(A)成分〜(C)成分の組成比からなる酸素吸収層に用いる樹脂組成物を調製した。ここで、実施例3において(C)成分はエチレン‐メタクリル酸共重合体(商品名:レクスパール RB3240、日本ポリエチレン(株)製)、実施例4において(C)成分はアイオノマー(商品名:ハイミラン 1652、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を用いた。
また、実施例5はナイロン6層/MXナイロン層/ナイロン6層の多層フィルムと、実施例1の酸素吸収性樹脂組成物からなるフィルムと、ポリプロピレンからなるフィルムをドライラミネートにより積層して酸素吸収性多層フィルムを形成し、ポリプロピレンからなる層が内側シーラント層となるようにして多層容器を製袋して評価した。実施例6は実施例1の酸素吸収性樹脂組成物を用いて、線状低密度ポリエチレン層/酸素吸収層/EVOH層/接着剤層/線状低密度ポリエチレン層かなるフィルムをインフレーション成形により形成し、多層容器を製袋して評価した。
[試験例1]
上記実施例1〜6及び比較例1〜6に記載の各樹脂組成物を酸素吸収層とする2種5層のまたは上記フィルムより製袋した多層容器を作成し、上記測定法により各物性を測定した。その結果を表1に纏めて示す。
なお、表1中の記号は、下記化合物を表わす。
EVOH:エチレン‐ビニルアルコール共重合体
PA‐Pb:ポリアミドと無水マレイン酸変性ポリブタジエンとの反応生成物
SIS:スチレン‐イソプレン‐スチレントリブロック共重合体
MAnPb:無水マレイン酸変性ポリブタジエン
EAA:エチレン‐アクリル酸共重合体
EMA:エチレン‐メタクリル酸共重合体
Figure 0004690678
上記試験例1(表1)の結果から、次のことが明らかにされた。
1)本発明の樹脂組成物は、酸素透過度、副生物透過度、接着強度、酸素吸収量、相溶化状態及び光線透過率の各特性をバランスよく備えている(実施例1〜6)。
2)(A)成分及び(B)成分は、それぞれの特性と使用量との間に相関関係が認められ(比較例1〜3)、(A)成分が少なくなると、酸素吸収量が大きい反面、酸素透過度が高くなり(比較例1)、また、(B)成分が少なくなると酸素吸収量が減少する(比較例2)。
3)(B)成分をスチレン‐イソプレン‐スチレントリブロック共重合体に代えた樹脂組成物は、副生物透過量が顕著に増加する(比較例4)。
4)(A)成分と(B)成分からなる樹脂組成物(比較例5)及び(B)成分のみの樹脂組成物(比較例6)は、酸素透過度及び酸素吸収量においては、本発明の樹脂組成物と同等の結果が得られているが、他の特性は顕著に劣っている。
[試験例2]
実施例1の樹脂組成物を用いて各種膜厚の酸素吸収層(中間層)とし、内外層が低密度ポリエチレンからなる平均肉厚が400μmで、酸素吸収層の合計の膜厚比が、4%、7%、10%、15%の4種の多層スクイーズ性容器を作成し、この各多層容器における酸素透過量(バリア性)の経時変化を30℃‐60%RHの環境下で測定した。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の樹脂組成物からなる酸素吸収層の膜厚比率が10%で325日以上実質的に酸素透過が抑制されることが認められた。
Figure 0004690678
以上説明したとおり、本発明の酸素吸収性及びガスバリア性の樹脂組成物によれば、当該樹脂組成物を中間層とし、内層及び外層を疎水性の熱可塑性樹脂、例えばオレフィン系樹脂により形成した多層構造体は、酸素吸収性、ガスバリア性、光線透過性に優れ、臭気成分の発生もない多層フィルムあるいは多層容器が提供できる。したがって、本発明の樹脂組成物は、食品、医薬品、化粧品等広い分野における特に酸素に感受性の高い商品の包装材料として極めて利用価値が高い。

Claims (7)

  1. (A)エチレン‐ビニルアルコール共重合体55〜80重量%、(B)ポリアミドとポリアミド反応性の被酸化性ポリジエン又は被酸化性ポリエーテルとの反応生成物及び遷移金属塩を10〜35重量%、及び(C)カルボキシル基を有するエチレン系共重合体10〜30重量%からなることを特徴とする酸素吸収性樹脂組成物。
  2. 上記ポリアミド反応性の被酸化性ポリジエンがポリブタジエンを含む重合体であり、カルボキシル基を有するエチレン系共重合体がエチレン‐アクリル酸共重合体、エチレン‐メタクリル酸共重合体又はアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂である請求項1記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  3. 上記ポリアミドが非晶性ポリアミドまたは結晶性ポリアミドと非晶性ポリアミドとの混合物である請求項1又は請求項2記載の酸素吸収性樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる層を有することを特徴とする酸素吸収性多層構造体。
  5. 上記多層構造体の酸素吸収性樹脂組成物からなる層と少なくとも一方の隣接する層との層間接着強度(JISZ0238)が10g/15mm幅以上である請求項4記載の酸素吸収性多層構造体。
  6. 低密度ポリエチレンからなる基材樹脂層と請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層により構成され、内外層を基材樹脂層とするとともに、中間層として酸素吸収層を設けた2種3層又は基材樹脂層を酸素吸収層で挟んだサンドイッチ構造からなる層を設けた2種5層のものからなることを特徴とするスクイーズ性多層容器。
  7. ポリメタキシリレンアジパミドからなる樹脂層をポリアミド6からなる樹脂層で挟んだサンドイッチ構造からなる外層と、請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる中間層と、ポリオレフィン系樹脂からなる内層とをラミネートにより積層したもの又は線状低密度ポリエチレンからなる内外層と、請求項1から3のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層とエチレン‐ビニルアルコール共重合体からなる酸素バリア層を積層した中間層とをインフレーション成形法により多層共押出しして積層したものからなることを特徴とする多層フィルム。
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