JP4023532B2 - 地中連続壁とその構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、地下構造物を構築する際に、当該地下構造物に隣接する地下鉄や道路からの振動を遮断するために設けられる、地中連続壁とその構築方法、及びその方法に使用する掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、音響ホールやオペラ座等のように、周囲の騒音を嫌う地下構造物を構築する際には、隣接する地下鉄や自動車道等からの振動を遮断する、高性能の防振構造が必要となる。その防振構造は、例えば、図12(A),(B)に示すように、地下鉄のボックスカルバート21若しくは道路・鉄道等に近接して山留め壁22が構築され、建築予定地を根切りした後に、所望箇所に防振ゴム等の防振材24が前記山留め壁22に固設され、その後、本設のコンクリート躯体23が構築される。こうして、本設のコンクリート躯体23の外周壁23aと前記山留め壁22との間に防振材24が配設されている構成が知られている(特開平8−41869号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の防振構造では、掘削深度を深くし、また、防振材を山留め壁の構築後に行っているので、工期が長くなりコストも嵩むものとなる。更に、高性能の防振構造が要求されるので、施工性も難しくなるという課題がある。本発明に係る地中連続壁とその構築方法、及び掘削機は、このような課題を解消するために提案されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る地中連続壁の上記課題を解決するための要旨は、地中連続壁に設けられて外防水に兼用される防振手段が防振壁と間隙用防振壁とでなり、その防振壁が、金属製框体と、該框体に貼着された防振ゴムとからなり、前記金属製框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該一対のH型鋼の片側のフランジ間に横架されるフレームとでなり、前記フレーム側に前記防振ゴムが貼着され、前記一対のH型鋼のうち横方向に設けられる削孔に隣接する隣接部側のH型鋼には、そのH型鋼のウェブにL字型の位置決めフレームが鉛直方向に略全長に亘り固着され、このL字型位置決めフレームと当該H型鋼の片側のフランジとの間隙が間隙用防振壁を埋設するためのガイド部となるとともに、前記L字型位置決めフレームと当該H型鋼の他側のフランジとの間隙が掘削機用のガイド部となっており、前記間隙用防振壁は防振ゴムを複数枚積層してフレームに取り付けられてなり、該間隙用防振壁が前記防振壁の片方のH形鋼における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて前記防振手段が構成され、地盤の削孔に間隙をおいて隣接する防振壁間において対向するH形鋼のウェブの前記間隙防振壁用のガイド部の間に前記間隙用防振壁が埋設されて、防振手段が地盤に掘削された孔に横方向に連続して埋設されていることである。
【0007】
本発明に係る地中連続壁の構築方法の上記課題を解決するための要旨は、地中連続壁用と外防水用とに兼用される防振手段が防振壁と間隙用防振壁とでなり、その防振壁が、金属製框体と、該框体に貼着された防振ゴムとからなり、前記金属製框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該一対のH型鋼の片側のフランジ間に横架されるフレームとでなり、前記フレーム側に前記防振ゴムが貼着され、前記一対のH型鋼のうち横方向に設けられる削孔に隣接する隣接部側のH型鋼には、そのH型鋼のウェブにL字型の位置決めフレームが鉛直方向に略全長に亘り固着され、このL字型位置決めフレームと当該H型鋼の片側のフランジとの間隙が間隙用防振壁を埋設するためのガイド部となるとともに、前記L字型位置決めフレームと当該H型鋼の他側のフランジとの間隙が掘削機用のガイド部となっており、前記間隙用防振壁は防振ゴムを複数枚積層してフレームに取り付けられてなり、該間隙用防振壁が前記防振壁の片方のH形鋼における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて前記防振手段が構成され、掘削機により地盤を掘削し、この掘削した孔内に前記防振壁を埋設し、その後、前記孔の隣接部において掘削機用のガイド手段であるガイド部にガイドされながら前記掘削機で前記孔に重複させることなく連続して地盤を掘削し、この隣接部に削孔された孔内に防振手段を、先に埋設した前記防振壁における間隙用防振壁のガイド部に当該防振手段における間隙用防振壁の端部を嵌装させてガイドさせながら横方向に連続させて埋設させ、その後、前記掘削機による連続した地盤の掘削と前記埋設された防振手段の間隙用防振壁のガイド部に次の防振手段における間隙用防振壁の端部を嵌装させて横方向に連続させる防振手段の埋設とを繰り返して外防水を兼用する地中連続壁を構築することである。
【0010】
本発明に係る地中連続壁とその構築方法とによれば、地中連続壁の内部に防振手段が埋設されているので、建物周囲の地下鉄や道路・鉄道からの振動が有効に遮断される。また、掘削深度が深い場合でも、地中連続防振壁が山留め壁の外側に配設され、振動源に近い位置で振動を遮断し、防振手段による防振効果が高性能に発揮される。
【0011】
また、前記防振手段が、鉛直方向に直交する横方向に連続して設けられるので、地下構造物の外防水の役目を果たすことになる。更に、防振手段には、隣接部の地盤を掘削する掘削機用のガイド手段が設けられているので、従来のように一つ置きに掘削機を移動させて施工する手間が省け、隣接部に連続して掘削することができるとともにガイドされて掘削機の位置決めも容易になる。また、この防振手段には、隣接部の削孔に埋設する防振手段用のガイド手段が設けられているので、防振手段の埋設作業が効率的になる。
【0013】
本発明に係る地中連続壁の構築方法では、山留め壁を構築する前に、若しくは、山留め壁である連続壁の構築と共に、隣接部に連続して削抗し防振手段を埋設し防振壁を構築していくので、山留め壁の構築後にその内側に防振手段を設ける従来方法よりも、本発明の構築方法は手間が掛からず工期短縮となる。更に、壁掘削機の移動時間が短縮されて手間が掛からない。
【0014】
また、防振壁を、山留め壁の外側に、若しくは、山留め壁に埋設させて連続壁を構築するので、山留め壁の内側に防振手段を施工していた従来例に比べて、構造物の有効面積が拡がって、土地の有効活用が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る地中連続壁とその構築方法、及び掘削機について図面を参照して説明する。なお、発明の理解の容易のため従来例に対応する部分には従来例と同一符号を付けて説明する。
【0017】
本発明の地中連続壁1は、地下構造物の周囲にある地下鉄や道路・鉄道からの振動を遮断するために構築されるものであり、その構造は、図1に示すように、掘削機Aにより地盤に掘削した削孔2のソイルセメント3に、防振手段である防振壁4及び間隙用防振壁4aを埋設して構築するものである。
【0018】
また、図2に示すように、地下鉄21の深度が深いため、その隣接地に防振壁を構築するには掘削深度を深くしなければならない場合には、前記防振手段をソイルセメント3に埋設した地中連続防振壁1aを構築し、その内側に山留め壁22を構築して、これらの地中連続防振壁1aと山留め壁22とで地中連続壁1と成し、更にその内側に本設の躯体23を構築するものである。
【0019】
前記防振手段である防振壁4及び間隙用防振壁4aは、防振ゴムを複数枚積層したもので構成されている。よって、防振壁4を埋設した連続壁は、鉛直方向に直交した横方向(以下、単に横方向という)に連続したものなので、図1に示す地中連続壁1、若しくは図2に示す地中連続防振壁1aは、本設の躯体23にとっての防振壁となるとともに、外防水としての地中連続外防水壁ともなるものである。
【0020】
かかる地中連続壁1の構築方法について説明する。まず、地盤掘削の前に、防振手段を形成する。防振壁4は、図3乃至図5に示すように、鉛直方向に立設してウェブ面5aを対向配置にした一対のH型鋼5と、該H型鋼5のフランジ5b間に鉛直方向に適宜間隔を置いて溶接によって横架される鋼製のフレーム6と防振ゴム添接板6a(図5参照)で、矩形状の框体が形成される。
【0021】
前記フレーム6側に、複数枚(図示の一実施例では4枚)の防振ゴム7を積層したものを、鋼製フレーム8で挟装して、ボルト9a・ナット9bで固定して貼着させる。ウェブ面5aの外側には、L字型の位置決めフレーム10が鉛直方向に略全長に亘り溶接され固定されている。また、図3(A)に示すように、間隙用防振壁4aは、防振壁4を横方向に連続させるために設けられるものである。当該間隙用防振壁4aは防振ゴム7を複数枚積層してフレーム6,8に挟装されボルト9a・ナット9bで取り付けられてなり、該間隙用防振壁4aが前記防振壁4の片方のH形鋼5における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて、防振手段が構成されている。
【0022】
前記位置決めフレーム10が、図3(A)に示すように、右側のH型鋼5のウェブ面に設けられるのは、隣接部の間隙用防振壁4aを受け入れるためであり、同時に、当該隣接部の間隙用防振壁4aが鉛直方向に埋設される作業時の、ガイド手段であるガイド部10aとなるものである。この位置決めフレーム10は、後述の掘削機用のガイド手段であるガイド部10bも形成する。
【0023】
図3(B)において示す防振壁4は、間隙用防振壁4aを設けていないものであり、これは、掘削工事で最初に削孔された孔に埋設させるものである。左側の隣接部に削孔が存在しないからである。
【0024】
また、前記框体において、鉛直方向に数十mと長く形成しなければならない場合は、連結するために、図4及び図6に示すように、ボルト孔11aが穿孔された連結板11でもってボルト・ナットで首尾連接するものである。
【0025】
更に、図4に示すように、前記框体の下部(鉛直方向に起立させた際の下端部)には、ソイルセメント3へ没入させる際の抵抗力を軽減させるため、尖塔状で金属製の先導部材12が設けられている。なお、当該下部の保護のためとしては、先導部材12を尖塔状にしなくても、硬質金属製のコ字型の枠体でもよい。
【0026】
次に、本発明に用いる掘削機Aは、図7に示すように、同時に回転駆動させる3軸オーガを備えた3連の削孔機である。この掘削機Aにおいて、3軸オーガの途中に、図7及び図8に示すように、掘削残土となる残土部14の存在を無くすためのサイドカッター13が設けられ、更に、該カッター13の片側には、横方向に突出させた被ガイド部15が設けられている。
【0027】
前記被ガイド部15は、図8乃至図9に示すように、防振壁4におけるH型鋼5のウェブ面5aに、位置決め用フレーム10によって形成されたガイド部10a,10bに遊嵌され、鉛直方向にガイドされるとともに、半固化状の、若しくは、固化状態のソイルセメント3を掘削していくものである。
【0028】
このような、掘削機Aを用意して、地盤の掘削を行う。図1に示すように、STEP1において、前記被ガイド部15を設けていない通常の3連の削孔機で、ガイド定規に設けたマーキング等で先端のヘッド部を位置決めし、3連オーガを回転駆動させて地盤に孔を穿孔する。
【0029】
前記掘削された孔内には、オーガ先端部(ヘッド部)から吐出・注入されるセメント系懸濁液(セメントミルク)により、該セメントミルクと土とが混ざってソイルセメント3となって充満する。該ソイルセメント3が固化する前に、予め作成してある防振壁4を埋設する。
【0030】
前記防振壁4は、図3(B)において示す、間隙用防振壁4aの無いものである。前記STEP1での削孔2内に防振壁4を埋設させるには、掘削機におけるタワーを利用してクレーンで略垂直に吊り上げ、防振ゴム7を外側に向け先導部材12を下にして、最初は自重で貫入させ、その後はモンケン等で押し込み、埋設させるものである。掘削深度が深いときには、図10(A),(B)に示すように、連結板11で適宜にボルト・ナットで連結しながら、防振壁4を埋設させるものである。
【0031】
そして、STEP1の削孔2において、ソイルセメント3が、半固化した後に、若しくは、固化した後に、STEP2で、図1において右方向を削孔方向として、隣接部を連続して掘削する。STEP1におけるソイルセメント3と、隣接部のSTEP2におけるソイルセメント3とが、混濁しなければ良いものである。
【0032】
このSTEP2からは、被ガイド部15を有した本発明の掘削機Aを使用する。即ち、図8乃至図9に示すように、被ガイド部15を、前記STEP1で埋設完了した防振壁4のガイド部10a,10bに沿わせるように位置決めし、3連オーガを回転駆動させて穿孔を開始する。防振壁4のガイド部10a,10bに沿って鉛直方向にガイドされる前記被ガイド部15により、半固化若しくは固化したソイルセメント3が削られるとともに、隣接部の地盤に孔が穿孔される。
【0033】
そして、このSTEP2における削孔2のソイルセメント3が固化する前に、図3(A)に示す、間隙用防振壁4aを有する防振壁4を、その自重若しくはモンケン等で削孔2に埋設させる。この際に、前記間隙防振壁4aの防振ゴム7の左端部を、前記ガイド部10aに嵌装させて鉛直方向にガイドされるようにする。こうして、位置決めフレーム10を設けることで形成されたガイド部10a,10bにより、前記防振壁4がスムーズにソイルセメント3中へ貫入され埋設されるものである。
【0034】
このように、被ガイド部15を有する掘削機Aにより、図1に示すように、削孔方向に穿孔し、防振壁4を埋設していくものであるが、掘削機Aによる地盤の穿孔作業は、図11(A)に示すように、削孔方向に沿って、隣接部にほぼ重複することなく連続して穿孔作業を行うことができる。よって、3回掘削すると合計9個の孔ができる。
【0035】
これに対して、図11(B)に示すように、従来の掘削機による穿孔作業では、3回目の掘削が1回目と2回目とに跨って行われるので、合計7個の孔ができる。穿孔作業を繰り返すことで、この進行速度の差は益々拡大する。このように、本発明では、削孔方向への進行が、従来の穿孔作業の進行速度よりも早く、工期の短縮となるものである。
【0036】
こうして、地盤の掘削と防振壁4の埋設を繰り返して、防振壁4を埋設した図1に示すように地中連続壁1、若しくは、地中連続防振壁1aと山留め壁22とからなる図2に示す地中連続壁1を構築するものである。この地中連続壁1により、構築する地下構造物に近接した地下鉄等からの振動の影響を、防振壁4からなる防振手段によって排除することができるものである。
【0037】
なお、図1に示す地中連続壁1において、防振効果が十分に見込まれる場合には、間隙用防振壁4aを省いて施工しても良い。この場合には、防振壁4が連続しないので、外防水として兼用させることはできない。
【0038】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係る地中連続壁は、地中連続壁に設けられて外防水に兼用される防振手段が防振壁と間隙用防振壁とでなり、その防振壁が、金属製框体と、該框体に貼着された防振ゴムとからなり、前記金属製框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該一対のH型鋼の片側のフランジ間に横架されるフレームとでなり、前記フレーム側に前記防振ゴムが貼着され、前記一対のH型鋼のうち横方向に設けられる削孔に隣接する隣接部側のH型鋼には、そのH型鋼のウェブにL字型の位置決めフレームが鉛直方向に略全長に亘り固着され、このL字型位置決めフレームと当該H型鋼の片側のフランジとの間隙が間隙用防振壁を埋設するためのガイド部となるとともに、前記L字型位置決めフレームと当該H型鋼の他側のフランジとの間隙が掘削機用のガイド部となっており、前記間隙用防振壁は防振ゴムを複数枚積層してフレームに取り付けられてなり、該間隙用防振壁が前記防振壁の片方のH形鋼における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて前記防振手段が構成され、地盤の削孔に間隙をおいて隣接する防振壁間において対向するH形鋼のウェブの前記間隙防振壁用のガイド部の間に前記間隙用防振壁が埋設されて、防振手段が地盤に掘削された孔に横方向に連続して埋設されていて、防振壁を地下鉄等の振動源に近接させて配設されるので、当該振動源からの振動の影響を効果的に抑制することができる。更に、防振壁が、連続壁に埋設され、若しくは、山留め壁の外側に構築されるようになり、土地の有効面積が拡大して土地の有効活用が図れると言う優れた効果を奏するものである。
【0039】
前記防振手段は、鉛直方向に直交する横方向に連続して設け、外防水に兼用されるものであるので、地下構造物の外防水を構築する手間が大幅に省くことができてコスト低減となるものである。
【0040】
前記防振手段が、金属製框体と、該框体に貼着された防振材とからなり、前記框体の一部に隣接部の地盤を掘削する掘削機用のガイド手段が設けられているので、掘削機が隣接する地盤を連続して掘削することができるようになり、削孔進度が増して、工期の短縮となると言う優れた効果を奏するものである。
【0041】
前記防振手段が、金属製框体と、該框体に貼着された防振材とからなり、前記框体の一部に隣接部の削孔に埋設する防振手段用のガイド手段が設けられているので、防振手段を削孔に埋設させる作業がスムーズに遂行できると言う優れた効果を奏するものである。
【0042】
前記防振手段の框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該H型鋼のフランジ間に横架されるフレームとでなり、前記一対のH型鋼のうち隣接部側のH型鋼には、掘削機用のガイド部または防振手段用のガイド部が設けられているので、H型鋼を利用して簡易に框体を作成することができる。
【0043】
本発明の地中連続壁の構築方法は、地中連続壁用と外防水用とに兼用される防振手段が防振壁と間隙用防振壁とでなり、その防振壁が、金属製框体と、該框体に貼着された防振ゴムとからなり、前記金属製框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該一対のH型鋼の片側のフランジ間に横架されるフレームとでなり、前記フレーム側に前記防振ゴムが貼着され、前記一対のH型鋼のうち横方向に設けられる削孔に隣接する隣接部側のH型鋼には、そのH型鋼のウェブにL字型の位置決めフレームが鉛直方向に略全長に亘り固着され、このL字型位置決めフレームと当該H型鋼の片側のフランジとの間隙が間隙用防振壁を埋設するためのガイド部となるとともに、前記L字型位置決めフレームと当該H型鋼の他側のフランジとの間隙が掘削機用のガイド部となっており、前記間隙用防振壁は防振ゴムを複数枚積層してフレームに取り付けられてなり、該間隙用防振壁が前記防振壁の片方のH形鋼における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて前記防振手段が構成され、掘削機により地盤を掘削し、この掘削した孔内に前記防振壁を埋設し、その後、前記孔の隣接部において掘削機用のガイド手段であるガイド部にガイドされながら前記掘削機で前記孔に重複させることなく連続して地盤を掘削し、この隣接部に削孔された孔内に防振手段を、先に埋設した前記防振壁における間隙用防振壁のガイド部に当該防振手段における間隙用防振壁の端部を嵌装させてガイドさせながら横方向に連続させて埋設させ、
その後、前記掘削機による連続した地盤の掘削と前記埋設された防振手段の間隙用防振壁のガイド部に次の防振手段における間隙用防振壁の端部を嵌装させて横方向に連続させる防振手段の埋設とを繰り返して外防水を兼用する地中連続壁を構築する構築方法なので、防振手段を設ける工期と削孔作業の工期がそれぞれ従来よりも大幅に短縮されると言う優れた効果を奏するものである。
【0044】
また、防振手段の一端側に掘削機用のガイド手段が設けられ、該ガイド手段に掘削機の被ガイド部を沿わせながら、隣接部の掘削を行うこと、更に、防振手段の一端側に隣接部の防振手段用のガイド手段が設けられ、該ガイド手段に隣接部の防振手段の被ガイド部を沿わせながら、当該隣接部の防振手段を削孔に埋設させるので、作業効率が向上して工期短縮となる。
【0045】
更に、防振手段の框体に設けられた掘削機用及び間隙用防振壁用のガイド手段が側方に設けられているので、削孔方向へ重複することなく連続して隣接の地盤を掘削することができるとともに、間隙用防振壁をスムーズに貫入させることが可能となり、連続した防振壁及び外防水壁を構築できるようになって、振動を高性能に遮断し、地下水の地下構造物内への浸透を防ぐとともに、連続壁の工期短縮が図られると言う優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地中連続壁の構築方法を示す説明図である。
【図2】同本発明に係る地中連続壁で、外側の地中連続防振壁と内側の山留め壁とからなる場合の連続壁の断面図である。
【図3】同本発明に係る地中連続壁における防振壁の平面図(A),(B)である。
【図4】同本発明に係る地中連続壁における防振壁の側面図である。
【図5】図4におけるB部の拡大側面図である。
【図6】連結板の正面図(A)と、使用状態の平面図(B)である。
【図7】本発明に係る掘削機Aの正面図である。
【図8】本発明に係る地中連続壁の構築方法の説明図である。
【図9】図8におけるC部の拡大説明図である。
【図10】本発明に係る地中連続壁の構築方法を説明する説明図(A),(B)である。
【図11】本発明による削孔方法と、従来例による削孔方法とを説明する各説明図(A),(B)である。
【図12】従来例に係る地中連続壁の構造を示す断面図(A),(B)である。
【符号の説明】
1 地中連続壁、 1a 地中連続防振壁、
2 削孔、 3 ソイルセメント、
4 防振壁、 4a 間隙用防振壁、
5 H型鋼、 5a ウェブ面、
5b,5c フランジ、 6 フレーム、
6a 防振ゴム添接板、 7 防振ゴム、
8 フレーム、 9a, ボルト、
9b ナット、 10 位置決めフレーム、
10a ガイド部、 10b ガイド部、
11 連結板、 11a ボルト孔、
12 先導部材、 13 サイドカッター、
14 残土部、 15 被ガイド部、
21 地下鉄、 22 山留め壁、
23 本設のコンクリート躯体。
Claims (2)
- 地中連続壁に設けられて外防水に兼用される防振手段が防振壁と間隙用防振壁とでなり、その防振壁が、金属製框体と、該框体に貼着された防振ゴムとからなり、
前記金属製框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該一対のH型鋼の片側のフランジ間に横架されるフレームとでなり、
前記フレーム側に前記防振ゴムが貼着され、
前記一対のH型鋼のうち横方向に設けられる削孔に隣接する隣接部側のH型鋼には、そのH型鋼のウェブにL字型の位置決めフレームが鉛直方向に略全長に亘り固着され、
このL字型位置決めフレームと当該H型鋼の片側のフランジとの間隙が間隙用防振壁を埋設するためのガイド部となるとともに、前記L字型位置決めフレームと当該H型鋼の他側のフランジとの間隙が掘削機用のガイド部となっており、
前記間隙用防振壁は防振ゴムを複数枚積層してフレームに取り付けられてなり、該間隙用防振壁が前記防振壁の片方のH形鋼における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて前記防振手段が構成され、
地盤の削孔に間隙をおいて隣接する防振壁間において対向するH形鋼のウェブの前記間隙防振壁用のガイド部の間に前記間隙用防振壁が埋設されて、防振手段が地盤に掘削された孔に横方向に連続して埋設されていること、
を特徴とする地中連続壁。 - 地中連続壁用と外防水用とに兼用される防振手段が防振壁と間隙用防振壁とでなり、その防振壁が、金属製框体と、該框体に貼着された防振ゴムとからなり、前記金属製框体は、鉛直方向に立設してウェブ面を対向配置にした一対のH型鋼と、該一対のH型鋼の片側のフランジ間に横架されるフレームとでなり、前記フレーム側に前記防振ゴムが貼着され、前記一対のH型鋼のうち横方向に設けられる削孔に隣接する隣接部側のH型鋼には、そのH型鋼のウェブにL字型の位置決めフレームが鉛直方向に略全長に亘り固着され、このL字型位置決めフレームと当該H型鋼の片側のフランジとの間隙が間隙用防振壁を埋設するためのガイド部となるとともに、前記L字型位置決めフレームと当該H型鋼の他側のフランジとの間隙が掘削機用のガイド部となっており、
前記間隙用防振壁は防振ゴムを複数枚積層してフレームに取り付けられてなり、該間隙用防振壁が前記防振壁の片方のH形鋼における前記間隙用防振壁埋設用のガイド部にその端部を嵌合させて横方向に突出するように取り付けられて前記防振手段が構成され、
掘削機により地盤を掘削し、この掘削した孔内に前記防振壁を埋設し、
その後、前記孔の隣接部において掘削機用のガイド手段であるガイド部にガイドされながら前記掘削機で前記孔に重複させることなく連続して地盤を掘削し、
この隣接部に削孔された孔内に防振手段を、先に埋設した前記防振壁における間隙用防振壁のガイド部に当該防振手段における間隙用防振壁の端部を嵌装させてガイドさせながら横方向に連続させて埋設させ、
その後、前記掘削機による連続した地盤の掘削と前記埋設された防振手段の間隙用防振壁のガイド部に次の防振手段における間隙用防振壁の端部を嵌装させて横方向に連続させる防振手段の埋設とを繰り返して外防水を兼用する地中連続壁を構築すること、
を特徴とする地中連続壁の構築方法。
Priority Applications (1)
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